JP2009161510A - アミノ化フラーレン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基と環状2級アミノ基を構成する炭素原子とを結合させ、当該環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとを直接結合させることにより、工業的に容易に製造することができるとともに、エステル溶媒に高い溶解性を示し、レジスト用途等に好適に使用でき、特には化学増幅型レジスト用途に好適に使用できるアミノ化フラーレンを提供することができる。
【選択図】なし
Description
本発明のアミノ化フラーレンは、下記式(1)の構造を有する置換又は無置換の環状2級アミノ基中の炭素原子に、直接又は炭素数1以上2以下の炭素鎖を介して、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基が結合してなるエステル置換環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとが、直接結合しているものである。
「フラーレン」とは、炭素原子が球状又はラグビーボール状に配置して形成される、閉殻構造を有する炭素クラスターである。フラーレンの炭素数は、通常60以上、通常120以下である。
環状2級アミノ基は、上記式(1)の構造を有するものであり、(n+2)個の炭素原子及び1個の窒素原子により、環を形成している。
1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基(以下、適宜「分岐含有エステル基」と言う。)は、本発明の効果を著しく損なわない限り、その構造は任意であるが、通常、エステル基と、1つ以上の分岐を有する任意の炭素鎖を有する基(以下、適宜「R1」と言う。)とが結合してなる。従って、分岐含有エステル基としては、下記式(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる1種以上の構造を有するエステル基が好ましい。なお、分岐含有エステル基は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
環状2級アミノ基と、分岐含有エステル基とは、直接又は炭素鎖を介して結合している。
本発明のアミノ化フラーレンにおいて、環状2級アミノ基と分岐含有エステル基との結合の好ましい態様としては、例えば、下記の構造を有するものが挙げられる。
本発明のアミノ化フラーレンにおいては、上記のエステル置換環状2級アミノ基が有する窒素原子とフラーレンとが、直接結合する。1つのフラーレンに結合するエステル置換環状2級アミノ基の数は、通常1以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、また、その上限は、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。エステル置換環状2級アミノ基の数が少なすぎる場合、アミノ化フラーレンのエステル溶媒への溶解性が低くなる可能性があり、多すぎる場合、フラーレンの共役が狭くなり、フラーレンの有益な性質が損なわれる可能性がある。
本発明のアミノ化フラーレンは、公知の任意の製造方法により、適切な材料から製造することが出来る。例えば、本発明のアミノ化フラーレンは、特開2002−88075号公報、又は特開2006−199674号公報に記載の方法に従って、可視光又はヒドロペルオキシド存在下、フラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させることにより製造することが出来る。具体的には、例えば、過酸化水素等の無機ヒドロペルオキシド又はクメンヒドロペルオキシド等の有機ヒドロペルオキシドの存在下でフラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させたり、酸素分子の存在下でヒドロペルオキシドを生成させた後、フラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させたりすることが挙げられる。中でも、工業的な製造方法という観点から、有機ヒドロペルオキシドの存在下でフラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させることが好ましい。
フラーレンとしては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意のものを用いることができる。中でも、上記の[1.アミノ化フラーレン]で説明したフラーレンを用いることが好ましい。なお、フラーレンは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
エステル置換環状2級アミンは、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意であり、上記のエステル置換環状2級アミノ基をフラーレンに結合させることが出来るものを任意に用いることが出来る。その例としては、上記のエステル置換環状2級アミノ基の結合手に水素原子が結合した構造のものが挙げられる。エステル置換環状2級アミンは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
有機ヒドロペルオキシドとしては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意のものを用いることが出来るが、下記式(6)の構造を有する、過酸化水素に含まれる水素原子1原子を有機基R3で置換した化合物を用いることが好ましい。なお、有機ヒドロペルオキシドは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。また、例えば、後述するクメンヒドロペルオキシドとクメンとのように、有機ヒドロペルオキシドと有機ヒドロペルオキシドの製造原料(以下、適宜「有機ヒドロペルオキシド前駆体」と言う。)とを組み合わせて用いても良い。
本発明の製造方法において、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、上記のフラーレン、エステル置換環状2級アミン及び有機ヒドロペルオキシド以外の成分(以下、適宜「その他の成分」と言う。)が反応系に含まれていても良い。含んでいても良い成分としては、例えば、アルカン、トリエチルアミン等の3級アミン、ピリジン、t−ブタノール等の3級アルコール、又はそれらの誘導体等が挙げられる。その他の成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
フラーレン、エステル置換環状2級アミン、有機ヒドロペルオキシド及び必要に応じて用いられるその他の成分は、通常は溶媒に溶解して反応させる。溶媒の種類と使用量は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意である。ただし、通常は、フラーレン、エステル置換環状2級アミン及び有機ヒドロペルオキシドが溶解する溶媒を用いる。なお、溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
N,N−ジメチルホルムアミド 36.71
N,N−ジメチルアセトアミド 37.78
N−メチルピロリドン 32.2
ジメチルスルホキシド 46.45
スルホラン 43.3
N,N’−ジメチルプロピレンウレア 36.12
ヘキサメチルホスホリックトリアミド 29.6
フラーレン、エステル置換環状2級アミン及び有機ヒドロペルオキシドの使用量としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、それぞれ任意である。また、溶媒の使用量、その他の成分の使用量も、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意である。
有機ヒドロペルオキシドを用いる製造方法においては、通常、光を照射しなくても反応が進行するため、反応系に積極的に光を照射しなくてもよい。従って、本発明のアミノ化フラーレンの製造方法においては、光の照射の有無は特に限定されない。具体的には、ガラス等の光透過性材料で作られた反応容器を用いて反応を行っても、金属等の光を通しにくい材料で作られた反応容器を用いて反応を行ってもよい。
本発明のアミノ化フラーレンは、公知の任意の方法を用いて、反応後の反応液から単離することが出来る。中でも、以下に記載する手順で精製することが好ましい。ただし、以下に記載する内容は、単離する手段の一例であり、単離する手段は以下の内容に限定されるものではない。
本発明のアミノ化フラーレンは、エステル溶媒に高い溶解性を示す。具体的には、レジスト用途に一般的に用いられるプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートに対し、本発明のアミノ化フラーレンは、5重量%以上の濃度で溶解する。そのため、エステル溶媒に高濃度に溶解させた溶液を、スピンコート等により基板上に塗布して薄膜として用いるレジスト用途に好適に用いることが出来る。また、本発明のアミノ化フラーレンは、エステル溶媒に高い溶解性を示す公知のアミノ化フラーレンと異なり、酸と混合してもアミンを生成しないので、エステル溶媒を用いる化学増幅型レジストの添加剤として特に好適に用いることが出来る。また、本発明のアミノ化フラーレンは、これらの用途以外にも、太陽電池材料、樹脂添加剤、医薬品等の用途にも好適に用いることが出来る。
従来、フォトレジストは、被膜形成成分として(メタ)アクリル系、ポリヒドロキシスチレン系またはノボラック系の樹脂等の樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤、感光剤等とを組み合わせた組成物が広く用いられている。本発明のアミノ化フラーレンは、通常、フォトレジストに使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度でフォトレジストに複合化が可能である。また、アミノ化フラーレン単独でもレジスト膜を形成することが可能である。
このように本発明のアミノ化フラーレンをフォトレジストの分野に用いた場合、フラーレン骨格を有する事により、超芳香族分子としての高耐熱性、高エッチング耐性を有し、エッジラフネスの低減が可能であり、高解像度のフォトレジストの再現ができる。また、本発明のアミノ化フラーレンを用いて形成した膜は、反射防止膜としての機能も有することより、多層膜の一層として、特に反射防止膜や塗布型のマスク材(ハードマスク)としても優れた機能を発揮することが期待される。さらに、この膜を加熱すること等によって得られるフラーレン膜もしくはフラーレン含有膜も、反射防止膜としての機能も有することより、多層膜の一層として、特に反射防止膜や塗布型のマスク材(ハードマスク)としても優れた機能を発揮することが期待される。
半導体製造等の分野では、例えば500μm以下の微細パターンを生産効率良く形成する方法としてナノインプリント法が検討されている。ナノインプリント法とは、微細パターンを有するモールドのパターンを転写層に転写する微細パターンの形成方法である。
このようなナノインプリント法としては、例えば、熱可塑性重合体からなる転写層を加熱して軟化させる工程と、転写層とモールドとを圧着してモールドのパターンを転写層に形成する工程と、モールドを転写層から離脱させる工程とを順次行なう方法;硬化性単量体からなる転写層をモールドに接触させる工程と、硬化性単量体を硬化させる工程と、硬化性単量体の硬化物からモールドを離脱させる工程とを順次行なう方法;などが知られている。本発明のアミノ化フラーレンは、通常、上記の熱可塑性重合体、硬化性物質等に使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、上記熱可塑性重合体に高濃度で充填することが可能である。
近年、コンピュータの中央処理装置(CPU)用回路基盤には、樹脂薄膜を層間絶縁膜とする高密度かつ微細な多層配線に適した樹脂薄膜配線が適用されるようになってきた。将来のより高速な処理能力を有するコンピュータを実現するには、高密度かつ繊細な多層配線を活かし、かつ信号の高速伝播に適した低誘電率絶縁材料の開発が求められている。本発明のアミノ化フラーレンは、通常、上記用途に使用される溶媒への溶解度が高いことより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度で他の材料と複合化することが可能である。また、アミノ化フラーレン単独で成膜することも可能である。この際、本発明のアミノ化フラーレンは、フラーレン構造が本質的に有する高抵抗、低誘電率の性質を保持しており、複合化して用いる際にはフィラーとしての機械的強度の向上効果を有することができ、これにより、従来無かった優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。さらに、この複合材料もしくはアミノ化フラーレンの膜を加熱すること等によって得られるフラーレン含有材料もしくはフラーレン膜も同様に用いることができ、従来無かった優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。
有機太陽電池は、シリコン系の無機太陽電池と比較して、優位な点が多数あるものの、エネルギー変換効率が低く、実用レベルに十分には達していない。この点を克服するためのものとして、最近、電子供与体である導電性高分子と、電子受容体であるフラーレン並びにフラーレン誘導体とを混合した活性層を有するバルクヘテロ接合型有機太陽電池が提案されている。このバルクヘテロ接合型有機太陽電池では、導電性高分子とフラーレン誘導体それぞれが分子レベルで混じり合い、その結果非常に大きな界面を作り出すことに成功し、変換効率の大幅な向上が実現されている。
本発明のアミノ化フラーレンは、上記用途で使用される溶媒への溶解度が高いため、p型半導体と効率的なバルクへテロ接合構造を構成することが容易である。また、本発明のアミノ化フラーレンは、本質的にn型半導体としてのフラーレンの性質を有している。従って、本発明のアミノ化フラーレンを用いることで、極めて高性能な有機太陽電池の実現が可能となる。また、バルクへテロ構造を形成した後に加熱等によりアミノ化フラーレンをフラーレンへと変換して用いてもよい。さらにこの高溶解性を利用し、導電性高分子等の電子供与体層との層分離制御や誘導体分子の整列配向性・細密充填性などのモルフォロジー制御を可能にし、これにより特性の向上が実現できる上、デバイス設計において高い柔軟性を与える。また、製造上も通常の印刷法やインクジェットによる印刷、更にはスプレー法等により、低コストで容易に大面積化を実現する事が可能である。
光センサー、整流素子等への応用が期待できる電界効果トランジスタの有機材料として、フラーレン及びフラーレン誘導体を使用することが研究されている。一般的に、フラーレン及びフラーレン誘導体を半導体に用いて電界効果トランジスタを作製した場合、当該電界効果トランジスタはn型のトランジスタとして機能することが知られている。
本発明のアミノ化フラーレンは、上記用途で使用される溶媒への溶解度が高いことにより、塗布による成膜が容易であり、また、n型半導体としてのフラーレンの本質的な性質は保持している。これにより、本発明のアミノ化フラーレンは、低コスト、高性能な有機半導体として利用されることが期待できる。また、塗布した後に加熱等によりアミノ化フラーレンをフラーレンへと変換して用いてもよい。
本発明のアミノ化フラーレンを出発原料として、環状2級アミノ基上のエステル基を反応により変換する工程を経て、新たな機能を有するフラーレン誘導体を製造することができる。以下、その変換方法に関して代表例を記すが、以下の例に限定されるものではない。
(1)本発明のアミノ化フラーレンをアルカリと反応させて、加水分解する。
(2)本発明のアミノ化フラーレンをエステルまたはアルコールと反応させてエステル交換する。
(3)本発明のアミノ化フラーレンを還元剤と反応させて還元する。
[アミンの合成]
イソニペコチン酸(41.5g、320ミリモル)に、1,4−ジオキサン(200mL)を加え、不均一溶液とした。この溶液に、濃硫酸41.5mLを30分かけて添加した。この不均一溶液に、イソブテン100gを5時間かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、0℃に冷やし、2規定の水酸化ナトリウム水溶液750mLを添加した。塩基性であることを確認した後、ジエチルエーテル500mLで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後に濃縮し、目的物であるイソニペコチン酸t−ブチル5.98g(収率10%)を得た。
1H−NMR(270MHz,CDCl3)
δ1.47(s,9H),1.4−1.6(m,3H),1.86(brd,J=14.2Hz,2H),2.33(tt,J=3.6,10.7Hz,1H),2.64(dt,J=2.8,12.5Hz,2H),3.10(dt,J=12.5Hz,2.8Hz,2H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をクロロベンゼン(200mL)に溶解し、0.5時間攪拌後、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。純度80%のクメンヒドロペルオキシド(793mg、4.17ミリモル)を1mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した後、イソニペコチン酸−t−ブチル(2.57g、13.9ミリモル)を3mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、7時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(100mL)で2回洗浄後、0.5規定の塩酸(100mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(100mL)で2回洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール150mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(8)の構造を有するアミノ化フラーレン2.04gを得た(4重付加体換算で収率99%)。また、トルエン/メタノール混合溶媒を溶離液とする、ODSカラムを用いたHPLCによる分析の結果、生成物の純度は80%であった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3)
δ1.47(s,18H),1.50(s,18H),1.7−1.9(br,8H),1.9−2.2(br,8H),2.2−2.4(br,4H),2.6−3.0(m,8H),3.65(brd,J=11Hz,4H),3.7−3.9(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液(以下、適宜「PGMEA」と言う。)を加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
イソニペコチン酸(15.74g、122ミリモル)にトルエン(200mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(27.85g、146ミリモル)を加えた。さらに、ネオペンチルアルコール(21.48g、244ミリモル)をトルエン(100mL)に溶解した溶液を加え、Dean−Stark管を用いて共沸脱水を行った。5時間後、理論量の水の除去を確認し、反応を停止した。室温に冷却後、水(100mL)および1規定の塩酸(100mL)で抽出し、得られた水溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(300mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、8gの粗生成物を得た。そして、再び有機相を再度1規定の塩酸(100mL、100mL)で2回抽出し、同様に処理し、さらに10gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のネオペンチルアルコールを含んでいた。これらを混合し、室温で10時間減圧したところ、白色固体としてイソニペコチン酸ネオペンチル16.2gが得られた。収率は67%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ0.94(s,9H),1.637(m,3H),1.91(dt,J=13.9,3.5Hz2H),2.45(tt,J=11.4,3.8,1H),2.65(dt,J=0.8,11.6Hz,2H),3.10(dt,J=12.6,3.8Hz,2H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をクロロベンゼン(160mL)に溶解し、0.5時間攪拌後、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。純度83%のクメンヒドロペルオキシド(765mg、4.17ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した後、イソニペコチン酸ネオペンチル(2.21g、11.1ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、44時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(100mL)で2回洗浄後、0.5規定の塩酸(100mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(100mL)で2回洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール150mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(9)の構造を有するアミノ化フラーレン2.10gを得た(4重付加体換算で収率99%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、生成物の純度は70%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ0.965(s,18H),0.954(s,18H),1.8−2.0(br,8H),2.0−2.3(br,8H,2.3−2.6(br,8H),2.7−3.1(br,12H),3.810(brs,8H)
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
4−ヒドロキシピペリジン(10.06g、100ミリモル)にトルエン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(22.52g、120ミリモル)を加えた。さらに、ピバリン酸(12.18g、119ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて7時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、2層に分離したため有機相を分離し、水相に1規定水酸化ナトリウム水溶液(400mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、2.40gの4−ピバロキシピペリジンを得た。さらに有機相を再度1規定の塩酸(120mL)で抽出し、得られた水溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(150mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(100mL、80mL)で2回抽出した。その後、同様に処理し、さらに1.67gの4−ピバロキシピペリジンを得た。合計収量は4.07gであり、収率は22%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ0.94(s,9H),1.5−1.6(m,3H),1.8−1.9(m,2H),2.73(ddd,J=3.3,8.6,12.4Hz,2H),3.05(ddd,J=3.8,6.1,10.1Hz,2H),4.85(sextetJ=4.1Hz,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をクロロベンゼン(160mL)に溶解し、0.75時間攪拌後、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分攪拌した。4−ピバロキシピペリジン(2.06g、11.1ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加したのち、純度83%のクメンヒドロペルオキシド(765mg、4.17ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、30時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(100mL)で2回洗浄後、0.5規定の塩酸(100mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(100mL)で2回洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール150mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(10)の構造を有するアミノ化フラーレン2.04gを得た(4重付加体換算で収率99%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、生成物の純度は70%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.21(s,18H),1.23(s,18H),1.7−2.2(m,16H),3.0−3.7(m,16H),4.88(brs,2H),4.96(brs,2H)
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
4−ヒドロキシピペリジン(10.12g、100ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(22.83g、120ミリモル)を加えた。さらにt−ブチル酢酸(13.67g、118ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて共沸脱水を行った。9時間後、理論量の水の除去を確認し、反応を停止した。室温に冷却後、1規定の水酸化ナトリウム水溶液(200ml)を加えて有機相を分離し、水相に塩化メチレン(200mL、100ml)を加え2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、0.64gの4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジンを得た。有機相から1規定の塩酸(200mL、100mL)で2回抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。その後、同様に処理し、さらに13.29gの4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジンを得た。合計収量は13.93gであり、収率68%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.04(s,9H),1.48−1.60(m,3H),1.89(m,2H),2.18(s,2H),2.73(m,2H),3.06(m,2H),4.87(m,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジン(1.93g、9.7ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(804mg、4.32ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、72時間後に副生成物の生成速度がフラーレンC60の減少速度よりも上回る現象を確認したため、反応を停止した。この時、HPLCにより確認したところ、1.0モル%の未反応のフラーレンC60が残存していた。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(11)の構造を有するアミノ化フラーレン2.28gを得た(4重付加体換算で収率107%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、生成物の純度は48%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.05(s,18H),1.06(s,18H),1.85(m,8H),2.11(m,8H),2.22(s,4H),2.25(s,4H),3.14(m,8H),3.50(m,8H),4.93(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピペリジン(5.23g、49ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(11.28g、59ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(6.16g、60ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて10時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、約15mLまで濃縮し、得られた溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(300mL)を加えて塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、7gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のピバリン酸や副生物を含んでいた。そこで塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(100mL、100mL)を加え、2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。上記と同様に処理し、黄透明液体として3−ピバロキシピペリジン4.26gが得られた。収率は47%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.21(s,9H),1.51(m,1H),1.58−1.76(m,3H),1.90(m,1H),2.76(m,2H),2.84(m,1H),3.03(dd,J=8.Hz,1H),4.71(m,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−ピバロキシピペリジン(2.06g、11.10ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(879mg、4.85ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、71時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(12)の構造を有するアミノ化フラーレン2.11gを得た(4重付加体換算で収率103%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.22(m,36H),1.76(m,8H),1.95(m,8H),2.93(m,8H),3.75(m,8H),4.92(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピペリジン(5.14g、49ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(11.53g、60ミリモル)を加えた。さらにt−ブチル酢酸(6.94g、60ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて10時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、約15mLまで濃縮し、得られた溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(300mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、9gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のt−ブチル酢酸や副生物を含んでいた。そこで塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(100mL、100mL)を加え、2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。上記と同様に処理し、黄透明液体として3−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジン7.72gが得られた。収率は78%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.03(s,9H),1.49(m,1H),1.57−1.78(m,3H),1.91(m,1H),2.20(s,2H),2.73(m,2H),2.83(m,1H),3.05(dd,J=8.Hz,1H),4.75(m,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.1g、1.40ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−t−ブチルアセトキシピペリジン(2.23g、11.11ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(883mg、4.86ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、99時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(13)の構造を有するアミノ化フラーレン2.19gを得た(4重付加体換算で収率103%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.06(m,36H),1.79(m,8H),1.95(m,8H),2.18(m,8H),2.92(m,8H),3.61(m,8H),5.03(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
4−ピペリジンメタノール(5.09g、44ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(9.91g、52ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(5.32g、52ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて9時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、1規定の塩酸(200mL、200mL、100mL)を加え3回水相に抽出し、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回洗浄した。その後、この水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、200mL、100mL)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、室温減圧で溶媒を除去し、黄透明液体として4−(2−ピバロキシメチル)ピペリジン3.26gが得られた。収率は38%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.22(s,9H),1.38(m,2H),1.72(m,2H),2.17−2.34(m,3H),2.64(m,2H),3.15(m,2H),3.93(s,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(0.8g、1.14ミリモル)をパラキシレン(120mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(41mL)を加え10分間攪拌した。4−(2−ピバロキシメチル)ピペリジン(1.64g、8.05ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(623mg、3.44ミリモル)を24mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、53時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(14)の構造を有するアミノ化フラーレン1.82gを得た(4重付加体換算で収率97%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、反応液の純度は68%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.22(s,18H),1.24(s,18H),1.59(m,8H),1.91(m,16H),2.71(t,J=12Hz,2H),2.82(m,6H),3.71(d,8Hz,4H),3.98(m,8H)
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
4−ピペリジンエタノール(5.02g、39ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(8.84g、46ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(4.74g、46ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて9時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、1規定の塩酸(200mL、200mL、100mL)を加え3回水相に抽出し、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回洗浄した。その後、この水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、200mL、100mL)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、黄透明液体として4−(2−ピバロキシエチル)ピペリジンが得られた。合計収量は4.21gであり、収率51%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.20(s,9H),1.43−1.53(m,1H),1.58(m,2H),1.63−1.71.(m,3H),2.57(m,2H),3.06(m,2H),4.10(t,J=8Hz,2H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(0.96g、1.34ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。4−(2−ピバロキシエチル)ピペリジン(2.03g、9.38ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(730mg、4.02ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、120時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(15)の構造を有するアミノ化フラーレン1.92gを得た(4重付加体換算で収率91%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、反応液の純度は81%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.21(s,18H),1.22(s,18H),1.39(m,8H),1.47−1.77(m,16H),1.93(m,8H),2.67(t,J=12Hz,2H),2.76(m,6H),3.69(d,6Hz,4H),3.85(dd,J=6,6Hz,4H),4.15(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピロリジン(5.17g、57ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(13.15g、69ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(7.03g、69ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて12時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、イオン交換水(200mL、200mL、100mL)で3回洗浄し、約15mLまで濃縮した。得られた溶液に塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(200mL、100mL)を加え2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、黄透明液体として3−ピバロキシピロリジンが得られた。合計収量は5.20gであり、収率53%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.18(s,9H),1.80(m,1H),1.96−2.13(m,2H),2.83(m,2H),3.06(m,2H),5.20(m,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.1g、1.39ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−ピバロキシピロリジン(1.98g、11.56ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(880mg、4.86ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、27時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(16)の構造を有するアミノ化フラーレン2.04gを得た(4重付加体換算で収率104%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.21(m,36H),1.94(m,4H),2.40(m,4H),3.28−3.70(m,16H),5.30(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピロリジン(5.15g、57ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(13.11g、69ミリモル)を加えた。さらにt−ブチル酢酸(8.00g、69ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて13時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、イオン交換水(200mL、200mL、100mL)で3回洗浄し、約15mLまで濃縮した。得られた溶液に塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(200mL、100mL)を加え2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、6gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のt−ブチル酢酸や副生物を含んでいた。そこでクーゲルロールで蒸留精製を行い、透明液体として3−(t−ブチルアセトキシ)ピロリジン3.73gが得られた。収率は35%であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.03(s,9H),1.84(m,2H),2.03(m,1H),2.18(s,2H),2.86(m,1H),2.94−3.11(m,3H),5.22(m,1H)
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.38ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−t−ブチルアセトキシピロリジン(2.06g、11.11ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(876mg、4.84ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、28時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(17)の構造を有するアミノ化フラーレン2.14gを得た(4重付加体換算で収率105%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.04(m,36H),2.00(m,4H),2.22(m,8H),2.41(m,4H),3.25−3.70(m,16H),5.32(m,4H)
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
Claims (6)
- 該R1が、t−ブチル基又はネオペンチル基である
ことを特徴とする、請求項2に記載のアミノ化フラーレン。 - 該式(1)中、nが3である
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミノ化フラーレン。 - テトラアミノC60−モノエポキシドである
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミノ化フラーレン。
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