JP2009161510A - アミノ化フラーレン - Google Patents

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雅敏 高木
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Abstract

【課題】工業的に容易に製造することができるとともに、エステル溶媒に高い溶解性を示し、レジスト用途等に好適に使用でき、特には化学増幅型レジスト用途に好適に使用できるアミノ化フラーレンを提供する。
【解決手段】1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基と環状2級アミノ基を構成する炭素原子とを結合させ、当該環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとを直接結合させることにより、工業的に容易に製造することができるとともに、エステル溶媒に高い溶解性を示し、レジスト用途等に好適に使用でき、特には化学増幅型レジスト用途に好適に使用できるアミノ化フラーレンを提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、フラーレン誘導体に関する。詳しくは、本発明は、特定の構造を有するアミノ化フラーレンに関する。
1990年にフラーレンC60の大量製造法が開発されて以来、数多くのフラーレン誘導体が開発され、その多様な機能が明らかにされてきた。それに伴い、フラーレン誘導体を用いた電子伝導材料、半導体、生理活性物質等の各種用途開発が進められている。
特に電子伝導材料分野においては、フラーレン誘導体の溶液をスピンコート等の手法により塗布し、薄膜として用いることがあり、溶媒に高い溶解性を示すフラーレン誘導体が求められている。中でも、工業的に好適な毒性が低いエステル溶媒に高い溶解性を示すフラーレン誘導体が求められており、例えば、特許文献1には、特定の構造を有するフラーレン誘導体がエステル溶媒に高い溶解性を示すことが開示されている。
エステル溶媒に高い溶解性を示す別のフラーレン誘導体としては、アミノ化フラーレンが知られている。アミノ化フラーレンは、光を用いる方法、分子状酸素を用いる方法、有機過酸化物を用いる方法等により製造することができ、いずれも1段階の反応で、容易に製造することができる。
フラーレン誘導体をエステル溶媒に溶解して得られる溶液の用途のひとつに、リソグラフィー分野がある。フラーレン誘導体をレジスト用途として使用することにより、エッチング耐性が向上することが知られている。例えば、特許文献2には、フラーレン誘導体が電子線によりグラファイト化する性質を利用してパターニングを行い、ドライエッチング条件下でノボラック樹脂系材料より高いエッチング耐性を実現する技術が開示されている。
また、特許文献3には、メタクリルアミド基を結合したフラーレンC60を含むレジストを電子線レジスト用途に用いると、フラーレン誘導体を含まないレジストと比べて、高い感度及びエッチング耐性が得られる技術が開示されている。
一方、化学増幅型レジストも実用的なレジストとして知られている。化学増幅型レジストは、電子線等の光により酸を発生する光酸発生剤を微量含有しており、発生した酸の触媒作用によりレジスト材料の変質が起こることを利用して、パターン形成するものである。
特開2006−56878号公報 特開平9−211862号公報 特開平6−19136号公報
特許文献1に記載のフラーレン誘導体は、エステル溶媒に高い溶解性を示すものの、当該フラーレン誘導体を工業的に製造するためには、その製造工程においてGrignard試薬と銅化合物とから調製される不安定な有機銅試薬を用いたり、脱保護工程、エステル化工程等の多段工程を経るため、製造コスト高及び製造時間の長時間化となったりする等の多くの課題があった。
また、例えば、レジストの一つとして知られている化学増幅型レジスト用途にエッチング耐性の向上を目的としてフラーレン誘導体を用いる場合、化学増幅型レジストに好適に用いられる溶媒であるエステル溶媒に高い溶解性を示すフラーレン誘導体が望まれていた。このようなフラーレン誘導体としては、本発明者らの検討によると、アミノ化フラーレンが挙げられる。本発明者らがそれらのアミノ化フラーレンを合成し、当該アミノ化フラーレンのエステル溶媒への溶解性を確認したところ、1−(t−ブトキシカルボニル)−ピペラジノ基がフラーレンに4つ結合したテトラ(1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペラジノ)C60−エポキシドがエステル溶媒に高い溶解性(具体的には、レジスト用途に好適な溶媒として用いられるプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液に10重量%以上可溶)を示した。なお、テトラ(1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペラジノ)C60−エポキシド以外に、エステル溶媒に高い溶解性を示すアミノ化フラーレンは知られていない。
また、エステル溶媒に高い溶解性を示すテトラ(1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペラジノ)C60−エポキシドを化学増幅型レジスト用途に用いたところ、本発明者らが検討した結果、光により発生した酸が1つのt−ブトキシカルボニル基を分解した結果生じるアミンと、光酸発生剤から生成した酸とが中和してしまい、生成した酸がそれ以上触媒的脱保護反応に関与できなくなることがわかった。従って、エステル溶媒に高い溶解性を示す公知のアミノ化フラーレンは、化学増幅型レジスト用途に用いることが出来ないという課題を有していた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、工業的に容易に製造することができるとともにエステル溶媒に高い溶解性を示し、レジスト用途等に好適に使用でき、特には化学増幅型レジスト用途に好適に使用できるアミノ化フラーレンを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基と環状2級アミノ基を構成する炭素原子とを結合させ、当該環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとを直接結合させることにより、工業的に容易に製造することができるとともにエステル溶媒に高い溶解性を示し、レジスト用途等に好適に使用でき、特には化学増幅型レジスト用途に好適に使用できるアミノ化フラーレンを提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、下記式(1)の構造を有する置換又は無置換の環状2級アミノ基中の炭素原子に、直接又は炭素数1以上2以下の炭素鎖を介して、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基が結合してなるエステル置換環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとが、直接結合していることを特徴とする、アミノ化フラーレンに存する(請求項1)。
Figure 2009161510
(式(1)中、nは1以上4以下の整数を表す。)
この時、該エステル基が、下記式(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる1種以上の構造を有するエステル基であることが好ましい(請求項2)。
Figure 2009161510
Figure 2009161510
Figure 2009161510
(式(2)〜(4)中、R1は、それぞれ独立に、炭素数4以上10以下のアルキル基を表す。さらに、R1は、それぞれ独立に、1つ以上の分岐を有する。)
また、該R1が、t−ブチル基又はネオペンチル基であることが好ましい(請求項3)。
さらに、該式(1)中、nが3であることが好ましい(請求項4)。
そして、アミノ化フラーレンが、テトラアミノC60−モノエポキシドであることが好ましい(請求項5)。
さらに、この時、該テトラアミノC60−モノエポキシドが、そのフラーレン上に下記式(5)の部分構造を有することが好ましい(請求項6)。
Figure 2009161510
(式(5)中、NR2は、それぞれ独立して、上記式(1)の構造を有する置換又は無置換の環状2級アミノ基であって、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基が、式(1)中の炭素原子に直接又は炭素数1以上2以下の炭素鎖を介して結合してなる環状2級アミノ基を表わす。また、式(5)中、細線で表される炭素−炭素結合は、フラーレンを形成する炭素骨格が有する炭素−炭素結合を表す。)
本発明によれば、工業的に容易に製造することができるとともにエステル溶媒に高い溶解性を示し、レジスト用途等に好適に使用でき、特には化学増幅型レジスト用途に好適に使用できるアミノ化フラーレンを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
本明細書において、特に指定の無い限り、有機化合物が有する、例えば光学異性体、位置異性体、幾何異性体等の異性体の種類に特に制限はない。例えば、キシレンには、その異性体として、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン等があるが、単に「キシレン」と記載する場合、キシレンはこれらの異性体のいずれでも良い。また、用いる有機化合物は、2種以上の異性体を任意の比率及び組み合わせで含んでも良い。
[1.アミノ化フラーレン]
本発明のアミノ化フラーレンは、下記式(1)の構造を有する置換又は無置換の環状2級アミノ基中の炭素原子に、直接又は炭素数1以上2以下の炭素鎖を介して、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基が結合してなるエステル置換環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとが、直接結合しているものである。
Figure 2009161510
(式(1)中、nは1以上4以下の整数を表す。)
(フラーレン)
「フラーレン」とは、炭素原子が球状又はラグビーボール状に配置して形成される、閉殻構造を有する炭素クラスターである。フラーレンの炭素数は、通常60以上、通常120以下である。
フラーレンの具体例としては、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96及びこれらよりも多くの炭素を有する高次の炭素クラスター等が挙げられる。なお、以下の説明においては、炭素数i(iは任意の自然数を表わす。)のフラーレンを適宜、式「Ci」で表わす。
本発明のアミノ化フラーレンが有するフラーレンとしては、例えば、上記の具体例が挙げられるが、中でも原料として入手し易いという観点から、C60が好ましい。なお、フラーレンは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
(環状2級アミノ基)
環状2級アミノ基は、上記式(1)の構造を有するものであり、(n+2)個の炭素原子及び1個の窒素原子により、環を形成している。
上記式(1)中、nは炭素数を表す。nの好ましい範囲としては、通常1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、また、その上限は、通常4以下、好ましくは3以下である。これらの範囲の中でも、nが3であることが特に好ましい。炭素数が少なすぎる場合、生成物中のテトラアミノC60−エポキシドの選択性が低下する可能性があり、多すぎる場合、アミノ基の極性が低下し、本発明のアミノ化フラーレンの十分な溶解性が発現しない可能性がある。
環状2級アミノ基の分子量としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常150g/モル以上、好ましくは170g/モル以上、より好ましくは180g/モル以上であり、また、その上限は、通常1000g/モル以下、好ましくは500g/モル以下、より好ましくは250g/モル以下である。分子量が小さすぎる場合、本発明のアミノ化フラーレンの十分な溶解性が発現しない可能性があり、大きすぎる場合、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
環状2級アミノ基の具体例としては、N−アゼチジノ基、N−ピロリジノ基、N−ピペリジノ基、N−ヘキサメチレンイミノ基等が挙げられる。中でも、環状2級アミノ基を生成する原料の入手の容易さの観点から、N−ピロリジノ基、N−ピペリジノ基が好ましく、N−ピペリジノ基がより好ましい。なお、環状2級アミノ基は、1種を単独で用いても良く、2種を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
また、環状2級アミノ基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、環状2級アミノ基が有する水素原子が置換基に置換されていても良い。有していても良い置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシチオ基等が挙げられる。置換基は、1種を単独で置換しても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで置換しても良い。
置換基の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常9g/モル以上、好ましくは15g/モル以上であり、また、その上限は、通常200g/モル以下、好ましくは150g/モル以下、より好ましくは100g/モル以下である。分子量が大きすぎる場合、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
さらに、置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、環を有していても良い。
また、置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、飽和結合だけではなく、不飽和結合を有していても良い。不飽和結合は、二重結合でも良く、三重結合でも良い。また、二重結合と三重結合とを任意の比率及び組み合わせで有していても良い。
(1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基)
1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基(以下、適宜「分岐含有エステル基」と言う。)は、本発明の効果を著しく損なわない限り、その構造は任意であるが、通常、エステル基と、1つ以上の分岐を有する任意の炭素鎖を有する基(以下、適宜「R1」と言う。)とが結合してなる。従って、分岐含有エステル基としては、下記式(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる1種以上の構造を有するエステル基が好ましい。なお、分岐含有エステル基は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
Figure 2009161510
Figure 2009161510
Figure 2009161510
1が有する炭素数は、上記式(2)〜(4)においてそれぞれ独立に、通常4以上であり、また、その上限は、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。炭素数が少なすぎる場合、本発明のアミノ化フラーレンの十分な溶解性が発現しない可能性があり、多すぎる場合、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
また、R1は、1つ以上の分岐を有する。R1が有する分岐の数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、できるだけ分岐の数が多いことが好ましい。具体的には、分岐の数が、上記式(2)〜(4)においてそれぞれ独立に、通常1以上、また、その上限は、通常3以下、好ましくは2以下、より好ましくは1以下である。分岐の数が多すぎる場合、R1を構成する炭素の数が多くなり、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
なお、本発明における分岐は、第3級炭素原子に由来する分岐であっても第4級炭素原子に由来する分岐であってもよいが、中でも、第4級炭素原子に由来するものが好ましい。
さらに、R1における分岐の位置としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、出来るだけ炭素鎖の末端側に存在することが好ましい。具体的には、R1における最も長い炭素鎖を主鎖とし、その末端側から数えて(即ち最末端の炭素原子を1位としたときに)、上記式(2)〜(4)においてそれぞれ独立に、通常4位、好ましくは3位、より好ましくは2位の位置よりも末端側にあることが好ましい。分岐の位置が上記範囲よりエステル基側に存在すると、本発明のアミノ化フラーレンの十分な溶解性が発現しない可能性がある。なお、分岐の位置は、1箇所のみであっても良く、2箇所以上であっても良い。
1は、本発明の効果を著しく損なわない限り、飽和結合だけではなく、不飽和結合を有していても良い。不飽和結合は、二重結合でも良く、三重結合でも良い。また、二重結合と三重結合とを任意の比率及び組み合わせで有していても良い。
さらに、R1の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常57g/モル以上であり、また、その上限は、通常500g/モル以下、好ましくは300g/モル以下、より好ましくは200g/モル以下である。分子量が大きすぎる場合、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
そして、R1は、鎖状であっても良く、環状であっても良いが、中でも、鎖状であることが好ましい。
また、R1は、炭化水素基であることが好ましい。さらに、炭化水素基の中でも、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられるが、芳香族炭化水素基とフラーレンとが相互作用する結果、本発明のアミノ化フラーレンの十分な溶解性が発現しない可能性があるので、中でも脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。さらに、脂肪族炭化水素基の中でも、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられるが、中でもアルキル基であることが特に好ましい。
以上の観点から、式(2)〜(4)中、R1は、それぞれ独立に、炭素数4以上10以下のアルキル基であることが好ましい。この時、R1は、式(2)〜(4)においてそれぞれ独立に、1つ以上の分岐を有する。
1の具体例としては、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−(t−ブチル)エチル基、3−(t−ブチル)プロピル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、2,2,3−(トリメチル)−1−n−プロピル基等が挙げられる。中でも、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−(t−ブチル)エチル基、3−(t−ブチル)プロピル基、2,2,3−(トリメチル)−1−n−プロピル基が好ましく、エステル基の極性がより大きな、炭素数が4以上6以下のt−ブチル基、ネオペンチル基、2−(t−ブチル)エチル基がより好ましく、t−ブチル基及びネオペンチル基が特に好ましい。
また、R1は、本発明の効果を著しく損なわない限り、置換基を有していても良い。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシチオ基等が挙げられる。置換基は、1種を単独で置換しても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで置換しても良い。
置換基の分子量としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常9g/モル以上、好ましくは15g/モル以上であり、また、その上限は、通常200g/モル以下、好ましくは150g/モル以下、より好ましくは100g/モル以下である。分子量が多すぎる場合、R1の分子量も大きくなるため、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
さらに、置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、環を有していても良い。
また、置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、飽和結合だけではなく、不飽和結合を有していても良い。不飽和結合は、二重結合でも良く、三重結合でも良い。また、二重結合と三重結合とを任意の比率及び組み合わせで有していても良い。
また、これらの置換基が更に一以上の置換基によって多重に置換されていてもよい。置換しうる置換基としては、例えば、上記のR1に置換しうる置換基等が挙げられる。
分岐含有エステル基としてどのようなものを用いるかは、通常、結合する環状2級アミノ基の構造及びR1の種類等により異なる。通常は、アミノ化フラーレンの原料となる、エステル置換環状2級アミノ基を有するアミン(以下、適宜「エステル置換環状2級アミン」と言う。)の合成の容易さ、及びエステル置換環状2級アミン合成のための原料入手の容易さ等により選択される。例えば、式(3)の構造を有する分岐含有エステル基が結合したエステル置換環状2級アミンの合成の際には、通常、高価かつ比較的取り扱いが難しく、水分と反応して腐食性の塩酸を発生するクロロ蟻酸エステルを要することに対して、脱水反応又は付加反応等のエステル化反応により合成が可能であるという観点から、(2)及び/又は(4)の構造を有する分岐含有エステル基が結合したエステル置換環状2級アミンがより好ましい。具体的には、(2)の構造を有する分岐含有エステル基が結合したエステル置換環状2級アミンは、例えば、ヒドロキシル基含有環状アミンとカルボン酸との脱水反応等により、また、(4)の構造を有する分岐含有エステル基が結合したエステル置換環状2級アミンは、例えば、環状アミノカルボン酸とアルコールとの脱水反応、イソブテン等のオレフィンへの付加反応等により合成することができる。
(環状2級アミノ基と分岐含有エステル基との結合)
環状2級アミノ基と、分岐含有エステル基とは、直接又は炭素鎖を介して結合している。
環状2級アミノ基と、分岐含有エステル基とが、炭素鎖を介して結合する場合、その炭素鎖が有する炭素数は、通常1以上、また、その上限は、通常3以下、好ましくは2以下である。炭素数が多すぎる場合、環状2級アミノ基の極性が低下し、本発明のアミノ化フラーレンが十分に溶解しない可能性がある。
また、環状2級アミノ基と分岐含有エステル基とが上記の炭素数を有する炭素鎖を介して結合している場合、両者は上記炭素鎖を含む連結基により結合されることになる。炭素鎖を含む連結基の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常14g/モル以上であり、また、その上限は、通常42g/モル以下、好ましくは28g/モル以下である。分子量が大きすぎる場合、環状2級アミノ基の極性が低下し、本発明のアミノ化フラーレンの十分な溶解性が発現しない可能性がある。なお、連結基は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
また、炭素鎖を含む連結基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、飽和結合だけではなく、不飽和結合を有していても良い。不飽和結合は、二重結合でも良く、三重結合でも良い。また、二重結合と三重結合とを任意の比率及び組み合わせで有していても良い。
炭素鎖を含む連結基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基等が挙げられる。中でも、メチレン基及びエチレン基が好ましい。
また、炭素鎖を含む連結基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、置換基を有していても良い。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシチオ基等が挙げられる。置換基は、1種を単独で置換しても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで置換しても良い。
置換基の分子量としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常9g/モル以上、好ましくは15g/モル以上であり、また、その上限は、通常200g/モル以下、好ましくは150g/モル以下、より好ましくは100g/モル以下である。分子量が多すぎる場合、R1の分子量も大きくなることになるため、単位重量あたりのフラーレンの割合が相対的に低下する結果、フラーレンの特性が十分発現しない可能性がある。
さらに、置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、環を有していても良い。
また、置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り、飽和結合だけではなく、不飽和結合を有していても良い。不飽和結合は、二重結合でも良く、三重結合でも良い。また、二重結合と三重結合とを任意の比率及び組み合わせで有していても良い。
環状2級アミノ基と分岐含有エステル基とが直接結合する場合、環状2級アミノ基における分岐含有エステル基との結合位置は、環状2級アミノ基が有する炭素原子上であれば特に制限はないが、窒素原子と結合している炭素原子上であると、立体障害の観点から、フラーレンと窒素原子とが結合しにくくなる可能性がある。
また、環状2級アミノ基と分岐含有エステル基とが上記の炭素鎖を介して結合する場合、環状2級アミノ基における上記の炭素鎖を含む連結基との結合位置も、環状2級アミノ基が有する炭素原子上であれば特に制限はないが、窒素原子と結合している炭素原子上であると、上記の場合と同様の可能性がある。
(環状2級アミノ基と分岐含有エステル基との結合の好ましい態様)
本発明のアミノ化フラーレンにおいて、環状2級アミノ基と分岐含有エステル基との結合の好ましい態様としては、例えば、下記の構造を有するものが挙げられる。
Figure 2009161510
(なお、上記構造式中、「tBu」は、t−ブチル基を表す。また、環状2級アミノ基を構成する炭素原子は、記載を省略した。)
(フラーレンとエステル置換環状2級アミノ基との結合の好ましい態様)
本発明のアミノ化フラーレンにおいては、上記のエステル置換環状2級アミノ基が有する窒素原子とフラーレンとが、直接結合する。1つのフラーレンに結合するエステル置換環状2級アミノ基の数は、通常1以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、また、その上限は、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。エステル置換環状2級アミノ基の数が少なすぎる場合、アミノ化フラーレンのエステル溶媒への溶解性が低くなる可能性があり、多すぎる場合、フラーレンの共役が狭くなり、フラーレンの有益な性質が損なわれる可能性がある。
エステル置換環状2級アミノ基がフラーレンに奇数個結合する場合、通常は、他の原子及び/又は官能基もフラーレンに結合し、結合量の総和が偶数個となる。一方、エステル置換環状2級アミノ基がフラーレンに偶数個結合する場合であっても、他の原子及び/又は官能基等がフラーレンに結合しても良い。なお、他の原子及び/又は官能基としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば、水素原子、ヒドロキシル基、2価の酸素原子等が挙げられる。他の原子及び/又は官能基は、1種が単独でフラーレンに結合しても良く、2種以上が任意の比率及び組み合わせでフラーレンに結合しても良い。
なお、本発明のアミノ化フラーレンにおいては、1種のエステル置換環状2級アミノ基が単独でフラーレンに結合しても良く、2種以上のエステル置換環状2級アミノ基が任意の比率及び組み合わせでフラーレンに結合しても良い。
フラーレンとエステル置換環状2級アミノ基との結合の好ましい態様としては、フラーレンC60に上記のエステル置換環状2級アミノ基が4つ結合し、さらに、2価の酸素原子が結合したテトラアミノC60−モノエポキシド、又はフラーレンC60に上記のエステル置換環状2級アミノ基が4つ結合したテトラアミノC60が挙げられる。
テトラアミノC60−モノエポキシドの中でも、そのフラーレン上に下記式(5)の部分構造を有するテトラアミノC60−モノエポキシドが、公知の製造方法で選択的に合成できるため、特に好ましい
Figure 2009161510
(なお、式(5)中、NR2は、それぞれ独立して、上記のエステル置換環状2級アミノ基を表す。また、式(5)中、細線で表される炭素−炭素結合は、フラーレンを形成する炭素骨格が有する炭素−炭素結合を表す。また、フラーレンを構成する炭素原子は、記載を省略した。)
上記式(5)の構造を有するアミノ化フラーレンの具体例としては、以下の構造を有するものが挙げられる。
Figure 2009161510
(なお、構造式中、「tBu」は、t−ブチル基を表す。また、フラーレン及び環状2級アミノ基を構成する炭素原子は、記載を省略した。)
Figure 2009161510
(なお、構造式中、「tBu」は、t−ブチル基を表す。また、フラーレン及び環状2級アミノ基を構成する炭素原子は、記載を省略した。)
本発明のアミノ化フラーレンとしては、上記の構造を有するものが好ましい。
[2.アミノ化フラーレンの製造方法]
本発明のアミノ化フラーレンは、公知の任意の製造方法により、適切な材料から製造することが出来る。例えば、本発明のアミノ化フラーレンは、特開2002−88075号公報、又は特開2006−199674号公報に記載の方法に従って、可視光又はヒドロペルオキシド存在下、フラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させることにより製造することが出来る。具体的には、例えば、過酸化水素等の無機ヒドロペルオキシド又はクメンヒドロペルオキシド等の有機ヒドロペルオキシドの存在下でフラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させたり、酸素分子の存在下でヒドロペルオキシドを生成させた後、フラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させたりすることが挙げられる。中でも、工業的な製造方法という観点から、有機ヒドロペルオキシドの存在下でフラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させることが好ましい。
以下、有機ヒドロペルオキシドの存在下でフラーレンとエステル置換環状2級アミンとを反応させ、本発明のアミノ化フラーレンを製造する方法(以下、適宜「本発明の製造方法」と言う。)を説明する。ただし、以下に記載する内容は本発明のアミノ化フラーレンの製造方法の一例であり、本発明のアミノ化フラーレンの製造方法としては、以下に記載する内容に限定されるものではない。
本発明の製造方法においては、副反応を抑える観点から、フラーレンを溶媒に溶解し、さらに上記のエステル置換環状2級アミンを混合した後、有機ヒドロペルオキシドを混合することにより、本発明のアミノ化フラーレンを製造する。
(フラーレン)
フラーレンとしては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意のものを用いることができる。中でも、上記の[1.アミノ化フラーレン]で説明したフラーレンを用いることが好ましい。なお、フラーレンは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
(エステル置換環状2級アミン)
エステル置換環状2級アミンは、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意であり、上記のエステル置換環状2級アミノ基をフラーレンに結合させることが出来るものを任意に用いることが出来る。その例としては、上記のエステル置換環状2級アミノ基の結合手に水素原子が結合した構造のものが挙げられる。エステル置換環状2級アミンは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
(有機ヒドロペルオキシド)
有機ヒドロペルオキシドとしては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意のものを用いることが出来るが、下記式(6)の構造を有する、過酸化水素に含まれる水素原子1原子を有機基R3で置換した化合物を用いることが好ましい。なお、有機ヒドロペルオキシドは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。また、例えば、後述するクメンヒドロペルオキシドとクメンとのように、有機ヒドロペルオキシドと有機ヒドロペルオキシドの製造原料(以下、適宜「有機ヒドロペルオキシド前駆体」と言う。)とを組み合わせて用いても良い。
Figure 2009161510
(式(6)中、R3は任意の有機基を表す。)
式(6)中、R3は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意の有機基を表す。中でも、R3は、炭化水素基であることが好ましく、第3級炭素原子を有する炭化水素基であることがより好ましい。R3が有する炭素数は、通常1以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、また、その上限は、通常15以下、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。R3が有する炭素数が多すぎる場合、単位重量あたりのヒドロペルオキシド部分が少なくなり、有機ヒドロペルオキシドの使用量が多くなるとともに多量の副生物が発生する可能性がある。
3の分子量としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、通常50g/モル以上、好ましくは80g/モル以上、より好ましくは100g/モル以上であり、また、その上限は、通常500g/モル以下、好ましくは400g/モル以下、より好ましくは300g/モル以下である。分子量が大きすぎる場合、単位重量あたりのヒドロペルオキシド部分が少なくなり、有機ヒドロペルオキシドの使用量が多くなるとともに多量の副生物が発生する可能性がある。
さらに、R3は、本発明の効果を著しく損なわない限り、環を有していても良い。
3の具体例としては、t−ブチル基、ネオペンチル基、t−へキシル基、クミル基等が挙げられる。中でも、安定性と取り扱いの容易さの観点から、t−ブチル基、ネオペンチル基、t−へキシル基、クミル基が好ましく、さらに工業的な入手の容易さの観点から、t−ブチル基、クミル基がより好ましい。
また、R3は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、置換基を有していても良い。有していても良い置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基等が挙げられる。置換基は、1種を単独で置換しても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで置換しても良い。
置換基の分子量としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、通常15g/モル以上、好ましくは50g/モル以上であり、また、その上限は、通常200g/モル以下、好ましくは150g/モル以下である。分子量が大きすぎる場合、単位重量あたりのヒドロペルオキシド部分が少なくなり、有機ヒドロペルオキシドの使用量が多くなるとともに、多量の副生物が発生する可能性がある。
さらに、置換基は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、環を有していても良い。
また、これらの置換基が更に一以上の置換基によって多重に置換されていてもよい。置換しうる置換基としては、上記のR3に置換しうる置換基が挙げられる。
有機ヒドロペルオキシドは、例えば、R3が第3級炭素原子を有する炭化水素基の場合、通常、公知の任意の製造方法により、以下の式(7)の構造を有する化合物と酸素原子とから製造することができる。
Figure 2009161510
例えば、R3がクミル基であるクメンヒドロペルオキシドは、通常、公知の任意の製造方法により、クメンと酸素原子とから製造することが出来る。なお、製造したクメンヒドロペルオキシド中には、後述するフラーレンのアミノ化反応を著しく妨げない限り、通常5重量%、好ましくは7重量%以上、より好ましくは10重量%以上、また、その上限は、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下の未反応のクメンを含んでいても良い。未反応のクメンの量が少なすぎる場合、クメンヒドロペルオキシドとクメンとの混合物が不安定になり、取り扱い時に爆発する等の可能性があり、多すぎる場合、反応後の廃棄物が多くなる可能性がある。
(その他の成分)
本発明の製造方法において、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、上記のフラーレン、エステル置換環状2級アミン及び有機ヒドロペルオキシド以外の成分(以下、適宜「その他の成分」と言う。)が反応系に含まれていても良い。含んでいても良い成分としては、例えば、アルカン、トリエチルアミン等の3級アミン、ピリジン、t−ブタノール等の3級アルコール、又はそれらの誘導体等が挙げられる。その他の成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
(溶媒)
フラーレン、エステル置換環状2級アミン、有機ヒドロペルオキシド及び必要に応じて用いられるその他の成分は、通常は溶媒に溶解して反応させる。溶媒の種類と使用量は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意である。ただし、通常は、フラーレン、エステル置換環状2級アミン及び有機ヒドロペルオキシドが溶解する溶媒を用いる。なお、溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
溶媒の種類としては、フラーレンに対する高い溶解性の観点から、芳香族炭化水素溶媒、芳香族ハロゲン化炭化水素溶媒等の芳香族性を有する溶媒(以下、適宜「芳香族溶媒」と言う。)が好ましい。
芳香族炭化水素溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン又はそれらの誘導体等が挙げられる。
芳香族ハロゲン化炭化水素溶媒の具体例としては、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン又はそれらの誘導体等が挙げられる。
溶媒として芳香族溶媒を用いる場合、反応速度の大幅な速度の向上の観点から、芳香族溶媒に極性溶媒を混合した混合溶媒として用いることが好ましい。
ここで、本発明の製造方法における極性溶媒とは、極性の大きい溶媒のことである。具体的には、溶媒の極性を表す比誘電率εrの値が、通常25以上、好ましくは30以上、より好ましくは35以上、また、その上限は、通常200以下の溶媒である。比誘電率εrの値は、例えば、Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry 2nd Ed. 1990、VCH p.59に記載されており、化合物に固有の値である。
誘電率は、電束密度Dとそれによって与えられる電場Eとの比(D/E)であり、物質内で電荷とそれによって与えられる力との関係を示す係数である。各物質は固有の誘電率を有し、この値は、外部から電場を与えた時に物質中の原子又は分子がどのように応答するか(即ち、誘電分極の仕方)によって決定される。そして、ε0を真空の誘電率(8.854×10-12F/m)とすると、ε/ε0を比誘電率と言い、εrで表す。各種極性有機溶媒の比誘電率εrは、以下の通りである(Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry 2nd Ed. 1990、VCH,p.408−p.410の「TableA−1」より抜粋。)。
N−メチルホルムアミド 182.4
N,N−ジメチルホルムアミド 36.71
N,N−ジメチルアセトアミド 37.78
N−メチルピロリドン 32.2
ジメチルスルホキシド 46.45
スルホラン 43.3
N,N’−ジメチルプロピレンウレア 36.12
ヘキサメチルホスホリックトリアミド 29.6
混合する極性溶媒の具体例としては、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホラン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;N,N’−ジメチルプロピレンウレア等のウレア類;ヘキサメチルホスホラミド等のリン酸アミド類;ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の亜リン酸アミド類等が挙げられる。中でも、極性溶媒の混合による効果の大きさの観点から、スルホキシド類、アミド類が好ましく、工業的な入手の容易さの観点から、中でも、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。
混合する極性溶媒の量としては、極性溶媒の種類によって異なるため一概には言えないが、通常、芳香族溶媒に対して、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、特に好ましくは10体積%以上、また、その上限は、好ましくは99体積%以下、より好ましくは50体積%以下、特に好ましくは40体積%以下であることが望ましい。極性溶媒の量が少なすぎる場合、極性溶媒の混合の効果が十分に得られない可能性があり、多すぎる場合、混合溶媒中の芳香族溶媒の濃度が低くなり、フラーレン、反応中間体等の溶媒への溶解性が低下する可能性がある。
また、極性溶媒は、上記の濃度で芳香族溶媒と混合した時に、芳香族溶媒と極性溶媒とが均一に混合するものを用いることが好ましい。
(各成分の使用量)
フラーレン、エステル置換環状2級アミン及び有機ヒドロペルオキシドの使用量としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、それぞれ任意である。また、溶媒の使用量、その他の成分の使用量も、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意である。
中でも、フラーレンの使用量は、溶媒の種類によって異なるため一概には言えないが、溶媒1mLに対して、通常4mg以上、好ましくは5mg以上、より好ましくは6mg以上、また、その上限は、通常20mg以下、好ましくは18mg以下、より好ましくは16mg以下が望ましい。フラーレンの使用量が少なすぎる場合、多量の溶媒を使うため生産性が低下する可能性があり、多すぎる場合、副反応が顕著になる可能性がある。
エステル置換環状2級アミンの使用量は、フラーレン1モルに対して、通常4倍モル以上、好ましくは4.5倍モル以上、より好ましくは5倍モル以上、また、その上限は、通常16倍モル以下、好ましくは12倍モル以下、より好ましくは10倍モル以下である。エステル置換環状2級アミンの使用量が少なすぎる場合、反応速度が遅くなる可能性があり、多すぎる場合、コスト高となる可能性がある。
さらに、有機ヒドロペルオキシドの使用量は、フラーレン1モルに対して、通常3倍モル以上、好ましくは3.2倍モル以上、より好ましくは3.5倍モル以上、また、その上限は、通常6倍モル以下、好ましくは5倍モル以下、より好ましくは4.5倍モル以下である。有機ヒドロペルオキシドの使用量が少なすぎる場合、反応が遅くなる可能性があり、多すぎる場合、副反応が顕著になるとともに過剰の有機ヒドロペルオキシドが残存し、爆発などの可能性がある。
さらに、その他の成分の使用量としては、その他の成分の種類によって異なるため一概には言えないが、溶媒1mLに対して、通常1mg以上、好ましくは3mg以上、より好ましくは5mg以上、また、その上限は、通常100mg以下、好ましくは50mg以下、より好ましくは10mg以下が望ましい。その他の成分の使用量が少なすぎる場合、その他の成分の効果が十分に発揮されない可能性があり、多すぎる場合、副反応が顕著となる可能性がある。
(反応条件)
有機ヒドロペルオキシドを用いる製造方法においては、通常、光を照射しなくても反応が進行するため、反応系に積極的に光を照射しなくてもよい。従って、本発明のアミノ化フラーレンの製造方法においては、光の照射の有無は特に限定されない。具体的には、ガラス等の光透過性材料で作られた反応容器を用いて反応を行っても、金属等の光を通しにくい材料で作られた反応容器を用いて反応を行ってもよい。
反応温度としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、通常、0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、また、その上限は、通常50℃以下、好ましくは35℃以下、より好ましくは30℃以下である。反応温度が低すぎる場合、反応が遅くなる可能性があり、高すぎる場合、副反応が顕著になる可能性がある。
また、反応時間は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、通常1時間以上、好ましくは3時間以上、より好ましくは5時間以上、また、その上限は、通常数日以下、好ましくは3日以下、より好ましくは2日以下である。反応時間が長すぎる場合、工業的な生産効率が低下する可能性がある。
また、反応雰囲気は、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、通常、不活性ガス下で行う。不活性ガスの具体例としては、窒素、アルゴン等が挙げられる。不活性ガスは、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
また、フラーレン、エステル置換環状2級アミン、有機ヒドロペルオキシド及び必要に応じて用いられるその他の成分の混合の順序も、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り、任意である。中でも、フラーレンを溶媒に溶解し、さらに上記のエステル置換環状2級アミンを混合した後、有機ヒドロペルオキシドを混合することにより、本発明のアミノ化フラーレンを製造することが好ましい。この際、有機ヒドロキシペルオキシドが化学的に不安定な化合物である場合、有機ヒドロキシペルオキシドが分解しないように反応系内に供給することが好ましい。
製造された本発明のアミノ化フラーレンは、公知の任意の方法でその生成を確認することが出来るが、例えば、オクタデシルシリカゲル(ODS)カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に反応液を供することにより確認できる。また、例えば、1H−NMRによっても、本発明のアミノ化フラーレンの存在を確認することが出来る。
(アミノ化フラーレンの単離)
本発明のアミノ化フラーレンは、公知の任意の方法を用いて、反応後の反応液から単離することが出来る。中でも、以下に記載する手順で精製することが好ましい。ただし、以下に記載する内容は、単離する手段の一例であり、単離する手段は以下の内容に限定されるものではない。
先ず、反応液を酸で洗浄し、さらに水洗することで、通常、未反応のエステル置換環状2級アミン及び必要に応じて用いられる極性溶媒が除去される。ここで、酸の種類としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、例えば塩酸、硫酸等を用いることが出来る。さらに、酸の濃度も、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、通常0.1規定以上、好ましくは0.5規定以上、より好ましくは1規定以上、また、その上限は、通常3規定以下、好ましくは2規定以下、より好ましくは1規定以下であることが望ましい。濃度が薄すぎる場合、アミンの除去が不十分となる可能性があり、濃すぎる場合、アミノ化フラーレンが反応し、アミノ化フラーレンの構造が破壊される可能性がある。
洗浄後の反応液を濃縮し、貧溶媒を混合して晶析を行うことで、通常、本発明のアミノ化フラーレンを粉体として得ることが出来る。ここで、濃縮の方法としては、本発明のアミノ化フラーレンが得られる限り任意であるが、例えば、減圧条件でロータリーエバポレーターを用いることが出来る。また、貧溶媒の種類及び使用量も、本発明のアミノ化フラーレンを得られる限り、任意に決定できるが、通常は、アセトニトリル、メタノール等が用いられる。
以上の手順により単離した場合、収率は、使用したエステル置換環状2級アミンの種類にもよるが、通常50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、また、その上限は、通常99%以下、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。収率が低すぎる場合、コスト高となる可能性がある。
[3.本発明のアミノ化フラーレンの好適な利用分野]
本発明のアミノ化フラーレンは、エステル溶媒に高い溶解性を示す。具体的には、レジスト用途に一般的に用いられるプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートに対し、本発明のアミノ化フラーレンは、5重量%以上の濃度で溶解する。そのため、エステル溶媒に高濃度に溶解させた溶液を、スピンコート等により基板上に塗布して薄膜として用いるレジスト用途に好適に用いることが出来る。また、本発明のアミノ化フラーレンは、エステル溶媒に高い溶解性を示す公知のアミノ化フラーレンと異なり、酸と混合してもアミンを生成しないので、エステル溶媒を用いる化学増幅型レジストの添加剤として特に好適に用いることが出来る。また、本発明のアミノ化フラーレンは、これらの用途以外にも、太陽電池材料、樹脂添加剤、医薬品等の用途にも好適に用いることが出来る。
本発明のアミノ化フラーレンは、前述した用途に用いることができる。以下に、いくつかの用途の例に関してより具体的に説明するが、本発明のアミノ化フラーレンの機能が発揮できる用途に関しては、以下の記載に限定されるものではない。
[フォトレジスト用途]
従来、フォトレジストは、被膜形成成分として(メタ)アクリル系、ポリヒドロキシスチレン系またはノボラック系の樹脂等の樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤、感光剤等とを組み合わせた組成物が広く用いられている。本発明のアミノ化フラーレンは、通常、フォトレジストに使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度でフォトレジストに複合化が可能である。また、アミノ化フラーレン単独でもレジスト膜を形成することが可能である。
このように本発明のアミノ化フラーレンをフォトレジストの分野に用いた場合、フラーレン骨格を有する事により、超芳香族分子としての高耐熱性、高エッチング耐性を有し、エッジラフネスの低減が可能であり、高解像度のフォトレジストの再現ができる。また、本発明のアミノ化フラーレンを用いて形成した膜は、反射防止膜としての機能も有することより、多層膜の一層として、特に反射防止膜や塗布型のマスク材(ハードマスク)としても優れた機能を発揮することが期待される。さらに、この膜を加熱すること等によって得られるフラーレン膜もしくはフラーレン含有膜も、反射防止膜としての機能も有することより、多層膜の一層として、特に反射防止膜や塗布型のマスク材(ハードマスク)としても優れた機能を発揮することが期待される。
[半導体製造用途]
半導体製造等の分野では、例えば500μm以下の微細パターンを生産効率良く形成する方法としてナノインプリント法が検討されている。ナノインプリント法とは、微細パターンを有するモールドのパターンを転写層に転写する微細パターンの形成方法である。
このようなナノインプリント法としては、例えば、熱可塑性重合体からなる転写層を加熱して軟化させる工程と、転写層とモールドとを圧着してモールドのパターンを転写層に形成する工程と、モールドを転写層から離脱させる工程とを順次行なう方法;硬化性単量体からなる転写層をモールドに接触させる工程と、硬化性単量体を硬化させる工程と、硬化性単量体の硬化物からモールドを離脱させる工程とを順次行なう方法;などが知られている。本発明のアミノ化フラーレンは、通常、上記の熱可塑性重合体、硬化性物質等に使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、上記熱可塑性重合体に高濃度で充填することが可能である。
このように本発明のアミノ化フラーレンをナノインプリント法に用いた場合、溶媒に対する本発明のアミノ化フラーレンの溶解性が高いことから、本発明のアミノ化フラーレンの熱可塑性重合体中での凝集が抑制され、分子状分散となる。このため、高解像度を実現することが可能である。さらに、この材料を加熱すること等によって得られるフラーレン分散材料も同様に用いることができ、高解像度を実現することが可能である。さらに、本発明のアミノ化フラーレン又は本発明の溶液をナノインプリント法に用いることにより、転写層の機械的強度、耐熱性及びエッチング耐性を向上させることが可能であることから、従来のナノインプリント材料の特性を大幅に改善することが可能となる。
[低誘電率絶縁材料用途]
近年、コンピュータの中央処理装置(CPU)用回路基盤には、樹脂薄膜を層間絶縁膜とする高密度かつ微細な多層配線に適した樹脂薄膜配線が適用されるようになってきた。将来のより高速な処理能力を有するコンピュータを実現するには、高密度かつ繊細な多層配線を活かし、かつ信号の高速伝播に適した低誘電率絶縁材料の開発が求められている。本発明のアミノ化フラーレンは、通常、上記用途に使用される溶媒への溶解度が高いことより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度で他の材料と複合化することが可能である。また、アミノ化フラーレン単独で成膜することも可能である。この際、本発明のアミノ化フラーレンは、フラーレン構造が本質的に有する高抵抗、低誘電率の性質を保持しており、複合化して用いる際にはフィラーとしての機械的強度の向上効果を有することができ、これにより、従来無かった優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。さらに、この複合材料もしくはアミノ化フラーレンの膜を加熱すること等によって得られるフラーレン含有材料もしくはフラーレン膜も同様に用いることができ、従来無かった優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。
[太陽電池用途]
有機太陽電池は、シリコン系の無機太陽電池と比較して、優位な点が多数あるものの、エネルギー変換効率が低く、実用レベルに十分には達していない。この点を克服するためのものとして、最近、電子供与体である導電性高分子と、電子受容体であるフラーレン並びにフラーレン誘導体とを混合した活性層を有するバルクヘテロ接合型有機太陽電池が提案されている。このバルクヘテロ接合型有機太陽電池では、導電性高分子とフラーレン誘導体それぞれが分子レベルで混じり合い、その結果非常に大きな界面を作り出すことに成功し、変換効率の大幅な向上が実現されている。
本発明のアミノ化フラーレンは、上記用途で使用される溶媒への溶解度が高いため、p型半導体と効率的なバルクへテロ接合構造を構成することが容易である。また、本発明のアミノ化フラーレンは、本質的にn型半導体としてのフラーレンの性質を有している。従って、本発明のアミノ化フラーレンを用いることで、極めて高性能な有機太陽電池の実現が可能となる。また、バルクへテロ構造を形成した後に加熱等によりアミノ化フラーレンをフラーレンへと変換して用いてもよい。さらにこの高溶解性を利用し、導電性高分子等の電子供与体層との層分離制御や誘導体分子の整列配向性・細密充填性などのモルフォロジー制御を可能にし、これにより特性の向上が実現できる上、デバイス設計において高い柔軟性を与える。また、製造上も通常の印刷法やインクジェットによる印刷、更にはスプレー法等により、低コストで容易に大面積化を実現する事が可能である。
[半導体用途]
光センサー、整流素子等への応用が期待できる電界効果トランジスタの有機材料として、フラーレン及びフラーレン誘導体を使用することが研究されている。一般的に、フラーレン及びフラーレン誘導体を半導体に用いて電界効果トランジスタを作製した場合、当該電界効果トランジスタはn型のトランジスタとして機能することが知られている。
本発明のアミノ化フラーレンは、上記用途で使用される溶媒への溶解度が高いことにより、塗布による成膜が容易であり、また、n型半導体としてのフラーレンの本質的な性質は保持している。これにより、本発明のアミノ化フラーレンは、低コスト、高性能な有機半導体として利用されることが期待できる。また、塗布した後に加熱等によりアミノ化フラーレンをフラーレンへと変換して用いてもよい。
[原料中間体としての用途]
本発明のアミノ化フラーレンを出発原料として、環状2級アミノ基上のエステル基を反応により変換する工程を経て、新たな機能を有するフラーレン誘導体を製造することができる。以下、その変換方法に関して代表例を記すが、以下の例に限定されるものではない。
(1)本発明のアミノ化フラーレンをアルカリと反応させて、加水分解する。
(2)本発明のアミノ化フラーレンをエステルまたはアルコールと反応させてエステル交換する。
(3)本発明のアミノ化フラーレンを還元剤と反応させて還元する。
以下、実施例を示して本発明を更に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。なお、以下の記載において、tBuは、t−ブチル基を表す。
[実施例1]
[アミンの合成]
イソニペコチン酸(41.5g、320ミリモル)に、1,4−ジオキサン(200mL)を加え、不均一溶液とした。この溶液に、濃硫酸41.5mLを30分かけて添加した。この不均一溶液に、イソブテン100gを5時間かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、0℃に冷やし、2規定の水酸化ナトリウム水溶液750mLを添加した。塩基性であることを確認した後、ジエチルエーテル500mLで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後に濃縮し、目的物であるイソニペコチン酸t−ブチル5.98g(収率10%)を得た。
イソニペコチン酸t−ブチルの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3
δ1.47(s,9H),1.4−1.6(m,3H),1.86(brd,J=14.2Hz,2H),2.33(tt,J=3.6,10.7Hz,1H),2.64(dt,J=2.8,12.5Hz,2H),3.10(dt,J=12.5Hz,2.8Hz,2H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をクロロベンゼン(200mL)に溶解し、0.5時間攪拌後、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。純度80%のクメンヒドロペルオキシド(793mg、4.17ミリモル)を1mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した後、イソニペコチン酸−t−ブチル(2.57g、13.9ミリモル)を3mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、7時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(100mL)で2回洗浄後、0.5規定の塩酸(100mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(100mL)で2回洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール150mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(8)の構造を有するアミノ化フラーレン2.04gを得た(4重付加体換算で収率99%)。また、トルエン/メタノール混合溶媒を溶離液とする、ODSカラムを用いたHPLCによる分析の結果、生成物の純度は80%であった。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3
δ1.47(s,18H),1.50(s,18H),1.7−1.9(br,8H),1.9−2.2(br,8H),2.2−2.4(br,4H),2.6−3.0(m,8H),3.65(brd,J=11Hz,4H),3.7−3.9(m,4H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液(以下、適宜「PGMEA」と言う。)を加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例2]
[アミンの合成]
イソニペコチン酸(15.74g、122ミリモル)にトルエン(200mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(27.85g、146ミリモル)を加えた。さらに、ネオペンチルアルコール(21.48g、244ミリモル)をトルエン(100mL)に溶解した溶液を加え、Dean−Stark管を用いて共沸脱水を行った。5時間後、理論量の水の除去を確認し、反応を停止した。室温に冷却後、水(100mL)および1規定の塩酸(100mL)で抽出し、得られた水溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(300mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、8gの粗生成物を得た。そして、再び有機相を再度1規定の塩酸(100mL、100mL)で2回抽出し、同様に処理し、さらに10gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のネオペンチルアルコールを含んでいた。これらを混合し、室温で10時間減圧したところ、白色固体としてイソニペコチン酸ネオペンチル16.2gが得られた。収率は67%であった。
得られたイソニペコチン酸ネオペンチルの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ0.94(s,9H),1.637(m,3H),1.91(dt,J=13.9,3.5Hz2H),2.45(tt,J=11.4,3.8,1H),2.65(dt,J=0.8,11.6Hz,2H),3.10(dt,J=12.6,3.8Hz,2H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をクロロベンゼン(160mL)に溶解し、0.5時間攪拌後、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。純度83%のクメンヒドロペルオキシド(765mg、4.17ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した後、イソニペコチン酸ネオペンチル(2.21g、11.1ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、44時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(100mL)で2回洗浄後、0.5規定の塩酸(100mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(100mL)で2回洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール150mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(9)の構造を有するアミノ化フラーレン2.10gを得た(4重付加体換算で収率99%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、生成物の純度は70%であった。
Figure 2009161510
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ0.965(s,18H),0.954(s,18H),1.8−2.0(br,8H),2.0−2.3(br,8H,2.3−2.6(br,8H),2.7−3.1(br,12H),3.810(brs,8H)
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例3]
[アミンの合成]
4−ヒドロキシピペリジン(10.06g、100ミリモル)にトルエン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(22.52g、120ミリモル)を加えた。さらに、ピバリン酸(12.18g、119ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて7時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、2層に分離したため有機相を分離し、水相に1規定水酸化ナトリウム水溶液(400mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、2.40gの4−ピバロキシピペリジンを得た。さらに有機相を再度1規定の塩酸(120mL)で抽出し、得られた水溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(150mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(100mL、80mL)で2回抽出した。その後、同様に処理し、さらに1.67gの4−ピバロキシピペリジンを得た。合計収量は4.07gであり、収率は22%であった。
得られた4−ピバロキシピペリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ0.94(s,9H),1.5−1.6(m,3H),1.8−1.9(m,2H),2.73(ddd,J=3.3,8.6,12.4Hz,2H),3.05(ddd,J=3.8,6.1,10.1Hz,2H),4.85(sextetJ=4.1Hz,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をクロロベンゼン(160mL)に溶解し、0.75時間攪拌後、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分攪拌した。4−ピバロキシピペリジン(2.06g、11.1ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加したのち、純度83%のクメンヒドロペルオキシド(765mg、4.17ミリモル)を20mLのクロロベンゼンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、30時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(100mL)で2回洗浄後、0.5規定の塩酸(100mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(100mL)で2回洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール150mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(10)の構造を有するアミノ化フラーレン2.04gを得た(4重付加体換算で収率99%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、生成物の純度は70%であった。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.21(s,18H),1.23(s,18H),1.7−2.2(m,16H),3.0−3.7(m,16H),4.88(brs,2H),4.96(brs,2H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例4]
[アミンの合成]
4−ヒドロキシピペリジン(10.12g、100ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(22.83g、120ミリモル)を加えた。さらにt−ブチル酢酸(13.67g、118ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて共沸脱水を行った。9時間後、理論量の水の除去を確認し、反応を停止した。室温に冷却後、1規定の水酸化ナトリウム水溶液(200ml)を加えて有機相を分離し、水相に塩化メチレン(200mL、100ml)を加え2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、0.64gの4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジンを得た。有機相から1規定の塩酸(200mL、100mL)で2回抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。その後、同様に処理し、さらに13.29gの4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジンを得た。合計収量は13.93gであり、収率68%であった。
得られた4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.04(s,9H),1.48−1.60(m,3H),1.89(m,2H),2.18(s,2H),2.73(m,2H),3.06(m,2H),4.87(m,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。4−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジン(1.93g、9.7ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(804mg、4.32ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、72時間後に副生成物の生成速度がフラーレンC60の減少速度よりも上回る現象を確認したため、反応を停止した。この時、HPLCにより確認したところ、1.0モル%の未反応のフラーレンC60が残存していた。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で2時間減圧乾燥することにより、下記式(11)の構造を有するアミノ化フラーレン2.28gを得た(4重付加体換算で収率107%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、生成物の純度は48%であった。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.05(s,18H),1.06(s,18H),1.85(m,8H),2.11(m,8H),2.22(s,4H),2.25(s,4H),3.14(m,8H),3.50(m,8H),4.93(m,4H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例5]
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピペリジン(5.23g、49ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(11.28g、59ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(6.16g、60ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて10時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、約15mLまで濃縮し、得られた溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(300mL)を加えて塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、7gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のピバリン酸や副生物を含んでいた。そこで塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(100mL、100mL)を加え、2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。上記と同様に処理し、黄透明液体として3−ピバロキシピペリジン4.26gが得られた。収率は47%であった。
得られた3−ピバロキシピペリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.21(s,9H),1.51(m,1H),1.58−1.76(m,3H),1.90(m,1H),2.76(m,2H),2.84(m,1H),3.03(dd,J=8.Hz,1H),4.71(m,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.39ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−ピバロキシピペリジン(2.06g、11.10ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(879mg、4.85ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、71時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(12)の構造を有するアミノ化フラーレン2.11gを得た(4重付加体換算で収率103%)。
Figure 2009161510
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.22(m,36H),1.76(m,8H),1.95(m,8H),2.93(m,8H),3.75(m,8H),4.92(m,4H)
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例6]
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピペリジン(5.14g、49ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(11.53g、60ミリモル)を加えた。さらにt−ブチル酢酸(6.94g、60ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて10時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、約15mLまで濃縮し、得られた溶液に1規定の水酸化ナトリウム水溶液(300mL)を加え塩基性にした後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、9gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のt−ブチル酢酸や副生物を含んでいた。そこで塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(100mL、100mL)を加え、2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。上記と同様に処理し、黄透明液体として3−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジン7.72gが得られた。収率は78%であった。
得られた3−(t−ブチルアセトキシ)ピペリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.03(s,9H),1.49(m,1H),1.57−1.78(m,3H),1.91(m,1H),2.20(s,2H),2.73(m,2H),2.83(m,1H),3.05(dd,J=8.Hz,1H),4.75(m,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.1g、1.40ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−t−ブチルアセトキシピペリジン(2.23g、11.11ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(883mg、4.86ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、99時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(13)の構造を有するアミノ化フラーレン2.19gを得た(4重付加体換算で収率103%)。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.06(m,36H),1.79(m,8H),1.95(m,8H),2.18(m,8H),2.92(m,8H),3.61(m,8H),5.03(m,4H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例7]
[アミンの合成]
4−ピペリジンメタノール(5.09g、44ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(9.91g、52ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(5.32g、52ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて9時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、1規定の塩酸(200mL、200mL、100mL)を加え3回水相に抽出し、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回洗浄した。その後、この水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、200mL、100mL)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、室温減圧で溶媒を除去し、黄透明液体として4−(2−ピバロキシメチル)ピペリジン3.26gが得られた。収率は38%であった。
得られた4−(2−ピバロキシメチル)ピペリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.22(s,9H),1.38(m,2H),1.72(m,2H),2.17−2.34(m,3H),2.64(m,2H),3.15(m,2H),3.93(s,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(0.8g、1.14ミリモル)をパラキシレン(120mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(41mL)を加え10分間攪拌した。4−(2−ピバロキシメチル)ピペリジン(1.64g、8.05ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(623mg、3.44ミリモル)を24mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、53時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(14)の構造を有するアミノ化フラーレン1.82gを得た(4重付加体換算で収率97%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、反応液の純度は68%であった。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.22(s,18H),1.24(s,18H),1.59(m,8H),1.91(m,16H),2.71(t,J=12Hz,2H),2.82(m,6H),3.71(d,8Hz,4H),3.98(m,8H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例8]
[アミンの合成]
4−ピペリジンエタノール(5.02g、39ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(8.84g、46ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(4.74g、46ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて9時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、1規定の塩酸(200mL、200mL、100mL)を加え3回水相に抽出し、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回洗浄した。その後、この水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、200mL、100mL)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、黄透明液体として4−(2−ピバロキシエチル)ピペリジンが得られた。合計収量は4.21gであり、収率51%であった。
得られた4−(2−ピバロキシエチル)ピペリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.20(s,9H),1.43−1.53(m,1H),1.58(m,2H),1.63−1.71.(m,3H),2.57(m,2H),3.06(m,2H),4.10(t,J=8Hz,2H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(0.96g、1.34ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。4−(2−ピバロキシエチル)ピペリジン(2.03g、9.38ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(730mg、4.02ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、120時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(15)の構造を有するアミノ化フラーレン1.92gを得た(4重付加体換算で収率91%)。また、実施例1と同様にHPLC分析を行った結果、反応液の純度は81%であった。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.21(s,18H),1.22(s,18H),1.39(m,8H),1.47−1.77(m,16H),1.93(m,8H),2.67(t,J=12Hz,2H),2.76(m,6H),3.69(d,6Hz,4H),3.85(dd,J=6,6Hz,4H),4.15(m,4H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン100mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例9]
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピロリジン(5.17g、57ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(13.15g、69ミリモル)を加えた。さらにピバリン酸(7.03g、69ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて12時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、イオン交換水(200mL、200mL、100mL)で3回洗浄し、約15mLまで濃縮した。得られた溶液に塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(200mL、100mL)を加え2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、黄透明液体として3−ピバロキシピロリジンが得られた。合計収量は5.20gであり、収率53%であった。
得られた3−ピバロキシピロリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.18(s,9H),1.80(m,1H),1.96−2.13(m,2H),2.83(m,2H),3.06(m,2H),5.20(m,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.1g、1.39ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−ピバロキシピロリジン(1.98g、11.56ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(880mg、4.86ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、27時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(16)の構造を有するアミノ化フラーレン2.04gを得た(4重付加体換算で収率104%)。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.21(m,36H),1.94(m,4H),2.40(m,4H),3.28−3.70(m,16H),5.30(m,4H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
[実施例10]
[アミンの合成]
3−ヒドロキシピロリジン(5.15g、57ミリモル)にパラキシレン(100mL)を加え、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸1水和物(13.11g、69ミリモル)を加えた。さらにt−ブチル酢酸(8.00g、69ミリモル)を加え、Dean−Stark管を用いて13時間共沸脱水を行った。室温に冷却後、イオン交換水(200mL、200mL、100mL)で3回洗浄し、約15mLまで濃縮した。得られた溶液に塩化メチレン(200mL)と1規定の塩酸(200mL、100mL)を加え2回水相に抽出し、得られた水溶液が塩基性になるまで水酸化ナトリウムを加えた後、塩化メチレン(200mL、100mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、室温減圧で溶媒を除去し、6gの粗生成物を得た。1H−NMRの結果、上記油状の粗生成物は、それぞれ共に未反応のt−ブチル酢酸や副生物を含んでいた。そこでクーゲルロールで蒸留精製を行い、透明液体として3−(t−ブチルアセトキシ)ピロリジン3.73gが得られた。収率は35%であった。
得られた3−(t−ブチルアセトキシ)ピロリジンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.03(s,9H),1.84(m,2H),2.03(m,1H),2.18(s,2H),2.86(m,1H),2.94−3.11(m,3H),5.22(m,1H)
[アミノ化フラーレンの合成]
窒素ガス雰囲気下、フラーレンC60(1.0g、1.38ミリモル)をパラキシレン(160mL)に溶解し、さらにジメチルスルホキシド(50mL)を加え10分間攪拌した。3−t−ブチルアセトキシピロリジン(2.06g、11.11ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した後、純度84%のクメンヒドロペルオキシド(876mg、4.84ミリモル)を20mLのパラキシレンに溶解した溶液を添加した。室温で攪拌を行ったところ、28時間後にフラーレンC60の消失を確認した。有機相をイオン交換水(200mL)で1回洗浄後、0.5規定の塩酸(200mL)で洗浄し、さらにイオン交換水(200mL)で1回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過し、約5mLまで濃縮した。攪拌しながらメタノール200mLを添加して得られた沈殿を濾別し、メタノールで洗浄後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式(17)の構造を有するアミノ化フラーレン2.14gを得た(4重付加体換算で収率105%)。
得られたアミノ化フラーレンの1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ1.04(m,36H),2.00(m,4H),2.22(m,8H),2.41(m,4H),3.25−3.70(m,16H),5.32(m,4H)
Figure 2009161510
[溶解度測定]
上記のアミノ化フラーレン400mgを量り取り、PGMEAを加えて2.0gとしたところ均一に溶解した。この溶液は空気下室温で7日放置したのちでも均一を保持した。
本発明のアミノ化フラーレンは、エステル溶媒に高い溶解性を示すことから、エステル溶媒に高濃度に溶解させた溶液を、スピンコート等により基板上に塗布して薄膜として用いるレジスト用途に好適に用いることが出来る。また、本発明のアミノ化フラーレンは、酸と混合してもアミンが生成しないので、エステル溶媒を用いる化学増幅型レジストの添加剤として特に好適に用いることが出来る。また、本発明のアミノ化フラーレンは、これらの用途以外にも、太陽電池材料、樹脂添加剤、医薬品等の用途にも好適に用いることが出来る。

Claims (6)

  1. 下記式(1)の構造を有する置換又は無置換の環状2級アミノ基中の炭素原子に、直接又は炭素数1以上2以下の炭素鎖を介して、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基が結合してなるエステル置換環状2級アミノ基の窒素原子と、フラーレンとが、直接結合している
    ことを特徴とする、アミノ化フラーレン。
    Figure 2009161510
    (式(1)中、nは1以上4以下の整数を表す。)
  2. 該エステル基が、下記式(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる1種以上の構造を有するエステル基である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のアミノ化フラーレン。
    Figure 2009161510
    Figure 2009161510
    Figure 2009161510
    (式(2)〜(4)中、R1は、それぞれ独立に、炭素数4以上10以下のアルキル基を表す。さらに、R1は、それぞれ独立に、1つ以上の分岐を有する。)
  3. 該R1が、t−ブチル基又はネオペンチル基である
    ことを特徴とする、請求項2に記載のアミノ化フラーレン。
  4. 該式(1)中、nが3である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミノ化フラーレン。
  5. テトラアミノC60−モノエポキシドである
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミノ化フラーレン。
  6. 該テトラアミノC60−モノエポキシドが、そのフラーレン上に下記式(5)の部分構造を有する
    ことを特徴する、請求項5に記載のアミノ化フラーレン。
    Figure 2009161510
    (式(5)中、NR2は、それぞれ独立して、上記式(1)の構造を有する置換又は無置換の環状2級アミノ基中の炭素原子に、直接又は炭素数1以上2以下の炭素鎖を介して、1つ以上の分岐を有する炭素鎖を含むエステル基が結合してなるエステル置換環状2級アミノ基を表わす。また、式(5)中、細線で表される炭素−炭素結合は、フラーレンを形成する炭素骨格が有する炭素−炭素結合を表す。)
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