JP2009174248A - 視認制御機能を有する開口部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性に優れ、採光性があり、かつ、軽量である採光断熱材を使用した視認制御機能を有する開口部材を提供する。
【解決手段】複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有する採光断熱材を少なくとも2つ以上と、前記2つ以上の採光断熱材を挟持する2枚の透光性を有する硬質樹脂板又はガラス板とからなる開口部材であって、前記2つ以上の採光断熱材のうちから選択される少なくとも2つの採光断熱材が、周辺とは光透過性の異なる模様が描かれた樹脂フィルムをそれぞれ有するものであり、前記採光断熱材のうち前記模様が描かれた樹脂フィルムを有するものの少なくとも1つが水平方向又は垂直方向に可動であり、該採光断熱材を水平又は垂直に動かすことにより、前記2つの模様が描かれた樹脂フィルムを有する採光断熱材の模様同士を重ねたり、外したりすることにより視認制御できる視認制御機能を有する開口部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱性に優れ、採光性があり、かつ、軽量である採光断熱材を使用した視認制御機能を有する開口部材に関する。
近年の建築物では、省エネルギーの観点から、外界との高い断熱効果を達成し冷暖房の効率を極限にまで高める試みがなされている。また、冷暖房の効率を高めるためには各部屋ごとに独立した冷暖房を行う必要がある。このような目的のために断熱性の高い壁材等が種々提案されている。
建築物の住環境等を考える場合に、採光は極めて重要である。現在の建築物においては、採光部にはガラス窓を設置するのが一般的であるが、壁材等に比べて高い断熱効果を発揮させるのは難しかった。「省エネルギー技術戦略報告書」(平成14年6月12日、経済産業省)によれば、全消費エネルギーの45%が窓等の開口部から損失しているといわれている。
断熱性の高いガラスとしては、いわゆるペアガラスが提案されている(例えば、特許文献1等)。ペアガラスは、2枚のガラス間に隙間を設け、ガラス間を真空としたり、アルゴン等の不活性ガスを吹き込んだりしたものであり、ガラス間の空間の存在により、高い断熱効果を発揮しようとするものである。しかしながら、ペアガラスは通常のガラスに比べて重くて嵩張るという問題があった。また、ガラス間に生じる結露を防止するため、特殊な乾燥剤が必要とされていた。また、コスト面でも数万〜十数万円/mかかり、通常の住宅へ応用するのは困難であった。更に、長期間使用する間に空気が侵入して真空状態が破れたり、ガス抜けが起こったりして、性能が低下してしまうことがあるという問題もあった。そこで、断熱性に優れ、透明性が高くかつ軽量である採光断熱材が求められていた。
一方、建築物の開口部材には、必要に応じて採光したり又は外部からの視線を遮ったりする視認制御機能が求められることがある。このような視認制御機能を有する開口部材としては、ブラインドやサッシ、カーテン等がある。しかしながら、これらはいずれも視認性制御、日射制御のみを目的としたものであって、断熱性に関しては全く配慮されていないのが現状である。
上述のペアガラスとブラインドやサッシ、カーテン等とを組み合わせることによっても一応の目的は達せられるが、施工性や意匠性の問題があった。また、カーテンは、ダニの温床となりアレルギーの発生要因として問題視されている。ブラインドやサッシ等は凹凸のある表面構造からホコリがたまりやすく、清掃に手間がかかるという問題点もあった。
特許文献2には、上記問題を解決すべく、ガラス板又は硬質樹脂板の間にスラットを挟み込んだ構成のものや、硬質板に印刷処理を施したものを2枚使用し、片方を可動させることで視線制御機能を発揮するものが提案されている。しかしながら、前者はスラットを挟み込むためガラス板又は硬質板の間の空間層が厚くなり、従来の開口部枠が使用できなかったり、室内空間が狭くなってしまうという問題点があった。また、後者では前者の問題点は解決されているが、硬質板やガラス板を可動させることで動かすための機構の耐久性や、可動に大きな力が必要であるという不具合点があった。
特開2003−026453号公報 特開昭59−114392号公報
本発明は、断熱性に優れ、採光性があり、かつ、軽量である採光断熱材を使用した視認制御機能を有する開口部材を提供することを目的とする。
本発明1は、複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有する採光断熱材を少なくとも2つ以上と、前記2つ以上の採光断熱材を挟持する2枚の透光性を有する硬質樹脂板又はガラス板とからなる開口部材であって、前記2つ以上の採光断熱材のうちから選択される少なくとも2つの採光断熱材が、周辺とは光透過性の異なる模様が描かれた樹脂フィルムをそれぞれ有するものであり、前記採光断熱材のうち前記模様が描かれた樹脂フィルムを有するものの少なくとも1つが水平方向又は垂直方向に可動であり、該採光断熱材を水平又は垂直に動かすことにより、前記2つの模様が描かれた樹脂フィルムを有する採光断熱材の模様同士を重ねたり、外したりすることにより視認制御できるものである視認制御機能を有する開口部材である。
本発明2は、複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有する採光断熱材と、しわ加工の施した樹脂フィルムと、前記採光断熱材及びしわ加工を施した樹脂フィルムを挟持する2枚の透光性を有する硬質樹脂板又はガラス板とからなる開口部材であって、前記しわ加工を施した樹脂フィルムに張力をかけたり緩めたりする機構を有するものであり、前記張力をかけたり緩めたりすることにより前記しわ加工を施したフィルムの光透過性を調整して視認制御できるものである視認制御機能を有する開口部材である。
以下に本発明を詳述する。
まず、本発明1の視認制御機能を有する開口部材について説明する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有する採光断熱材が極めて軽量であるにもかかわらず高い断熱性を発揮できることを見出した。ここで樹脂フィルムとして透明性の高いものを選択したり、或いは透明性の低いものを選択することにより、自由に採光性を設計できることも見出した。そして更に鋭意検討の結果、模様が描かれた樹脂フィルムをそれぞれ有する少なくとも2の採光断熱材を用いて、1つの開口部材のなかでこの模様同士を重ねたり外したりすることにより、自由に採光性や視認性を制御できることを見出し、本発明1を完成するに至った。
本発明1の視認制御機能を有する開口部材(以下、単に「開口部材」ともいう)は、2枚の光透過性を有する硬質樹脂板又はガラス板の間に2以上の採光断熱材を配置した構造を有する。
上記採光断熱材は、複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有するものである。このような採光断熱材は、高い断熱性を発揮することができる。熱貫通率は空気層の厚さに関係するが、空気層の厚さが0のときには樹脂フィルム自身の熱貫通率に等しく、空気層が充分に厚くなると空気自身の熱貫流率(理論値)に近くなる。ところが、本発明者らが詳細に検討したところ、熱貫通率は、一定の空気層厚のときに極小値を示すことが判った。即ち、上記採光断熱材において、空気層の厚さの下限を100μm、上限を3mmとした場合に、特に高い断熱効果が得られる。より好ましい下限は200μm、より好ましい上限は2mmである。また、このことは、厚い空気層をただ一つだけ有するものよりも、一定の厚さの空気層を複数有するものの方が断熱効果が高いことをも意味している。
上記空気層は、周辺部を封止することにより「動かない空気の層」を形成してもよい。このような構造を有することによって、高い断熱効果を発揮するものである。
上記空気層には、通常の空気の他、二酸化炭素、芳香効果のあるガス、煙等を用いて着色したガス等を充填してもよい。このようなガスを充填することによって、採光断熱材に諸機能を付与することができる。
上記空気層は、複数のセルに分割されていることが好ましい。空気層が複数のセルに分割されることにより、採光断熱材全体の強度を高めることができる。また、個々のセルの独立性、気密性が高まることにより、より高い断熱性能を発揮することができる。
空気層の各セルの大きさの好ましい下限は4cm、好ましい上限は1800cmである。4cm未満であると、得られる採光断熱材の可視光線透過率が劣ることがあり、1800cmを超えると得られる採光断熱材の強度が劣ることがある。より好ましい下限は25cmであり、より好ましい上限は600cmである。
上記採光断熱材に用いる樹脂フィルムとしては、透明性に優れるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリル、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、トリ酢酸セルロース等からなるものが挙げられる。
なかでも、自消性であって建築材として適合性がよいことから、ポリカーボネート、塩化ビニルが好適である。また、樹脂フィルムの耐傷性を向上させる目的で、ハードコートを施した樹脂フィルムを用いることが好ましい。このようなハードコートとしては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂からなるものが挙げられる。このようなハードコートを施した樹脂フィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム等の表面にアクリル樹脂層が形成された2層構造を有する樹脂フィルムを好適に使用することができる。更に、樹脂フィルムを積層する場合には、例えば、ポリブチレンテレフタレートを好適に使用することができる。
上記採光断熱材において、樹脂フィルムは全て同じものであってもよいし、各々異なっていてもよい。
上記樹脂フィルムの厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は300μmである。10μm未満であると、得られる採光断熱材の強度が劣ることがあり、300μmを超えると、同じ断熱効果を得るのに必要以上に採光断熱材が厚くなることがある。より好ましい下限は20μm、より好ましい上限は200μmである。
上記採光断熱材は、樹脂フィルム間にスペーサを有することが好ましい。該スペーサは、上記空気層の維持(樹脂フィルム間隔の維持)、空気層の周辺部の封止、空気層の分割等に用いられるものである。
上記スペーサとしては特に限定されないが、採光断熱材の可視光線透過率を確保するために透明であることが好ましく、また、採光断熱材の断熱性能を阻害しないために断熱性が高いものであることが好ましい。このようなスペーサとしては特に限定されないが、例えば、中空体(発泡体を含む)、FRP、自己粘着性を有するアクリル樹脂等が好適である。
上記スペーサの形状としては特に限定されず、粒子状、線状等であってもよい。また、上記スペーサの形状により、得られる採光断熱材に意匠性を付与してもよい。なお、上記空気層が複数ある場合には、各々の空気層を規定するスペーサは同一の形状であってもよいし、異なった形状であってもよい。例えば、隣接する空気層を規定するスペーサが直交するようにして、全体としてスペーサが格子状となっていてもよい。
上記採光断熱材は、2枚の樹脂フィルムの間に空気層が挟持された構成のものであってもよいが、必要とされる採光性を満たす限りにおいて、3枚以上の複数の樹脂フィルムの間に空気層が挟持された構成のものが好ましい。複数の空気層を有する採光断熱材は、高い断熱効果を発揮することができる。また、樹脂フィルム間の温度差が小さく、結露の発生が抑制される。
本発明1の開口部材では、少なくとも2つ以上の上記採光断熱材を用いる。そして、用いる2つ以上の採光断熱材のうちから選択される少なくとも2つの採光断熱材が、周辺とは光透過性の異なる模様が描かれた樹脂フィルムをそれぞれ有するものである。このような2つの採光断熱材を用い、かつ、そのいずれか一方を水平又は垂直方向に可動とすることにより、模様同士を重ねたり、外したりすることができる。
模様がストライプである場合を例にとって、図を用いて説明する。
図1は、ストライプ模様が描かれた樹脂フィルムを有する2の採光断熱材A、Bの正面図である。該ストライプ模様は、可視光線透過性の低い不透過部a1、b1と、可視光線透過性の高い透過部a2、b2とからなるものであり、a1、b1、a2、b2の幅は全て同じである。なお、ストライプ模様が描かれた樹脂フィルムは、各採光断熱材を構成するいずれの樹脂フィルムであってもよいが、各々の採光断熱材の最表層であることが好ましい。
図1に示した2の採光断熱材A、Bを重ねた場合、その正面図はおおむね3つのパターンを採り得る。即ち、図2のパターン1では、不透過部同士、透過部同士が全く重複しないように重ねたパターンであり、その正面図は全体が不透過部であるように見える。このパターン1では、開口部材全体としての視認性、光透過性が最小となる。図2のパターン3では、不透過部同士、透過部同士が完全に重複するように重ねたパターンであり、その正面図は透過部と不透過部とがストライプ状に並んだ採光断熱材A、B単体と同様に見える。このパターン3では、開口部材全体としての視認性、光透過性が最大となる。図2のパターン2はその中間である。
このように、模様が描かれた樹脂フィルムを有する採光断熱材の重ね方を選択することにより、自由に視認性、光透過性を調整することができる。
上述の、より透過性の高い部分同士、透過性の低い部分同士を重ね合わせることにより、透過性を変化させることが可能な模様のパターンは、上述のストライプ模様に限らず、かのこ模様、幾何学模様等、多種多様な汎用のパターンを使用可能である。
本例ではストライプ模様で説明したが、模様の種類としてはストライプ以外でもよく、より意匠性の高い模様を選択してもよい。なお、充分な視認性、光透過性を調整効果を得るためには、「周辺とは光透過性の異なる模様」における光透過性の差としては、可視光線透過率にして5%以上の差であることが好ましい。5%未満の差では、官能的に見え方が変化したと捉えにくいため、制御性の価値が低くなる。より好ましくは10%以上の差である。
また、フィルムの模様パターン上での光透過性が2段階の濃淡差でなく、3段階の差があるものであれば、採光断熱材を2段階でなく3段階に動かす機構をもたせることで、3段階の見え方を制御することが可能である。当然3段階以上の多段階パターンも可能となる。
更に、採光断熱材を構成するフィルムは基本的には、どの層に周辺とは光透過性の異なる模様が描かれた樹脂フィルムを有してもかまわないが、最表面にもってくるのが最も光の屈折等の影響を受けず、クリアな視線制御が可能である。また、2つ以上の採光断熱材の最表面層に、周辺とは光透過性の異なる模様が描かれた樹脂フィルムを有した場合でも、少なくともその2つの採光断熱材の位置関係が、模様フィルム同士が、隣り合うよう設置されていた方が、視点を変えても見え方の角度依存性が少なくなり、良好に視線制御が可能となる。ただし、室内側に模様フィルムをもってきた採光断熱材を2つ設置した方が室内側からの意匠性の面から好ましい場合もあれば、模様フィルムは、2つの採光断熱材の最外層に設置した方が室内外両側、あるいは両部屋からの意匠性の点から好ましい場合もあるため、その場合には、適宜設置方向は変更可能である。
上記採光断熱材を水平に動かす機構としては特に限定されず、例えば、カム機構等の従来公知の機構を用いることができる。また、本発明の開口部材全体を枠材で囲んで一体化させる場合には、外部に設置したツマミにより採光断熱材を動かせるようにすることが好ましい。また、該機構は手動によるものであってもよく、電動によるものであってもよい。
本発明1の開口部材において、上記2つ以上の採光断熱材は、間隙保持部材により一定距離を離して設置されていることが好ましい。このように採光断熱材を距離を離して設置することにより、より高い断熱効果を発揮することができる。また、比較的厚い壁材としても適用することができる。
上記採光断熱材間の距離の好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は12mmである。0.1mm未満であると、片方の採光断熱材を可動させる場合に接触する可能性が高まり、部材としての耐久性が低下することがある。12mmを超えると、空間層で対流が生じる可能性が高くなり開口部材としての断熱性が低下することがあり、また、可動に必要な空間以上のスペースをとることで室内空間が狭くなる。より好ましい下限は0.5mm、より好ましい上限は5mmである。
上記間隙保持部材としては特に限定されず、例えば上記採光断熱材のスペーサとして挙げられたものと同様の素材からなるもの等が挙げられる。
本発明1の開口部材を構成する硬質樹脂板又はガラス板としては、光透過性に優れるものであれば特に限定されない。光透過性に優れる硬質樹脂版としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニル等からなるものが挙げられる。
本発明1の開口部材は、全体が枠材によって一体化されていることが好ましい。このように一体化させることにより、開口部材ブロックとして高い施工性を発揮することができる。更に、該枠材が周囲に勘合可能なものである場合には、より高い施工性を発揮することができる。
次に、本発明2について説明する。
しわ加工を施した樹脂フィルムは、一般に光透過性が低い。これは、フイルム表面のしわによって光が乱反射するためである。しかしながら、該しわは、フィルムに張力をかけることにより一時的に除去することができ、しわのなくなったフィルムはフィルム本来の光透過性を取り戻す。
この点について図3を用いて説明する。図3Aはしわ加工が施された樹脂フィルムを示す。Aの樹脂フィルムは水平方向のしわが施されており、このしわによって表面で光が乱反射して光透過性が低い。この樹脂フィルムを垂直方向に引張って張力をかけることにより、一時的にしわを消失させることができる(図3B)。この状態では光の乱反射は生じないことから、樹脂フィルムは高い光透過性を発揮することができる。次いで張力を緩めると、樹脂フィルム自体の復元力によりもとのしわ状態に戻って、再び低光透過性となる(図3C)。
本発明2の開口部材は、この機構を採用することにより視認制御機能を発揮するものである。
本発明2の開口部材は、本発明1と同様の採光断熱材、硬質樹脂板又はガラス板のほか、しわ加工の施した樹脂フィルムと該しわ加工の施した樹脂フィルムに張力をかけたり緩めたりする機構を有するものである。
上記しわ加工の施した樹脂フィルムに用いる樹脂フィルムとしては、それ自体の光透過性に優れることに加え、しわ加工を施しやすく、かつ、復元力に優れるものが好適である。このような樹脂フィルムとしては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂からなるものが好適である。
上記しわ加工としては、樹脂フィルムの表面に凹凸形状を与えて光を乱反射させるものであれば特に限定されない。
なお、充分な視認性、光透過性を調整効果を得るためには、張力をかけたときと緩めたときとで、可視光線透過率にして10%以上の差が生じるようなしわ加工であることが好ましい。
上記しわ加工の方法としても特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
上記しわ加工を施した樹脂フィルムに張力をかけたり緩めたりする機構としては特に限定されず、例えば、巻き上げ機構等の従来公知の機構を用いることができる。また、本発明の開口部材全体を枠材で囲んで一体化させる場合には、外部に設置したツマミにより張力を調整できるようにすることが好ましい。また、該機構は手動によるものであってもよく、電動によるものであってもよい。
本発明2の開口部材において、上記しわ加工を施した樹脂フィルムの位置としては特に限定されない。上記硬質樹脂板又はガラス板に近い位置でもよく、また、上記採光断熱材を複数用いる場合には、複数の採光断熱材の間であってもよい。
本発明2の開口部材は、全体が枠材によって一体化されていることが好ましい。このように一体化させることにより、高い施工性を発揮することができる。更に、該枠材が周囲に勘合可能なものである場合には、より高い施工性を発揮することができる。
本発明1及び2の開口部材は、視線制御機能を有するだけでなく、断熱性と遮音性を有した全く新しいタイプの材料である。本発明1及び2の開口部材は、建築物の開口部分に、例えば、窓材、間仕切り材として好適に用いることができる。
本発明1及び2の開口部材は、模様同士を重ねたり外したりすることにより、又は、しわ加工を施した樹脂フィルムに張力をかけたり緩めたりするにより、可視光線透過率の差を10〜95%まで設計することが可能である。5%以下であると視線制御性が官能的に感じられないことがある。より好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上である。
本発明によれば、断熱性に優れ、採光性があり、かつ、軽量である採光断熱材を使用した視認制御機能を有する開口部材を提供することができる。
本発明の視認制御機能を有する開口部材を使用することで、アレルギー発生要因となるカーテンを用いる必要もなく、清掃時にはガラス等の表面の払拭作業のみというメンテナンスも非常に簡易なものとなる。断熱性能が大幅に向上するため、エアコン等の省エネルギー効果も大きい。従来、室内間仕切り用の建具に関しては、開閉による作用が主で、空間を閉じたまま、採光性を制御することは困難であったが、本発明の視認制御機能を有する開口部材であれば、開口部に対する作用同様に、視認性のみが制御可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1〜3)
表1で示した各々の構成のフィルムが空気層を挟んで各々対向した採光断熱材1及び2を作成した。硬質板/採光断熱材1/隙間/採光断熱材2/硬質板の順に重ね、採光断熱材1が垂直方向に可動になるように設置して開口部材を得た。なお、採光断熱材1及び採光断熱材2を構成するフィルムのうち、1枚が加飾フィルムとなるようにした。
(比較例1)
4mm厚の加飾ポリカーボネートフィルム2枚を5mmの隙間で重ね、一方が垂直方向に可動になるように設置して開口部材を得た。
(比較例2)
市販のブラインドを準備して、これを開口部材とした。
(比較例3)
市販のペアガラスを準備した、これを開口部材とした。
実施例1〜3及び比較例1〜3の開口部材について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)視線制御製の評価(可視光線透過率の最大−最小の差の評価)
実施例1〜3の開口部材においては採光断熱材1を動かし、比較例1においては一方の加飾ポリカーボネートフィルムを動かし、比較例2においてはブラインドを動かしたときの、可視光線透過率を分光光度計(島津製作所製)を用いて測定し、可視光線透過率が最大になるときと最小になるときとの差を求めた。以下の基準により評価を行った。
○:可視光透過率の差が10%以上
×:可視光透過率の差が10%未満
(2)断熱性の評価(熱貫流率の測定)
幅300mm×高さ1200mm開口を有し、開口部と対向する面にスライダックにより温度制御可能な面状ラバーヒーターを設置した断熱箱を使用して、熱流板による熱貫流率評価を実施した。開口部に300×1200mmサイズのサンプルを留め付け、内外の空気温度差が約20℃となるように、ヒーター制御を行い、サンプル表面を通過する熱量を測定した。通過熱量と空気温度から、熱貫流率を算出し、以下の基準により断熱性を評価した。
○:熱貫流率が2.5W/m・K以下
×:熱貫流率が2.5W/m・Kを超える
Figure 2009174248
本発明によれば、断熱性に優れ、採光性があり、かつ、軽量である採光断熱材を使用した視認制御機能を有する開口部材を提供することができる。
ストライプ模様が描かれた樹脂フィルムを有する2の採光断熱材A、Bの正面図である。 図1に示した2の採光断熱材A、Bを重ねた場合の正面図である。 しわ加工が施された樹脂フィルムの光透過性の変化を説明する模式図である。

Claims (7)

  1. 複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有する採光断熱材を少なくとも2つ以上と、前記2つ以上の採光断熱材を挟持する2枚の透光性を有する硬質樹脂板又はガラス板とからなる開口部材であって、
    前記2つ以上の採光断熱材のうちから選択される少なくとも2つの採光断熱材が、周辺とは光透過性の異なる模様が描かれた樹脂フィルムをそれぞれ有するものであり、
    前記採光断熱材のうち前記模様が描かれた樹脂フィルムを有するものの少なくとも1つが水平方向又は垂直方向に可動であり、該採光断熱材を水平又は垂直に動かすことにより、前記2つの模様が描かれた樹脂フィルムを有する採光断熱材の模様同士を重ねたり、外したりすることにより視認制御できるものである
    ことを特徴とする視認制御機能を有する開口部材。
  2. 2つ以上の採光断熱材は、間隙保持部材により一定距離を離して設置されていることを特徴とする請求項1記載の視認制御機能を有する開口部材。
  3. 模様同士を重ねたり外したりすることにより、可視光線透過率の差を10〜95%まで設計することが可能な請求項1又は2記載の視認制御機能を有する開口部材。
  4. 周囲に勘合可能な枠材を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の視認制御機能を有する開口部材。
  5. 複数の樹脂フィルムが厚さ100μm〜3mmの空気層を挟んで各々対向した構造を有する採光断熱材と、しわ加工の施した樹脂フィルムと、前記採光断熱材及びしわ加工を施した樹脂フィルムを挟持する2枚の透光性を有する硬質樹脂板又はガラス板とからなる開口部材であって、
    前記しわ加工を施した樹脂フィルムに張力をかけたり緩めたりする機構を有するものであり、前記張力をかけたり緩めたりすることにより前記しわ加工を施したフィルムの光透過性を調整して視認制御できるものである
    ことを特徴とする視認制御機能を有する開口部材。
  6. しわ加工を施した樹脂フィルムに張力をかけたり緩めたりするにより、可視光線透過率の差を10〜95%まで設計することが可能な請求項5記載の視認制御機能を有する開口部材。
  7. 周囲に勘合可能な枠材を有することを特徴とする請求項5又は6記載の視認制御機能を有する開口部材。
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