JP2009173600A - 痒み抑制剤および痒み抑制組成物 - Google Patents

痒み抑制剤および痒み抑制組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2009173600A
JP2009173600A JP2008015543A JP2008015543A JP2009173600A JP 2009173600 A JP2009173600 A JP 2009173600A JP 2008015543 A JP2008015543 A JP 2008015543A JP 2008015543 A JP2008015543 A JP 2008015543A JP 2009173600 A JP2009173600 A JP 2009173600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
itch
methylene
component
agent
butyrolactone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008015543A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Morishita
聡 森下
Takuya Uozumi
拓也 魚住
Yoshimasa Tanaka
良昌 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2008015543A priority Critical patent/JP2009173600A/ja
Publication of JP2009173600A publication Critical patent/JP2009173600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

【課題】難治性の皮膚掻痒に対して即効的な効果があり、安全性の高い痒み抑制剤および痒み抑制組成物を提供する。
【解決手段】本発明にかかる痒み抑制剤は、α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)と、止痒剤(b1)および抗炎症剤(b2)から選ばれる少なくとも一種からなる成分(B)とを必須有効成分として含有する。化合物(a1)は、α-メチレン-γ-ブチロラクトンおよびα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類からなる群から選ばれる少なくとも一種である。止痒剤(b1)は、ジフェンヒドラミン、クロタミトン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選ばれた少なくとも一種であり、抗炎症剤(b2)は、デキサメタゾン、プレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選ばれた少なくとも一種である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生体の痒みを抑制する痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物に関し、さらに詳しくは、特に難治性の痒みの抑制に即効性を有する痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物に関する。
「痒み」とは、「掻破したいという欲望を起こさせる不快な感覚」と定義される皮膚感覚である。多くの皮膚疾患は痒みを伴うが、掻破することで二次的な皮膚病変を形成することから、痒みのコントロールは臨床上の重要な治療課題となっている。
生体内の起痒物質としてはプロテアーゼ、神経ペプチド、オピオイド、エイコサノイド、サイトカインなど複数のものが特定あるいは推定されており(非特許文献1)、明らかな起痒物質としては、ヒスタミンが有名である。このヒスタミンの研究が最も歴史が長いことから、痒みの治療には抗ヒスタミン剤の使用が一般的である。しかし、抗ヒスタミン剤が有効な痒みは、虫刺症や蕁麻疹に限られ(非特許文献2)、アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬などの慢性掻痒疾患の痒みは、抗ヒスタミン剤に抵抗性を示し難治性であることが臨床結果から明らかにされている(非特許文献3、4)。
また、抗ヒスタミン剤と同様に、従来の痒み抑制剤に広く配合される止痒剤として、クロタミトンが挙げられる。しかし、クロタミトンも、上記アトピー性皮膚炎などの難治性の痒み治療には奏効しないことが知られている(非特許文献5)。
上記難治性の痒みの治療法としては、現在、デキサメタゾン、プレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を代表とする抗炎症剤の外用が、日常診療で一般的に用いられている。また、α−メチレン−γ−ブチロラクトン及びその誘導体が抗炎症剤として用い得ることも知られている(特許文献1)。しかし、前記抗炎症剤は、抗炎症が主たる作用の薬剤であるために、痒み抑制効果に即効性がない(非特許文献6)。痒みは炎症に随伴する症状であり、炎症は痒みの増悪因子として働くものの痒みの根本原因ではない。さらに前記抗炎症剤を以ってしても、薬効が認められ、炎症が軽減するまでに著効例でも数時間を要する。すなわち、前記抗炎症剤によって好酸球、リンパ球の調節分子であるサイトカイン、ケモカインの産生制御を介して炎症を抑えることで痒みを軽減することができても(非特許文献7)、痒みを30分以内のうちに抑制することはできない。以上のとおり、痒みの治療法には止痒剤、抗炎症剤が広く用いられているが、難治性の痒みには即効性、持続性の点でめざましい効果がないのが現状である。
その他、従来の痒み抑制剤に配合される成分には、局所麻酔成分(アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、リドカイン、プロカインなど)、局所刺激成分(カンフル、ハッカ、メントールなど)、表皮形成促進剤(アラントイン)、保湿成分(尿素、ヘパリン類似物質など)が挙げられる(非特許文献8)。しかし、これらの成分の止痒効果は、止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤に更に劣るだけでなく難治性の痒みに奏効しないし、痒み抑制効果の即効性については、無いに等しい。以上のとおり、既存の外用処方で十分な痒み治療が達成されるのは、わずかに蕁麻疹、虫刺症に限定され、アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬などの慢性掻痒疾患の痒みについては十分な治療効果が得られる外用処方どころか、原因物質の特定さえされていないのが現状である。
山本昇壮、高路修、秀道広、「月刊デルマ」、30、25〜33頁、全日本病院出版会(1999年) 「痒み最前線」、94-97頁、メディカルレビュー社(2006年刊) Wahlgren C.F., Acta Derm. Venereol. Suppl., 165, 1-53 (1991) 高森建二、「日本医事新報」、4262、1〜7頁、(2006年) Smith EB, King CA, Baker MD., Int J Dermatol., 23(10), 684-685 (1984) 「肥満細胞」永井博弌著、643〜654頁、メディカルレビュー社(1990年刊) 「痒み最前線」、84-87頁、メディカルレビュー社(2006年刊) 「OTCハンドブック2004−05」、779〜839頁、学術情報流通センター(2004年刊) 特開昭58−198048号公報
上述のように、従来の痒み抑制剤に主に使用されていた有効成分は抗ヒスタミン剤であるが、この抗ヒスタミン剤により緩化されない痒み(難治性の痒み)が存在する。この難治性の痒みに対する痒み抑制剤も幾つか提案されているが、その効果は不十分であり、しかも、効果に即効性がない。
皮膚疾患の治療には、痒みに反応して掻破するのを防止もしくは抑制する必要があるが、そのためには、用いる痒み抑制剤の効果に即効性がなければ意味がない。それは、皮膚疾患を持つ生体は、痒みに即座に反応して掻破行為をするからである。そして、掻破行為を以ってしても、掻破による機械刺激により皮膚中の表皮細胞、肥満細胞、知覚神経などから起痒物質の遊離が更なる掻破を誘引するitch-scratchサイクルと呼ばれる悪循環に陥るためである。この傾向は、難治性の痒みでは顕著であり、例えば、アトピー性皮膚炎患者では掻破行為が常態化していることが知られている。痒み抑制剤としては、痒みの発生後、痒みを速やかに消失させるものでなければ意味がない。痒みは、我慢できるものでもなければ、掻破によって解決するものでもない。したがって、短時間のうちに痒み症状に奏効しない止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤の外用は臨床的な意味をもたない。
皮膚疾患、特に難治性の痒みを伴う皮膚疾患が掻破行為によって更に深刻化するのを避けるためには、即効性のある痒み抑制剤が必須であるが、かかる要請に対応可能な痒み抑制剤は提供されていないのが現状である。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、難治性の皮膚掻痒に対する効果に優れ、かつ効果に即効性があり、安全性の高い痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、難治性の皮膚掻痒に対し、即効性と持続性に優れた掻痒抑制剤を得るべく鋭意研究を行った結果、α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)と、止痒剤(b1)および抗炎症剤(b2)から選ばれる一種または二種以上からなる成分(B)とを必須有効成分として同時に含有させることによって、初めて難治性の痒みに優れ、かつ効果に著しい即効性と持続性とを発揮する痒み抑制剤を得ることができることを、知るに到った。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明にかかる痒み抑制剤は、α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)と、止痒剤(b1)および抗炎症剤(b2)から選ばれる一種または二種以上からなる成分(B)とを必須有効成分として含有することを特徴とする。
(成分(A))
本発明で用いるα-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)とは、α-メチレン−γ−ブチロラクトン自体およびα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
α−メチレン−γ−プチロラクトンは、下記構造式(1)で示される5員環のラクトンである。
Figure 2009173600
α−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類とは、分子内に上記構造式(1)を有するセスキテルペン類を示し、例えば下記構造式(2)〜(8)で示される化合物が挙げられる。構造式(2)で示す化合物はプルセリン(pulchellin)と呼称され、構造式(3)で示す化合物はアンブロシノール(ambrosinol)と呼称され、構造式(4)で示す化合物はアロマチン(aromatin)と呼称され、構造式(5)で示す化合物はアルテミシフォリン(artemisiifolin)と呼称され、構造式(6)で示す化合物はツベルフェリン(tuberferine)と呼称され、構造式(7)で示す化合物はアンブロシン(ambrosin)と呼称され、構造式(8)で示す化合物はラクトシン(lactucin)と呼称される。
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
α−メチレン−γ−ブチロラクトンおよびα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類は、特許文献1に開示されているように、低毒性であることが確認されている。
本発明に用いる上記α−メチレン−γ−ブチロラクトンおよびα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類は、化学合成により得られたもの、天然物より抽出・精製されたもの、いずれのものをも用いることができる。α−メチレン−γ−ブチロラクトンおよびα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類は、例えば、「滝戸道夫、糸川秀治、天然物構造式集:講談社サイエンティフィク(1978)」に記載のように、特定の植物に含有されているので、それらの植物のエキスを常法により抽出し、抽出した植物抽出液を配合することにより導入しても良い。
本発明で用いる成分(B)として用いることのできる止痒剤(b1)としては、ジフェンヒドラミン、クロタミトン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を挙げることができる。これら止痒剤(b1)は、外用剤として汎用され安全性が確認されている成分である。これら止痒剤(b1)は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明で用いる成分(B)として用いることのできる抗炎症剤(b2)としては、デキサメタゾン、プレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を挙げることができる。これら抗炎症剤(b2)は、上記止痒剤(b1)と同様に、外用剤として汎用され安全性が確認されている成分である。これらの抗炎症剤(b2)は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明にかかる痒み抑制組成物は、前記いずれかの痒み抑制剤を有効成分として、各種用途に応じた他の成分に配合してなることを特徴とする組成物である。
本発明の痒み抑制剤は、生体に安全な成分から構成され、皮膚に発現する痒みに対して優れた抑制作用を示し、かつこの痒み抑制作用の効果に即効性と持続性とがある。したがって、本発明の痒み抑制剤は、皮膚疾患の緩化あるいは治療に大変有効であり、この痒み抑制剤を有効成分として医薬組成物、化粧品組成物を構成することにより、日常的に継続して安全に使用可能な形態の痒み抑制組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき更に詳しく説明する。
本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物において、必須成分であるα-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)における化合物(a1)の含有量は、成分(A)全体量の0.0001重量部から100重量部である。すなわち、成分(A)がα-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)のみから構成されていても良いし、それ以外に水分を始めとした他の成分を含んでいても良い。後者の場合の成分(A)の代表例が、上述のα-メチレン-γ-ブチロラクトンまたは/およびα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類を含む植物抽出物である。
本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物において、成分(A)の配合量は有効量であり、成分(A)中の化合物(a1)の含有量、用法、剤形、投与対象者の年齢、性別その他の条件、症状、疾患の程度などに応じて適宜に設定される。成分(A)が化合物(a1)のみから構成されている場合では、成分(A)は、本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物中に、通常0.001〜20質量%配合するのがよい。好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01%〜5質量%配合するのがよい。配合量が0.001質量%〜20質量%であると、成分(B)との併用による優れた相乗効果を得ることができる。
本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物において、成分(B)の配合量は有効量であり、用法、剤形、投与対象者の年齢、性別その他の条件、症状、疾患の程度などに応じて適宜に設定されるが、通常は、市販品の配合濃度の上限に従った濃度が好適に使用できる。
例えば、上記止痒剤(b1)のうち抗ヒスタミン剤のジフェンヒドラミン製剤中に上限10質量%、より好ましくは0.1質量%〜2質量%を配合できる。また、止痒剤(b1)のうちクロタミトンは、製剤中に上限20質量%、より好ましくは1質量%〜10質量%配合するのがよい。
また、上記抗炎症剤(b2)のうち、デキサメタゾンは上限2質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.05質量%、プレドニゾロンは上限2質量%、より好ましくは0.125質量%〜0.3質量%、酪酸クロベタゾンは上限2質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.05質量%、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウムは上限5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%を配合できる。
本発明の痒み抑制剤は、必須有効成分である上記成分(A)および成分 (B)以外の他の有効成分または/および添加剤成分を適宜に選択し、配合して痒み抑制組成物とすることにより、外用処方で医薬品、医薬部外品は無論、化粧品の形態で使用することができる。
本発明の痒み抑制剤を有効成分として配合することにより、全身皮膚、頭皮などに適用可能な痒み抑制組成物を得ることができる。かかる痒み抑制組成物の剤形としては、例えば、絆創膏、サージカルテープなどの非水系外用製剤;パップ剤などの含水系外用製剤;クリーム、ハンドクリーム、乳液、化粧水、ローションなどの皮膚外用剤;石鹸、ハンドソープ、ボディソープなどの皮膚洗浄剤;入浴剤;水虫薬、にきび治療剤、止痒剤などの皮膚治療剤;シャンプー、リンス、トニック、育毛剤などの毛髪化粧料などを挙げることができる。また、前記痒み抑制組成物には、前記それぞれの剤形を与える公知の賦形剤などの成分を配合することができる。
前記痒み抑制組成物の用量としては、必須有効成分である上記成分(A)と成分(B)の配合濃度や、剤形、投与対象者の年齢、性別その他の条件、症状、疾患の程度などに応じて適宜選定されるが、1日あたり0.1g〜5gが通常量であり、これを1日1回または複数回に分けて患部に塗布する。
以下に、本発明の実施例を説明する。以下に示す実施例は、本発明を好適に説明する例示であり、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1〜8)
下記(表1)に示すように、成分(A)として、α-メチレン-γ-ブチロラクトンを用い、成分(B)として、ジフェンヒドラミン、クロタミトン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸を組み合わせ、その他の成分として、エタノール、水を加えて、実施例1〜8のそれぞれのサンプルを調製した。
(比較例1〜9)
下記(表2)に示すように、成分がエタノールと精製水のみからなるサンプル(比較例1)、α-メチレン-γ-ブチロラクトン((A)成分)とエタノールと精製水の3成分系からなるサンプル(比較例2)、成分(B)とエタノールと精製水の3成分系からなるサンプル(比較例3〜9)を調製した。
(実施例9〜21)
これら実施例では、下記(表3)に示すように、成分(A)として、6種(ブタクサ、ブタクサモドキ、アンブロシア・マリティマ、テンニンギク、ケファラフォラ・アロマティカ、ラクツカリウム)の植物抽出物を用いた。この6種の植物抽出物と、クロタミトン(成分(B))と、35%エタノールおよび精製水の4成分からなるサンプル(実施例9〜14)と、同様の6種の植物抽出物と、グリチルリチン酸ジカリウム(成分(B))、及び35%エタノールおよび精製水の4成分からなるサンプル(実施例15〜20)、さらに、ラクツカリウムの植物抽出物(成分A)、クロタミトンおよびグリチルリチン酸ジカリウム(成分B)、および35%エタノールおよび精製水の5成分からなるサンプルを調製した(実施例21)。
(植物抽出液の調製)
α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含有する植物(ブタクサ、ブタクサモドキ、アンブロシア・マリティマ、テンニンギク、ケファラフォラ・アロマティカ、ラクツカリウム)の全草をそれぞれ粉砕して粗末とした。得られた各粗末20gをとり、それぞれ50重量%エタノール200mLに浸漬し、室温で3日間抽出した。抽出液の溶媒を減圧留去し、乾燥させて、各植物エキスを得た。なお、減圧蒸留後の乾燥した植物抽出エキスを100%濃度とした。
(比較例10〜15)
下記(表4)に示すように、上記6種(ブタクサ、ブタクサモドキ、アンブロシア・マリティマ、テンニンギク、ケファラフォラ・アロマティカ、ラクツカリウム)の植物抽出物と、35%エタノールおよび精製水の3成分からなるサンプル(比較例10〜15)を、調製した。
上記実施例1〜21および比較例1〜15の各サンプルの止痒効果と、止痒効果の即効性および持続性を、以下の評価基準に従って、評価した。評価結果は、下記(表1)〜(表4)に併記した。
(止痒効果:NCマウス自発性掻破行動に対する作用)
難治性の痒みを呈するアトピーモデル動物を用いて、止痒効果を評価した。アトピーモデル動物には、広く研究に用いられるNC/Ngaマウスを用いた。市販の雄性NC/Ngaマウス(日本エスエルシー株式会社)を6週齢で購入し、温度23±1℃、湿度60±10%、明暗サイクルを(7:00〜19:00(明)→19:00〜7:00(暗))としたSPF(Specific Pathogen Free:無菌特殊環境)下で、通常の餌(日本農産工業株式会社製、商品名「CE2」)と水を自由摂取させて、剃毛背部皮膚に1mg/mLの抽出ダニ抗原(株式会社エル・エス・エル)の外用を週2回、計4週間行って皮膚症状を誘導し、実験に供した。掻破行動の観察は定法に従い、後肢による背部および顔部の掻破行動を無人化でビデオ撮影し、目視によって1時間あたりの掻破回数をカウントした。
上記皮膚痒み症状を発症させたマウスを検体とし、それらに前記実施例1〜21および比較例1〜15の各サンプル(皮膚外用組成物)0.2mLを、絵筆を用いて背部に塗布し、直後からの掻破行動を観察した。試験は1群12匹で行い、薬物塗布による掻破回数の抑制率(Pir(%))を算出した。Pir(%)は各サンプル塗布群の塗布前と後のそれぞれの掻破回数を(Abefore)と(Aafter)とし、次式(1)にて算出した。

ir(%)={(Abefore−Aafter)/Abefore}×100 (1)
(止痒効果の即効性の評価基準)
5点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、70%以上。
4点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、50%以上70%未満。
3点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、30%以上50%未満。
2点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、10%以上30%未満。
1点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、5%以上10%未満。
0点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、5%未満。
(止痒効果の持続性の評価基準)
5点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、70%以上。
4点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、50%以上70%未満。
3点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、30%以上50%未満。
2点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、10%以上30%未満。
1点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、5%以上10%未満。
0点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、5%未満。
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
Figure 2009173600
(表1)〜(表4)に示した評価結果から明らかなように、α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)と成分(B)とを必須有効成分として含有する本発明の痒み抑制組成物は、従来の止痒主剤と同様の成分(成分(B))を含有しながらも、α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)と同時に用いることにより、従来の痒み抑制組成物に抵抗性を示すアトピー性皮膚炎などの難治性の掻痒に対して止痒作用を有し、しかもその止痒作用に即効性及び持続性があり、優れた治療効果を発揮することが、確認できる。α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)は、化合物として配合しても、化合物を含有する植物抽出物の形態で配合しても、同様に効果的である。
(配合例1〜14)
以下に、本発明の痒み抑制剤を有効成分とした痒み抑制組成物の具体例として、痒み止め軟膏(配合例1〜7)およびヘアートニック(配合例8〜14)に適用した場合の配合例を下記(5)および(6)に示す。下記の配合例1〜14はいずれも皮膚や頭皮におけるかゆみ抑制効果に優れており、安全性も良好なものであった。
Figure 2009173600
Figure 2009173600
以上のように、本発明の痒み抑制剤および痒み抑制外用組成物は、皮膚に発現する痒みに対して優れた抑制作用を有し、しかも効果の即効性と持続性に優れ、皮膚疾患の緩化および治療に非常に有効であり、医薬組成物、化粧品組成物として日常的に継続して使用可能な形態で好適に用いることができるものである。

Claims (7)

  1. α−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む成分(A)と、止痒剤(b1)および抗炎症剤(b2)から選ばれる少なくとも一種からなる成分(B)とを必須有効成分として含有することを特徴とする痒み抑制剤。
  2. 前記成分(A)が、α−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)を含む植物抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の痒み抑制剤。
  3. 前記α−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有する化合物(a1)がα−メチレン−γ−ブチロラクトン及びα−メチレン−γ−ブチロラクトン骨格を有するセスキテルペン類からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の痒み抑制剤。
  4. 前記止痒剤(b1)が、ジフェンヒドラミン、クロタミトン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の痒み抑制剤。
  5. 前記抗炎症剤(b2)が、デキサメタゾン、プレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載の痒み抑制剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物。
  7. 皮膚外用剤であることを特徴とする請求項6に記載の痒み抑制組成物。
JP2008015543A 2008-01-25 2008-01-25 痒み抑制剤および痒み抑制組成物 Pending JP2009173600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008015543A JP2009173600A (ja) 2008-01-25 2008-01-25 痒み抑制剤および痒み抑制組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008015543A JP2009173600A (ja) 2008-01-25 2008-01-25 痒み抑制剤および痒み抑制組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009173600A true JP2009173600A (ja) 2009-08-06

Family

ID=41029101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008015543A Pending JP2009173600A (ja) 2008-01-25 2008-01-25 痒み抑制剤および痒み抑制組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009173600A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9387227B2 (en) Method for treatment of sores and lesions of the skin
US20090191288A1 (en) Composition to Treat Herpes, Pseudomonas, Staph, Hepatitis and Other Infectious Diseases
EP0279382A2 (de) Warzenmittel
WO2020024598A1 (zh) 抗皮肤过敏的化妆品组合物
Halder et al. Acute effect of essential oil of Eugenia caryophyllata on cognition and pain in mice
CN1309552A (zh) 含有海水的药物、保健和/或化妆组合物及其应用
EP4009944A1 (en) Topical formulations comprising cannabidiol, method of preparing the composition and use thereof
US20170258861A1 (en) Treatment of Herpes, Pseudomonas, Staph, and Hepatitis
KR20190024593A (ko) 수면장애 예방 또는 치료용 조성물
JP5356802B2 (ja) 痒み抑制剤および痒み抑制組成物
KR101477959B1 (ko) 알로에 추출물을 유효성분으로 포함하는 피부 항자극용 화장료 조성물
JP6240626B2 (ja) 抗アトピー性皮膚炎用組成物
JP5465444B2 (ja) 痒み抑制剤および痒み抑制組成物
US20150139920A1 (en) Oil-based compositions for enhancing oral health and general wellness in humans
KR101057471B1 (ko) 레티노이드로 인한 피부자극 완화용 화장료 조성물
JP5227016B2 (ja) 痒み抑制剤および痒み抑制組成物
JP2009173600A (ja) 痒み抑制剤および痒み抑制組成物
JP6850883B2 (ja) 乾癬及び尋常性白斑の治療薬の製造のための、メチル4−[9−(6−アミノプリニル)]−2(s)−ヒドロキシブチラートの使用。
JP5922857B2 (ja) アレルギー性疾患の治療剤および/または予防剤
JP2000119126A (ja) 生体内環境快適化組成物
JP2009161462A (ja) 痒み抑制剤および痒み抑制組成物
JP2003055191A (ja) アトピー性皮膚炎及び各種の乾皮症、荒れ肌症用スキンケア・治療外用製剤
JP2008120776A (ja) 皮膚外用剤
Belsito et al. Safety Assessment of Charcoal Ingredients as Used in Cosmetics
JP2001322932A (ja) 活性酸素消去剤及びこれを含有してなる活性酸素消去用の組成物