JP2009170517A - 部品認識装置、表面実装機 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明装置を簡素化しつつも、部品を認識するに足る十分な画像を得ることが可能な部品認識装置を提供することを目的とする。
【解決手段】吸着ヘッド25に吸着保持された電子部品5とイメージセンサ70とを相対移動させつつ撮影を行い、得られた画像に基づいて当該電子部品5の吸着姿勢を認識する部品認識装置であって、前記吸着保持された電子部品5に対して斜め方向から照明光を出射する照明装置63と、前記照明装置63から出射され部品表面で反射した反射光を集光レンズ66を介して受光し、かつ受光により得られた信号電荷を出力側に転送する転送過程において当該信号電荷を時間遅延積分する時間遅延積分方式のイメージセンサ70と、前記電子部品5と前記イメージセンサ70との相対移動タイミングに合わせて前記イメージセンサ70に同期制御信号を与えることにより、前記相対移動に同期させて前記イメージセンサ70に前記信号電荷の転送を実行させる同期手段30、50と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着ヘッドに吸着保持され基台上を移動する電子部品の吸着姿勢を画像に基づいて認識する部品認識装置、及び部品認識装置を備えた表面実装機に関する。
従来より、部品供給装置を通じて供給される電子部品を吸着ヘッドにより吸着して、基板上に実装する表面実装機が広く知られている。係る表面実装機においては、カメラを主体とする部品認識装置を搭載しており、吸着ヘッドに吸着保持された電子部品がカメラの正面にくるタイミングに合わせて部品を照らして撮影を行うことで部品画像を得ている。そして、得られた部品画像に基づいて、吸着ヘッドに吸着保持された電子部品の姿勢を認識している。
この種の部品認識装置においては、被撮影面たる部品表面を斜め方向から照らすサイド照明装置(下記特許文献中の符号26)に加えて、部品表面を正面から照らす同軸照明装置を(下記特許文献中の符号24)設けたものがある(下記特許文献1)。これは、部品表面が鏡面に近い状態であっても、部品画像に明暗が出来ないようにするためである。すなわち、部品表面が鏡面に近い場合、サイド照明装置のみを用いて撮影を行うと、部品表面の中央部で反射された光はカメラにほとんど入光せず、当該部分がどうしても暗くなる。そこで、暗くなる部品表面の中央部については、同軸照明で照らすことで、部品画像に明暗が出来ないようにしている。
特開2005−337725公報
上記構成であれば、被撮影面たる部品表面で反射された光を、まんべんなくカメラに入光させることが出来、暗い部分のない部品画像を一応は取得できる。しかしながら、複数の照明装置が必要となり、部品認識装置全体の構成が複雑化する。
加えて、同軸照明装置を用いた場合、カメラの正面にハーフミラー(特許文献中の符号29)を配置することが必要となる。そのため、部品表面で反射されカメラに向かう光のうち、カメラに入光する光量はその半分となり、光量が不足する。従って、従前のものでは、部品を認識するに足る十分な画像を得るには、照明装置として出力の大きいものを選択せざるを得ない状況にあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、照明装置を簡素化しつつも、部品を認識するに足る十分な画像を得ることが可能な部品認識装置を提供することを目的とする。
本発明は、吸着ヘッドに吸着保持された電子部品とイメージセンサとを相対移動させつつ撮影を行い、得られた画像に基づいて当該電子部品の吸着姿勢を認識する部品認識装置であって、前記吸着保持された電子部品に対して斜め方向から照明光を出射可能とされた照明装置と、前記照明装置から出射され部品表面で反射した反射光を集光レンズを介して受光し、かつ受光により得られた信号電荷を出力側に転送する転送過程において当該信号電荷を時間遅延積分する時間遅延積分方式の前記イメージセンサと、前記電子部品と前記イメージセンサとの相対移動タイミングに合わせて前記イメージセンサに同期制御信号を与えることにより、前記相対移動に同期させて前記イメージセンサに前記信号電荷の転送を実行させる同期手段と、を備えたところに特徴を有する。
本発明は、基台と、実装対象の基板を前記基台上に搬入する基板搬送装置と、前記基台上に設けられ、電子部品の供給を行う部品供給装置と、前記電子部品の吸着保持機能を有し、前記部品供給装置を通じて供給される前記電子部品を前記基板上に実装する実装動作を行う吸着ヘッドと、前記吸着ヘッドが設けられるヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを前記基台上において水平移動させるヘッド駆動装置と、前記基台に対して固定的に設置されるか、或いは前記ヘッドユニットに対して移動装置を介して相対移動可能に設置される請求項1に記載の部品認識装置と、を備えたところに特徴を有する。
本発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
前記ヘッド駆動装置、或いは前記移動装置を駆動させる駆動源となるモータと、前記モータの回転状況に応じたパルス信号を出力するエンコーダと、を備えてなると共に、前記同期手段は前記エンコーダの出力するパルス信号の信号数をカウントし、カウント数が予め定められた数値に達したときに前記イメージセンサに前記同期制御信号を与えて前記信号電荷の転送を行わせることにより前記同期をとる構成とする。このような構成であれば、比較的簡単な構成にて、確実に同期を取ることが可能となる。
本発明によれば、時間遅延積分方式のイメージセンサによって電子部品を撮影しているので、電子部品の表面が鏡面に近い状態であるか否かに拘わらず、鮮明な画像を得るに足る十分な信号レベルの出力信号が、常に得られることとなる。従って、従前の技術にて用いられている同軸照明装置を廃止することが可能となり、部品認識装置を簡素化出来る。しかも、同軸照明装置を設ける場合においては必須となる軸上のハーフミラーについても同時に廃止できるので、電子部品を斜め方向から照らす照明装置自体も、従来のものに比べて小さな出力のものを使用することが可能となり、この点も効果的である。
本発明の理解を容易とするため、本発明を端的に表した例を冒頭で説明し、その後、本発明の部品認識装置Uを搭載した表面実装機100の具体的な構成を説明するものとする。
図1に示す符号10はボールねじ軸、符号12はモータ、符号20はヘッドユニット、符号25は吸着ヘッド、符号30は制御装置、符号5は被写体としての電子部品である。また、符号15はモータ12のモータ軸に取り付けられ、回転量などモータ12の回転状況を検出するエンコーダ(例えば、光学式のロータリエンコーダ)である。
制御装置30は不図示のモータドライバを介してモータ12を通電制御する通電制御機能を備え、また、モータ12に付設されたエンコーダ15から出力されるパルス信号Spが入力される構成となっている。
そして、ヘッドユニット20には不図示のボールナットが固定されており、これがボールねじ軸10に螺合されている。以上の構成により、制御装置30によってモータ12を通電操作すると、モータ12の動力によりボールねじ軸10が軸周りに回転する。
回転方向の動力は、ボールねじ軸10とボールナットによる螺合作用により、ボールねじ軸10に沿った直線方向の運動に変換される結果、ヘッドユニット20、引いては吸着ヘッド25に保持された電子部品5をボールねじ軸10に沿って水平に移動させることが可能となる。
そして、水平移動する電子部品5を、制御装置30、画像取込装置50の制御下のもと、カメラユニット60により撮影することで、吸着ヘッド25に吸引保持された電子部品5の吸着姿勢を認識する構成となっている。
画像取込装置50は例えば、DSP(Digital Signal Processor)などから構成されている。係る画像取込装置50は制御装置30と電気的に接続されており、カメラユニット60を構成する受光カメラ65の撮影タイミング、信号電荷の転送タイミング、受光カメラ65との間における画像データの受け渡しなどを、制御装置30と共に制御する機能を担っている。
カメラユニット60は受光カメラ65と照明装置63とを単一のケーシング61に収容して一ユニットとしたものであり、上記した制御装置30、画像取込装置50と共に部品認識装置Uを構成している。
上記照明装置63は複数個のLED63Aより構成されている。各LED63Aはいずれも照明光を出射する出射光軸を斜めに傾けた状態でケーシング61の上部に設置してあり、次に説明する受光カメラ正面の撮影領域上を水平移動する電子部品5を、斜め下側から照らすようになっている。
受光カメラ65はケーシング下部に配置され、集光レンズ66と、TDI(Time Delay Integration)センサ70とから構成されている。集光レンズ66はカメラに入光する光を、TDIセンサ70上に結像させるものである。
TDIセンサ70は、図2に示すように、受光素子PDを行列状に配置してなる受光部71と、転送部75と、を主体に構成されている。
転送部75は受光部71から読み出した信号電荷を転送するものであり、垂直レジスタ76と、水平レジスタ78A、78Eとから構成されている。
垂直レジスタ76は水平方向(H方向)に一列状に並ぶレジスタ列76a〜76eを、垂直方向に複数段(図中では5段)配置したものである。そして、垂直レジスタ76を構成する各レジスタ(セル)RTは受光部71を構成する各受光素子(セル)PDと1対1の関係で対応しており、各受光素子PDの信号電荷を、それに対応する各レジスタRTに読み出し、更に読み出した信号電荷を垂直方向に転送できる(垂直転送動作)。
水平レジスタ78A、78Eは垂直方向の最終段まで送られた信号電荷を水平方向に送るものであり、垂直レジスタ76の垂直方向両側にそれぞれ配置されている。
係るTDIセンサ70は、上記垂直レジスタ76による垂直転送動作をレジスタ列76a〜76e単位で一括して行い、かつこの信号電荷転送に際し、転送した信号電荷を転送先の信号電荷に順次加算してゆくことで、信号電荷の出力側への転送と同時並行的に信号電荷の積分動作を行うものである(時間遅延積分動作)。
そして、信号電荷の転送を、電子部品5の移動に同期して行うことで、受光カメラ65の上方を移動する電子部品5を連続的に撮影しつつ、これを画像化することが出来る。
以下、TDIセンサ70の電気的構成を図3を参照して説明しつつ、信号電荷の転送を電子部品5の移動(本発明の「相対移動」に該当)に如何様にして同期させるのか説明する。
図3に示す符号81はコントローラ、符号83はタイミングジェネレータ、符号85はクロックドライバ、符号87はマルチプレクサ、符号91はアナログフロントエンド、符号93はデータトランスミッタ/コントロールレシーバである。
コントローラ81は受光カメラ65の全体を制御統括するものであり、マルチプレクサ87に切り替え信号を与えて出力信号の切り替えを行う信号切替機能、アナログフロントエンド91にゲイン切り替え信号を与えてゲインの切り替えを行うゲイン切り替え機能、タイミングジェネレータ83に制御信号を与えてTDIセンサ70の動作タイミングを決定する動作タイミング制御機能を主に担っている。
タイミングジェネレータ83はコントローラ81から出力される制御信号に基づいて、各種信号を生成し、生成した信号をクロックドライバ85を経由して転送部75に与える。
生成される信号には、読み出し信号T、各レジスタ列76a〜76eの信号電荷を垂直方向に一段シフトさせる垂直転送動作を実行する3相の駆動信号V1〜V3、信号電荷を水平方向にシフトさせる水平転送動作を実行する2相の駆動信号H1、H2、及び信号電荷を電圧信号に変換するフローティングゲート79をリセットするリセット信号Rの大まか4種がある。
各信号の出力タイミングは、図4に示す通りであり、画像取込装置50側から入力される撮像トリガ(本発明の「同期制御信号」に相当)を基準として出力される。具体的には撮像トリガの立ち下がりのエッジに合わせて、クロックドライバ85から読み出し信号Tが転送部75に与えられる。これにより、各レジスタRTのゲートが開放して、受光部71を構成する各受光素子PDからそれに対応する各レジスタRTに信号電荷が読み出される。
また、撮像トリガの立ち下がりのエッジに合わせて、クロックドライバ85から3相の駆動信号V1〜V3が転送部75に与えられる。これにより、読み出された信号電荷は、図4中の(1)の期間に、レジスタ列76a〜76e単位で垂直方向に一段シフトされる(垂直転送動作)。
尚、信号電荷は駆動信号V1〜V3の位相を調整することで、垂直方向A側、垂直方向E側のいずれの側へもシフト可能であり、また、3相の駆動信号V1〜V3を除く他の制御信号、すなわち読み出し信号T、駆動信号H1、H2、リセット信号Rについては、シフト方向(A側、E側)の別に応じて専用の制御信号、すなわち読み出し信号TにあってはTa或いはTe、駆動信号H1、H2にあってはH1a、H2a或いは、H1e、H2e、リセット信号RにあってはRa、或いはReがクロックドライバ85から転送部75に与えられる構成となっている。
電子部品5の移動に信号電荷の移動を同期させるには、信号電荷を電子部品5の移動方向(垂直方向A側)の逆側にシフトさせる必要があり、このものでは、信号電荷を垂直方向E側にシフトさせている。
また、このとき、垂直方向において最後段のレジスタ列76eに位置する信号電荷は、水平レジスタ78Eに転送されることとなる。
そして、3相の駆動信号V1〜V3の出力に続いて、クロックドライバ85から2相の駆動信号H1、H2が転送部75に与えられる。これにより、水平レジスタ78E上に転送された信号電荷は、図4中の(2)の期間に水平方向にシフトされ、フローティングゲート79に入力される。
フローティングゲート79では、入力された信号電荷を電圧に変換する処理が行われる。そして、フローティングゲート79にて電圧値に入力された信号はアナログフロントエンド91に入力される。
アナログフロントエンド91はCDS(相関二重サンプリング)、VGA(可変ゲインアンプ)、ADC(ADコンバータ)より構成され、入力された電圧信号のノイズを除去した後、これを増幅する。そして、増幅された電圧信号はディジタル信号に変換された後、データトランスミッタ/コントロールレシーバ93に送られる構成となっている。
以上説明したように、画像取込装置50から受光カメラ65に撮像トリガが入力されると、TDIセンサ70の内部では、図4中の(1)の期間にレジスタ列76a〜76e単位で信号電荷を垂直方向E側に一段シフトさせる処理を実行し、その後、図4中の(2)の期間に転送により水平レジスタ78Eに到達した一ライン分の信号電荷をフローティングゲート79に水平転送し、転送した信号電荷を電圧信号に変換して取り出している。
さて、既に説明してあるように、電子部品5はモータ12を駆動源として移動する。そして、モータ12にはエンコーダ15が設けられており、同エンコーダ15からはモータ12の回転量に比例した個数(例えば、モータ軸1回転当たり出力される信号数が数百個など)のパルス信号Spが出力される。
本実施形態のものは、電子部品5が撮影領域上を移動するのに伴って、当該電子部品5の部品像が受光部71上において垂直レジスタ76のセル幅W(図2参照)だけ移動する間に、上記エンコーダ15から出力されるパルス信号Spの信号数(例えばN個であり、以下基準数と呼ぶ)を予め算出してある。
そして、制御装置30にてパルス信号Spの信号数をカウントすると共に、カウント数が予め定められた基準数(N個)に達すると、制御装置30はその都度、画像取込装置50に撮影指令を与えて、受光カメラ65に撮影トリガを入力させている。
以上のことから、電子部品5の部品像が垂直レジスタ76のセル幅Wだけ移動すると、その都度、上記垂直転送動作(信号電荷を垂直方向に一段シフトさせる動作)が行われることとなり、電子部品5の移動に同期して信号電荷が転送される。
上記により、本発明の「前記電子部品5と前記イメージセンサ70との相対移動タイミング(ここでは、電子部品5の部品像が垂直レジスタ76のセル幅だけ移動するタイミング)に合わせて前記イメージセンサ70に同期制御信号(ここでは、撮像トリガ)を与えることにより、前記相対移動に同期させて前記イメージセンサ70に前記信号電荷の転送を実行させる同期手段(ここでは、制御装置30、画像取込装置50)」が実現されている。尚、画像取込装置50を経由せず、制御装置30から受光カメラ65に撮像トリガを直接的に出力する構成としておけば、本発明の同期手段を制御装置30単独で構成することも可能である。
以上のことから、電子部品5の同じ部位(例えば、図5中のP点)を撮影した、撮影時刻の異なる各信号電荷(例えば、図5中のt1、t3、t5の各時点で撮影された信号電荷)を、順次加算することが可能となり、フローティングゲート79を通じて出力される出力信号の信号レベルは、各信号電荷の信号レベルを積分したトータル値になる(信号電荷の積分動作/図2、図5参照)。
ここで、電子部品5の表面(下面)が鏡面に近い場合には、図6にて示すように照明装置63から出射された照明光は電子部品5の表面にて正反射する。従って、このような場合、図7にて示すように、電子部品5が集光レンズ66の正面を通過するとき(図7中のt3時)、受光カメラ65に反射光がほとんど入光しない状態となり、信号レベルはゼロにほど近い、低いレベルになる。
しかし、本実施形態では、一部の箇所において、信号レベルが低くても、それを他の部分(図7のG部)で補うことが可能となる。よって、電子部品5の表面が鏡面に近い状態であるか否かに拘わらず、鮮明な画像を得るに足る十分な信号レベルの出力信号が、常に得られることとなる。
従って、従前の技術にて使用される同軸照明装置を廃止することが可能となる。しかも、同軸照明装置を設ける場合においては必須となる軸上のハーフミラーを同時に廃止できるので、照明装置63自体も、従来のものに比べて小さな出力のものを使用することが可能となり、この点も効果的である。
尚、上記例では、カメラユニット60を固定側、電子部品5を可動側とするものを例示したが、本発明はカメラユニット60と電子部品5とを相対移動させつつ撮影を行うものであれば、適用可能であり、例えば、以下の構成とすることも可能である。
例えば、ボールねじ軸(図略)と、ボールナット(図略)と、ボールねじ軸を駆動させる駆動源としてのモータ(図略)と、を備えた一軸のサーボ機構(本発明の「移動装置」に相当)を、ヘッドユニット20に搭載し、カメラユニット60そのものをヘッドユニット20に対して吸着ヘッド25の並び方向にあたる図1の左右方向に相対移動(より具体的には、吸着ヘッド25に吸着保持された電子部品5の下側の位置にて相対移動)させる構成とする。このようにしておけば、追加した一軸のサーボ機構を作動させつつカメラユニット60をヘッドユニット20に対して相対移動させ、各電子部品5の真下に来たときに撮影を行えば、上述したカメラユニット60を固定側としたものと同様の撮影動作を実現できる。尚、この場合に、信号電荷の転送タイミング(垂直転送動作の実行タイミング)は追加した一軸のサーボ機構のモータにエンコーダを設けておき、同エンコーダより出力されるのパルス信号に基づいて決定してやればよい。
次に、上記した部品認識装置(制御装置30、画像取込装置50、カメラユニット60等)Uを搭載した表面実装機100の説明を行う。尚、既に説明した装置については、表面実装機100の説明中も、同一符号を付し、説明を省略する。
図8は表面実装機の平面図、図9はヘッドユニットの支持構造を示す部分拡大図である。図8に示すように、表面実装機100は上面が平らな基台110上に各種装置を配置している。尚、以下の説明において、基台110の長手方向(図8、図9の左右方向)をX方向と呼ぶものとし、Y方向、Z方向をそれぞれ図8〜図9の向きに定めるものとする。
基台110の中央には、プリント配線基板搬送用の搬送コンベア(以下、単にコンベアとも呼ぶ)120が配置されている。搬送コンベア120はX方向に循環駆動する一対の搬送ベルト121を備えており、両ベルト121を架設するように基板PKをセットすると、ベルト上面の基板PKはベルトとの摩擦によりベルトの駆動方向に送られるようになっている。
本実施形態のものは、図8に示す右側が入り口となっており、基板PKは図2に示す右側よりコンベア120を通じて機内へと搬入される。搬入された基板PKは、コンベア120により基台中央の搭載位置(図8中の二点鎖線で示す位置)Gまで運ばれ、そこで停止される。
また、搭載位置Gの周囲4箇所には部品供給部125が設けられ、そこには部品供給装置としてのフィーダ128がX軸方向に整列状に設置されている。各フィーダ128は、部品供給テープが巻回されたリール(不図示)、リールから部品供給テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)などから構成されている。
部品供給テープには電子部品5が一定間隔にて保持されており、送出装置を駆動させると、部品供給テープの引き出しに伴い、電子部品5が一つずつ供給される。そして、供給された電子部品5は、部品搭載装置130の吸着ヘッド25により吸引保持されて、搭載位置G上にて停止する基板PK上に実装される構成となっている。
また、基台110上であって中央には、カメラユニット60が搬送コンべア120のY軸方向の両側に一対設置されている。このカメラユニット60は垂直方向をX軸方向、水平方向をY軸方向に位置合わせしてあり、フィーダ128を通じて供給され次に説明する部品搭載装置130の吸着ヘッド25により吸着保持された電子部品5が、カメラユニット上方の撮影領域をX軸方向に通過するタイミングに合わせて、電子部品5を下方から撮影して、その保持姿勢を画像認識するものである(図1〜図7を参照して既に説明済み)。
部品搭載装置130は大まかにはX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構、Z軸サーボ機構及びこれらサーボ機構の駆動によりX軸、Y軸、Z軸方向に移動操作される吸着ヘッド25などから構成される。
具体的に説明してゆくと、図8、図9に示すように基台110上には一対の支持脚141が設置されている。両支持脚141は搭載位置Gの両側に位置しており、共にY方向(図8では上下方向)にまっすぐに延びている。
両支持脚141にはY方向に延びるガイドレール142が支持脚上面に設置されると共に、これら左右のガイドレール142に長手方向の両端部を嵌合させつつヘット支持体151が取り付けられている。
また、図8において右側の支持脚141にはY方向に延びるY軸ボールねじ軸145が装着され、更にY軸ボールねじ軸145にはボールナット(不図示)が螺合されている。そして、Y軸ボールねじ軸145の軸端部にはY軸モータ147が設けられている。
同モータ147を通電操作すると、Y軸ボールねじ軸145に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体151、ひいては次述するヘッドユニット20がガイドレール142に沿ってY方向に水平移動する(Y軸サーボ機構)。
図9に示すように、ヘッド支持体151にはX方向に延びるガイド部材153が設置され、更に、ガイド部材153に対してヘッドユニット20が、ガイド部材153の軸に沿って移動自在に取り付けられている。このヘッド支持体151には、X方向に延びるX軸ボールねじ軸10が装着されており、更にX軸ボールねじ軸10にはボールナットが螺合されている。
そして、X軸ボールねじ軸10の軸端部にはX軸モータ12が設けられており、同モータ12を通電操作すると、X軸ボールねじ軸10に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット20がガイド部材153に沿ってX方向に移動する(X軸サーボ機構)。
従って、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御することで、基台110上においてヘッドユニット20を水平方向(XY方向)に移動操作出来る構成となっている。尚、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構が、本発明のヘッド駆動装置に相当するものである。
係るヘッドユニット20には、実装動作を行う吸着ヘッド25が列状をなして複数個搭載されている。吸着ヘッド25はヘッドユニット20の下面から下向きに突出しており、先端には吸着ノズル26が設けられている。
各吸着ヘッド25はR軸モータ(不図示)の駆動により軸周りの回転動作が可能とされ、又Z軸モータの駆動により、ヘッドユニット20のフレーム21に対して昇降可能な構成となっている(Z軸サーボ機構)。また、各吸着ノズル26には図外の負圧手段から負圧が供給されるように構成されており、ヘッド先端に吸引力を生じさせるようになっている。
次に、上記表面実装機100による一連の部品実装動作について説明を行う。
まず、搬送コンベア120を駆動させ、実装対象となる基板PKを搭載位置Gに搬送し、その位置で停止させ位置決めする。そして、基板PKを位置決めすることが出来たら、次に先に説明したX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を作動させてヘッドユニット20の吸着ヘッド25をフィーダ128の上方にまで水平移動させ、更にZ軸サーボ機構を駆動させて吸着ヘッド25を下降させる。
そして、吸着ヘッド25のノズル先端が部品上面に達するタイミングに合わせて図外の負圧手段から負圧を供給することで、フィーダ128によって供給される電子部品5を吸着ヘッド25により吸着保持出来る。
そして、吸着動作に続いて、今度はZ軸サーボ機構を駆動させ、吸着ヘッド25を上昇させることで、電子部品5をフィーダ128から取り出すことが出来る。
かくして、電子部品5が取り出されると、次にX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構が再び駆動される。これにより、フィーダ128上方のヘッドユニット20が、基台中央の搭載位置Gに向けて移動開始する。
この移動途中、カメラユニット60の上方の撮影領域を、吸着ヘッド25に吸着保持された電子部品5がX軸方向に横切り、その通過タイミングに合わせて受光カメラ65により各電子部品5の撮影が行われる。そして、受光カメラ65より出力される各画像データは画像取込装置50に送られ、そこで必要な画像処理が行われ各電子部品5の下面画像が生成される。
その後、各電子部品5の吸着位置ずれを検査する処理が、電子部品5を搭載位置Gに移動させる移動動作と並行して進められる。すなわち、下面画像のデータは制御装置30に転送され、転送された下面画像に基づいて各電子部品5の吸着位置ずれの有無が検査される。そして、制御装置30は吸着位置のずれがある場合には、各吸着ヘッド25ごとに電子部品5の吸着位置ずれを補正する処理(R軸モータを駆動させ吸着ノズル26を回転させるなど)が行なわれる。
そして、電子部品5が目標となる部品実装位置(搭載位置Gに停止した基板PK上の位置)に達したころで、Z軸サーボ機構が再駆動しその位置で吸着ヘッド25を下降させる。この下降に伴い、姿勢補正後の各電子部品5が、搭載位置G上にて停止する基板PK上の、部品実装位置に実装される。
このような処理が繰り返し行われることで、基板PKに対する電子部品5の実装処理が進められる。そして、全ての電子部品5について実装処理が完了すると、搬送コンベア120が再駆動する。これにより、実装済み基板PKは図8における左方向に送られ、機外に搬出される。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本表面実装機100によれば、TDIセンサ70を搭載した受光カメラ65によって電子部品5を撮影しており、電子部品5の表面(下面)が鏡面に近い状態であるか否かに拘わらず、鮮明な画像を得るに足る十分な信号レベルの出力信号が、常に得られることとなる。
従って、部品画像として明暗のはっきりした鮮明な画像を得ることが可能となり、電子部品5の姿勢を正確に認識できる。そのため、電子部品5の吸着位置のずれを正確に補正することが出来、緻密な部品実装動作、すなわち目標とする部品実装位置に電子部品5を正しい姿勢で正確に実装することが可能となる。
また、本実施形態によれば、従前の技術にて見られるような同軸照明装置、引いては同軸照明装置を設ける場合においては必須となる軸上のハーフミラーを廃止できる。よって、照明装置63を、従来のものに比べて小さな出力のものを使用することが可能となり、この点も効果的である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、カメラユニット60を基台110に固定的に設置した例を示したが、カメラユニット60の設置場所は基台110に限定されるものではなく、電子部品5を撮影可能であれば、基台以外の場所でもよく、また固定的に設置する必要もない。例えば、カメラユニット60の全体をヘッドユニット20などに移動可能に設置しておけば、カメラユニット60の全体をスライドさせることで、電子部品5を撮影することが可能である。
本発明に係る部品認識装置、及びそれに関連する周辺装置との関係を示す図 TDIセンサの構成を模式的に示した図 TDIセンサの電気的構成を示すブロック図 各信号の出力タイミングを示すタイミングチャート図 撮影ポジションと信号電荷の信号レベルとの関係を示す図 電子部品が鏡面に近い場合の、電子部品表面での反射の様子を示す図 撮影ポジションと信号電荷の信号レベルとの関係を示す図(電子部品が鏡面である場合) 表面実装機の平面図 ヘッドユニットの支持構造を示す図(部品認識装置とヘッドユニットとの関係を示す図)
符号の説明
10…ボールねじ軸
12…モータ
15…エンコーダ
20…ヘッドユニット
25…吸着ヘッド
30…制御装置(本発明の「同期手段」に相当)
50…画像取込装置(本発明の「同期手段」に相当)
60…カメラユニット
63…照明装置
65…受光カメラ
70…TDIセンサ(本発明の「イメージセンサ」に相当)
71…受光部
75…転送部
76a〜76e…レジスタ列
78A、78E…水平レジスタ
100…表面実装機
110…基台
120…搬送コンベア(本発明の「基板搬送装置」に相当)
128…フィーダ(本発明の「部品供給装置」に相当)
PK…基板
G…搭載位置
U…部品認識装置

Claims (3)

  1. 吸着ヘッドに吸着保持された電子部品とイメージセンサとを相対移動させつつ撮影を行い、得られた画像に基づいて当該電子部品の吸着姿勢を認識する部品認識装置であって、
    前記吸着保持された電子部品に対して斜め方向から照明光を出射可能とされた照明装置と、
    前記照明装置から出射され部品表面で反射した反射光を集光レンズを介して受光し、かつ受光により得られた信号電荷を出力側に転送する転送過程において当該信号電荷を時間遅延積分する時間遅延積分方式の前記イメージセンサと、
    前記電子部品と前記イメージセンサとの相対移動タイミングに合わせて前記イメージセンサに同期制御信号を与えることにより、前記相対移動に同期させて前記イメージセンサに前記信号電荷の転送を実行させる同期手段と、を備えたことを特徴とする部品認識装置。
  2. 基台と、
    実装対象の基板を前記基台上に搬入する基板搬送装置と、
    前記基台上に設けられ、電子部品の供給を行う部品供給装置と、
    前記電子部品の吸着保持機能を有し、前記部品供給装置を通じて供給される前記電子部品を前記基板上に実装する実装動作を行う吸着ヘッドと、
    前記吸着ヘッドが設けられるヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットを前記基台上において水平移動させるヘッド駆動装置と、
    前記基台に対して固定的に設置されるか、或いは前記ヘッドユニットに対して移動装置を介して相対移動可能に設置される請求項1に記載の部品認識装置と、を備えたことを特徴とする表面実装機。
  3. 前記ヘッド駆動装置、或いは前記移動装置を駆動させる駆動源となるモータと、
    前記モータの回転状況に応じたパルス信号を出力するエンコーダと、を備えてなると共に、
    前記同期手段は前記エンコーダの出力するパルス信号の信号数をカウントし、カウント数が予め定められた数値に達したときに前記イメージセンサに前記同期制御信号を与えて前記信号電荷の転送を行わせることにより前記同期をとることを特徴とする請求項2に記載の表面実装機。
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