JP2009176558A - プラズマ式点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長時間の使用に伴う放電電圧の上昇を抑制し、より安定した点火を実現する極めて耐久性に優れたプラズマ式点火装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関40に装着された点火プラグ10と放電用電源20とプラズマ発生用電源30とを具備し、高温高圧のプラズマ状態の気体によって、機関の点火を行うプラズマ式点火装置1において、点火プラグ10は、略長軸状の中心電極110と、中心電極110の側面と底面111とを覆う略有底筒状の絶縁体120と、絶縁体120の側面と底部121とを覆う略有底筒状の接地電極130とを含み、放電空間140として、絶縁体120の底部121と接地電極130の底部とを貫通する縦穴を複数穿設して、中心電極底面111の一部と各縦穴の接地電極開口部131の内周壁とを該縦穴に対向せしめて一対の放電空間140となす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の点火に用いられるプラズマ式点火装置の耐久性向上に関するものである。
自動車エンジン等の内燃機関において、図13に示すようなプラズマ式点火装置1zが知られている。この装置は、長軸状の中心電極110zと、中心電極110zの周囲を覆いつつ、中心電極110zの先端よりも下方に伸びる筒状の絶縁体120と、絶縁体120zの外周を覆う筒状の接地電極130zとによって放電空間140zを絶縁体120内部に区画したプラズマ式点火プラグ10zと、高電圧を印加する放電用電源20zと大電流を供給するプラズマ発生用電源30zとによって構成されている。
図12(a)に示すように、中心電極110zと接地電極131zとの間に放電用電源20zから高電圧を印加して、放電空間140z内の絶縁を破壊するブレークダウン放電BDWが行われた瞬間に、プラズマエネルギ供給用電源30zから大電流を供給して、放電空間140z内に放出された高エネルギの電子51によって、放電空間10z内の気体が励起され陽イオン50となり、高温高圧のプラズマ状態にして、放電空間140zの先端から噴射することができる。
プラズマ式点火装置1zは、容積的に大きな範囲の高温域PZが発生する上に、指向性に富んだ火炎核が着火源となって圧縮混合気の着火爆発が励起されるので、成層リーンバーン、均質リーンバーン、過給気混合燃焼等の難着火性機関の点火装置としての応用が期待されている。
このようなプラズマ式点火装置として、特許文献1には、中心電極の汚染を防止すべく、中心電極と中心に該中心電極を保持し縦に伸びる挿入孔を設けた絶縁体と該絶縁体を覆い下端に挿入孔と連通する開口を設けた接地電極とによって構成し、上記挿入孔内に放電ギャップを形成した表面ギャップ型点火プラグが開示されている。
ところが、従来のプラズマ式点火装置1zにおいては、図13に示すように、第1の整流素子26z及び第2の整流素子34zによって、放電用電源20z及びプラズマ発生用電源30zから供給される電流は、中心電極110zが陰極となるように整流されている。したがって、図12(b)に示すように、中心電極110zの表面において質量の大きな陽イオン50の衝突により分解される陰極スパッタリングが発生しやすい。この陰極スパッタリングによって中心電極110zの表面は激しく浸食される。特に中心電極110zの先端外周縁と絶縁体120zとの境界において、消耗部位が基端側に向かって徐々に拡大される。陰極スパタリングによる侵食に伴い中心電極110zと接地電極130zとの距離、即ち放電距離が次第に長くなり、放電距離に比例してブレークダウンに必要な要求電圧が次第に上昇し、やがて要求電圧が放電用電源20zの発生電圧以上となると放電できなくなり内燃機関の失火に至る虞がある(図4比較例1参照)。
そこで、本発明者等は、先に特許願2006−340761において、図11に示すような、放電用電圧電源20xとプラズマ発生用電源30xとをプラズマ式点火プラグ10zの中心電極110zを陽極とし接地電極130zを陰極として接続したプラズマ式点火装置1xを提案した。
図10(a)に示すように、プラズマ式点火装置1xでは、中心電極110xが陽極であるため、放電による電子の流れは接地電極130xから中心電極110xへ向かい、質量の小さい電子のみが中心電極110xに衝突し、プラズマ状態の気体中、質量の大きい窒素イオン等の陽イオンは陽極である中心電極110xと反発するため、中心電極110xの表面が陰極スパッタリングにより浸食され難くなる。一方、接地電極130は陰極となっているので、質量の大きい陽イオンによって、その表面が浸食され得る。しかし、放電空間140xに接する接地電極130xの表面は、プラズマ状態の気体の噴射方向に対して略直交するように配設されている。このため、プラズマ状態の気体が噴射する際に、陽イオンは接地電極130xの開口部131x表面に斜めに衝突することになり、陽イオンの衝突する力が弱まる。よって、陰極スパッタリングによる浸食の度合いは、従来の中心電極110zを陰極としたプラズマ式点火装置1zを用いた場合に比べ低くなり、耐久性の改善が見られた。
米国特許第3581141号明細書
しかし、プラズマ式点火装置1xの構造においても、接地電極130xの陰極スパッタリングによる侵食は不可避であり、接地電極130xと絶縁体120xとの界面近くが徐々に侵食され、次第に放電距離が長くなるので要求電圧が徐々に上昇する。
このとき、放電経路は絶縁体120xの表面に沿うように形成され、陰極スパッタリングによる接地電極130xの浸食方向は、図10(b)に示すように、絶縁体120xと接地電極130xとの境界部において、接地電極130xの径方向に対して外側に向かって進行する。消耗部位の拡大によって要求電圧が上昇し、放電が不安定になり、やがて失火に至る虞がある(図4比較例2参照)。
そこで、本願発明は、かかる実情に鑑み、長時間の使用に伴う要求電圧の上昇を抑制し、より耐久性に優れたプラズマ式点火装置を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明では、内燃機関に装着される点火プラグと、該点火プラグに高電圧を印加する放電用電源と、大電流を供給するプラズマ発生用電源とを具備し、高電圧の印加と大電流の供給とによって上記点火プラグに形成された放電空間内の気体を高温高圧のプラズマ状態にして上記内燃機関内に噴射して点火を行うプラズマ式点火装置において、上記点火プラグは、略長軸状の中心電極と、該中心電極の側面と底面とを覆う略有底筒状の絶縁体と、該絶縁体の側面と底部とを覆う略有底筒状の接地電極とを含み、上記放電空間として、上記絶縁体の底部と上記接地電極の底部とを貫通する縦穴を複数穿設して、上記中心電極底面の一部と各縦穴の接地電極開口部の内周壁とを該縦穴に対向せしめて一対の放電空間となす。
請求項1の発明によれば、複数の放電空間のうち、最も電極消耗が少なく、要求電圧が低い部位にてブレークダウン放電が開始され、次いで起きる大電流の供給により、その放電空間内の気体がプラズマ状態となって噴射される。このとき、陰極側の電極がスパッタリングにより不可避的に消耗するが、電極消耗部位が複数箇所に分散するので、各々の電極の消耗量が少なくなり、放電空間を形成する上記縦穴の数に比例して上記点火プラグの寿命を長くできる。したがって、点火装置としての信頼性に優れたプラズマ式点火装置が実現できる。
請求項2の発明では、上記放電空間は、等間隔に配設する。
請求項2の発明によれば、各々の放電空間で放電の起こる確率が均等になり電極消耗の集中を防ぐことが可能となる。したがって、点火装置としての信頼性が更に向上したプラズマ式点火装置が実現できる。
請求項3の発明では、上記放電空間は、少なくとも上記中心電極の軸心と同心の仮想円上に配設する。
請求項3の発明によれば、限られた径の中心電極に対して最も多く上記放電空間を形成することができる。したがって、それぞれの放電空間における電極の耐久性を更に向上することが可能となり、点火装置としての信頼性が更に優れたプラズマ式点火装置が実現できる。加えて、複数の放電空間を最も効率的に配設することが可能となり、点火プラグの体格を小さくすることもできる。
請求項4の発明では、上記放電空間は、上記中心電極の軸心に対して、外径方向に傾斜する角度を設けて形成する。
請求項4の発明によれば、接地電極開口部間の間隔が広くなるので、接地電極の消耗に対しての耐久時間をより長くできる。したがって、点火装置としての信頼性が更に優れたプラズマ式点火装置が実現できる。加えて、上記放電空間を形成する上記縦穴の数を増やすことも可能となり、更なる耐久性の向上を図ることができる。
請求項5の発明では上記放電空間は、基端側で上記中心電極の下端外周縁の一部が上記放電空間に露出する位置に配設する。
請求項5の発明によれば、上記中心電極の下端外周縁の角部は、電界集中によって、放電をし易くなっているので、要求電圧を下げることができる。要求電圧の低下に伴い、電源電圧に余裕が生まれる。したがって、電極消耗の進行に伴う要求電圧の上昇に対して、放電可能な期間が長くなり、上記点火プラグの寿命を延ばすことができる。したがって、点火装置としての信頼性に優れたプラズマ式点火装置が実現できる
請求項6の発明では、上記中心電極は、上記中心電極底部の一部を上記放電空間内に突き出せしめた中心電極突部を具備する。
請求項6の発明によれば、上記中心電極突部に電界集中が起こり、更に要求電圧を下げることが可能となる。要求電圧の低下に伴い、電源電圧に余裕が生まれる。したがって、電極消耗の進行に伴う要求電圧の上昇に対して、放電可能な期間が長くなり、上記点火プラグの寿命を延ばすことができる。したがって、点火装置としての信頼性に優れたプラズマ式点火装置が実現できる
請求項7の発明では、上記中心電極先端側下面と上記絶縁体底部の基端側上面との間に間隙を設けて、複数の上記放電空間がつながる共通空間部を形成する。
請求項7の発明によれば、放電空間を複数設けたことにより、点火プラグの耐久性が向上する効果に加えて、上記共通空間内に活性化された気体が残存し、放電を誘発し易くなっているので、更に要求電圧の低減を図ることができる。したがって、電極消耗の進行に伴う要求電圧の上昇に対して、放電可能な期間が長くなり、上記点火プラグの寿命を延ばすことができる。また、中心電極先端の放電部が耐熱性不足より変形、あるいは消耗した場合でも共通空間にある中心電極の先端部は体積が大きくとれるため、長期にわたり放電を継続できる。よって、点火装置としての信頼性に優れたプラズマ式点火装置が実現できる。加えて、上記共通空間によって、中心電極の組付誤差を吸収することもできる。
請求項8の発明では、上記放電用電源は低圧の一次電圧を高圧の二次電圧に昇圧する昇圧回路と第1の整流素子とを含み、上記プラズマ発生用電源は、充放電により大電流を供給するプラズマ発生用コンデンサと第2の整流素子とを含み、上記第1の整流素子と上記第2の整流素子とは、上記点火プラグの中心電極が陽極となるように整流する。
請求項8の発明によれば、中心電極が陽極となっているので、質量の重い陽イオンの衝突が電気的反発により避けられるので、中心電極のスパッタリングによる消耗が抑制される。また、進展性に優れた正コロナが中心電極下端表面に発生するので、要求電圧を低くすることができる。接地電極側は陰極となり、質量の重い陽イオンの衝突によりスパッタリングを引起し消耗されるが、複数の接地電極開口部に渡って電極消耗部位が分散されるので、上記点火プラグの寿命を延ばすことができる。したがって、プラズマ式点火装置としての耐久性が更に向上する。
以下に、本発明の第1実施形態について、図1を参照して説明する。図1(a)は、本実施形態におけるプラズマ式点火装置1の全体構成を示す断面図、(b)は下面図である。プラズマ式点火装置1は、プラズマ式点火プラグ10と高電圧電源として放電用電源20とプラズマ発生用電源30とで構成されている。
プラズマ式点火プラグ10は、軸状の中心電極110と、中心電極110を覆い絶縁保持する有低筒状の絶縁体120と絶縁体120を覆う有底筒状の接地電極130とによって構成され、本発明の要部である放電空間140が、絶縁体120の底部121に中心電極110の軸心と同心の仮想円φD上に等間隔で複数穿設されている。
中心電極110は、高融点の導電性材料によって形成され、先端側には、複数の放電空間140に露出する中心電極放電部111が形成され、基端側には放電用電源20とプラズマ発生用電源30とに接続される中心電極端子部112が形成されている。
絶縁体120は、耐熱性、機械的強度、高温における絶縁耐力、熱伝導率などに優れた高純度のアルミナ等によって形成されている。中心電極110の先端を覆う絶縁体底部121には、本発明の要部である放電空間140を構成する縦穴が、中心電極110の下端部外周縁の一部が放電空間140に露出するように、中心電極110の軸心と同心の仮想円φD上に等間隔で複数の縦穴が等間隔に穿設されている。本実施形態においては、放電空間140が等間隔に3個穿設されている。
絶縁体120の中腹には、径大に拡径された絶縁体係止部122が形成され、後述するハウジング部13との気密性を保持する図略のシール部材を介してハウジング部13の内側に係止されている。絶縁体120の基端側は、中心電極端子部112とハウジング部13表面とを絶縁し、高電圧のリークを防止するコルゲート状の絶縁体頭部123が形成されている。
接地電極130は、導電性金属材料からなり、絶縁体120の底部を覆うように平板状に形成されている。接地電極130には、本発明の要部である放電空間140に連通する複数の接地電極開口部131が穿設されている。本実施例においては、3個の接地電極開口部131が、中心電極の軸心と同心の仮想円φD上に等間隔に設けられている。接地電極130の外周部は、絶縁体120の外周を覆うように基端側に向かって筒状に伸び、中心電極110と絶縁体120を介して対向する背後電極部132が延設されている。更に、背後電極132の基端側は、絶縁体120を保持しつつ、図略の内燃機関内に接地電極130が露出するように内燃機関のエンジンブロック40に固定するとともに接地電極130とエンジンブロック40とを電気的に接地状態とするためのハウジング部13が形成されている。背後電極部132の外周には、エンジンブロック40に螺結するためのネジ部133が形成され、ハウジング部13の基端側外周部にはネジ部133を締め付けるための六角部134が形成され、更に絶縁体120をハウジング部13内に加締め固定すべく加締め部135が形成されている。
図2に、本実施形態に用いられる放電用電源20及びプラズマ発生用電源30の等価回路を示す。放電用電源20は、第1の電源21、イグニッションキー22、点火コイル23、点火コイル駆動回路24、電子制御装置25、第1の整流素子26、電波雑音吸収用抵抗体27によって構成されている。放電用電源20は、第1の整流素子26によって、中心電極110が陽極となるように整流されている。プラズマ発生用電源30は、第2の電源31、抵抗体32、プラズマ発生用コンデンサ33、第2の整流素子34、雑音電波低減用コンデンサ35によって構成されている。プラズマ発生用電源30は、第2の整流素子34によって、中心電極110が陽極となるように整流されている。
イグニッションスイッチ22が投入され、ECU25からの点火信号により、第1の電源21から低電圧で負の一次電圧が点火コイル23の一次コイル231に印加され、点火コイル駆動回路24のスイッチングによって一次電圧が遮断されると、点火コイル23内の磁界が変化し、自己誘導作用により点火コイル23の二次コイル232に10〜30kVの正の二次電圧が誘起される。一方、第2の電源31によりプラズマ発生用コンデンサ33が充電されている(例えば、450V、120A)。点火コイル23から印加された二次電圧が中心電極110と接地電極130との間の放電距離に比例する放電電圧を超えると両電極間にブレークダウン放電BDWが開始され、放電空間140内の気体が小領域でプラズマ状態となる。
このプラズマ状態の気体は、導電性を有し、プラズマ発生用コンデンサ33の両極間に蓄えられた電荷の放電を引起し、放電空間140内の気体の更なるプラズマ状態化を誘発、領域を拡大する。このプラズマ状態の気体は、高温・高圧となり、内燃機関の燃焼室内へ噴射され、機関の点火を行うことができる。
このとき、図3(a)に示すように、複数の放電空間140の内、最も要求電圧が低い放電空間140、即ち、最も電極消耗の低い放電空間内でブレークダウン放電BDWが起こり、高温高圧のプラズマ状態となった気体PZが噴射される。図3(b)に示すように、点火の度ごとに、放電部位が複数の放電空間140に渡って変化するので、電極の消耗部位が分散され、放電空間140の数に比例して耐久性が向上する。
また、プラズマ状態となった気体PZの噴射位置が、複数の放電空間140間で任意に変化するが、放電空間140は、中心電極110の軸心と同心の仮想円φD上に形成され限られた範囲内に配設されているので、機関の燃焼に与える影響は小さい。
更に、本実施形態においては、中心電極110の下端外周縁が放電部位111として放電空間140に露出しており、角部は電界集中によって放電し易くなっているので、中心電極110の下端外周縁の角部が放電の起点となっている。
図4に本発明の第1の実施形態における効果を比較例とともに示す。図13に示す中心電極110zを陰極としたプラズマ式点火装置1zを用いた場合の要求電圧の経時変化を比較例1とし、図11に示す中心電極110xを陽極としたプラズマ式点火装置1xを用いた場合の要求電圧の経時変化を比較例2とし、本発明の第1の実施形態におけるプラズマ式点火装置1を用いた場合の要求電圧の経時変化を実施例1として示す。本実施形態においては、本図に示すように、比較例1よりも遥かに長い耐久性を有し、比較例2に比べ略3倍の耐久性向上を図ることができる。
図5を参照して本発明の第2の実施形態におけるプラズマ式点火装置1aについて説明する。本実施形態においては、基本構造は、上記第1の実施形態におけるプラズマ式点火装置1と同様であり、同一の部分については、同じ符号を付したので説明を省略し、本実施形態における特徴的な部分についてのみ説明する(以下、他の実施形態においても同様である)。図5(a)、(b)に示すように、本実施形態においては、放電空間140aが中心電極110aの軸心に対して所定の角度θだけ傾斜して形成されている。
このため、接地電極開口部131aの間隔を、第1の実施形態に比べて長くすることができ、耐久性の更なる向上が期待できる。なお、本実施形態においては、プラズマ状態となった気体の噴射角度が、放電空間140aによって変化するため、成層燃焼には不向きであると考えられるが、均質混合燃焼の場合には、点火に与える影響は小さく、耐久性向上のメリットが有効となる。
図6を参照して本発明の第3の実施形態におけるプラズマ式点火装置1bについて説明する。図6(a)、(b)に示すように、本実施形態においては、放電空間140bは、中心電極110b先端の中心電極放電部位111bの外周縁の側面がわずかに放電空間140bに露出するように、仮想円φDbは、上記第1、第2の実施形態よりも径大に設定されている。このため、中心電極放電部位111bの放電空間140dに露出する部分の面積が小さくなるので、更に、中心電極110bの下端外周縁での電界集中がより起こりやすくなり、要求電圧の更なる低電圧化が可能となる。したがって、要求電圧が供給可能電圧を超える時期を延ばすことができ、プラズマ式点火装置1bの更なる耐久性の向上を図ることができる。
図7を参照して本発明の第4の実施形態におけるプラズマ式点火装置1cについて説明する。本実施形態においては、本図(a)に示すように、中心電極110cの先端の一部を延設した放電部位111cが、放電空間140c内に突出している。このような形状とすることによって、中心電極110cの放電部位111cにおける更なる電界集中を引起し、要求電圧を更に低くできる。したがって、要求電圧が供給可能電圧を超える時期を延ばすことができ、プラズマ式点火装置1cの更なる耐久性の向上を図ることができる。
図8を参照して本発明の第5の実施形態におけるプラズマ式点火装置1dについて説明する。本実施形態においては、中心電極110dを上記実施形態よりも径大に設定し、放電空間140dの数を増やしている。また、中心部に孔を追加することもできる。更に、本実施形態においては互いに隣り合う放電空間140dが等距離に配設されている。このような構成とすれば、それぞれの放電空間に対向する接地電極131dが均等に消耗するので、局所的な電極消耗の集中による電極消耗の加速化が抑制され、放電空間140dの数に比例して、プラズマ式点火装置1dの耐久性は向上する。
図9を参照して本発明の第6の実施形態におけるプラズマ式点火装置1eについて説明する。本実施形態においては、本図(a)に示すように、中心電極110eの先端側表面と絶縁体底部121eの基端側表面との間に複数の放電空間140eがつながる共通空間部141eが形成されている。複数の放電空間140eを形成することによって、点火プラグ10eの耐久性が向上する効果に加えて、共通空間141内に活性化された気体が残存し、放電を誘発し易くなっているので、更に要求電圧の低減を図ることができる。したがって、要求電圧が供給可能電圧を超える時期を延ばすことができ、プラズマ式点火装置1eの更なる耐久性の向上を図ることができる。なお、本実施形態の構造では、中心電極の先端面の全面を放電面として使用できるため、中心電極先端の一部が熱により変形したり消耗したりした場合でも、他の部位にて継続して放電が続けられ、長期に渡り動作可能となる。
本発明は上記実施形態に限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、一つの点火プラグで構成されるプラズマ式点火装置について説明したが、本発明が多数の点火プラグを含む多気筒エンジンにも適用し得るものである。
また、上記実施形態においては、高電圧電源を放電用電源20とプラズマ発生用電源30との2電源により構成した場合について説明したが、1の電源からDc−Dcコンバータ等を介して異なる電圧に調整して放電用電源とプラズマ発生用電源として引加しても良い。
更に、上記実施形態においては、放電用電源の昇圧回路として、通常の点火コイルを用いた場合を例に説明したが、コンデンサ放電型点火(CDI)コイル、圧電トランス等を用いても良い。
(a)は、本発明の第1の実施形態におけるプラズマ式点火装置の全体構成を示す断面図、(b)はその下面図。 本発明の第1の実施形態におけるプラズマ式点火装置の等価回路図。 本発明の効果を示し、(a)はプラズマ発生状態を示す要部断面図、(b)は、消耗部位を示す要部断面図。 本発明の効果を比較例とともに示す特性図。 (a)は、本発明の第2の実施形態におけるプラズマ式点火装置の要部断面図、(b)は、その下面図。 (a)は、本発明の第3の実施形態におけるプラズマ式点火装置の要部断面図、(b)は、その下面図。 (a)は、本発明の第4の実施形態におけるプラズマ式点火装置の要部断面図、(b)は、その下面図。 (a)は、本発明の第5の実施形態におけるプラズマ式点火装置の要部断面図、(b)は、その下面図。 (a)は、本発明の第6の実施形態におけるプラズマ式点火装置の要部断面図、(b)は、その下面図。 従来のプラズマ式点火装置において正電圧印加を行った場合を示し、(a)は、プラズマ発生時の状態を示す要部断面模式図、(b)は、耐久後の消耗部位を示す要部断面模式図。 従来のプラズマ式点火装置において、正電圧印加によって耐久性向上を図ったプラズマ式点火装置の全体構成を示す断面図。 従来のプラズマ式点火装置において負電圧印加を行った場合を示し、(a)は、プラズマ発生時の状態を示す要部断面模式図、(b)は、耐久後の消耗部位を示す要部断面模式図。 従来のプラズマ式点火装置の全体構成を示す断面図。
符号の説明
1 プラズマ式点火装置
10 点火プラグ
110 中心電極
111 中心電極放電部位(底部)
120 絶縁体
121 絶縁体底部
130 接地電極
131 接地電極開口部
140 放電空間(縦穴)
20 放電用電源
30 プラズマ発生用電源30
40 内燃機関

Claims (8)

  1. 内燃機関に装着される点火プラグと、該点火プラグに高電圧を印加する放電用電源と、大電流を供給するプラズマ発生用電源とを具備し、高電圧の印加と大電流の供給とによって上記点火プラグに形成された放電空間内の気体を高温高圧のプラズマ状態にして上記内燃機関内に噴射して点火を行うプラズマ式点火装置において、
    上記点火プラグは、略長軸状の中心電極と、該中心電極の側面と底面とを覆う略有底筒状の絶縁体と、該絶縁体の側面と底部とを覆う略有底筒状の接地電極とを含み、
    上記放電空間として、上記絶縁体の底部と上記接地電極の底部とを貫通する縦穴を複数穿設して、
    上記中心電極底面の一部と各縦穴の接地電極開口部の内周壁とを該縦穴に対向せしめて一対の放電空間となしたことを特徴とするプラズマ式点火装置。
  2. 上記放電空間は、互いに等間隔で配設したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ式点火装置。
  3. 上記放電空間は、少なくとも上記中心電極の軸心と同心の仮想円上に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ式点火装置。
  4. 上記放電空間は、上記中心電極の軸心に対して、外径方向に傾斜する角度を設けて形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ式点火装置。
  5. 上記放電空間は、基端側で上記中心電極の下端外周縁の一部が上記放電空間に露出する位置に配設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  6. 上記中心電極は、上記中心電極底部の一部を上記放電空間内に突き出せしめた中心電極突部を具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  7. 上記中心電極先端側下面と上記絶縁体底部の基端側上面との間に間隙を設けて、複数の上記放電空間がつながる共通空間部を形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  8. 上記放電用電源は低圧の一次電圧を高圧の二次電圧に昇圧する昇圧回路と第1の整流素子とを含み、上記プラズマ発生用電源は、充放電により大電流を供給するプラズマ発生用コンデンサと第2の整流素子とを含み、上記第1の整流素子と上記第2の整流素子とは、上記点火プラグの中心電極が陽極となるように整流することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
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