JP2009168331A - 移動式保冷庫 - Google Patents

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Kazuhiko Iwasaki
和彦 岩崎
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Abstract

【課題】棚の収納の際に、その棚をぶら下げて保持する係止部の高さが低くても、上記棚の下端が、庫内床面に接触しないようにする。
【解決手段】前方棚9a及び後方棚9bを蝶番10で連結して1枚の棚9を構成し、後方棚9bに軸体13を設けるとともに、前方棚9aの両横側、及び、後方棚9bの軸体13よりも前方の両横側にフック12を設ける。この軸体13を、庫内側壁に設けた軸受け金具23に軸周りに回転自在に設け、この棚9の収納時には庫内奥側にぶら下がった状態とする一方で、棚9の使用時には各フック12を棚受け金具21に係止して棚9の水平を確保する。この後方棚9bの後端から軸体13までの距離を長くするほど上記ぶら下がり時における庫内床面と棚9の下端との距離を確保し得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、移動式保冷庫に関し、さらに詳しくはこの移動式保冷庫における棚の据付構造に関する。
一般的な移動式保冷庫を図10に示して説明すると、この移動式保冷庫は、車両等に積み込んで食品等の保冷品を保冷状態のまま配送先に配送する際に用いるものである。この移動式保冷庫は、箱体1の開口部に設けた扉2をハンドル27によって開閉して、上記保冷品を庫内4に収納する。また、箱体1に把手28を設けるとともに、その底部にキャスタ3を設け、上記車両から積み降ろした後の配送作業を円滑に行い得るようにしている。積み下ろし後の配送作業においては、コンセント等からの電気供給ができないため、予め冷却した蓄冷剤6を、庫内4の最上段に設けた蓄冷棚5に収納して、庫内4の全体を冷却し得るようにしている。
この移動式保冷庫の庫内4には、庫内4を区画する棚9が必要に応じて設けられ、この棚9に保冷品を入れることにより、保冷品を直接高く積み上げた際に、この保冷品の荷重によって下側の保冷品が変形するのを防止している。この棚9の不使用時は、庫内奥側に収納して、嵩高い保冷品も庫内4に収納し得るようにしている(例えば、特許文献1の図4)。
特開2002−350025号公報
庫内奥側に収納した棚9は、この棚9の後端両側に設けた軸体13が庫内奥側の係止部において係止されて、下方にぶら下がった状態で保持される。この係止部の高さが低いと、ぶら下がった棚9の下端が庫内床面に接触して、棚9が斜めの状態で庫内背面にもたれかかり、確実に収納できないという不具合が生じるため、この接触が生じないように、係止部の高さを少なくとも棚9の奥行きよりも高くする必要がある。この係止部の高さが制限されることによって、庫内4のレイアウト(棚の高さ)が制限されて、収納する保冷品の高さに対応した棚9の配置が困難になったり、棚9の上段と下段の高さがアンバランスとなって、保冷品の出し入れがしにくくなったりする恐れがある。
そこで、この発明は、棚の収納の際に、その棚をぶら下げて保持する係止部の高さが低くても、上記棚の下端が、庫内床面に接触しないようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、棚の後端よりも前方側にずらした位置に軸体を形成するとともに、この軸体を案内するガイド孔を庫内側壁に設け、このガイド孔に上記軸体を係止してこの棚を収納するようにした。
このように棚の軸体を前方側にずらすことにより、この棚を庫内背面側に収納した際に、軸体をずらした分だけ上記ガイド孔による支持位置が高くなり、棚の下端と庫内床面が接触しにくくなる。
この発明の構成としては、庫内側壁の最後部に、庫内後方に向かって下に傾斜するガイド孔を形成し、棚の不使用時には、上記棚の両側に設けた軸体が上記ガイド孔の後端に嵌りつつ、上記棚の表面が上記庫内背面と平行に近付くように上記軸体を上記ガイド孔内で軸周りの一方向に回動して上記棚を収納する一方、上記棚の使用時には、上記軸体が上記ガイド孔を前方にスライドしつつ、上記棚の表面が水平となるように上記軸体を上記ガイド孔内で軸周りの他方向に回動するとともに、上記棚の軸体よりも前方の横側を、上記庫内側壁に設けた棚受け部材に係止して、上記棚の水平を確保するようにすることができる。
上記構成において、上記軸体の位置は上記棚の両側の任意の位置に設けることができ、この軸体の位置を変更することによって、上記庫内床面と棚の下端との間の隙間の大きさが変わる。このため、生じた隙間の分だけ、上記軸受け部材の設置高さの自由度が増すため、庫内に収納する保冷品の高さに対応して、庫内のレイアウト(棚の高さ)を決め得る。
また、上記ガイド孔を庫内後方に向かって下に傾斜して設けたので、上記棚の収納の際に、このガイド孔に嵌めた軸体が、上記ガイド孔の後端位置(最も低い位置)で安定する。このため、上記棚の収納状態が安定したものとなる。また、この収納の際に、途中で棚から手を離した場合であっても、この棚の自重によって上記軸体が上記ガイド孔によって案内されつつ上記後端位置に至るので、上記収納が自動的にかつスムーズになされる。
上記構成において、上記棚が、前方棚と後方棚の2枚の棚からなり、この2枚の棚は、上記前方棚の後端と上記後方棚の前端とを連結部材で角度変更自在に連結したものであって、上記軸体を上記後方棚の両側に設けるとともに、上記後方棚の軸体よりも前方の横側にフックを設け、このフックを上記庫内側壁に設けた棚受け部材に係止しつつ、上記前方棚にもその横側にフックを設け、このフックを上記庫内側壁に設けた他の棚受け部材に係止して、上記棚の収納及び水平の確保を行うようにする一方で、上記後方棚の水平を保ちつつ、上記前方棚を上方に引き上げた際に、この前方棚を引き上げた状態に係止する棚受け部材を上記庫内側壁に設け、上記前方棚に設けたフックを、上記前方棚を引き上げた状態に係止する棚受け部材に係止するようにすることもできる。
この前方棚を後方棚に対して角度変更自在に連結することによって、この棚の下段に保冷品を出し入れする際に、この前方棚に設けたフックによる係止を解除し、この前方棚
のみを引き上げて手で支持し、上記下段の開口部の上下幅を一時的に広げるようにすることができる。この広げた開口部から上記保冷品を出し入れすることによって、その出し入れを一層スムーズなものとし得る。この連結部材として、例えば、蝶番を採用し得る。
また、この引き上げた前方棚を棚受け部材によって係止することで、この前方棚を手で支持する必要がない。このため、保冷品の出し入れを両手で行うことができ、出し入れのスムーズ性が一層向上するとともに、出し入れにおける安全性も向上する。
また、上記棚を前方棚と後方棚の2枚の棚で構成する際に、この2枚の棚のなす角度が自在に動き得るようにしてもよいが、上記両棚の連結部に、上記前方棚が上記後方棚に対し、上記前方棚を引き上げて係止した状態の角度以上に屈曲するのを阻止するストッパを設けるようにすることもできる。
棚を収納位置から水平位置(使用位置)に移動する際は、前方棚の前端(ぶら下がっている状態における下端)を持って、この棚を引き上げる。この時、上記連結部分が自在に角度変更し得ると、この前方棚を持ち上げた際に、この角度が大きくなるのみであって、後方棚を前方棚とともに引き上げることが難しい。このため、上記軸体のガイド孔内でのスムーズな動きが損なわれ、この後方棚の引き上げに余計な力が必要となる。
これに対し、上記ストッパを設けることで、前方棚が引き上げられて後方棚との間の角度が所定角度(例えば45度)になると、それ以上角度が大きくならず、その代わりに上記後方棚が引き上げられる。このため、上記軸体がガイド孔内でスムーズに前方に動き得る。このストッパとして、例えば、上記蝶番の閉方向に挟み込んだ小片等を採用し得る。
この発明によると、収納する保冷品の大きさに対応して、棚の高さを調節し得るようにしたので、保冷品を棚の下段にもスムーズに出し入れすることができる。
この発明に係る移動式保冷庫を図1に示す。この移動式保冷庫は、断熱体からなる箱体1の開口部に扉2を開閉自在に設けたものであって、この箱体1の底にキャスタ3を設け、この移動式保冷庫を自在に運搬し得るようにしている。また、庫内4の最上段に蓄冷棚5を設け、この蓄冷棚5に蓄冷剤6を収納し、この蓄冷剤6によって生じた冷気によってこの庫内4全体を冷却する。
上記冷気は、庫内4を上から下に向かって流動し、庫内4全体を冷却するところ、この庫内4に保冷品を収納することによって上記流動が遮られると、冷却効率が低下する恐れがある。そこで、庫内4の内壁7から突出してリブ8を設け、このリブ8によって上記保冷品が内壁7に近接するのを防止し、この内壁7に沿った冷気の流動を確保して、上記冷却効率を確保し得るようにしている。
この庫内4に設けた棚9は、前方棚9aと後方棚9bの2枚の棚で構成したものであって、両棚9a、9bは、前方棚9aの後端と、後方棚9bの前端において蝶番10によって連結している。この蝶番10には、図2に示すようにステンレスの丸棒からなるストッパ11が設けてあって、両棚9a、9bが0〜45度の範囲で角度変化し得るようにしている。これにより、後述する棚9の収納状態から使用状態への移動の際に、この移動をスムーズなものとすることができる。
また、この前方棚9aの両横側にフック12を設けるとともに、後方棚9bの後端よりも少し前方に軸体13を設け、この軸体13のさらに前方の両横側にもフック12を設ける。このフック12は、図3に示すように、前方棚9a及び後方棚9bの裏面側に設けるものであって、図4に示すように、孔開き基板14と、フック本体15と、溝付き緩衝材16を各棚9a、9bにねじ17でねじ止めする(同図(a)参照)。このフック本体15の一端にガイド部18を形成して、このガイド部18が孔開き基板14に形成した孔19内においてのみ、スライドし得るようにしている(同図(b)及び(c)参照)。
このフック本体15は、棚9の水平時において、真横よりも若干後方に傾いて設けてあり、これにより、棚9を収納した際に、フック本体15の自重によって、棚9からフック本体15が突出するのを防止して、この突出による庫内側壁の傷付きを防止し得る(図3参照)。
また、このフック本体15の先端に係止部20を形成し、この係止部20を、この庫内4の両側壁に前方棚9a及び後方棚9bを水平に保持するように設けた棚受け金具21に係止する。この棚受け金具21は、図5に示すように、屈曲させた板状部材の一部に係止孔22を形成したものであって、この係止孔22にフック本体15の係止部20を係止する。さらに、この棚受け金具21を庫内側壁に45度傾斜して設け、この傾斜した棚受け金具21で、前方棚9aを45度引き上げた際に、この前方棚9aを引き上げた状態のまま保持するようにしている。
さらに、棚受け金具21よりも庫内奥側の庫内両側壁に、後方棚9bに設けた軸体13を軸周りに回転自在に保持する軸受け金具23を設ける。この軸体13は、図6(a)に示すように軸体基部24の端部に形成したものであって、この軸体基部24は図3(c)に示したように、後方棚9bの裏面側角部に固定する。
また、軸受け金具23は、図6(b)に示すように、屈曲させた板状部材に、庫内側壁に設けた際に、後方に向かうほど下に傾斜するガイド孔25を形成するとともに、このガイド孔25の上側に、このガイド孔25とつながった軸通し孔26を形成したものである。この軸受け金具23に軸体13を設ける際は、まず、軸通し孔26に軸体13を挿し込み、次いで、挿し込んだ軸体13をガイド孔25に引き下ろす。この軸体13がガイド孔25内をスライドする際には、常にガイド孔25の下辺側に後方棚の荷重がかかった状態なので、棚9の収納・引き出しの際に、このガイド孔25から軸体13が外れてしまう恐れは低い。
この前方棚9a及び後方棚9bを収納した状態から、使用状態への両棚9a、9bの設置の手順を図7及び図8に示す。この収納状態において、両棚9a、9bは、後方棚9bに設けた軸体13が、軸受け金具23に形成したガイド孔25に係止されて、庫内背面側にぶら下がっている(図7(a)参照)。
まず、この前方棚9aを手で引き上げると、両棚9a、9bを連結する蝶番10が、その許容最大角度である45度まで角度変化し(同図(b)参照)、その最大角度に到達すると、前方棚9aの引き上げに連動して後方棚9bが徐々に持ち上がる(同図(c)参照)。この際、後方棚9bの後端側が、庫内背面側のリブ8に当接するとともに、軸体13が軸受け金具23のガイド孔25を前方にスライドする。
次に、この前方棚9a及び後方棚9bがともに水平状態となったら、この両棚9a、9bの両横側に設けたフック12を手で引き出して、フック本体15先端の係止部20を棚受け金具21の係止孔22に挿し込んで係止する(図8(a)参照)。
この両棚9a、9bを水平状態とした場合において、この棚9の下段に保冷品を出し入れする際は、前方棚9aのフック12を手で引き戻して棚受け金具21への係止を解除し、この前方棚9aを45度引き上げるとともに、傾斜して設けた棚受け金具21に係止し、この傾斜状態で保持する(同図(b)参照)。
また、図9に示すように、軸受け金具23のガイド孔25を前方に延長するとともに、ガイド孔25の前端位置に対応して、後方棚9bの軸体13を前方にずらすようにすることもできる。この場合、図7(a)に示した位置に軸体13を設けた時の棚9の下端と、庫内床面との隙間(同図のh1を参照)に比べて、その隙間(図9(b)のh2を参照)を広く確保することができる。このため、この隙間量に対応して、軸受け金具23の高さを変更することができ、この軸受け金具23及び棚受け金具21に係止する棚9の高さも変更し得る。
この実施形態においては、庫内4に棚9を1段のみ設けたが、庫内高さによっては、複数段の棚9を設けることもできる。また、棚9を3枚以上の棚から構成して、前側(扉側)の棚9を引き上げる際に、その引き上げを一層スムーズに行い得るようにすることもできる。
この発明に係る移動式保冷庫を示す側面断面図 前方棚と後方棚の連結部の要部拡大図であって、(a)は平面図、(b)は側面断面図 移動式保冷庫の棚を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は裏面図 フックを示す図であって、(a)は部品構成図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A断面図 棚受け金具を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面断面図 軸受け金具を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面断面図 棚の収納状態から使用状態への設置手順を示す側面断面図であって、(a)は棚の収納状態、(b)は前方棚を引き上げ始めた状態、(c)は前方棚とともに後方棚を引き上げ始めた状態 棚の収納状態から使用状態への設置手順を示す側面断面図であって、(a)は棚の使用状態、(b)は前方棚を引き上げて係止した状態 棚の他の実施形態を示す側面断面図であって、(a)は棚の使用状態、(b)は棚の収納状態 一般的な移動式保冷庫を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図
符号の説明
1 箱体
2 扉
3 キャスタ
4 庫内
5 蓄冷棚
6 蓄冷剤
7 内壁
8 リブ
9 棚
9a 前方棚
9b 後方棚
10 蝶番(連結部材)
11 ストッパ
12 フック
13 軸体
14 孔開き基板
15 フック本体
16 溝付き緩衝材
17 ねじ
18 ガイド部
19 孔
20 係止部
21 棚受け金具
22 係止孔
23 軸受け金具
24 軸体基部
25 ガイド孔
26 軸通し孔

Claims (3)

  1. 庫内側壁の最後部の両側に、庫内後方に向かって下に傾斜するガイド孔(25)を形成し、棚(9)の不使用時には、上記棚(9)の両側に設けた軸体(13)が上記ガイド孔(25)の後端に嵌りつつ、上記棚(9)の表面が上記庫内背面と平行に近付くように上記軸体(13)を上記ガイド孔(25)内で軸周りの一方向に回動して上記棚(9)を収納する一方、上記棚(9)の使用時には、上記軸体(13)が上記ガイド孔(25)を前方にスライドしつつ、上記棚(9)の表面が水平となるように上記軸体(13)を上記ガイド孔(25)内で軸周りの他方向に回動するとともに、上記棚(9)の上記軸体(13)よりも前方の横側を、上記庫内側壁に設けた棚受け部材(21)に係止して、上記棚(9)の水平を確保するようにした移動式保冷庫。
  2. 上記棚(9)が、前方棚(9a)と後方棚(9b)の2枚の棚からなり、この2枚の棚(9a、9b)は、上記前方棚(9a)の後端と上記後方棚(9b)の前端とを相互に角度変更自在に連結したものであって、上記軸体(13)を上記後方棚(9b)の両側後方に設けるとともに、上記後方棚(9b)の上記軸体(13)よりも前方の横側にフック(12)を設け、このフック(12)を上記庫内側壁に設けた棚受け部材(21)に係止しつつ、上記前方棚(9a)にもその横側にフック(12)を設け、このフック(12)を上記庫内側壁に設けた他の棚受け部材(21)に係止して、上記両棚(9a、9b)の収納及び水平の確保を行うようにした一方で、上記後方棚(9b)の水平を保ちつつ、上記前方棚(9a)を上方に引き上げた際に、この前方棚(9a)を引き上げた状態に係止する棚受け部材(21)を上記庫内側壁に設け、上記前方棚(9a)に設けたフック(12)を、上記前方棚(9a)を引き上げた状態に係止する棚受け部材(21)に係止するようにした請求項1に記載の移動式保冷庫。
  3. 上記前方棚(9a)と後方棚(9b)の連結部(10)に、上記前方棚(9a)が上記後方棚(9b)に対し、上記前方棚(9a)を引き上げて係止した状態の角度以上に屈曲するのを阻止するストッパ(11)を設けた請求項2に記載の移動式保冷庫。
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