JP2009164047A - 電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正極端子と負極端子間の絶縁性を高め、外装フィルムが損傷しても外部短絡の発生のない信頼性の高い電池を提供することにある。
【解決手段】正極端子を兼ねた電池ケース1の開口部が、絶縁性ガスケット5を介して負極端子板7にかしめ封口され、電池ケース1の外周面が外装フィルム8で被覆されており、電池ケース1の開口部端面を含む封口かしめ部に、転写により形成された絶縁性被膜9が形成され、絶縁性被膜9は外装フィルム8によって被覆されている。
【選択図】図6
【解決手段】正極端子を兼ねた電池ケース1の開口部が、絶縁性ガスケット5を介して負極端子板7にかしめ封口され、電池ケース1の外周面が外装フィルム8で被覆されており、電池ケース1の開口部端面を含む封口かしめ部に、転写により形成された絶縁性被膜9が形成され、絶縁性被膜9は外装フィルム8によって被覆されている。
【選択図】図6
Description
本発明は、外装フィルムで被覆された電池の正極端子と負極端子間の外部短絡防止を図った封口かしめ部の構成に関する。
アルカリ電池の高容量化に伴い、電池の内容積を増やすために、電池の外装として、従来のメタルジャケットに代わって、電池ケースを、例えば、熱収縮性樹脂フィルム等の外装フィルム(以下、単に「外装フィルム」という)で被覆した電池が用いられている。正極端子を兼ねた電池ケースの開口部をガスケットを介して負極端子板にかしめ封口した構造の電池においては、電池の同一面で、正極端子(電池ケースの封口かしめ部)と負極端子板とが接近しているため、外装フィルムを、電池ケースの外周面から、封口かしめ部まで被覆することによって、両端子間の絶縁性を確保している。
しかしながら、外装フィルムは、メタルジャケットよりも強度が弱いため、例えば、使用機器に電池を装着または着脱する際、外装フィルムが損傷すると、使用機器側の端子が正極端子と負極端子に同時接触した場合、電池が外部短絡を起こすおそれがある。
このような外部短絡を防ぐ方法として、電池ケースの封口かしめ部に絶縁性被膜を形成しておく方法が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
図10は、特許文献1に記載された封口かしめ部の構造を示した部分断面図で、正極ケース301の開口部が、ガスケット302を介して負極端子板303にかしめ封口されている。そして、封口かしめ部における正極端子301と負極端子303との間に形成された窪み部分に、流動性の紫外線硬化樹脂304を流し込んだ後、紫外線を照射して樹脂を硬化させて、窪み部分に絶縁性被膜304を形成している。
また、図11は、特許文献2に記載された封口かしめ部の構造を示した部分断面図で、正極ケース401の開口部が、ガスケット402を介して負極端子板403にかしめ封口されており、紫外線硬化樹脂404を、正極ケース401の開口部端面から外周面に至るまで塗布した後、紫外線を照射して樹脂を硬化させて、封口かしめ部に絶縁性被膜404を形成している。
上記のような方法により、電池ケース301、401の封口かしめ部を被覆した外装フィルム(不図示)が損傷しても、正極端子301、401と負極端子303、403との絶縁性は、絶縁性被膜304、404で確保されているため、外部短絡の発生を防止することができる。
特公平7−93131号公報
特公平5−63901号公報
本願発明者等は、上記の方法により封口かしめ部に絶縁性被膜を形成して、外装フィルムが損傷しても、外部短絡の発生を防止する対策を取った電池を用いて、使用機器への装着・脱着時における外部短絡の発生リスクを検討してたところ、以下のような課題があることを見出した。
図1(a)、(b)は、電池101を使用機器の電池収容ケース102に装着する際の、装着動作を説明した図で、通常、電池101の負極端子側を接続端子(通常はバネ端子となっている)103に押し付けながら(図1(a))、電池101の正極端子側を電池収容ケース102に押し込んで(図1(b))、電池101を電池収容ケース102に装着するのが普通である。また、電池101の着脱も、これと同じ要領で、電池101を接続端子103に押し付けながら、電池101の正極端子側を電池収容ケース102から引き上げて行うのが普通である。
しかしながら、使用者は、想定外の電池の装着・着脱を行うことがあり、特に、着脱時に、電池101を接続端子103に押し付けずに、いきなり電池101の負極端子側を引き上げると、接続端子103から電池101に力(装着時の接続端子103の反発力は、通常、2〜16N程度の大きさがある)がかかり、外部短絡の発生リスクが高くなることが予想される。
本願発明者等は、このような想定外の着脱を行ったときの外部短絡の発生リスクを評価した結果、以下のような事実が判明した。
図2は、その評価方法を説明した図で、電池収容ケース102に装着された電池101を、電池101を接続端子103に押し付けずに、電池101の負極端子側を矢印の方向に引き上げて脱着を行い、そのとき、電池101の電圧が低下したものを、外部短絡が発生した電池と評価した。
外部短絡が発生した事例を詳細に検討した結果、接続端子103に板バネを使用した電池収容ケース102では、外部短絡はほとんど発生しなかったのに対し、円錐バネ(コイルバネ)を使用した電池収容ケース102では、外部短絡が多く発生していることが分かった。
さらに、外部短絡が発生した電池101の短絡箇所を詳細に検討した結果、円錐バネの形状によって、短絡箇所が異なる傾向があることが分かった。
すなわち、図3(a)に示すように、円錐バネ103の先端部103aが無研削のビックテールエンドで、かつ、電池収容ケース102に下向きに取付けられている場合には、短絡箇所は、図4に示したAの箇所で多く起こり、他方、図3(b)に示すように、円錐バネ103の先端部103aが、バネセンターOを通り、かつ、電池収容ケース102に下向きに取付けられている場合には、短絡箇所は、図4に示したBの箇所で多く起こっていることが判明した。ここで、円錐バネ103の電池収容ケース102の取付方向は、便宜上、図2に示したように、電池101を装着・脱着する側を「上」、その反対側を「下」としている。
なお、図3(a)、(b)に示した形状の円錐バネ103において、電池収容ケース102の取付方向を、上下逆にした場合には、外部短絡はほとんど発生しなかった。また、図3(b)に示した形状の円錐バネ103の先端部103aが、真下方向から約15度振れた範囲では、外部短絡の発生が見られた。
このように、円錐バネ103の形状によって、外部短絡の発生箇所が異なる傾向があるのは、電池101の脱着時に、円錐バネ103の先端部103aが電池101の負極端子側に擦れる箇所が、それぞれ異なることによるものと考えられる。然して、外部短絡が発生した箇所をさらに詳細に検討した結果、封口かしめ部に形成した絶縁性被膜の膜厚が、短絡箇所において、他の箇所よりも薄くなっている事実が判明した。
すなわち、円錐バネ103が電池に擦れる箇所は、円錐バネ103の形状等で異なり、たまたま、円錐バネ103の擦れた箇所おける絶縁性被膜の膜厚が薄く形成されていた場合に、外部短絡に至ったものと考えられる。換言すれば、封口かしめ部に形成した絶縁性被膜の膜厚が均一に形成されずに、薄くなっている箇所がある場合、円錐バネ103の形状や取付方向によっては、外部短絡が発生するおそれが高くなると考えられる。
かかる観点で、従来の封口かしめ部に絶縁性被膜を形成する方法を見た場合、例えば、特許文献1に記載された方法では、窪み部に流動性の絶縁性被膜を流し込むため、封口かしめ部の平坦部上には絶縁性被膜が行き届かなく、また、特許文献2に記載された方法では、封口かしめ部の外周面に塗布した絶縁性被膜が流れてしまうため、いずれの方法においても、封口かしめ部全体に亘って絶縁性被膜を均一に形成することは難しい。
また、ノズルから絶縁性材料を吐出して絶縁性被膜を形成する方法は、ノズルからの吐出量を一定に制御することが難しいため、絶縁性被膜の膜厚のバラツキも大きい。
ところで、絶縁性被膜を均一に形成できなくても、全体的に厚めに形成することにより薄い部分を実質的にないようにして、外部短絡の発生を防止する方法も考えられるが、例えば、ノズルからの吐出量を増やすと、図10の負極端子303の立上り部305では、表面張力により絶縁性材料の付着量が多くなり、使用機器と接触する負極端子303の平坦部にも付着するおそれがある。また、負極端子303の立上り部305における絶縁性被膜の厚みが増えると、絶縁性被膜を外装フィルムで被膜した際、外装フィルムの高さが負極端子303の高さを超えてしまうと、負極端子303が使用機器の端子と導通が取れなくなるおそれもある。なお、外装フィルムは、両端部を重ねて筒状にするため、重なり部分で外装フィルムの厚みが増すので、その分も考慮して、図4に示した絶縁性被膜の高さと負極端子の高さとの距離Lを定めておかなければならない。また、電池の高容量化に伴い、距離Lはさらに狭くなる方向にあることから、絶縁性被膜の膜厚の制約は益々厳しくなる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その主な目的は、正極端子と負極端子間の絶縁性を高め、外装フィルムが損傷しても外部短絡の発生のない信頼性の高い電池を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に、均一な膜厚の絶縁性被膜が形成された構成を採用する。
すなわち、本発明に係わる電池は、一方の電極端子を兼ねた電池ケースの開口部が、絶縁性ガスケットを介して他方の電極端子板にかしめ封口され、電池ケースの外周面が外装フィルムで被覆されてなる電池であって、電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に、均一な膜厚を持つ絶縁性被膜が形成されており、絶縁性被膜は、外装フィルムによって被覆されていることを特徴とする。
ある好適な実施形態において、封口かしめ部の一部は平坦部を有し、絶縁性被膜は少なくとも開口部端面から平坦部に亘って形成されている。
さらに、封口かしめ部の一部は平坦部に連なる周縁湾曲部を有し、絶縁性被膜は周縁湾曲部に至るまで形成されていることが好ましい。
ある好適な実施形態において、絶縁性被膜は、封口かしめ部に転写により形成されている。また、その厚みは0.1mm〜0.3mmの範囲にあることが好ましい。
ある好適な実施形態において、絶縁性被膜は紫外線硬化樹脂からなることが好ましい。
本発明に係わる電池の製造方法は、一方の電極端子を兼ねた電池ケースの開口部が、絶縁性ガスケットを介して他方の電極端子板にかしめ封口された電池を用意する工程(a)と、平板上に絶縁性材料を均一な厚さに形成する工程(b)と、リング状の転写スタンプを絶縁性材料に押圧して、転写スタンプのリング状表面に絶縁性材料を付着させる工程(c)と、転写スタンプを電池の封口かしめ部に接触させて絶縁性材料を封口かしめ部に転写することにより、電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に絶縁性被膜を形成する工程(d)と、電池ケースの外周面及び絶縁性被膜を含む封口かしめ部を外装フィルムで被覆する工程(f)とを含むことを特徴とする。
ある好適な実施形態において、転写スタンプのリング状表面の一部にスリットが設けられており、上記工程(c)において、絶縁性材料はスリット部分を除く転写スタンプに付着される。
ある好適な実施形態において、上記工程(d)において、電池またはリング状の転写スタンプを回転させながら絶縁性材料を封口かしめ部に転写する。
ある好適な実施形態において、転写スタンプのリング状表面は柔軟部材で構成されており、上記工程(d)において、転写スタンプを電池の封口かしめ部に押圧して絶縁性材料を封口かしめ部の形状に沿って転写する。
ある好適な実施形態において、絶縁性材料は紫外線硬化樹脂からなる。
本発明によれば、電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に、膜厚の均一な絶縁性被膜が形成されているため、電極端子間の絶縁性を高め、外装フィルムが損傷しても外部短絡の発生のない信頼性の高い電池を実現することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図5は、本発明の実施形態におけるアルカリ電池の構成を示した半断面図で、図6は、封口かしめ部の構成を示した部分断面図である。
図5に示すように、アルカリ電池は、正極端子を兼ねた電池ケース1の開口部が、絶縁性ガスケット5を介して負極端子板7にかしめ封口され、電池ケース1の外周面は、外装フィルム8で被覆されている。なお、電池ケース1には、中空円筒状の正極合剤2が収納され、正極合剤2の中空部にはセパレータ4を介してゲル状負極3が配置され、負極端子板7には、負極集電体6が接続されている。
そして、図6に示すように、電池ケース1の開口部端面1aを含む封口かしめ部に、転写により形成された絶縁性被膜9が形成されており、この絶縁性被膜9は、外装フィルム8によってさらに被覆されている、
絶縁性被膜9は、後述する転写方式により封口かしめ部に形成されているため、封口かしめ部全体に亘って均一に膜厚になっている。そのため、外装フィルム8が損傷しても、絶縁性被膜9によって正極端子(電池ケース)1と負極端子7間の絶縁性を確保することができ、外部短絡の発生を防止することができる。
絶縁性被膜9は、後述する転写方式により封口かしめ部に形成されているため、封口かしめ部全体に亘って均一に膜厚になっている。そのため、外装フィルム8が損傷しても、絶縁性被膜9によって正極端子(電池ケース)1と負極端子7間の絶縁性を確保することができ、外部短絡の発生を防止することができる。
例えば、電池を使用機器の電池収容ケースから脱着する際、接続端子の擦れによる正極端子1と負極端子7との外部短絡箇所は、上述したように、接続端子の形状等によって異なる傾向にあるが、封口かしめ部に均一な絶縁性被膜9が形成されているため、接続端子の形状によらず、外部短絡の発生を防止することができる。
ここで、絶縁性被膜9は、電池ケース1の開口部端面1aを含む封口かしめ部に形成されるが、その範囲は、電池を使用機器の電池収容ケースから脱着する際、接続端子と接触する部分であれば、特に制限されない。
また、絶縁性被膜9の膜厚は、電池の想定外の着脱等に対しても、外部短絡の発生を十分に防止することができる程度に厚くあれば、特に制限されない。例えば、電池を使用機器の電池収容ケースから脱着する際、絶縁性被膜9が、接続端子から2Nの垂直加重を受けて水平方向に移動して擦られても絶縁破壊が起こらない程度に厚いことが好ましい。典型的には、絶縁性被膜9の厚みは、0.1mm〜0.3mm範囲にあることが好ましい。このような範囲の厚みであれば、電池の想定外の着脱等に対しても、外部短絡の発生を十分に防止することができる。
また、絶縁性被膜9の膜厚の均一性は、形成する絶縁性被膜9の膜厚により変わるが、例えば、膜厚を0.2mm程度に形成した場合、±0.05mm程度の均一性を有することが好ましい。
なお、転写による絶縁性被膜9の形成が容易になるように、封口かしめ部の一部は平坦部1bを有していることが好ましい。この場合、絶縁性被膜9は、少なくとも開口部端面1aから平坦部1bに亘って形成される。さらに、絶縁性被膜9は、電池ケース1の外周面に連なる周縁湾曲部1cに至るまで形成されていることが好ましい。このように、絶縁性被膜9を封口かしめ部のほぼ全体に亘って形成することによって、外部短絡の発生をより効果的に防止することができる。
ここで、絶縁性被膜9の材料は特に制限されないが、例えば、紫外線硬化樹脂を用いれば、絶縁性被膜9を封口かしめ部に転写後、紫外線を照射することにより短時間に硬化させることができるため、製造工程の短縮を図ることができる。
次に、本実施形態におけるアルカリ電池の製造方法について、図7(a)〜図8(b)を参照しながら説明する。
まず、図7(a)に示すように、平板10上に、ノズル11から絶縁性材料(例えば、紫外線硬化樹脂)12を供給した後、図7(b)に示すように、スキージ13を平板10と一定の隙間を保ちながら平行に移動して、絶縁性材料12を一定の厚みに形成する。
次に、図7(c)に示すように、リング状の転写スタンプ13を、絶縁性材料12に押圧した後、図7(d)に示すように、転写スタンプ13を引き上げることによって、転写スタンプ13のリング状表面13aに絶縁性材料12aを付着させる。
次に、図8(a)に示すように、正極端子を兼ねた電池ケース1の開口部が、絶縁性ガスケット5を介して負極端子板7にかしめ封口されたアルカリ電池を用意し、転写スタンプ13を電池の封口かしめ部に接触させた後、図8(b)に示すように、転写スタンプ13を引き上げることによって、絶縁性材料12aを封口かしめ部に転写し、封口かしめ部に絶縁性被膜9(12a)を形成する。
その後、電池ケースの外周面、及び絶縁性被膜9を含む封口かしめ部を、外装フィルム(不図示)で被覆する。
このように、平板10上に均一な厚さで形成された絶縁性材料12を、転写方式を用いて封口かしめ部に転写することによって、封口かしめ部に均一な厚さの絶縁性被膜9を形成することができる。
なお、転写スタンプ13のリング幅は、封口かしめ部の形状や幅に応じて適宜決められるが、転写スタンプ13の中心軸が、電池の中心軸に対して位置ズレが生じることを考慮して、予め広めに設定しておくことが好ましい。
また、封口かしめ部の形状が必ずも平坦でないことを考慮して、転写スタンプのリング状表面は、柔軟部材(例えば、シリコンゴム)で構成されていることが好ましい。このようにすれば、転写スタンプ13を封口かしめ部に押圧することによって、絶縁性材料12aを封口かしめ部の形状に沿って、均一に転写することができる。
なお、転写スタンプ13を封口かしめ部に接触、または押圧した際、転写スタンプ13の内側が密閉状態になるため、転写スタンプ13をスムーズに引き上げにくくなる。そこで、図9に示すように、転写スタンプ13のリング状表面13aの一部にスリット14を設けておくことが好ましい。これにより、転写スタンプ13をスムーズに引き上げることができる。この場合、リング状表面13aのスリット14部分には絶縁性材料12aが付着しないため、転写スタンプ13を回転させながら、絶縁性材料12aを封口かしめ部に転写することが好ましい。これにより、封口かしめ部には均一な絶縁性被膜9を形成することができる。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明の構成及び効果をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〈絶縁性被膜の形成〉
エポキシアクリレートプレポリマーからなる紫外線硬化樹脂を、25℃における粘度を420mPa・sに調整し、これを、電池ケースの封口かしめ部に転写して絶縁性被膜を形成した電池(実施例1)、ノズルから正極端子と負極端子の窪み部に紫外線硬化樹脂を吐出して絶縁性被膜を形成した電池(比較例1)、及びノズルから電池ケースの開口部端面から外周面に至るまで紫外線硬化樹脂を吐出して絶縁性被膜を形成した電池(比較例2)を用意した。なお、電池はどれも単3型のアルカリマンガン乾電池(LR−6)を用いた。
エポキシアクリレートプレポリマーからなる紫外線硬化樹脂を、25℃における粘度を420mPa・sに調整し、これを、電池ケースの封口かしめ部に転写して絶縁性被膜を形成した電池(実施例1)、ノズルから正極端子と負極端子の窪み部に紫外線硬化樹脂を吐出して絶縁性被膜を形成した電池(比較例1)、及びノズルから電池ケースの開口部端面から外周面に至るまで紫外線硬化樹脂を吐出して絶縁性被膜を形成した電池(比較例2)を用意した。なお、電池はどれも単3型のアルカリマンガン乾電池(LR−6)を用いた。
なお、実施例1では、封口かしめ部の一部に平坦部を設けて形成し、比較例1、2では、封口かしめ部を湾曲状に形成した。また、紫外線硬化樹脂は、どれも、ランプ出力300Wの紫外線を3秒照射して硬化させた。絶縁性被膜を形成した。その後、電池ケースの外周面及び絶縁性被膜を含む封口かしめ部を、外装フィルムで被覆した。
〈電池の脱着試験〉
負極の接続端子が、図3(a)に示した形状の、4mmの外周径で終わっている円錐バネ(バネ1)と、図3(b)に示した形状の、外周径4mmからバネ中心を通る直線の長さが2.5mmの円錐バネ(バネ2)が使用された電池収容ケースを用意した。なお、円錐バネの外径は、共に0.6mmであった。
負極の接続端子が、図3(a)に示した形状の、4mmの外周径で終わっている円錐バネ(バネ1)と、図3(b)に示した形状の、外周径4mmからバネ中心を通る直線の長さが2.5mmの円錐バネ(バネ2)が使用された電池収容ケースを用意した。なお、円錐バネの外径は、共に0.6mmであった。
各電池を、電池収容ケースに装着した後、電池の負極端子側を接続端子に押し付けずに、電池の負極端子側を引き上げて脱着(想定外の脱着)を行い、そのとき、電池の電圧の変化を測定し、外部短絡の発生の有無を調べた。なお、電池の装着時の接続端子の反発力は、12Nであった。
表1は、それぞれ30個の電池に対して脱着試験を行った結果を示した表で、外部短絡が発生した個数を表している。実施例1の電池では、両方のバネにおいて外部短絡の発生はなかった。これに対して、比較例1の電池では、バネ(1)の場合に外部短絡が発生し、比較例2では、バネ(2)の場合に外部短絡が発生した。
これは、バネ(1)の場合には、電池の脱着時に、バネの先端面が、図10に示した負極端子303に喰いつき、バネの先端面から始まる最初の旋回周が、図2で示した下方向の外装フィルムの端面に当たって外装フィルムを捲り上げることにより、外装フィルム下の絶縁性被膜による絶縁性が破壊され、その結果、比較例1の電池で外部短絡が発生したものと考えられる。一方、バネ(2)の場合には、バネの先端部が外装フィルムに喰い込み易いが、紫外線硬化樹脂の場合、紫外線照射時に数パーセントの収縮が起きるため、電池ケース表面との密着性は弱いものの、膜強度だけでバネから受ける加重に対抗することができる。しかしながら、バネの先端部が外装フィルムを突き抜けたとき、外装フィルム下の絶縁性被膜に対して、膜厚の薄くなった電池外周に向けて加重が働くため、絶縁性が破壊され、その結果、比較例2の電池で外部短絡が発生したものと考えられる。
これに対して、実施例1の電池では、電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に、膜厚の均一な絶縁性被膜が形成されているため、いずれのバネの場合にも外部短絡が起きなかったものと考えられる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、絶縁性被膜を転写により形成したが、絶縁性材料を電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に吹き付けて形成しても、均一な膜厚の絶縁性被膜を形成することが可能である。また、絶縁性被膜に紫外線硬化樹脂を用いたが、例えば、光効果性樹脂等を用いてもよい。また、アルカリ電池だけでなく、一方の電極端子を兼ねた電池ケースの開口部が、絶縁性ガスケットを介して、他方の電極端子板にかしめ封口された構成の電池であれば、同様の効果を得ることができる。
本発明における電池は、外部短絡の発生のない信頼性の高い電池を提供するもので、ポータブル機器などの電源に好適に用いられる。
1 電池ケース(正極端子)
1a 開口部端面
1b 平坦部
1c 周縁湾曲部
2 正極合剤
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 絶縁性ガスケット
6 負極集電体
7 負極端子板
8 外装フィルム
9 絶縁性被膜
10 平板
11 ノズル
12、12a 絶縁性材料
13 転写スタンプ
13a リング状表面
14 スリット
15 スキージ
1a 開口部端面
1b 平坦部
1c 周縁湾曲部
2 正極合剤
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 絶縁性ガスケット
6 負極集電体
7 負極端子板
8 外装フィルム
9 絶縁性被膜
10 平板
11 ノズル
12、12a 絶縁性材料
13 転写スタンプ
13a リング状表面
14 スリット
15 スキージ
Claims (11)
- 一方の電極端子を兼ねた電池ケースの開口部が、絶縁性ガスケットを介して、他方の電極端子板にかしめ封口され、前記電池ケースの外周面が外装フィルムで被覆されてなる電池であって、
前記電池ケースの開口部端面を含む封口かしめ部に、均一な膜厚を持つ絶縁性被膜が形成されており、
前記絶縁性被膜は、前記外装フィルムによって被覆されている、電池。 - 前記封口かしめ部の一部は、平坦部を有し、前記絶縁性被膜は、少なくとも前記開口部端面から前記平坦部に亘って形成されている、請求項1に記載の電池。
- 前記絶縁性被膜は、さらに、前記電池ケースの外周面に連なる周縁湾曲部に至るまで形成されている、請求項2に記載の電池。
- 前記絶縁性被膜は、前記封口かしめ部に転写により形成されている、請求項1に記載の電池。
- 前記絶縁性被膜の厚みは、0.1mm〜0.3mmの範囲にある、請求項1〜4の何れかに記載の電池。
- 前記絶縁性被膜は、紫外線硬化樹脂からなる、請求項1に記載の電池。
- 一方の電極端子を兼ねた電池ケースの開口部が、絶縁性ガスケットを介して他方の電極端子板にかしめ封口された電池を用意する工程(a)と、
平板上に、絶縁性材料を均一な厚さに形成する工程(b)と、
リング状の転写スタンプを、前記絶縁性材料に押圧して、前記転写スタンプのリング状表面に前記絶縁性材料を付着させる工程(c)と、
前記転写スタンプを前記電池の封口かしめ部に接触させて、前記絶縁性材料を、前記封口かしめ部に転写することにより、前記電池ケースの開口部端面を含む前記封口かしめ部に絶縁性被膜を形成する工程(d)と、
前記電池ケースの外周面、及び前記絶縁性被膜を含む前記封口かしめ部を、外装フィルムで被覆する工程(f)と
を含む、電池の製造方法。 - 前記転写スタンプのリング状表面の一部にスリットが設けられており、
前記工程(c)において、前記絶縁性材料は、前記スリット部分を除く前記転写スタンプのリング状表面に付着される、請求項7に記載の電池の製造方法。 - 前記工程(d)において、前記電池または前記リング状の転写スタンプを回転させながら、前記絶縁性材料を前記封口かしめ部に転写する、請求項8に記載の電池の製造方法。
- 前記転写スタンプのリング状表面は、柔軟部材で構成されており、
前記工程(d)において、前記転写スタンプを前記電池の封口かしめ部に押圧して、前記絶縁性材料を、前記封口かしめ部の形状に沿って転写する、請求項7に記載の電池の製造方法。 - 前記絶縁性材料は、紫外線硬化樹脂からなる、請求項7に記載の電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008002336A JP2009164047A (ja) | 2008-01-09 | 2008-01-09 | 電池及びその製造方法 |
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ID=40966436
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2014132660A1 (ja) * | 2013-03-01 | 2017-02-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | リチウムイオン二次電池 |
KR20200045455A (ko) * | 2020-04-17 | 2020-05-04 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이차전지 및 그 케이스 제조방법 |
-
2008
- 2008-01-09 JP JP2008002336A patent/JP2009164047A/ja active Pending
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KR102211171B1 (ko) * | 2020-04-17 | 2021-02-01 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이차전지 및 그 케이스 제조방법 |
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