JP2009166425A - 二軸配向積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂からなるフィルム層Aの片面に、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステルおよび平均粒子径が50nm以上の粒子を含有するフィルム層Bが積層された二軸配向積層フィルムであって、
芳香族ジカルボン酸成分は、その5モル%以上80モル%未満が、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であり、フィルム層Bは、該フィルム層Bの厚さ(tB)に対して平均粒子径(dB)が0.2≦tB/dB≦10を満足する粒子Bを最も平均粒子径の大きな粒子として含有する二軸配向積層フィルム。
【選択図】なし
Description
芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステルおよび平均粒子径が50nm以上の粒子を含有するフィルム層Bが積層された二軸配向積層フィルムであって、
芳香族ジカルボン酸成分は、その5モル%以上80モル%未満が、下記式(I)
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であり、
フィルム層Bは、該フィルム層Bの厚さ(tB)に対して平均粒子径(dB)が下記式(1)
0.2≦tB/dB≦10 (1)
を満足する粒子Bを最も平均粒子径の大きな粒子として含有する二軸配向積層フィルムが提供される。
したがって、本発明によれば、高度の表面の平坦性を維持しながらも、巻取性と耐削れ性が求められる用途、特に高密度磁気記録媒体のベースフィルムに適したフィルムが提供される。
本発明において、二軸配向積層フィルムのフィルム層Bを形成する芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなるものである。具体的な前述の式(I)で示される芳香族ジカルボン酸成分以外の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分などが挙げられる。
本発明における芳香族ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の他の共重合成分を共重合しても良い。
本発明におけるフィルム層Aの熱可塑性樹脂は、フィルム層Bと溶融状態で共押出しして一緒に製膜可能なものであれば特に制限されず、それ自体公知のものが採用できる。
本発明におけるフィルム層Bは、前述の芳香族ポリエステルを溶融製膜して、シート状に押出すことで得られる。そして、前述のとおり、溶融時の流動性やその後の結晶性が改良されていることから、製膜性に優れた、例えば厚み斑のない均一なフィルムとなる。
0.2≦tB/dB≦10
を満足する粒子Bを、フィルム層Bに含有される最も大きな平均粒子径を有する粒子として含有する。好ましいtB/dBは1〜7、さらに1〜4の範囲である。tB/dBが上記の範囲より小さいということは、フィルム層Bの厚み(tB)が薄すぎたり、フィルム層Bの厚みに対して粒子径が過度に大きいものがあることを意味し、粒子Bがフィルム層Bより脱落しやすくなる。他方tB/dBが上記範囲よりも大きいということは、フィルム層Bの厚み(tB)が厚すぎたり、フィルム層Bの厚みに対して粒子径が過度に小さいものしかないことを意味し、突起を均一にしにくくなったり、二軸配向積層フィルム全体に占めるフィルム層Bの厚みが厚くなってフィルム層A側の表面が粗くなりやすかったりする。このような粒子Bとしては、前述の粒子の説明で挙げたものが好ましく用いることができる。
フィルム層Aは、粒子を含有してもしなくてもよい。特にフィルム層A側を極めて平坦にしたい場合は粒子を含有させないことが好ましい。また、フィルム層A側を平坦にしつつ、さらに優れた走行性を具備させたい場合は、フィルム層Aにフィルム層Bの説明で挙げたような粒子を含有させても良い。また、フィルム層Aを2つ以上の層に分けて、表層側のフィルム層として、前述のフィルム層Bで説明したような均一な突起を形成するフィルム層を形成しても良い。
本発明の二軸配向積層フィルムは、磁気テープなどのベースフィルムとして用いたときなどにベースフィルムがフィルムにかかる応力などによって伸びないようにフィルム面方向における少なくとも一方向は、ヤング率が6.0GPa以上という高いヤング率を有することが好ましい。ヤング率の上限は制限されないが、通常11GPaである。好ましいヤング率は、フィルムの長手方向が5.1〜11GPa、さらに5.2〜10GPa、特に5.5〜9GPaの範囲であり、フィルムの幅方向が5.0〜11GPa、さらに6〜10GPa、特に7〜10GPaの範囲である。
つぎに、本発明における芳香族ポリエステルの製造方法について、詳述する。
まず、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸と例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、例えばエチレングリコールとを反応させ、ポリエステル前駆体を製造する。そして、このようにして得られたポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重合することで製造でき、必要に応じて固相重合などを施しても良い。このようにして得られる芳香族ポリエステルのP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度は、0.4〜1.5dl/g、さらに0.5〜1.3dl/gの範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。なお、前述の通り、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を、そのエステル化合物を経由せずグリコールと直接反応させることにより、反応副生物であるジエチレングリコールなどの副生物の含有量を低減することもできる。
本発明の二軸配向積層フィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は熱可塑性樹脂と芳香族ポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal lyst2100)により昇温速度20℃/minで測定した。
グリコール成分については、試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解した。イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後に600Mの1H−NMR(日立電子製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、400M 13C−NMR(日立電子 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
Zygo社製 非接触三次元表面構造解析顕微鏡(NewView5022)を用いて測定倍率25倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm2)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトにより中心面平均粗さRaを以下の式より求めた。
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−1100型イオンエッチング装置)を用いてフィルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。条件は、ベルジャー内に試料を設置し、約10−3Torrの真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25kV、電流12.5mAにて約10分間イオンエッチングを実施する。更に同装置にて、フィルム表面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて5,000〜10,000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて各粒子の面積円相当径を1000個求め、それらの平均を平均粒子径とした。
なお、複数種の粒子が併用されている場合は、面積円相当径を横軸、縦軸を頻度とする粒度分布を作成し、ピークの最大高さに対して高さが半分に満たない谷部に挟まれたピークを一つの粒子とし、それぞれの粒子について平均粒子径を算出した。
ポリエステル樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択し、ポリエステル樹脂組成物を溶解処理した後、粒子をポリエステル樹脂から遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子の含有量とする。尚、複数種の粒子が併存する場合は、前述の「(6)粒子の面積円相当径(μm)」の測定結果に基づき、それぞれの粒子の存在比率から含有量を算出した。
スリット速度60m/分で、スリット幅1000mmのサイズで、8000m巻いた時の巻き上がったフィルムロールを観察し、以下の基準で巻取性を評価した。
◎ : シワが見られない
○ : シワが多少見られるが、実用的には問題ないレベル
× : シワが多数発生
幅12.5mmにスリットしたフイルムのB面側を、市販の剃刀に接触させ、60m/分の速度で走行させたとき剃刀に付着する白粉の量で評価し、次のランク付けした。
◎:白粉の発生がほとんどない
○:白粉がうっすらと発生
×:白粉の発生が多い
二軸配向積層フィルムを層間の空気を排除しながら10枚重ね、JIS規格のC2151に準拠し、(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージMDC−25Sを用いて、10枚重ね法にて厚みを測定し、1枚当りのフィルム厚みを計算する。この測定を10回繰り返して、その平均値を1枚あたりのフィルム厚みとした。
一方、フィルム層Aおよびフィルム層Bの厚みは、フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの製膜方向および厚み方向に平行に切断する)を作成する。この超薄切片の試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察し、フィルム層Aとフィルム層Bのポリマーが異なり、境界が観察できる場合はその境界からフィルム層AとBの厚みを求め、境界が観察できないような同種のポリマーの場合は、不活性粒子の存在量が変化する厚みの位置を、それぞれの表面側からそれぞれ100箇所求め、それらの平均値からA層とB層の厚みを求めた。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.66dl/gで、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。また平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.2重量%を含有させた以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステル(B)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層B用の芳香族ポリエステルに含有する粒子を平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更し、芳香族ポリエステル(A)と(B)との厚み比が3:2に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層B用の芳香族ポリエステルに含有する粒子を平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更し、芳香族ポリエステル(A)と(B)との厚み比が4:1に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層B用の芳香族ポリエステルに含有する粒子を平均粒径0.8μmの架橋シリコーン粒子を0.01重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更し、芳香族ポリエステル(A)と(B)との厚み比が45:5に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層B用の芳香族ポリエステルに含有する粒子を平均粒径0.6μmの架橋ポリスチレン粒子を0.02重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更し、芳香族ポリエステル(A)と(B)との厚み比が48:2に変更以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.72dl/gで、酸成分の94モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の6モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B)を得た。これら芳香族ポリエステル(A)および芳香族ポリエステル(B)の融点は255℃、ガラス転移温度は119℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.77dl/gで、酸成分の80モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の20モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B)を得た。これらの芳香族ポリエステルの融点は252℃、ガラス転移温度は116℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.77dl/gで、酸成分の65モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の35モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B)を得た。これらの芳香族ポリエステルの融点は247℃、ガラス転移温度は116℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.70dl/gで、酸成分の30モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の70モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B)を得た。これらの芳香族ポリエステルの融点の融点は268℃、ガラス転移温度は101℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
テレフタル酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.73dl/gで、酸成分の65モル%がテレフタル酸成分、酸成分の35モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98.5モル%がエチレングリコール成分、1.5モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B)を得た。これらの芳香族ポリエステルの融点は233℃、ガラス転移温度は91℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
テレフタル酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.68dl/gで、酸成分の80モル%がテレフタル酸成分、酸成分の20モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.1重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B)を得た。これらの芳香族ポリエステルの融点は230℃、ガラス転移温度は85℃であった。
得られた二軸積層フィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層B用の芳香族ポリエステルに含有する粒子を平均粒径0.8μmの架橋シリコーン粒子を0.01重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更し、芳香族ポリエステル(A)と(B)との厚み比が49:1に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層B用の芳香族ポリエステルに含有する粒子を平均粒径0.05μmのシリカ粒子を0.2重量%に変更し、芳香族ポリエステル(A)と(B)との厚み比が43:7に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、グリコール成分の1.5モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)(A)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.03重量%含有させた。また平均粒径0.5μmの架橋シリコーン粒子を0.03重量%および小粒子として平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)(B)を得た。これら芳香族ポリエステル(A)および芳香族ポリエステル(B)の融点は270℃、ガラス転移温度は120℃であった。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂からなるフィルム層Aの片面に、
芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステルおよび平均粒子径が50nm以上の粒子を含有するフィルム層Bが積層された二軸配向積層フィルムであって、
芳香族ジカルボン酸成分は、その5モル%以上80モル%未満が、下記式(I)
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であり、
フィルム層Bは、該フィルム層Bの厚さ(tB)に対して平均粒子径(dB)が下記式(1)を満足する粒子Bを最も平均粒子径の大きな粒子として含有することを特徴とする二軸配向積層フィルム。
0.2≦tB/dB≦10 (1) - フィルム層B側の表面は、表面粗さ(Ra)が5〜10nmの範囲にある請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- 粒子Bが、シリカ粒子および有機高分子粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種の粒子である請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- 有機高分子粒子が、シリコーン樹脂粒子および架橋ポリスチレン粒子からなる群より選
ばれる少なくとも一種である請求項3記載の二軸配向積層フィルム。 - フィルム層Aの熱可塑性樹脂が、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分は、その5モル%以上80モル%未満が、前記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分である請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- フィルム層Bは、フィルム層Aよりも厚みが薄い請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- フィルム層B側は、フィルム層A側よりも表面粗さ(Ra)が0.5nm以上大きい請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- 磁気記録媒体のベースフィルムに用いる請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
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