JP2009168296A - 空調機診断装置及び空調機診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空調機診断装置1は、設定温度取得部及び実際温度取得部11と、温度差演算部12と、温度乖離判定部13と、温度乖離要因設定部15と、出力指令部17とを備える。設定温度取得部及び実際温度取得部11は、空調機70の設定温度及び空調対象空間の実際温度を取得する。温度差演算部12は、複数の時刻における設定温度と実際温度との温度差を演算する。温度乖離判定部13は、温度差が所定値を超えたかどうかを判定する。温度乖離要因設定部15は、設定温度と実際温度との乖離要因と同乖離要因の影響が大きい時間帯とを対応させて設定する。出力指令部17は、乖離要因毎に温度差が所定値を越えた回数である温度乖離回数を出力させる。
【選択図】図1
Description
ここでは、空調機の異常の原因とその度合いを特定できるため、容易且つ正確に空調機の診断を行なうことができる。
ここで、積算値のレベルとは、積算値自体であってもよいし、積算値を一定の計算式により変換して、段階的レベルを表現する値、記号、グラフ等の表現形式にしてもよい。
ここでは、空調機の異常の原因とその度合いを特定できるため、容易且つ正確に空調機の診断を行なうことができる。
ここで、空調機を特定する情報とは、例えば、調機の識別情報や建物内における空調機の位置情報である。
ここでは、各空調機は、設定温度と実際温度との乖離要因毎に、温度乖離回数が大きい順又は積算値が大きい順に出力される。これにより、建物のオーナー等の利用者は、いずれの空調機の取替えを優先すべきかを簡単かつ正確に把握することができる。
ここでは、空調機自体の異常を簡単かつ正確に把握することができる。
ここでは、空調機診断装置は、空調機自体の異常によるもののデータのみを利用して、温度乖離回数や積算値のレベルを出力できるため、空調機自体の異常を簡単に把握することができる。
ここでは、各時間帯における温度乖離要因の影響度を算出できるため、空調機自体の異常とその度合いをより容易に把握することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調機診断装置1の構成及びデータや指令の流れを概略的に示した図である。
本実施形態に係る空調機診断装置1は、格納手段50と複数の空調機70とLAN等のネットワークで結ばれ、システムを構成する。空調機診断装置1は、格納手段50より、空調機70の設定温度及び実際温度の蓄積データ51,52を、通信線等を介して取得する。格納手段50は、記憶装置であり、空調機70より通信線等を介して設定温度及び実際温度を取得し、それぞれ設定温度データ51、実際温度データ52として蓄積する。
図1に示すように、空調機診断装置1は、データ取得部11と、温度差演算部12と、温度乖離判定部13と、温度乖離要因設定部15と、出力指令部17と、温度乖離回数保持部23と、温度乖離要因保持部24と、空調機識別情報25と、モニタ31と、入力手段60と、を含む。
温度乖離要因設定部15の機能について説明する。温度乖離要因設定部15は、所定の時間帯に対応させて温度乖離要因を設定する。例えば、図3に示すように、空調機を始動した最初の1〜2時間は蓄熱負荷により設定温度と実際温度とが乖離することが多いため、同時間帯における温度乖離要因を蓄熱負荷とする。一方、午後遅くの時間帯は、西日の影響で設定温度と実際温度とが乖離することが多いため、例えば、15時から17時の時間帯における温度乖離要因を西日によるものとして設定する。
図2のフローチャートを参照して、空調機診断装置1の動作を説明する。
S101ステップ:まず、格納手段50から送信される情報のうち、空調機70の識別情報により空調機70を特定する。
S102ステップ:特定した空調機70の設定温度データと実際温度データとを取得する。
S103ステップ:設定温度と実際温度の温度差を演算する。
S104ステップ:温度差が2℃を越えているかどうかを判定する。超えている場合はS105ステップに進み、超えていない場合はS106ステップに進む。
S105ステップ:温度乖離回数保持部23において、当該空調機の温度乖離回数をインクリメントする。
S106ステップ:また、当該空調機について、実際温度データの取得が終了したかどうかを判定する。終了している場合はS107ステップに進む。終了していない場合は、S102ステップに戻り、更に設定温度と実際温度とを取得する。
S107ステップ:当該空調機以外に診断の対象となる空調機があるかどうかを判定する。ない場合は処理を終了し、ある場合は、S101ステップに戻り他の空調機を指定する。
S108ステップ:出力指令部17による出力指令があるかどうかを判定する。出力指令がある場合は、S109ステップに進み、出力指令がない場合は処理を終了する。なお、出力指令は、入力手段60を介した利用者からのリクエストに応じて出される。
S109ステップ:出力指令部17により、図4に示すような内容をモニタ31に表示する。
なお、上記処理は一例であり、その処理手順は上記のものに限定されるものではない。
図4は、本実施形態の空調機診断装置1により図2の処理が行われた結果、モニタ31を介して表示する出力例である。空調機診断装置1の出力指令部17は、温度乖離回数保持部23、温度乖離要因保持部24及び空調機識別情報25から、所定の情報を出力させる。具体的には、各空調機の診断結果として、その設定温度と実際温度との温度乖離回数を、乖離要因毎に出力し、表示する。
1.6.1.
上記実施形態に係る空調機診断装置1においては、温度乖離判定部13により設定温度と実際温度との温度差が大きかった温度乖離回数を保持し、その乖離要因に対応させて出力することにより、異常状態にある空調機とその異常の原因を特定し、さらにその度合いも推定できる。これにより、空調機診断を容易に行うことができる。
上記実施形態に係る空調機診断装置1においてはさらに、設定温度と実際温度との乖離要因ごとに、温度乖離回数が大きい順に表示する。これにより、建物のオーナー等の利用者は、いずれの空調機の取替えを優先すべきかを把握することができる。
1.7.1.
上記実施形態においては、温度乖離要因は、温度乖離回数とは別に保持され、出力時に出力指令部17により、合わせるよう処理され出力されている。代わりとして、温度乖離回数をカウントする毎に温度乖離要因に対応させて保持する保持部を設け、出力指令部17によりそのまま出力するようにしてもよい。
上記実施形態において、出力される温度乖離回数は、所定期間内(例えば、過去30日)の積算値を室内機毎に集計し、出力したものであってもよい。
上記実施形態においては、温度乖離回数保持部23が所定の時間毎或いは温度乖離要因の影響が大きい時間帯毎に乖離回数を保持する。これに代えて、温度乖離回数保持部23を設けずに、温度乖離判定部13により判定された温度乖離時のみを保持しておいてもよい。この場合、出力指令部17は、保持された各温度乖離時が温度乖離要因設定部15により特定されたいずれの時間帯に属するかを判定する。そして、出力指令部17は、各時間帯における温度乖離回数をカウントし、対応する温度乖離要因毎にその乖離回数を出力する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る空調機診断装置2の構成及びデータや指令の流れを概略的に示した図である。本実施形態と第1実施形態との主な相違点は、温度乖離回数ではなく、温度乖離の積算値を利用して空調機診断を行う点である。
本実施形態に係る空調機診断装置2は、格納手段250と複数の空調機270とLAN等のネットワークで結ばれ、システムを構成する。空調機診断装置2は、格納手段250より、空調機270の設定温度及び実際温度の蓄積データ251,252を、通信線等を介して取得する。なお、本実施形態におけるシステムの構成は第1実施形態のシステムと同様であるため、その他の詳細な説明は省略する。
図5に示すように、空調機診断装置2は、データ取得部211と、温度差演算部212と、積算値演算部214と、温度乖離要因設定部215と、影響度算出部216と、出力指令部217と、時間帯判定部218と、温度乖離要因保持部224と、空調機識別情報保持部225と、影響度保持部226と、積算値保持部227と、モニタ231と、入力手段260と、を含む。
影響度算出部216による、各時間帯における温度乖離要因の影響度の算出方法について説明する。図7に示すように、各時間帯における温度乖離の積算値には、同時間帯特有の影響度に加えて空調機自体の異常に起因する温度乖離も普遍的に含まれることになる。図7に示すように、各時間帯における温度乖離要因の影響度を把握することにより、より正確な空調機診断の判断材料とすることができる。影響度は、次の計算で求められる。
A=空調機運転開始から所定時間(例:1時間)の面積
C=夕方の所定時間帯(例:15時〜17時)の面積
B=上記以外の時間帯の面積
とすると、
蓄熱負荷による影響度合(X)、空調機異常による影響度合(Y)、西日による影響度合(Z)は、次の計算式により求められる。
(ただし、α=Aの時間帯の幅、β=Bの時間帯の幅、γ=Cの時間帯の幅とする)
図6のフローチャートを参照して、空調機診断装置2の動作を説明する。
S201ステップ:まず、格納手段250から送信される情報のうち、空調機270の識別情報により空調機270を特定する。
S202ステップ:特定した空調機270の設定温度データと実際温度データとを取得する。
S203ステップ:時間帯判定部218により、取得したデータの取得時刻(つまり実際温度の取得時刻)が属する時間帯を判定する。
S204ステップ:当該時間帯における、設定温度と実際温度の温度差を演算し、その積算値を演算する。
S205ステップ:時間帯判定部218により判定した時間帯が終了したかどうか、すなわち次に取得した実際温度データが同時間帯外に取得したものであるかどうかを判定する。終了した場合はS206ステップに進み、終了していない場合は、S204ステップに戻り、当該時間帯における他のデータを演算する。
S206ステップ:積算値を格納する。
S207ステップ:上記各時間帯における積算値及び時間帯の幅の数値から、影響度を算出する。
S208ステップ:当該空調機以外に診断の対象となる空調機があるかどうかを判定する。ない場合はS209ステップに進み、ある場合は、S201ステップに戻り他の空調機を指定する。
S209ステップ:出力指令部217による出力指令があるかどうかを判定する。出力指令がある場合は、S210ステップに進み、出力指令がない場合は処理を終了する。なお、出力指令は、入力手段231を介した利用者からのリクエストに応じて出される。
S210ステップ:出力指令部17により、後述するような内容をモニタ31に表示する。
なお、上記処理は一例であり、その処理手順は上記のものに限定されるものではない。
本実施形態の空調機診断装置2により図6の処理が行われた結果、モニタ231を介して所定の情報が出力される。なお本実施形態に係る出力例は図4とほぼ同じであるが、異なる点は、図4の温度乖離回数に代えて、温度差の積算値のレベルを温度乖離度合いとして示す。また更に、上記の計算により算出された、各時間帯における温度乖離要因の影響度も表示される。この影響度についても、蓄熱負荷の影響度順位、空調機事態の異常の影響度の順位、西日の影響度順位とともに、表示するようにしてもよい。
2.6.1.
上記実施形態に係る空調機診断装置2においては、第1実施形態に係る空調機診断装置1の特徴に加えて、空調機毎に、温度乖離要因に対応する積算値のレベルを表示することから、当該空調機においてどの程度の温度乖離状態があるのかを量的に把握することができる。これにより、より正確な空調機診断を行うことができる。
上記実施形態に係る空調機診断装置2においては、第1実施形態に係る空調機診断装置1の特徴に加えて、各時間帯における温度乖離要因の影響度を算出し、出力できるため、異常の原因とその度合いをより正確に特定することができる。
上記実施形態における空調機診断装置2においては、積算値演算部214は、時間帯判定部218により判定された所定の時間帯における、温度差の積算値を演算する。これに代えて、積算値演算部214は、任意の時間、例えば30分毎や一時間毎等任意の時間における積算値をまず演算してもよい。この場合、各所定の時間における積算値は、次いで時間帯判定部218によりいずれの時間帯に属するかを判定され、同時間帯毎に更に積算される。この結果、時間帯毎の積算値が算出される。
3.1.
上記実施形態においては、設定温度及び実際温度は、格納手段50、250に格納されたデータから取得している。代わりとして、空調機70,270から設定温度や実際温度を直接取得し、取得する度に温度乖離判定を行ってもよい。
上記実施形態においては、実際温度は測定された温度そのものである。代わりとして、所定の日数分の実際温度の平均値や中央値等を演算する手段を設け、その値を実際温度として適用してもよい。
上記実施形態においては、空調機自体の異常以外の温度乖離要因として、西日と蓄熱負荷が挙げているがこれに限定されるものではない。時間帯との相関性のあるその他の温度乖離要因を設定してもよい。
更に、時間帯と相関性のある温度乖離要因に限定されない。例えば、固定的かつ空間的な要因(例えば、OA機器が複数ある近傍に設置されている等の事情)による温度乖離であることが明らかであれば、その空調機についての温度乖離要因として別途設定することができる。
上記実施形態においては、全ての時間帯における設定温度データ及び実際温度データを取得しているが、空調機自体の異常を温度乖離要因とする時間帯のみのデータのみを取得して、同時間帯における温度乖離度合い、すなわち異常度合いを出力するようにしてもよい。
11 データ取得部
12 温度差演算部
13 温度乖離判定部
15 温度乖離要因設定部
17 出力指令部
23 温度乖離回数保持部
24 温度乖離要因保持部
25 空調機識別情報
31 モニタ(表示部)
50 格納手段
51 設定温度データ
52 実際温度データ
60 入力手段
70 空調機
71 温度設定部
72 実際温度取得部
2 空調機診断装置
211 データ取得部
212 温度差演算部
214 積算値演算部
215 温度乖離要因設定部
216 影響度算出部
217 出力指令部
218 データ取得部
225 空調機識別情報
226 影響度保持部
227 積算値保持部
231 モニタ
250 格納手段
251 設定温度データ
252 実際温度データ
270 空調機
271 温度設定部
272 実際温度取得部
260 入力手段
16 モニタ(表示部)
17 電力消費量演算部
18 データ補正部
19 入力部
51 運転環境判定部
52 パターン曲線保持部
70 空調制御装置
100 空調システム
Claims (8)
- 空調機(70)を診断する空調機診断装置(1)であって、
前記空調機(70)の設定温度を取得する設定温度取得部(11)と、
前記空調機(70)の空調対象空間の実際温度を取得する実際温度取得部(11)と、
複数の時刻における、前記設定温度と前記実際温度との温度差を演算する温度差演算部(12)と、
前記温度差が所定値を超えたかどうかを判定する温度乖離判定部(13)と、
前記設定温度と前記実際温度との乖離要因と前記乖離要因の影響が大きい時間帯とを対応させて設定する温度乖離要因設定部(15)と、
前記乖離要因毎に前記温度差が前記所定値を越えた回数である温度乖離回数を出力させる出力指令部(17)と、
を備える、空調機診断装置。 - 空調機(270)を診断する空調機診断装置(2)であって、
前記空調機(270)の設定温度を取得する設定温度取得部(211)と、
前記空調機(270)の空調対象空間の実際温度を取得する実際温度取得部(211)と、
複数の時刻における、前記設定温度と前記実際温度との温度差を演算する温度差演算部(212)と、
前記設定温度と前記実際温度との乖離要因と前記乖離要因の影響が大きい時間帯とを対応させて設定する温度乖離要因設定部(215)と、
前記温度差の積算値を演算する積算値演算部(214)と、
前記乖離要因毎に前記空調機(270)の前記積算値のレベルを出力させる出力指令部(217)と、
を備える、空調機診断装置。 - 前記出力指令部(17,217)は、前記温度乖離回数が多い順又は前記積算値のレベルが大きい順に、前記空調機(70,270)に対応させて前記温度乖離回数又は前記積算値のレベルを出力させる、請求項1又は2に記載の空調機診断装置。
- 前記設定温度と前記実際温度との前記乖離要因は、蓄熱負荷、西日及び空調機異常のいずれかであり、
前記温度乖離要因設定部(15,215)は、前記蓄熱負荷及び前記西日に対応する時間帯以外の時間帯を、前記空調機自体の異常による乖離要因の時間帯として設定する、
請求項1又は2に記載の空調機診断装置。 - 前記設定温度取得部(11)及び前記実際温度取得部(11)は、前記空調機自体の異常による乖離要因に対応する時間帯の設定温度及び実際温度のみを取得する、
請求項4に記載の空調機診断装置。 - 前記時間帯における前記乖離要因の影響度を算出する影響度算出部(216)、
を更に備える、
請求項2に記載の空調機診断装置。 - 空調機(70)を診断する空調診断方法であって、
前記空調機(70)の設定温度を取得する設定温度取得ステップと、
前記空調機(70)の空調対象空間の実際温度を取得する実際温度取得ステップと、
複数の時刻における、前記設定温度と前記実際温度との温度差を演算する温度差演算ステップと、
前記温度差が所定値を超えたかどうかを判定する温度乖離判定ステップと、
前記設定温度と前記実際温度との乖離要因と前記乖離要因の影響が大きい時間帯とを対応させて設定する温度乖離要因設定ステップと、
前記乖離要因毎に前記温度差が前記所定値を越えた回数である温度乖離回数を出力させる出力ステップと、
を備える、空調機診断方法。 - 空調機(270)を診断する空調診断方法であって、
前記空調機(270)の設定温度を取得する設定温度取得ステップと、
前記空調機(270)の空調対象空間の実際温度を取得する実際温度取得ステップと、
複数の時刻における、前記設定温度と前記実際温度との温度差を演算する温度差演算ステップと、
前記設定温度と前記実際温度との乖離要因と前記乖離要因の影響が大きい時間帯とを対応させて設定する温度乖離要因設定ステップと、
前記温度差の積算値を演算する積算値演算ステップと、
前記乖離要因毎に前記空調機(270)の前記積算値のレベルを出力させる出力ステップと、
を備える、空調機診断方法。
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