JP2009177574A - ヘッドホン - Google Patents

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Katsuaki Yamashita
功誠 山下
Ikuhide Hosoda
育英 細田
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Abstract

【課題】音楽を聴取する際の臨場感を向上させる技術を提供する。
【解決手段】振動子付ヘッドホン1は、音響を出力するスピーカ56と音声信号に応じた加振信号を生成する加振信号生成部とを保持する左右一対のハウジング54と、左右一対のハウジング54を頭部に挟着させるバンド30と、左右一対のハウジング54とバンド30とを連結する一対のハンガー36と、ハンガー36に取り付けられた音声信号に応じた振動を発生する振動子44とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明はヘッドホンに関する。
近年、臨場感のある音場再生を実現するために、ドルビー(登録商標)デジタル等の多チャンネル音声信号を再生する複数のスピーカを組合せて、迫力ある映画などを再生して楽しむデジタルサラウンドシステムが普及している。デジタルサラウンドシステムは、簡単には、前方左右に配置されたスピーカシステムで2チャンネルの信号を再生するステレオ再生システムに、受聴者の両側または後部にスピーカを加えて立体的に音場を再生しようとするシステムである。さらにデジタルサラウンドシステムは、サブウーファーという低音域の再生を受けもつスピーカを加えて迫力ある音場を再生する。
ここで、立体的に再生される音場を捉えるにあたって音像定位と再生周波数帯域が重要な要素である。音像定位とは、複数のスピーカから出力される音響を人間が聴いて実際の空間的な音源の方向と距離を判断することである。例えば、記録されたライブ演奏を聴く場合であっても音像定位ができれば、個々の楽器の場所がわかり、あたかも眼前でライブ演奏しているイメージが得られる。特に低音とその拡がり感がライブの迫力と臨場感を与える。つまり、低音を含む音像定位ができれば音楽の拡がりや奥行き感がえられ臨場感が増す。デジタルサラウンドシステムでは、複数のスピーカーを空間的に配置するため、かなり正確な音像定位を実現でき、あたかもライブ演奏を聴いているような臨場感が得られる。
しかしながら、このデジタルサラウンドシステムを導入するには複数のスピーカが必要であるため費用がかかり、環境を整えるための広い空間が必要とされる。一方、ヘッドホンであれば、比較的安価で、場所を問わず音楽を楽しむことができる。しかしながら、ヘッドホンを耳に装着して音楽を聴く場合、自分の頭の中に音が定位しているかのように聞こえたり(これを「頭内定位」という)、スピーカが小径であるがゆえ、低音の再生能力が乏しいという問題がある。デジタルサラウンドヘッドホンに関する技術も同様に低音の再生能力が乏しく、さらに高価なプロセッサを利用するため費用がかかるという問題がある。両耳にスピーカーを当てるだけのヘッドホンでは、複数のスピーカーを空間的に配置するデジタルサラウンドシステムで実現されるような正確な音像定位及び、サブウーファーのような極低音の迫力ある再生は難しく、臨場感や立体感を得るには限界がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヘッドホンにおける音楽を聴取する際の臨場感を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のヘッドホンは、バンドと、左右一対のハウジングと、ハウジングをバンドに懸架する一対のハンガーと、ハンガーに取り付けられた音声信号に応じた振動を発生する振動子と、を備えた。この態様によると、振動子の振動がハンガーを介して間接的にユーザに伝わる。振動子の振動はヘッドホンの筐体を通じて極低音としてユーザに伝わる。
本発明の別の態様もまた、ヘッドホンである。このヘッドホンは、スピーカを保持する左右一対のハウジングを有し、ハウジングに直接振動が伝わる位置を避けて音声信号に応じた振動を発生する振動子が取り付けられた。この態様によると、振動子の振動がユーザに間接的に伝わる。
本発明の別の態様もまた、ヘッドホンである。このヘッドホンは、耳に装着するための耳掛ハンガーと、耳掛ハンガーによって懸架された左右一対のハウジングと、耳掛ハンガーに取り付けられた音声信号に応じた振動を発生する振動子と、を備えた。この態様によると、振動子の振動が耳掛ハンガーを介してユーザに伝わる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ヘッドホンにおける音楽を聴取する際の臨場感を向上させる技術を提供することができる。小径のスピーカでも迫力のある低音の臨場感が得られる。
図1は、本実施の形態における振動子付ヘッドホン1の全体の斜視図である。振動子付ヘッドホン1は、スピーカ56を保持する左右一対のハウジング54と、左右一対のハウジング54を頭部に挟着させるバンド30と、左右一対のハウジング54とバンド30とを連結する一対のハンガー36と、ハンガー36に取り付けられた音声信号に応じた振動を発生する振動子44とを備える。バンド30の両端は、それぞれ固定部32を介してスライダー34に固定する。バンド30は、円弧状に湾曲形成されて弾力性を与えたもので、その弾性力を利用して頭部に挟着し、ハウジング54をユーザの耳に押圧させて保持する。なお、バンド30は、円弧の曲率を緩やかに湾曲形成することで耳への押圧感をやわらげてもよい。
スライダー34の下端はハンガー36のスライド穴に挿入されており、スライダー34はハンガー36をスライド自在に取り付ける。ハンガー36は、バンド30の延長方向のセンターライン31を回転軸としてスライダー34に対して回動可能である。ハンガー36をバンド30の延長方向33にスライドさせることによりスライダー34の長さを調整し、ユーザーは各人の頭のサイズに合わせて振動子付ヘッドホン1を装着できる。
ハンガー36は、Y字型に形成される。ハンガー36の同図における上端はバンド30に取り付けられ、下端はハウジング54に取り付けられる。ハンガー36の二股に分かれた2つの先端部には係止部58が備えられ、2つの係止部58を結ぶ破線37を回転軸としてハウジング突出部51が回動可能に係止される。
ハンガー36に振動子44を取り付けるための構造を説明する。ハンガー36のY字型の付け根部分には、結合部38と保持部40とが備えられる。結合部38は、装着時のユーザの耳介後方に突設されており、保持部40を結合する。保持部40は、振動子44を保持する。振動子44がバンド30とハウジング54をつなぐハンガー36に取り付けられたことで、振動子44の振動は、ハンガー36を介して振動子付ヘッドホン1全体にバランスよく伝わる。
振動子44は音楽の再生とともに振動するが、音楽の再生とともにユーザに直接振動を伝えると、音楽の受聴を阻害しかねない。そこで、その振動をバランスよく不快なくユーザに伝えることが重要である。本実施の形態によれば、ハンガー36はユーザに直接的に接触する部位でないため、振動子44の振動は、ハンガー36においていったん吸収された後、バンド30及びハウジング54に伝わりユーザに感じ取られる。これにより、振動が伝わる過程での高域の不要な振動成分が低減され、振動がやわらげられ、ユーザの振動に対する質感が向上する。また、振動子44の振動はバンド30を含むヘッドホン全体へ伝わることから、ユーザの頭部の広範囲に渡って伝えられる。さらに、ユーザの頭部の広範囲に渡って振動が伝えられることで、拡がり感のある低音の定位感が得られる。
ハウジング54は、第一調整つまみ46aと、第二調整つまみ46b(以下、総称する場合には調整つまみ46とする)と、イヤーパッド48と、ハウジング突出部51と、ヘッドホンジャック53と、スピーカ56とを含む。第一調整つまみ46aは、振動子44の振動量を調整するためのものであり、第二調整つまみ46bは、振動子44の振動感を調整するためのものである。なお、第一調整つまみ46aは、振動量をゼロにすれば振動子44への給電を止めるスイッチ機能を有してもよい。
ヘッドホンジャック53は、音声再生装置から有線で音声信号を入力可能とする。なお、音声再生装置からの音声信号の入力は、有線、無線のいずれでもよく、一般的に用いられている手法から適宜選択してよい。また、音声再生装置に限らずゲーム機やテレビ受像機などの音声出力する任意の装置から音声信号を有線または無線で入力してもよい。その場合、ゲームやテレビ番組の場面での効果音とともに振動子44によって振動を与えることができる。
図2は、本実施の形態における振動子付ヘッドホン1の左部の平面図である。スライダー34の上端は固定部32に固定される。一方、スライダー34の下端には、ハンガー36がスライダー34に対してスライド自在に取り付けられる。固定部32の中心点とハンガー36の中心点とを結ぶ直線をセンターライン31と呼ぶと、ハンガー36は、センターライン31を回転軸としてスライダー34に対して回動可能である。
振動子44は、センターラインから離した位置に取り付けられてもよい。振動子44は、複数のフローティング支持部材42によって支持されて保持部40に保持される。同図は、振動子44の振動板72を図示しているが、振動子44の外面は例えばスピーカのような網状の保護材で囲われていてもよい。
同図においてはフローティング支持部材42は3個であるが、個数はいくつでもよい。フローティング支持部材42は、例えば、ウレタンなどの弾性に優れる材質であってもよい。フローティング支持部材42は、ウレタンのような柔らかさを持つ素材であって、振動子44をフローティング固定することで、振動が伝わる過程での高域の不要な振動成分が低減され、ユーザの振動に対するフィーリングが向上する。
同図において振動子44はユーザの耳介後方に取り付けられている。これは、デジタルサラウンドシステムにおいても定位感の奥行きを高めるためにリア(後方)スピーカを設置するように、後方からの振動で定位感の奥行きを高めるためである。また、生理学的にも、人間の体のかたむきや回転を感じバランスを保つ三半規管はやや耳後方側の内部に位置し、この位置周辺での振動に対して敏感に反応する。
図3は、本実施の形態における振動子44の断面図である。振動子44は、偏芯型振動モータを使用することもできるが、より周波数特性に優れた図3において詳述するダイナミック型スピーカの原理を応用したダイナミック型の振動子44を使用するのがより好ましい。ダイナミック型の振動子44は、スピーカと同じ部品を使用できるため、生産コストを抑えることができる。ダイナミック型の振動子44において所望の振動量を得るためにはある程度の大きさを伴うため、ハウジング54を大きくして内蔵するより、振動子44を外部に取り付けるほうが望ましい。
振動子44は、マグネット63と、円筒状のコイル66と、振動板72と、コイル66と振動板72を一体的に固定するエッジ70を含む。マグネット63は磁界を発生する。コイル66は、磁界の間に位置する。そして、コイル66に外部から音声信号に応じた信号電流が供給されると、コイル66には、いわゆるフレミングの左手の法則に従って信号電流に応じた駆動力が与えられる。この駆動力がエッジ70を介して振動板72に与えられ、振動板72は図示する矢印方向68に振動する。エッジ70は、振動板72を振動自在に保持する。振動板72は、しんちゅうのような重量のある材質を用いて、可聴範囲の音波を出さないようにする。なお、同図において図示していないが、通常のダイナミック型スピーカではマグネット63及びコイル66の周辺にヨークと呼ばれる金属を配置してコイル66に強い磁場を与える設計をしているが、必要に応じてヨークを配置してもよい。
図3に記載の振動子44は、マグネット63が固定されてコイル66が振動するが、コイルが固定されマグネットが振動する型の、いわゆるMM(Moving Magnet)型の振動子44であってもよい。ダイナミック型の振動子44を用いることで、偏芯型振動モータの振動子と比べて振動のアタック感が強まり、ユーザの臨場感が向上する。これはダイナミック型の振動子44の方が周波数特性に優れており、高出力を得やすいためである。再生される音響と、それに同期したドラム音やベース音などのビートに応じたダイナミックなアタック感の振動とを合わせることで、ユーザに迫力ある立体的な音場感を与え、臨場感を向上させる。
モーターでなくダイナミック型の振動子の振動という形式での出力を行うため、数ミリ秒レベルの分解能での振動、停止が可能であり、ビートのタイミングをより忠実に反映させることができる。また音声信号の波形をそのまま動きとした振動を実現させることができ、音楽の低音を振動で味わうという新たな趣向を提供することができる。また、ダイナミック型の振動子44では強いアタック感とともに不要な振動の機械音的な雑音成分が生じるため、その不要な振動を低減する必要がある。
図4(a)、(b)は、本実施の形態における振動子44の取付け位置を示す図である。図4(a)では振動子44は、ユーザの頭部に直接振動が伝わる位置を避けて、バンド30の長手方向に対して離間した位置に取り付ける。つまり、センターライン31からオフセンターした位置に振動子44を取り付ける。
図4(b)はハンガー36を上方向から見た断面図である。図4(b)の上部にユーザの頭部が位置する。ハンガー36は、バンド30の長手方向を軸として回動可能に取り付けられる。ハンガー36はスライダー34に支持点35で軸支される。
図4(a)に示すようにセンターライン31から振動子44までの距離の違いによってユーザの振動に対するフィーリングに違いが生じる。図4(b)に示すように、ハンガー36の中心点である支持点35から結合部38が突設された方向に延長する破線77に対して、振動子44を保持する保持部40が距離75だけ離れている。この距離75によってユーザの振動に対するフィーリングに違いが生じる。この点について説明する。
まず、ヘッドホンにおける音像定位について説明する。従来のヘッドホン再生では、スピーカで再生する信号そのものを入力信号とするため、本来の音場で聞いているときに加わる方向情報が左右の音に加わらない結果、再生音像が頭の中にこもり(「頭内定位」)、音の方向感や奥行き感が出ないという点で、充分な臨場感を得ることができなかった。
しかし、ヘッドホン再生であっても再生音像を頭の外側の位置で感じる、すなわち自然に近い距離感のある再生音像を感じる(これを「頭外定位」という)ことで再生音像の拡がりや奥行き感を得ることができれば、臨場感が向上する。つまり、ヘッドホン再生でありながら、あたかも前方や後方に置いたスピーカからの音を聴いているような音響再生を得られる頭外定位ならば臨場感が向上する。従来の膨大な計算を必要とするデジタルサラウンドヘッドホンに関する技術は、高価なプロセッサを必要とするため費用がかかり、低音の再生能力や定位能力が乏しいという問題がある。本実施の形態に係る振動子付ヘッドホン1では、特に低音の定位の拡がり感を向上させるため振動子44を同図の位置に取り付けた。
ここで、振動子44が発生する振動で音響に関する頭外側への定位の拡がりが可能になる理由を説明する。一般に、音響と振動の関係は次のようになっている。低音域では周波数が低くなる程、音響と振動との区別がしづらく、身体で感じとる比率が高くなる。低音域の音響エネルギーは、それがあたった面や物を振動させる性質があり、低音域音響エネルギーが人間の身体を振動させている。つまり、低音域では、振動は音響の情報の一部といえる。そこで、再生される音響に同期した振動を耳から離れた位置で発生させることにより、とくに低音域では耳から離れた位置に音源があるように感じられるようになり、頭外側への定位の拡がりを実現することができる。
具体的には、図4(a)において振動子44をセンターライン31からより遠ざけた位置、つまり耳からより離れた位置に取り付けると、頭外側への定位の拡がりが実現でき、拡がりのある音響を受聴することができる。なお、センターライン31から離間した距離は、被験者がもっとも広い距離感で頭外側への定位の拡がり感が感じやすい位置に定められる。図4(b)において振動子44がユーザの耳から距離75だけ離れた場所に位置することにより、より広い距離感で頭外側への定位の拡がり感を感じやすくなり、より奥行き感が広がる。
図4(a)に示すように、振動子44を耳から離すことで振動が伝わる過程での高域の不要な振動が低減され、低域の振動が伝えられる。図4(a)において結合部38を介して振動子44をオフセンターしたことで不要な振動を低減し、さらに図4(b)においてスライダー34をハンガー36に完全に固定せず回動可能にしたことで、振動がバンド30に過剰に伝わらず、不要な高次の振動の機械音的な雑音成分が減衰する。なお、支持点35を枢軸としてハンガー36を回動可能に取付けた場合、回動可能な範囲をライン76の範囲にとどめるようにしてもよく、ある程度の範囲をもって適宜きめてもよい。
図5(a)、(b)は、本実施の形態における振動子44の取付け例を示す図である。図5(a)は保持部40を2本の棒状の結合部74で支持した例である。なお、同図は2本の結合部74で保持部40を支持するが、結合部74の数はいくつであってもよい。図5(b)は、ハンガー36の上面に図示しない結合部を介して保持部40を取付けた例である。
図6は、本実施の形態における振動子付耳掛式ヘッドホン92の左部を示す図である。ハウジング82の内部構成は、振動子付ヘッドホン1のハウジング54と同様である。図に示すヘッドホンジャック88は有線であるが、無線で音声信号を入力してもよい。振動子44は、結合部90で耳掛ハンガー80に対して離間した位置に取り付ける。なお、左右の耳掛ハンガー80をネックバンドでつなげたネックバンド式ヘッドホンにおいて耳掛ハンガー80に振動子44を取付けてもよい。振動子付耳掛式ヘッドホン92は、振動子44がユーザの耳から離れた位置に取り付けるため、低音域の定位感に優れる。
本実施の形態における効果を説明する。
1.音声信号に応じた振動を発生する振動子44をヘッドホン1のハンガー36に取り付けたことで、バンド30とハウジング54に振動をバランスよく伝達することができ、振動が伝わる過程での高域の不要な振動成分が低減され、振動に対する質感が向上する。振動子44の振動は、ハンガー36においていったん吸収された後、バンド30及びハウジング54に伝わるため、ユーザは間接的に振動を感じ取ることができる。振動子44の振動はバンド30を含むヘッドホン全体へ伝わることから、ユーザの頭部の広範囲に渡ってバランスよく伝わることができる。ユーザの頭部の広範囲に渡ってバランスよく振動が伝えられることで、拡がり感のある低音の定位感が得られる。振動子44の振動はヘッドホンの筐体を通じて極低音としてユーザに伝わることができる。
2.さらに、振動子44を耳から離れた位置に取り付けることで、低音域での頭外側への定位の拡がりに優れる。また、振動子44を耳から離すことで振動が伝わる過程での高域の不要かつ不快な振動が低減され、柔らかい振動に変化する。
3.さらに、センターライン31を中心軸として回動可能にハンガー36をスライダー34に取り付けることで、ハンガー36がスライダー34に完全に固定されていないため、振動がバンド30に過剰に伝わらず、不要な高次の振動の機械音的な雑音成分を減衰する。また、センターライン31から離れた位置に振動子44を取り付けることで、拡がりある定位感を持たせることができる。
4.さらに、振動子44をフローティング支持部材42を介して保持することで、高域の不要な振動成分をフローティング支持部材42が吸収し、ユーザの振動に対する質感が向上する。
5.ダイナミック型の振動子44を取り付けることで、ダイナミックなアタック感の振動を発生し、臨場感を向上する。
本実施の形態に係る振動子付ヘッドホン1は、例えば、近年において普及してきたMP3(MPEG Audio Layer-3)プレイヤー等に利用され、ユーザは、手軽に場所を問わず臨場感のある音楽を楽しむことができる。また、近年において家庭用ゲーム機の性能は飛躍的に進歩しており、高品質の音響を用いた臨場感のあるゲームをユーザに提供している。そこで、ユーザは、当該振動子付ヘッドホン1を利用することによってグラフィックスだけでなく音響の面でも臨場感あふれるゲームを楽しむことができる。
図7は、本実施の形態におけるハウジング54の内部構成を示す図である。ハウジング54は、無線通信部10と、音声入力部12と、電源部18と、加振信号生成部20と、音響出力部118とを含む。無線通信部10は、音声再生装置からの音声信号を無線で取得する。無線通信部10は、Bluetooth(登録商標)の無線技術を使用してもよい。音声入力部12は、有線で音声信号を取得する。無線通信部10または音声入力部12は、取得した音声信号を音響出力部118に入力する。音響出力部118は、音声信号を音響に変えてスピーカ56から出力する。電源部18は、無線通信部10に給電する。また、電源部18は、振動子44を振動させるために必要な信号電流へ増幅させる電気を加振信号生成部20に供給する。
無線通信部10は、加振信号生成部20に音声信号を入力する。音声入力部12は、加振信号生成部20に音声信号を入力する。加振信号生成部20は、取得した音声信号をローパスフィルタや後に詳述するビート抽出する手段等を用いて加振信号を生成し、その振動信号を振動子44に出力する。
図8は、本実施の形態で用いるビート抽出の原理を説明するための図である。ここで、ビートの抽出を行う手法について具体的に説明する。ビート抽出部は、再生中の音楽においてリアルタイムに変化するテンポに即した拍を「ビートのタイミング」として抽出する。さらにビート抽出部は「ビートの強度」を考慮する。一般的に、ひとつの曲においても穏やかな部分でのビートは弱く、メリハリのある部分でのビートは強く演奏され、受聴する側でもその変化を感じ取ることができる。そのような「ビートの強度」を数値化することにより、音声信号を強調する度合いに「ビートの強度」を反映させ、曲調の変化に対応させる。これにより、作曲家や演奏者が創造した世界を損ねることなくビート成分を強調した音響を出力することができる。また、タイミングという新たな切り口で音声信号の強調処理を行うことが可能となり、周波数帯域ごとの加工では得られなかった、メリハリのある音を生成できる、といった効果をもたらすことができる。
ビートの抽出は上述のようにビートのタイミングを判定し、そのときの強度を何らかの指標で表すことができれば特にその手法は限定されない。以下、その一例としてスペクトログラムを用いた手法について述べる。
図8中、上段はある音声信号の時間波形50、下段は同じ時間における当該音声信号のスペクトログラム60を示している。スペクトログラム60は周波数に対する音声信号のスペクトルの時間変化を示したものであり、縦軸が周波数、横軸が時間を表している。同図において上段と下段の時間軸は共通である。
まず時間波形50を見ると、そのピークが大きく振れるタイミング52の存在が確認できる。これは例えばドラムなどの打楽器がビートを刻んでいるタイミングであると考えられるが、実際にこの音楽を聴いてみると、時間波形に表れるビートのタイミング52より多くのタイミングでビートが感じられる場合が多い。これは時間波形がその音楽を構成する様々な音波の波形の重ね合わせを表していることなどに起因する。すなわち時間波形は各音波の位相によって振幅が変化するため、ビートのタイミングで波形が打ち消しあったりビート以外のタイミングで増幅したり、といったことが起こりやすい。そのためビート抽出において十分な精度が得られにくい。
一方、スペクトログラム60を見ると、広範囲にわたる周波数帯域で瞬時に生じる強いスペクトル62がおよそ周期的に表れているのがわかる。このスペクトル62の発生タイミングは、音楽を実際に受聴した際に人間が感じるビートのタイミングとよく合致している。そこで本実施の形態では、スペクトル62が表れるタイミングをビートのタイミングと判断する。具体的にはスペクトルの時間微分を行い、その値、すなわちスペクトルの時間変化量が大きいタイミングをビートのタイミングとする。そして時間微分値をビートの強度とする。
図9は、ビートの抽出を行うビート抽出部14の構成を示す図である。ビート抽出部14は後の述べる他の機能とともにハウジング54に備えられる。ビート抽出部14は、スペクトログラムを構成するスペクトルの数値を算出するスペクトル算出部142、スペクトルを時間微分する時間微分算出部144、時間微分値に基づきビートの判定を行うコンパレータ146、および、音声を強調する処理を行うためにビートを波形として表すエンベロープフォロワ148を含む。
まずビート抽出部14に入力された音声信号は、スペクトル算出部142に入力され、所定周期ごとにFFT(Fast Fourier Transform)演算を行うなど一般的な手法により、各時刻におけるスペクトルが算出される。そして時間微分算出部144において、スペクトルの全周波数帯域における総和の、単位時間あたりの変化を算出することにより、スペクトルの時間微分値が算出される。スペクトル算出部142および時間微分算出部144における計算は、実際には所定の時間幅のうちにサンプリングされた音声信号ごとにスペクトルを算出し、当該時間幅を単位時間分ずらした際のスペクトルの差分を時間微分値として取得するオーバラップ処理を行ってもよい。この場合の具体的な手法は、本発明者が過去に開示した特許文献(特開2007−33851)に記載されている。このようにして数ミリ秒から数十ミリ秒の時間分解能でスペクトルが得られる。
スペクトル算出部142および時間微分算出部144の以上の処理により、図中、波形2で表されるような波形を有する音声信号から、スペクトログラム4で表されるようなスペクトルが算出され、波形6で表されるような時間微分値の波形が得られる。コンパレータ146は、時間微分算出部144から出力された時間微分値の波形のピークと微分値に対しあらかじめ設定したしきい値とを比較する(波形7)。そしてしきい値を超えるピークを有する波形をビート成分として抽出する。結果として抽出されたビート成分にはビートのタイミングおよびそのときのビートの強度の情報が含まれる。
しきい値はより適格にビートのタイミングを検出するために、実際に受聴した場合に得られる感覚との比較や周期性などに基づき最適値を設定しておく。また音楽のジャンルなどによって複数の設定値から選択するようにしたり、曲の初頭の何拍かでしきい値を振って抽出されたビートの間隔を測定するなどして最適値を求め、後の処理にフィードバックするようにしてもよい。
エンベロープフォロワ148は、コンパレータ146が抽出した波形にエンベロープをかけ、ビートのタイミングで立ち上がり、立ち上がり速度より遅い速度で減衰する波形(波形8)を生成して出力する。この波形の立ち上がり幅は、時間微分値のピーク、すなわちビートの強度を表している。立ち上がった波形は例えば数十〜数百ミリ秒で0レベルに戻るようにその減衰速度を設定しておく。この速度はビート抽出の時間分解能などによって最適値を求めておいてもよいし、再生される曲の調子や音楽のジャンルなどによって複数の設定値から一のものを選択するようにしてもよい。例えばビート感のある音楽であればより急峻な波形とするため減衰速度を速くする、などの調整を行ってもよい。以後、エンベロープフォロワ148が出力する波形をビート波形と呼ぶ。
エンベロープフォロワ148が行う波形生成処理は、ビートのタイミングをユーザが認識できるよう、強調する時間に所定の幅をもたせるための処理である。したがって、エンベロープフォロワ148に代わり一般的なパルス発生器を用いて、所定の時間幅を有する矩形波、三角波など他の形状のパルスを発生させるようにしてもよい。また、スペクトログラムにおける強いスペクトル出現のあとの減衰が遅い、すなわち時間微分値の正のピークの後に表れる負のピークが小さいビートは、それに合わせてビート波形の減衰速度も小さくするなど、よりスペクトログラムの時間変化に近いビート波形を生成するようにしてもよい。以上のようにして生成されたビート波形を用いて、再生中の音声信号の強調処理を行う。
図10は、本実施の形態におけるハウジング54内の機能構成を示す図である。振動子付ヘッドホン1は、音声信号を音声再生装置等から有線で入力する音声入力部12、音声信号のビート成分を抽出するビート抽出部14、音声信号のビート成分を強調した加振信号を生成する出力信号生成部116、加振信号によって振動する振動する振動子44、および、元の音声信号を音響として出力する音響出力部118を含む。図7の加振信号生成部20は、ビート抽出部14と出力信号生成部116を含む。
ビート抽出部14は、ビート成分を抽出する。ここでビート成分とは、音声信号に含まれ、曲の時間的基準となる拍とみなされる成分のことである。したがってこのビート成分はあるタイミングで概ね規則的に出現するが、曲のテンポの変化に応じてその時間間隔も変化してよい。ビート抽出部14は、抽出したビート成分を出力信号生成部116に入力する。
出力信号生成部116は、音声信号のビート成分を強調した加振信号を生成する。出力信号生成部116は、生成された加振信号を振動子44に出力する。出力信号生成部116は、乗算器122および加算器124を含む。また、出力信号生成部116は、調整つまみ46に応じて加算器124のパラメータを調整することにより振動量及び振動感の調整した加振信号を出力してもよい。
上述のとおり本実施の形態における加振信号は基本的には音声信号の波形を反映したものである。そしてビートのタイミングにおいてビートの強度に応じてその振幅が大きくなるようにする。そのためまず乗算器122にビート抽出部14が出力したビート波形と、音声入力部12が出力した音声信号とを入力し、それらの波形を乗算する。これにより音声信号の周波数で振動し、全体的にビート波形の形で振幅が変化する信号が得られる。
このようにして生成された信号の波形は、ビート波形におけるあるビートの波形が減衰後、次のビートの波形が立ち上がるまでの時間においては振動がない。そこで加算器124においてさらに音声入力部12が出力した音声信号の波形を加算する。これにより、ビート以外の時間では音声信号の波形で振動し、ビートのタイミングでその振幅が増幅する信号を得ることができる。なおここでは、適当な振幅で振動子を振動させる電気信号へ変換する処理も適宜行う。出力信号生成部116はそのようにして生成された加振信号を出力する。なお加算器124では上述のとおり、音声信号の波形を加算することが望ましいが、場合によってはあらかじめ用意された単調な振動波形を加算するなどしてもよい。この場合の振動も、ビート波形の周波数より高い周波数であることが望ましい。
なお、加算器124に入力する音声信号は、上述したように音声入力部12が出力した音声信号でもよいし、特定の周波数帯域を抽出する図示しないフィルタや、周波数特性を変化させる図示しないイコライザを通した音声信号でもよい。後者の場合、振動子44の振動に適していたり、ユーザが心地よく感じることのできる周波数帯域やバランスをあらかじめ実験などにより設定しておくことにより、ビート以外の時間における振動の調整が可能となる。さらに乗算器122に入力する音声信号も同様の処理を施してよい。また加振信号の最大振幅は実験などによりあらかじめ最適値を設定しておくほか、振動子付ヘッドホン1に設けた調整つまみ46によってユーザが自由に調整できるようにしてもよい。例えば、振動量の調整は加振信号の振幅を変化させることで振動の強さを調節してもよい。一方、振動感の調整は、振動のソフト感またはハード感を調節可能とする。振動感は、ローパスフィルタで抽出し、イコライザを通したソフト感の強い音声信号とハード感の強いビート波形とのバランスを調整してもよい。
出力信号生成部116から出力された加振信号は振動子44に入力され、振動が実現される。厳密には振動子44が加振信号の波形と同様に振動する。このとき音響出力部118は、音声入力部12から入力された元の音声信号を音響として出力する。振動子44の振動と音響出力部118の音響出力とは当然、人が認識できるレベルで同期している。これによりユーザは振動子付ヘッドホン1で音楽を聴きながら、そのビートを強調した振動を同時に感じることができる。
以上述べた本実施の形態によれば、再生中の音声信号を振動子の振動として出力する。その際の振動は、音声信号の波形をそのまま反映させたものとする。そのうえ、音声信号に含まれるビートのタイミングとビートの強度を取得し、そのタイミングでビートの強度に応じて振動の振幅を増幅させる。これにより音楽を受聴しながら、その音楽により合致し、さらにビートが強調された振動をユーザに感じさせることができる。例えば音楽がヒップホップやロックなどのジャンルであった場合など、コンサート会場にいるときに感じる腹に響くようなビート感をユーザに与えることができる。
例えば従来のボディソニックなどの体感音響装置は、映画鑑賞時にその臨場感をより向上させることなどを目的に、数Hzから数百Hz程度の低周波数帯域の振動を体感させるものであった。したがって当該低周波数帯域の音声が存在する期間では常にその振動も出力されていた。一方、本実施の形態では検出したビートのタイミングで音声信号の所望の周波数帯域を増幅した振動を出力するため、メリハリのある振動を感じさせることができる。例えば全周波数帯域の音声信号を増幅するようにすれば、いかなる周波数特性の音楽でも同様にビート感を振動として感じさせることができる。
また、ビート成分の抽出にはスペクトログラムを利用するため、結果としてよりクリアなビート感を振動という形でユーザに感じさせることができる。結果として、ヒップホップ、ダンスミュージック、ロック、ポップスなど、リズムを重視した現代音楽のジャンルでは特に、演奏を生で聴いているような臨場感を得ることができる。また周波数帯域全体のスペクトルの変化からビートを検出するため、たとえば低周波数帯域のない人声や高音楽器でのリズム表現など様々な音楽表現に対応することができる。
図11は、以上述べた構成によって振動子付ヘッドホン1が行う処理手順を示す図である。まずユーザは音声再生装置に対し音声データを選択したうえで再生指示を入力すると(S10)、音声再生装置は当該音声データの復号などを行い振動子付ヘッドホン1へ音声信号を入力する。振動子付ヘッドホン1は当該音声信号を取得すると(S12)、スペクトル算出、時間微分、ビート判定などのビート成分抽出処理を行い(S14)、ビート波形を生成する(S16)。
続いて振動子付ヘッドホン1は、ビート波形をゲインとして音声信号の少なくとも所定の周波数帯域を増幅させてビート強調加振信号を生成し(S18)、それを振動として出力する(S20)。
以上述べた本実施の形態によれば、再生中の音声信号に含まれるビートのタイミングとビートの強度を取得し、そのタイミングにおいてその強度に応じた音声信号の強調処理を振動の付加により行う。ただし、スピーカ56から出力する音声信号は何の加工もせず、そのまま出力する。再生された音声信号のビート成分をリアルタイムで検出し、そのタイミングおよび強度に応じて動的に強調処理を行うことにより、元の音楽が有する世界観を損なうことなくビートのみを強調し、ユーザの好みや出力装置の状況などに応じてメリハリのある音楽を楽しむことができる。
またビート成分の抽出にはスペクトログラムを利用し、スペクトルの時間微分値の波形においてピークがあるしきい値を超えたタイミングをビートのタイミングとすることにより、比較的簡素な回路構成によってもビートのタイミングをより適格に判定することが可能となる。その結果、例えば音声の時間波形からビートを検出する場合と比較して、よりクリアなビート感を得ることができる。
例えば低音強調フィルタなど、特定の周波数帯域のみを強調する技術においては、どのような周波数帯域の音声信号が入力されようと、所定の周波数帯域の音声信号のみを監視対象および処理対象とするうえ定常的に強調処理を行うため、所望の効果が得られなかったり音質が却って悪くなってしまったりすることがある。例えばビート感を得る目的でドラムの音を強調しようとしても、同様の周波数帯域にある別の低音楽器の音まで強調されてしまい、結果として全体的にぼんやりした音やこもった音になってしまうことが考えられる。また音量の変化によっては一時的に音が歪んでしまう可能性もある。一方、本実施の形態では周波数帯域全体での変化をビートとして検出し、かつ、ビートのタイミングにおいてのみ振動を付加する強調処理を行う。スピーカ56から出力される音声信号そのものは全く加工せずに振動を付加する強調処理を行うので、全体的な音質に影響を与えずにビート感、リズム感のある音を聴かせることができる。さらに、音の歪みが発生しない。
以上のことから、例えばヒップホップ、ダンスミュージック、ロック、ポップスなど、リズムを重視した現代音楽のジャンルにおいて、より“ノリ”を感じさせられることができる。またそれ以外の音楽ジャンルを含めても、強調する周波数帯域や強調の度合いを選択可能とすることができるため、曲調に合った強調の仕方を臨機応変に変化させることができる。ビート部分を的確に強調することにより、その曲をしっかり聴いている感覚をユーザに与えることができる。さらに、本実施の形態に係る振動子付ヘッドホン1では、振動が伝わる過程で高域の不要な振動が低減する構造を有しているため、ビート部分を適切に強調した振動を伝えることができる。
また、ビート成分の音響出力、振動による出力を必要に応じて組み合わせたり、ユーザが機能のオン、オフを選択したりすることにより、状況に応じて様々な効果を得ることができる。例えば音響の出力をオフとして振動のみを出力するようにした場合、音楽を聴かずにそのビート感のみを味わうといった音楽の新たな楽しみ方が可能となるほか、振動子を音声信号の波形で振動させることにより、振動子から伝わる振動を介して触覚でビートが強調されたメリハリのある音楽を“聴く”ことができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態における振動子付ヘッドホンの全体の斜視図である。 本実施の形態における振動子付ヘッドホンの左部の平面図である。 本実施の形態における振動子の断面図である。 図4(a)、(b)本実施の形態における振動子の取付け位置を示す図である。 本実施の形態における振動子の取付け例を示す図である。 本実施の形態における振動子付耳掛式ヘッドホンの左部を示す図である。 本実施の形態におけるハウジングの内部構成を示す図である。 本実施の形態で用いるビート抽出の原理を説明するための図である。 本実施の形態におけるビート抽出部の構成を示す図である。 本実施の形態におけるハウジング内の機能構成を示す図である。 本実施の形態における振動子付ヘッドホンが行う処理手順を示す図である。
符号の説明
1 振動子付ヘッドホン、 10 無線通信部、 12 音声入力部、 14 ビート抽出部、 18 電源部、 20 加振信号生成部、116 出力信号生成部、 30 バンド、 32 固定部、 34 スライダー、 36 ハンガー、 38 結合部、 40 保持部、 42 フローティング支持部材、 44 振動子、 46 調整つまみ、 51 ハウジング突出部、 53 ヘッドホンジャック、 54 ハウジング、 56 スピーカ、 58 係止部、 63 マグネット、 66 コイル、 70 エッジ、 72 振動板、 80 耳掛ハンガー。

Claims (11)

  1. 音響を出力するスピーカを保持する左右一対のハウジングと、
    左右一対の前記ハウジングを一体にするバンドと、
    前記ハウジングを前記バンドに懸架する一対のハンガーと、
    前記ハンガーに取り付けられた音声信号に応じた振動を発生する振動子と、
    を備えたことを特徴とするヘッドホン。
  2. 前記振動子の取り付け位置は、装着時における利用者の耳から離れた位置であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン。
  3. 前記バンドは、利用者の頭部に挟着されるものであり、
    前記ハンガーは、前記バンドの長手方向を中心軸として回動可能に取り付けられ、前記振動子が前記中心軸から離れた位置に取り付けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドホン。
  4. スピーカを保持する左右一対のハウジングを有し、前記ハウジングに直接振動が伝わる位置を避けて音声信号に応じた振動を発生する振動子が取り付けられたことを特徴とするヘッドホン。
  5. 耳に装着するための耳掛ハンガーと、
    耳掛ハンガーによって懸架された左右一対のハウジングと、
    前記耳掛ハンガーに取り付けられた音声信号に応じた振動を発生する振動子と、
    を備えたことを特徴とするヘッドホン。
  6. 前記振動子は、前記ハウジングから離れる方向に前記耳掛ハンガーから突設した位置に取り付けられることを特徴とする請求項5に記載のヘッドホン。
  7. 前記振動子をフローティング支持材を介して保持する保持部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のヘッドホン。
  8. 前記振動子は、
    音声信号に基づいて電磁力を与えられるコイルと、
    前記コイルに固定される振動板と、
    を含み、
    前記振動板は、前記コイルの振動に応じて振動することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のヘッドホン。
  9. 前記ハウジングは、
    前記振動子に給電する電源部と、
    音声信号を取得する音声入力部と、
    前記音声信号に基づく加振信号を生成し、前記振動子に出力する加振信号生成部と、
    を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のヘッドホン。
  10. 前記加振信号生成部は、
    前記音声信号に基づくビートを抽出し、ビート波形を生成するビート抽出部と、
    前記ビート波形に基づくビート出力信号を生成し、前記振動子に出力する出力信号生成部と、
    を有することを特徴とする請求項9に記載のヘッドホン。
  11. 前記ビート抽出部は、音声再生装置で再生中の音声信号のスペクトルの時間微分値に基づいて、拍をなすビートのタイミングを抽出するとともに、そのタイミングにおける前記時間微分値のピークを当該ビートの強度として取得し、
    前記出力信号生成部は、前記ビート抽出部において抽出されたビートのタイミングにおいて、前記強度に応じた振幅で振動する波形を有する加振信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項10に記載のヘッドホン。
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