JP2009173836A - 重合体の精製方法および重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる重合体の精製方法であって、該重合体は、(メタ)アクリルアミド誘導体を繰返し単位として含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定したポリスチレン換算質量平均分子量が1,000〜500,000であり、アルコール性水酸基を有する第一の有機溶媒(A)とエステル結合を分子内に有する第二の有機溶媒(B)との混合溶媒に上記重合体を溶解させる工程と、水(C)を加えて攪拌する工程と、溶液層より沈降した下層を分離する工程とを含む。
【選択図】図1
Description
このようなリソグラフィー技術においては、露光波長の制約から、微細化に限界が生じるのを免れないので、これまで、この波長限界をこえる微細パターンの形成を可能にするための研究が行なわれてきた。すなわち、ポリメチルメタクリレートなどの電子線用レジストをパターン化し、該レジストパターン上にポジ型レジストを塗布したのち、加熱処理して該レジストパターンとポジ型レジスト層との境界に反応層を設け、ポジ型レジストの非反応部分を除去することにより、レジストパターンを微細化する方法(特許文献1)、下層レジストパターンと上層レジストとの間に酸発生剤や酸による熱架橋を利用して反応層を形成させる方法(特許文献2)、上層レジスト塗布液として、感光性成分を含まず、水溶性樹脂や水溶性架橋剤、あるいはこれらの混合物を水溶性溶媒に溶解した微細パターン形成材料を用いて半導体装置を製造する方法(特許文献3)、基板上に化学増幅型レジストからなる感光層を設け、画像形成露光後、現像処理してレジストパターンを形成させ、このレジストパターン上に、ポリビニルアセタールのような水溶性樹脂やテトラ(ヒドロキシメチル)グリコールウリルのような水溶性架橋剤とアミンのような水溶性含窒素有機化合物と、場合によりフッ素およびケイ素含有界面活性剤とを含む塗膜形成剤を塗布したのち、加熱処理してレジストパターンとレジストパターン微細化用塗膜との界面に水不溶性の反応層を形成させ、次いで純水により、レジストパターン微細化用塗膜の非反応部分を除去する方法(特許文献4)などが提案されている。
しかしながら、この方法では、熱や放射線によるレジストの流動制御が困難であり、品質の一定した製品が得られないという問題がある。さらに、この熱フロープロセスを発展させた方法として、基板上にフォトレジストパターンを形成したのち、その上に水溶性樹脂膜を設け、フォトレジストの流動を制御する方法(特許文献7)が提案されているが、この方法で用いられるポリビニルアルコールのような水溶性樹脂は、水による除去時に必要とされる溶解性や経時安定性が不十分であり、残留分を生じるという問題がある。
一方、微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる重合体として、(メタ)ヒドロキシアクリルアニリド由来の繰返し単位を含む重合体が知られている(特許文献9)。
しかしながら、この(メタ)ヒドロキシアクリルアニリド由来の繰返し単位を含む重合体は精製が困難であり、所望の収縮率を得るために重合体を精製する時間が長くなり、また、精製を繰り返した重合体であっても十分な微細パターンが得られないという問題がある。
特に上記(メタ)アクリルアミド誘導体を含む繰返し単位は、下記式(1)で表されることを特徴とする。
また、上記重合体は、さらに下記式(2)、式(3)、式(4)および式(5)で表される繰返し単位から選ばれる繰返し単位を少なくとも1種以上含有することを特徴とする。
特に上記重合体に含まれる単量体成分が1質量%以下であることを特徴とする。
特に、本発明の精製方法で精製した重合体を樹脂成分として使用した微細パターン形成用樹脂組成物は、該樹脂の収縮量が大きく、収縮時の温度依存性が低く、収縮後の形状に優れ、ピッチ依存性が低いため、プロセス変動に対するパターン形成マージンであるプロセスウィンドウが広い。また、エッチング耐性に優れている。
さらに、このようにして形成された微細レジストパターンをマスクとしてドライエッチングすることにより、半導体基板上に精度よくトレンチパターンやホールを形成することができ、微細トレンチパターンやホールを有する半導体装置等を簡単にかつ歩留まりよく製造することができる。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物に樹脂成分として使用できる重合体は、式(1)で表されるフェノール類に由来する水酸基(−OH)と高分子側鎖内にアミド基とを有する繰返し単位を含む重合体である。この重合体を用いることにより、エッチング耐性に優れた微細パターン形成用樹脂組成物が得られる。
また、式(1−1)で表される単量体は、重合体を構成する全単量体に対して、通常22.5〜90モル%、好ましくは40〜90モル%配合される。22.5モル%未満であると、微細パターン形成用樹脂組成物の樹脂成分として使用した場合に、後述する架橋成分との反応部位が少なすぎ、パターンの収縮を起こすことができず、90モル%をこえると、アルコール溶剤への溶解不良を起こし、パターン欠陥の原因となるおそれがある。
上記の中で、式(2−1)としては、R6が2,5−ノルボルニレン基、1,2−プロピレン基が好ましい。
好適な式(2−1)としては、4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1−ブチルメタクリレートが挙げられる。
また、式(2−1)で表される単量体の酸素原子と結合している炭素原子にメチル基、エチル基等の置換基を有する上記単環式炭化水素環基、架橋環式炭化水素環基等を挙げることができる。
式(2)で表される繰返し単位を生成する単量体は、重合体を構成する全単量体に対して、通常2.5〜70モル%、好ましくは、10〜60モル%である。
R2は、式(3)におけるR2と同一であり、水素原子またはフェノール性水酸基もしくはその誘導体が挙げられる。
式(3−1)で表される単量体としては、スチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノール、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等を例示することができ、これらの中で、スチレンまたはp−t−ブトキシスチレンが好ましい。
式(3−1)の単量体は、重合体を構成する全単量体に対して、通常2.5〜70モル%、好ましくは、10〜60モル%配合できる。
Bの炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基もしくは2−プロピル基などのプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が、炭素数3〜8の単環式炭化水素環基としては、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプレン基、シクロオクチレン基が、炭素数7〜10の多環式炭化水素環基としては、ノルボルニレン基、アダマンチレン基が挙げられる。
また、R5の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、トリフルオロメチル基が挙げられる。
式(4)または式(5)の単量体は、重合体を構成する全単量体に対して、通常2.5〜70モル%、好ましくは、5〜60モル%配合できる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の飽和カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のアルキルラクトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;2−ブタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;シクロヘキサノン等のシクロアルキルケトン類;2−プロパノール、1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類等を挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
非溶媒として水はイオン交換水などの純水、超純水などが使用できる。
混合溶媒としては、アルコール性水酸基を有する第一の有機溶媒(A)とエステル結合を有する第二の有機溶媒(B)との混合溶媒が挙げられる。
アルコール性水酸基を有する第一の有機溶媒(A)としては、炭素数1〜8の1価アルコールであることが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノールなどが挙げられ、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールが好ましい。これらのアルコール溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体溶液を撹拌しながら純水を滴下することで、重合体溶液より重合体を沈降分離する。
本発明においては、上記沈降分離した重合体を再度上記混合溶媒に溶解させ、純水を加えて重合体溶液よりの重合体沈降分離を繰り返す。重合体の再溶解および沈降分離は、少なくとも1回は行なうことが好ましい。再溶解および沈降分離にあたっては、混合溶媒を構成する溶媒の種類およびその混合割合を変えて、また、溶解時の濃度を変えて行なうことが好ましい。その理由は十分に残モノマーをカットするためである
架橋成分としては、下記式(6)で表される基を含む化合物(以下、「架橋成分I」という)、反応性基として2つ以上の環状エーテルを含む化合物(以下、「架橋成分II」という)、または、「架橋成分I」および「架橋成分II」との混合物が挙げられる。
上記架橋成分は上述した水酸基を含有する樹脂および/または架橋成分が相互に酸の作用により反応する架橋成分(硬化成分)として作用するものである。
市販されている化合物としては、サイメル300、同301、同303、同350、同232、同235、同236、同238、同266、同267、同285、同1123、同1123−10、同1170、同370、同771、同272、同1172、同325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、ニカラックMW−30M、同30、同22、同24X、ニカラックMS−21、同11、同001、ニカラックMX−002、同730、同750、同708、同706、同042、同035、同45、同410、同302、同202、ニカラックSM−651、同652、同653、同551、同451、ニカラックSB−401、同355、同303、同301、同255、同203、同201、ニカラックBX−4000、同37、同55H、ニカラックBL−60(以上、三和ケミカル社製)などを挙げることができる。好ましくは、式1におけるR1、R2のどちらか一方が水素原子であり、すなわち、イミノ基を含有する架橋成分であるサイメル325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207が好ましい。
上述した架橋成分は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記重合体および架橋成分の合計量は、後述するアルコール溶媒を含めた樹脂組成物全体に対して、0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。上記重合体および架橋成分の合計量が、0.1質量%未満では塗膜が薄くなりすぎパターンエッチ部に膜切れを起こすおそれがあり、30質量%をこえると粘度が高くなりすぎ微細なパターンへ埋め込むことができないおそれがある。
そのような溶媒としては、炭素数1〜8の1価アルコールであることが好ましい。例えば、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノールなどが挙げられ、1−ブタノール、2−ブタノール、4−メチルー2−ペンタノールが好ましい。これらのアルコール溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルコール溶媒は、全溶媒に対して10質量%以下、好ましくは1質量%以下の水を含むことができる。10質量%をこえると水酸基を有する樹脂の溶解性が低下する。より好ましくは、水を含有しない無水アルコール溶媒である。
他の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、水が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類、水が好ましい。
そのような界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、本発明の重合体100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
(1)レジストパターンの形成
スピンコートなどの従来公知の方法により8インチあるいは12インチのシリコンウエハ基板上に反射防止膜(有機膜あるいは無機膜)を形成する。次いで、スピンコートなどの従来公知の方法によりフォトレジストを塗布し、例えば、80℃〜140℃程度、60〜120秒程度の条件でプリベーク(PB)を行なう。その後、g線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、X線、電子線などで露光をし、例えば、80℃〜140℃程度の条件でポストイクスポージャーベーク(PEB)を行なった後、現像し、レジストパターンを形成する。
(2)微細パターンの形成
上記レジストパターンが形成された基板に、スピンコートなどの従来公知の方法により上記微細パターン形成用樹脂組成物を塗布する。スピンコートのみで溶剤が揮散し被覆膜を形成する場合がある。また、必要に応じて、例えば、80℃〜110℃程度、60〜120秒程度のプリベーク(PB)し、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を形成する。
次いで、このレジストパターンを微細パターン形成用樹脂組成物により被覆した基板を熱処理する。熱処理により、フォトレジスト由来の酸がフォトレジストとの界面から微細パターン形成用樹脂組成物層中に拡散し、微細パターン形成用樹脂組成物は架橋反応を起こす。フォトレジスト界面からの架橋反応状態は、微細パターン形成用樹脂組成物の材料、使用されるフォトレジスト、ベーク処理温度およびベーク処理時間により決定される。熱処理温度および熱処理時間は、通常90℃〜160℃程度の温度で、60〜120秒程度で行なわれる。
次いで、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などのアルカリ水溶液などにより現像処理(例えば、60〜120秒程度)して、未架橋の微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を溶解させて除去する。最後に水で洗浄処理することにより、ホールパターンや楕円パターン、トレンチパターンなどを微細化することができる。
得られた重合体のポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)を東ソー社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により示差屈折率計検出器を用いて測定したところ、Mwは6700であった。
また、得られた重合体中に含まれる残存単量体を上記示差屈折率計検出器での重合体成分と単量体成分との面積比より算出した結果、残存単量体成分は0.7質量%であった。
(1)実施例1で得られた精製前の重合体溶液(P−1)に300gのイソプロパノールを加えて希釈を行ない、3000gのヘキサンに再沈させ、重合体をろ別した。この第1工程の所要時間は2時間であった。
(2)沈殿した重合体を回収し温度50℃で乾燥した。これに、750gのイソプロパノールを加えて再溶解させ、3000gのヘキサンに再沈させ、重合体をろ別した。この第2工程の所要時間は8時間であった。
(3)沈殿した重合体を回収し温度50℃で乾燥した。これに、750gのイソプロパノールを加えて再溶解させ、3000gのヘキサンに再沈させ、重合体をろ別した。この第3工程の所要時間は8時間であった。
(4)沈殿した重合体を回収し温度50℃で乾燥した。これに、750gのイソプロパノールを加えて再溶解させ、3000gのヘキサンに再沈させ、重合体をろ別した。この第4工程の所要時間は8時間であった。
(5)得られた重合体を温度50℃で減圧乾燥した。この第5工程の所要時間は10時間であった。
上記精製に要した作業時間は、合計32時間であった。
得られた重合体のMwを実施例1と同様の方法で測定したところ、Mwは6800であった。
また、得られた重合体中に含まれる残存単量体を実施例1と同様の方法で算出した結果、残存単量体成分は1.3質量%であった。
上記重合液(P−2)を用い、下記に示す方法にて精製を実施した。
重合液P−2に酢酸エチル400.00g、イソプロピルアルコール280.00gを加え、攪拌し均一溶液とした。水1200.00gを加えマグネチックスターラーにて30分攪拌し、分液漏斗に移した。4時間静置し、下層(樹脂層)を取り出した。取り出した樹脂層に酢酸エチル400.00g、イソプロパノール280.00g、メタノール280.00gを加えて攪拌し、均一溶液とした。水1200.00gを加えマグネチックスターラーにて30分攪拌し、分液漏斗に移した。2時間静置し、下層を取り出した。その後エバポレーターにて溶剤を留去し、1-ブタノールにて再溶解を行なった。ここまでの工程は約8時間であった。
得られた重合体のMwを実施例1と同様の方法で測定したところ、Mwは6,000であった。
また、得られた重合体中に含まれる残存単量体を実施例1と同様の方法で算出した結果、残存単量体成分は0.8質量%であった。
実施例2で得られた精製前の重合体溶液(P−2)を用いる以外は、比較例1と同様にして精製を行なった。精製に要した作業時間は合計32時間であり、実施例1と同様の方法で算出した残存単量体成分は1.3質量%であった。
上記重合液(P−3)を用い、下記に示す方法にて精製を実施した。
重合液P−3に酢酸エチル400.00g、イソプロピルアルコール280.00gを加え、攪拌し均一溶液とした。水1200.00gを加えマグネチックスターラーにて30分攪拌し、分液漏斗に移した。4時間静置し、下層(樹脂層)を取り出した。取り出した樹脂層に酢酸エチル400.00g、イソプロパノール280.00g、メタノール280.00gを加えて攪拌し、均一溶液とした。水1200.00gを加えマグネチックスターラーにて30分攪拌し、分液漏斗に移した。2時間静置し、下層を取り出した。その後エバポレーターにて溶剤を留去し、1-ブタノールにて再溶解を行なった。ここまでの工程は約8時間であった。
得られた重合体のMwを実施例1と同様の方法で測定したところ、Mwは6,800であった。
また、 得られた重合体中に含まれる残存単量体を実施例1と同様の方法で算出した結果、残存単量体成分は0.7質量%であった。
実施例3で得られた精製前の重合体溶液(P−3)を用いる以外は、比較例1と同様にして精製を行なった。精製に要した作業時間は合計32時間であり、実施例1と同様の方法で算出した残存単量体成分は1.3質量%であった。
実施例または比較例の重合体から得られた微細パターン形成用樹脂組成物を評価するために、レジストパターン付きの評価用基板を以下の方法で作製した。
8インチシリコンウェハ上に下層反射防止膜ARC29A(ブルワーサイエンス社製)をCLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン(株))でスピンコートにより膜厚77nm(PB205℃、60秒)で塗膜を形成した後、JSR ArF AR1244J(JSR株式会社製、脂環族系感放射線性樹脂組成物)のパターニングを実施する。AR1244Jは、スピンコート(CLEAN TRACK ACT8)、PB(130℃、90秒)により膜厚210nmとして塗布し、ArF投影露光装置S306C(ニコン(株))で、NA:0.78、シグマ:0.85、2/3Annの光学条件にて露光(露光量30mJ/cm2)を行ない、同CLEAN TRACK ACT8ホットプレートにてPEB(130℃、90秒)を行ない、同CLEAN TRACK ACT8のLDノズルにてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライし、評価用基板を得た。この工程で得られた基板を評価用基板Aとする。同一条件で作製した評価用基板Aを複数枚準備した。
得られた評価用基板を走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9360)で100nm径ホールパターン、100nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は130nm径パターン/70nmスペース)に該当するパターンを観察し、レジストパターンのホール径を測定した。
(1)埋め込み性評価
上記評価用基板A上に、上記微細パターン形成用樹脂組成物をCLEAN TRACK ACT8にてスピンコートにより、膜厚300nmの塗膜を得た。ついで、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)を用いて100nm径パターン部の断面を20箇所観察し、パターン内に気泡などの空隙部がないものを埋め込み性良好と判断して「〇」、観察されたものを埋め込み性不良をして「×」とした。
上記評価用基板A上に、上記微細パターン形成用樹脂組成物をCLEAN TRACK ACT8にてスピンコートにより、膜厚300nm塗布した後、レジストパターンと微細パターン形成用樹脂組成物を反応させるため、155℃で90秒ホットプレート上でベークを行なった。ついで、同CLEAN TRACK ACT8のLDノズルにて2.38質量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。この工程で得られた基板を評価用基板Bとする。
ただし、比較例の現像は、超純水を現像液として用い同CLEAN TRACK ACT8のLDノズルにてパドル現像(60秒間)、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。
パターン寸法の収縮率は、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9360)で100nm径ホールパターン、100nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は130nm径パターン/70nmスペース)に該当するパターンを観察し、パターンのホール径を測定し、下記式より収縮率を算出した。
収縮率(%)=[(φ1−φ2)/φ1]×100
φ1:評価用基板Aのレジストパターンホール径(nm)
φ2:評価用基板Bのレジストパターンホール径(nm)
このとき、収縮が確認されたとき「〇」、収縮が確認されないもしくはパターンがつぶれてしまっているとき「×」とした。
評価用基板Aおよび評価用基板Bにおいて、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で100nm径ホールパターン、100nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は130nmパターン/70nmスペース)に該当し、かつ同位置に存在するパターンの断面をそれぞれ観察する。断面形状を図1および図2に示す。基板1に対するホールパターン2の側壁2aの角度がパターン収縮前の角度θ(図1(a))とパターン収縮後の角度θ'(図1(b))で3度以下の差であること(図1参照)、かつ評価用基板A(図2(a))におけるレジストの膜厚tを100として、基板1から80をこえる部分でのみ評価用基板B上のパターンに劣化t'が認められるものを良好とし(図2(b))、その他は不良とした(図2参照)。
また、精製に要する作業処理時間は、実施例1〜3が8時間、比較例1〜3が32時間であった。
2 ホールパターン
Claims (5)
- (メタ)アクリルアミド誘導体を繰返し単位として含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定したポリスチレン換算質量平均分子量が1,000〜500,000である重合体の精製方法であって、
アルコール性水酸基を有する第一の有機溶媒(A)とエステル結合を有する第二の有機溶媒(B)との混合溶媒に前記重合体を溶解させて重合体溶液とする工程と、該重合体溶液に水(C)を加えて攪拌する工程と、前記重合体溶液より重合体を沈降させ、該重合体を分離する工程とを含むことを特徴とする微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる重合体の精製方法。 - 前記重合体は、さらに下記式(2)、式(3)、式(4)および式(5)で表される繰返し単位から選ばれる繰返し単位を少なくとも1種以上含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の重合体の精製方法。
- (メタ)アクリルアミド誘導体を繰返し単位として含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定したポリスチレン換算質量平均分子量が1,000〜500,000である微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる重合体であって、
該重合体が請求項1記載の方法により精製されていることを特徴とする重合体。 - 前記重合体に含まれる単量体成分が1質量%以下であることを特徴とする請求項4記載の重合体。
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