JP2009178391A - 骨補填材 - Google Patents
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Abstract
【課題】補填時の操作性を向上し、高い生体適合性を有する骨補填材を提供する。
【解決手段】液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、リン酸カルシウム粉末または顆粒とを混合してなる骨補填材を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、リン酸カルシウム粉末または顆粒とを混合してなる骨補填材を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、骨補填材に関するものである。
従来、骨腫瘍などの治療に伴って生じた骨欠損部の補填には、顆粒状の人工骨がしばしば用いられている。しかしながら、切開部の皮膚組織に付着して除去しにくいなど、補填時の操作性が悪く、また補填後に人工骨が散逸してしまう不都合が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、これらの問題点を解決するために、リン酸カルシウムを高分子水溶液と練和し、体内で硬化させる技術が試みられている(例えば、特許文献2参照。)。
そして、これらの問題点を解決するために、リン酸カルシウムを高分子水溶液と練和し、体内で硬化させる技術が試みられている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、特許文献2の技術は、生体に適合しない成分を用いるため、生体適合性の観点から好ましくないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、補填時の操作性を向上し、高い生体適合性を有する骨補填材を提供することを目的としている。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、補填時の操作性を向上し、高い生体適合性を有する骨補填材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、リン酸カルシウム粉末または顆粒とを混合してなる骨補填材を提供する。
本発明によれば、液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸とを混合すると、ステレオコンプレックスの形成によって、経時的に結晶化して硬化する。したがって、リン酸カルシウム粉末または顆粒を液状のL−オリゴ乳酸と液状のD−オリゴ乳酸との液状の混合物に混合して、流動性を有する間に補填することでシリンジ等により容易に患部に充填することができる。そして、患部に注入された後には、硬化してその部位に定着する。さらに、オリゴ乳酸による酸刺激によって、周囲の細胞が活性化され、骨形成が促進される。また、オリゴ乳酸が、細胞と高い接着性を有するので、細胞をさらに活性化させて、早期に患部を修復することができる。
本発明は、液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、リン酸カルシウム粉末または顆粒とを混合してなる骨補填材を提供する。
本発明によれば、液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸とを混合すると、ステレオコンプレックスの形成によって、経時的に結晶化して硬化する。したがって、リン酸カルシウム粉末または顆粒を液状のL−オリゴ乳酸と液状のD−オリゴ乳酸との液状の混合物に混合して、流動性を有する間に補填することでシリンジ等により容易に患部に充填することができる。そして、患部に注入された後には、硬化してその部位に定着する。さらに、オリゴ乳酸による酸刺激によって、周囲の細胞が活性化され、骨形成が促進される。また、オリゴ乳酸が、細胞と高い接着性を有するので、細胞をさらに活性化させて、早期に患部を修復することができる。
上記発明においては、ポリ乳酸粉末または顆粒をさらに混合してなることとしてもよい。
このようにすることで、ポリ乳酸の作用により、オリゴ乳酸の散逸を低減し、細胞をさらに刺激して活性化することができる。
このようにすることで、ポリ乳酸の作用により、オリゴ乳酸の散逸を低減し、細胞をさらに刺激して活性化することができる。
また、上記発明においては、薬剤をさらに混合してなることとしてもよい。
このようにすることで、薬剤の作用により、細胞の成長促進等を図ることができる。薬剤としては、BMP、FGA、TGFβ、PDGF、VEGF等の成長因子、PTH、プロスタグランジン等のホルモン剤およびペプチド製剤の少なくとも1つが挙げられる。
このようにすることで、薬剤の作用により、細胞の成長促進等を図ることができる。薬剤としては、BMP、FGA、TGFβ、PDGF、VEGF等の成長因子、PTH、プロスタグランジン等のホルモン剤およびペプチド製剤の少なくとも1つが挙げられる。
本発明によれば、補填時の操作性を向上し、生体適合性を向上することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る骨補填材の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る骨補填材は、液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、βリン酸三カルシウム粉末または顆粒とを混合することにより構成されている。液状のL−オリゴ乳酸と液状のD−オリゴ乳酸との混合比率は、質量比で約1:1である。また、これらのオリゴ乳酸の重合度は、7〜14である。
本実施形態に係る骨補填材は、液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、βリン酸三カルシウム粉末または顆粒とを混合することにより構成されている。液状のL−オリゴ乳酸と液状のD−オリゴ乳酸との混合比率は、質量比で約1:1である。また、これらのオリゴ乳酸の重合度は、7〜14である。
L−オリゴ乳酸およびD−オリゴ乳酸は以下のようにして合成した。
L−オリゴ乳酸は、エタノール(和光純薬)1.15g(25mmol)、L−ラクチド(Purac)14.4g(100mmol)、エチルヘキサン酸スズ(和光純薬)20μLをなす型フラスコに投入し、アルゴン置換した。オイルバスを用いて120℃で1時間反応させた。常温に冷却した後にクロロホルム20mLを加え、溶解させた。溶液をヘキサンに滴下し生成物と未反応モノマーを分離した。生成物を重クロロホルムに溶解させ、1H−NMR測定を行った。ケミカルシフトのピーク面積比から重合度を決定した。D−オリゴ乳酸は、D−ラクチド(Purac)を用いて同様に合成した。
L−オリゴ乳酸は、エタノール(和光純薬)1.15g(25mmol)、L−ラクチド(Purac)14.4g(100mmol)、エチルヘキサン酸スズ(和光純薬)20μLをなす型フラスコに投入し、アルゴン置換した。オイルバスを用いて120℃で1時間反応させた。常温に冷却した後にクロロホルム20mLを加え、溶解させた。溶液をヘキサンに滴下し生成物と未反応モノマーを分離した。生成物を重クロロホルムに溶解させ、1H−NMR測定を行った。ケミカルシフトのピーク面積比から重合度を決定した。D−オリゴ乳酸は、D−ラクチド(Purac)を用いて同様に合成した。
本実施形態に係る骨補填材は、上記のようにして合成されたL−オリゴ乳酸(重合度9.2)、およびD−オリゴ乳酸(重合度8.8)をそれぞれ2gずつ計量した。リン酸三カルシウム100ミリグラムをL−オリゴ乳酸に添加した後にD−オリゴ乳酸を加え、混合した。混合後直ちに白濁、硬化が始まり固形のステレオコンプレックス人工骨を得た。これらL−オリゴ乳酸、D−オリゴ乳酸とステレオコンプレックス人工骨を混合することにより、本実施形態に係る骨補填材を得た。
本実施形態に係る骨補填材は、混合した時点では流動性を有し、経時的に結晶化して硬化していく。
この性質を利用して、混合直後に患部に注入することにより、流動性を有した状態で操作でき、補填性、操作性が良好であるという利点がある。
この性質を利用して、混合直後に患部に注入することにより、流動性を有した状態で操作でき、補填性、操作性が良好であるという利点がある。
すなわち、流動性を有する本実施形態に係る骨補填材は、患部の隅々にまで入り込んで隙間なく充填される。また、シリンジのような充填器具によって簡易に充填することができる。
また、本実施形態に係る骨補填材は、患部に充填された後には、ステレオコンプレックス形成によって経時的に硬化し、その場に定着する。そして、患部に存在する細胞を接着させることができ、細胞の成長を促進することができる。
さらに、骨補填材を構成するL−オリゴ乳酸およびD−オリゴ乳酸に含まれる乳酸の作用によって、細胞に酸刺激を与えて活性化し、βリン酸三カルシウム粉末または顆粒を足場とした骨形成の促進を図ることができる。その結果、患部を早期に修復することができる。
さらに、本実施形態に係る骨補填材は、全て生体吸収性の材料により構成されているので、経時的に吸収され自家骨に置き換わっていく。したがって、体内に異物を残さずに済むという利点がある。
なお、本実施形態においては、βリン酸三カルシウム粉末または顆粒に代えて、ハイドロキシアパタイトのような他のリン酸カルシウム粉末または顆粒を混合してもよい。また、BMP、FGA、TGFβ、PDGF、VEGF等の成長因子、PTH、プロスタグランジン等のホルモン剤およびペプチド製剤の少なくとも1つのような薬剤を混合してもよい。
Claims (3)
- 液状のL−オリゴ乳酸と、液状のD−オリゴ乳酸と、リン酸カルシウム粉末または顆粒とを混合してなる骨補填材。
- ポリ乳酸粉末または顆粒をさらに混合してなる請求項1に記載の骨補填材。
- 薬剤をさらに混合してなる請求項1または請求項2に記載の骨補填材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008020918A JP2009178391A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 骨補填材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008020918A JP2009178391A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 骨補填材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009178391A true JP2009178391A (ja) | 2009-08-13 |
Family
ID=41032829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008020918A Withdrawn JP2009178391A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 骨補填材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009178391A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8834937B2 (en) | 2010-09-10 | 2014-09-16 | Aichi Gakuin | Bone filling material comprising sintered titanium dioxide and dextrin and method for reconstructing bone defects using the same |
JP2017081856A (ja) * | 2015-10-28 | 2017-05-18 | 靖正 加藤 | 骨形成促進剤及び骨形成促進装置 |
-
2008
- 2008-01-31 JP JP2008020918A patent/JP2009178391A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8834937B2 (en) | 2010-09-10 | 2014-09-16 | Aichi Gakuin | Bone filling material comprising sintered titanium dioxide and dextrin and method for reconstructing bone defects using the same |
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