JP2009176665A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の運転状態によらず、システムの要求電力に応じた電力を供給することが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】DC/DCコンバータ50aとトラクションモータ70に接続されたインバータ60との間に、キャパシタ55を介挿する。キャパシタ55は、バッテリ130に比して短時間で高い電力出力が可能な蓄電装置として機能する。本実施形態では、リフレッシュ運転による燃料電池40の出力電力の低下分を、短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ55を利用して賄う。これにより、リフレッシュ運転時にもシステム要求電力に応じた電力を供給することができ、ドラビリ性能を改善することができる。
【選択図】図1
【解決手段】DC/DCコンバータ50aとトラクションモータ70に接続されたインバータ60との間に、キャパシタ55を介挿する。キャパシタ55は、バッテリ130に比して短時間で高い電力出力が可能な蓄電装置として機能する。本実施形態では、リフレッシュ運転による燃料電池40の出力電力の低下分を、短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ55を利用して賄う。これにより、リフレッシュ運転時にもシステム要求電力に応じた電力を供給することができ、ドラビリ性能を改善することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関し、特に燃料電池の運転状態に応じて出力電力を制御する燃料電池システムに関する。
石油依存の車社会の将来像が懸念されている現代では、水素を燃料とする燃料電池を搭載した自動車の普及が期待されている。燃料電池はセルを直列に積層したスタック構造を有しており、アノードに供給される水素を含む燃料ガスとカソードに供給される酸素を含む酸化ガスの電気化学反応を利用して発電を行っている。
燃料電池は他の電源に比べて起動に際して種々の制約が存在する。かかる燃料電池の発電効率は、温度の低下や電極触媒の被毒に起因して減少し、所望の電圧/電流を供給することができずに機器を起動できない場合も生じる。
このような事情に鑑み、燃料電池を始動する際、アノードに供給される燃料ガス及びカソードに供給される酸化ガスの少なくともいずれか一方を不足状態とし、電極の一部の過電圧を増加させてさらなる熱を発生させることで燃料電池の温度を上昇させ、電極触媒を還元させることで燃料電池の電流・電圧特性(IV特性)を回復させる運転(以下、リフレッシュ運転)が行われる(例えば、下記特許文献1参照)。
ところで、リフレッシュ運転の際は、DC/DCコンバータを利用して比較的短時間(例えば、数秒以内)で燃料電池の出力電圧を降下(例えば、1.0V/セル→0.3V/セル)させる必要があるが、この出力電圧の一時的な低下に応じて燃料電池の出力電力も低下する。このとき、当該システムから要求される電力を一定に保つためには、何らかの手段によって燃料電池の出力電力の低下分を賄う必要がある。
当該システムには、システムから要求される電力を賄う手段として二次電池などのバッテリが搭載されているが、二次電池は大容量であるものの、短時間で大きな電力を出力することはできない。このため、車両走行時などシステムから要求される電力が大きい場合には、二次電池などのバッテリによって大きな電力を賄うことはできず、リフレッシュ運転ができないという問題があった。
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、燃料電池の運転状態によらず、システムの要求電力に応じた電力を供給することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池の出力を電圧変換して負荷に供給する電圧変換装置と、前記電圧変換装置を介して前記燃料電池と並列に接続された第1の蓄電装置と、前記電圧変換装置を介して前記燃料電池と並列に接続され、前記第1の蓄電装置よりも短時間で高い電力出力が可能な第2の蓄電装置と、所定条件を満たす場合に、前記燃料電池の出力電力と、少なくとも前記第2の蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記負荷を駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする。
かかる構成によれば、所定条件を満たす場合(例えば低効率運転を行う場合など)に、燃料電池の出力電力と、短時間で高い電力出力が可能な第2の蓄電装置を用いて負荷を駆動するため、例えばシステム要求される電力が大きい場合であっても、システム要求電力に応じた電力を供給することが可能となる。
ここで、上記構成にあっては、前記所定条件は、燃料電池の運転に関し、通常運転に比して発電効率の低い低効率運転を行う場合であり、前記駆動制御手段は、前記低効率運転による前記燃料電池の出力電力の低下分を、前記第2の蓄電池装置から出力される電力で賄うことで前記負荷の駆動を制御する態様が好ましい。
また、上記構成にあっては、前記所定条件は、前記負荷の変動が閾値範囲内にある場合であり、前記駆動制御手段は、前記負荷の変動が閾値範囲内にある場合には、前記燃料電池の出力電圧を変えずに、前記第2の蓄電装置から出力される電力を変えることで前記負荷の駆動を制御する態様も好ましい。
加えて、上記構成にあっては、前記駆動制御手段は、前記負荷の変動が閾値範囲内にある場合には、前記燃料電池の出力電圧を変えずに、前記第1の蓄電装置及び前記第2の蓄電装置から出力される電力を変えることで前記負荷の駆動を制御する態様であっても良い。
また、上記構成にあっては、前記第1の蓄電装置は二次電池であり、前記第2の蓄電装置はキャパシタである態様が好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、燃料電池の運転状態によらず、システムの要求電力に応じた電力を供給することが可能となる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
A.本実施形態
図1は本実施形態に係る燃料電池システム100の要部構成を示す図である。なお、本実施形態では、燃料電池自動車(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)に搭載される燃料電池システムを想定するが、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両のほか、各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源、さらには携帯型の燃料電池システムにも適用可能である。
図1は本実施形態に係る燃料電池システム100の要部構成を示す図である。なお、本実施形態では、燃料電池自動車(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)に搭載される燃料電池システムを想定するが、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両のほか、各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源、さらには携帯型の燃料電池システムにも適用可能である。
酸化ガス供給源20は、例えばエアコンプレッサやエアコンプレッサを駆動するモータ、インバータなどから構成され、該モータの回転数などを調整することにより、燃料電池40に供給する酸化ガス量を調整する。
燃料ガス供給源30は、例えば水素タンクや様々な弁などから構成され、弁開度やON/OFF時間などを調整することにより、燃料電池40に供給する燃料ガス量を制御する。
燃料ガス供給源30は、例えば水素タンクや様々な弁などから構成され、弁開度やON/OFF時間などを調整することにより、燃料電池40に供給する燃料ガス量を制御する。
燃料電池40は、供給される反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)から電力を発生する手段であり、固体高分子型、燐酸型、熔融炭酸塩型など種々のタイプの燃料電池を利用することができる。燃料電池40は、MEAなどを備えた複数の単セルを直列に積層したスタック構造を有している。この燃料電池40の出力電圧及び出力電流は、電圧センサ110及び電流センサ120によって検出される。燃料電池40の燃料極(アノード)には、燃料ガス供給源30から水素ガスなどの燃料ガスが供給される一方、酸素極(カソード)には、酸化ガス供給源20から空気などの酸化ガスが供給される。
バッテリ(第1の蓄電装置)130は、DC/DCコンバータ50a、50bを介して燃料電池40と並列に接続されており、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリ130としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が利用される。ただし、これらの二次電池は大容量であるものの、短時間で大きな電力を出力することはできない。このため、車両走行時などシステムから要求される電力が大きい場合には、バッテリ130により短時間でシステム要求電力の一部を賄うことはできず、所望のタイミングでリフレッシュ運転ができないという問題があった(発明が解決しようとする課題の項を参照)。かかる問題を解消するために、本実施形態ではDC/DCコンバータ50aとトラクションモータ70に接続されたインバータ60との間に、キャパシタ55を介挿する。
キャパシタ(第2の蓄電装置)55は、DC/DCコンバータ50aを介して燃料電池40と並列に接続されており、バッテリ130に比して短時間で高い電力出力が可能な蓄電装置として機能する。本実施形態では、リフレッシュ運転による燃料電池40の出力電力の低下分を、短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ55を利用して賄う。具体的には、燃料電池40の出力電力の低下分の電力を、キャパシタ55から出力することでシステム電力を一定に保つ。これにより、リフレッシュ運転時にもシステム要求電力に応じた電力を供給することができ、ドラビリ性能を改善することができる。
DC/DCコンバータ(電圧変換装置)50a及びDC/DCコンバータ50bは、それぞれ例えば4つのパワー・トランジスタと専用のドライブ回路(いずれも図示略)によって構成されたフルブリッジ・コンバータである。DC/DCコンバータ50aは、制御装置10による制御のもと、燃料電池40から供給される出力電圧を昇圧又は降圧して、インバータ60等に供給する機能を有する。
DC/DCコンバータ50bは、制御装置10による制御のもと、バッテリ130から供給される直流電圧を昇圧又は降圧してインバータ80等に出力する機能、回生制動によりトラクションモータ70が回収した回生電力を昇圧又は降圧してバッテリ130に充電する機能等を有する。また、DC/DCコンバータ50aによる電圧変換制御により、燃料電池40の運転ポイント(出力電圧、出力電流)が制御される。
DC/DCコンバータ50bは、制御装置10による制御のもと、バッテリ130から供給される直流電圧を昇圧又は降圧してインバータ80等に出力する機能、回生制動によりトラクションモータ70が回収した回生電力を昇圧又は降圧してバッテリ130に充電する機能等を有する。また、DC/DCコンバータ50aによる電圧変換制御により、燃料電池40の運転ポイント(出力電圧、出力電流)が制御される。
図2は、燃料電池40のIV特性を示している。なお、図2では、横軸及び縦軸にそれぞれ出力電流Ifc及び出力電圧Vfcを示す。
通常運転時には、発電効率を高めるため運転ポイントがIV特性曲線(電流対電圧特性曲線)200上に位置するように運転制御する(運転ポイント(I0,V0)参照)。一方、低効率運転によるリフレッシュ運転時には、発電効率を意図的に低下させて熱損失を高めるので、運転ポイントは、IV特性曲線200よりも低い電圧ポイント、例えば、出力電圧Vfc=V1に設定される(運転ポイント(I1,V1)参照)。V1としては、例えば、燃料電池40の開放端電圧OCVの1/2程度が好ましい。低効率運転では、出力電圧VfcはV1に固定されるので、例えば酸化ガス供給源20から燃料電池40に供給される酸化ガス流量を制御することにより出力電流Ifcを調整し、運転負荷(例えば、アクセル開度)に応じた発電制御を実施する。
通常運転時には、発電効率を高めるため運転ポイントがIV特性曲線(電流対電圧特性曲線)200上に位置するように運転制御する(運転ポイント(I0,V0)参照)。一方、低効率運転によるリフレッシュ運転時には、発電効率を意図的に低下させて熱損失を高めるので、運転ポイントは、IV特性曲線200よりも低い電圧ポイント、例えば、出力電圧Vfc=V1に設定される(運転ポイント(I1,V1)参照)。V1としては、例えば、燃料電池40の開放端電圧OCVの1/2程度が好ましい。低効率運転では、出力電圧VfcはV1に固定されるので、例えば酸化ガス供給源20から燃料電池40に供給される酸化ガス流量を制御することにより出力電流Ifcを調整し、運転負荷(例えば、アクセル開度)に応じた発電制御を実施する。
各インバータ60、80は、例えばパルス幅変調方式のPWMインバータであり、制御装置10から与えられる制御指令に基づき、DC/DCコンバータ50a、50bから供給される直流電力を三相交流電力に変換し、各モータ70、90へ供給する。
詳述すると、インバータ60は、DC/DCコンバータ50aを介して供給される直流電力を三相交流電力に変換し、トラクションモータ70へ供給する。トラクションモータ70は、車輪75L、75Rを駆動するためのモータ(すなわち移動体の動力源)であり、かかるモータの回転数はインバータ60によって制御される。
一方、インバータ80は、DC/DCコンバータ50bから供給される直流電力を三相交流電力に変換し、補機類90へ供給する。補機類90は、車両補機やFC補機などによって構成されている。なお、車両補機とは、車両の運転時などに使用される種々の電力機器(照明機器、空調機器、油圧ポンプなど)をいい、FC補機とは、燃料電池40の運転に使用される種々の電力機器(燃料ガスや酸化ガスを供給するためのポンプなど)をいう。
制御装置10は、CPU、ROM、RAMなどにより構成され、電圧センサ110や電流センサ120、燃料電池40の温度を検出する温度センサ、アクセルペダルの開度を検出するアクセルペダルセンサなどから入力される各センサ信号に基づき、当該システム各部を中枢的に制御する。
さらに、制御装置10は、グニッションスイッチから出力される起動信号IGを受信すると、燃料電池システム100の運転を開始し、アクセルセンサから出力されるアクセル開度信号ACCや、車速センサから出力される車速信号VCなどを基にシステム全体の要求電力を求める。システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。補機電力には車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。さらに、コントローラ70は、以下に示すように燃料電池20とキャパシタ55とバッテリ130の出力電力の配分を決定する。
<通常運転の場合>
通常運転の場合、制御装置10は、出力分配を燃料電池40とバッテリ130とのそれぞれの出力電力の配分を決定し、発電指令値を演算するとともに、燃料電池40の発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給源20及び燃料ガス供給源30を制御する。
更に、制御装置10は、DC/DCコンバータ50aを制御して、燃料電池40の出力電圧を調整することにより、燃料電池40の運転ポイント(出力電流、出力電圧)を制御する。なお、通常運転時の燃料電池40の出力電圧は、例えば1.0V/セル〜0.6V/セルの範囲の挙動を示す。制御装置10は、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をインバータ60に出力し、トラクションモータ70の出力トルク、及び回転数を制御する。
通常運転の場合、制御装置10は、出力分配を燃料電池40とバッテリ130とのそれぞれの出力電力の配分を決定し、発電指令値を演算するとともに、燃料電池40の発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給源20及び燃料ガス供給源30を制御する。
更に、制御装置10は、DC/DCコンバータ50aを制御して、燃料電池40の出力電圧を調整することにより、燃料電池40の運転ポイント(出力電流、出力電圧)を制御する。なお、通常運転時の燃料電池40の出力電圧は、例えば1.0V/セル〜0.6V/セルの範囲の挙動を示す。制御装置10は、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をインバータ60に出力し、トラクションモータ70の出力トルク、及び回転数を制御する。
<リフレッシュ運転の場合>
リフレッシュ運転の場合、制御装置10は、出力分配を燃料電池40とキャパシタ55とのそれぞれの出力電力の配分を決定する。制御装置10は、通常運転時と同様、DC/DCコンバータ50aを制御して、燃料電池40の出力電圧を調整することにより、燃料電池40の運転ポイント(出力電流、出力電圧)を制御するが、リフレッシュ運転の際は、DC/DCコンバータ50aを利用して比較的短時間(例えば、数秒以内)で燃料電池40の出力電圧を降下させる点で通常運転時と異なる。詳述すると、制御装置10は、リフレッシュ運転時の燃料電池40の出力電圧を、例えば図3のγに示すように、DC/DCコンバータ50aを利用して短時間Tr(例えば数秒間)でVs1(例えば0.6V/セル)からVs2(例えば0.3V/セル)まで降下させた後、再びVs1まで上昇させる。このように、制御装置(駆動制御手段)10は、リフレッシュ運転時(低効率運転時)の燃料電池40の出力電力の低下分を、短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ(第2の蓄電装置)55を利用して賄う。
リフレッシュ運転の場合、制御装置10は、出力分配を燃料電池40とキャパシタ55とのそれぞれの出力電力の配分を決定する。制御装置10は、通常運転時と同様、DC/DCコンバータ50aを制御して、燃料電池40の出力電圧を調整することにより、燃料電池40の運転ポイント(出力電流、出力電圧)を制御するが、リフレッシュ運転の際は、DC/DCコンバータ50aを利用して比較的短時間(例えば、数秒以内)で燃料電池40の出力電圧を降下させる点で通常運転時と異なる。詳述すると、制御装置10は、リフレッシュ運転時の燃料電池40の出力電圧を、例えば図3のγに示すように、DC/DCコンバータ50aを利用して短時間Tr(例えば数秒間)でVs1(例えば0.6V/セル)からVs2(例えば0.3V/セル)まで降下させた後、再びVs1まで上昇させる。このように、制御装置(駆動制御手段)10は、リフレッシュ運転時(低効率運転時)の燃料電池40の出力電力の低下分を、短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ(第2の蓄電装置)55を利用して賄う。
具体的には、制御装置10は、燃料電池40の出力電力の低下分の電力を、キャパシタ55から出力することでシステム電力を一定に保つ。かかる構成によれば、リフレッシュ運転時にもシステム要求電力に応じた電力を供給することができ、ドラビリ性能を改善することができる。さらに、キャパシタ55を利用すれば短時間で高い電力出力が可能なため、車両走行時などシステムから要求される電力が大きい場合であっても、所望のタイミングでリフレッシュ運転を行うことが可能となる。
メモリ160は、例えば書き換え可能な不揮発性メモリであり、燃料電池40の初期状態(例えば製造出荷時)における電池特性を示す初期電池特性データなどが格納されている。初期電池特性データは、初期状態における燃料電池40の電流密度と電圧との関係を示す二次元マップであり、電流密度が高くなるにつれ電圧は低下する。
周知のとおり、燃料電池40の電極触媒が被毒すると電池特性は低下し、同一電圧で比較すると被毒後の電流密度は被毒前の電流密度(初期電池特性データに示される電流密度)よりも低下する。かかる特性を利用し、本実施形態では、電圧センサ110及び電流センサ120によって検知される出力電圧及び出力電流と初期電池特性データとを比較することで、電極触媒が被毒状態にあるか否かを検知する。詳述すると、制御装置(検知手段)10は、電圧センサ110及び電流センサ120によって出力電圧及び出力電流が検知されると、初期電池特性データにおける同一電圧での電流密度と比較する。かかる比較の結果、下記式(1)、(2)が成立している場合には被毒状態であると判断する一方、下記式(1)、(2)が成立していない場合には被毒状態でないと判断する。
Vfc=Vs ・・・(1)
Ifc<Is+α ・・・(2)
Vfc;出力電圧
Vs ;初期電池特性データにおける電圧
Ifc;出力電流
Is ;初期電池特性データにおける電流密度
α ;所定値
Ifc<Is+α ・・・(2)
Vfc;出力電圧
Vs ;初期電池特性データにおける電圧
Ifc;出力電流
Is ;初期電池特性データにおける電流密度
α ;所定値
制御装置10は、上記方法により燃料電池40の電極触媒が被毒状態にあるか否かを検知し、被毒状態にあることを検知した場合には、被毒された電極触媒の特性を回復すべく、燃料電池40の運転状態を通常運転からリフレッシュ運転へと切り換える。なお、リフレッシュ運転から通常運転への復帰に関しては、例えばタイマなどを利用して予め設定された時間(例えば数秒程度)が経過したか否かを判定し、該時間が経過した場合には電極触媒の特性が回復されたとみなして通常運転へ復帰するように構成すれば良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、リフレッシュ運転の際に燃料電池40の出力電力の低下分を、短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ55を利用して賄う。これにより、リフレッシュ運転時にもシステム要求電力に応じた電力を供給することができ、ドラビリ性能を改善することができる。さらに、キャパシタ55を利用すれば短時間で高い電力出力が可能なため、車両走行時などシステムから要求される電力が大きい場合であっても、所望のタイミングでリフレッシュ運転を行うことが可能となる。
B.変形例
(1)以上説明した実施形態では、リフレッシュ運転時の燃料電池40の出力電力の低下分を賄うために短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ55を利用したが、通常運転時の負荷変動を吸収するためにキャパシタ55を利用しても良い。制御装置(駆動制御手段)10は、例えば通常運転時に短時間の細かな負荷変動が生じたことを検知すると(別言すれば、負荷の変動が予め設定された閾値範囲内にあることを検知すると)、燃料電池40からの出力電圧(出力電力)を変えることなく、キャパシタ(第2の蓄電装置)55から供給する電力を変えることで必要な電力を賄う。かかる構成によれば、燃料電池40の電位変動回数を減らすことができ、触媒の劣化を抑制することができる。このように、触媒の劣化を抑制することで、燃料電池40の耐久性を向上させることが可能となる。なお、必要に応じて燃料電池40とキャパシタ55とバッテリ130の全てを利用してシステム要求電力を賄うようにしても良い。同様に、リフレッシュ運転時の燃料電池40の出力電力の低下分を、キャパシタ55とともにバッテリ130を利用して賄うようにしても良いのは勿論である。
(1)以上説明した実施形態では、リフレッシュ運転時の燃料電池40の出力電力の低下分を賄うために短時間で高い電力出力が可能なキャパシタ55を利用したが、通常運転時の負荷変動を吸収するためにキャパシタ55を利用しても良い。制御装置(駆動制御手段)10は、例えば通常運転時に短時間の細かな負荷変動が生じたことを検知すると(別言すれば、負荷の変動が予め設定された閾値範囲内にあることを検知すると)、燃料電池40からの出力電圧(出力電力)を変えることなく、キャパシタ(第2の蓄電装置)55から供給する電力を変えることで必要な電力を賄う。かかる構成によれば、燃料電池40の電位変動回数を減らすことができ、触媒の劣化を抑制することができる。このように、触媒の劣化を抑制することで、燃料電池40の耐久性を向上させることが可能となる。なお、必要に応じて燃料電池40とキャパシタ55とバッテリ130の全てを利用してシステム要求電力を賄うようにしても良い。同様に、リフレッシュ運転時の燃料電池40の出力電力の低下分を、キャパシタ55とともにバッテリ130を利用して賄うようにしても良いのは勿論である。
(2)上述した実施形態では、初期電池特性データを利用して電極触媒が被毒状態にあるか否かを検知したが、他の方法によって電極触媒が被毒状態にあるか否かを検知しても良いのはもちろんである。例えば、一酸化炭素によって電極触媒が被毒される場合には、既知のCO濃度センサを設け、CO濃度と電圧測定値との関係を予め調査・マップ化し、検知されるCO濃度等に基づいて電極触媒が被毒状態にあるか否かを検知しても良い。さらには、電極触媒が被毒状態にあるか否かを検知することなく、例えば走行時間や走行距離、燃料電池の温度などに基づき、所定のタイミングでリフレッシュ運転を行っても良い。
(3)上述した実施形態では、酸化ガス供給源20及び燃料ガス供給源30から供給される酸化ガス量及び燃料ガス量を調整することで、出力電流を制御したが、酸化ガス量または燃料ガス量のいずれか一方のガス量を調整することで、出力電流を制御しても良い。
(4)上述した実施形態では、車両走行時にリフレッシュ運転を行う場合を例に説明したが、システム起動時や停止時、さらには間欠運転時にリフレッシュ運転を行う場合も同様に適用可能である。具体的には、システム起動時にいったん低効率運転ポイントで運転してから通常運転ポイントへとシフトし、常に触媒活性を高めた状態でシステム運転を行うようにしても良い。また、システム要求電力が所定値以下になったとき(例えばアイドル出力付近など)、運転ポイントを通常運転ポイントから低効率運転ポイントへとシフトするようにしても良い。さらに、システム停止後に低効率運転ポイントにて運転を行うことで、運転中に低下した触媒活性を回復させて次回の起動に備えるようにしても良い。
(5)上述した実施形態では、被毒された電極触媒の活性を回復するために、燃料電池40の運転動作点を通常運転ポイントから低効率運転ポイントへシフトする構成としたが、例えば低温起動時に暖機運転を行う場合やシステム運転停止前に急速暖機を行う場合など、暖機運転が必要なあらゆる場合に適用可能である。
一例を挙げて説明すると、制御装置10は操作スイッチなどから当該システムの起動命令を受け取ると、温度センサ(図示略)などを利用して燃料電池40の内部温度を検知する。制御装置10は、燃料電池40の内部温度が予め設定された閾値温度を下回っている場合には、暖機運転が必要であると判断し、燃料電池40の運転ポイントを通常運転ポイントから低効率運転ポイントへシフトする。この後の動作については、本実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、温度センサの代わりに外気温度を検出する温度センサや冷却機構(図示略)を流れる冷媒の温度を検出する温度センサなどを利用しても良い。
10・・・制御装置、20・・・酸化ガス供給源、30・・・燃料ガス供給源、40・・・燃料電池、50a,50b・・・DC/DCコンバータ、55・・・キャパシタ、60,80・・・インバータ、70・・・トラクションモータ、75L、75R・・・車輪、90・・・モータ、130・・・バッテリ、160・・・メモリ、100・・・燃料電池システム。
Claims (5)
- 燃料電池と、
前記燃料電池の出力を電圧変換して負荷に供給する電圧変換装置と、
前記電圧変換装置を介して前記燃料電池と並列に接続された第1の蓄電装置と、
前記電圧変換装置を介して前記燃料電池と並列に接続され、前記第1の蓄電装置よりも短時間で高い電力出力が可能な第2の蓄電装置と、
所定条件を満たす場合に、前記燃料電池の出力電力と、少なくとも前記第2の蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記負荷を駆動する駆動制御手段と
を具備することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記所定条件は、燃料電池の運転に関し、通常運転に比して発電効率の低い低効率運転を行う場合であり、
前記駆動制御手段は、前記低効率運転による前記燃料電池の出力電力の低下分を、前記第2の蓄電池装置から出力される電力で賄うことで前記負荷の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記所定条件は、前記負荷の変動が閾値範囲内にある場合であり、
前記駆動制御手段は、前記負荷の変動が閾値範囲内にある場合には、前記燃料電池の出力電圧を変えずに、前記第2の蓄電装置から出力される電力を変えることで前記負荷の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記駆動制御手段は、前記負荷の変動が閾値範囲内にある場合には、前記燃料電池の出力電圧を変えずに、前記第1の蓄電装置及び前記第2の蓄電装置から出力される電力を変えることで前記負荷の駆動を制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記第1の蓄電装置は二次電池であり、前記第2の蓄電装置はキャパシタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の燃料電池システム。
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JP2008016418A JP2009176665A (ja) | 2008-01-28 | 2008-01-28 | 燃料電池システム |
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JP2008016418A JP2009176665A (ja) | 2008-01-28 | 2008-01-28 | 燃料電池システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018106998A (ja) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
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