JP2009165199A - モータ制御装置、及びモータ制御システム - Google Patents

モータ制御装置、及びモータ制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】同定演算に与える入力信号に対して最適な減衰ゲインを設定する。
【解決手段】周期的にサンプルして保持するゼロ次ホールド要素(26,27)と、ゼロ次ホールド要素の出力信号を1サンプル周期遅延させる遅延要素(28,29)と、遅延要素の出力信号を減衰させる乗算器(30,31)と、乗算器の出力信号を入力として回帰ベクトルを生成する回帰ベクトル生成部(33)と、回帰ベクトルを入力としてパラメータベクトルを離散的に推定する離散系パラメータ推定部(34)と、ゼロ次ホールド要素(26,27)の出力信号を入力信号として、乗算器のゲインの設定値を出力する自動ゲイン制御部(32)とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、パラメータを同定して速度制御を行うモータ制御装置、及びモータ制御システムに関する。
産業用機械(半導体製造装置、工作機械、射出成形機)などに使用されるモータ制御装置として、実運転中に合計慣性モーメント、粘性摩擦係数、及び定常外乱トルク等の機械系パラメータを同定し、この同定結果を速度制御器等の制御器パラメータの自動設定に用いる技術が知られている。例えば、特許文献1には、正転時と逆転時において、それぞれのモータトルク、加速度、及びモータ速度の時系列データを用いて、逐次最小二乗法により前記の機械系パラメータ同定を行う技術が開示されている。
また、より一般的な制御パラメータの自動設定技術として、例えば、非特許文献1に記載されているセルフチューニングレギュレータの技術は、制御対象への入力信号と、制御対象からの出力信号の時系列データに対して逐次最小二乗法を適用することでプラントの伝達関数を同定している。さらに、これらの技術で用いられる逐次最小二乗法演算を、短い演算語長のプロセッサで高精度に求めるアルゴリズムとしてUD分解アルゴリズム(UD分解フィルタ)が知られており、非特許文献2に詳しく記載されている。また、UD分解アルゴリズムを同定手段に応用した技術が、特許文献2に開示されている
特開2005−168166号公報 特開昭64−84303号公報 鈴木 隆著「アダプティブコントロール」、コロナ社、2001年、1章 飯國 洋二著「適応信号処理アルゴリズム」、培風館、2000年、4章
UD分解アルゴリズムの技術では、同定演算に与える入力信号の絶対値が大き過ぎる場合には、逐次最小二乗法演算において、オーバフローが発生する可能性があった。特に、固定小数点演算は表現可能な数値のダイナミックレンジが低い為、逐次最小二乗法演算を実行した場合にオーバフローが発生し易くなる問題があった。
このような問題に対する一般的な解決手段は、逐次最小二乗法演算の入力部に減衰器(0超1未満の減衰ゲイン)を入れることが考えられるが、減衰ゲインが大き過ぎる(減衰率が小さい)とオーバフローによる同定誤差が増大し、減衰ゲインが小さ過ぎる(減衰率が大きい)と入力信号の切捨て誤差に起因する同定誤差が増大するという問題があった。また、他の解決手段として、演算結果にリミッタを当ててオーバフローを回避する簡単な方法も存在するが、飽和に伴う演算誤差を発生し、同定精度の低下を招くという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、モータ回転速度検出値の値に拘わらずオーバフロー演算の発生を抑制することができるモータ制御装置、及びモータ制御システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明のモータ制御装置は、モータの回転速度検出値とモータ回転速度指令値との偏差に応じてトルク電流指令値を出力する速度制御器と、前記トルク電流指令値と前記モータに流れる駆動電流のトルク電流成分であるトルク電流検出値との偏差に応じて前記駆動電流を制御する制御信号を生成する電流制御器と、前記モータのモータトルク値と前記回転速度検出値との双方を用いて、前記速度制御器の制御パラメータを自動調整するオートチューニング部とを備え、前記回転速度検出値が前記モータ回転速度指令値に近づくように前記モータを制御するモータ制御装置において、前記オートチューニング部は、前記モータ回転速度検出値を入力する第1のローパスフィルタと、前記モータトルク値を入力する第2のローパスフィルタと、前記第1のローパスフィルタの出力信号と前記第2のローパスフィルタの出力信号とを用いてパラメータベクトルを離散的に同定するパラメータ同定器と、前記パラメータベクトルを前記速度制御器の制御パラメータに変換する離散系/連続系パラメータ変換部と、を備え、前記パラメータ同定器は、前記第1のローパスフィルタの出力信号を一定周期でサンプルする第1のゼロ次ホールド要素と、前記第2のローパスフィルタの出力信号を前記一定周期でサンプルする第2のゼロ次ホールド要素と、前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を用いて回帰ベクトルを生成する回帰ベクトル生成部と、前記第1のゼロ次ホールド要素、前記第2のゼロ次ホールド要素、及びこれらの遅延信号、並びに前記回帰ベクトル生成部の出力信号の何れか2つの信号を減衰させる2つの乗算器と、前記2つの乗算器の出力信号及び前記回帰ベクトル生成部の出力信号の内何れか2つの信号に基づいて前記パラメータベクトルを離散的に演算する離散系パラメータ推定部と、第1のゼロ次ホールド要素の出力信号及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を用いて前記2つの乗算器のゲインを演算する自動ゲイン制御部とを備えることを特徴とする。
これによれば、2つの乗算器により、信号の大きさが減衰されるので、固定小数点演算のようにダイナミックレンジが制限されていても、同定演算を行っているときにオーバフロー演算の発生を抑制することができる。また、同定演算に与えるモータ回転速度検出値に対して最適な減衰ゲインを設定することができるので、同定精度の向上を図ることができる。このため、制御パラメータの高精度な自動設定が可能となり、より簡単に高性能な制御が実現できることとなる。
本発明によれば、モータ回転速度検出値の値に拘わらずオーバフロー演算の発生を抑制することができる。
(基本原理)
逐次最小二乗法演算を実行しても、オーバフロー演算の発生を抑制させるために、同定演算への入力信号に対して設定値を変更可能な可変減衰ゲインを挿入する。さらに、可変減衰ゲインの値を、逐次最小二乗法演算におけるオーバフローの発生を抑制可能な最大値(最小の減衰率)に設定する。これにより、入力信号の切捨て誤差に起因する同定誤差の最小化と、オーバフロー演算の発生の抑制とが両立する。
まず、同定演算アルゴリズムを説明した後、可変減衰ゲインの設定値算出方法について説明する。同定対象への入力信号の値をu、同定対象からの出力信号の値をyとするとき、求めるべき同定対象の伝達関数が(1)式で表現できると仮定する。
Figure 2009165199
このとき、回帰ベクトルΦ(N)を(2)式で、パラメータベクトルθ(N)を(3)式で定義する。
Figure 2009165199
(2)式のΦ(N)は、1サンプルからnaサンプル前のyと、現在からnbサンプル前のuとを構成要素とするベクトルであり、(3)式のθ^(N)は、(1)式のNサンプル時点での係数同定結果を構成要素とするベクトルである。また、未知パラメータ数をpとするとき、いずれもp次元ベクトルとなる。
ここで、Nサンプル時点での予測誤差ε(N)を(4)式で定義する。
Figure 2009165199
(4)式のε(N)は、Nサンプル時点に観測されたy(N)に対する(N−1)サンプル時点に同定したパラメータベクトルθ(N−1)と回帰ベクトルΦ(N)とから求めたy(N)の予測値との誤差を表している。このとき、パラメータベクトルθ(N)はθ(0)=0(ゼロベクトル)を初期値として、(5)式の演算をサンプル周期毎に繰り返し実行することで、真値に収斂することが非特許文献2の(4.57)式に記載されている。
Figure 2009165199
次に、非特許文献2を引用しつつ(5)式の演算に必要なゲインベクトルk(N)のUD分解アルゴリズムに基づく算出法を説明する。UD分解アルゴリズムは、(6)式に示す対角成分が1の(p×p)上三角行列U(N)と、(7)式に示す(p×p)対角行列D(N)をNサンプル周期毎に更新しつつゲインベクトルk(N)を算出するのが特徴であり、行列U(N),D(N)の初期値はそれぞれ(8)式、(9)式で与えられる。また、対角行列D(N)の対角要素初期値γは大きな正値に設定すればする程、パラメータベクトルθ(N)が真値に収束することが知られている。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
U(0)=I(I:p×pの単位行列) (8)
D(0)=γI(I:p×pの単位行列、γ:大きな正定数) (9)
更新アルゴリズムでは、Nサンプル周期毎に、(10)式、(11)式、SUB1の演算を行った後に、(19)式でk(N)を求める。SUB1の演算とは、α0(N)に忘却係数λ(1以下で1近傍の正数)を代入した後、j=1,2,・・・・,pについて、(13)式、(14)式、(15)式、(16)式、SUB2の演算を行う。SUB2の演算とは、i=1,2,・・・・,(j−1)について、(17)式、(18)式の演算を行うものである。
Figure 2009165199
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以上が、UD分解アルゴリズムの詳細である。このアルゴリズムによれば、同定演算開始初期に(11)式で算出するgベクトル、及び(13)式で算出するαベクトルが非常に大きな値となる。このために、短い演算語長、且つ、固定小数点演算でUD分解アルゴリズムを実行すると、gベクトルとαベクトルとの何れか一方又は双方がオーバフロー(桁溢れ)が発生し、パラメータベクトルθ(N)が真値に収束しなくなる問題が発生する。このことを、以下に詳述する。
gベクトルとαベクトルとが同定演算開始初期に大きな値を持つのは、対角行列D(N)の前記対角要素初期値γを真値への収束性を考慮して大きめに設定したことと、D(N)が基本的に漸減することが深く関係する。D(N)の漸減性は、(15)式から導くことができる。(15)式は、D(N)と1サンプル周期前のD(N−1)との関係を表現しており、右辺の係数αj−1(N)/(λα(N))が常に1未満であれば、D(N)は漸減すると言える。そこで、αベクトルの算出式(13)式に着目すると、α(N)はαj−1(N)に対してfベクトルとgベクトルの第j要素同士を乗じた値を加算した結果であることが分かる。一方、gベクトルの第j要素は、(11)式から、対角行列D(N)の第jj要素とfベクトルの第j要素を乗じた値である。以上のことから、(13)式の右辺第2項目の値は、対角行列D(N)の第jj要素とfベクトルの第j要素の2乗値を乗じた正値と判定できる。よって、(12)式も考慮すると、(20)式が一般的に成立する。
α(N)≧αj−1(N)≧λ>0 (20)
(20)式とλが1近傍の値であることを考慮すると、αj−1(N)/(λα(N))は1未満の値となる。かくして、D(N)は非常に大きな初期値γを起点として、0近傍まで漸減する挙動を示すこととなる。このため、D(N)を用いて算出されるgベクトルや、gベクトルを用いて算出されるαベクトルは同定開始初期にオーバフロー(桁溢れ)の危険が最も高まる。逆に、同定開始初期にオーバフローを回避できれば、その後のオーバフロー発生の危険はD(N)の減少と共に小さくなる。そこで、同定開始初期、換言すれば、UD分解アルゴリズムの初回サンプル時点(N=1)でのgベクトルと、αベクトルのオーバフロー回避を、回帰ベクトルΦ(N)に適切な減衰ゲインを乗じて得た、新たな回帰ベクトルφ(N)を用いて実現するものとした。以下では、まず、gベクトルのオーバフローを回避する減衰ゲインKの算出式をその根拠と共に示す。
Nサンプル時点でのgベクトルの第j要素g(N)は、D(N)行列の第(j,j)要素をd(N)と記述するとき、(N−1)サンプル時点でのD(N)行列の第(j,j)要素とNサンプル時点でのfベクトルの第j要素f(N)との積となり、(21)式で表すことができる。
Figure 2009165199
一方、Nサンプル時点でのfベクトルの第j要素f(N)は、(22)式で表すことができる。
Figure 2009165199
初回サンプル時点でのgベクトルの第j要素は、(21)式において、N=1と置くことにより得られ、(23)式となる。
Figure 2009165199
一方、初回サンプル時点でのfベクトルの第j要素は、(23)式において、N=1と置くことにより得られ、(24)式となる。
Figure 2009165199
初回サンプル時点(N=1)の場合には、(8)式の初期値から、(25)式の如くuij(0)=0となる。よって、(24)式の2項目以降はゼロとなり、(26)式で表現できる。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
さらに、N=1の場合には、通常(12)式の如くD(0)=γI(Iは単位行列)とする為、d(0)=γとなる。よって、(23)式は(26)式を代入して、(27)式に変形することができる。
Figure 2009165199
よって、(27)式より、初回サンプル時点のgベクトルの第j要素は、初回サンプル時点の回帰ベクトルφ(N)の第j要素φ(1)にD行列の対角要素初期値γを乗じた値となることが分かる。
ここで、初回サンプル時点でのgベクトルの最大絶対値要素|g(1)|maxを(28)式で定義する。
Figure 2009165199
次に、(27)式を(28)式に代入して変形すると、(29)式の関係が得られる。
Figure 2009165199
次に、(29)式で表現される初回サンプル時点でのgベクトルの最大絶対値要素|g(1)|maxを規定値(オーバフローする値未満に設定)以下とする方法を示す。これにより、gベクトルの全要素の絶対値を規定値以下に抑制可能となる。
そこでまず、(29)式中の回帰ベクトルφ(N)を、(30)式の如く、元々の回帰ベクトルΦ(N)を減衰ゲインK倍した値と定義する。(但し、0<K≦1とする)
Figure 2009165199
(30)式の関係を(29)式に代入すると、(31)式が得られる。但し、(31)式において、Φ (1)は減衰ゲインK倍する以前の回帰ベクトルΦ(N)の第j要素である。
Figure 2009165199
この(31)式は、初回サンプル時点でのgベクトルの最大絶対値要素|g(1)|maxが初回サンプル時点での回帰ベクトルΦ(N)の最大絶対値要素で決定付けられることを意味している。さらに、(31)式の右辺には、減衰ゲインKgが含まれていることから、Kを適切に設定することにより、|g(1)|maxを規定値以下に抑制可能となる。そこで、|g(1)|maxに課せられた規定(上限)値をov_lim_gと置き、(32)式の拘束条件を与える。
|g(1)|max≦ov_lim_g (32)
(31)式を(32)式に代入して、減衰ゲインKについて解くと(33)式が得られる。
Figure 2009165199
この(33)式が、gベクトルのオーバフロー回避を実現する減衰ゲインKの設定範囲となる。通常、減衰ゲインKを小さく設定すると回帰ベクトル情報の桁落ちが多く発生し、同定精度が低下することから(33)式を満たす最大値として(34)式を最適なK算出式とした。
Figure 2009165199
また、γとov_lim_gは共に定数であることから、定数Aを(35)式で定義することにより、(34)式は(36)式で表現することも可能である。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
次に、αベクトルのオーバフローを回避する減衰ゲインKαの算出式をその根拠と共に示す。初回サンプル時点でのαベクトルの第j要素は、(13)式において、N=1と置くことにより得られ、(37)式となる。
Figure 2009165199
(26)式、(27)式を(37)式に代入すると、(38)式となる。
Figure 2009165199
α(N)=λの関係を用いて、(38)式の漸化式を解くと(39)式となる。
Figure 2009165199
よって、初回サンプル時点でのαベクトルの最大要素α(1)maxを(40)式で定義すると、(39)式から、α(1)maxはα(1)となり、(41)式で計算できる。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
次に、(41)式で表現される初回サンプル時点でのαベクトルの最大要素α(1)maxを規定値(オーバフローする値未満に設定)以下に抑制する方法を示す。これにより、αベクトルの全要素を規定値以下に抑制可能となる。
そこでまず、(41)式中の回帰ベクトルφ(N)を、(42)式の如く、元々の回帰ベクトルΦ(N)を減衰ゲインKα倍した値と定義する。(但し、0<Kα≦1とする)
Figure 2009165199
Φ(N)の第j要素をΦ (N)とするとき、(41)式、及び(42)式より、(43)式が導き出せる。
Figure 2009165199
この(43)式は、初回サンプル時点でのαベクトルの最大要素α(1)maxが初回サンプル時点での回帰ベクトルΦ(N)の大きさ(ベクトルの長さ)の2乗で決定付けられることを意味している。さらに、(43)式の右辺には、減衰ゲインKαが含まれていることから、Kαを適切に設定することにより、α(1)maxを規定値以下に抑制可能となる。そこで、α(1)maxに課せられた規定(上限)値をov_lim_aと置き、(44)式の拘束条件を与える。
α(1)max≦ov_lim_a (44)
(43)式を(44)式に代入して、減衰ゲインKαについて解くと(45)式の関係が得られる。
Figure 2009165199

この(45)式が、αベクトルのオーバフロー回避を実現する減衰ゲインKαの設定範囲となる。通常、Kαを小さく設定しすぎると回帰ベクトル情報の桁落ちが多く発生し、同定精度が低下する。このことから(45)式を満たす最大値として(46)式を最適なKα算出式とした。
Figure 2009165199
また、γとov_lim_aは共に定数であることから、定数Bを(47)式で定義することにより、(46)式は(48)式で表現することも可能である。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
以上、gベクトルのオーバフローを回避可能な減衰ゲインとしてKを、αベクトルのオーバフローを回避可能な減衰ゲインとしてKαを示してきたが、実際には両方のオーバフローを回避する必要がある。この為、(36)式と(48)式を両立させる最大の減衰ゲインKgαを(49)式、または(50)式で算出し、(51)式で求めた回帰ベクトルφ(N)をUD分解アルゴリズムに適用することとした。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
Figure 2009165199
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態であるモータ制御システムを、図1の構成図を用いて説明する。
図1において、モータ制御システム200は、モータ1と、モータ1により駆動される負荷2(駆動対象負荷)と、モータ1と負荷2とを連結する連結軸3と、モータ1を駆動する電力変換器4と、モータ1の回転軸に取り付けられ、モータ1の回転軸の位置検出値θMを出力する位置検出器38と、モータ1に流れる電流を検出する電流検出器6と、モータ制御装置100とを備える。
モータ制御装置100は、速度演算器5と、電流制御器8と、1次遅れフィルタ36、トルク定数増幅器20と、オートチューニング部37と、離散系/連続系パラメータ変換部25と、速度制御器9と、減算器7とを備え、これらの機能はCPU等のコンピュータ及びプログラムによって実現される。また、モータ制御装置100は、モータ1に流れるモータ電流を励磁軸成分と、これに電気的に直交するトルク軸成分にdqベクトル変換して制御している。以下、トルク電流成分の検出値Iqのみで説明し、励磁軸成分の値Idは通常ゼロに設定されるので記載を省略する。
モータ1は、三相同期電動機であり、慣性モーメントJと粘性摩擦係数Dとを有し、トルクTを発生する。負荷2は、連結軸3を介してモータ1により駆動され、慣性モーメントJを有する。なお、モータ1の慣性モーメントJと、連結軸3の慣性モーメントと、負荷2の慣性モーメントJとを合わせて合成慣性モーメントJという。電力変換器4は、直流電力を交流電力に変換し、モータ1を駆動する。位置検出器38は、モータ1の回転軸に取り付けられ、モータ1の回転軸の位置検出値θを出力する。電流検出器6は、モータ1に供給されるトルク電流検出値Iqを検出する。速度演算器5は、位置検出値θの時間変化からモータ回転速度ωを演算する。電流検出器6は、モータ1に供給されるトルク電流検出値Iqを検出する。減算器7は、トルク電流指令値Iqとモータ1に供給されるトルク電流検出値Iqとの電流偏差Iを演算する。
電流制御器8は、電流偏差Iに応じて電力変換器4をパルス幅制御(PWM制御)する。1次遅れフィルタ36は、トルク電流指令値Iqが入力され、トルク電流推定値Iqを出力し、そのゲイン交差角周波数は、電流制御器8で構成した電流制御系のゲイン交差角周波数と等しく設定している。トルク定数増幅器20は、トルク電流推定値Iqが入力されモータトルク値τを算出し、使用するモータ1のトルク定数kと等しい値を設定する。
速度制御器9は、モータ回転速度検出値ωをモータ速度指令値ω に近づけるように機能する。オートチューニング部37は、モータトルク値τ、及びモータ回転速度検出値ωの時系列データを入力値とし、モータ1と連結軸3と駆動対象の負荷2とからなる機械系の合計慣性モーメント推定値J^、及び、粘性摩擦係数推定値Dを出力する。
速度制御器9は、モータ回転速度偏差ωに応じてトルク電流指令値Iqを出力する比例積分構造の制御器であり、減算器10と、加算器14,16と、比例ゲイン11,15,17,18と、積分ゲイン12と、積分器13とを備える。比例ゲイン11は、速度制御系の比例特性を実現する。積分ゲイン12は、モータ回転速度偏差ωを積分器13で積分するときのゲインωs/Nを決定する。加算器14は速度制御系の比例特性と積分器13の出力とを加算する。比例ゲイン15は、加算器14の出力を機械系の合計慣性モーメントJで増幅し、粘性摩擦補償前モータトルク指令τを生成する。比例ゲイン17は、モータ回転速度ωを粘性摩擦係数推定値D^で乗算し、粘性摩擦補償トルク推定値τ^を演算する。加算器16は、粘性摩擦補償前モータトルク指令τと、粘性摩擦補償トルク推定値τ^とを加算し、モータトルク指令τ を演算する。ゲイン18は、モータトルク指令τ にトルク定数ktの逆数を乗算し、トルク電流指令値Iqを生成する。
1次遅れフィルタ36は、トルク電流指令値Iqが入力され、トルク電流推定値I^qを出力するフィルタであり、そのゲイン交差角周波数は、電流制御器8で構成した電流制御系のゲイン交差角周波数と等しく設定している。
トルク定数増幅器20は、トルク電流推定値I^qが入力され、モータトルクτを算出するゲインであり、使用するモータ1のトルク定数ktと等しい値を設定する。
オートチューニング部37は、モータトルクτ、及びモータ回転速度検出値ωの時系列データを入力値とし、機械系の合計慣性モーメント推定値J^と粘性摩擦係数推定値D^を算出し、それぞれを比例ゲイン15,17に設定するものであり、ローパスフィルタ(LPF)21,22と、パラメータ同定器作動信号発生器23と、自動ゲイン制御部作動信号発生器(AGI)24と、離散系/連続系パラメータ変換部25と、パラメータ同定器19とを備える。
ローパスフィルタ21は、トルク定数増幅器20が出力するモータトルクτをフィルタ後モータトルクτMFに変換するローパスフィルタであり、ローパスフィルタ22は、モータ回転速度検出値ωをフィルタ後モータ回転速度検出値ωMFに変換するローパスフィルタである。ローパスフィルタ21,22は、共に、アンチエリアスフィルタとして利用し、その遮断周波数は、オートチューニング部37のサンプリング周波数の1/2〜1/3程度に設定される。
パラメータ同定器作動信号発生器23(IDA)は、フィルタ後モータトルクτMFを用いてパラメータ同定器作動信号Id_actを生成するものであり、フィルタ後モータ回転速度検出値ωMFの大きさが規定値ωを超えるとId_act=1を出力し、ωMFの大きさが規定値ω未満に低下するとId_act=0を出力する。
自動ゲイン制御部作動信号発生器24(AGI)は、パラメータ同定器作動信号Id_actを用いて自動ゲイン制御部作動信号Agc_actを生成するものであり、パラメータ同定器作動信号Id_actが1となった次回の1サンプル周期のみAgc_act=1を出力し、以後はAgc_act=0を出力する。
パラメータ同定器19は、パラメータ同定器作動信号Id_actが、Id_act=1の場合のみフィルタ後モータトルクτMF、及びフィルタ後モータ回転速度検出値ωMFを入力としてパラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)をNサンプル周期毎に逐次更新出力する。
ここで、パラメータ同定器19の作用を簡単に説明しておく。パラメータ同定器19の同定対象は、機械系の合計慣性モーメント推定値J^と粘性摩擦係数推定値D^とである。このとき、モータトルクτは、
τ=J(dω/dt)+D・ω (52)
で表される。このとき、モータトルクτに対するモータ回転速度検出値ωの伝達関数GRD(s)は、sをラプラスの演算子として(53)式の剛体モデルでモデル化することができる。
Figure 2009165199
パラメータ同定器19は、この(53)式の分母の係数J^とD^とを同定対象とする。但し、パラメータ同定器19を離散時間演算で実現するため、まず、(52)式に示した剛体モデルの伝達関数GRD(s)を、例えば、整合z変換により離散化しておく。ちなみに、整合z変換とはサンプリング周期をTとするとき、連続系伝達関数の極・零点sを、それぞれ離散系伝達関数の極・零点z=esTに写像する変換法である。この整合z変換によれば、z−1を1サンプル周期遅延を意味する演算子とするとき、伝達関数GRD(s)に対応する離散系伝達関数GRD(z)は(56)式で表すことができる。また、(54)式における係数a,bは、それぞれ(55)式、(56)式で表される。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
Figure 2009165199
以上の関係式(54)〜(56)式を用いれば、剛体モデルの連続系伝達関数GRD(s)を対応する離散系伝達関数GRD(z)に変換することが可能となる。また、逆にGRD(z)の係数a,bから(57)式、(58)式によりGRD(s)のパラメータJ^、D^を算出することも可能である。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
そこで、本実施形態では、パラメータ同定器19において、離散系伝達関数GRD(z)の未知係数a,bを前記したUD分解アルゴリズムにより同定し、次に、離散系/連続系パラメータ変換部25において、(57)、(58)式を用いて合計慣性モーメント推定値J^と粘性摩擦係数推定値D^に変換し、制御系の比例ゲイン15,17に反映させるものとした。
ここで、図2を用いて、パラメータ同定器19の内部構造について説明する。パラメータ同定器19(図1)は、ゼロ次ホールド要素26,27と、1サンプル遅延要素28,29と、乗算器30,31と、自動ゲイン制御部32(AGCI)と、回帰ベクトル生成部33と、離散系パラメータ推定部34と、離散系パラメータ推定部作動信号発生器35(PVAI)とを備える。
ゼロ次ホールド要素26は、フィルタ後モータトルクτMFをサンプリング周期Tでサンプル&ホールドし、ホールドした離散値τMS(N)を出力する。ゼロ次ホールド要素27は、フィルタ後モータ回転速度検出値ωMFをサンプリング周期Tでサンプル&ホールドし、ホールドした離散値ωMS(N)を出力する。1サンプル遅延要素28は、自動ゲイン制御部32(AGCI)の演算時間を確保するためのものであり、τMS(N)が入力され、τMS(N−1)を出力する。1サンプル遅延要素29は、離散値ωMS(N)が入力され、ωMS(N−1)を出力する。
乗算器30は、離散値τMS(N−1)に対して(59)式で算出される減衰ゲインKgαを乗じて、離散値τ(N)を出力する。乗算器31は、離散値ωMS(N−1)に対して減衰ゲインKgαを乗じて、離散値ω(N)を出力する。但し、(59)式の演算においては、元々の回帰ベクトルΦ(N)は(60)式で表現される2次元ベクトルである。
Figure 2009165199
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回帰ベクトル生成部33は、離散値τ(N),ω(N)が入力され、(61)式で表現される2次元の回帰ベクトルφ(N)を出力する。
Figure 2009165199
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離散系パラメータ推定部34は、離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actIが、Pv_actI=1の場合のみUD分解アルゴリズムに基づく逐次最小二乗法により離散系パラメータの推定を行う。具体的には、回帰ベクトルφ(N)を入力として、(62)式の2次元ベクトルで表現されるパラメータベクトル推定値θ^(N)の前回までのサンプルデータに基づく推定値であるパラメータベクトル前回推定値θ(N−1)を出力する。ここで、パラメータベクトル推定値θ^(N)のベクトル要素a (N)、b (N)はそれぞれ(55)式、、及び(56)式に示したa、bのNサンプル時点での推定値とした。
自動ゲイン制御部32(AGCI)は、τMS(N)、及びωMS(N)を入力信号として、自動ゲイン制御部作動信号Agc_act=1の場合のみ、(61)式、及び(62)式に基づいて、減衰ゲインKgαを演算&出力し、Agc_act =0の場合には、前回サンプル時の減衰ゲインKgαを出力する。
離散系パラメータ推定部作動信号発生器(PVAI)35は、離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actIを生成するものであり、回帰ベクトル生成部33におけるデータ準備時間を確保する為に、2サンプル遅れのId_actをPv_actIとして出力する。
以上が、図1を用いた第1実施形態の説明である。以下では、図1,2を構成する機能ブロックについて、順次詳細な説明を行う。図3は、自動ゲイン制御部作動信号発生器24(AGI)の内部構成図である。
図3において、自動ゲイン制御部作動信号発生器24(AGI)は、パラメータ同定器作動信号Id_act70を入力とし、自動ゲイン制御部作動信号Agc_act76を出力とし、1サンプル遅延要素71,73,75と、OR論理素子72と、XOR論理素子74とを備える。
1サンプル遅延要素71は、AGCI構成図(図4)における1サンプル遅延要素86の出力を確定する為のものである。OR論理素子72は、2入力の双方が0の場合のみ0を出力し、それ以外では1を出力する。1サンプル遅延要素73は、OR論理素子72の出力を入力とし、OR論理素子72の入力に対して出力する。
OR論理素子72と1サンプル遅延要素73との帰還構成により、OR論理素子72の出力は一度1になった後は、常に1を出力し続けることとなる。
XOR論理素子74は、OR論理素子72の出力か、OR論理素子72の1サンプル前の出力値のいずれか一方のみが1の場合のみ1を出力し、それ以外は0を出力する。1サンプル遅延要素75は、OR論理素子72の出力を入力するものであり、XOR論理素子74の入力に対して出力する。この1サンプル遅延要素75とXOR論理素子74との構成によりOR論理素子72の出力が変化した時点の1サンプル期間のみXOR論理素子74は1を出力し、それ以外は0を出力する。以上の構成から、自動ゲイン制御部作動信号Agc_act76は、入力されるパラメータ同定器作動信号Id_act70が1となった次回の1サンプル周期のみ1を出力し、以後は0を出力する。
図4は自動ゲイン制御部AGCIの内部構成図である。自動ゲイン制御部(AGCI)32は、パラメータ同定器作動信号Id_act=1の場合のみ、(61)式、及び(62)式に基づいて、減衰ゲインKgαを演算&出力し、Id_act=0の場合には、前回サンプル時の減衰ゲインKgαを出力する機能を実現する。
図4において、AGCI32は、入力信号ωMS(N)80、τMS(N)81から、Kgα83を演算するものであり、絶対値演算器84,85(ABS)と、1サンプル遅延要素86と、減衰ゲインKgα演算部97とを備える。
絶対値演算器84,85はそれぞれωMS(N),τMS(N)の絶対値を算出し、絶対値演算器84の出力は、1サンプル遅延要素86を介して減衰ゲインKgα演算部97に入力され、絶対値演算器85の出力は直接減衰ゲインKgα演算部97に入力される。また、自動ゲイン制御部作動信号Agc_act82も、直接減衰ゲインKgα演算部97に入力される。
減衰ゲインKgα演算部97の内部は、Agc_act=1の場合のみ作動し、減衰ゲインKgα83を更新する。
減衰ゲインK算出部98は、(61)式右辺の第一の要素に相当するKを算出し、減衰ゲインKα算出部99は、(61)式右辺の第二の要素に相当するKαを算出するものである。最小値比較選択素子90は、入力される減衰ゲインK、及び減衰ゲインKαの内、いずれか小さい方を出力する。
定数88は、後記するgベクトル要素であるg(N)とg(N)に許容される最大絶対値をov_lim_gと置くときに、この絶対値ov_lim_gをD行列の対角要素初期値γ(γ=d(0)=d(0))で除した値である。このとき、ov_lim_gとして、実装する演算処理装置がオーバフローすることなく符号付きで表現できる数値の最大値以下を選択する。特に、固定小数点演算の演算桁数によって制限される最大数値を選択することにより、安価なCPUを用いて制御を行うことができる。
最大値比較選択素子87は、入力される回帰ベクトルΦ(N)要素の絶対値の内、いずれか大きい方を出力する。除算器89は、定数88を最大値比較選択素子87の出力で除して減衰ゲインKを出力する。また、定数95は、後記するαベクトル要素であるα(N)とα(N)とに許容される最大値をov_lim_aと置くとき、ov_lim_aから忘却係数λ(1以下で1近傍の正数)を減じた値をD行列の対角要素初期値γ(γ=d(0)=d(0))で除した値の平方根をとった定数である。このとき、ov_lim_aとして、実装する演算処理装置がオーバフローすることなく符号無しで表現できる数値の最大値以下を選択する(αベクトルの要素は、すべて正値の為)。
乗算器91,92は、それぞれ入力される回帰ベクトルΦ(N)要素の絶対値の2乗値を演算する。加算器93は、乗算器91,92の出力結果を加算する。開平演算器94は、加算器93の出力を開平演算する。除算器96は、定数95を開平演算器94の出力で除して減衰ゲインKαを出力する。以上、自動ゲイン制御部32(AGCI)の構成を説明した。
次に、図5のブロック図を用いて、回帰ベクトル生成部33の構成を説明する。図5において、回帰ベクトル生成部33は、1サンプル遅延要素113と、符号反転器114と、ベクトル化記号115とを備え、モータ回転速度ω(N)と、モータトルクτ(N)とを各々入力信号110,111とし、回帰ベクトルφ(N)を出力信号112としている。なお各入力信号は、図2に示す乗算器30,31において減衰ゲインKgαを乗じた後の信号である。
1サンプル遅延要素113は、ω(N)が入力されてω(N−1)を出力する。符号反転器114は、1サンプル遅延要素113の出力ω(N−1)が入力されて−ω(N−1)を出力する。ベクトル化記号115は、−ω(N−1)とτ(N)とをベクトル化表現するためのであり、−ω(N−1)とτ(N)を要素とする(61)式の回帰ベクトルφ(N)を出力する。補足であるが、ベクトル化記号115は、実装上は無視するか、構造体としてデータ構造に反映する。
次に、図6を用いて離散系パラメータ推定部34の構成を説明する。図6において、離散系パラメータ推定部34は、モータ回転速度離散値ω(N)と、回帰ベクトルφ(N)とを入力信号120,121とし、パラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)を出力信号122とし、予測器123と、減算器124と、パラメータベクトル演算器125と、UD分解部126とを構成要素としている。なお、パラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)は、(62)式の2次元ベクトルで表現されるパラメータベクトル推定値θ^(N)の前回までのサンプルデータに基づく推定値を意味する。
予測器123は、回帰ベクトルφ(N)とパラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)とからモータ速度予測値ω^(N)を算出するものであり、(4)式の右辺第2項目に相当する演算を行う。減算器124は、モータ回転速度ω(N)からモータ回転速度予測値ω^(N)を減算することにより、予測誤差ε(N)を算出するものであり、(4)式右辺の減算に相当する演算を行う。パラメータベクトル演算器125は、(5)式に相当する演算を用いて、予測誤差ε(N)とゲインベクトルk(N)とからパラメータベクトル推定値θ^(N)を更新演算する。UD分解部126は、回帰ベクトルφ(N)からゲインベクトルk(N)をUD分解アルゴリズムにより算出するものであり、fベクトル演算器127と、gベクトル演算器128と、α・μ演算器129と、U行列演算器130と、D行列演算器131と、ゲインベクトル演算器132とを備える。
fベクトル演算器127は、(65)式の演算を用いて、回帰ベクトルφ(N)と(63)式に示した対角成分が1の(2×2)上三角行列U(N)の前回値U(N−1)とから、fベクトルf(N)を算出するものである。
Figure 2009165199
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gベクトル演算器128は、(66)式の演算を用いて、fベクトルf(N)と(64)式に示した(2×2)対角行列D(N)の前回値D(N−1)とからgベクトルg(N)を算出する。
Figure 2009165199
α・μ演算器129は、(67)式と(68)式との演算を用いて、gベクトルg(N)とfベクトルf(N)とから(69)式によりαベクトルα(N)を算出し、μ(N)を算出するものである。
Figure 2009165199
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U行列演算器130は、(69)式の演算を用いて、gベクトルg(N)とμ(N)とからu12(N)を算出し、(70)式によりvベクトルv(N)を算出するでものある。また、U行列演算器130は、(63)式で用いられるu12(N−1)の値を、fベクトル演算器127に帰還させる。
Figure 2009165199
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D行列演算器131は、(71)式の演算を用いて、αベクトルα(N)からd(N)を算出し、(72)式によりd(N)を算出することにより、D(N−1)をgベクトル演算器128に帰還させる。
Figure 2009165199
Figure 2009165199
ゲインベクトル演算器132は、(73)式の演算を用いて、vベクトルv(N)とα(N)とからゲインベクトルk(N)を算出するものである。
Figure 2009165199
以上が、離散系パラメータ推定部34の構成である。以下では、離散系パラメータ推定部34を構成する機能ブロックについて、順次詳細な説明を行う。
図7の構成図は、予測器123の内部構成を示した図である。図7において、予測器123は、パラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)と回帰ベクトルφ(N)とを入力信号140,141とし、モータ回転速度予測値ω^(N)を出力信号147とするものであり、ベクトル化記号142,143と、乗算器144,145と、加算器146とを備える。
ベクトル化記号142は、パラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)から要素a^(N−1),b^(N−1)を取り出す操作を行う。ベクトル化記号143は、回帰ベクトルφ(N)から要素−ω(N−1),τ(N)を取り出す操作を行う。乗算器144は、要素a^(N−1)と要素−ω(N−1)との乗算を行う。乗算器145は、要素b^(N−1)と要素τ(N)との乗算を行う。加算器146は、乗算器144の出力信号と乗算器145の出力信号とを加算するものであり、結果をモータ速度予測値ω^(N)として出力する。
図8は(5)式の演算を行うパラメータベクトル演算器125の内部構成図である。
図8において、ゲインベクトルk(N)と、予測誤差ε(N)を入力信号160,161とし、パラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)を出力信号162とするものであり、ベクトル化記号163,170と、乗算器164,167と、加算器165,168と、1サンプル遅延要素166,169とを備える。
ベクトル化記号163は、ゲインベクトルk(N)から要素k(N),k(N)を取り出す操作を示す。乗算器164は要素k(N)と予測誤差ε(N)の乗算を行い、乗算器167は要素k(N)と予測誤差ε(N)との乗算を行う。加算器165はa^(N−1)に乗算器164の出力を加算し、(1)式の係数a^(N)を算出するものであり、加算器168は、係数b^(N−1)に乗算器167の出力を加算し、係数b^(N)を算出するものである。
1サンプル遅延要素166は、係数a^(N)が入力され、係数a1^(N−1)を出力するものであり、1サンプル遅延要素169はb^(N)が入力され、係数b^(N−1)を出力するものである。ベクトル化記号170は、係数a^(N−1)とb^(N−1)をベクトル化して162のパラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)に出力するものである。
次に、図9を用いてfベクトル演算器の内部構成を説明する。図9において、fベクトル演算器127は、(67)式の演算を用いて、回帰ベクトルφ(N)とU行列前回値U(N−1)の1行2列要素u12(N−1)との入力信号180,181を、fベクトルf(N)の出力信号182に変換するものであり、ベクトル化記号183,186と、乗算器184と、加算器185とを備える。
ベクトル化記号183は、回帰ベクトルφ(N)の要素−ω(N−1),τ(N)を取り出す操作を示す。乗算器184は、−ω(N−1)とu12(N−1)との乗算を行うものである。加算器185は、τ(N)に乗算器184の出力を加算し、第2要素f(N)を出力する。ベクトル化記号186は、−ω(N−1)を第一要素f(N)にベクトル化し、また、加算器185の出力を第二要素f(N)にベクトル化する操作を示し、fベクトルf(N)182を出力する。
次に、図10を用いて、gベクトル演算器の内部構成を説明する。図10において、gベクトル演算器128は、(66)式の演算を用いて、fベクトルf(N)とD行列前回値D(N−1)の対角成分で構成されたベクトルを入力信号200,201として、gベクトルg(N)の出力信号202に変換するものであり、ベクトル化記号203,204,209と、乗算器205,207と、リミッタ206,208とを備える。
ベクトル化記号203は、fベクトルf(N)の要素f(N),f(N)を取り出す操作を示し、ベクトル化記号204は、D(N−1)の対角要素d(N−1),d(N−1)を取り出す操作を示す。乗算器205は、要素f(N)と対角要素d(N−1)との乗算を行い、乗算器207は、要素f(N)と対角要素d(N−1)との乗算を行う。
リミッタ206,208は、それぞれ乗算器205,207の出力を、オーバフローすることなく表現可能な上下限値でリミット処理する。ただし、自動ゲイン制御部32(図2)を実装した本実施形態の構成では、リミッタ206,208は通常作動することはない。ベクトル化記号209は、リミッタ206の出力を第一要素g(N)に、また、リミッタ208の出力を第二要素g(N)にベクトル化してgベクトルg(N)を出力するものである。
次に、α・μ演算器の内部構成を図11を用いて説明する。図11において、α・μ演算器129は、(67)式、(68)式の演算を用いて、gベクトルg(N)とfベクトルf(N)を入力信号220、221として、μ(N)とαベクトルα(N)の出力信号222、223に変換するものであり、ベクトル化記号236,237,235と、乗算器225,230と、加算器226,231と、リミッタ227,232と、除算器228と、符号反転器229とを備える。
ベクトル化記号236は、gベクトルg(N)の要素g(N),g(N)を取り出す操作を示し、ベクトル化記号237はf(N)の要素f(N),f(N)を取り出す操作を示す。定数224は、忘却係数λを格納している。乗算器225はg(N)とf(N)との乗算を行うものであり、乗算器230は、要素g(N)と要素f(N)との乗算を行う。加算器226は、忘却係数λと乗算器225の出力信号とを加算する。
リミッタ227は、加算器226の出力を、オーバフローすることなく表現可能な上限値でリミット処理する。加算器231は、リミッタ227の出力と乗算器230の出力を加算する。リミッタ232は、加算器231の出力をオーバフローすることなく表現可能な上限値でリミット処理するものである。ただし、自動ゲイン制御部32(図2)を実装した本実施形態では、リミッタ227,232は通常作動することはない。
ベクトル化記号235は、忘却係数λを第一要素α(N)に、リミッタ227の出力を第二要素α(N)に、リミッタ232の出力を第三要素α(N)にベクトル化してαベクトルα(N)を出力する。除算器228は、f(N)をリミッタ227が出力するα(N)で除算する。符号反転器229は、除算器228の出力値を符号反転し、μ(N)として出力する。
次に、図12を用いてU行列演算器の内部構成を説明する。図12において、U行列演算器130は、(69)式、(70)式の演算を用いて、gベクトルg(N)とμ(N)とを入力信号250、251として、vベクトルv(N)とU行列前回値U(N−1)の1行2列要素u12(N−1)との出力信号252,253に変換するものであり、ベクトル化記号254,260と、乗算器255,258と、加算器256,259と、1サンプル遅延要素257とを備えている。。
ベクトル化記号254は、g(N)の要素g(N),g(N)を取り出す操作を示す。乗算器255は、要素g(N)とμ(N)とを乗算する。加算器256は、乗算器255の出力信号とu12(N−1)とを加算しu12(N)を演算するものである。1サンプル遅延要素257は、加算器256の出力するu12(N)を入力信号としてu12(N−1)を出力するものである。乗算器258は、u12(N−1)とg(N)とを乗算するものである。加算器259は、g(N)と乗算器258の出力信号とを加算するものである。ベクトル化記号260は、加算器259の出力を第一要素v(N)に、g(N)を第二要素v(N)にベクトル化することを示し、vベクトルv(N)を出力する。
次に、D行列演算器の内部構成を図13を用いて説明する。図12において、D行列演算器131は、(71)式、(72)式の演算を用いて、αベクトルα(N)を入力信号270として、D行列前回値D(N−1)の対角要素d(N−1),d(N−1)で構成されたベクトルの出力信号271に変換するものであり、ベクトル化記号272,281と、除算器273,277と、乗算器274,278と、ゲイン275,278と、1サンプル遅延要素276,280とを備える。
ベクトル化記号272は、αベクトルα(N)の要素α(N),α(N),α(N)を取り出す操作を示す。除算器273は、要素α(N)をα(N)で除する。除算器277は、要素α(N)を要素α(N)で除する。乗算器274は、除算器273の出力信号にd(N−1)を乗算する。ゲイン275は、乗算器274の出力に1/λを乗ずる。1サンプル遅延要素276は、ゲイン275の出力が入力され、対角要素d(N−1)を出力する。乗算器278は、除算器277の出力に対角要素d(N−1)を乗算する。ゲイン279は乗算器278の出力に1/λを乗ずる。1サンプル遅延要素280は、ゲイン279の出力が入力され、対角要素d(N−1)を出力する。ベクトル化記号281は、対角要素d(N−1)と対角要素d(N−1)とをベクトル化してD行列前回値D(N−1)として出力する。
次に、ゲインベクトル演算器の内部構成を図14を用いて説明する。図14において、ゲインベクトル演算器132は、(73)式の演算を用いて、vベクトルv(N)とα2(N)とを入力信号290、291として、ゲインベクトルk(N)の出力信号292に変換するものであり、ベクトル化記号293,296と、除算器294,295とを備える。
ベクトル化記号293はv(N)の要素v(N)とv(N)を取り出す操作を示す。除算器294はv(N)をα(N)で除算しk(N)を出力する。除算器295はv(N)をα(N)で除算しk(N)を出力する。ベクトル化記号296は、k(N)とk(N)とをベクトル化することを示し、ゲインベクトルk(N)として出力する。
以上、オートチューニング部37の構成を詳細に説明してきたが、次にオートチューニング部37の処理シーケンスを図15に示すフローチャート図に従い説明する。
逐次、このフローの処理が開始され(S300)、初期値が設定される(S301)。具体的には、パラメータ同定器作動信号Id_act=0、同定回数カウンタId_count=0、自動ゲイン制御部作動信号Agc_act=0、離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actI=0に設定される。
次に、パラメータ同定器作動信号発生器23は、フィルタ後モータ回転速度検出値ωMFの絶対値(大きさ)が規定値ω以上であるか否かを判定する(S302)。規定値ω以上でなければ(No)、S302の処理を繰り返し、規定値ω以上になるのを待つ。そして、規定値ω以上になれば(Yes)、パラメータ同定器作動信号発生器23がパラメータ同定器作動信号Id_actを0から1に変更し、これによりパラメータ同定器19は処理を開始する(S303)。
そして、図2の1サンプル遅延要素28,29及び図4の1サンプル遅延要素86へのデータ充填時間(Kgα演算時間)を確保する為に、オートチューニング部37は、1サンプル周期遅延する(S304)。そして、自動ゲイン制御部作動信号発生器24は、自動ゲイン制御部作動信号Agc_actに1をセットする。これにより、自動ゲイン制御部(AGCI)32の演算が実行され、自動ゲイン制御部(AGCI)32はオーバフロー抑制ゲイン(減衰ゲイン)Kgαを演算する(S305)。そして、自動ゲイン制御部作動信号発生器24は、自動ゲイン制御部作動信号Agc_actを0に戻す。これにより、このルーチンがS300から再スタートされるまでの間、減衰ゲインKgαは固定されることとなる(S306)。
そして、回帰ベクトル生成部33の1サンプル遅延要素113へのデータ充填時間(回帰ベクトル充填時間)を確保する為に、1サンプル周期遅延する(S307)。そして、離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actIを0から1に変更することにより離散系パラメータ推定部34の処理を開始する(S311)。そして、複数回同定の実行により同定精度を向上させるために、同定回数カウンタId_countを1加算する(S312)。
そして、オートチューニング部37は、回転速度ωMFの絶対値が規定値ω未満であるか否かを判定する(S313)。オートチューニング部37は、回転速度ωMFの絶対値が規定値ω以上の場合には(No)、S313を再実行し、規定値ω未満になるのを待つ。一方、オートチューニング部37は、ωMF絶対値が規定値ω未満になった場合には(Yes)、Id_act、及びPv_actIを1から0に変更することによりパラメータ同定器19を停止する(S314)。そして、オートチューニング部37は、同定回数カウンタId_countが規定値回数NC以上であるか否かを判定する(S315)。
同定回数カウンタId_countが規定回数NC未満ならば(No)、パラメータ同定器作動信号発生器23は、フィルタ後モータ回転速度検出値ωMFの絶対値が規定値ω以上であるか否かを判定する(S308)。規定値ω以上でなければ(No)、パラメータ同定器作動信号発生器23は、S308の処理を繰り返す。規定値ω以上になれば(Yes)、パラメータ同定器作動信号発生器23は、パラメータ同定器作動信号Id_actを0から1に変更することによりパラメータ同定器19の処理を開始する(S309)。そして、オートチューニング部37は、Kgα演算時間と回帰ベクトル充填時間を確保するために2サンプル周期遅延させ(S310)、前記したS311からS315までの処理を実行する。
S315の判定で、同定回数カウンタId_countが規定回数NC以上であれば(Yes)、パラメータ同定器19は、同定結果であるパラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)を離散系/連続系パラメータ変換部25において連続系のパラメータである合計慣性モーメント推定値J^、及び粘性摩擦係数推定値D^に変換する(S316)。そして、オートチューニング部37は、速度制御器9の比例ゲイン15,17にそれぞれJ^、D^をセットし(S317)、本ルーチンの処理を終了する(S318)。
以上が、オートチューニング部における一連の処理の流れである。次に、本実施形態のもたらす効果について、図16,17に示すシミュレーション動作波形を用いて説明する。
但し、シミュレーション条件として、モータと連結軸と駆動対象負荷とからなる機械系の合計慣性モーメントにJ=5.71×10−5[kg・m]をセットし、粘性摩擦係数にD=1.0×10−3[N・m/(rad/s)]をセットし、サンプリング周期にT=8.96[ms]をセットした。よって、(55)式、及び(56)式の関係からa≒−0.855、b≒145 が真値であることが分かっている。
図16(a)はフィルタ後モータ回転速度検出値ωMFの波形330であり、図16(b)は自動ゲイン制御部作動信号Agc_actの波形331であり、図16(c)はパラメータ同定器作動信号Id_actの波形332であり、図16(d)は離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actIの波形333である。
また、比較例として、図17に、減衰ゲインKgαを1に固定した条件で同定を行った場合の波形を示す。図17(a)は、a^の波形334であり、図17(b)はb^の波形335である。さらに、本実施形態の構成で同定を行った場合のa^を波形336に示し、b^を波形337に示す。波形330、波形332、及び波形333から明らかなように、本シミュレーションでは同定回数カウンタId_count=2までの動きを示している。
このとき、減衰ゲインKgαを1に固定した場合の比較例では、波形334、及び波形335で確認できるように、同定開始初期において、真値に対して逆符号となる程の、過大な同定誤差を発生し、その後も真値への収束性が低い。一方、本実施形態では、波形336、及び波形337で確認できるように、同定開始初期における過大な同定誤差もなく真値へ収束することが確認できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態のパラメータ同定器について図18を用いて説明する。図2に示されるパラメータ同定器19との相違点は、減衰ゲインKgαを回帰ベクトルに対して乗算する点である。なお、モータ制御システムとしての構成は第1実施形態の図1と同様である。
回帰ベクトル生成部351は、(62)式に基いて、τMS(N)、及びωMS(N)が入力され、回帰ベクトルΦ(N)を生成する。乗算器353は、回帰ベクトルΦ(N)に対して、自動ゲイン制御部352(AGC2)が出力する減衰ゲインKgαを乗算するものであり、演算結果を回帰ベクトルφ(N)として出力する。乗算器354は、ωMS(N)に減衰ゲインKgαを乗算するものであり、演算結果をω(N)として出力する。
離散系パラメータ推定部作動信号発生器355(PVA2)は、回帰ベクトル生成部351におけるデータ準備時間を確保する為に、1サンプル遅れのId_actを離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actとして出力する。
自動ゲイン制御部352(AGC2)は、回帰ベクトルΦ(N)を入力信号として、自動ゲイン制御部作動信号Agc_act=1の場合のみ、(61)式、及び(62)式に基づいて、減衰ゲインKgαを演算すると共に演算結果を出力し、Agc_act=0の場合には、前回サンプル時の減衰ゲインKgαを出力する。
次に、図19を用いて自動ゲイン制御部352(AGC2)の内部構成を説明する。図17において、図4に示した自動ゲイン制御部32(AGCI)と異なる点は、入力部分だけである。第2実施形態では、回帰ベクトルΦ(N)を入力することから、図4の1サンプル遅延要素86のように、内部的に回帰ベクトルを生成する必要が無くベクトル化記号373から絶対値演算器374,375を介して減衰ゲインK算出部98に入力されていることが特徴である。回帰ベクトルΦ(N)370の要素−ω(N−1),τ(N)を絶対値演算器374,375にそれぞれ入力した後、図3と同一構成の減衰ゲインKgα演算部97に対して、それぞれ出力する。
次に、パラメータ同定器350の処理シーケンスを図20に示すフローチャートを用いて説明する。
逐次、このフローの処理が実行され(S400)、パラメータ同定器350は、フラグ、及び変数の初期化を行う(S401)。そして、フィルタ後モータ回転速度検出値ωMFの絶対値(大きさ)が規定値ω以上かどうかを判定する(S402)。判定結果がNoの場合にはS402に戻り、規定値ω以上になるまで待つ。
一方、判定結果がYesの場合には、パラメータ同定器作動信号Id_actを0から1に変更することによりパラメータ同定器350の処理を開始し(S403)。そして、回帰ベクトル生成部351の1サンプル遅延要素へのデータ充填時間(回帰ベクトル充填時間)を確保する為に1サンプル周期遅延する(S404)。そして、自動ゲイン制御部作動信号Agc_actに1をセットし、これにより自動ゲイン制御部AGC2の演算し(S405)、減衰ゲインKgαを算出する。
そして、自動ゲイン制御部作動信号Agc_actを0に戻す。これにより、処理400から再スタートされるまでの間、減衰ゲインKgαは固定されることとなる(S406)。そして、離散系パラメータ推定部作動信号Pv_actを0から1に変更することにより、離散系パラメータ推定部34の処理を開始する(S410)。
そして、複数回同定の実施により同定精度を向上させる為の同定回数カウンタId_countを1加算する(S411)。
そして、回転速度ωMFの絶対値が規定値ω未満であるか否かが判定される(S412)。規定値ω以上であれば(No)、S412の処理が繰り返される。一方、ωMF絶対値が規定値ω未満の場合には(Yes)、Id_act、及びPv_act2を1から0に変更することによりパラメータ同定器350の処理を停止する(S413)。
そして、同定回数カウンタId_countが規定回数NC以上であるか否かが判定される(S414)。規定回数NC以上でなければ(No)、フィルタ後モータ回転速度検出値ωMFの大きさが規定値ω以上であるか否かを判定する(S407)。Noの場合にはS407の処理を繰り返す。一方、判定結果がYesの場合には、パラメータ同定器作動信号Id_actを0から1に変更することによりパラメータ同定器350の処理を開始する(S408)。そして、回帰ベクトル充填時間を確保する為に、1サンプル周期遅延する(S409)。そして、S410からS414までの処理を実行し、S414で規定回数NC以上でなければ(No)、これらの処理が繰り返される。
一方、S414で、規定回数NC以上であると判定されれば(Yes)、同定結果であるパラメータベクトル前回推定値θ^(N−1)を離散系/連続系パラメータ変換部25において連続系のパラメータである合計慣性モーメント推定値J^、及び粘性摩擦係数推定値D^に変換する(S415)。そして、速度制御器9の比例ゲイン15,17にそれぞれJ^、D^をセットし(S416)、処理を終了する(S417)。
以上が、オートチューニング部における一連の処理の流れであり、これにより図16に示した第2の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
本実施形態によれば、逐次最小二乗法演算におけるオーバフローを抑制しつつ同定精度を高く保つことができる。これにより、同定結果を用いた制御パラメータの高精度な自動設定が可能となり、より簡単に高性能な制御が実現できることとなる。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態は、ゼロ次ホールド要素26,27によって、N個のパラメータτMS(N),ωMS(N)を得たが、この機能はFIFO(First In First Out)によっても実現することもできる。
(2)第2実施形態では、乗算器を介さずにフィルタ後モータ速度サンプル値ωMS(N)を回帰ベクトル生成部351に入力したが、乗算器を介した信号を他の回帰ベクトル生成部に入力してもよい。
本発明の一実施形態であるモータ制御システムの構成図である。 本発明の第1実施形態のパラメータ同定器の構成図である。 本発明の第1実施形態の自動ゲイン制御部作動信号発生器AGIの構成図である。 本発明の第1実施形態の自動ゲイン制御部AGCIの構成図である。 本発明の第1実施形態の回帰ベクトル生成部の構成図である。 離散系パラメータ推定部の構成図である。 予測器の構成図である。 パラメータベクトル演算器の構成図である。 fベクトル演算器の構成図である。 gベクトル演算器の構成図である。 α・μ演算器の構成図である。 U行列演算器の構成図である。 D行列演算器の構成図である。 ゲインベクトル演算器の構成図である。 第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態の動作波形を示す図である。 第1実施形態と比較例との動作波形を示す図である 本発明の第2実施形態のパラメータ同定器の構成図である。 本発明の第2実施形態の自動ゲイン制御部AGCの構成図である。 第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 モータ
2 負荷(駆動対象負荷)
3 連結軸
4 電力変換器
5 速度演算器
6 電流検出器
7,10,124 減算器
8 電流制御器
9 速度制御器
12 積分ゲイン
13 積分器
14,16,93,146,165,168,185,226,231,256,259 加算器
11,15,17 比例ゲイン,
18,275,279 ゲイン
19,350 パラメータ同定器
21,22 ローパスフィルタ
23 パラメータ同定器作動信号発生器(IDA)
24 自動ゲイン制御部作動信号発生器(AGI)
25 離散系/連続系パラメータ変換部
26,27 ゼロ次ホールド要素
28,29,71,73,75,86,113,166,169,257,276,280 1サンプル遅延要素
30,31,91,92,145,164,167,184,205,207,225,230,255,258,274,278 乗算器
32 自動ゲイン制御部(AGCI)
33 回帰ベクトル生成部
34 離散系パラメータ推定部
35 離散系パラメータ推定部作動信号発生器(PVAI)
36 1次遅れフィルタ
37 オートチューニング部
38 位置検出器
39 位置検出器
70 パラメータ同定器作動信号Id_act
72 OR論理素子
74 XOR論理素子
76 自動ゲイン制御部作動信号Agc_act
84,85,374,375 絶対値演算器
90 最小値比較選択素子
89,96,228,273,277,294,295 除算器
94 開平演算器
114,229 符号反転器
123 予測器
125 パラメータベクトル演算器
127 fベクトル演算器
128 gベクトル演算器
129 α・μ演算器
130 U行列演算器
131 D行列演算器
132 ゲインベクトル演算器
115,142,143,163,170,183,186,203,204,209,236,237,235,254,260,272,281,293,296,373 ベクトル化記号
100 モータ制御装置
200 モータ制御システム
206,208,227,232 リミッタ
224 忘却係数λ

Iq トルク電流指令値、
Iq トルク電流検出値、
I^q トルク電流推定値、
電流偏差、
τ モータトルク、
τ 粘性摩擦補償前モータトルク指令、
τM モータトルク指令、
τ^ 粘性摩擦補償トルク、
ω モータ回転速度検出値、
ω モータ速度指令値、
ω モータ速度偏差
J^ 機械系の合計慣性モーメント推定値、
D^ 粘性摩擦係数推定値
τMF フィルタ後モータトルク
ωMF フィルタ後モータ回転速度検出値、
τMS(N) フィルタ後モータトルクサンプル値、
ωMS(N) フィルタ後モータ速度サンプル値、
τMS(N−1) フィルタ後モータトルク1サンプル遅延値
ωMS(N−1) フィルタ後モータ速度1サンプル遅延値
,Kα,Kgα 減衰ゲイン
τ(N) 減衰後モータトルク
ω(N) 減衰後モータ速度
φ(N) 回帰ベクトル
θ^(N−1) パラメータベクトル前回推定値
Agc_act 自動ゲイン制御部作動信号
Id_act パラメータ同定器作動信号
Pv_actI 離散系パラメータ推定部作動信号

Claims (11)

  1. モータの回転速度検出値とモータ回転速度指令値との偏差に応じてトルク電流指令値を出力する速度制御器と、前記トルク電流指令値と前記モータに流れる駆動電流のトルク電流成分であるトルク電流検出値との偏差に応じて前記駆動電流を制御する制御信号を生成する電流制御器と、前記モータのモータトルク値と前記回転速度検出値との双方を用いて、前記速度制御器の制御パラメータを自動調整するオートチューニング部とを備え、
    前記回転速度検出値が前記モータ回転速度指令値に近づくように前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記オートチューニング部は、
    前記モータ回転速度検出値を入力する第1のローパスフィルタと、前記モータトルク値を入力する第2のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタの出力信号と前記第2のローパスフィルタの出力信号とを用いてパラメータベクトルを離散的に同定するパラメータ同定器と、
    前記パラメータベクトルを前記速度制御器の制御パラメータに変換する離散系/連続系パラメータ変換部と、を備え、
    前記パラメータ同定器は、
    前記第1のローパスフィルタの出力信号を一定周期でサンプルする第1のゼロ次ホールド要素と、
    前記第2のローパスフィルタの出力信号を前記一定周期でサンプルする第2のゼロ次ホールド要素と、
    前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を用いて回帰ベクトルを生成する回帰ベクトル生成部と、
    前記第1のゼロ次ホールド要素、前記第2のゼロ次ホールド要素、及びこれらの遅延信号、並びに前記回帰ベクトル生成部の出力信号の何れか2つの信号を減衰させる2つの乗算器と、
    前記2つの乗算器の出力信号及び前記回帰ベクトル生成部の出力信号の内何れか2つの信号に基づいて前記パラメータベクトルを離散的に演算する離散系パラメータ推定部と、
    第1のゼロ次ホールド要素の出力信号及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を用いて前記2つの乗算器のゲインを演算する自動ゲイン制御部とを備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記2つの乗算器は、前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号と前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号とをそれぞれ遅延要素を介して減衰させ、
    前記回帰ベクトル生成部は、前記2つの乗算器の出力信号を用いて前記回帰ベクトルを演算し、
    前記離散系パラメータ推定部は、前記回帰ベクトルと、前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号を1サンプリング周期遅延させた遅延信号とを用いて、前記パラメータベクトルを演算することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記回帰ベクトル生成部は、第1のゼロ次ホールド要素の出力信号、及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を用いて前記回帰ベクトルを生成するものであり、
    前記2つの乗算器は、第1のゼロ次ホールド要素の出力信号及び前記回帰ベクトル生成部の出力信号をそれぞれ減衰させるものであり、
    前記離散系パラメータ推定部は、前記2つの乗算器の出力信号を用いて、前記パラメータベクトルを推定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記自動ゲイン制御部は、前記パラメータ同定器の動作開始初期のみ動作し、前記離散系パラメータ推定部における同定演算の実行中には前記2つの乗算器のゲインの値を固定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 前記ゲインは、固定小数点演算のダイナミックレンジによって制限されることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 前記回帰ベクトルは、前記ゲインが1であり、Nを自然数、Aを定数とするときに、次式のp次元ベクトルΦ(N)で定義され、
    Figure 2009165199
    前記ゲインKは、
    Figure 2009165199
    の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  7. 前記回帰ベクトルは、前記ゲインが1であり、Nを自然数、Bを定数とするときに、次式のp次元ベクトルΦ(N)で定義され、
    Figure 2009165199
    前記ゲインKαは、
    Figure 2009165199
    の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  8. 前記回帰ベクトルは、前記ゲインが1であり、Nを自然数、Aを定数とするときに、次式のようなp次元ベクトルΦ(N)で定義され、
    Figure 2009165199
    前記ゲインは、
    Figure 2009165199
    及び
    Figure 2009165199
    の内いずれか小さい方の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  9. 請求項1に記載のモータ制御装置と、
    前記電流制御器と前記モータとの間に挿入された電力変換器とを備え、
    前記電力変換器は、前記電流制御器によりPWM制御され、前記モータをPWM制御することを特徴とするモータ制御システム。
  10. 駆動対象負荷と連結したモータと、前記モータを駆動する電力変換器と、回転速度指令値と前記モータの回転速度検出値との偏差に応じてトルク電流指令値を出力する速度制御器と、前記トルク電流指令値と前記モータに供給されるトルク電流検出値との偏差に応じて前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器と、前記モータのモータトルク値と前記モータの回転速度検出値を入力信号とし、前記速度制御器の制御パラメータを自動調整するオートチューニング部とを備えたモータ制御システムにおいて、
    前記オートチューニング部は、
    前記モータの速度検出値を入力とする第1のローパスフィルタと、
    前記モータのモータトルクを入力とする第2のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタ出力信号を周期的にサンプルして保持する第1のゼロ次ホールド要素と、
    前記第2のローパスフィルタの出力信号を周期的にサンプルして保持する第2のゼロ次ホールド要素と、
    前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号を1サンプル周期遅延させる第1の遅延要素と、前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を1サンプル周期遅延させる第2の遅延要素と、
    前記第1の遅延要素の出力信号を減衰させる第1の乗算器と、前記第2の遅延要素の出力信号を減衰させる第2の乗算器と、
    前記第1の乗算器の出力信号、及び前記第2の乗算器の出力信号を入力として回帰ベクトルを生成する回帰ベクトル生成部と、
    前記回帰ベクトルを入力としてパラメータベクトルを離散的に推定する離散系パラメータ推定部と、
    前記パラメータベクトルを前記速度制御器の制御パラメータに変換する離散系/連続系パラメータ変換部と、
    前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号、及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を入力信号として、前記第1の乗算器及び前記第2の乗算器のゲインの設定値を出力する自動ゲイン制御部とを有することを特徴とするモータ制御システム。
  11. 駆動対象負荷と連結したモータと、前記モータを駆動する電力変換器と、速度指令値と前記モータの速度検出値との偏差に応じてトルク電流指令値を出力する速度制御器と、前記トルク電流指令値と前記モータに供給されるトルク電流検出値との偏差に応じて前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器と、前記モータのモータトルクと前記モータの速度検出値を入力信号とし、前記速度制御器の制御パラメータを自動調整するオートチューニング部とを備えたモータ制御システムにおいて、
    前記オートチューニング部は、
    前記モータの速度検出値を入力とする第1のローパスフィルタと、前記モータのモータトルクを入力とする第2のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタ出力信号を1サンプリング周期遅延させる第1のゼロ次ホールド要素と、
    前記第2のローパスフィルタの出力信号を1サンプリング周期遅延させる第2のゼロ次ホールド要素と、
    前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号、及び前記第2のゼロ次ホールド要素の出力信号を入力として回帰ベクトルを生成する回帰ベクトル生成部と、
    前記第1のゼロ次ホールド要素の出力信号を減衰させる第1の乗算器と、
    前記回帰ベクトル生成部が生成する回帰ベクトルの大きさを減衰させる第2の乗算器と、
    前記第1の乗算器の出力信号及び前記第2の乗算器の出力信号を入力としてパラメータベクトルを演算する離散系パラメータ推定部と、
    前記離散系パラメータ推定部が演算するパラメータベクトルを速度制御器の制御パラメータに変換する離散系/連続系パラメータ変換部と、
    前記回帰ベクトルを入力信号として、前記第1の乗算器及び前記第2の乗算器のゲインの設定値を出力する自動ゲイン制御部とを有することを特徴とするモータ制御システム。
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