WO2014207862A1

WO2014207862A1 - 冷蔵庫

Info

Publication number: WO2014207862A1
Application number: PCT/JP2013/067654
Authority: WO
Inventors: 孝小川; 悟史新井; 敬春日
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2013-06-27
Filing date: 2013-06-27
Publication date: 2014-12-31
Also published as: CN105339746A; JPWO2014207862A1; TW201500707A

Abstract

　冷蔵庫内において、載置面の庫内後方端部から立ち上がる立ち面４１１と載置面において庫内奥行き方向に長いスリット状の開口部４１２とを備えた棚板４１を、庫内前方に設けられた前方支持部４２１と庫内後方に設けられた切り欠部４２３を有する後方支持部４２２とで支持する。立ち面４１１の立ち上がり部を切り欠部４２３に差し込み、棚板４１を前方傾斜支持部として機能する前方支持部４２１により支持して傾斜させると、開口部４１２は風路かつ被収納物の転倒防止機構として働く。

Description

冷蔵庫

　本発明は、冷蔵庫に関するものであり、特に庫内で飲料のボトル等を収納するための構成に関するものである。

　例えば、特許文献１には、ワイン等のボトルを寝かせて載置するボトル収納棚を備え、このボトル収納棚を水平、前下がりのいずれにも調整可能とすることで、ワイン等のボトルの収納状態を水平、前下がりのいずれにも調整可能とした冷蔵庫が開示されている。
　また、特許文献２には、設けられた商品陳列棚において傾斜状態と水平状態とを切換えて使用可能としたショーケースが開示されている。
　また、特許文献３には、棚板を取り外ししやすくするために、棚板を支持するレールの中間部に切欠きを設けた冷蔵庫が開示されている。

特開２０１１―１６３５７８号公報特開２００４―１４７８４９号公報特開２００８―５１４８３号公報

　従来の一般的な冷蔵庫においては、庫内に飲料のボトルやパック等の長い容器を保冷する場合、収納先は主にドアポケットに限られ、ドアポケットの収納スペースを越えるボトルは収納が難しい。
　ドアポケットでなく、庫内の棚板でボトルを収納する場合は、ボトルを倒して寝かせた状態で収納する必要があるため、開封した牛乳等の紙パック容器は収納することができない。また、奥行きが浅い冷蔵庫では、１．５Ｌ等の高さがあるボトルは棚板からはみ出してしまい、収納することができない。
　このため、棚板での収納スペースは空いているものの、飲料のボトルやパック等が保存できるドアポケットは一杯になっているという状況が生じ、庫内を有効に使えないという課題があった。

　一方、従来のワインセラー等にみられるボトル収納専用の庫内とすると、ボトル以外の収納が難しいため汎用性が無く、使い勝手が悪くなるという課題があった。
　庫内の棚板を上記特許文献に開示される手法で傾斜させた場合は、庫内奥面から搬送される冷気が庫内手前まで届かず、傾斜させた各棚板の底部に留まってしまい、効果的に冷却できなくなるという課題があった。

　本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、冷却性能を損なわずに、庫内をボトル保存が容易な形態へ必要に応じて変更できる冷蔵庫を得ることを目的とする。

　この発明に係る冷蔵庫は、庫内に棚板と棚板を支持する支持部とを備える冷蔵庫であって、棚板は、載置面において開口部を備え、支持部は、庫内後方に設けられた後方支持部と、棚板を水平に支持するように庫内前方に設けられた前方水平支持部と、被収納物を庫内後方に傾斜させるように、庫内前方に設けられて棚板を支持する前方傾斜支持部とを備えることを特徴とするものである。

　この発明によれば、冷却性能を損なわずに、庫内をボトル保存が容易な形態へ必要に応じて変更できる冷蔵庫を得ることができる。

本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の側面方向からみた断面図である。（ａ）は本発明の実施の形態１に係る棚板と支持部の斜視図、（ｂ）は棚板の平面図と側面図、（ｃ）は支持部で棚板を支持する様子を示す図である。本発明の実施の形態１に係る棚板を傾斜させるときの動作を示す図である。本発明の実施の形態１に係る棚板を傾斜させたときの要部断面図である。（ａ）は本発明の実施の形態２に係る棚板の斜視図、（ｂ）は棚板の平面図、（ｃ）は切り欠部４１５の断面拡大図である。本発明の実施の形態２に係る棚板を傾斜させるときの動作を示す図である。本発明の実施の形態２に係る棚板を傾斜させたときの要部断面図である。（ａ）は本発明の実施の形態３に係る棚板の斜視図、（ｂ）は棚板の平面図、（ｃ）は支持部で棚板を支持する様子を示す図である。本発明の実施の形態３に係る棚板を傾斜させるときの動作を示す図である。本発明の実施の形態３に係る棚板を傾斜させたときの要部断面図である。（ａ）は本発明の実施の形態４に係る棚板と支持部の斜視図、（ｂ）は棚板の平面図と側面図である。本発明の実施の形態４に係るロック機構の詳細を示す図である。本発明の実施の形態４に係る棚板を傾斜させるときの動作を示す図である。（ａ）は本発明の実施の形態５に係る棚板と取付穴の斜視図、（ｂ）は棚板の平面図である。本発明の実施の形態５に係る棚板を傾斜させるときの動作を示す図である。本発明の実施の形態６に係る棚板の斜視図である。（ａ）は本発明の実施の形態７に係るトレイにおいて被収納物の収納状態を水平とする状態、（ｂ）は被収納物の収納状態を傾斜させる状態を示す図である。

　以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態１．
　図１に、本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の側面方向からみた断面図を示す。本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫は、一面（前面）が開口した箱型の本体１内に、複数に区画された貯蔵庫を備えている。
　これら複数に区画された貯蔵庫は、上部より、例えば冷凍室として利用される貯蔵庫２、例えば製氷室として利用される貯蔵庫３、冷蔵室として利用される貯蔵庫４、例えば野菜室として利用される貯蔵庫５である。貯蔵庫２と貯蔵庫３との間は壁１ａで、貯蔵庫３と貯蔵庫４との間は壁１ｂで、貯蔵庫４と貯蔵庫５との間は壁１ｃでそれぞれ仕切られる。

　貯蔵庫２の前面開口部には扉１ｄが、貯蔵庫３の前面開口部には扉１ｅが、貯蔵庫４の前面開口部には扉１ｆがそれぞれ備えられる。扉１ｄ～１ｆは、ヒンジ等により回動可能に備えられる。尚、上記は３つのドアから構成されるよう説明したが、１つでもよいし、２つ、または４つ以上で構成させてもよい。また、貯蔵庫５には上部が開口した箱型の引き出し１ｇが備えられ、スライド式に引出し・収納が可能となっている。なお、各貯蔵庫の設置位置の関係、扉による開閉構造とするか引き出しによる開閉構造とするかは、図１に示すものに限られず、適宜選択してよい。

　本体１には、冷却器、ファン及び圧縮機（いずれも図示せず）が備えられ、冷却器で冷却された空気が本体１背面に備えらえた風路６を通って、吹き出し口１ｈから各貯蔵庫へと送られる。図１中の矢印は、冷却された空気が吹き出し口１ｈから吹き出される様子を示す。

　貯蔵庫４には、庫内に棚板４１と支持部４２がそれぞれ複数備えられる。図１においては３段構成としたが、何段に構成してもよい。
　図２に、棚板４１と支持部４２の詳細を示す。図２（ａ）は棚板４１と支持部４２の斜視図、（ｂ）は棚板４１の平面図と側面図、（ｃ）は支持部４２で棚板４１を支持する様子を示している。

　棚板４１は、四角形の板状部材において、ボトル等の被収納物が置かれる載置面から立ち上がる立ち面４１１を備えた、断面略Ｌ字型の部材であり、載置面において開口部４１２を複数備えている。開口部４１２は、立ち面４１１が立ち上がる端部から、該端部と対向する端部へ向かう方向に長くなるスリット状に形成される。

　支持部４２は、それぞれ断面略長方形の棒状の部材である前方支持部４２１と後方支持部４２２とに分割され、前方支持部４２１と後方支持部４２２は、それぞれ一面が貯蔵庫４の側面内壁に配置される。前方支持部４２１は庫内前方（扉１ｆ側）に、後方支持部４２２は庫内後方（吹き出し口１ｈ側）に備えられる。つまり、前方支持部４２１は後方支持部４２２よりも庫内前方（扉１ｆ側）に備えられる。なお、このとき、前方支持部４２１と後方支持部４２２の配置後の上面が水平高さ同じになるように備えられる。
　前方支持部４２１と後方支持部４２２はそれぞれ、左右両側面において同じ高さで備えられ、水平高さ同じに備えられた２つの前方支持部４２１と２つの後方支持部４２２とを一組として、上下方向に複数組並べて貯蔵庫４の側面内壁に備えられる。

　後方支持部４２２には切り欠部４２３が備えられる。
　切り欠部４２３は、図２（ｃ）に示すように、前方支持部４２１と該前方支持部４２１の下方に備えられた後方支持部４２２とで棚板４１を傾斜させて支持する際に、立ち面４１１の立ち上がり部が引っ掛かることで、棚板４１の傾斜角度を固定する。従って切り欠部４２３は、図２（ｃ）のように棚板４１の傾きが安定する形状に適宜形成される。
　なお、最下段の支持部４２は、前方支持部４２１と後方支持部４２２とに分割する必要はなく、切り欠部４２３を後方に備えていればよい。
　また、前方支持部４２１の棚板４１との当接部分が面となるように、図２（ｃ）のように棚板４１の傾斜に沿った角度で先細りするように前方支持部４２１を設計してもよい。

　次に、支持部４２により棚板４１が水平に支持されている状態から、棚板４１を傾斜させた状態で支持部４２により支持させるときの動作について説明する。
　図３（ａ）に、支持部４２により棚板４１が水平に支持されている状態を示す。
　上記したように、貯蔵庫４の側面内壁には、上面の水平高さが同じになるように備えられた２つの前方支持部４２１と２つの後方支持部４２２の組が、複数組備えられている。
　このように備えられた支持部４２の上面で棚板４１の底面を支持する。このとき、棚板４１は、立ち面４１１が庫内奥方向に位置するように設置され、開口部４１２は奥行き方向に長くなる。
　なお、このように、庫内前方に設けられて、棚板４１を水平に支持している前方支持部４２１のような支持部を、前方水平支持部と呼ぶ。

　図３（ｂ）は、（ａ）の状態から棚板４１を支持部４２から取り外すときを示しており、図中矢印の方向（貯蔵庫４内の奥から手前方向）へ棚板４１を引き出す。
　続いて、図３（ｃ）に示すように、取り外した棚板４１の立ち面４１１の立ち上がり部を後方支持部４２２の切り欠部４２３に差し込むとともに、該後方支持部４２２よりも上方に備えられた前方支持部４２１に、取り外した棚板４１の前方部分（載置面において立ち面４１１が立ち上がる端部に対向する端部の周辺）を支持させる。これにより、棚板４１が庫内の奥へと傾斜した状態で支持される。
　なお、このように、庫内前方に設けられて、被収納物を庫内後方に傾斜させるように、棚板４１を支持している前方支持部４２１のような支持部を、前方傾斜支持部と呼ぶ。

　図４に、棚板４１を傾斜させたときの貯蔵庫４の要部断面図を示す。
　ボトルを棚板４１上で傾斜させた状態で収納することができ、ボトルを水平に倒したときよりも、収納に必要な奥行き方向のスペースを小さくすることができるので、ドアポケットでなく、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納できる。特に、元々庫内の奥行きが浅い冷蔵庫であれば、そもそも棚板４１では収納できなかったボトルを収納できる。
　また、開口部４１２を備えることにより、棚板４１が傾斜状態になっても、吹き出し口１ｈから吹き出す冷気が、遮られることなく貯蔵庫４内の手前まで届き、冷却性能が損なわれない。さらに、開口部４１２は奥行き方向に長く、棚板４１に置かれるボトルの軸方向と平行になるので、傾斜状態のボトルが転倒するのを防止することができる。

　以上のように、この実施の形態１によれば、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納することができる。また、ボトルの収納、取り出し作業が容易にできる。
　また、開口部４１２により冷却風路を確保して通常と変わらない冷却性能を保持すると共に、保存中にボトルが倒れることを防止できる。
　また、可動部を必要としないため、低コストであり、かつ、高い堅牢性を持つ。

実施の形態２．
　図５に、本発明の実施の形態２に係る冷蔵庫の貯蔵庫４に備えられる棚板４１の詳細を示す。この実施の形態２は、棚板４１と支持部４２においてのみ実施の形態１と異なるので、棚板４１と支持部４２以外の構成については適宜説明を省略する。
　図５（ａ）は棚板４１の斜視図、（ｂ）は棚板４１の平面図、（ｃ）は切り欠部４１５の断面拡大図を示している。

　棚板４１は、上板４１３と下板４１４とを備え、さらに上板４１３は前方上板４１３ａと後方上板４１３ｂとを備える。
　上板４１３と下板４１４は同程度の大きさの四角形の板状部材であり、お互いの端部同士がヒンジ等によって回動可能に支持される。下板４１４とヒンジ等によって回動可能に支持されるのが上板４１３の後方上板４１３ｂであり、この後方上板４１３ｂと前方上板４１３ａはヒンジ等によって回動可能に支持され、その回動軸は、上板４１３と下板４１４の回動軸と平行となる。

　前方上板４１３ａには開口部４１２ａが、後方上板４１３ｂには開口部４１２ｂがそれぞれ備えられ、開口部４１２ｂは、後方上板４１３ｂと下板４１４との回動支持部から後方上板４１３ｂと前方上板４１３ａとの回動支持部へ向かう方向に長くなるスリット状に形成される。開口部４１２ａは、開口部４１２ｂを長さ方向に延伸した位置に形成される。

　下板４１４は、上板４１３と触れる一面（上面）において、複数の溝状の切り欠部４１５を備える。切り欠部４１５は、図５（ｃ）に示すように、後方上板４１３ｂと前方上板４１３ａとを回動させたときに、前方上板４１３ａにおいて回動軸に対向する方向の端部を引っ掛けて支持することで、上板４１３の傾斜角度を固定する。切り欠部４１５は、溝状に平行に複数備えられているため、傾斜角度の調整が可能である。

　次に、棚板４１が水平に支持されている状態から、棚板４１の上板４１３を持ち上げて、後方上板４１３ｂを傾斜させた状態にさせるときの動作について説明する。
　図６（ａ）に、支持部４２により棚板４１が水平に支持されている状態を示す。なお、この実施の形態２での支持部４２は、通常の冷蔵庫に備えられているような棚板の支持部、例えば一面が貯蔵庫４内の側面内壁に配置された棒状の部材でよく、実施の形態１の支持部４２のように分割したり、切り欠を備える必要はない。支持部４２は、後方支持部であるとともに、棚板４１を水平に支持する前方水平支持部でもある。
　このとき、棚板４１は、前方上板４１３ａが庫内手前方向に、後方上板４１３ｂが庫内奥方向に位置するように設置され、切り欠部４１５は庫内幅方向の溝となり、開口部４１２ｂは奥行き方向に長くなる。

　図６（ｂ）は、（ａ）の状態から上板４１３を図中矢印の方向に持ち上げた状態である。
　続いて、図６（ｃ）に示すように、前方上板４１３ａを折り曲げて、下板４１４の切り欠部４１５に引っ掛ける。これにより、後方上板４１３ｂが庫内の奥へと傾斜した状態で支持される。このように後方上板４１３ｂを庫内後方に傾斜させて支持する切り欠部４１５は、庫内前方に設けられた前方傾斜支持部であるといえる。

　図７に、後方上板４１３ｂを傾斜させたときの貯蔵庫４の要部断面図を示す。
　ボトルを後方上板４１３ｂ上で傾斜させた状態で収納することができ、ボトルを水平に倒したときよりも、収納に必要な奥行き方向のスペースを小さくすることができるので、ドアポケットでなく、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納できる。特に、元々庫内の奥行きが浅い冷蔵庫であれば、そもそも棚板４１では収納できなかったボトルを収納できる。
　また、開口部４１２ａ、４１２ｂを備えることにより、上板４１３が傾斜状態になっても、吹き出し口１ｈから吹き出す冷気が、遮られることなく貯蔵庫４内の手前まで届き、冷却性能が損なわれない。さらに、開口部４１２ｂは奥行き方向に長く、上板４１３に置かれるボトルの軸方向と平行になるので、傾斜状態のボトルが転倒するのを防止することができる。

　以上のように、この実施の形態２によれば、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納することができる。また、ボトルの収納、取り出し作業が容易にできる。
　また、開口部４１２ａ、４１２ｂにより冷却風路を確保して通常と変わらない冷却性能を保持すると共に、保存中にボトルが倒れることを防止できる。
　また、実施の形態１と比較すると、通常の冷蔵庫に備えられている既存の支持部を利用できるために汎用性が高く、棚板４１を取り外して棚位置を変更する必要がないため変形が容易であり、下板４１４には開口部を設けないので棚板４１上で水物がこぼれても下段に水漏れしないという効果がある。

実施の形態３．
　図８に、本発明の実施の形態３に係る冷蔵庫の貯蔵庫４に備えられる棚板４１と支持部４２の詳細を示す。この実施の形態３は、棚板４１と支持部４２においてのみ実施の形態１と異なるので、棚板４１と支持部４２以外の構成については適宜説明を省略する。
　図８（ａ）は棚板４１の斜視図、（ｂ）は棚板４１の平面図、（ｃ）は支持部４２で棚板４１を支持する様子を示している。

　棚板４１は、上板４１３と下板４１４とを備え、さらに上板４１３は開口部４１６と係合部４１８とを備える。
　上板４１３は、四角形の板状部材を端面が波形となるように一部くり抜いて開口部４１６を設けたものである。また、くり抜くことで開口部４１６の両側面に形成される端部４１７の先端には、係合部４１８が備えられる。係合部４１８は、例えば棒状の部材である。
　下板４１４は、四角形の板状部材であり、両端に係合部４１８と係合する被係合部４１９が備えらえる。被係合部４１９は例えば複数の溝である。また、下板４１４は、中央部が開口部４１６の形状で盛り上がっている。これは、後述するような棚板４１全体が水平に支持される状態において、載置面となる棚板４１の上面に段差が生じることがないようにするためである。

　支持部４２は、通常支持部４２４とボトル収納用支持部４２５とを備える。通常支持部４２４は、一面が貯蔵庫４内の側面内壁後方に配置された棒状の部材であり、両側面で同じ高さに複数段備えられる。ボトル収納用支持部４２５は、一面が貯蔵庫４内の側面内壁前方に配置された短い棒状の部材であり、両側面で同じ高さに複数段備えられる。
　最下段のボトル収納用支持部４２５は、貯蔵庫４内の側面内壁前方に、最下段の通常支持部４２４と次段の通常支持部４２４との間に備えられる。同様に、下からＮ段目（Ｎは１以上の自然数）のボトル収納用支持部４２５は、下からＮ段目の通常支持部４２４と下から（Ｎ＋１）段目の通常支持部４２４との間に備えられる。

　図８（ｃ）に示すように、上板４１３は、ボトル収納用支持部４２５に支持されることで庫内の奥へと傾斜した状態になる。このとき、係合部４１８を被係合部４１９の複数の溝のうちどの位置で係合させるかにより、傾斜角度の調整が可能である。

　次に、棚板４１が水平に支持されている状態から、棚板４１の上板４１３を持ち上げて、上板４１３を傾斜させた状態にさせるときの動作について説明する。
　図９（ａ）に、下からＮ段目の通常支持部４２４により棚板４１が水平に支持されている状態を示す。通常支持部４２４は、後方支持部であるとともに、棚板４１を水平に支持する前方水平支持部でもある。
　このとき、棚板４１は、開口部４１６と端部４１７が、庫内後方に位置するように設置される。

　図９（ｂ）は、（ａ）の状態から上板４１３を図中矢印の方向に持ち上げた状態である。
　続いて、図９（ｃ）に示すように、上板４１３の係合部４１８を下板４１４の被係合部４１９に係合させることで上板４１３の傾斜角度を調整しつつ、下からＮ段目の通常支持部４２４と下から（Ｎ＋１）段目の通常支持部４２４との間に備えられたボトル収納用支持部４２５に上板４１３の庫内手前部分を支持させる。これにより、上板４１３が庫内の奥へと傾斜した状態で支持される。このように上板４１３を庫内後方に傾斜させて支持するボトル収納用支持部４２５は、庫内前方に設けられた前方傾斜支持部であるといえる。

　図１０に、上板４１３を傾斜させたときの貯蔵庫４の要部断面図を示す。
　ボトルを上板４１３上で傾斜させた状態で収納することができ、ボトルを水平に倒したときよりも、収納に必要な奥行き方向のスペースを小さくすることができるので、ドアポケットでなく、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納できる。特に、元々庫内の奥行きが浅い冷蔵庫であれば、そもそも棚板４１では収納できなかったボトルを収納できる。
　また、開口部４１６により、上板４１３が傾斜したときに上板４１３と下板４１４との間に庫内前後方向に抜ける空間が形成されるので、上板４１３が傾斜状態になっても、吹き出し口１ｈから吹き出す冷気が、遮られることなく貯蔵庫４内の手前まで届き、冷却性能が損なわれない。

　以上のように、この実施の形態３によれば、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納することができる。また、ボトルの収納、取り出し作業が容易にできる。
　また、開口部４１６により冷却風路を確保して通常と変わらない冷却性能を保持することができる。
　また、実施の形態１と比較すると、上板４１３を水平状態にしているときは開口部４１６が塞がれるので棚板４１上で水物がこぼれても下段に水漏れしない、上板４１３を動かすだけでよく棚板４１全てを動かす必要がないため変形が容易であるという効果がある。

実施の形態４．
　図１１に、本発明の実施の形態４に係る冷蔵庫の貯蔵庫４に備えられる棚板４１と支持部４２の詳細を示す。
　この実施の形態４は、実施の形態１の棚板４１において、立ち面４１１が立ち上がる端部と交差する２つの側方端部それぞれにおいてロック機構４２０を備えるものである。
　また、この実施の形態４は、実施の形態１の前方支持部４２１に代えて、取付穴４２６を備えるものである。

　図１１（ａ）は棚板４１と支持部４２の斜視図、（ｂ）は棚板４１の平面図と側面図、を示している。
　既に説明したように、棚板４１は実施の形態１で示した立ち面４１１、開口部４１２に加えて、ロック機構４２０を備える断面略Ｌ字型の板状部材である。

　支持部４２は、取付穴４２６と実施の形態１で示した後方支持部４２２とを備える。
　取付穴４２６は、貯蔵庫４の側面内壁に設けられる凹部であり、後方支持部４２２よりも庫内前方（扉１ｆ側）に、円弧状に複数備えられる。

　図１２に、ロック機構４２０の詳細を示す。
　ロック機構４２０は、取付穴４２６に係合する凸部を備え、この凸部の突出と突出解除とを切り替え可能とする機構である。ロック機構４２０は、例えば図１２に示すようにロックピン４２０ａ、ツマミ４２０ｂ、突出しバネ４２０ｃを備える。
　ロックピン４２０ａとツマミ４２０ｂとは一体的に形成されて、突出しバネ４２０ｃは一端が棚板４１の固定された部位に、他端が一体的に形成されたロックピン４２０ａとツマミ４２０ｂに対向する。

　図１２（ａ）は、突出しバネ４２０ｃが自然長の状態であり、ロックピン４２０ａが突出している状態を示すものである。この突出したロックピン４２０ａが取付穴４２６に係合することで棚板４１が支持される。一方、図１２（ｂ）に示すように、図中の矢印方向に力を加えてツマミ４２０ｂをスライドさせると、ロックピン４２０ａも一体的にスライドし、突出しバネ４２０ｃは縮んで、ロックピン４２０ａの突出が解除される。
　図１２（ｂ）中の矢印方向に加えた力を解除すると、突出しバネ４２０ｃが反動で伸びてロックピン４２０ａとツマミ４２０ｂとを矢印と逆方向にスライドさせ、再度図１２（ａ）の状態に戻る。

　次に、図１３を用いて支持部４２により棚板４１が水平に支持されている状態から、棚板４１を傾斜させた状態で支持部４２により支持させるときの動作について説明する。
　棚板４１を水平に支持させるときは、棚板４１を支持する後方支持部４２２と同じ高さ周辺に円弧状に複数備えられている取付穴４２６のうち両側面１つずつとロックピン４２０ａとを係合させる。棚板４１を支持部４２で支持させたとき、ロック機構４２０は、棚板４１の庫内側方端部の庫内前方に左右１つずつ位置する。
　この状態から、ツマミ４２０ｂをスライドさせてロックピン４２０ａの突出を解除し、棚板４１を持ち上げる。

　そして、棚板４１を水平に維持していた取付穴４２６よりも上方に複数円弧状に備えられた取付穴４２６のうち任意の１つの穴の位置でロックピン４２０ａを突出させ、両者を係合させて支持させる。このとき、実施の形態１と同じく、立ち面４１１の立ち上がり部は、後方支持部４２２の切り欠部４２３に差し込まれる。これにより、棚板４１が庫内の奥へと傾斜した状態で支持される。
　つまり、庫内前方に設けられた取付穴４２６は、棚板４１を水平に支持する前方水平支持部であるとともに、被収納物を庫内後方に傾斜させるように、棚板４１を支持する前方傾斜支持部でもある。
　取付穴４２６は円弧状に複数備えられており、ロックピン４２０ａと係合させる穴によって棚板４１の傾斜角度を任意に調整することができる。

　以上のように、この実施の形態４によれば、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納することができる。また、ボトルの収納、取り出し作業が容易にできる。
　また、開口部４１２により冷却風路を確保して通常と変わらない冷却性能を保持すると共に、保存中にボトルが倒れることを防止できる。
　また、実施の形態１と比較すると、棚板４１を取り外して棚位置を変更する必要がないため変形が容易であり、棚板４１の傾斜角度の調整が可能になるという効果がある。

実施の形態５．
　図１４に、本発明の実施の形態５に係る冷蔵庫の貯蔵庫４に備えられる棚板４１と支持部４２の詳細を示す。
　この実施の形態５は、実施の形態３の棚板４１において、上板４１３の側方端部つまり波形の端部に対向する端部と交差する端部において実施の形態４で示したロック機構４２０を両端に備えるものである。
　また、この実施の形態５は、実施の形態３のボトル収納用支持部４２５に代えて、実施の形態４で示した取付穴４２６を備えるものである。

　図１４（ａ）は棚板４１と取付穴４２６の斜視図、（ｂ）は棚板４１の平面図を示している。
　既に説明したように、棚板４１は実施の形態３で示した上板４１３に、ロック機構４２０を備えたものである。

　支持部４２は、取付穴４２６と実施の形態３で示した通常支持部４２４とを備える。
　取付穴４２６は、実施の形態４で示したように、貯蔵庫４の側面内壁に設けられる凹部であり、円弧状に複数備えられる。なお、実施の形態３で示したボトル収納用支持部４２５と同じく、下からＮ段目の取付穴４２６は、下からＮ段目の通常支持部４２４と下から（Ｎ＋１）段目の通常支持部４２４との間に備えられる。

　次に、図１５を用いて支持部４２により棚板４１が水平に支持されている状態から、上板４１３を傾斜させた状態で支持部４２により支持させるときの動作について説明する。
　棚板４１を水平に支持させるときは、棚板４１を通常支持部４２４のみで支持する。このとき、ロック機構４２０は、上板４１３の庫内側方端部の庫内前方に左右１つずつ位置する。通常支持部４２４は、後方支持部であるとともに、棚板４１を水平に支持する前方水平支持部でもある。
　この状態から、上板４１３を持ち上げて、ツマミ４２０ｂをスライドさせてロックピン４２０ａの突出を解除する。
　続いて、上板４１３の係合部４１８を下板４１４の被係合部４１９に係合させつつ、棚板４１を水平状態に支持していた通常支持部４２４より上方の取付穴４２６のうち任意の１つの穴の位置でロックピン４２０ａを突出させ、両者を係合させて支持させる。これにより、上板４１３が庫内の奥へと傾斜した状態で支持される。このように上板４１３を庫内後方に傾斜させて支持する取付穴４２６は、庫内前方に設けられた前方傾斜支持部であるといえる。

　以上のように、この実施の形態５によれば、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納することができる。また、ボトルの収納、取り出し作業が容易にできる。
　また、冷却風路を確保して通常と変わらない冷却性能を保持することができる。
　また、実施の形態１と比較すると、上板４１３を水平状態にしているときは上板４１３の開口部４１６が塞がれるので棚板４１上で水物がこぼれても下段に水漏れしない、上板４１３を動かすだけでよく棚板４１全てを動かす必要がないため変形が容易である、傾斜角度の調整が可能になるという効果がある。

実施の形態６．
　図１６に、本発明の実施の形態６に係る冷蔵庫の貯蔵庫４に備えられる棚板４１の斜視図を示す。
　棚板４１は、四角形の板状部材であり、凹部４３と、湾曲部材４４とを備える。
　湾曲部材４４は、直線状の２つの支柱４４１と波形に湾曲した湾曲部４４２とが一体的に形成された部材であり、棚板４１の側面においてヒンジ等により両端が回動可能に支持されて備えられる。湾曲部材４４の回動軸が、貯蔵庫４の庫内幅方向と平行になるように、また、湾曲部材４４が庫内前方に配置されるように、棚板４１は支持部４２に設置される。

　図１６では、湾曲部材４４を倒したときの状態を下段の棚板４１に示している。凹部４３は、棚板４１の上面において、貯蔵庫４の幅方向に長く形成された凹部であり、湾曲部材４４を回動して倒すと、湾曲部材４４が収納される。
　一方、湾曲部材４４を起こしたときの状態を上段の棚板４１に示している。図１６中矢印の方向（庫内幅方向回り）に回動させることで湾曲部材４４は起き上がる。湾曲部材４４は、周知の技術により、任意の角度にて固定が可能なように設置される。

　湾曲部材４４は波形に湾曲しており、ボトルを湾曲部材４４により傾斜した状態で載置させたときに、ボトルの転倒防止機構として働く。また、湾曲部材４４を起こしたとき、湾曲部材４４と棚板４１上面との間には空間が確保されることから、吹き出し口１ｈから吹き出す冷気が、遮られることなく貯蔵庫４内の手前まで届き、冷却性能が損なわれない。ボトルが傾斜状態で載置される湾曲部材４４は、載置面ということができ、従って、湾曲部材４４と棚板４１上面との間に確保される空間は、載置面における開口部ということができる。
　また、被収納物を庫内後方に傾斜させるように、棚板４１が有する湾曲部材４４を支持するヒンジ等は、前方傾斜支持部であるといえる。

　なお、湾曲部材４４は、ワイヤー等の金属素材を棒状、線状に形成して実現してもよいし、ボトルを保持できるのであれば金属以外のプラスチック成型等としてもよい。
　また、この実施の形態６での支持部４２は、通常の冷蔵庫に備えられているような棚板の支持部、例えば一面が貯蔵庫４内の側面内壁に配置された棒状の部材でよく、実施の形態１の支持部４２のように分割したり、切り欠を備える必要はない。支持部４２は、後方支持部であるとともに、棚板４１を水平に支持する前方水平支持部でもある。

　以上のように、この実施の形態６によれば、貯蔵庫４内の棚板４１でも有効にボトルを収納することができる。また、ボトルの収納、取り出し作業が容易にできる。
　また、冷却風路を確保して通常と変わらない冷却性能を保持すると共に、波形の湾曲部材４４により保存中にボトルが倒れることを防止できる。
　また、実施の形態１と比較すると、湾曲部材４４と棚板４１上面との間に形成される空間以外には開口部がないので棚板４１上で水物がこぼれても下段に水漏れしない、湾曲部材４４を動かすだけでよく棚板４１全てを動かす必要がないため変形が容易である、ワイヤーの使用により安価に実現可能であるという効果がある。

実施の形態７．
　この実施の形態７では、実施の形態１～６で示したボトルを棚板４１で傾斜状態にする各構成を、図１の貯蔵庫５のようなスライド式の引出し式貯蔵庫に適したトレイ型に展開したものである。

　図１７に、引出し式の貯蔵庫５に備えられたトレイ５１に、実施の形態３で示した棚板４１を配置したものを示す。トレイ５１は、一面（上面）が開口した箱型の容器である。図１７（ａ）では、上板４１３は水平状態にある。
　図１７（ｂ）は、実施の形態３で示した動作と同様の動作で上板４１３を傾斜させた状態のものである。このとき、トレイ５１の底面は通常支持部４２４に、トレイ５１の前面の上端部はボトル収納用支持部４２５にそれぞれ対応する。なお、トレイ５１内部の側面に、通常支持部４２４、ボトル収納用支持部４２５を別途備えてもよい。
　また、図１７では、実施の形態３の構成をトレイ型に展開したものを示したが、実施の形態３以外の実施の形態の構成をトレイ型に展開してもよいのは、既に述べたとおりである。

　以上のように、この実施の形態７によれば、引出し式の貯蔵庫５においても、実施の形態１～６で示した効果を得ることができる。

　なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

　以上のように、この発明に係る冷蔵庫は、冷却性能を損なわずに、庫内をボトル保存が容易な形態へ必要に応じて変更できるため、庫内で飲料のボトル等を収納するために用いるのに適している。

　１　本体、１ａ～１ｃ　壁、１ｄ～１ｆ　扉、１ｇ　引き出し、１ｈ　吹き出し口、２～５　貯蔵庫、６　風路、４１　棚板、４２　支持部、４３　凹部、４４　湾曲部材、５１　トレイ、４１１　立ち面、４１２　開口部、４１２ａ　開口部、４１２ｂ　開口部、４１３　上板、４１３ａ　前方上板、４１３ｂ　後方上板、４１４　下板、４１５　切り欠部、４１６　開口部、４１７　端部、４１８　係合部、４１９　被係合部、４２０　ロック機構、４２０ａ　ロックピン、４２０ｂ　ツマミ、４２０ｃ　突出しバネ、４２１　前方支持部、４２２　後方支持部、４２３　切り欠部、４２４　通常支持部、４２５　ボトル収納用支持部、４２６　取付穴、４４１　支柱、４４２　湾曲部。

Claims

　庫内に棚板と前記棚板を支持する支持部とを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板は、
　載置面において開口部を備え、
　前記支持部は、
　庫内後方に設けられた後方支持部と、
　前記棚板を水平に支持するように庫内前方に設けられた前方水平支持部と、
　被収納物を庫内後方に傾斜させるように、庫内前方に設けられて前記棚板を支持する前方傾斜支持部とを備えることを特徴とする冷蔵庫。
　前記棚板は、
　庫内後方に前記開口部を有して、前記開口部の両側面で庫内後方側に係合部を備える上板と、
　前記係合部と係合する複数の被係合部を備える下板とを備え、
　前記前方傾斜支持部は、
　前記上板を庫内後方に傾斜させて支持するように設けられたことを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
　前記棚板は、
　庫内側方端部の庫内前方に、凸部を備えるロック機構を備え、
　前記前方傾斜支持部は、
　庫内側面に円弧状に複数設けられた取付穴であることを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
　前記上板は、
　庫内側方端部の庫内前方に、凸部を備えるロック機構を備え、
　前記前方傾斜支持部は、
　庫内側面に円弧状に複数設けられた取付穴であることを特徴とする請求項２記載の冷蔵庫。
　前記棚板は、
　前記載置面の庫内後方端部から立ち上がる立ち面を備え、
　前記開口部は、
　庫内奥行き方向に長いスリット状であり、
　前記後方支持部は、
　切り欠部を備えることを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
　前記棚板は、
　前記棚板の側面において庫内幅方向回りに回動可能に支持される、波形に湾曲した湾曲部材と、
　前記湾曲部材を回動収納可能な凹部とを備え、
　前記湾曲部材が回動して立ち上がると、前記湾曲部材と前記棚板上面との間に前記開口部が形成されることを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
　前記棚板は、
　切り欠部を備える下板と、
　前記下板と回動可能に接続される上板とを備え、
　前記上板は、
　庫内後方端部が前記下板の庫内後方端部と回動可能に接続されて、開口部を有する後方上板と、
　庫内後方端部が前記後方上板の庫内前方端部と回動可能に接続されて、開口部を有するとともに、前記切り欠部と係合する前方上板とを備え、
　前記前方傾斜支持部は、
　前記切り欠部であり、前記後方上板を庫内後方に傾斜させて支持するように設けられたことを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項２記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項３記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項４記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項５記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項６記載の冷蔵庫。
　庫内に更に、上面が開口した箱型のトレイを備える冷蔵庫であって、
　前記棚板と前記支持部とは、
　前記トレイ内に設けられることを特徴とする請求項７記載の冷蔵庫。