JP2009158736A - クラスタツールのスケジューリング管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成功率も考慮してスケジューリングを最適化する技術を提供する。
【解決手段】 クラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法は、a)処理チャンバ間のウエハの移動を定義するスケジューリングアルゴリズムを選択するステップと、b)処理チャンバの成功率を定義するステップと、c)処理チャンバの成功率を考慮して選択したスケジューリングアルゴリズムを実行してクラスタツール内のウエハを位置付けるシミュレーションを実行するステップと、d)選択したスケジューリングアルゴリズムでシミュレーション結果を生成するステップと、e)スケジューリングアルゴリズムを変更するステップと、f)(a)から(e)ステップを繰り返して得られた複数のシミュレーション結果を比較して、所定の基準を達成するスケジューリングアルゴリズムを選定するステップと、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明はウエハ処理の分野に関し、特に、ウエハ・クラスタツールのスケジューリング技術に関する。
半導体素子の高精度化及び高密度化が進み、複数のウエハを同時に処理するバッチ処理から一枚一枚をレシピに応じて処理する枚葉式処理に変わりつつある。このため、1台の処理装置がウエハのクラスタツール(処理モジュールとも呼ばれる)を複数有するシステムや、ある機能を持った複数の処理装置と別の機能を持った複数の処理装置とを連動させるシステムが登場している。
このようなシステム内において、ウエハをクラスタツールへ供給及び排出する際には、半導体素子の生産性を上げるため供給及び排出時間を最短で行う必要がある。すなわち、クラスタツール内でウエハが処理される時間、あるクラスタツールから別のクラスタツールへの搬送ロボットの搬送時間などを総合的に短時間で処理しなければならない。枚葉式処理が主流となるとクラスタツールが複数に増え、作業者が最適なウエハ処理のスケジューリングを作成することは困難になっている。
特許文献1は、ウエハをどのような順番で処理していけばよいかのスケジューリングを遺伝的アルゴリズムなどの最適化手法を使って求めている。つまり、連続的にウエハをクラスタツールに入れることで何等の遅延も被ることがないようなスケジューリングを最適化手法で求めている。
特開2007−214550
しかしながら、特許文献1は、クラスタツールがウエハをすべて問題なく処理することを前提に最適なスケジューリングを求めているだけである。現実にはすべてのクラスタツールでの成功率が100パーセントということはありえない。例えば、あるクラスタツールにおいては成功率99パーセント(又は不良率1パーセント)であるため、不良となったウエハに対して下流のクラスタツールに搬送する必要がない場合が生じたりする。このように成功率を考慮しないでスケジューリングを最適化しても現実的ではなく、また生産性を大幅に向上させることにはならない。
また、実際のウエハ処理工程では、ウエハ処理工程の途中で抜き取り検査などをすることがある。このような定期的ではないがときどきウエハ検査をすることも考慮してスケジューリングを最適化することが必要である。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、複数のクラスタツールにおける成功率も考慮してスケジューリングを最適化する技術を提供することである。また、ウエハを抜き取り検査する場合においてスケジューリングを最適化する技術を提供することである。
第1の観点のスケジューリングの管理方法は、ウエハを処理するための複数の処理チャンバと、処理チャンバ間でウエハを運搬するためのウエハ運搬装置と、を含むクラスタツールの偶発的要素によりその挙動が左右されるような確率的生産システムにおけるスケジューリングを管理する管理方法である。そして、管理方法はa) 処理チャンバへのウエハ投入順序(ジョブ)を規定するステップと、b) 処理チャンバの成功率を定義するステップと、を備える。
この構成により、成功率(又は不良率)を考慮して、複数の処理チャンバのメイクスパンの平均値を最小化するので、より実際の工程に近い精度の良い近似最適解が得られる。
第2の観点のスケジューリングの管理方法は、ウエハを処理するための複数の処理チャンバと、処理チャンバ間でウエハを運搬するためのウエハ運搬装置と、を含むクラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法である。そして、管理方法は、a) 処理チャンバ間のウエハの移動を定義するスケジューリングアルゴリズムを選択するステップと、b) 処理チャンバの成功率を定義するステップと、c) 処理チャンバの成功率を考慮して選択したスケジューリングアルゴリズムを実行してクラスタツール内のウエハを位置付けるシミュレーションを実行するステップと、d) 選択したスケジューリングアルゴリズムでシミュレーション結果を生成するステップと、e) スケジューリングアルゴリズムを変更するステップと、f) (a)から(e)ステップを繰り返して得られた複数のシミュレーション結果を比較して、所定の基準を達成するスケジューリングアルゴリズムを選定するステップと、を備える。
この構成により、成功率(又は不良率)を考慮して、複数の処理チャンバのメイクスパンの平均値を最小化する。
第3の観点のスケジューリングの管理方法は、ウエハを処理するための複数の処理チャンバと、処理チャンバ間でウエハを運搬するためのウエハ運搬装置と、処理チャンバで処理されたウエハを検査する検査装置と、を含むクラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法である。そして、管理方法は、a) 処理チャンバ間のウエハ移動を定義するスケジューリングアルゴリズムを選択するステップと、b) 選択したスケジューリングアルゴリズムを実行してクラスタツール内のウエハを位置付けるシミュレーションを実行するステップと、d) 選択したスケジューリングアルゴリズムでシミュレーション結果を生成するステップと、d) スケジューリングアルゴリズムを変更するステップと、
e) (a)から(d)ステップを繰り返して得られた複数のシミュレーション結果を比較して、所定の基準を達成するスケジューリングアルゴリズムを選定するステップと、f) 選定されたスケジューリングアルゴリズムによって検査装置がウエハを検査する待ち時間が生じた際に、検査装置がウエハを検査するステップと、を備える。
この構成により、複数の処理チャンバのメイクスパンの平均値を最小化しても処理チャンバが処理を行わない空いた時間に、検査装置がウエハを検査することができる。
本発明のスケジューリングは、ジョブレシピに対してサンプルパス最適化とタブーサーチを加えることで、1700秒以上の生産時間短縮が可能となり、また時間を有効に活用して検査工程をも付加しており、半導体の生産コスト削減に大きく寄与することができる。
なお、タブーサーチとは、組合せ最適化問題において局所探索が局所最適解で終了してしまうことを防ぐために、暫定解が改悪されてしまうような解への移行を許し、また同じ領域を繰り返し探索することを防ぐためにこれまでの移行の履歴に基づいたタブーと呼ばれる制約を設け、より大域的な探索を行えるようにした手法である。
図1は複数のチャンバを持つクラスタツール100である。各チャンバの工程はそれぞれ処理時間が異なる。クラスタツールの処理時間は処理能力の遅いチャンバに左右されることになる。このため処理能力の遅いチャンバの数を増やしたり、別のクラスタツールを追加したりすることで、クラスタツールは処理能力の向上を図っている。
複数のチャンバを持つクラスタツール100として、本実施形態では少なくとも2枚の半導体ウエハ同士を重ね合わせて1枚の接合した半導体ウエハを製造する加圧装置を例に挙げる。例えば加圧加熱の工程Pr4に処理時間がかかるため3箇所の処理チャンバCB4を設置し、冷却工程Pr5に対して2箇所のチャンバCB5を設置している。
クラスタツール100は2台のウエハローダーWLを配置している。ウエハローダーWLは主制御装置90の指示に従い、ウエハ(第1ウエハ及び第2ウエハを含む)又はウエハホルダ(第1ウエハホルダ及び第2ウエハホルダを含む)を各チャンバに搬送する。ウエハローダーWLはレールRAに沿って自走することができる。ウエハローダーWLがあるチャンバから別のチャンバにウエハ又はウエハホルダを搬送する時間はそれぞれ異なる。図1では2台のウエハローダーWLを配置しているが、1台のみ配置したり3台以上のウエハローダーWLを配置したりしてもよい。
クラスタツール100の各工程は次のとおりである。チャンバCB0は、例えば第1ウエハと第1ウエハホルダとをプリアライメントの工程Pr0であり、チャンバCB1は第2ウエハと第2ウエハホルダとをプリアライメントの工程Pr1である。チャンバCB2は第1ウエハホルダに載置された第1ウエハに対して第2ウエハホルダに載置された第2ウエハを精密に位置合わせする工程Pr2である。チャンバCB3は位置合わせした2枚のホルダとウエハとを固定する固定工程Pr3である。
また、チャンバCB4は固定処理したウエハを加圧加熱して結合する加圧加熱の工程Pr4する工程である。加圧加熱工程Pr4は時間的に律速なため、本実施形態では3箇所のチャンバCB4を設置している。チャンバCB5は加圧加熱処理された2枚のウエハを冷却する冷却工程Pr5である。チャンバCB6は抜き取り検査を行う抜き取り検査工程Pr6である。抜き取り検査工程Pr6は固定工程Pr3、加圧加熱工程Pr4、又は冷却工程Pr5を終えたウエハに対して顕微鏡などで第1ウエハと第2ウエハとの位置ズレなどの検査を行うことができる。チャンバCB7はウエハとウエハホルダとを分離する分離工程Pr7である。
クラスタツール100は上記の工程を主制御部90で制御している。複数の並行処理を含むクラスタツール100のスケジューリングは多岐にわたるため、より効率的なスケジューリングを求める必要がある。本発明の主制御装置90は成功率が変動した場合においても、主制御装置90が最適な工程を求め直し、効率的な工程をとるよう最適化する。
以下に、主制御装置90のスケジューリングの実施例を示す。主制御部90は各工程を監視し、最適なスケジューリングに沿って制御している。
図2は主制御部90の主な構成を示すものである。
クラスタツール制御部95はシミュレーション部93からの最適な工程情報を得ることでクラスタツールを制御する。また、処理工程監視部94は各処理部における処理時間又は故障状態などを監視する。成功率設定部91は処理工程監視部93からの情報を元に設定される。また、成功率設定は操作者が任意で成功率設定部91に対して入力することもできる。処理工程設定部92は工程の設定や実際にかかった処理時間を処理工程監視部94から得ることで設定される。シミュレーション部93は成功率設定部91と処理工程設定部92との情報から、複数のスケジューリングアルゴリズムを計算し最適なスケジューリングを探し、決定する。
例えば、複数設置してある加圧加熱工程Pr4のチャンバCB4の1台の故障で処理能力が落ちたり停止したりしても、主制御部90は自動的に最適なスケジューリングを探すことができる。つまり、主制御部90は常に最適なスケジューリングを提供することができる。
<<実施例1>>
図3はクラスタツール100の各工程の処理順序を図示したものである。処理工程設定部92は、プリアライメントの工程Pr0及びプリアライメントの工程Pr1の次に位置合わせする工程Pr2を経て固定工程Pr3を経るように工程設定している。さらに、処理工程設定部92は、固定工程Pr3の次に加圧加熱工程Pr4と冷却工程Pr5とを経て分離工程Pr7に進むように工程設定する。
図3の各工程に示された()内の数字は、所定の状態における各工程の成功率を示している。例えば固定工程Pr3の(S=0.85)は、固定工程Pr3において成功率が現時点で85パーセントであることを意味し、冷却工程Pr5の(S=0.99)は冷却工程Pr5において成功率が現時点99パーセントであることを意味する。なお、図3ではウエハローダーWLの搬送時の成功率も加味して各工程の成功率を例示している。成功率の初期設定は経験値に基づいて入力され、その後実際の成功率(又は不良率)から順次更新される。
図4は成功率が変動する場合においてのシミュレーション部93のフローチャートである。以下、制御を簡単に説明するためにウエハローダーWLなどの移動手段の制御については述べない。
ステップ1において、シミュレーション部93は所定のスケジューリングアルゴリズムを選択する。
ステップ2において、シミュレーション部93は成功率設定部91に入力された情報とステップ3において処理工程設定部92に入力された情報とを取得する。成功率設定部91と工程設定部92とは工程監視部94から入る成功率、及び処理時間を常に最新な値にする。
ステップ4において、シミュレーション部93は選択されたスケジューリングアルゴリズムを用いてシミュレーションを行い、ステップ5において、複数のシミュレーション結果を表示する。
ステップ6において、シミュレーション部93は所定の基準を満たす結果が得られたかを判断し、満たしていなければステップ7に移りスケジューリングアルゴリズムの変更を行う。所定の基準を満たしていれば、ステップ8に移りシミュレーション結果の比較を行う。
ステップ7では、スケジューリングアルゴリズムの変更を行うが、スケジューリングアルゴリズムにはタブーサーチ法、サンプルパス最適化法とタブーサーチ法とを組み合わせる方法を用いてシミュレーションする。
ステップ8において、シミュレーション部93は最適なスケジューリングを選択する。
ステップ9において、処理工程監視部94からの故障情報があるか無いか(成功率が変動したか否か)を判断する。故障情報があるとステップ1に戻りシミュレーションをやり直し、スケジューリングの最適化をする。故障が無ければ、シミュレーション部93はスケジューリングをクラスタツール制御部95に入力する。
<実施例2>
図5は抜き取り検査工程Pr6を含むクラスタツール100の各工程の処理順序を図示したものである。
実施例1では装置トラブルなどの成功率を考慮してスケジューリングを行う場合を示した。実施例2ではウエハの位置合わせ検査などの抜き取り検査工程Pr6を行う。抜き取り検査工程Pr6はできるだけ生産性を落とすことなく処理することが望まれる。本実施例は最適化したスケジューリングにおいても、各工程間に余裕時間が発生することがある。シミュレーション部93はこの余裕時間を利用して抜き取り検査工程Pr6を挿入し最適なスケジューリングを計画する。
抜き取り検査工程Pr6を行う処理順序は図5の点線で示すように、固定工程Pr3、加圧加熱工程Pr4、又は冷却工程Pr5の後に実施することができる。例えば抜き取り検査工程Pr6は、顕微鏡などで第1ウエハと第2ウエハとの位置ズレを測定する検査である。ただし加圧加熱工程Pr4の後にはウエハ冷却の時間が必要となる。
<スケジューリングアリゴリズム>
スケジューリングで用いるスケジューリングアルゴリズムはメタヒューリスティクスな手法をとることで最適なスケジューリングを求めることができる。メタヒューリスティクスな手法は、例えばタブーサーチなどの手法を用いることでスケジューリングの最適化を求める。また、メタヒューリスティクスな手法にサンプルパス最適化法を加えることで、さらに最適化することができる。以下にその具体例を示す。
まず、生産システムでの作業(ジョブ)において,途中検査を任意に行う系についての問題の定式化をおこなう。
n個のジョブの集合をJ={1,2,・・・,n}とし、生産システムの決定変数をσおよびxとする。ただし、σはn個のジョブの順列を表す変数で,σ=(σ・・・,σ):J→Jである。また、x=(x,・・・,x),x∈{0,1}(i=1,・・・,n)とし、x=1はi番目に投入したジョブの検査を実施することを表し,x=0は検査を実施しないことを表す。さらに、ωをn個のジョブが良品か不良品かを決定する乱数系列(サンプル)とし,k番目に選択した乱数系列をωとする。また、f(ω;σ,x)をジョブの投入順序をσ、検査の計画をxとしたときの乱数系列ωにおけるメイクスパン(すべてのジョブが終了するまでの時間)とする。乱数系列ωを選択するとf(ω;σ,x)は一意に定まり,簡単な計算によって求めることができる。このとき,メイクスパンの期待値は(数式01)のように表現できる。
…数式01
したがって,このスケジューリング問題は(数式02)に示すような最適化問題に
なる。
…数式02
ここで、Sは1からnのn次対称郡であり、簡単のため以降S=S×{(0,1)}と表す。
次に,サンプルパス最適化を行う.
一般に,F(σ,x)を求めるのは困難であるが,サンプルパス最適化では,この関数を固定した乱数系列のもとでのシミュレーションによって近似することを考える。すなわち、(数式03)とおけば(数式04)であるので,十分大きなNに対して問題(P)の最適解が問題(P)の近似最適解となる。問題(P)は(数式05)で示す。
…数式03
…数式04
…数式05
実際、以下の定理が成り立つ。
定理1
問題(P)および(P)の最適解の集合を,それぞれopt(P)およびopt(P)とおく。Sの要素数が有限個で(数式06)および(数式04)が成り立つとき、ある整数(数式07)が存在し、すべての整数(数式08)に対して(数式09)が成立する。
…数式06
…数式07
…数式08
…数式09
証明
Sの要素数は有限個であるから、(数式10)を満たす正数σが存在する。また、任意の解(σ,x)∈Sに対して(数式11)および式(数式04)が成り立つことから、(数式12)が成立するような、ある整数(数式07)が存在する,ただし,ε<δ*/2とする。
…数式10
…数式11
…数式12
ここで、すべての整数(数式08)を満たす整数(数式07)と、(数式13)を満たす(σ,x)に対して、(数式14)を仮定する。このとき、(数式15)を満たす(σ,x)を考えれば、(数式16)であり,δ*の定義式(数式10)より、(数式17)がなりたつ。
…数式13
…数式14
…数式15
…数式16
…数式17
一方(数式11)から(数式18)が成り立つ、したがって(数式12)〜(数式17)から(数式19)となる。
…数式18
…数式19
(数式19)は(数式14)に矛盾する。したがって、すべての整数(数式08)を満たすある整数(数式07)に対して、(数式13)であれば(数式20)であり(数式09)が成り立つ
…数式20
定理1は,乱数系列を固定したもとでの十分多くの回数のシミュレーションの平均から得られる性能評価関数を最適化すれば、真の最適解が得られることを意味する。通常、F(σ,x)の値を求めるのは困難であるが、乱数系列を固定したもとではF(σ,x)の値は(数式03)によって簡単に計算できるので、問題(P)は確定的な最適化問題になることに注意する。ただし,(数式12)が成り立つような、ある整数(数式07)の具体的な値、すなわち何回のシミュレーションの平均をとれば十分であるかについては,見積もることは一般に難しい。
<タブーサーチによる最適解の抽出>
上記より,あるNに対する確定的な最適化問題(P)の最適解は、元の問題(P)の近似最適解になることがわかる。しかし、問題(P)の許容解の数がn!×2で非常に大きいことから、問題(P)の最適解を厳密に求めることは困難である。そこで、ここでは近傍をもとにしたメタ解法の1つであるタブーサーチを用いる。タブーサーチでは、現在の解(σ,x)の近傍N(σ,x)の中から、(σ,x)以外で目的関数を最小にする解(σ´,x´)を選択する。しかし、この選択基準だけでは、局所最適解付近において同じ解の選択を繰り返す巡回が生じるので、N(σ,x)の要素であっても選択できない禁止リストを用いて巡回を防ぐ。
ここでは解(σ,x)の近傍としてジョブの投入順序を1対だけ入れ替えた解と検査の計画を1箇所だけ反転させた解を考える。すなわち(数式21)とする。
…数式21
また,タブーリストLを現在の解(σ,x)の1回前に選択された解とする。このとき、タブーサーチのアルゴリズムは、図6のフローチャートになる。
ステップ20において、乱数系列(ω,・・・,ω)を作成する。
ステップ21において、初期解(σ,x)を選び、初期タブーリストをL≠0とする。
ステップ22において、探索領域N(σ,x)\({(σ,x)∪L})の要素から、(数式03)を最小にする解(σ´,x´)を見つける。
ステップ23において、タブーリストをL={(σ,x)}とする。(σ,x)=(σ´,x´)とし現在の解を更新する。
ステップ24において、停止条件が満たされていれば探索を終了する。そうでなければステップ22へ戻る。
図5で説明したとおり、まず第1ウエハ及びそれを載置する第1ウエハホルダに対してプリアライメントの工程Pr0を行い、第2ウエハ及びそれを載置する第2ウエハホルダに対してプリアライメントの工程Pr1を行う。そして第1ウエハ及び第2ウエハの精密な位置合わせ工程Pr2を行う。次にウエハは固定工程Pr3を経た後に加圧加熱工程Pr4を行う。そして接合したウエハは冷却工程Pr5に向かう。固定工程Pr3、加圧加熱工程Pr4、又は冷却工程Pr5を終えたウエハは時間的に余裕がある場合に抜き取り検査工程Pr6に向かう。冷却工程Pr5を終えたウエハは分離工程Pr7を行い、クラスタツール100から搬出される。
図5で示したとおりクラスタツールは全部で7工程からなる処理系のスケジューリング問題である。しかし、ここではプリアライメントの工程Pr0から固定工程Pr3までの工程は省略し,固定工程Pr3より後の工程をスケジューリング問題としてモデル化する。そして結合後のウエハを一つのジョブとして表す。
スケジューリングの目的はメイクスパンの最小化である。決定変数はPr3(固定工程)でi番目に処理されるジョブσと、そのジョブが検査を先に行うか否かx∈{0,1}である。
図7は入力データの一例である。次に入力データは図7に示すように定義する。
今回の数値計算実験では,提供されたデータをスケジューリング問題のデータとして加工し利用した。前節までは、J={1,・・・,n}となっているが、本節ではJ={0,・・・,24}である。固定工程Pr3の処理時間は、各ジョブ共通で、270秒である。これは120秒(一つ目のウエハの処理時間)+120秒(二つ目のウエハの処理時間)+30秒(二つのウエハを結合する時間)である。加圧加熱工程Pr4の処理時間は、図8A(a)に示す表のように各ジョブで異なる。冷却工程Pr5の処理時間は、各ジョブ共通で,600秒である。抜き取り検査工程Pr6の処理時間は、各ジョブ共通で、300秒である。分離工程Pr7の処理時間は各ジョブ共通で、60秒である。ただし、サンプルパス最適化で使う乱数系列は10個である,すなわちN=10である。乱数系列の生成において不良率は10%とする。
図8A(b)、図8B(c)、図8B(d)に示す表にそれぞれジョブの番号順のスケジュール、タブーサーチのみによるスケジュール、サンプルパス最適化+タブーサーチによるスケジュールを示す。得られたスケジュールのメイクスパンはそれぞれ
● ジョブの番号順:25890秒
● タブーサーチのみ:24900秒
● サンプルパス最適化+タブーサーチ:24180秒
である。
計算時間は,単純なタブーサーチで3秒程度、サンプルパス最適化+タブーサーチで30秒程度である。実験には市販のパソコンを用いた。表の1列目のiはジョブが固定工程Pr3で処理される順番を表し、2列目のσはその順番で処理されるジョブを表し、3列目のxはそのジョブが先に検査されるか否かを表している。3列目xは先に検査すれば1、そうでなければ0である。1列目から3列目までは問題の解を表している。4列目以降は各工程での各ジョブの開始時刻と終了時刻とを表している。各ジョブの開始時刻と終了時刻とは3列目までの解と故障があるか否かによって自動的に決まる。表で「−」と表示しているところは、先の検査の結果で故障が見つかり、それ以降の処理をしないことを表している。
評価に使った乱数系列の生成において不良率は10%とした。これはサンプルパス最適化で使った乱数系列の生成に使った不良率と同じである。評価に使った乱数系列(故障するか否か)そのものは、サンプルパス最適化で使った乱数系列とは異なるものである。これは、サンプルパス最適化で使った乱数系列を評価でも使うと、サンプルパス最適化に有利な評価になってしまうためである。
サンプルパス最適化とタブーサーチなどのヒューリスティックを組み合わせることで,ヒューリスティック単体では対応しづらい確率的入力にも対応できる。サンプルパス最適化と組み合わせるヒューリスティクスとしてタブーサーチを選んだのは、タブーサーチはほかのヒューリスティクスに比べ、短い時間でよい解を出すという特徴があるからである。本実施例では、解くべき問題のサイズが比較的小さくかつ高速な求解が要求されるためタブーサーチが適切である。サンプルパス最適化とタブーサーチとを組み合わせた特徴は、成功率(又は不良率)を考えたことにある。本実施例は生産途中で不良品がでるという確率的なシステムである。不良の発生は一般的な確定的な事象でないため、サンプルパス最適化が必要となる.具体的にはサンプルパス最適化により確定的な問題にして解決している。
複数のチャンバを持つクラスタツール100である。 主制御部90の主な構成を示すものである。 クラスタツール100の各工程の処理順序を図示したものである。(実施例1) 成功率が変動する場合においてのシミュレーション部93のフローチャートである。 抜き取り検査工程Pr6を含むクラスタツール100の各工程の処理順序を図示したものである。(実施例2) タブーサーチのアルゴリズムを示したフローチャートである。 入力データの一例である。 (a)は、加圧加熱工程Pr4の処理時間を示した表である。 (b)は、ジョブの番号順にスケジュールを行った場合にかかるメイクスパンである。 (c)は、タブーサーチのみによるスケジュールを行った場合にかかるメイクスパンである。 (d)は、サンプルパス最適化+タブーサーチによるスケジュールを行った場合にかかるメイクスパンである。
符号の説明
90 … 制御装置
91 … 成功率設定部
92 … 処理工程設定部
93 … シミュレーション部
94 … 処理工程監視部
95 … クラスタツール制御部
100 … クラスタツール
Pr0 … 第1ウエハのプリアライメントの工程
Pr1 … 第2ウエハのプリアライメントの工程
Pr2 … 位置合わせする工程
Pr3 … 固定工程
Pr4 … 加圧加熱工程
Pr5 … 冷却工程
Pr6 … 抜き取り検査工程
Pr7 … 分離工程

Claims (10)

  1. ウエハを処理するための複数の処理チャンバと、前記処理チャンバ間で前記ウエハを運搬するためのウエハ運搬装置と、を含むクラスタツールの偶発的要素によりその挙動が左右されるような確率的生産システムにおけるスケジューリングを管理する管理方法であって、
    a) 前記処理チャンバへのウエハ投入順序(ジョブ)を規定するステップと、
    b) 前記処理チャンバの成功率を定義するステップと、
    を備えるスケジューリングの管理方法。
  2. 前記ウエハ運搬装置の使用に関する前記複数の処理チャンバ間のコンフリクトを排除するように前記スケジューリングを選定することを特徴とする請求項1に記載のスケジューリングを管理する管理方法。
  3. 前記スケジューリングを管理する手法として,シミュレーションに基づく最適化手法を適用する管理方法。
  4. 前記シミュレーションに基づく最適化手法において,すべてのジョブが終了するまでの時間(メイクスパン)を最小にするジョブの投入順序と検査の計画を確定するスケジューリングの管理方法。
  5. 前記シミュレーションによる最適化方法として,サンプルパス最適化を用いた解法を利用し,シミュレーションに用いられる乱数系列(サンプル)を固定し,確率的な最適問題を確定的な最適化問題に変換することによってなされるスケジューリングの管理方法。
  6. 前記最適化問題において,最適解はタブーサーチによって近似的に求めることで解決するスケジューリングの管理方法。
  7. さらに、c) 前記途中に検査工程を加えるかの可否を決定するステップ
    を備える請求項1に記載のスケジューリングの管理方法。
  8. ウエハを処理するための複数の処理チャンバと、前記処理チャンバ間で前記ウエハを運搬するためのウエハ運搬装置と、を含むクラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法であって、
    a) 前記処理チャンバ間のウエハの移動を定義するスケジューリングアルゴリズムを選択するステップと、
    b) 前記処理チャンバの成功率を定義するステップと、
    c) 前記処理チャンバの成功率を考慮して前記選択したスケジューリングアルゴリズムを実行して前記クラスタツール内のウエハを位置付けるシミュレーションを実行するステップと、
    d) 前記選択したスケジューリングアルゴリズムで前記シミュレーション結果を生成するステップと、
    e) 前記スケジューリングアルゴリズムを変更するステップと、
    f) (a)から(e)ステップを繰り返して得られた複数のシミュレーション結果を比較して、所定の基準を達成するスケジューリングアルゴリズムを選定するステップと、
    を備えるクラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法。
  9. 前記ウエハ運搬装置の使用に関する前記複数の処理チャンバ間のコンフリクトを排除するように前記スケジューリングアルゴリズムを選定することを特徴とする請求項8に記載のスケジューリングを管理する管理方法。
  10. ウエハを処理するための複数の処理チャンバと、前記処理チャンバ間で前記ウエハを運搬するためのウエハ運搬装置と、前記処理チャンバで処理されたウエハを検査する検査装置と、を含むクラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法であって、
    a) 前記処理チャンバ間のウエハ移動を定義するスケジューリングアルゴリズムを選択するステップと、
    b) 前記選択したスケジューリングアルゴリズムを実行して前記クラスタツール内のウエハを位置付けるシミュレーションを実行するステップと、
    d) 前記選択したスケジューリングアルゴリズムで前記シミュレーション結果を生成するステップと、
    d) 前記スケジューリングアルゴリズムを変更するステップと、
    e) (a)から(d)ステップを繰り返して得られた複数のシミュレーション結果を比較して、所定の基準を達成するスケジューリングアルゴリズムを選定するステップと、
    f) 選定されたスケジューリングアルゴリズムによって前記検査装置が前記ウエハを検査する待ち時間が生じた際に、前記検査装置が前記ウエハを検査するステップと、
    を備えるクラスタツール用のスケジューリングを管理する管理方法。
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