JP2009169413A - カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に、顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を含有する着色組成物を用いて着色塗膜を形成すると工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、レーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去する工程と、基板の塗膜面側または背面側から基板に活性エネルギー線を照射して、フィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、レーザ露光法においては、レーザにて着色組成物を露光した場合、着色塗膜の表面が塗膜内部に比べ硬化し易く、塗膜内で硬化度合いの差が生じ、その差によっては、塗膜表面剥がれ、塗膜表面シワおよび主にブラックマトリックスにおいては基板との密着性低下等の問題があった。
着色塗膜形成工程では、スピンコート法やダイコート法によって基板上に着色組成物を塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去することにより、基板1上に着色塗膜2を形成する(図1(a))。カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
露光・硬化工程では、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に塗膜面側からレーザを照射して硬化させる。具体的には、大サイズの基板1上に形成された着色塗膜2に、基板と比較して小さいフォトマスク4を介してレーザ3を照射し、着色塗膜2のフィルタセグメント5またはブラックマトリックス6となる部分を硬化させる(図1(b))。
未硬化部分の除去工程では、着色塗膜2の未硬化部分を除去してフィルタセグメント5またはブラックマトリックス6を形成する(図1(c))。未硬化部分の除去に際しては、アルカリ現像液として、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
基板の塗膜面側または背面側からの露光工程は、基板1の塗膜面側または背面側から基板1に活性エネルギー線7を照射し、着色塗膜2底部の硬化を促進するものである(図1(d))。図1(d)では、背面側からの露光のみを示している。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、400〜500nmの可視光および前記各種レーザを使用することができる。電子線の線源には熱電子放射銃、電界放射銃等が使用でき、紫外線および400〜500nmの可視光の線源(光源)には、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を使用することができる。活性エネルギー線は着色塗膜に対し透過率が高い波長を用いると、塗膜内部の硬化に有効である。
着色組成物に含有される色料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。
着色組成物に含まれる透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透過率を有する樹脂である。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および感光性透明樹脂が含まれ、これらを単独で用いることもできるが、2種以上混合して用いることが好ましい。
着色組成物に含まれるエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、レーザを照射することにより硬化する成分である。
着色組成物に含有する光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2−メチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2,4,6−トリメチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2−エチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2−メチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2,4,6−トリメチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2−エチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−エチル−6−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
本実施形態に係る着色組成物には、さらに、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることが出来る。多官能チオールとしては、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、1,4−-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6,(1H,3H,5H)−トリオンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また、多官能チオールは、着色組成物の感度アップの観点から、1分子中にチオール基を3個以上有することが好ましい。
本発明の一実施形態に係る着色組成物は、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共に透明樹脂および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、これにエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に、透明樹脂および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
下記表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R−1、緑色顔料分散体G−1、青色顔料分散体B−1、および黒色顔料分散体BM−1を調製した。
(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)
PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177)
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドA2B」)
PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36)
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「E4GN」)
CB :カーボンブラック(C.I. Pigment Black 7)
(三菱化学社製「MA11」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」
アクリル樹脂液:先に調製したアクリル樹脂溶液
溶剤:シクロヘキサノン
[実施例1〜16、比較例1〜5]
先に調製した顔料分散体R−1、G−1、B−1、BM−1を含む、下記表2に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、4種の色着色組成物RR−1、GR−1、BR−1、BMR−1を得た。
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
光重合開始剤:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュア379」)
モノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
有機溶剤:シクロヘキサノン
[フィルタセグメントおよびブラックマトリックスのパタ−ン形成]
得られた着色組成物RR−1(赤)、GR−1(緑)、BR−1(青)、BMR−1(黒)を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2.5μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を介して、フィルタセグメントの場合は100μmのストライプ状のフォトマスクを、ブラックマトリックスの場合は20μmのストライプ状のフォトマスクをセットし、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザを1パルス当たりのエネルギー密度50mJ/cm2、パルス幅20nsec、周波数600Hz、露光量50mJ/cm2で照射した。尚、エキシマレーザ装置は、コヒレント社製の「LAMBDA SX200C」を使用し、露光量はコヒレント社製の「3シグマ(本体)J25LP-MUV(センサヘッド)」を用いて測定した。
得られた着色組成物BR−1(青)を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2.5μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を介して、フィルタセグメントの場合は100μmのストライプ状のフォトマスクを、ブラックマトリックスの場合は20μmのストライプ状のフォトマスクをセットし、波長355nmのYAGレーザを1パルス当たりのエネルギー密度1 mJ/cm2、パルス幅7nsec、周波数50Hz、露光量30mJ/cm2で照射した。尚、エキシマレーザ装置は、株式会社ブイテクノロジー社製の「RIGEL」を使用し、露光量はOPHIR社製の「PE10B-V2」を用いて測定した。
各色フィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの(1)塗膜表面剥がれおよび(2)塗膜表面シワを光学顕微鏡を用いて観察した。評価基準は以下の通りであり、その結果を下記表3に示す。
○:剥がれ発生なし
△:部分的に剥がれ発生
×:剥がれ発生
(2) 塗膜表面シワ
○:シワ発生なし
△:部分的にシワ発生
×:シワ発生
[基板との密着性]
上記実施例および比較例に係るブラックマトリックスの密着性をプレッシャークッカー試験器を用いて、120℃、100%RH、2気圧の条件で50時間放置した後、JIS K5400に準じた基盤目付着性試験方法にて評価し、碁盤目100個中の剥離個数を測定した。評価基準は以下の通りであり、その結果を下記表3に示す。
Claims (6)
- 基板上に、色料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を含有する着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、レーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去する工程と、基板の塗膜面側または背面側から基板に活性エネルギー線を照射して、フィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 前記レーザの1パルス当たりのエネルギー密度が0.1mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下で、パルス幅が0.1nsec以上30000nsec以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記レーザの周波数が1Hz以上50000Hz以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により形成されたフィルタセグメントを少なくとも1色以上具備することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により形成されたブラックマトリックスを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により形成されたブラックマトリックス、及び請求項1〜3のいずれかに記載の方法により形成されたフィルタセグメントを少なくとも1色以上を具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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