JP2009162631A - 電気泳動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気泳動用ゲルへの泳動サンプル導入量を増加させ、特には、高分子量泳動サンプルの導入量を増加させ、かつ電気泳動の十分な再現性を得ることができる電気泳動方法を提供する。
【解決手段】電気泳動方法は、電気泳動用ゲル2上に泳動サンプル含有ろ紙3を配置し、該泳動サンプル含有ろ紙3上に界面活性剤含有ろ紙4を配置し、かつ該界面活性剤含有ろ紙4上に電極5,7を配置する工程を含む。本発明の電気泳動方法は、さらに、該界面活性剤含有ろ紙4上に透析膜8又はろ過膜9を配置し、かつ該透析膜8又は該ろ過膜9上に水含有ろ紙6を配置する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動方法に関するものである。さらに詳細には、本発明は、電気泳動用ゲルへの泳動サンプルの導入量が増え、特には高分子量泳動サンプルの導入量が増え、かつ高い再現性を得ることができる電気泳動方法に関するものである。
電気泳動方法には、泳動サンプル、例えばタンパク質を、その等電点により分離する等電点電気泳動方法、及びその分子量により分離するポリアクリルアミドゲル電気泳動方法などがある。通常、これらの電気泳動は、泳動サンプルを電気泳動ゲルへ導入する工程、及び電圧印加により分離する工程を含む。
電気泳動用ゲルへの泳動サンプルを導入するには、いくつかの方法がある。従来使用されているのは、膨潤トレイ中でゲルストリップの膨潤を行う際に、膨潤液とともに泳動サンプルを混ぜ、電圧を印加し、膨潤と同時に該ゲルストリップへ該サンプルを導入する方法(特許文献1)、及びサンプルカップ又は泳動サンプルを含むろ紙を、膨潤したゲルストリップの端にセットして、電圧印加と同時に導入する方法がある(非特許文献1)。
しかし、これらの方法では、添加した泳動サンプルを効率的に、かつ十分に分離することが難しいという欠点があった。例えば、膨潤と同時に泳動サンプルを導入する方法では、該サンプルが膨潤液トレイの端に残り、その結果、該サンプル全てを分離解析することができないことがあった。また、サンプルカップ又は泳動サンプルを含むろ紙を用いた方法では、電極から離れた位置にあるカップ又はろ紙から泳動サンプルがゲルストリップに導入され、該カップ又はろ紙の中にサンプルが残ることがあった。
さらに、これらの方法では、高分子量タンパク質のゲルへの導入が困難であり、かつ冷凍保存後のサンプルを使用すると十分な再現性が得られないという欠点もあった。
特開2005-345334号公報 Tosifusa Toda and Narimichi Kimura, Jpn. J. Electroph., 1997, 41, 13
本発明は、電気泳動用ゲルへの泳動サンプルの導入量が多く、かつ電気泳動の高い再現性を得ることができる電気泳動方法を提供する。
本発明者らは、鋭意研究の結果、泳動サンプルを浸透させたろ紙の上から電圧を印加して、該サンプルを直接電気的な力で電気泳動用ゲルへ導入することにより、従来の方法よりもサンプル導入量が増えることを見出し、本発明を完成させた。さらに、本発明の方法により、泳動サンプル中の高分子量成分(例えば、分子量100000以上のタンパク質)の導入量が増え、かつ電気泳動の十分な再現性を得ることができることを見出した。
したがって、本発明は、電気泳動用ゲル上に泳動サンプル含有ろ紙を配置し、該泳動サンプル含有ろ紙上に界面活性剤含有ろ紙を配置し、かつ該界面活性剤含有ろ紙上に電極を配置する工程を含む、電気泳動方法を提供する。
本発明は、さらに、該界面活性剤含有ろ紙上に透析膜又はろ過膜を配置し、かつ該透析膜又は該ろ過膜上に水含有ろ紙を配置する工程を含む方法を提供する。この場合、該電極は、該水含有ろ紙の上に配置される。該透析膜又は該ろ過膜、及び水含有ろ紙を用いることにより、泳動サンプル中の不純物を除去することができ、かつ該泳動サンプル中の塩基性成分(例えば、塩基性タンパク質など)の導入量を増加させることができる。
本発明の方法において、該電極は、板状とすることができる。該電極を板状にすることにより、ろ紙との接触面が増え、結果、ろ紙全体に電気が流れるようになり、電気泳動ゲルへの泳動サンプルの導入量を増加させることができる。
さらなる実施態様において、該電極は、全体又は部分的に平行で且つ電気的に連続した複数のサブ電極からなる構造を含むことができる。一定方向に複数の平行線を有するように加工した電極を使用することにより、ろ紙との接触面を増やし、かつ電気泳動ゲルへの泳動サンプルの導入量を増加させることができる。
該全体又は部分的に平行で且つ電気的に連続した複数のサブ電極からなる構造は、渦巻線構造とすることができる。渦巻線構造は、1本の電極線から容易に加工することができ、かつ複数の接触面を有することができる。
(定義)
本明細書中において、「泳動サンプル」とは、電気泳動により分離することができる分子又は分子群のことをいい、タンパク質、DNA、RNA、及び/又は多糖などを含む。
本明細書中において、「泳動サンプル含有ろ紙」とは、泳動サンプル溶液を浸透させたろ紙のことをいう。
本明細書中において、「界面活性剤含有ろ紙」とは、界面活性剤を含む溶液を浸透させたろ紙のことをいう。
本明細書中において、「水含有ろ紙」とは、水を浸透させたろ紙のことをいう。
本明細書中において、「サブ電極」とは、電極の一部分又は全体を意味する。幾つかの場合において、「サブ電極」は、電極全体において、本発明の方法に使用されるろ紙と接触する部位を意味する。
本明細書中において、「渦巻線」とは、渦巻状の線を意味する。例えば、該線は、内側から外側に向かって渦巻状に描かれる。渦巻状の線の例を挙げると、等角螺線、アルキメデス螺線、及びフェルマーの渦巻線などがある。本明細書中において渦巻線は、外側の線と内側の線とが接触していてもいなくてもよい。本明細書中において、渦巻線が1巻きのものも、渦巻線と呼ぶ。本明細書中において、電極が渦巻線構造である場合、その渦巻線構造の一部又は全部が、サブ電極である。
本明細書中において、「角渦巻線」とは、渦巻線であって、連続する複数の直線により形成されるものを意味する。例えば、該線は、内側から外側に向かって渦巻状に直線で描かれる。従って、連続する二直線で、任意の角度を形成する。本明細書中において角渦巻線は、外側の線と内側の線とが接触していてもいなくてもよい。本明細書中において、角渦巻線が1巻きのもの、例えば、連続した4本の直線から構成され、かつ2組の平行線を有するように描かれた渦巻線も角渦巻線と呼ぶ。幾つかの場合において、電極が角渦巻線構造である場合、その角渦巻線構造の一部又は全部が、サブ電極である。
本明細書中において、「長方角渦巻線」とは、角渦巻線であって、長方形型のものを意味する。例えば、該線は、連続する二直線の長さが異なり、かつ該二直線で90の角度を形成するように、内側から外側に向かって渦巻状に直線で描かれる。本明細書中において長方角渦巻線は、外側の線と内側の線とが接触していてもいなくてもよい。幾つかの場合において、電極が長方角渦巻線構造を含む場合、その長方角渦巻線構造の一部又は全部が、サブ電極である。
本明細書中において、「長辺方向」とは、長方角渦巻線の最も長い直線の方向を意味する。「長方角渦巻線が、長辺方向において一定の間隔を空けて平行」とは、長辺方向において、該渦巻線の外側の線と内側の線とが平行であり、かつ一定の間隔を有することを意味する。幾つかの場合において、その長辺方向の平行線が、サブ電極である。
本明細書中において、「平行」とは、同一平面上の2直線のうちの一方を平行移動した時にもう一方の直線と重なることを意味する。さらに、「平行」は、同一平面上の2曲線のうちの一方を平行移動した時にもう一方の曲線と重なることを意味する。例えば、曲線で描かれた渦巻線の外側の円弧と内側の円弧は、実質上平行とする。
電気泳動用ゲルへの泳動サンプルの導入量が増え、かつ電気泳動の十分な再現性を得ることができる。さらには、泳動サンプル中の高分子量成分(例えば、分子量100000以上のタンパク質)の導入量を増加することができる。
本発明の電気泳動方法は、電気泳動用ゲル上に泳動サンプル含有ろ紙を配置し、該泳動サンプル含有ろ紙上に界面活性剤含有ろ紙を配置し、かつ該界面活性剤含有ろ紙上に電極を配置する工程を含む。本発明の方法により、電気泳動用ゲルへの泳動サンプルの導入量が増え、さらには、高分子量泳動サンプル(例えば、分子量100000以上の分子、例えば分子量100000以上のタンパク質)の導入量が増え、かつ電気泳動の高い再現性を得ることができる。
本発明の方法を用いた電気泳動方法は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)方法、等電点電気泳動方法、及び二次元電気泳動方法を含む。好ましくは、該電気泳動方法は、等電点電気泳動方法である。最も好ましくは、該電気泳動方法は、二次元電気泳動における1次元目の等電点電気泳動方法である。
本発明において、電気泳動用ゲルは、電気泳動を行うためのゲル全てをいう。該ゲルの例を挙げると、ポリアクリルアミドゲル、固定化pH勾配ゲル、及びアガロースゲルなどがある。本発明の方法において好ましい電気泳動用ゲルは、固定化pH勾配ゲルである。固定化pH勾配ゲルの例を挙げると、Immobiline(登録商標) DryStrip(GE Healthcare社)(pH4-7)、Immobiline(登録商標) DryStrip(GE Healthcare社)(pH3-10)、及びIPG ReadyStrip(Bio-Rad社)がある。
本発明において、泳動サンプルは、タンパク質、DNA、RNA、及び多糖などを含むことができる。該泳動サンプルは、肝臓、腎臓、及び肺などの生体組織であっても、また、血清、及び血漿などの体液であってもよい。
泳動サンプル含有ろ紙は、ろ紙に泳動サンプル溶液を浸透させることによって調製することができる。該溶液は、生体組織を抽出液などの溶液中で破砕し、遠心分離した後の上清とすることができる。泳動サンプル溶液の濃度は、特に制限されないが、1μg/μl〜100μg/μl、好ましくは30μg/μl〜70μg/μlである。泳動サンプル量が少ないと、電気泳動用ゲルへの導入量は、従来の方法とあまり変わらなくなる。該抽出液は、7 M 尿素、2 M チオ尿素、2%CHAPS、0.1 M ジチオスレイトール(DTT)、2.5%Pharmalyte pH 3-10を含む溶液を使用することができる。また、該抽出液は、例えば、界面活性剤、還元剤、及びプロテインインヒビターを含むトリス-HCl緩衝液、リン酸緩衝液、及び3-モルホリノプロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)を使用することができる。
泳動サンプル含有ろ紙に使用されるろ紙の例を挙げると、クロマトグラフィー用ろ紙No.590(ADVANTEC社)、ウェットストレングスろ紙(ADVANTEC社)、クロマトグラフィー用ろ紙No.17CHR(Whatman社)、及びクロマトグラフィー用ろ紙 3MM CHR(Whatman社)がある。好ましくは、該ろ紙は、クロマトグラフィー用ろ紙No.590である。
界面活性剤含有ろ紙は、ろ紙に界面活性剤を含む溶液を浸透させることにより調製することができる。界面活性剤とは、分子内に親水性部分と疎水性部分とを含む化合物をいう。該界面活性剤の例を挙げると、CHAPS、TritonX-100、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及びTween20などがあり、好ましくは、界面活性剤は、CHAPSである。界面活性剤を含む溶液の濃度は、2〜100%であり、10〜80%であり、20〜70%であり、好ましくは50〜60%である。
界面活性剤含有ろ紙に使用されるろ紙の例を挙げると、クロマトグラフィー用ろ紙No.590(ADVANTEC社)、ウェットストレングスろ紙(ADVANTEC社)、クロマトグラフィー用ろ紙No.17CHR(Whatman社)、及びクロマトグラフィー用ろ紙 3MM CHR(Whatman社)がある。好ましくは、該ろ紙は、クロマトグラフィー用ろ紙No.590である。
泳動サンプル含有ろ紙、及び界面活性剤含有ろ紙のサイズを、電気泳動用ゲルに接触する面、又は電極により変更することができる。好ましくは、該サイズは、電気泳動用ゲルの一端の面を覆うことができるサイズ、又は電極を覆うことができるサイズである。より具体的には、2〜100mm×2〜100mmである。好ましくは、3〜89mm×3〜89mmである。さらに好ましくは、5〜30mm×3〜30mmであり、最も好ましくは7〜9mm×3〜5mmである。該ろ紙の厚さは、特に制限されないが、好ましくは0.5〜2mmであり、さらに好ましくは0.93mmである。各ろ紙の好ましいサイズは、泳動サンプル含有ろ紙のサイズが、7〜9mm×3〜5mm×0.93mmであり、界面活性剤含有ろ紙のサイズが、7〜9mm×3〜5mm×0.93mmである。該ろ紙が、長方形である場合、配置の向きは特に制限されない。
本発明の方法において、配置される各ろ紙の枚数は、特に制限されないが、蒸留水含有ろ紙が1枚であり、界面活性剤含有ろ紙が1枚であり、かつ泳動サンプル含有ろ紙が2枚であることが好ましい。配置される泳動サンプル含有ろ紙の枚数を増やすことにより、電気泳動用ゲルに導入される泳動サンプルの量を増やすことができる。本明細書中において、特に記載がない場合、各ろ紙の枚数は1枚である。
本発明の方法に使用される電極は、特に制限されないが、線状の電極、及び板状の電極がある。線状の電極の例を挙げると、クールホレスターIPG-IEF Type-P用電極がある。好ましくは、該電極は、ろ紙との接触面積が大きいものである。該電極は、ろ紙との接触面を増やすために、部分的又は全体的に平行な複数のサブ電極を有することができる。その平行な複数のサブ電極が、ろ紙と接触することができる。該サブ電極の片端部と他のサブ電極の片端部とを、電気的に接続することができる。該サブ電極の片端部と他のサブ電極の片端部とを電気的に接続し、渦巻線構造、角渦巻線構造、又は長方角渦巻線構造を含む電極を形成することができる。
該電極の幾つかの例を図2に示す。図2aは、線状の電極の一例である。図2b〜cは、長方角渦巻線構造を含む電極の一例である。図2bは、4本の平行なサブ電極からなり、各サブ電極の片端部が他のサブ電極の片端部と電気的に接続され、かつ長方角渦巻線構造を形成した電極である。図2bの電極は、ろ紙と4本の線で接触することができる。図2cは、3本の平行なサブ電極からなり、各サブ電極の片端部が他のサブ電極の片端部と電気的に接続され、かつ長方角渦巻線構造を形成した電極である。図2cの電極は、ろ紙と3本の線で接触することができる。図2dは、板状の電極の一例である。
各サブ電極の長さは、同じでも異なっていてもよい。該サブ電極は、接触するろ紙よりも大きくてもよい。その場合、該サブ電極の一部分がろ紙と接触する。具体的には、該サブ電極の長さは、1mm〜120mmであり、好ましくは50mm〜100mmであり、さらに好ましくは70mm〜90mmである。該サブ電極の断面構造は、特に制限されないが、三角形、四角形、多角形、円、又は楕円の断面がある。好ましくは、円形である。該サブ電極の断面のサイズは、特に制限されないが、0.01mm〜10mmとすることができる。好ましくは0.1mm〜1mmである。
図2に示すように、該電極は、電気泳動用ゲルの長手方向に対して垂直に配置することができる。該電極は、白金、金、銀、銅、炭素繊維、炭素繊維含有プラスチック、及び/又は炭素繊維含有ガラスなどで構成される。好ましくは、該電極は、白金である。該電極は、マイナス極、又はプラス極にすることができる。好ましくは、該電極は、マイナス極である。
図1aに、本発明の電気泳動方法の一例を示す。マイナス極側に本発明の方法の配置工程を適用した例である。トレイ1に電気泳動用ゲル2を配置し、該電気泳動用ゲル2の一端の側面上に、泳動サンプル含有ろ紙3を配置し、その上に界面活性剤含有ろ紙4を配置する。図1aは、泳動サンプル含有ろ紙を2枚重ねて使用していることを示す。界面活性剤含有ろ紙4の上にマイナス極側電極5を配置する。図中の電極5は、図2bの電極であり、図2に示すように電気泳動用ゲルの長手方向に対して垂直に配置されている。従って、電極5と界面活性剤含有ろ紙4とは、4本の線で接触している。一方、電気泳動用ゲル2の他端の側面上に、水含有ろ紙6を配置し、その上にプラス極側電極7を配置する。図中の電極7は、図2aの電極であり、図2に示すように電気泳動用ゲルの長手方向に対して垂直に配置されている。従って、電極7と水含有ろ紙6とは、1本の線で接触している。電極5及び7の間に電圧を印加することにより、泳動サンプルがゲル1に導入され、引き続き、電極7側に移動し分離される。
本発明は、さらに、該界面活性剤含有ろ紙上に透析膜又はろ過膜を配置し、かつ該透析膜又は該ろ過膜上に蒸留水含有ろ紙を配置する工程を含む。透析膜又はろ過膜、及び蒸留水含有ろ紙を配置することにより、泳動サンプル中の不純物を除去することができ、電気泳動用ゲルへの塩基性成分(塩基性タンパク質など)の導入量を増加させることができる。
本発明の方法に使用される透析膜又はろ過膜は、溶液や小さな分子は通すが、タンパク質などの分子(例えば、分子量14000〜2000000の分子)は通さない膜である。該透析膜の例を挙げると、透析膜(Sanko Junyaku Co, Ltd)、及び透析チューブ(Nippon Genetics)があり、ろ過膜の例を挙げると、限外ろ過フィルター(日本ミリポア社)、及びHTタフリンメンブレン(日本ポール)がある。該透析膜又は該ろ過膜のサイズは、特に制限されないが、電気泳動用ゲルの一端の面を覆うことができるサイズ、又はろ紙と同じサイズとすることができる。具体的には、9〜15mm×4〜10mmであり、好ましくは12mm×8mmである。
水含有ろ紙は、ろ紙に水を浸透させることにより調製することができる。該水の例を挙げると、蒸留水、イオン交換水、ミリQ水、及び超純水などがある。好ましくは、該水は、蒸留水である。
水含有ろ紙に使用されるろ紙の例を挙げると、クロマトグラフィー用ろ紙No.590(ADVANTEC社)、ウェットストレングスろ紙(ADVANTEC社)、クロマトグラフィー用ろ紙No.17CHR(Whatman社)、及びクロマトグラフィー用ろ紙 3MM CHR(Whatman社)がある。好ましくは、該ろ紙は、クロマトグラフィー用ろ紙No.590である。該ろ紙のサイズは、上記の泳動サンプル含有ろ紙、及び界面活性剤含有ろ紙のサイズと同じサイズを使用することができる。具体的には、該ろ紙のサイズは、2〜100mm×2〜100mmであり、好ましくは、7〜89mm×3〜89mmであり、さらに好ましくは、9〜10mm×4〜6mmである。該ろ紙の厚さは、特に制限されないが、好ましくは0.5〜2mmであり、さらに好ましくは0.93mmである。図1a及び下記の図1bの電気泳動方法において、水含有ろ紙6及び9は、同じであっても異なっていてもよい。
電気泳動ゲル、泳動サンプル含有ろ紙、界面活性剤含有ろ紙、蒸留水含有ろ紙、及び電極は、上記に示したものと同じものを使用することができる。
図1bに本発明の電気泳動方法の一例を示す。マイナス極側に本発明の方法の配置工程を適用した例である。トレイ1に電気泳動用ゲル2を配置し、電気泳動用ゲル2の一端の側面上に、泳動サンプル含有ろ紙3を配置し、その上に界面活性剤含有ろ紙4を配置する。界面活性剤含有ろ紙4の上に透析膜8又はろ過膜9を配置し、かつ該透析膜8又は該ろ過膜9の上に水含有ろ紙10を配置する。図2bは、泳動サンプル含有ろ紙を2枚重ねて使用していることを示す。水含有ろ紙10の上にマイナス極側電極5を配置する。図中の電極5は、図2bの電極であり、図2に示すように電気泳動用ゲルの長手方向に対して垂直に配置されている。従って、該電極5と該水含有ろ紙10とは、4つの線で接触する。一方、電気泳動用ゲル2の他端の側面上に、水含有ろ紙6を配置し、その上にプラス極側電極7を配置する。図中の電極7は、図2aの電極であり、該電極7と水含有ろ紙10とは、4つの線で接触されている。電極5及び7との間に電圧を印加することにより、泳動サンプルがゲル1に導入され、電極7側に移動し分離される。
本発明は、さらに、上記の電気泳動方法を含む二次元電気泳動方法を提供する。二次元電気泳動は、通常、1次元目ゲルへの泳動サンプルの導入、1次元目の電気泳動、2次元目の電気泳動、及び染色という工程からなる。本発明の方法を、1次元目ゲルへの泳動サンプルの浸透、及び1次元目の電気泳動に使用することができる。例えば、本発明の二次元電気泳動方法は、1次元目において、Immobiline DryStrip(GE Healthcare社)などの電気泳動用ゲルを用いて、図1a又は図1bに示すように本発明の方法に従って等電点電気泳動を行い、2次元目において、該電気泳動後のゲルを、ポリアクリルアミドゲルなどのスラブゲルの上に載せ、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を行うことができる。
本発明は、さらに、本発明の電気泳動方法を行うための装置を提供する。該装置は、図1a又は図1bの構造を含み、かつ電極間で電圧を印加することにより、電気泳動を行うことができる。該装置は、等電点電気泳動装置とすることができる。
本発明は、さらに、上記の電気泳動方法を行うためのキットであって、本発明の電気泳動方法を行うための指示書、電気泳動用ゲル、泳動サンプルを浸透するためのろ紙、及び界面活性剤を浸透するためのろ紙を含む、前記キットを提供する。該キットはさらに、透析膜又はろ過膜、及び水を浸透させるためのろ紙を含むことができる。該キットはさらに、電極を含むことができる。該電極は、先に記載した電極、又は図2a〜dに記載の電極であってもよい。
本発明の電気泳動方法を行うための指示書は、例えば、本発明の方法とともに、図1a及び/又は図1bに示す電気泳動方法が記載されている指示書である。泳動サンプルを浸透するためのろ紙は、泳動サンプル含有ろ紙に使用されるろ紙であり、先に記載したものを使用することができる。界面活性剤を浸透するためのろ紙は、界面活性剤含有ろ紙に使用されるろ紙であり、先に記載したものを使用することができる。透析膜又はろ過膜は、先に記載したものを使用することができる。水を浸透するためのろ紙は、水含有ろ紙に使用されるろ紙であり、先に記載したものを使用することができる。
次に、実施例に基づき本発明を詳細、かつ具体的に説明する。なお、下記実施例は本発明の説明を意図するものであって、いかなる意味においても本発明の保護範囲の制限を意図するものではない。本発明の保護範囲は、本件出願の特許請求の範囲の記載により限定されるものである。
(実施例1)
本実施例では、二次元電気泳動を行った。図1aに示す本発明の電気泳動方法に従って等電点電気泳動を行い、泳動後のゲルをSDS-PAGEで分離した。本発明の方法を、従来の方法1(Tosifusa Toda and Narimichi Kimura, Jpn. J. Electroph., 1997, 41, 13)と比較した。
(泳動サンプル調製)
ラット肝臓を任意の小片に切り、抽出液(7 M 尿素、2 M チオ尿素、2%CHAPS、0.1 M DTT、2.5%Pharmalyte pH 3-10)を、該小片の湿重量の2倍量加え、かつ破砕し(Ultrasonic disruptor(TOMY SEIKO., LTD Tokyo Japan))、その後、遠心分離した(sentrifuge Model3500(KUBOTA, Tokyo Japan)、遠心力20630 g、20 分、4℃)。その上清を分取し、それを泳動サンプル溶液とした。該泳動サンプル溶液を、使用するまで−80℃で冷凍保存した。
(ろ紙への浸透)
ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙No.590(ADVANTEC社))を7〜9mm×3〜5mmのサイズに切り取り、該ろ紙に、該泳動サンプル溶液28μlを浸透させ、それを泳動サンプル含有ろ紙とした。ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙No.590)を9〜10mm×4〜6mmのサイズに切り取り、該ろ紙にCHAPS(20%)溶液を浸透させ、それを界面活性剤含有ろ紙とした。以下、該ろ紙をCHAPS含有ろ紙と記載する。ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙No.590)を9〜10mm×4〜6mmのサイズに切り取り、該ろ紙に蒸留水を浸透させ、それを水含有ろ紙とした。以下、該ろ紙を蒸留水含有ろ紙と記載する。
(ゲルストリップの膨潤)
ゲルストリップ(固定化pH勾配ゲルImmobiline DryStrip;pH4-7(GE Healthcare社))を、膨潤液(7M 尿素、2M チオ尿素、2% TritonX-100、13mM ジチオスレイトール(DTT)、1% Pharmalyte(pH3-10)、0.025M 酢酸、0.0025% ブロモフェノールブルー(BPB))に浸し、20℃で8時間膨潤させた。
(等電点電気泳動)
等電点電気泳動用装置(クールホレスターIPG-IEF Type-P(ANATECH社, Tokyo Japan))の温度を20℃に設定した。該装置のトレイに膨潤したゲルストリップをゲル面が上になるように置いた。ゲルストリップのマイナス極側に、該泳動サンプル含有ろ紙を2枚重ねて載せ、その上に、CHAPS含有ろ紙を置いた。一方、プラス極側には蒸留水含有ろ紙を置いた。その後、該CHAPS含有ろ紙の上にクールホレスターIPG-IEF Type-P用電極、又は図2bの電極を置いた。該蒸留水含有ろ紙の上にクールホレスターIPG-IEF Type-P用電極を置いた。パワーホレスターPro3800(ANATECH社)とクールホレスターIPG-IEF Type-Pとを接続し、プログラム1{(ステップ1) 500ボルト(1時間);(ステップ2) 700ボルト(0.5時間);(ステップ3) 1000ボルト(0.5時間);(ステップ4) 1500ボルト(0.5時間);(ステップ5) 2000ボルト(0.5時間);(ステップ6) 2500ボルト(0.5時間);(ステップ7) 3000ボルト(0.5時間);(ステップ8) 3500ボルト(18〜20時間)}で電気泳動を行った。
(SDS-PAGE)
等電点電気泳動の終了したゲルストリップを装置から取り出し、蒸留水で軽くすすいだ。その後、SDS平衡化バッファー(6M 尿素、33mM DTT、25%グリセロール、2.5mM トリス/HCl(pH 6.8)、0.0025%BPB、2%SDS)に浸して、40分間振とうした。その後、該ゲルを10%ポリアクリルアミドゲルの上に載せ、クールホレスターSDS-PAGE Dual-200(ANATECH社)にて、プログラム2{(ステップ1)20ボルト(0.5時間);(ステップ2)30ボルト(3〜4時間)で電気泳動を行った。
(画像解析)
SDS-PAGE後のポリアクリルアミドゲルをSYPRO Rubyで蛍光染色した。フルオロホレスター3000(ANATECH社)を用いて、電気泳動後のゲルの画像を取り込み、Progenesis PG220
(SHIMADZU 社)にて自動スポット検出後にスポットボリュームを計算した。
(比較例1)従来の方法1
従来の方法1(Tosifusa Toda and Narimichi Kimura, Jpn. J. Electroph., 1997, 41, 13)を元に等電点電気泳動を行い、泳動後のゲルをSDS-PAGEで分離した。
(泳動サンプル調製)
ラット肝臓を任意の小片に切り、抽出液(7 M 尿素、2 M チオ尿素、2%CHAPS、0.1 M DTT、2.5%Pharmalyte pH 3-10)を、該小片の湿重量の2倍量加え、かつ破砕し(Ultrasonic disruptor(TOMY SEIKO., LTD Tokyo Japan))、その後、遠心分離した(sentrifuge Model3500(KUBOTA, Tokyo Japan)、遠心力20630 g、20 分、4℃)。それを泳動サンプル溶液とした。該泳動サンプル溶液を、使用するまで−80℃で冷凍保存した。
(ろ紙への浸透)
ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙 3MM CHR(Whatman))を5mm×10mmのサイズに切り取り、該ろ紙に、該泳動サンプル溶液28μlを浸透させ、それを泳動サンプル含有ろ紙とした。ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙 3MM CHR(Whatman))を7mm×89mmのサイズに切り取り、該ろ紙に蒸留水を浸透させ、それを蒸留水含有ろ紙とした。
(ゲルストリップの膨潤)
ゲルストリップ(Immobiline DryStrip;pH4-7(GE Healthcare社))を、膨潤液(7M 尿素、2M チオ尿素、2% TritonX-100、13mM ジチオスレイトール(DTT)、1% Pharmalyte(pH3-10)、0.025M 酢酸、0.0025% ブロモフェノールブルー(BPB))に浸し、20℃で8時間膨潤させた。
(等電点電気泳動)
等電点電気泳動用装置(クールホレスターIPG-IEF Type-P(ANATECH社, Tokyo Japan))の温度を20℃に設定した。該装置のトレイに膨潤したゲルストリップをゲル面が上になるように置いた。ゲルストリップの両端に蒸留水含有ろ紙を、該ゲルの長手方向に対して垂直に置いた。マイナス極側の蒸留水含有ろ紙の左隣に泳動サンプル含有ろ紙を2枚重ねて置いた。その後、両端に置いた電極ろ紙の上にクールホレスターIPG-IEF Type-P用電極を置いた。パワーホレスターPro3800(ANATECH)とクールホレスターIPG-IEF Type-Pとを接続し、実施例1と同じプログラム1で電気泳動を行った。
(SDS-PAGE)
等電点電気泳動の終了したゲルストリップを装置から取り出し、蒸留水で軽くすすいだ。その後、SDS平衡化バッファー(6M urea、33mM DTT、25%グリセロール、2.5mM トリス/HCl(pH 6.8)、0.0025%BPB、2%SDS)に浸して、40分間振とうした。その後、該ゲルを10%ポリアクリルアミドゲルの上に載せ、クールホレスターSDS-PAGE Dual-200(ANATECH社)にて、プログラム2{(ステップ1)20ボルト(0.5時間);(ステップ2)30ボルト(3〜4時間)で電気泳動を行った。
(画像解析)
SDS-PAGE後のポリアクリルアミドゲルをSYPRO Rubyで蛍光染色した。フルオロホレスター3000(ANATECH社)を用いて、電気泳動後のゲルの画像を取り込み、Progenesis PG220
(SHIMADZU 社)にて自動スポット検出後にスポットボリュームを計算した。
(結果)
結果を図3に示す。図3のパネルa及びbが本発明の方法を用いた電気泳動後のゲルの画像であり、パネルcが従来の方法を用いた電気泳動後のゲルの画像である。各ゲル画像中の各スポットは、タンパク質スポットを表す。スポットが濃く且つ大きいほど、そのタンパク質量が多いことを示している。
パネルaが図2bの電極を用いた結果であり、パネルbがクールホレスターIPG-IEF Type-P用電極を用いた結果である。パネルa及びbは、パネルcに比べ明らかにスポットが濃いことが分かる。また、図中の任意のスポット1及び2について、スポットボリュームを計算し、下記表に示した。下記表を比べると、スポット1及び2のボリュームは、パネルcよりもパネルa及びbで増加していることが分かる。これらの結果は、電気泳動ゲルへの泳動サンプルの導入量が増加することを示している。また、パネルaとbとを比べると、パネルaの方が、スポット数、及びスポットボリュームが増加している。これは、ろ紙と電極との接触面が大きい方が、そのサンプル導入量がさらに増加することを示している。
Figure 2009162631
しかし、パネルa及びbは、パネルcと比べて、塩基性部分でのスポットが少なかった。下記表の全スポット数、及び全スポットボリュームが、パネルa及びbよりもパネルcの方が大きいのは、このためと考えられる。全体的な泳動サンプルの導入量を比較するために、(全スポットボリューム)/(全スポット数)の計算を行った。この値は、1スポット中の平均ボリュームを示す。この値により、全体的な泳動サンプル導入量を比較することができる。これらの値は、パネルcよりもパネルa及びb方が大きかった。従って、本発明により、電気泳動ゲルへの泳動サンプルの導入量が増加することは明らかである。
(実施例2)
さらに、本発明の方法と従来の方法1及び2(特開2005-345334号公報)とを比較した。泳動サンプル調製において、抽出液を、該小片の湿重量の2倍量の代わりに4倍量加えたこと、ろ紙への浸透において、該泳動サンプル溶液を28μlの代わりに35μl浸透させたこと、及び等電点電気泳動において、図2bの電極のみを使用したこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。
(比較例2−1)従来の方法1
ろ紙への浸透において、実施例1と同じ泳動サンプル溶液28μlを浸透させる代わりに、実施例2と同じ泳動サンプル溶液を35μl浸透させたこと以外は、比較例1と同じ操作を行った。
(比較例2−2)従来の方法2
従来の方法2(特開2005-345334号公報)を元に等電点電気泳動を行い、泳動後のゲルをSDS-PAGEで分離した。
(泳動サンプル調製)
実施例2と同じ泳動サンプル溶液を使用した。
(ゲルストリップの膨潤、及びサンプルの浸透)
等電点電気泳動用装置(クールホレスターIPG-IEF Type-P(ANATECH, Tokyo Japan))を温度設定20℃にした。膨潤トレイに白金線を、ゲルストリップの両端にかかるように配置した。その後、該泳動サンプル溶液70μlを含む膨潤液(7M 尿素、2M チオ尿素、2% TritonX-100、13mM ジチオスレイトール(DTT)、1% Pharmalyte(pH3-10)、0.025M 酢酸、0.0025% ブロモフェノールブルー(BPB))350μlを入れ、その上に載るようにゲルストリップをゲル面が下になるように置いた。白金線を電源に繋げ、50V一定で通電しながら膨潤を行った。
(等電点電気泳動)
膨潤後、該ゲルを、該装置のトレイの上にゲル面が上になるように置いた。ゲルストリップの両端に、比較例1−1の蒸留水含有ろ紙を、該ゲルの長手方向に対して垂直に置いた。その後、両端に置いた電極ろ紙の上にクールホレスターIPG-IEF Type-P用電極を置いた。パワーホレスターPro3800(ANATECH)とクールホレスターIPG-IEF Type-Pとを接続し、実施例1と同じプログラム1で電気泳動を行った。
SDS-PAGE、及び画像解析は、実施例2と同じ方法で行った。
(結果)
結果を図4に示す。図4aが電気泳動後のゲルの画像であり、かつ図4aの各ゲル画像内の線で囲われた部分(高分子領域(分子量50000〜250000の領域))の拡大図を図4bに示す。図4aにおいて、パネルaが、本発明の方法を用いた実施例2の電気泳動後のゲル画像であり、パネルbが、従来の方法1を用いた電気泳動後のゲル画像であり、かつパネルcが従来の方法2を用いた電気泳動後のゲル画像である。パネルaは、パネルb及びcの画像に比べ明らかにスポット数、及びスポットボリュームが増加していることがわかる。また、任意のスポット番号1、2及び3について、スポットボリュームを計算し、下記表に示した。下記表を比べると、スポット番号1、2及び3のボリュームは、パネルb及びcよりもパネルaで増加していることが分かる。これらの結果から、本発明の方法を用いることにより、電気泳動用ゲルへの泳動サンプルの導入量が増加することは明らかである。
Figure 2009162631
図4bを参照すると、パネルaの方が、パネルb及びcに比べて、高分子領域のスポットが多いことが分かる。また、パネルaの矢印のスポットは確認できるが、パネルb及びcでは、そのスポットに対応するスポットが存在していないか、又は極端に小さいことが分かる。これは、本発明の方法を用いることにより、高分子量タンパク質(例えば、分子量50000〜250000のタンパク質)の導入量も増加することを示している。
(実施例3)
透析膜、及びろ過膜を用いた本発明の方法
(泳動サンプル調製)
ラット肝臓を任意の小片に切り、抽出液(7 M 尿素、2 M チオ尿素、2%CHAPS、0.1 M DTT、2.5%Pharmalyte pH 3-10)を、該小片の湿重量の2倍量加え、かつ破砕し(Ultrasonic disruptor(TOMY SEIKO., LTD Tokyo Japan))、その後、遠心分離した(sentrifuge Model3500(KUBOTA, Tokyo Japan)、遠心力20630 g、20 分、4℃)。その上清を分取し、それを泳動サンプル溶液とした。該泳動サンプル溶液を、使用するまで−80℃で冷凍保存した。
(ろ紙への浸透)
ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙No.590(ADVANTEC社))を7〜9mm×3〜5mmのサイズに切り取り、該ろ紙に、該泳動サンプル溶液10μlを浸透させ、それを泳動サンプル含有ろ紙とした。ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙No.590)を9〜10mm×4〜6mmのサイズに切り取り、該ろ紙にCHAPS溶液(55%)を浸透させ、それを界面活性剤含有ろ紙とした。以下、該ろ紙をCHAPS含有ろ紙と記載する。ろ紙(クロマトグラフィー用ろ紙No.590)を9〜10mm×4〜6mmのサイズに切り取り、該ろ紙に蒸留水を浸透させ、それを蒸留水含有ろ紙とした。
(ゲルストリップの膨潤)
ゲルストリップ(Immobiline DryStrip;pH3-10(GE Healthcare社))を、膨潤液(7M 尿素、2M チオ尿素、2% TritonX-100、13mM ジチオスレイトール(DTT)、1% Pharmalyte(pH3-10)、0.025M 酢酸、0.0025% ブロモフェノールブルー(BPB))に浸し、20℃で8時間膨潤させた。
(等電点電気泳動)
等電点電気泳動用装置(クールホレスターIPG-IEF Type-P(ANATECH社, Tokyo Japan))の温度を20℃に設定した。該装置のトレイに膨潤したゲルストリップをゲル面が上になるように置いた。ゲルストリップのマイナス極側に、該泳動サンプル含有ろ紙を2枚重ねて載せ、その上に、CHAPS含有ろ紙を置いた。該CHAPS含有ろ紙の上に透析膜(Sanko Junyaku Co, Ltd)又はろ過膜(限外ろ過フィルター(日本ミリポア社))を置き、該透析膜又はろ過膜の上に蒸留水含有ろ紙を置き、かつ該蒸留水含有ろ紙の上に図2bの電極を置いた。一方、プラス極側には蒸留水含有ろ紙を置き、かつ該蒸留水含有ろ紙の上にクールホレスターIPG-IEF Type-P用電極を置いた。パワーホレスターPro3800(ANATECH社)とクールホレスターIPG-IEF Type-Pとを接続し、プログラム1{(ステップ1) 500ボルト(1時間);(ステップ2) 700ボルト(0.5時間);(ステップ3) 1000ボルト(0.5時間);(ステップ4) 1500ボルト(0.5時間);(ステップ5) 2000ボルト(0.5時間);(ステップ6) 2500ボルト(0.5時間);(ステップ7) 3000ボルト(0.5時間);(ステップ8) 3500ボルト(18〜20時間)}で電気泳動を行った。
(SDS-PAGE)
等電点電気泳動の終了したゲルストリップを装置から取り出し、蒸留水で軽くすすいだ。その後、SDS平衡化バッファー(6M 尿素、33mM DTT、25%グリセロール、2.5mM トリス/HCl(pH 6.8)、0.0025%BPB、2%SDS)に浸して、40分間振とうした。その後、該ゲルを10%ポリアクリルアミドゲルの上に載せ、クールホレスターSDS-PAGE Dual-200(ANATECH)にて、プログラム2{(ステップ1)20ボルト(0.5時間);(ステップ2)30ボルト(3〜4時間)で電気泳動を行った。
(画像解析)
SDS-PAGE後のポリアクリルアミドゲルをSYPRO Rubyで蛍光染色した。フルオロホレスター3000(ANATECH社)を用いて、電気泳動後のゲルの画像を取り込み、Progenesis PG220
(SHIMADZU 社)にて自動スポット検出後にスポットボリュームを計算した。
(比較例3)
実施例3と同じ泳動サンプル含有ろ紙を使用した以外は、比較例1と同じ操作を行った。
(結果)
結果を図5に示す。パネルaが、透析膜を用いた電気泳動後のゲル画像であり、パネルbが、透析膜を用いた電気泳動後のゲル画像であり、かつパネルcが、従来の方法1を用いた電気泳動後のゲル画像である。パネルa及びbは、パネルcの画像に比べ明らかにスポット数、及びスポットボリュームが増加していることがわかる。任意のスポット番号1及び2のボリュームを示した下記表を比べると、パネルcよりもパネルa及びbで増加していることが分かる。これらの結果から、本発明の方法を用いることにより、電気泳動用ゲルへの泳動サンプルの導入量が増加することは明らかである。また、実施例1の結果の図3パネルaでは、塩基性部分のスポットが少なかったが、透析膜又はろ過膜を用いることにより改善されることがわかった。
Figure 2009162631
(実施例4)
次に、電極の形状の違いによる本発明の方法について評価した。
泳動サンプル調製において、ラット肝臓の代わりにマウス肝臓又はラット血清を使用したこと、ろ紙への浸透において、泳動サンプル溶液10μlを浸透させる代わりに泳動サンプル溶液10μl(ラット肝臓)又は27μl(ラット血清)を使用したこと、及び等電点電気泳動において、図2bの電極の代わりに、図2c又は図2dの電極を使用したこと以外は、実施例3と同じ操作を行った。
(比較例4)
実施例4と同じ泳動サンプル含有ろ紙を使用した以外は、比較例1と同じ操作を行った。
(結果)
結果を図6に示す。パネルa及びbが、それぞれ、図2cの電極を用いた実施例4の電気泳動後のゲル画像(マウス肝臓)、及び比較例4の電気泳動後のゲル画像(マウス肝臓)である。パネルc及びdが、それぞれ、図2dの電極を用いた実施例4の電気泳動後のゲル画像(ラット血清)、及び比較例4の電気泳動後のゲル画像(ラット血清)である。パネルa及びbを比較すると、パネルbよりもパネルaの方が明らかにスポット数、及びスポットボリュームが増加していることがわかる。パネルc及びdについても同様であり、パ
ネルdよりもパネルcの方が、明らかにスポット数、及びスポットボリュームが増加して
いることがわかる。
Figure 2009162631
(実施例5)
界面活性剤の濃度の検討
ラット肝臓の代わりにマウス肝臓を用いたこと、及びCHAPS溶液の濃度を2、5、10、55、又は100%にしたこと以外は、実施例3と同じ操作を行った。
(比較例5)
ラット肝臓の代わりにマウス肝臓を用いたこと以外は、比較例3と同じ操作を行った。
(結果)
結果を図7に示す。パネルa〜eは、それぞれ、該ろ紙にCHAPS濃度2、5、10、55、又は100%の溶液を浸透させ、本発明の方法に従って電気泳動を行った後のゲル画像である。パネルfは、従来の方法に従って電気泳動を行った後のゲル画像である。パネルa〜eとパネルfとを比較すると、パネルa〜eの方が、全体的にスポットが濃いことがわかる。パネルa〜eを比較すると、CHAPS濃度を増やすことにより、塩基性側(特に○で囲った部分)のスポット化がよくなる。これは、泳動サンプル中の塩基性タンパク質の導入が増加することを示している。パネルdとeとを比較すると、前者の方が、スポット数、及びボリュームが大きく、かつ塩基性タンパク質の導入がよくなることから、本発明の方法においてCHAPS濃度55%を使用することが最適であると考えられる。
Figure 2009162631
(実施例6)
再現性実験
(泳動サンプル調製)
ラット肝臓を任意の小片に切り、抽出液(7 M 尿素、2 M チオ尿素、2%CHAPS、0.1 M DTT、2.5%Pharmalyte pH 3-10)を、該小片の湿重量の2倍量加え、かつ破砕し(Ultrasonic disruptor(TOMY SEIKO., LTD Tokyo Japan)、その後、遠心分離した(sentrifuge Model3500(KUBOTA, Tokyo Japan)、遠心力20630 g、20 分、4℃)。その上清を分取し、それを泳動サンプル溶液とした。該泳動サンプル溶液の一部を、冷凍保存せずに直ぐに使用した。残りを14日間冷凍保存後に使用した。
ろ紙への浸透、ゲルストリップの膨潤、等電点電気泳動、SDS-PAGE、及び画像解析は、実施例1と同じ操作を行った。なお、等電点電気泳動では、マイナス極側の電極として、図2bの電極を使用した。
(比較例6)
実施例6と同じ泳動サンプル含有ろ紙を使用したこと以外は、比較例1と同じ操作を行った。
(結果)
結果を図8に示す。パネルa及びbが、本発明の方法に従って電気泳動を行った後のゲル画像である。パネルc及びdが、従来の方法に従って電気泳動を行った後のゲル画像である。パネルa及びcが、泳動サンプル溶液を冷凍保存せずに、直ぐに使用した場合のゲル画像であり、パネルb及びdが、泳動サンプル溶液を14日冷凍保存後に使用した場合のゲル画像である。パネルcとdとを比較すると、パネルdでスポット数の減少、及び泳動パターンの変化が見られた。このスポット数の減少、及び泳動パターンの変化は、14日間の冷凍保存により、タンパク質が凝集したためと考えられる:通常、タンパク質が凝集すると、電気泳動用ゲルへの導入が困難になり、該タンパク質が時間差で徐々に導入されることになるので、泳動パターンに変化が生じる。一方、パネルaとbとを比較すると、泳動パターンはほとんど変わらなかった。この結果は、本発明の方法を使用することにより、泳動サンプル溶液を長期冷凍保存しても、高い再現性が得られることを示している。
図1は、本発明の電気泳動方法の例を示す。 図2は、本発明の電気泳動方法に使用される電極の例を示す。 図3は、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像、及び従来の方法1を用いたゲル画像を示す。 図4aは、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像、並びに従来の方法1及び2を用いた電気泳動後のゲル画像を示す。 図4bは、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像の高分子量域の拡大図、及び従来の方法1を用いたゲル画像の高分子量域の拡大図を示す。 図5は、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像、及び従来の方法1を用いた電気泳動後のゲル画像を示す。 図6は、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像、及び従来の方法1を用いた電気泳動後のゲル画像を示す。 図7は、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像、及び従来の方法1を用いた電気泳動後のゲル画像を示す。 図8は、本発明の方法を用いた電気泳動後のゲル画像、及び従来の方法1を用いた電気泳動後のゲル画像を示す。
符号の説明
1:トレイ
2:電気泳動用ゲル
3:泳動サンプル含有ろ紙
4:界面活性剤含有ろ紙
5:マイナス極側の電極
6:水含有ろ紙
7:プラス極側の電極
8:透析膜
9:ろ過膜
10:水含有ろ紙

Claims (16)

  1. 電気泳動用ゲル上に泳動サンプル含有ろ紙を配置し、該泳動サンプル含有ろ紙上に界面活性剤含有ろ紙を配置し、かつ該界面活性剤含有ろ紙上に電極を配置する工程を含む、電気泳動方法。
  2. さらに、該界面活性剤含有ろ紙上に透析膜又はろ過膜を配置し、かつ該透析膜又は該ろ過膜上に水含有ろ紙を配置する工程を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記界面活性剤が、CHAPSである、請求項1又は2のいずれか1項記載の方法。
  4. 前記電極が、板状である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記電極が、全体又は部分的に平行で且つ電気的に連続した複数のサブ電極からなる構造を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記サブ電極が、三角形、四角形、多角形、円、又は楕円の断面を有する、請求項5記載の方法。
  7. 前記全体又は部分的に平行で且つ電気的に連続した複数のサブ電極からなる構造が、渦巻線構造である、請求項5又は6記載の方法。
  8. 前記渦巻線構造が、長方角渦巻線構造である、請求項7記載の方法。
  9. 前記長方角渦巻線構造が、長辺方向において一定の間隔を空けて平行に配置された複数のサブ電極からなる、請求項8記載の方法。
  10. 前記サブ電極が2〜6本である、請求項5〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記サブ電極が4本である、請求項10記載の方法。
  12. 前記電極が白金を含む、請求項4〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項の方法を含む、二次元電気泳動方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載の電気泳動方法を行うための電気泳動装置。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項の方法を行うためのキットであって:
    請求項1〜13のいずれか1項の方法を行うための指示書、電気泳動用ゲル、泳動サンプルを浸透させるためのろ紙、及び界面活性剤を浸透させるためのろ紙を含む、前記キット。
  16. さらに、透析膜又はろ過膜、及び蒸留水を浸透させるためのろ紙を含む、請求項15記載のキット。
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