JP2009177009A - 撮像装置及び固体撮像素子の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体撮像素子の読み出し電圧を低くすることが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】半導体基板内に形成された光電変換素子51と、半導体基板内に形成され光電変換素子51で発生した電荷を転送する電荷転送チャネル52aと、電荷転送チャネル52a上方に絶縁膜62を介して形成された電荷転送電極V1〜V6とを含む固体撮像素子5を有するデジタルカメラであって、電荷転送電極V2が光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すための読み出し電極であり、半導体基板及び電荷転送電極V1〜V6の上方には、光電変換素子51上方に開口を有する導電性の遮光膜59が形成され、撮像期間のうち読み出し電極に読み出しパルスを印加する期間に、該読み出しパルスとは逆極性の電圧を遮光膜59に印加する撮像素子駆動部10を備える。
【選択図】図5
【解決手段】半導体基板内に形成された光電変換素子51と、半導体基板内に形成され光電変換素子51で発生した電荷を転送する電荷転送チャネル52aと、電荷転送チャネル52a上方に絶縁膜62を介して形成された電荷転送電極V1〜V6とを含む固体撮像素子5を有するデジタルカメラであって、電荷転送電極V2が光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すための読み出し電極であり、半導体基板及び電荷転送電極V1〜V6の上方には、光電変換素子51上方に開口を有する導電性の遮光膜59が形成され、撮像期間のうち読み出し電極に読み出しパルスを印加する期間に、該読み出しパルスとは逆極性の電圧を遮光膜59に印加する撮像素子駆動部10を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、半導体基板内に形成された光電変換素子と、前記半導体基板内に形成され前記光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送チャネルと、前記電荷転送チャネル上方に絶縁膜を介して形成された電荷転送電極とを含む固体撮像素子を有する撮像装置に関する。
従来、CCD(Charge Coupled Device)型の固体撮像素子において、低スミア、低読み出し電圧、及び低暗電流を実現するために、固体撮像素子に含まれる遮光膜に、電荷の読み出し期間にはプラスの電圧を印加し、それ以外の期間にはマイナスの電圧を印加する方法が提案されている(特許文献1参照)。
CCD型の固体撮像素子には、光電変換素子と、光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送チャネルと、電荷転送チャネル上方に形成された電荷転送電極とが含まれる。通常は、n型シリコン基板内にpウェル層を形成し、このpウェル層の表面部にフォトダイオード(PD)を構成するn層と垂直電荷転送部(VCCD)のチャネルを構成するn層を形成する。
固体撮像素子のシリコン基板表面は、以下の(1)、(2)の理由により、VCCDがn層である以外は通常p層となっている。このため、シリコン基板表面付近の電位は、通常、一定電位(0V)に保たれている。
(1)PDにおいては暗電流を抑制するため、シリコン基板表面をp層で覆う必要がある。
(2)VCCDのチャネルがnチャネルであるため、素子分離をp層で形成する必要がある。
(1)PDにおいては暗電流を抑制するため、シリコン基板表面をp層で覆う必要がある。
(2)VCCDのチャネルがnチャネルであるため、素子分離をp層で形成する必要がある。
一般的に、電荷転送電極は、読み出し電極を兼ねており、電荷読み出し時には、PDとVCCDのチャネルとの間の読み出しゲート部以外にもプラスの電圧が印加される。このとき、pウェル層、とりわけシリコン基板表面の(電荷転送電極全体が覆っている部分の)pウェル層全体の電位がプラス側に変動してしまう。
そこで、特許文献2に開示されているように、電荷読み出し時に、読み出し電極以外の電荷転送電極に、読み出し電圧とは逆極性の電圧(以下、相殺パルスという)を印加し、pウェル層の電位を一定にすることが有効となる。
特許文献1に記載のように、読み出し時に遮光膜にプラスの電圧を印加する方法では、読み出し電極のゲート長が実効的に長くなり、読み出しゲート部のポテンシャル変調が良くなる効果はある。しかし、遮光膜は読み出し電極以外(例えば、遮光膜のPDの上部や素子分離層)の上にも形成されているため、遮光膜にプラス電圧を印加することにより、pウェル層、とりわけシリコン基板表面のpウェル層の電位がプラス側に深くなる。したがって、相殺パルスなしでは、かえって空乏化電圧の上昇を招くといった不具合が発生してしまう。
つまり、特許文献1の技術を実際に実施しようとする際には、特許文献2に記載のように、相殺パルスを併用して用いる必要がある。しかし、例えば、PDからVCCDに電荷を読み出すときに、VCCDのチャネルのバリアを形成している電荷転送電極と読み出しパルスを印加している読み出し電極との間にVCCDのチャネルのパケットを形成している電荷転送電極が1つだけ存在するように1PDあたりの電荷転送電極の数やVCCDの駆動相数が決められた固体撮像素子において相殺パルスを適用すると、読み出し電極の隣の電極に相殺パルスが必ず印加されるため、読み出し電極と隣接電極とに大きな電位差が発生してしまい、素子の信頼性が低下してしまうという問題がある。又、限られた電荷転送電極の中で相殺パルスの印加を行うため、タイミング設計上の制約が大きいという問題もある。
特開2006−121112号公報
特開平7−322143号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、固体撮像素子の電荷転送電極に読み出し時に相殺パルスを与えずに、固体撮像素子の読み出し電圧を低くすることが可能な撮像措置を提供することを目的とする。又、タイミング設計上の自由度も向上させることが可能な撮像装置の駆動方法を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、半導体基板内に形成された光電変換素子と、前記半導体基板内に形成され前記光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送チャネルと、前記電荷転送チャネル上方に絶縁膜を介して形成された電荷転送電極とを含む固体撮像素子を有する撮像装置であって、前記電荷転送電極が前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すための読み出しパルスが印加される読み出し電極を含み、前記固体撮像素子が、前記半導体基板及び前記電荷転送電極の上方に形成され、前記光電変換素子上方に開口を有する導電性の遮光膜を含み、少なくとも前記読み出し電極に前記読み出しパルスを印加する期間、前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する電圧印加手段を備える。
本発明の撮像装置は、前記電圧印加手段が、前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間にも前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する。
本発明の撮像装置は、前記電圧印加手段が、前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間では、前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧よりも絶対値が小さい電圧を前記遮光膜に印加する。
本発明の撮像装置は、前記電荷転送電極には前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットを形成するための第一の電圧と、前記電荷転送チャネルに前記パケット同士のバリアを形成するための前記第一の電圧よりも低い第二の電圧とが印加可能であり、前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧が前記第二の電圧と同じである。
本発明の撮像装置は、前記遮光膜と前記電荷転送電極との距離が、隣接する2つの前記電荷転送電極間の距離よりも大きい。
本発明の撮像装置は、前記遮光膜と前記電荷転送電極との間に、隣接する2つの前記電荷転送電極間より耐圧の高い材料の膜が含まれている。
本発明の撮像装置は、前記耐圧の高い材料が窒化珪素である。
本発明の撮像装置は、前記遮光膜が、平面視において前記光電変換素子と重なりを有している。
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子が、前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すときに、前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットのバリアを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極と、前記読み出しパルスが印加される前記読み出し電極との間に、前記パケットを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極が1つだけ存在するような構成の固体撮像素子である。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、半導体基板内に形成された光電変換素子と、前記半導体基板内に形成され前記光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送チャネルと、前記電荷転送チャネル上方に絶縁膜を介して形成された電荷転送電極とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、前記電荷転送電極が前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すための読み出しパルスが印加される読み出し電極を含み、前記固体撮像素子が、前記半導体基板及び前記電荷転送電極の上方に形成され、前記光電変換素子上方に開口を有する導電性の遮光膜を含み、少なくとも前記読み出し電極に前記読み出しパルスを印加する期間、前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間にも前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間では、前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧よりも絶対値が小さい電圧を前記遮光膜に印加する。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記電荷転送電極には前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットを形成するための第一の電圧と、前記電荷転送チャネルに前記パケット同士のバリアを形成するための第二の電圧とが印加可能であり、前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧が前記第二の電圧と同じである。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記遮光膜と前記電荷転送電極との距離が、隣接する2つの前記電荷転送電極間の距離よりも大きい。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記遮光膜と前記電荷転送電極との間に、隣接する2つの前記電荷転送電極間より耐圧の高い材料の膜が含まれている。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記耐圧の高い材料が窒化珪素である。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記遮光膜が、平面視において前記光電変換素子と重なりを有している。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記固体撮像素子が、前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すときに、前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットのバリアを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極と、前記読み出しパルスが印加される前記読み出し電極との間に、前記パケットを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極が1つだけ存在するような構成の固体撮像素子である。
本発明によれば、固体撮像素子の電荷転送電極に読み出し時に相殺パルスを与えずに、固体撮像素子の読み出し電圧を低くすることが可能な撮像措置を提供することを目的とする。又、タイミング設計上の自由度も向上させることが可能な撮像装置の駆動方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態を説明するための撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図示するデジタルカメラの撮像系は、撮影レンズ1と、CCD型の固体撮像素子5と、この両者の間に設けられた絞り2と、赤外線カットフィルタ3と、光学ローパスフィルタ4とを備える。
図1は、本発明の第一実施形態を説明するための撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図示するデジタルカメラの撮像系は、撮影レンズ1と、CCD型の固体撮像素子5と、この両者の間に設けられた絞り2と、赤外線カットフィルタ3と、光学ローパスフィルタ4とを備える。
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、フラッシュ発光部12及び受光部13を制御し、レンズ駆動部8を制御して撮影レンズ1の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりし、絞り駆動部9を介し絞り2の開口量を制御して露光量調整を行う。
又、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して固体撮像素子5を駆動し、撮影レンズ1を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
デジタルカメラの電気制御系は、更に、固体撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、このアナログ信号処理部6から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備え、これらはシステム制御部11によって制御される。
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、補間演算やガンマ補正演算,RGB/YC変換処理等を行って画像データを生成するデジタル信号処理部17と、デジタル信号処理部17で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部18と、測光データを積算しデジタル信号処理部17が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部23が接続される表示制御部22とを備え、これらは、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
図2は、図1に示すデジタルカメラに搭載される固体撮像素子の構成例を示す平面模式図である。
図2に示す固体撮像素子は、垂直方向とこれに直交する水平方向に正方格子状に配列された多数の光電変換素子(例えばフォトダイオード)51と、各光電変換素子51で発生した電荷を垂直方向に転送する複数の垂直電荷転送部52と、複数の垂直電荷転送部52を転送されてきた電荷を水平方向に転送する水平電荷転送部53と、水平電荷転送部53を転送されてきた電荷に応じた信号を出力する出力部54とを備える。
図2に示す固体撮像素子は、垂直方向とこれに直交する水平方向に正方格子状に配列された多数の光電変換素子(例えばフォトダイオード)51と、各光電変換素子51で発生した電荷を垂直方向に転送する複数の垂直電荷転送部52と、複数の垂直電荷転送部52を転送されてきた電荷を水平方向に転送する水平電荷転送部53と、水平電荷転送部53を転送されてきた電荷に応じた信号を出力する出力部54とを備える。
垂直電荷転送部52は、垂直方向に並ぶ光電変換素子51からなる光電変換素子列に対応してその右側部に垂直方向に延びて形成された電荷転送チャネル52a(一部のみ図示)と、その電荷転送チャネル52a上方に垂直方向に配列された、それぞれ独立に電圧を印加可能な電荷転送電極V1,V2,V3,V4,V5,V6とで構成されている。
光電変換素子列の各光電変換素子51と、それに対応する電荷転送チャネル52aとの間には、各光電変換素子51で発生して蓄積された電荷を該電荷転送チャネル52aに読み出すための電荷読出し部55(図では模式的に矢印で示してある)が形成されている。
水平方向に並ぶ光電変換素子51からなる光電変換素子行のうち、奇数行の光電変換素子51には3つの電荷転送電極V1〜V3が対応して設けられ、偶数行の光電変換素子51には3つの電荷転送電極V4〜V6が対応して設けられている。電荷転送電極V1〜V6には、それぞれ、電荷転送チャネル52aに電荷を蓄積するパケットを形成するためのローレベル(以下VLという。例えば−8V)の転送パルスと、電荷転送チャネル52aに該パケット同士のバリアを形成するためのVLよりも高いミドルレベル(以下VMという。例えば0V)の転送パルスとが、撮像素子駆動部10から印加可能になっている。以下では、VLの転送パルスが印加された状態の電荷転送電極のことをバリア電極とも言い、VMの転送パルスが印加された状態の電荷転送電極のことをパケット電極とも言う。
電荷転送電極V2と電荷転送電極V5は、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねており、対応する光電変換素子51に隣接する電荷読出し部55も覆って形成されている。電荷転送電極V2,V5にはVMよりも高いハイレベル(以下VHという。例えば12〜13V)の読み出しパルスも印加可能となっている。この読み出し電極に読み出しパルスを印加することで、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すことができる。
図2に示した固体撮像素子は、例えば、第1フィールドでは、電荷転送電極V4をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にした状態で、電荷転送電極V2に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出した後、電荷転送電極V1〜V6に6相の転送パルスを印加してこの電荷を転送する。次に、第2フィールドでは、電荷転送電極V1をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にした状態で、電荷転送電極V5に読み出しパルスを印加して偶数行の光電変換素子51から電荷を読み出した後、電荷転送電極V1〜V6に6相の転送パルスを印加してこの電荷を転送する。このような動作により、全ての光電変換素子51から電荷を読み出すことができる。
図3は、図1に示すデジタルカメラに搭載される固体撮像素子の別の構成例を示す平面模式図である。図3において図2と同じ構成には同一符号を付してある。
図3に示す固体撮像素子は、図2に示す垂直電荷転送部52を垂直電荷転送部52’に変更した構成となっている。
図3に示す固体撮像素子は、図2に示す垂直電荷転送部52を垂直電荷転送部52’に変更した構成となっている。
垂直電荷転送部52’は、電荷転送チャネル52aと、その電荷転送チャネル52a上方に垂直方向に配列された、それぞれ独立に電圧を印加可能な電荷転送電極V1,V2,V3,V4とで構成されている。
奇数行の光電変換素子51には2つの電荷転送電極V1,V2が対応して設けられ、偶数行の光電変換素子51には2つの電荷転送電極V3,V4が対応して設けられている。電荷転送電極V1〜V4には、それぞれ、VLの転送パルスとVMの転送パルスとが撮像素子駆動部10から印加可能になっている。
電荷転送電極V1と電荷転送電極V3は、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねており、対応する光電変換素子51に隣接する電荷読出し部55も覆って形成されている。電荷転送電極V1,V3には読み出しパルスも印加可能となっている。この読み出し電極に読み出しパルスを印加することで、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すことができる。
図3に示した固体撮像素子は、例えば、第1フィールドでは、電荷転送電極V3をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にした状態で、電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出した後、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加してこの電荷を転送する。次に、第2フィールドでは、電荷転送電極V1をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にした状態で、電荷転送電極V3に読み出しパルスを印加して偶数行の光電変換素子51から電荷を読み出した後、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加してこの電荷を転送する。このような動作により、全ての光電変換素子51から電荷を読み出すことができる。
図3に示した固体撮像素子は、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出した状態で、電荷転送チャネル52aのバリアを形成している電荷転送電極と読み出しパルスを印加している読み出し電極との間に、パケットを形成している電荷転送電極が1つだけ存在するように1光電変換素子あたりの電荷転送電極の数(=2個)や垂直電荷転送部52’の駆動相数(=4相)が決められている。このため、相殺パルスを適用しようとすると、読み出し電極の隣に相殺パルスが印加されることになり、素子の信頼性が低下するという問題がある。
図4は、図1に示すデジタルカメラに搭載される固体撮像素子の別の構成例を示す平面模式図である。
図4に示す固体撮像素子は、図2に示す固体撮像素子の水平方向に並ぶ光電変換素子51からなる光電変換素子行のうち、偶数番目にある光電変換素子行を、奇数番目にある光電変換素子行に対して、各光電変換素子行の光電変換素子51の配列ピッチの1/2だけ水平方向にずらしたものとなっている。更に、偶数番目の光電変換素子行の各光電変換素子51の位置をずらしたため、電荷転送チャネル52aを、光電変換素子列の間を各光電変換素子51を避けて垂直方向に延びる蛇行形状としている。
図4に示す固体撮像素子は、図2に示す固体撮像素子の水平方向に並ぶ光電変換素子51からなる光電変換素子行のうち、偶数番目にある光電変換素子行を、奇数番目にある光電変換素子行に対して、各光電変換素子行の光電変換素子51の配列ピッチの1/2だけ水平方向にずらしたものとなっている。更に、偶数番目の光電変換素子行の各光電変換素子51の位置をずらしたため、電荷転送チャネル52aを、光電変換素子列の間を各光電変換素子51を避けて垂直方向に延びる蛇行形状としている。
図4に示す固体撮像素子の電荷転送チャネル52a上方には、電荷転送電極V1,V2,V3,V4が設けられている。電荷転送電極V1〜V4は、それぞれ光電変換素子行の間を各光電変換素子51を避けて水平方向に延びる蛇行形状となっている。電荷転送電極V1〜V4には、それぞれVLとVMの転送パルスが撮像素子駆動部10により印加可能となっている。
奇数番目の光電変換素子行の各光電変換素子には電荷転送電極V3,V4,V1,V2をこの順に並べた電極群が対応し、偶数番目の光電変換素子行の各光電変換素子には電荷転送電極V1,V2,V3,V4をこの順に並べた電極群が対応している。
光電変換素子列の各光電変換素子51と、それに対応する電荷転送チャネル52aとの間には、各光電変換素子51で発生して蓄積された電荷を該電荷転送チャネル52aに読み出すための電荷読出し部55(図では一部のみ図示した)が形成されている。
電荷転送電極V1と電荷転送電極V3は、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねており、対応する光電変換素子51に隣接する電荷読出し部55も覆って形成されている。電荷転送電極V1,V3にはVHの読み出しパルスも印加可能となっている。この読み出し電極に読み出しパルスを印加することで、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出すことができる。
図4に示した固体撮像素子は、例えば、まず、電荷転送電極V3をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にした状態で、電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出した後、電荷転送電極V1をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、この状態で電荷転送電極V3に読み出しパルスを印加して偶数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。その後は、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加してこの電荷を転送する。このような動作により、全ての光電変換素子51から電荷を読み出すことができる。
図4に示した固体撮像素子は、光電変換素子51から電荷転送チャネル52aに電荷を読み出した状態で、電荷転送チャネル52aのバリアを形成している電荷転送電極と読み出しパルスを印加している読み出し電極との間に、パケットを形成している電荷転送電極が1つだけ存在するように1光電変換素子あたりの電荷転送電極の数(=4個)や垂直電荷転送部52’の駆動相数(=4相)が決められている。このため、相殺パルスを適用しようとすると、読み出し電極の隣に相殺パルスが印加されることになり、素子の信頼性が低下するという問題がある。
図5は、図2〜図4に示した固体撮像素子のA−A線断面模式図である。
光電変換素子51と電荷転送チャネル52aと電荷読出し部55は、それぞれ、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層57内に形成されている。このn型シリコン基板とpウェル層57とにより半導体基板が構成されている。
光電変換素子51と電荷転送チャネル52aと電荷読出し部55は、それぞれ、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層57内に形成されている。このn型シリコン基板とpウェル層57とにより半導体基板が構成されている。
光電変換素子51は、pウェル層57表面から内側に形成されたn型不純物層51aと、n型不純物層51a表面から内側に形成された暗電流抑制のためのp型不純物層51bとで構成されている。
光電変換素子51と、該光電変換素子51に対応しない電荷転送チャネル52aとの間には、p型不純物層からなる素子分離層56が形成されている。
電荷転送チャネル52aはpウェル層57表面から内側に形成されたn型不純物層によって構成されている。電荷読出し部55は、光電変換素子51と電荷転送チャネル52aとの間のpウェル層57の一領域によって形成されている。
電荷転送電極V2は、電荷転送チャネル52aだけでなく電荷読出し部55上方も覆って形成されている。電荷転送電極V2は、pウェル層57上に形成されたゲート絶縁膜62の上に形成されている。電荷転送電極V2及びゲート絶縁膜62上には、電荷転送電極V2と隣接する電荷転送電極との絶縁を図るための絶縁膜58が形成されている。
絶縁膜58上には導電性があり且つ遮光性があるタングステン等からなる遮光膜59が形成されている。遮光膜59は、光電変換素子51の上方に開口を有しており、この開口面積によって光電変換素子51の受光範囲が規定される。遮光膜59の開口は、平面視において光電変換素子51よりも内側に形成されており、遮光膜59は、平面視において光電変換素子51と重なる部分を有している。又、遮光膜59には図示しない配線が接続され、この配線には、撮像素子駆動部10から所定の電圧が印加可能となっている。
尚、図1に示すデジタルカメラに搭載する固体撮像素子は、遮光膜を有するCCD型の固体撮像素子であれば良く、図2,3,4に示したものに限らない。
以下、デジタルカメラの撮像時の動作について説明する。
図6は、図2に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図7は、図3に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図8は、図4に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
図6は、図2に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図7は、図3に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図8は、図4に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
(図2に示す固体撮像素子の駆動例)
図6に示すように、まず、第1フィールドでは、電荷読み出し前に電荷転送電極V4をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V2に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V2に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V6に6相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
図6に示すように、まず、第1フィールドでは、電荷読み出し前に電荷転送電極V4をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V2に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V2に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V6に6相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
次に、第2フィールドでは、電荷読み出し前に電荷転送電極V1をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V5に読み出しパルスを印加して偶数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V5に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V6に6相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
撮像素子駆動部10は、固体撮像素子5が動作している期間のうち、読み出し電極に読み出しパルスが印加されている期間を除く期間では、遮光膜59にVMのパルスを印加し続ける。
撮像素子駆動部10は、固体撮像素子5が動作している期間のうち、読み出し電極に読み出しパルスが印加されている期間を除く期間では、遮光膜59にVMのパルスを印加し続ける。
このように、読み出し電極に読み出しパルスを印加している期間、遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性の電圧を印加することで、pウェル層57、とりわけその表面の電位を安定にしたまま、電荷の読み出しを行うことが可能となり、空乏化電圧の上昇を抑えることができる。pウェル層57の電位が安定することで、電荷読み出し時にパケット電極となっている電荷転送電極のいずれかに読み出しパルスとは逆極性の相殺パルスを印加する必要がなくなるため、電荷読み出し時にパケット電極数が1つ減ってしまうことがなく、垂直電荷転送部52の飽和容量を稼ぐことができる。
(図3に示す固体撮像素子の駆動例)
図7に示すように、まず、第1フィールドでは、電荷読み出し前に電荷転送電極V3をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
図7に示すように、まず、第1フィールドでは、電荷読み出し前に電荷転送電極V3をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
次に、第2フィールドでは、電荷読み出し前に電荷転送電極V1をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V3に読み出しパルスを印加して偶数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V3に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
撮像素子駆動部10は、固体撮像素子5が動作している期間のうち、読み出し電極に読み出しパルスが印加されている期間を除く期間では、遮光膜59にVMのパルスを印加し続ける。
撮像素子駆動部10は、固体撮像素子5が動作している期間のうち、読み出し電極に読み出しパルスが印加されている期間を除く期間では、遮光膜59にVMのパルスを印加し続ける。
このように、読み出し電極に読み出しパルスを印加している期間、遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性の電圧を印加することで、pウェル層57、とりわけその表面の電位を安定にしたまま、電荷の読み出しを行うことが可能となり、空乏化電圧の上昇を抑えることができる。pウェル層57の電位が安定することで、電荷読み出し時にパケット電極となっている電荷転送電極のいずれかに読み出しパルスとは逆極性の相殺パルスを印加する必要がなくなるため、電荷読み出し時にパケット電極数が1つ減ってしまうことがなく、垂直電荷転送部52の飽和容量を稼ぐことができる。
又、図3に示したような構成の固体撮像素子において相殺パルスの手法を採用する場合には、読み出し電極に隣接する電荷転送電極には必ず相殺パルスが印加されることになる。このように、読み出し電極の隣の電荷転送電極に相殺パルスが印加されてしまうと、読み出し電極と、その隣の電荷転送電極との電位差が大きくなり、ブレークダウン、電荷転送電極間の絶縁破壊、信頼性低下(連続駆動による空乏化電圧の経時劣化、転送効率の経時劣化等)等の問題を引き起こしてしまう。このため、図3に示したような構成の固体撮像素子においては、相殺パルスの手法を採用することは特に好ましくない。そこで、遮光膜59への印加電圧を制御する上述した駆動を採用することが特に有効となる。
(図4に示す固体撮像素子の駆動例)
図8に示すように、まず、電荷読み出し前に電荷転送電極V3をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。
図8に示すように、まず、電荷読み出し前に電荷転送電極V3をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加して奇数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V1に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。
奇数行の光電変換素子51からの電荷の読み出し後、電荷転送電極V1をバリア電極、それ以外の電荷転送電極をパケット電極にし、遮光膜59にVMのパルスを印加しておく。この状態で、電荷転送電極V3に読み出しパルスを印加して偶数行の光電変換素子51から電荷を読み出す。電荷転送電極V3に読み出しパルスを印加している期間は、遮光膜59にVLのパルスを印加する。電荷の読み出し完了後は、電荷転送電極V1〜V4に4相の転送パルスを印加して、読み出した電荷を転送する。
このように、読み出し電極に読み出しパルスを印加している期間、遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性の電圧を印加することで、pウェル層57、とりわけその表面の電位を安定にしたまま、電荷の読み出しを行うことが可能となり、空乏化電圧の上昇を抑えることができる。pウェル層57の電位が安定することで、電荷読み出し時にパケット電極となっている電荷転送電極のいずれかに読み出しパルスとは逆極性の相殺パルスを印加する必要がなくなるため、電荷読み出し時にパケット電極数が1つ減ってしまうことがなく、垂直電荷転送部52の飽和容量を稼ぐことができる。
又、図4に示したような構成の固体撮像素子において相殺パルスの手法を採用する場合には、読み出し電極に隣接する電荷転送電極には必ず相殺パルスが印加されることになる(図8に示した破線が相殺パルスを印加する場合の波形)。このように、読み出し電極の隣の電荷転送電極に相殺パルスが印加されてしまうと、読み出し電極と、その隣の電荷転送電極との電位差が大きくなり、ブレークダウン、電荷転送電極間の絶縁破壊、信頼性低下(連続駆動による空乏化電圧の経時劣化、転送効率の経時劣化等)等の問題を引き起こしてしまう。このため、図4に示したような構成の固体撮像素子においては、相殺パルスの手法を採用することは特に好ましくない。そこで、遮光膜59への印加電圧を制御する上述した駆動を採用することが特に有効となる。
尚、以上の説明では、固体撮像素子5が動作している期間のうち、読み出し電極に読み出しパルスが印加されている期間にのみ遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性のパルスを印加するものとしているが、この期間以外の期間において遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性のパルスを印加するようにしても良い。つまり、固体撮像素子5が動作している期間中、遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性のパルス(例えばVLのパルス)を常に印加し続けるようにしても良い。このようにすることで、スミアや暗電流を低減することができる。
このように、遮光膜59に読み出しパルスとは逆極性のパルスを常に印加し続ける場合には、読み出しパルスが印加されている期間以外の期間に遮光膜59に印加するパルスの絶対値を、読み出しパルスが印加されている期間に遮光膜59に印加するパルスの絶対値よりも小さく(例えば−2,3V)しておくことが好ましい。このようにすることで、消費電力を低く抑えることができると共に、待機時のスミアを低減することができる
又、以上の説明では、読み出しパルスが印加されている期間中に遮光膜59に印加するパルスをVLのパルスとしているが、このパルスは、読み出しパルスと逆極性のパルスであれば良く、その絶対値はいくらであっても良い。例えば−2Vや−3Vでも構わない。上述したように、遮光膜59に印加するパルスをVLのパルスとすることで、遮光膜59に印加するパルスを生成するドライバと、電荷転送電極に印加するパルスを生成するドライバとを共通化することができ、コスト削減が可能となる。
又、以上の説明では、読み出しパルスの印加と遮光膜59へのVLのパルスの印加とを同時に行っているが、遮光膜59に印加するVLのパルスの立ち上がり又は立ち下がりにおいて、VLのパルスを読み出しパルスと時間差をつけて印加しても構わない。このようにすることで、遮光膜59及び電荷転送電極間に急に電界がかかるのを防ぐことができる。又、図4に示す固体撮像素子の場合には、図8の括弧内に図示したように、電荷転送電極V1への読み出しパルス印加開始から、電荷転送電極V3への読み出しパルス印加終了までの期間、遮光膜59にVLのパルスを印加し続けるようにしても良い。
又、図5に示すように、遮光膜59は素子分離層56も覆っているため、上述した駆動を行うことで、隣接する垂直電荷転送部52同士の間でのブルーミングや、電荷読み出し時のブルーミングを抑制する効果も得られる。
(第二実施形態)
図9は、図5に示す固体撮像素子の変形例を示す図である。
図9に示す固体撮像素子は、図5に示す固体撮像素子の絶縁膜58内に、窒化珪素(SiN)等からなる反射防止膜61を埋設した構成となっている。反射防止膜61には、固体撮像素子の製造工程であるシンターリング工程において水素の通り道とするための開口が設けられている。
図9は、図5に示す固体撮像素子の変形例を示す図である。
図9に示す固体撮像素子は、図5に示す固体撮像素子の絶縁膜58内に、窒化珪素(SiN)等からなる反射防止膜61を埋設した構成となっている。反射防止膜61には、固体撮像素子の製造工程であるシンターリング工程において水素の通り道とするための開口が設けられている。
反射防止膜61を設けることで、光電変換素子51表面での入射光の乱反射を抑えることができるため、感度を向上させることができる。
尚、図9には図示していないが、電荷転送電極V2には他の電荷転送電極が隣接して設けられており、これらは酸化珪素等の電極間絶縁膜によって絶縁されている。又、各電荷転送電極と遮光膜59との間には、該電極間絶縁膜と反射防止膜61とが存在する。このため、遮光膜59と各電荷転送電極との距離は、隣接する2つの電荷転送電極間の距離よりも大きくなっており、反射防止膜61を設けることで、遮光膜59と電荷転送電極間の耐圧を、電荷転送電極間の耐圧よりも上げることができる。又、窒化珪素は、酸化珪素よりも耐圧が遥かに高いため、このような理由からも、遮光膜59と電荷転送電極間の耐圧を、電荷転送電極同士の間の耐圧よりも上げることができる。
5 固体撮像素子
10 撮像素子駆動部
51 光電変換素子
52 電荷転送チャネル
59 遮光膜
62 絶縁膜
V1〜V3 電荷転送電極
10 撮像素子駆動部
51 光電変換素子
52 電荷転送チャネル
59 遮光膜
62 絶縁膜
V1〜V3 電荷転送電極
Claims (18)
- 半導体基板内に形成された光電変換素子と、前記半導体基板内に形成され前記光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送チャネルと、前記電荷転送チャネル上方に絶縁膜を介して形成された電荷転送電極とを含む固体撮像素子を有する撮像装置であって、
前記電荷転送電極が前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すための読み出しパルスが印加される読み出し電極を含み、
前記固体撮像素子が、前記半導体基板及び前記電荷転送電極の上方に形成され、前記光電変換素子上方に開口を有する導電性の遮光膜を含み、
少なくとも前記読み出し電極に前記読み出しパルスを印加する期間、前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する電圧印加手段を備える撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置であって、
前記電圧印加手段が、前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間にも前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する撮像装置。 - 請求項2記載の撮像装置であって、
前記電圧印加手段が、前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間では、前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧よりも絶対値が小さい電圧を前記遮光膜に印加する撮像装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記電荷転送電極には前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットを形成するための第一の電圧と、前記電荷転送チャネルに前記パケット同士のバリアを形成するための前記第一の電圧よりも低い第二の電圧とが印加可能であり、
前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧が前記第二の電圧と同じである撮像装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記遮光膜と前記電荷転送電極との距離が、隣接する2つの前記電荷転送電極間の距離よりも大きい撮像装置。 - 請求項5記載の撮像装置であって、
前記遮光膜と前記電荷転送電極との間には、隣接する2つの前記電荷転送電極間より耐圧の高い材料の膜が含まれている撮像装置。 - 請求項6記載の撮像装置であって、
前記耐圧の高い材料が窒化珪素である撮像装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記遮光膜が、平面視において前記光電変換素子と重なりを有している撮像装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記固体撮像素子が、前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すときに、前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットのバリアを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極と、前記読み出しパルスが印加される前記読み出し電極との間に、前記パケットを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極が1つだけ存在するような構成の固体撮像素子である撮像装置。 - 半導体基板内に形成された光電変換素子と、前記半導体基板内に形成され前記光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送チャネルと、前記電荷転送チャネル上方に絶縁膜を介して形成された電荷転送電極とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、
前記電荷転送電極が前記光電変換素子から前記電荷転送チャネルに電荷を読み出すための読み出しパルスが印加される読み出し電極を含み、
前記固体撮像素子が、前記半導体基板及び前記電荷転送電極の上方に形成され、前記光電変換素子上方に開口を有する導電性の遮光膜を含み、
少なくとも前記読み出し電極に前記読み出しパルスを印加する期間、前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項10記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間にも前記読み出しパルスとは逆極性の電圧を前記遮光膜に印加する固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項11記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記読み出しパルスを印加する期間以外の期間では、前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧よりも絶対値が小さい電圧を前記遮光膜に印加する固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項10〜12のいずれか1項記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記電荷転送電極には前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットを形成するための第一の電圧と、前記電荷転送チャネルに前記パケット同士のバリアを形成するための第二の電圧とが印加可能であり、
前記読み出しパルスを印加する期間に前記遮光膜に印加する電圧が前記第二の電圧と同じである固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項10〜13のいずれか1項記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記遮光膜と前記電荷転送電極との距離が、隣接する2つの前記電荷転送電極間の距離よりも大きい固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項14記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記遮光膜と前記電荷転送電極との間には、隣接する2つの前記電荷転送電極間より耐圧の高い材料の膜が含まれている固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項15記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記耐圧の高い材料が窒化珪素である固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項10〜16のいずれか1項記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記遮光膜が、平面視において前記光電変換素子と重なりを有している固体撮像素子の駆動方法。 - 請求項10〜17のいずれか1項記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記固体撮像素子が、前記光電変換素子から電荷を前記電荷転送チャネルに読み出すときに、前記電荷転送チャネルに電荷を蓄積するパケットのバリアを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極と、前記読み出しパルスが印加される前記読み出し電極との間に、前記パケットを形成するための電圧が印加される前記電荷転送電極が1つだけ存在するような構成の固体撮像素子である
固体撮像素子の駆動方法。
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JP2008015110A JP2009177009A (ja) | 2008-01-25 | 2008-01-25 | 撮像装置及び固体撮像素子の駆動方法 |
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