JP2009164746A - 受信装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】雑音の多い環境と少ない環境での遅延プロファイル推定精度の両立を可能にできるようにする。
【解決手段】パス有無フラグ変換器84は、IFFTプロファイル推定部からのプロファイル推定結果を表わす信号に対し、パス成分があるか、あるいはパス成分がないかに応じたパス有無フラグを表わす信号を出力し、雑音推定器83は、パス有無フラグを表わす信号に基づいて、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号のうち、パスなしと判定された区間の平均パワーを推定雑音量として演算し、雑音除去器82は、推定雑音量に基づいて、マッチドフィルタ81からの遅延プロファイルを表わす信号に対し、雑音除去処理を施す。本発明は、OFDM信号を受信する受信装置に適用することができる。
【選択図】図7
【解決手段】パス有無フラグ変換器84は、IFFTプロファイル推定部からのプロファイル推定結果を表わす信号に対し、パス成分があるか、あるいはパス成分がないかに応じたパス有無フラグを表わす信号を出力し、雑音推定器83は、パス有無フラグを表わす信号に基づいて、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号のうち、パスなしと判定された区間の平均パワーを推定雑音量として演算し、雑音除去器82は、推定雑音量に基づいて、マッチドフィルタ81からの遅延プロファイルを表わす信号に対し、雑音除去処理を施す。本発明は、OFDM信号を受信する受信装置に適用することができる。
【選択図】図7
Description
本発明は、受信装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、雑音の多い環境や少ない環境に関わらず、適切に雑音除去を行うことができるようにした受信装置および方法、並びにプログラムに関する。
地上デジタル放送の変調方式として、多数の直交搬送波を用い、各搬送波をPSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)で変調する直交周波数分割多重方式(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式)が提案されている。
OFDM方式は、多数のサブキャリアで伝送帯域全体を分割するため、サブキャリア1波あたりの帯域は狭くなり、伝送速度は遅くなるが、トータルの伝送速度は従来の変調方式と変わらないという特徴を有している。
また、OFDM方式は、多数のサブキャリアが並列に伝送されるために、シンボル速度が遅くなるという特徴を有している。そのため、1シンボルの時間長に対する相対的なマルチパスの時間長を短くすることができ、これにより、マルチパスによる影響を受けにくくすることができるという特徴もOFDM方式は有している。
さらに、複数のサブキャリアにデータが割り当てられることから、OFDM方式は、逆フーリエ変換を変調時に行うIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算回路を用いることにより送信回路を構成することができ、フーリエ変換を復調時に行うFFT(Fast Fourier Transform)演算回路を用いることにより受信回路を構成することができるという特徴を有している。
図1は、従来のOFDM受信機の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、従来のOFDM受信機1は、受信アンテナ11、周波数変換器12、A/D(Analog/Digital)変換器13、直交復調器14、複合型遅延プロファイル推定器15、ウィンドウ再生回路16、FFT演算回路17、SP信号抽出回路18、時間方向伝送路推定回路19、周波数方向伝送路推定回路20、および伝送路補償器21から構成される。
受信アンテナ11により受信されたRF信号は、周波数変換器12においてIF信号に周波数変換され、A/D変換器13に供給される。
A/D変換器13は、周波数変換器12から供給されたIF信号に対してA/D変換を施し、A/D変換を施すことにより得られたデジタルのIF信号を直交復調器14に供給する。
直交復調器14は、A/D変換器13から供給されたデジタル化されたIF信号に対し、直交復調を行い、ベースバンドのOFDM信号を取得する。このベースバンドのOFDM信号は、FFT演算が行われる前の、いわゆる時間領域の信号である。直交復調器14は、この時間領域OFDM信号を、複合型遅延プロファイル推定器15、ウィンドウ再生回路16、およびFFT演算回路17にそれぞれ供給する。
FFT演算回路17は、ウィンドウ再生回路16によって指定されるFFTウィンドウ位置に基づいて、直交復調器14より供給される時間領域OFDM信号に含まれるGI部分を除去することにより、有効シンボル長の範囲の信号を抜き出す。
また、FFT演算回路17は、抜き出したOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行い、OFDM信号を復調し、復調したOFDM信号を、SP信号抽出回路18および伝送路補償器21に供給する。FFT演算回路17から出力されたOFDM信号は、FFT演算が行われた後の、いわゆる周波数領域の信号である。
なお、FFT演算回路17によるFFT演算における、FFT演算範囲は、FFTウィンドウと呼ばれ、このFFTウィンドウの開始位置であるFFTウィンドウ位置が、ウィンドウ再生回路16により指定される。
SP信号抽出回路18は、FFT演算回路17から供給された周波数領域OFDM信号からSP信号を抽出し、SP信号の変調成分を除去することによって、SP信号の配置位置におけるサブキャリアの伝送路特性を推定する。SP信号抽出回路18は、推定した伝送路特性を表わす信号を時間方向伝送路推定回路19に供給する。
ここで、SP信号とは、伝送路特性を算出するために用いられるパイロット信号であって、スキャッタードパイロット信号の略称である。図2に、DVB-T規格やISDB-T規格等で採用されているSP信号のOFDMシンボル内での配置パターンを示す。図2においては、縦方向が時間方向となり、横方向が周波数方向となる。
図2の例では、SP信号は、OFDM信号送信フレームの中で、図中の黒丸で示す配置で割り当てられている。すなわち、SP信号は、既知の振幅と位相を持つ複素ベクトルであり、一定の間隔で配置される。SP信号とSP信号との間には、伝送の対象になるデータ搬送波(図中の白丸)が配置される。OFDM受信機1においては、伝送路特性の影響を受けて歪んだ状態でSP信号が得られるが、送信時のSP信号の状態が既知であるため、送信時のSP信号と、受信時のSP信号とを比較することによって、伝送路特性が得られる。
時間方向伝送路推定回路19は、SP信号抽出回路18により推定された伝送路特性に基づいて、SP信号が配置されているサブキャリアの、時間方向(OFDMシンボル方向)に並ぶ各OFDMシンボルの位置における伝送路特性を推定する。時間方向伝送路推定回路19は、それぞれのOFDMシンボルの位置におけるサブキャリア毎の伝送路特性を表わす信号を、複合型遅延プロファイル推定器15および周波数方向伝送路推定回路20に供給する。
周波数方向伝送路推定回路20は、時間方向伝送路推定回路19により推定された伝送路特性に基づいて、周波数方向(サブキャリア方向)に並ぶ各OFDMシンボルの位置におけるサブキャリアの伝送路特性を推定する。伝送路特性の推定は、SP信号抽出回路18、時間方向伝送路推定回路19により既に推定されている伝送路特性を用いて行われる。
この結果、すべてのOFDMシンボルの位置におけるサブキャリアの伝送路特性が推定される。周波数方向伝送路推定回路20は、推定した伝送路特性を表わす信号を伝送路補償器21に供給する。
伝送路補償器21は、周波数方向伝送路推定回路20により推定された伝送路特性を用いて、FFT演算回路17から供給された周波数領域OFDM信号に含まれる、伝送路による歪みの成分を除去する。伝送路補償器21は、歪みの成分を除去した周波数領域OFDM信号を、等化器出力信号として、後段の回路に出力する。
一方、複合型遅延プロファイル推定器15は、時間方向伝送路推定回路19により推定された伝送路特性に基づいて、伝送路の時間応答特性を求めることによって伝送路の遅延プロファイルを推定し、推定した遅延プロファイルを表わす信号をウィンドウ再生回路16に供給する。
ここで、遅延プロファイルとは、送信側の送信機(図示せず)からOFDM受信機1へ到達する経路のインパルス応答を表わしたものであって、図3の構成を有する複合型遅延プロファイル推定器15によって推定される。複合型遅延プロファイル推定器15は、図3に示すように、マッチドフィルタ型プロファイル推定部31、遅延プロファイル推定部32、およびIFFTプロファイル推定部33から構成される。
マッチドフィルタ型プロファイル推定部31は、直交復調器14から供給された時間領域OFDM信号に対し、所定の適応フィルタ処理を施し、推定プロファイルを算出する。ここで、時間領域OFDM信号に施す適応フィルタ処理としては、例えば、特許文献1に開示されている手法を採用できる。特許文献1には、インパルス応答を有する整合フィルタの出力信号に関するエネルギー分布に基づいて、信号サンプルを表わすデータからデータを再生するための受信信号サンプルの窓の位置を決定する同期位置を推定する同期検出器について開示されています。マッチドフィルタ型プロファイル推定部31は、算出した推定プロファイルを遅延プロファイル推定部32に供給する。
より具体的には、マッチドフィルタ型プロファイル推定部31は、図4に示すように、マッチドフィルタ41および雑音除去器42から構成される。
マッチドフィルタ41は、直交復調器14から供給された時間領域OFDM信号に対し、所定の適応フィルタ処理を施し、それにより得られた推定プロファイルを、雑音除去器42に出力する。
雑音除去器42は、マッチドフィルタ41から供給される推定プロファイルに対し、雑音除去を行い、雑音の影響が抑圧された推定プロファイルを、遅延プロファイル推定部32に出力する。
ここで、雑音除去器42で行われる雑音除去の手法としては、あらかじめ決められている所定の固定値以下の成分を雑音とみなし、固定値以下の成分の値を所定の値に置換することで、雑音除去を行う手法を採用できる。例えば、上記の特許文献1には、所定の値以下となる成分を0に置換することで、雑音抑圧の効果を得られることが記載されている。このとき、設定した雑音量と、実際の雑音量との誤差は、下記の式(1)で表わすことができる。
誤差=|雑音量−雑音量設定値|・・・(1)
図3に戻り、一方、IFFTプロファイル推定部33は、時間方向伝送路推定回路19から供給される出力信号に対してIFFT演算処理を施し、推定プロファイルを算出する。IFFTプロファイル推定部33は、算出した推定プロファイルを遅延プロファイル推定部32に供給する。
遅延プロファイル推定部32には、マッチドフィルタ型プロファイル推定部31と、IFFTプロファイル推定部33からそれぞれ、推定プロファイルが供給される。遅延プロファイル推定部32は、取得したプロファイル推定結果を統合して遅延プロファイルを算出し、ウィンドウ再生信号を生成する。遅延プロファイル推定部32は、生成したウィンドウ再生信号を、FFTウィンドウ有効フラグを表わす信号として、ウィンドウ再生回路16に供給する。
以上のようにして、従来のOFDM受信機1は構成される。
特開2002−368717号公報
しかしながら、上記の複合型遅延プロファイル推定器15において、マッチドフィルタ型プロファイル推定部31の雑音除去手法は、雑音量に関わらず、固定値以下の成分を雑音成分とみなして雑音除去を行っているために、雑音の多い環境と少ない環境でのプロファイル推定精度の両立が不可能であるという問題があった。
例えば、仮に、雑音の多い環境に合わせて固定値を設定した場合、雑音の少ない環境においては、雑音よりも十分に大きいパス成分であっても固定値以下となる場合には除去されてしまい、パス検出精度の劣化が生じる。また逆に、雑音の少ない環境に合わせて固定値を設定した場合、雑音の多い環境においては、固定値を上回る雑音成分により、パスの誤検出が発生し、この場合においてもパス検出精度の劣化が生じてしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、雑音の多い環境と少ない環境での遅延プロファイル推定精度の両立を可能にするものである。
本発明の一側面の受信装置は、長い遅延のエコーを推定可能な第1のプロファイル推定器による第1のプロファイル推定結果と、短い遅延のエコーを推定可能な第2のプロファイル推定器による第2のプロファイル推定結果に基づいて遅延プロファイルの推定を行う受信装置において、前記第2のプロファイル推定結果に基づいて、前記第1のプロファイル推定器における雑音量を適応的に推定する推定手段と、推定された前記雑音量に基づいて、前記第1のプロファイル推定結果の雑音を除去する除去手段とを備える。
前記第2のプロファイル推定結果に対し、パス成分があるか、あるいはパス成分がないかを判定し、判定結果に応じて、パスあり信号と、パスなし信号に変換する変換手段を備え、前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間を0に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする。
推定された前記推定雑音量を保持する保持手段をさらに備え、前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間を、保持していた前記推定雑音量に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする。
前記パスあり信号を、最大パワーとなるパス成分を中心に反転させる反転手段をさらに備え、前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間と、反転されたパスあり信号の区間を0に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする。
推定された前記推定雑音量を保持する保持手段をさらに備え、前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間と、反転されたパスあり信号の区間を、保持していた前記推定雑音量に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする。
前記第1のプロファイル推定器は、受信信号の自己相関をとることで信号の到来時間の分布を推定するマッチドフィルタ型のプロファイル推定器であり、前記第2のプロファイル推定器は、フレームに含まれるSP信号を復調して得られた周波数軸での伝播路情報を逆フーリエ変換することで、時間軸でのインパルス応答を推定するIFFT型のプロファイル推定器である。
本発明の一側面の受信方法は、長い遅延のエコーを推定可能な第1のプロファイル推定器による第1のプロファイル推定結果と、短い遅延のエコーを推定可能な第2のプロファイル推定器による第2のプロファイル推定結果に基づいて遅延プロファイルの推定を行う受信装置の受信方法において、前記第2のプロファイル推定結果に基づいて、前記第1のプロファイル推定器における雑音量を適応的に推定し、推定された前記雑音量に基づいて、前記第1のプロファイル推定結果の雑音を除去するステップを含む。
本発明の一側面のプログラムは、上述した本発明の一側面の受信方法に対応するプログラムである
本発明の一側面の受信装置および方法、並びにプログラムにおいては、短い遅延のエコーを推定可能な第2のプロファイル推定器による第2のプロファイル推定結果に基づいて、長い遅延のエコーを推定可能な第1のプロファイル推定器における雑音量が適応的に推定され、推定された雑音量に基づいて、第1のプロファイル推定器による第1のプロファイル推定結果の雑音が除去される。
以上のように、本発明の一側面によれば、雑音の多い環境と少ない環境での遅延プロファイルの推定精度の両立を可能にすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図5は、本発明を適用したOFDM受信機の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
なお、図5のOFDM受信機51では、図1のOFDM受信機1に対応する部分には、対応する符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。すなわち、図5において、受信アンテナ11乃至直交復調器14およびウィンドウ再生回路16乃至伝送路補償器21のそれぞれは、図1のそれらと基本的に同様の構成と機能を有している。
ただし、図5に示されるように、本実施の形態のOFDM受信機51においては、雑音の多い環境や少ない環境に関わらず、適切に雑音除去を行うために、図1の複合型遅延プロファイル推定器15の代わりに、複合型遅延プロファイル推定器61が設けられている。
詳細には、図6に示すように、複合型遅延プロファイル推定器61は、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71、遅延プロファイル推定部72、およびIFFTプロファイル推定部73から構成される。
ここで、各プロファイル推定器の原理と特徴について説明すると次のようになる。
マッチドフィルタ型プロファイル推定部71は、受信信号の自己相関をとることで信号の到来時間の分布を推定し、推定プロファイルを得る。その特徴としては、長い遅延のエコーであっても推定が可能であるという利点がある。また、かかる推定出力には、エコー位置以外に、ゴーストエコーと称されるピークが出現し、パス数が増加するにつれてゴーストエコーは増えるために、精度が劣化するという特徴もある。
IFFTプロファイル推定部73は、フレーム中に含まれるSP信号を復調し得られた周波数軸での伝播路情報を、逆フーリエ変換することで時間軸でのインパルス応答を推定し、推定プロファイルを得る。その特徴としては、短い遅延のエコーであれば精度良く推定が可能であるという利点がある。また、かかる推定方式では、周波数軸のSP信号の間隔により、推定可能な時間領域の遅延量が決定し、この遅延量を超えた成分は、いわゆるエイリアジングとして見えるため正しい推定ができなくなるという特徴もある。
遅延プロファイル推定部72には、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71と、IFFTプロファイル推定部73からそれぞれ、推定プロファイルが供給される。遅延プロファイル推定部72は、取得したプロファイル推定結果を統合して遅延プロファイルを算出し、ウィンドウ再生信号を生成し、FFTウィンドウ有効フラグを表わす信号として、ウィンドウ再生回路16に供給する。
すなわち、複合型遅延プロファイル推定器61は、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71によるプロファイル推定結果と、IFFTプロファイル推定部73によるプロファイル推定結果に基づいて遅延プロファイルの推定を行うことで、短い遅延と長い遅延の性能を両立したプロファイル推定器を実現している。
なお、上述したように、遅延プロファイルとは、送信側の送信機(図示せず)からOFDM受信機51へ到達する経路のインパルス応答を表わしたものであって、本実施の形態においては、特に、OFDM受信機51への信号の到来時刻の分布を表わしている。
ところで、複合型遅延プロファイル推定器61は、図3の複合型遅延プロファイル推定器15と比べて、IFFTプロファイル推定部73からマッチドフィルタ型プロファイル推定部71に対し、プロファイル推定結果を表わす信号が出力される点において異なっている。すなわち、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71には、直交復調器14からの時間領域OFDM信号の他に、IFFTプロファイル推定部73からのプロファイル推定結果を表わす信号が供給される。
マッチドフィルタ型プロファイル推定部71は、図7に示すように、マッチドフィルタ81、雑音除去器82、雑音推定器83、およびパス有無フラグ変換器84から構成される。マッチドフィルタ型プロファイル推定部71において、マッチドフィルタ81には、時間領域OFDM信号が供給され、パス有無フラグ変換器84には、IFFTプロファイル推定部73からのプロファイル推定結果を表わす信号が供給される。
マッチドフィルタ81は、直交復調器14から供給された時間領域OFDM信号に対し、所定の適応フィルタ処理を施し、それにより得られた推定プロファイルを、雑音除去器82および雑音推定器83に出力する。
パス有無フラグ変換器84は、IFFTプロファイル推定部73からのプロファイル推定結果を表わす信号に対し、パス成分があるか、あるいはパス成分がないかを判定し、判定結果に応じて、パスありフラグ信号と、パスなしフラグ信号に変換する。パス有無フラグ変換器84は、パス成分の有無を示すフラグ(以下、パス有無フラグと称する)を表わす信号を雑音推定器83に供給する。
雑音推定器83には、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号と、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号が供給される。雑音推定器83は、パス有無フラグを表わす信号に基づいて、推定プロファイルを表わす信号のうち、パスなしと判定された区間の平均パワーを求めて、推定雑音量とする。
ここで、図8を参照して、図7の雑音推定器83により行われる推定雑音量の演算処理の詳細について説明する。
図8の例では、図中上側から、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号の出力、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号の出力、雑音推定器83内で行われる演算処理のそれぞれのタイミングチャートを表わしている。また、図8においては、図中の左側から右側に向かう方向が時間方向とされる。
マッチドフィルタ出力、すなわち、推定プロファイルを表わす信号には、伝送路インパルス応答に対応するピークの他に、伝送路インパルス応答には対応しないピークも存在する。このピークのことをゴーストエコーと称し、図8のマッチドフィルタ出力では、このゴーストエコー成分のある区間を点線で表わしている。一方、図8のマッチドフィルタ出力では、パス成分のある区間を実線で表わしている。
パス有無フラグは、IFFTプロファイル推定部73によるプロファイル推定結果のパスあり、あるいはパスなしを示す信号であって、フラグが立っている区間がパスありの区間を示し、フラグの立っていない区間がパスなしの区間を示している。
雑音推定器83には、図8のマッチドフィルタ出力とパス有無フラグが入力されるので、図8の雑音推定器内で示すように、雑音推定器83は、マッチドフィルタ出力のうち、パスありフラグの立っている区間を0に置換し、平均パワーを演算することで、雑音量の推定を行う。
すなわち、かかる手法(以下、第1の手法と称する)による推定雑音量は、下記の式(2)で表わされる。
推定雑音量=(雑音量×パスなし区間長+ゴーストエコー成分)/(パスあり区間長+パスなし区間長)・・・(2)
また、このときの誤差は、下記の式(3)で表すことができる。
誤差=(ゴーストエコー成分−雑音量×パスあり区間長)/(パスあり区間長+パスなし区間長)・・・(3)
雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に出力する。
図7に戻り、雑音除去器82は、雑音推定器83から供給された推定雑音量に基づいて、マッチドフィルタ81から供給される推定プロファイルを表わす信号に対し、雑音除去処理を施す。雑音除去器82は、雑音除去処理を施されることにより、雑音の影響が抑圧された推定プロファイルを、遅延プロファイル推定部72に出力する。
以上のように、図7のマッチドフィルタ型プロファイル推定部71は、従来の手法に比べ、推定誤差が雑音量に依存してしまう成分を軽減でき、雑音量に対する雑音推定精度のロバスト性が得られる。
ところで、上記の特許文献1には、ゴーストエコー成分の一部は、最大パワーのパス成分を中心として、本来のパス成分の線対称位置に現れることが記載されている。ここで、かかる位置に現れるゴーストエコーを、「対称ゴーストエコー」と称し、これに対し、パスの相対位置ではない位置に現れるゴーストエコーを、「非対称ゴーストエコー」と称すると、図8においてゴーストエコー成分と称していたゴーストエコーのパワーは、下記の式(4)で表わされる。
ゴーストエコー成分=対称ゴーストエコー成分+非対称ゴーストエコー成分
・・・(4)
・・・(4)
すなわち、最大パワーのパス成分を中心として、本来のパス成分の線対称位置に対称ゴーストエコー成分が現れるという性質を利用して、ゴーストエコー成分による推定誤差の低減を行うことが可能となる。
かかる機能を実現するための構成を有するマッチドフィルタ型プロファイル推定部71が、図9に示されている。
なお、図9では、図7と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。この例においては、雑音推定器83とパス有無フラグ変換器84との間に、パス有無フラグ反転器85が設けられている。
パス有無フラグ反転器85は、パス有無フラグ変換器84からのIFFTプロファイル推定結果によるパス有無フラグを、最大パワーパス成分を中心に反転し、その結果(以下、パス有無フラグ反転と称する)を表わす信号を雑音推定器83に供給する。
雑音推定器83には、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号と、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号の他に、パス有無フラグ反転器85からのパス有無フラグ反転を表わす信号が供給される。雑音推定器83は、パス有無フラグを表わす信号およびパス有無フラグ反転を表わす信号に基づいて、推定プロファイルを表わす信号のうち、パスなしと判定された区間であって、反転パスなしと判定された区間の平均パワーを求めて、推定雑音量とする。
ここで、図10を参照して、図9の雑音推定器83により行われる推定雑音量の演算処理の詳細について説明する。
図10の例では、図8と比較して、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号の出力と、雑音推定器83内で行われる演算処理のタイミングチャートの間に、パス有無フラグ反転器85からのパス有無フラグ反転を表わす信号のタイミングチャートが示されている。また、図10においても、図8と同様に、図中左側から右側に向かう方向が時間方向とされる。
図10において、マッチドフィルタ出力、すなわち、推定プロファイルを表わす信号には、パス成分のうち最大パワーとなる最大パワーパス成分を中心として、パス成分の線対称となる位置に対称ゴーストエコー成分が現れる。また、パス成分と線対称にならない位置には、非対称ゴーストエコー成分が現れる。
パス有無フラグは、図8と同様に、IFFTプロファイル推定部73によるプロファイル推定結果によるパスあり、あるいはパスなしを示す信号である。パス有無フラグ反転は、そのIFFTプロファイル推定部73によるプロファイル推定結果によるパス有無フラグを表わす信号を、最大パワー成分を中心に反転させた信号である。従って、図10において、パス有無フラグを表わす信号と、パス有無フラグ反転を表わす信号は、最大パワーパス成分のフラグが立っている区間を中心に対称な位置となる。例えば、図10の例では、パス有無フラグの最後(3番目)の立ち上がりと、パス有無フラグ反転の最初(1番目)の立ち上がりが最大パワーパス成分の区間を示しており、その最大パワーパス成分の区間を中心に、パス有無フラグの2番目の立ち上がりと、パス有無フラグ反転の2番目の立ち上がり、および、パス有無フラグの最初(1番目)の立ち上がりと、パス有無フラグ反転の最後(3番目)の立ち上がりのそれぞれが対称な位置となる。
雑音推定器83には、図10のマッチドフィルタ出力、パス有無フラグ、およびパス有無フラグ反転がそれぞれ入力されるので、図10の雑音推定器内で示すように、雑音推定器83は、マッチドフィルタ出力のうち、パスありフラグの立っている区間と、反転パスありフラグの立っている区間の両方の区間を0に置換し、平均パワーを演算することで、雑音量の推定を行う。
すなわち、かかる手法(以下、第2の手法と称する)による推定雑音量は、下記の式(5)で表わされる。
推定雑音量=(雑音量×第2パスなし区間長+非対称ゴーストエコー成分)/(第2パスあり区間長+第2パスなし区間長)・・・(5)
なお、式(5)では、上記の式(2)と区別するために、パス有無フラグと、パス有無フラグ反転のどちらか一方でも立っている区間を第2パスあり区間とし、それらのフラグがどちらも立っていない区間を第2パスなし区間としている。
また、このときの誤差は、下記の式(6)で表すことができる。
誤差=(非対称ゴーストエコー成分−雑音量×第2パスあり区間長)/(第2パスあり区間長+第2パスなし区間長)・・・(6)
雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に出力する。
なお、図9において、その他の構成は、図7における場合と同様である。
以上のように、図9のマッチドフィルタ型プロファイル推定部71は、第2の手法により推定雑音量を演算するので、マルチパス環境において、ゴーストエコー成分により推定誤差が大きくなる場合に、対称ゴーストエコー成分を雑音推定から除外できるため、第1の手法と比べると、推定精度をさらに高めることができる。
ところで、パス数の多いマルチパス環境においては、第2の手法で説明した第2パスあり区間長が大きくなることで、結果として、推定誤差が大きくなってしまう可能性がある。そこで、次に、かかる環境であっても、雑音推定精度を高める手法をについて説明する。
図11は、かかる機能を実現するための構成を有するマッチドフィルタ型プロファイル推定部71を示すブロック図である。
なお、図11では、図9と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。この例においては、雑音除去器82と雑音推定器83との間に、推定雑音保持部86が設けられている。推定雑音保持部86は、雑音推定器83により演算された推定雑音量を保持する。
すなわち、雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に供給するのと同時に、その推定雑音量を推定雑音保持部86に保持する。推定雑音保持部86は、雑音推定器83により次に推定雑音量を求める演算が行われるタイミングで、保持している推定雑音量(前回演算された雑音推定量)を雑音推定器83に供給する。
雑音推定器83には、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号、およびパス有無フラグ反転器85からのパス有無反転を表わす信号の他に、推定雑音保持部86からの前回推定雑音量が供給される。雑音推定器83は、パス有無フラグを表わす信号、パス有無フラグ反転を表わす信号、および前回推定雑音量に基づいて、推定プロファイルを表わす信号のうち、パスなしと判定された区間であって、反転パスなしと判定された区間の平均パワーを求めて、推定雑音量とする。
ここで、図12を参照して、図11の雑音推定器83により行われる推定雑音量の演算処理の詳細について説明する。
図12の例では、図10と比較して、マッチドフィルタ出力、パス有無フラグ、およびパス有無フラグ反転のそれぞれのタイミングチャートは同様である。また、図12においても、図10と同様に、図中左側から右側に向かう方向が時間方向とされる。
図12において、雑音推定器83には、マッチドフィルタ出力、パス有無フラグ、およびパス有無フラグ反転がそれぞれ入力されるので、雑音推定器内で示すように、雑音推定器83は、マッチドフィルタ出力のうち、パスありフラグの立っている区間と、反転パスありフラグの立っている区間の両方の区間の値を置換するが、ここでは、図10のように、0に置換するのではなく、推定雑音保持部86から供給される前回推定雑音量に置換する。
雑音推定器83は、マッチドフィルタ出力のうち、パスありフラグの立っている区間と、反転パスありフラグの立っている区間の両方の区間を前回推定雑音量に置換し、平均パワーを演算することで、雑音量の推定を行う。
すなわち、かかる手法(以下、第3の手法と称する)による推定雑音量は、下記の式(7)で表わされる。
推定雑音量=(雑音量×第2パスなし区間長+前回推定雑音量×第2パスあり区間長+非対称ゴーストエコー成分)/(第2パスあり区間長+第2パスなし区間長)
・・・(7)
・・・(7)
また、このときの誤差は、下記の式(8)で表すことができる。
誤差=(非対称ゴーストエコー成分−(雑音量−前回推定雑音量)×第2パスあり区間長)/(第2パスあり区間長+第2パスなし区間長)・・・(8)
雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に出力する。
なお、図11において、その他の構成は、図9における場合と同様である。
以上のように、図11のマッチドフィルタ型プロファイル推定部71は、第3の手法により推定雑音量を演算するので、雑音推定の試行を重ねて雑音量と、前回推定雑音量とが漸近していくと、推定誤差量は非対称ゴーストエコー成分のみとなり、第2の手法と比べると、マルチパス環境に対する推定精度のロバスト性をさらに高めることができる。
なお、図11では、推定雑音保持部86を、図9の構成に加えた例について説明したが、同様にして図7の構成に加えることも可能である。その場合、推定雑音保持部86は、雑音除去器82と雑音推定器83との間に設けられ、雑音推定器83は、マッチドフィルタ出力のうち、パスありフラグの立っている区間の値を、0に置換するのではなく、推定雑音保持部86から供給される前回推定雑音量に置換する。
次に、以上のような構成を有するOFDM受信機51の処理について説明する。
はじめに、図13のフローチャートを参照して、図5のOFDM受信機51によるOFDM復調処理について説明する。
ステップS1において、周波数変換器12は、受信アンテナ11において受信されたRF信号をIF信号に周波数変換し、IF信号をA/D変換器13に供給する。
ステップS2において、A/D変換器13は、IF信号に対してA/D変換を施し、デジタルのIF信号を直交復調器14に供給する。
ステップS3において、直交復調器14は直交復調を行い、それにより得られた時間領域OFDM信号を、FFT演算回路17、ウィンドウ再生回路16、および複合型遅延プロファイル推定器61にそれぞれ供給する。
ステップS4において、FFT演算回路17はFFT演算処理を行う。FFT演算処理を行うことによって得られた周波数領域OFDM信号は、SP信号抽出回路18と、伝送路補償器21に出力される。FFT演算処理の詳細については、図14のフローチャートを参照して後述する。
ステップS5において、SP信号抽出回路18は、周波数領域OFDM信号からSP信号を抽出し、SP信号位置におけるサブキャリアの伝送路特性を推定する。SP信号抽出回路18は、推定した伝送路特性を表わす信号を、時間方向伝送路推定回路19に供給する。
ステップS6において、時間方向伝送路推定回路19は、SP信号が配置されているサブキャリアの、時間方向に並ぶ各OFDMシンボルの位置における伝送路特性を推定する。時間方向伝送路推定回路19は、推定した伝送路特性を表わす信号を、複合型遅延プロファイル推定器61と、周波数方向伝送路推定回路20に供給する。
ステップS7において、周波数方向伝送路推定回路20は、周波数方向に並ぶ各OFDMシンボルの位置におけるサブキャリアの伝送路特性を推定する。周波数方向伝送路推定回路20は、推定した伝送路特性を表わす信号を、伝送路補償器21に供給する。
ステップS8において、伝送路補償器21は、周波数領域OFDM信号に含まれる歪みの成分を除去する。伝送路補償器21は、歪みの成分を除去した周波数領域OFDM信号を等化器出力信号として、後段の回路に出力し、OFDM復調処理は終了する。
次に、図14のフローチャートを参照して、図13のステップS4の処理で行われる、FFT演算処理の詳細について説明する。
ステップS11において、複合型遅延プロファイル推定器61は、遅延プロファイル推定処理を行う。複合型遅延プロファイル推定器61は、遅延プロファイル推定処理を行うことにより得られた遅延プロファイルに基づいたFFTウィンドウ有効フラグを表わす信号を、ウィンドウ再生回路16に出力する。
ここで、ステップS11の処理に対応する、遅延プロファイル推定処理の詳細について、図15のフローチャートを参照して説明する。
ステップS31において、IFFTプロファイル推定部73は、時間方向伝送路推定回路19から供給される出力信号に対し、IFFT演算処理を施し、推定プロファイルを算出する。IFFTプロファイル推定部33は、算出した推定プロファイルを表わす信号を、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71と、遅延プロファイル推定部72に出力する。
ステップS32において、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71は、直交復調器14からの時間領域OFDM信号と、IFFTプロファイル推定部73からのプロファイル推定結果を表わす信号に基づいて、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理を行い、それにより得られた推定プロファイルを、遅延プロファイル推定部72に出力する。
なお、上述したように、本実施の形態では、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理として、第1の手法乃至第3の手法の3つの手法を提案しており、それらの詳細については、図16乃至図18のフローチャートを参照して後述する。
ステップS33において、遅延プロファイル推定部72は、マッチドフィルタ型プロファイル推定部71と、IFFTプロファイル推定部73のそれぞれから供給される推定プロファイルを表わす信号に基づいて、プロファイル推定結果を統合して遅延プロファイルを算出し、ウィンドウ再生信号を生成する。遅延プロファイル推定部72は、生成したウィンドウ再生信号を、FFTウィンドウ有効フラグを表わす信号として、ウィンドウ再生回路16に出力し、遅延プロファイル推定処理は終了する。
図14のフローチャートに戻り、ステップS12において、ウィンドウ再生回路16は、複合型遅延プロファイル推定器61からのFFTウィンドウ有効フラグを表わす信号に基づいて、FFTウィンドウ位置を決定し、決定したFFTウィンドウ位置を指定する信号を、FFT演算回路17に供給する。
ステップS13において、FFT演算回路17は、指定されたFFTウィンドウ位置にしたがって、FFT演算処理を行い、時間領域OFDM信号を周波数領域OFDM信号に変換し、SP信号抽出回路18と、伝送路補償器21に出力する。その後、処理は、図13のステップS4に戻る。
次に、図16乃至図18のフローチャートを参照して、図15のステップS32の処理で行われる、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理の詳細について説明する。
まず、図16のフローチャートを参照して、第1の手法、すなわち、図7のマッチドフィルタ型プロファイル推定部71による、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理について説明する。
ステップS51において、マッチドフィルタ81は、直交復調器14からの時間領域OFDM信号に対し、所定の適応フィルタ処理を施し、それにより得られた推定プロファイルを表わす信号を、雑音除去器82および雑音推定器83に出力する。
ステップS52において、パス有無フラグ変換器84は、IFFTプロファイル推定部73からのプロファイル推定結果を表わす信号に対し、パス成分があるか、あるいはパス成分がないかを判定し、判定結果に応じたパス有無フラグを表わす信号を、雑音推定器83に出力する。
ステップS53において、雑音推定器83は、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号に基づいて、上記の式(2)により、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号のうち、パスありと判定された区間を0に置換してから
平均パワーを求めて、推定雑音量とする。雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に出力する。
平均パワーを求めて、推定雑音量とする。雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に出力する。
ステップS54において、雑音除去器82は、雑音推定器83からの推定雑音量に基づいて、マッチドフィルタ81からの推定プロファイル信号に対し、雑音除去処理を施す。雑音除去器82は、雑音除去処理を施されることにより得られた推定プロファイルを表わす信号を、遅延プロファイル推定部72に出力する。その後、処理は、図15のステップS32に戻る。
次に、図17のフローチャートを参照して、第2の手法、すなわち、図9のマッチドフィルタ型プロファイル推定部71による、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理の詳細について説明する。
ステップS71およびステップS72においては、図16のステップS51およびステップS52の処理と同様に、マッチドフィルタ81によって、所定の適応フィルタ処理が行われ、パス有無フラグ変換器84によって、パス有無フラグ変換処理が行われる。
ステップS73において、パス有無フラグ反転器85は、パス有無フラグ変換器84からのIFFTプロファイル推定結果によるパス有無フラグを、最大パワーパス成分を中心に反転し、それにより得られたパス有無フラグ反転を表わす信号を、雑音推定器83に出力する。
ステップS74において、雑音推定器83は、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号と、パス有無フラグ反転器85からのパス有無フラグ反転を表わす信号に基づいて、上記の式(5)により、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号のうち、パスありと判定された区間と、反転パスありと判定された区間の両方の区間を0に置換してから平均パワーを求めて、推定雑音量とする。雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82に出力する。
ステップS75においては、図16のステップS54の処理と同様に、雑音除去器82によって、所定の雑音除去処理が行われ、それにより得られた推定プロファイルを表わす信号が遅延プロファイル推定部72に出力される。その後、処理は、図15のステップS32の処理に戻る。
次に、図18のフローチャートを参照して、第3の手法、すなわち、図11のマッチドフィルタ型プロファイル推定部71による、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理の詳細について説明する。
なお、図18の処理において、推定雑音保持部86は、既に、上記の前回推定雑音量を保持しているものとして説明する。
ステップS91乃至ステップS93においては、図17のステップS71乃至ステップS73の処理と同様に、マッチドフィルタ81によって、所定の適応フィルタ処理が行われ、パス有無フラグ変換器84によって、パス有無フラグ変換処理が行われ、パス有無フラグ反転器85によって、パス有無フラグ反転処理が行われる。
ステップS94において、雑音推定器83は、推定雑音保持部86に保持されている前回雑音推定量を読み出す。
ステップS95において、雑音推定器83は、パス有無フラグ変換器84からのパス有無フラグを表わす信号、パス有無フラグ反転器85からのパス有無フラグ反転を表わす信号、および推定雑音保持部86から読み出した前回推定雑音量に基づいて、上記の式(7)により、マッチドフィルタ81からの推定プロファイルを表わす信号のうち、パスありと判定された区間と、反転パスありと判定された区間の両方の区間を前回推定雑音量に置換してから平均パワーを求めて、推定雑音量とする。雑音推定器83は、演算により求めた推定雑音量を雑音除去器82と、推定雑音保持部86に出力する。
ステップS96において、推定雑音保持部86は、雑音推定器83からの推定雑音量を保持する。つまり、この保持された推定雑音量が、雑音推定器83で行われる次の演算において、前回推定雑音量として用いられる。
ステップS97においては、図17のステップS75の処理と同様に、雑音除去器82によって、所定の雑音除去処理が行われ、それにより得られた推定プロファイルを表わす信号が遅延プロファイル推定部72に出力される。その後、処理は、図15のステップS32の処理に戻る。
以上のようにして、推定雑音量を適応的に演算することにより、マッチドフィルタ型プロファイル推定処理は行われる。
以上の如く、本発明によれば、雑音量推定による適応的な雑音抑制効果の機能を有するマッチドフィルタ型プロファイル推定器出力として、雑音量によらず、安定したプロファイル推定結果を出力することができ、高い遅延プロファイル推定精度を持ったOFDM受信装置を実現できる。
すなわち、かかるOFDM受信装置においては、雑音レベルを適応的に推定し、雑音除去を行うことにより、雑音の多い環境と、少ない環境での遅延プロファイル推定精度の両立が可能となる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
図19は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)111は、ROM(Read Only Memory)112、または記録部118に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)113には、CPU111が実行するプログラムやデータ等が適宜記憶される。これらのCPU111、ROM112、およびRAM113は、バス114により相互に接続されている。
CPU111にはまた、バス114を介して入出力インターフェース115が接続されている。入出力インターフェース115には、マイクロホン等よりなる入力部116、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部117が接続されている。CPU111は、入力部116から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU111は、処理の結果を出力部117に出力する。
入出力インターフェース115に接続されている記録部118は、例えばハードディスクからなり、CPU111が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部119は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して外部の装置と通信する。
また、通信部119を介してプログラムを取得し、記録部118に記録してもよい。
入出力インターフェース115に接続されているドライブ120は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア121が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータ等を取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部118に転送され、記録される。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図19に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア121、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM112や、記録部118を構成するハードディスク等により構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデム等のインターフェースである通信部119を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 受信アンテナ, 12 周波数変換器, 13 A/D変換器, 14 直交復調器, 16 ウィンドウ再生回路, 17 FFT演算回路, 18 SP信号抽出回路, 19 時間方向伝送路推定回路, 20 周波数方向伝送路推定回路, 21 伝送路補償器, 51 OFDM受信機, 61 複合型遅延プロファイル推定器, 71 マッチドフィルタ型プロファイル推定部, 72 遅延プロファイル推定部, 73 IFFTプロファイル推定部, 81 マッチドフィルタ, 82 雑音除去器, 83 雑音推定器, 84 パス有無フラグ変換器, 85 パス有無フラグ反転器, 86 推定雑音保持部
Claims (8)
- 長い遅延のエコーを推定可能な第1のプロファイル推定器による第1のプロファイル推定結果と、短い遅延のエコーを推定可能な第2のプロファイル推定器による第2のプロファイル推定結果に基づいて遅延プロファイルの推定を行う受信装置において、
前記第2のプロファイル推定結果に基づいて、前記第1のプロファイル推定器における雑音量を適応的に推定する推定手段と、
推定された前記雑音量に基づいて、前記第1のプロファイル推定結果の雑音を除去する除去手段と
を備える受信装置。 - 前記第2のプロファイル推定結果に対し、パス成分があるか、あるいはパス成分がないかを判定し、判定結果に応じて、パスあり信号と、パスなし信号に変換する変換手段を備え、
前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間を0に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする
請求項1に記載の受信装置。 - 推定された前記推定雑音量を保持する保持手段をさらに備え、
前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間を、保持していた前記推定雑音量に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする
請求項2に記載の受信装置。 - 前記パスあり信号を、最大パワーとなるパス成分を中心に反転させる反転手段をさらに備え、
前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間と、反転されたパスあり信号の区間を0に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする
請求項2に記載の受信装置。 - 推定された前記推定雑音量を保持する保持手段をさらに備え、
前記推定手段は、前記第1のプロファイル推定結果のうち、前記パスあり信号の区間と、反転されたパスあり信号の区間を、保持していた前記推定雑音量に置換してから平均パワーを演算することで得られる結果を推定雑音量とする
請求項4に記載の受信装置。 - 前記第1のプロファイル推定器は、受信信号の自己相関をとることで信号の到来時間の分布を推定するマッチドフィルタ型のプロファイル推定器であり、
前記第2のプロファイル推定器は、フレームに含まれるSP信号を復調して得られた周波数軸での伝播路情報を逆フーリエ変換することで、時間軸でのインパルス応答を推定するIFFT型のプロファイル推定器である
請求項1に記載の受信装置。 - 長い遅延のエコーを推定可能な第1のプロファイル推定器による第1のプロファイル推定結果と、短い遅延のエコーを推定可能な第2のプロファイル推定器による第2のプロファイル推定結果に基づいて遅延プロファイルの推定を行う受信装置の受信方法において、
前記第2のプロファイル推定結果に基づいて、前記第1のプロファイル推定器における雑音量を適応的に推定し、
推定された前記雑音量に基づいて、前記第1のプロファイル推定結果の雑音を除去する
ステップを含む受信方法。 - 長い遅延のエコーを推定可能な第1のプロファイル推定器による第1のプロファイル推定結果と、短い遅延のエコーを推定可能な第2のプロファイル推定器による第2のプロファイル推定結果に基づいて遅延プロファイルの推定を行う機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第2のプロファイル推定結果に基づいて、前記第1のプロファイル推定器における雑音量を適応的に推定し、
推定された前記雑音量に基づいて、前記第1のプロファイル推定結果の雑音を除去する
ステップを含むプログラム。
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