JP2009174294A - 解施錠システム及びプログラム - Google Patents

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信明 村林
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次良 貞島
Hiroshi Kurihara
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Abstract

【課題】二輪車の解施錠の手間を省き、かつ安全性の高いシステムの提供。
【解決手段】走行検知部2は、入力部4から問い合わせがあった場合、現在スタンドが立っているか否かに応じて、停止中か走行中かを判断し、その結果を入力部4に送る。スタンドが立っている場合には、停止中である旨を入力部4に送る。入力部4は、走行検知部2から停止中の旨の情報を得た場合、施錠を行ってもよいと判断し、解施錠部3に施錠の指示を出す。解施錠部3は、入力部4から施錠の指示を受け取ると、自転車1の施錠を行う。このようにして、利用者は自転車1に施錠されたことを確認し、その場を後にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自転車の解施錠を安全に、かつ確実に行うシステムを提供するものである。
近年、環境問題や個人の健康が重要視される中、自転車の利用が高まってきている。最近の自転車では、坂道を登る際のアシストを行う電動自転車も増えてきており、高価格化が進んでいる。このような中で、自転車の盗難件数も増えてきている。よって、利用者は、自転車に鍵をつけ、解施錠を行うことが一般的になっている。この場合、利用者は駐輪時に自転車の前輪または後輪に取り付けられている鍵を使って施錠し、施錠した鍵を持ち歩く。そして、自転車に乗る際には、所持している鍵を鍵穴に指して解錠する。
ここで、従来の解施錠の方法では、自転車の前輪または後輪に取り付けられている鍵部のロック爪を押し込むことで施錠して鍵を抜き取り、解錠時は持ち歩いた鍵を鍵部に挿入してロック爪をはずすことにより解錠することとなるが、無理な体勢での解施錠を強いられると共に、手先や腕が車輪その他と接触する可能性が高く、衣服が汚れたりする場合が散見される。これに対して、遠隔から解施錠できるようなシステムが検討されている。これは、利用者が無線通信可能なキーを有し、キーに付属するボタン等を押下するだけで、遠隔で自転車の解施錠ができる仕組みである。
特開平10−196188号公報 特開2000−190885号公報 特開2000−213217号公報
しかしながら、上記従来の遠隔解施錠には、以下のような問題点がある。第1に、遠隔でキーのボタン等を押下して解施錠を行うが、走行中に誤ってキーのボタンを押下した場合、施錠機構が動作して、転倒等の重大事故を引き起こす可能性がある。よって、遠隔での操作は解錠のみに限定しているものもあるが、施錠は手動とすると従来の問題を解決することができない。第2に、キー側のボタン等を押下して自転車の解施錠を行う場合、利用者は解施錠時にキーを探す必要があるということである。例えば、自転車施錠後に、キーをカバン等に入れている場合、駐輪場に戻ってきた場合にカバンの中からキーを探すことになるが、どこに入れたか忘れる場合が考えられ、探すのに手間がかかる、特に、夜間は探すのが大変である。このように、せっかく解施錠を遠隔でできるようにしても、遠隔で行う為のキーを探す手間は、従来の手動で解施錠を行う場合と同様に発生する。以上にように、上記従来の遠隔解施錠には大きな問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、安全に施錠ができると共に、解施錠時のキーを探す手間を省きながら、かつ確実に利用者本人の認証を行う解施錠システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の解施錠システムは、車両の走行を不能にしたり、可能にしたりする解施錠部と、車両が走行中か否かを検知する走行検知部と、利用者の解施錠の意思を入力する入力部から構成される解施錠システムであって、前記車両は、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合に、前記走行検知部によって車両が走行中と判断した場合には、前記解施錠部を動作させない構成としたものである。
そして、車両が走行中である場合には施錠しない為、利用者が誤って施錠しようとした場合の事故を防ぐことができ、システムの安全性を高めることができる。
本発明の解施錠システムによれば、自転車の解施錠時に利用者が鍵を探す手間を省くことができ、利用者の利便性を大いに高めることができる。また、鍵を抜き差しせずに解施錠ができるので、利用者に無理な体勢を強いて解施錠させたり、解施錠時に車輪に触れて服がよごれたりといった事態を避けることができ、利用者の利便性を高めると共に、使い勝手を向上させ、本システムの普及拡大に大きく貢献できる。さらに、解施錠時に信頼性の高い通信を使って本人認証を行う為、システムの信頼度とセキュリティ性を大いに高めることができる。さらに、走行中に誤って施錠されないため、重大事故を防ぐことができ、システムの安全性を大いに高めることができる。
第1の発明は、車両の走行を不能にしたり、可能にしたりする解施錠部と、車両が走行中か否かを検知する走行検知部と、利用者の解施錠の意思を入力する入力部から構成される解施錠システムであって、前記車両は、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合に、前記走行検知部によって車両が走行中と判断した場合には、前記解施錠部を動作させないものである。
そして、走行中は施錠されないため、重大事故を防ぎ、安全性の高いシステムを実現することができる。
第2の発明は、車両の走行を不能にしたり、可能にしたりする解施錠部と、車両が走行中か否かを検知する走行検知部と、利用者の解施錠の意思を入力する入力部から構成される解施錠システムであって、前記車両は、施錠中に前記入力部からの解錠の旨の入力があった場合に、前記走行検知部によって車両が走行中と判断した場合には、前記解施錠部を動作させないものである。
そして、停止中しか解錠できない為、解錠を忘れて車両に乗ろうとする行為がなくなり、転倒等を防止することができる。
第3の発明は、前記走行検知部は、車両をささえるスタンドが立っている場合には非走行中と判断するものである。
そして、走行中か否かをスタンドが立っているか否かで検出する為、走行中の検出制度が高まり、より信頼性の高いシステムを実現することができる。
第4の発明は、前記車両は、当該車両の利用者が有するキーとの無線通信を行う無線通信部を有し、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合、もしくは施錠中に前記入力部からの解錠の旨の入力があった場合であって、前記走行検知部が非走行中と判断している場合に、前記キーと無線通信を行い、無線通信が正常に終了した場合のみ、前記解施錠部を動作させて施錠または解錠を行うものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信が成功した場合のみ解施錠を行う為、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第5の発明は、前記車両は、当該車両の利用者が有するキーとの無線通信を行う無線通信部を有し、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合、もしくは施錠中に
前記入力部からの解錠の旨の入力があった場合であって、前記キーと無線通信を行い、無線通信が正常に終了した場合であっても、前記走行検知部が走行中と判断している場合には、前記解施錠部を動作させないものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信が成功した場合のみ解施錠を行う為、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第6の発明は、前記車両は、前記キーとの無線通信において、前記キーから前記車両に対する送信信号の電界強度を測定し、測定した電界強度が予め設定した閾値を上回った場合のみ、前記無線通信を正常とみなすものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信において、電界強度を用いて距離検知を行う為、利用者本人が車両の傍にいるか否かを確実に検出でき、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第7の発明は、前記車両は、前記キーとの無線通信において、前記キーから前記車両に対する送信信号に搭載されている前記キーのIDをチェックし、前記車両に予め記憶されている前記キーのIDと一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなすものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信において、キーのID照合を行う為、キーを所持している者の本人認証精度を高めることができ、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第8の発明は、前記車両は、前記キーとの無線通信において、前記キーから前記車両に対する送信信号に搭載されている自らのIDをチェックし、一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなすものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信において、車両のID照合を行う為、キーを所持している者の本人認証精度を高めることができ、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第9の発明は、前記キーは、前記車両との無線通信において、前記車両から前記キーに対する送信信号に搭載されている前記車両のIDをチェックし、前記キーに予め記憶されている前記車両のIDと一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなすものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信において、車両のID照合を行う為、キーを所持している者の本人認証精度を高めることができ、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第10の発明は、前記キーは、前記車両との無線通信において、前記車両から前記キーに対する送信信号に搭載されている自らのIDをチェックし、一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなすものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信において、キーのID照合を行う為、キーを所持している者の本人認証精度を高めることができ、他人が悪意を持って解施錠するの
を防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第11の発明は、前記車両または/及び前記キーは、前記キーまたは/及び前記車両との無線通信において、予め決められた暗号鍵を用いた暗号化通信を行い、暗号データの復号に成功した場合のみ、前記無線通信を正常とみなすものである。
そして、利用者が所持しているキーとの通信において、データを暗号化して通信を行う為、キーを所持している者の本人認証精度を高めることができ、他人が悪意を持って解施錠するのを防ぐことができ、盗難に対するセキュリティ性の高いシステムを実現することができる。
第12の発明は、解施錠部を車両の車軸部に設ける構成としたものである。
そして、同じく車両の中心部にあるスタンドを利用した走行検知部と一体として実現することが可能となり、構成の簡素化が実現できる。そして、部品点数の削減による安価なシステムが提供でき、本システムの普及拡大が実現できる。
第13の発明は、解施錠部を電磁クラッチ方式にて構成したものである。
そして、電磁クラッチ方式を用いることで施錠時に高い制動力が実現でき、本システムの信頼性を向上させることができる。
第14の発明は、解施錠部を振り子制動方式にて構成したものである。
そして、振り子制動方式を用いることで、一瞬の電流供給で解施錠が実現でき、バッテリーでアシストを行う電動自転車等においては、低消費電力のメリットがある。これにより、本システムの信頼性を向上させることができる。
第15の発明は、解施錠部を車両のブレーキを利用したブレーキシュー方式にて構成したものである。
そして、自転車等のブレーキ制御を利用することで、簡易構造が可能となると共に、部品点数の削減による安価なシステムが提供でき、本システムの普及拡大が実現できる。
第16の発明は、解施錠部を車輪のスポークと交差する制御棒を使った構成としたものである。
そして、従来の手動解施錠を自動で行う方式の為、簡易な構造と低コストで実現でき、本システムの普及拡大が実現できる。
第17の発明は、第1の発明〜第17の発明の解施錠システムの少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムとする。そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、等のハードリソースを協働させて本発明の少なくとも一部を簡単なハードウェアで実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1のシステム構成図を示す。図1において、1は自転車である。2は走行検知部である。3は解施錠部である。4は入力部である。なお、図1において、(a)は自転車1が停止中の場合であり、(b)は自転車1が走行中の場合である。
図1(a)において、動作を図3のフローチャートを用いながら説明する。利用者が自転車1を停めてスタンドを立てた状態でまだ施錠をしていない(解錠中)の場合、利用者は、その後、自転車1に施錠を行う。この場合、利用者は自転車1の入力部4を操作して自転車1を施錠する。具体的には、例えば、入力部4は押しボタン式のスイッチになっており、利用者は当該スイッチを押すことにより施錠を行う(図3のS31)。このようにして利用者が施錠操作を行った場合、入力部4は現在「解錠中」である状態で入力信号を受信したことで、施錠動作を行おうとする(図3のS32)。ここで、入力部4は、走行検知部2に問い合わせを行う。問い合わせ内容は、現在、自転車1が走行中か否かについてである。
図1において、走行検知部2は自転車1のスタンドに取り付けられている。そして、走行検知部2は、自転車1のスタンドが立っているかいないかを検知している。これは、スタンドが立っている場合は、自転車1は停止中、すなわち走行していない状態であり、スタンドが立っていない場合は、自転車1は走行中の状態とみなすことができる為である。
走行検知部2は、入力部4から問い合わせがあった場合、現在スタンドが立っているか否かに応じて、走行中か停止中かを判断し、その結果を入力部4に送る。図1(a)の場合には、停止中である旨を入力部4に送る。入力部4は、走行検知部2から停止中の旨の情報を得た場合(図3のS33)、施錠を行ってもよいと判断し、解施錠部3に施錠の指示を出す。解施錠部3は、入力部4から施錠の指示を受け取ると、自転車1の施錠を行う(図3のS34)。
なお、図1では、解施錠部3は自転車1の後輪に取り付けられており、何らかの方法で自転車1の後輪をロック状態にして施錠する。これで、自転車1は「解錠中」から「施錠中」に遷移する。このようにして、利用者は自転車1に施錠されたことを確認し、その場を後にする。
次に、利用者が自分の自転車1の場所に戻ってきて、これから自転車1に乗ろうとする場合について説明する。利用者が今から自転車1に乗ろうとする場合、先程と同じように、入力部4のスイッチを押す(図3のS31)。ここで、入力部4は、現在「施錠中」である状態で入力信号を受信したことで、解錠動作を行おうとする(図3のS32)。ここで、入力部4は、走行検知部2に問い合わせを行う。問い合わせ内容は、現在、自転車1が走行中か否かについてである。
走行検知部2は、入力部4から問い合わせがあった場合、現在スタンドが立っているか否かに応じて、走行中か停止中かを判断し、その結果を入力部4に送る。図1(a)の場合には、停止中である旨を入力部4に送る。入力部4は、走行検知部2から停止中の旨の情報を得た場合(図3のS33)、解錠を行ってもよいと判断し、解施錠部3に解錠の指示を出す。解施錠部3は、入力部4から解錠の指示を受け取ると、自転車1の解錠を行う(図3のS34)。これで、自転車1は「施錠中」から「解錠中」に遷移する。このようにして、利用者は自転車1が解錠されたことを確認し、スタンドをはずして自転車に乗る。
次に、利用者が走行中に誤って施錠ボタンを押下した場合について、図1(b)及び図3のフローチャートを用いながら説明する。入力部4は、現在「解錠中」である状態で入力信号を受信したことで(図3のS31)、施錠動作を行おうとする(図3のS32)。ここで、入力部4は、走行検知部2に問い合わせを行う。問い合わせ内容は、現在、自転車1が走行中か否かについてである。
走行検知部2は、入力部4から問い合わせがあった場合、現在スタンドが立っているか否かに応じて、走行中か停止中かを判断し、その結果を入力部4に送る。図1(b)の場合には、走行中である旨を入力部4に送る。入力部4は、走行検知部2から走行中の旨の情報を得た場合、施錠を行ってはいけないと判断し(図3のS33)、解施錠部3に施錠の指示を出さない。結果として、自転車1は施錠されない。これにより、利用者が走行中に誤って施錠ボタンを押下した場合でも、自転車1が施錠されない為、図1では後輪がロックされることがなく、重大事故を防ぐことができる。
以上のように、利用者は、自転車を1タッチで容易に施錠したり解錠したりすることができると共に、誤った操作による施錠の結果の重大事故を防ぐことができる。
なお、上記実施の形態において、入力部4と走行検知部2、入力部4と解施錠部3の情報のやり取りは、それぞれを有線で接続して行ってもよいし、無線で接続して行ってもよい。
ここで、解施錠部3が行う自転車1の解施錠の具体的な構成としては、電磁クラッチ方式、振り子制動方式、ブレーキシュー方式等が考えられる。電磁クラッチ方式の場合には、施錠時に高い制動力が実現できるメリットがある。振り子制動方式の場合には、一瞬の電流供給で解施錠が実現でき、バッテリーでアシストを行う電動自転車等においては、低消費電力が実現できる。ブレーキシュー方式の場合には、簡易構造が可能となると共に、部品点数の削減による安価なシステムが提供できる。
一方、従来の手動による解施錠機構を自動にする方法も考えられる。これは、前輪または後輪の車輪のスポークと交差する制御棒を抜き差しすることで解施錠を行う方式である。従来は、施錠時は利用者が制御棒を手動で押し込み、スポークと交差させ、車輪が回らないようにして鍵を抜く。解錠時は、鍵を差し込むことでバネ等がはずれ、制御棒が抜かれる。本システムにおいては、これら一連の動きを自動で行い、鍵の抜き差しも必要ない。こうすることで、簡易な構造と低コストで解施錠機構が実現できる。
また、解施錠部3を車両の車軸部に設けることも考えられる。自転車1では、後輪の車軸部を支えとしてスタンドが設置されている場合が多い。よって、走行検知部2も自転車1の後輪車軸部に取り付けられる。ここで、解施錠部3も同様に後輪車軸部に設置するならば、走行検知部2と解施錠部3を一体とした構成が実現できる。これにより、部品点数の削減による安価なシステムが提供可能である。
また、上記実施の形態においては、入力部4が自転車1の現在の状態、すなわち「解錠中」か「施錠中」かの状態を有し、それに応じて入力部4に入力があった場合に、その入力が解錠要求なのか施錠要求なのかを判断する構成としたが、入力部4に、解錠スイッチと施錠スイッチを設け、どちらのスイッチが操作されたかによって解錠要求なのか施錠要求なのかを判断する構成としてもよいし、入力部4は、「解錠中」か「施錠中」かの状態を有せず、解施錠部3が有してもよい。
さらに、上記実施の形態では、入力部4が走行検知部2に走行状態を問い合わせし、その結果を取得して解施錠部3に指示を出すか否かを判断する構成としたが、走行検知部2
が常時、もしくは走行状態に変化があった時にその旨を入力部4または解施錠部3に送り、入力部4または解施錠部3で走行中か否かの状態を保持する方法でもよい。
(実施の形態2)
図2に、本発明の実施の形態2のシステム構成図を示す。なお、図1と同じ役割のものは説明を省略する。図2において、5は無線キーである。
図2において、動作を図4のフローチャートを用いながら説明する。自転車1の利用者は、無線キー5を常に携帯している。すなわち、自転車1の利用者は、カバンやポケット等に常に無線キー5を携帯しており、無線キー5は自転車1の所有者本人であることを証明するものとみなすことができる。
ここで、実施の形態1と同様に、利用者が自転車1を停める場合を考える。図2において、利用者が自転車1を停めてスタンドを立てた状態でまだ施錠をしていない(解錠中)の場合、利用者は、その後、自転車1に施錠を行う。
この場合、利用者は自転車1の入力部4を操作して自転車1を施錠する。具体的には、例えば、入力部4は押しボタン式のスイッチになっており、利用者は当該スイッチを押すことにより施錠を行う(図4のS41)。このようにして利用者が施錠操作を行った場合、入力部4は現在「解錠中」である状態で入力信号を受信したことで、施錠動作を行おうとする(図4のS42)。ここで、入力部4は、走行検知部2に問い合わせを行う。問い合わせ内容は、現在、自転車1が走行中か否かについてである。
走行検知部2は、入力部4から問い合わせがあった場合、現在スタンドが立っているか否かに応じて、走行中か停止中かを判断し、その結果を入力部4に送る。図2の場合には、停止中である旨を入力部4に送る。入力部4は、走行検知部2から停止中の旨の情報を得た場合(図4のS43)、次に無線キー5に対して無線通信を行う。
ここで、利用者が自転車1の解錠中に施錠を行う場合、前述のように利用者が入力部4のスイッチを押下するので、利用者は自転車1の傍にいるはずである。よって、当該利用者が所持している無線キー5も自転車1の傍にあるはずである。
ゆえに、自転車1の入力部4が無線キー5に対して無線通信を行おうとした場合、電波が十分届く範囲内に無線キー5は存在しているはずなので、入力部4と無線キー5の無線通信は成功する。ここで、入力部4は無線キー5との無線通信が成功した場合、先程入力部4のスイッチを押下したのが利用者本人であると認識する。すなわち、本人認証が成立したこととなる(図4のS44)。
入力部4は、無線キー5との無線通信が成功し本人認証が成立した場合、施錠を行ってもよいと判断し、解施錠部3に施錠の指示を出す。解施錠部3は、入力部4から施錠の指示を受け取ると、自転車1の施錠を行う(図4のS45)。これで、自転車1は「解錠中」から「施錠中」に遷移する。このようにして、利用者は自転車1に施錠されたことを確認し、その場を後にする。
一方、利用者が自分の自転車1の場所に戻ってきて、これから自転車1に乗ろうとする場合についても同様である。すなわち、利用者が今から自転車1に乗ろうとする場合、先程と同じように、入力部4のスイッチを押す(図4のS41)。ここで、入力部4は、現在「施錠中」である状態で入力信号を受信したことで、解錠動作を行おうとする(図4のS42)。ここで、入力部4は、走行検知部2に問い合わせを行う。問い合わせ内容は、現在、自転車1が走行中か否かについてである。
走行検知部2は、入力部4から問い合わせがあった場合、現在スタンドが立っているか否かに応じて、走行中か停止中かを判断し、その結果を入力部4に送る。図2の場合には、停止中である旨を入力部4に送る。入力部4は、走行検知部2から停止中の旨の情報を得た場合(図4のS43)、次に無線キー5に対して無線通信を行う。入力部4は無線キー5との無線通信が成功した場合、先程入力部4のスイッチを押下したのが利用者本人であると認識する。すなわち、本人認証が成立したこととなる(図4のS44)。
入力部4は、無線キー5との無線通信が成功し本人認証が成立した場合、解錠を行ってもよいと判断し、解施錠部3に解錠の指示を出す。解施錠部3は、入力部4から解錠の指示を受け取ると、自転車1の解錠を行う(図4のS45)。これで、自転車1は「施錠中」から「解錠中」に遷移する。このようにして、利用者は自転車1が解錠されたことを確認し、スタンドをはずして自転車に乗る。
次に、悪意を持った人が、自転車1を盗もうとした場合を考える。自転車1が「施錠中」に、悪意を持った人が入力部4のスイッチを押下した場合(図4のS41)、走行検知部2は自転車1が停止中と判断する(図4のS43)が、入力部4と無線キー5との無線通信は成功しない。なぜなら、自転車1の利用者が傍にいない為で、その為本人認証ができないこととなる(図4のS44)。よって、解施錠部3が動作することはなく、結果として、自転車1は解錠されない。
以上のように、無線キー5を使った本人認証の仕組みを構築することで、自転車1の停止中のみ可能な解施錠が、自転車1の所有者本人しか実現できないこととなり、解施錠の安全性に加え、盗難防止観点からのセキュリティ性の向上も実現することが可能となる。なお、自転車1を停めて施錠する場合においても、無線キー5との本人認証を行うこともできる。こうすることで、他人がいたずら目的で施錠するといったことを防ぐことができる。
また、本実施の形態においては、自転車1の所有者が携帯している無線キー5には、ボタン等のスイッチがついておらず、自転車1の解施錠は、自転車1に付属している入力部4のスイッチ操作で実現できる。すなわち、無線キー5に付属しているスイッチで自転車1の解施錠を行う方式ではない。これは、自転車1の解施錠を行う場合に、利用者は無線キー5をカバンやポケット等から探す必要がないことを意味する。つまり、自転車1の所有者は、無線キー5をどこでもよいから携帯しているのみで、自転車1の解施錠が手軽にできることとなる。これは、鍵を探す手間や鍵を挿入したり抜いたりする手間が必要ないことを意味し、ユーザーの利便性を大幅に向上させることができる。
以上、本実施の形態では、入力部4が走行検知部2の状態を把握した後、無線キー5と本人認証を行う方式で説明したが、入力部4に利用者スイッチ押下が発生した時点で、先に無線キー5と本人認証を行った後、本人認証が成功したら走行検知部2に対して走行状態を確認する手順としてもよい。
また、実施の形態1で説明したように、入力部4と走行検知部2、入力部4と解施錠部3の情報のやり取りは、それぞれを有線で接続して行ってもよいし、無線で接続して行ってもよい。
また、入力部4が自転車1の現在の状態、すなわち「解錠中」か「施錠中」かの状態を有し、それに応じて入力部4に入力があった場合に、その入力が解錠要求なのか施錠要求なのかを判断する構成としたが、入力部4に、解錠スイッチと施錠スイッチを設け、どちらのスイッチが操作されたかによって解錠要求なのか施錠要求なのかを判断する構成とし
てもよいし、入力部4は、「解錠中」か「施錠中」かの状態を有せず、解施錠部3が有してもよい。
さらに、入力部4が走行検知部2に走行状態を問い合わせし、その結果と、無線キー5との本人認証の結果を合わせて、解施錠部3に指示を出すか否かを判断する構成としたが、走行検知部2が常時、もしくは走行状態に変化があった時にその旨を入力部4または解施錠部3に送り、入力部4または解施錠部3で走行中か否かの状態を保持する方法でもよい。また、無線キー5との本人認証を行うのが、入力部4でなくても、走行検知部2であったり、解施錠部3であったりしてもよい。
ところで、入力部4と無線キー5間で無線で行われる本人認証であるが、具体的には、自転車1のIDや無線キー5のIDを無線通信し、当該IDの照合を用いて本人認証を行う、といった方式が考えられる。
例えば、自転車1には、何らかの方法で事前に無線キー5のIDが記憶されており、無線キー5からの送信電波に搭載されている無線キー5のIDが、自ら記憶しているIDと一致した場合に、本人認証が成功とみなす方式や、逆に無線キー5には予め自転車1のIDが何らかの方法で事前に記憶されており、無線キー5は自転車1に対する送信電波に当該自転車1のIDを搭載し、自転車1は受信時に受信したIDと自らのIDを照合することで本人認証を行う方式もある。
同様のことが無線キー5側でも実現でき、自転車1から無線キー5に送信される送信電波に搭載されている自転車1のID、もしくは無線キー5のIDを、無線キー5は受信時に照合することもできる。このようにすることで、自転車1と無線キー5間の無線通信の信頼性が高まり、本人認証精度が向上する。
また、自転車1は無線キー5からの電波を受信する際の受信電界強度を測定し、その結果で本人認証の成功可否を判断することもできる。具体的には、自転車1には予め決められた受信電界強度閾値が記憶されており、無線キー5から電波を受信する際に受信電界強度を測定して、その結果が予め記憶されている閾値を上回った場合に本人認証を成功とみなすといった方法である。これは、受信電界強度をベースに距離検知を行う考え方であり、受信電界強度が低ければ、自転車1と無線キー5との距離が離れており、逆に受信電界強度が高ければ、自転車1と無線キー5との距離が近いという判断である。これにより、自転車1の所有者が自転車1の近傍にいるかいないかを判別することができ、本人認証の確実性を高めると共に、例えば、悪意を持った人物が、自転車1を盗もうとした場合に、所有者が自転車1から離れる微妙なタイミングで解錠をするといった手口を防ぐことができる。ここで、受信電界強度の判断は、1度の測定で判断をしてもよいし、複数回測定してその中央値や平均値で判断してもよい。複数回測定することで、フェージングによる受信電界強度変動の影響を排除し、判断精度を高めることができる。
さらに、自転車1と無線キー5間の無線通信においては、通信データに暗号化を施すこともできる。例えば、予め自転車1と無線キー5双方に共通した鍵(暗号鍵)を持たせ、当該暗号鍵を使って、無線通信の暗号化や復号化を行うことで、データの秘匿性が高まり、それによって、他人が悪意を持ってデータを操作するといったことができにくくなる。しいては、本人認証の精度を大きく高めることができる。
なお、自転車1と無線キー5間の無線通信に用いる電波は、例えば、400MHz帯に代表されるような特定小電力無線を用いて行うことも可能である。それ以外にも、微弱電波、赤外線、無線LAN、無線タグ、bluetooth(登録商標)、zigbee(登録商標)と言ったような通信媒体を利用してもよい。
以上、実施の形態1、実施の形態2において、走行検知部2は自転車のスタンドが立っているか否かを利用して判断する説明をしたが、他の方法で走行中か否かを検出してもよい。例えば、自転車1の車輪部にセンサーを設けて、車輪が回転しているか否かを検知するような方法でもよい。
また、本実施の形態で説明した内容は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
本発明の鍵施錠システム、及びプログラムによれば、車両の解施錠に、車両が走行中か否かを連携させることで、安全な解施錠を実現することができる。
さらに、車両の所有者が携帯する無線キーを利用した本人認証を行うことで、利用者の煩わしさを大幅に軽減できると共に、解施錠の信頼性を向上させるという効果を奏し、無線通信を利用して認証を行う車両の携帯無線装置、認証対象装置、及び認証制御方法の分野に関して有用である。
本発明の実施の形態1の解施錠システムのブロック図 本発明の実施の形態2の解施錠システムのブロック図 本発明の実施の形態1の解施錠システムの動作フローチャート 本発明の実施の形態2の解施錠システムの動作フローチャート
符号の説明
1 自転車
2 走行検知部
3 解施錠部
4 入力部
5 無線キー

Claims (17)

  1. 車両の走行を不能にしたり、可能にしたりする解施錠部と、車両が走行中か否かを検知する走行検知部と、利用者の解施錠の意思を入力する入力部から構成される解施錠システムであって、
    前記車両は、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合に、前記走行検知部によって車両が走行中と判断した場合には、前記解施錠部を動作させない構成の解施錠システム。
  2. 車両の走行を不能にしたり、可能にしたりする解施錠部と、車両が走行中か否かを検知する走行検知部と、利用者の解施錠の意思を入力する入力部から構成される解施錠システムであって、
    前記車両は、施錠中に前記入力部からの解錠の旨の入力があった場合に、前記走行検知部によって車両が走行中と判断した場合には、前記解施錠部を動作させない構成の解施錠システム。
  3. 前記走行検知部は、車両をささえるスタンドが立っている場合には非走行中と判断する構成の請求項1もしくは請求項2記載の解施錠システム。
  4. 前記車両は、当該車両の利用者が有するキーとの無線通信を行う無線通信部を有し、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合、もしくは施錠中に前記入力部からの解錠の旨の入力があった場合であって、前記走行検知部が非走行中と判断している場合に、前記キーと無線通信を行い、無線通信が正常に終了した場合のみ、前記解施錠部を動作させて施錠または解錠を行う請求項1、もしくは請求項2記載の解施錠システム。
  5. 前記車両は、当該車両の利用者が有するキーとの無線通信を行う無線通信部を有し、解錠中に前記入力部からの施錠の旨の入力があった場合、もしくは施錠中に前記入力部からの解錠の旨の入力があった場合であって、前記キーと無線通信を行い、無線通信が正常に終了した場合であっても、前記走行検知部が走行中と判断している場合には、前記解施錠部を動作させない請求項1、もしくは請求項2記載の解施錠システム。
  6. 前記車両は、前記キーとの無線通信において、前記キーから前記車両に対する送信信号の電界強度を測定し、測定した電界強度が予め設定した閾値を上回った場合のみ、前記無線通信を正常とみなす構成の請求項4、もしくは請求項5記載の解施錠システム。
  7. 前記車両は、前記キーとの無線通信において、前記キーから前記車両に対する送信信号に搭載されている前記キーのIDをチェックし、前記車両に予め記憶されている前記キーのIDと一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなす構成の請求項4、もしくは請求項5記載の解施錠システム。
  8. 前記車両は、前記キーとの無線通信において、前記キーから前記車両に対する送信信号に搭載されている自らのIDをチェックし、一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなす構成の請求項4、もしくは請求項5記載の解施錠システム。
  9. 前記キーは、前記車両との無線通信において、前記車両から前記キーに対する送信信号に搭載されている前記車両のIDをチェックし、前記キーに予め記憶されている前記車両のIDと一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなす構成の請求項4、もしくは請求項5記載の解施錠システム。
  10. 前記キーは、前記車両との無線通信において、前記車両から前記キーに対する送信信号に
    搭載されている自らのIDをチェックし、一致した場合のみ、前記無線通信を正常とみなす構成の請求項4、もしくは請求項5記載の解施錠システム。
  11. 前記車両または/及び前記キーは、前記キーまたは/及び前記車両との無線通信において、予め決められた暗号鍵を用いた暗号化通信を行い、暗号データの復号に成功した場合のみ、前記無線通信を正常とみなす構成の請求項4、もしくは請求項5記載の解施錠システム。
  12. 解施錠部を車両の車軸部に設ける構成とした、請求項1から3のいずれか一項に記載の解施錠システム。
  13. 解施錠部を電磁クラッチ方式にて構成した請求項12記載の解施錠システム。
  14. 解施錠部を振り子制動方式にて構成した請求項12記載の解施錠システム。
  15. 解施錠部を車両のブレーキを利用したブレーキシュー方式にて構成した請求項12記載の解施錠システム。
  16. 解施錠部を車輪のスポークと交差する制御棒を使った構成とした請求項12記載の解施錠システム。
  17. コンピュータに、請求項1から16のいずれか一項に記載の処理を実行させるためのプログラム。
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