JP2009158419A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性に優れた燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池は、燃料極と、空気極と、電解質膜と、を有した膜電極接合体と、燃料極に対して電解質膜の反対側に配置された燃料排出部と、を備え、燃料排出部は、前記燃料極と対向した側の表面に位置した燃料排出面61Sと、燃料排出面の一部を開口して設けられ、燃料を排出する燃料排出口64と、燃料排出口64に繋がって燃料排出面61Sに形成され、膜電極接合体に向って開放され、燃料排出口から排出される燃料を燃料排出面方向に導く溝部66を有している。
【選択図】 図3

Description

この発明は、燃料電池に関し、特に、液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯用電子機器の電源に、燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は、携帯用電子機器を、充電なしで長時間使用可能とするものである。燃料電池は、燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補充・交換すれば連続して発電できるという利点を有している。このため、小型化ができれば携帯電子機器の長時間の作動に極めて有利なシステムといえる。
特に、直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)は、小型化が可能であり、また燃料の取り扱いも水素ガス燃料に比べて容易なことから小型機器用電源として有望である。
DMFCの燃料の供給方法としては、液体燃料を気化してからブロア等で燃料電池内に送り込む気体供給型DMFCと、液体燃料をそのままポンプ等で燃料電池内に送り込む液体供給型DMFC、液体燃料をセル内で気化させる内部気化型DMFC等が知られている。このうち内部気化型DMFCは、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。
内部気化型DMFCでは、燃料浸透層中に保持された液体燃料のうち気化成分を燃料気化層(アノードガス拡散層)において拡散させ、拡散された気化燃料がアノード触媒層に供給され、カソード触媒層側からの空気と電解質膜において発電反応する。
なお、液体供給型DMFCでは、セルと燃料収容部とを流路を介して接続する技術が知られている(例えば、特許文献3乃至5参照)。液体燃料を、流路を介してセルに供給することによって、流路の形状や径等に基づいて液体燃料の供給量を調整することができる。
特許第3413111号公報 国際公開番号WO2006/057283号公報 特表2005−518646号公報 特開2006−85952号公報 米国特許公開第2006/0029851号公報
上記燃料電池において、液体燃料がセルに不均一に供給される場合がある。供給状態が不均一になると、発電に寄与するセルの割合が減少し、燃料電池の出力低下が生じる恐れがある。さらに、出力(発電量)が不安定になり、所望の出力を安定して得ることができない恐れがある。上記したことから、液体燃料の供給状態が不均一であると、燃料電池の性能が低下することになる。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、出力特性に優れた燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る燃料電池は、
燃料極と、空気極と、前記燃料極及び前記空気極間に挟持された電解質膜と、を有した膜電極接合体と、
前記燃料極に対して前記電解質膜の反対側に配置された燃料排出部と、を備え、
前記燃料排出部は、前記燃料極と対向した側の表面に位置した燃料排出面と、前記燃料排出面の一部を開口して設けられ、燃料を排出する燃料排出口と、前記燃料排出口に繋がって前記燃料排出面に形成され、前記膜電極接合体に向って開放され、前記燃料排出口から排出される燃料を燃料排出面方向に導く溝部を有している。
この発明によれば、出力特性に優れた燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係る燃料電池について詳細に説明する。この実施の形態において、直接メタノール型の燃料電池について説明する。
図1に示すように、燃料電池は、燃料電池セル1と、燃料を収容するとともに燃料を燃料電池セル1に与える燃料供給源2とを備えている。この実施の形態において、燃料電池の燃料供給方式はセミパッシブ方式と呼称される方式を適用している。セミパッシブ方式の燃料電池は、燃料供給源2から燃料電池セル1に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料供給源2に戻されることはない。セミパッシブ方式の燃料電池は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、燃料電池は、燃料の供給にポンプ84を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。このため、燃料電池は、上述したようにセミパッシブ方式と呼称される。
燃料電池セル1は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)3と、アノード集電体31とカソード集電体34と、燃料極支持板6と、燃料供給機構としての燃料供給部7と、カバープレート15とを備えている。
図1及び図2に示すように、膜電極接合体3は、燃料極としてのアノード21と、アノード21に所定の隙間を置いて対向配置された空気極としてのカソード24と、アノード21及びカソード24間に挟持された電解質膜27とを有している。互いに重なったアノード21、カソード24及び電解質膜27は発電素子20を形成している。
この実施の形態において、膜電極接合体3は矩形状の発電領域R1を有している。発電領域R1は、発電に有効な4つの有効領域R2と、これら有効領域を囲んだ非有効領域R3とを有している。これらの有効領域R2は、矩形状であり、長軸を有し、間隔を置いて位置している。なお、後述するが、発電領域R1は、アノードシール材38、カソードシール材39の外縁に囲まれた領域である。
また、膜電極接合体3は4つの発電素子20を有している。発電素子20は、矩形状であり、長軸を有し、それぞれ有効領域R2に重なっている。4つの発電素子20は共通の電解質膜27で形成されている。
アノード21は、アノード触媒層22と、アノード触媒層22に積層されたアノードガス拡散層23とを有している。カソード24は、カソード触媒層25と、カソード触媒層25に積層されたカソードガス拡散層26とを有している。
アノード触媒層22は、アノードガス拡散層23を介して供給される燃料を酸化させ燃料から電子とプロトンとを取り出すものである。カソード触媒層25は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層22において発生したプロトンとを反応させて水を生成するものである。
アノード触媒層22やカソード触媒層25に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層22には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層25には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜27はプロトン導電膜である。電解質膜27は、アノード触媒層22において発生したプロトンをカソード触媒層25に輸送するためのものである。電解質膜27は、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能なプロトン伝導性の材料で形成されている。
電解質膜27を形成する材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の材料はこれらに限られるものではない。
アノードガス拡散層23は、アノード触媒層22に燃料を均一に供給する役割を果たし、アノード触媒層22の集電機能を有している。カソードガス拡散層26は、カソード触媒層25に酸化剤を均一に供給する役割を果たし、カソード触媒層25の集機能を有している。アノードガス拡散層23及びカソードガス拡散層26は多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層23には、燃料を取り入れるための複数の開孔を有するアノード集電体31が積層され、カソードガス拡散層26には、空気を取り入れるための複数の開孔を有するカソード集電体34が積層されている。これらアノード集電体31およびカソード集電体34は、例えば、金、ニッケル等の金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)又は箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材を材料に形成されている。
アノード集電体31と電解質膜27との間には、矩形枠状を有するアノードシール材38が配置されるとともに、アノード触媒層22およびアノードガス拡散層23の周囲を囲んでいる。一方、カソード集電体34と電解質膜27との間には、矩形枠状を有するカソードシール材39が配置されるとともに、カソード触媒層25およびカソードガス拡散層26の周囲を囲んでいる。アノードシール材38およびカソードシール材39は、例えば、ゴム製のOリングなどで構成され、膜電極接合体3からの燃料漏れおよび酸化剤漏れを防止している。なお、アノードシール材38およびカソードシール材39の形状は、矩形枠状に限られず、膜電極接合体3の外縁形に対応するように適宜に構成される。
また、例えば、アノード集電体31と、燃料供給部7との間に、気化膜として図示しない気液分離膜を設けることにより、燃料の気化成分をアノードガス拡散層23及びアノード触媒層22に供給することができる。
酸化剤としての空気は、カバープレート15の通気孔(図示せず)を通り、カソード集電体34の通気孔(図示せず)を通ってカソードガス拡散層26及びカソード触媒層25に供給される。
燃料極支持板6は、板状に形成されている。燃料極支持板6は、アノード21及び燃料供給部7間に挟持されている。より詳しくは、燃料極支持板6は、アノード集電体31並びに燃料拡散シート10若しくは燃料排出部8間に挟持されている。なお、燃料拡散シート10については、後述する。
燃料極支持板6は、膜電極接合体3、より詳しくはアノード21に燃料を通過させる複数の燃料通過孔(図示せず)を有している。燃料通過孔は、マトリクス状に設けられている。上述した燃料極支持板6には、燃料として液体燃料82の気化成分が供給される。
ここで、液体燃料82としては、液体のメタノール等のメタノール燃料、又はメタノール水溶液が挙げられる。液体燃料82の気化成分とは、液体燃料82として液体のメタノールを使用した場合、気化したメタノールを意味し、液体燃料82としてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合ガスを意味する。
図1及び図3に示すように、燃料供給部7は、燃料排出部8と、燃料拡散シート10とを備えている。燃料排出部8は、アノード21に対して電解質膜27の反対側に配置されている。燃料排出部8は、アノード21と対向した側に燃料を排出する燃料排出口64を有している。燃料拡散シート10は、アノード21及び燃料排出部8間に任意に配置されている。燃料拡散シート10は、燃料排出口64から排出される燃料を拡散してアノード21に供給するものである。
燃料排出部8は、矩形状の燃料供給板61と、燃料供給板61の周縁部に設けられた矩形枠状の周壁62とを有している。燃料供給板61は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等で形成されている。燃料供給板61は、膜電極接合体3に対向した側の表面に位置した矩形状の燃料排出面61Sを有している。この実施の形態において、燃料排出面61Sと膜電極接合体3の面積比は100%である。燃料供給板61には、1つの燃料注入口63と、1つの燃料排出口64と、燃料注入口63及び燃料排出口64を繋いだ管部65と、溝部66とが形成されている。
燃料注入口63は、燃料供給板61の適所、例えば側面に1つ形成されている。液体燃料82は、燃料注入口63から注入される。管部65は、燃料注入口63及び燃料排出口64を連通させている。
燃料排出口64は、燃料排出面61Sの一部を開口して設けられている。燃料排出口64から、液体燃料82が排出される。 管部65は、液体燃料82の通路として機能する。燃料注入口63から燃料供給板61に注入された液体燃料82は、管部65を介して燃料排出口64に導かれる。このため、燃料は、燃料排出口64から排出される。
溝部66は、燃料排出口64に繋がって燃料排出面61Sに形成されている。図3においては、燃料排出口64から2本の溝部66を近傍の角部ではなく遠方の2箇所の角部に向け形成している。溝部66は、膜電極接合体3に向って開放されている。溝部66は、燃料排出口64から排出される燃料を燃料排出面方向に導くものであり、燃料を拡散してアノード21に均一に供給するものである。
上記したような溝部66を形成することにより、アノード21に対する燃料供給量をより一層平均化することができる。すなわち、燃料供給板61の燃料排出口64から供給された液体燃料82は、溝部66を伝い、燃料排出面61Sの面内方向に拡散される。
溝部66が形成されていない場合、液体燃料82面方向に不均一に拡散され、燃料がアノード21に不均一に供給されることになる。
任意に設けられる燃料拡散シート10は、燃料排出口64に重ねられ、燃料排出面61S上に配置されている。燃料拡散シート10は燃料排出口64に密着している。燃料拡散シート10は、燃料を拡散させる材料で形成されていれば良く、例えば、多孔質状態の多孔質シートであれば良い。この場合、燃料拡散シート10は、発泡ポリエチレン(サンマップ)や不織布等を材料として形成されていれば良い。
上記したような溝部66を設けることにより、燃料供給板61に注入された液体燃料82を方向や位置に拘わりなく、アノード21に均等に拡散させることができる。このため、膜電極接合体3における発電反応の均一性を高めることができる。さらに、燃料拡散シート10を設けることにより、膜電極接合体3における発電反応の均一性をより高めることができる。
すなわち、アノード21の面内における燃料の分布が平準化され、膜電極接合体3での発電反応に必要とされる燃料を全体的に過不足なく供給することができる。従って、燃料電池の大型化や複雑化等を招くことなく、膜電極接合体3で効率的に発電反応を生起させることができる。これによって、燃料電池の出力を向上させることが可能となる。言い換えると、燃料を循環させないパッシブ型燃料電池の利点を損なうことなく、出力やその安定性を高めることができる。
カバープレート15は、カソード集電体34上に設けられている。カバープレート15は、膜電極接合体3、より詳しくはカソード24に酸化剤としての空気を取入れるための複数の通気孔(図示せず)を有している。通気孔は、マトリクス状に設けられている。
上述した燃料拡散シート10、燃料極支持板6、膜電極接合体3、アノード集電体31およびカソード集電体34は、それぞれの側面が周壁62によって覆われ、燃料排出部8内に収容されている。
ここで、カソード24及びカバープレート15間に、図示しない保湿板や表面層を設けても良い。保湿板は、カソード触媒層25において生成された水の一部を吸収して水の蒸散を抑制し、かつ、カソードガス拡散層26に空気を均一に導入することによりカソード触媒層25への空気の均一拡散を促す機能を有している。保湿板には好ましくは気孔率が例えば20〜60%の多孔性フィルム等が用いられる。
表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
図1に示すように、燃料供給源2は、燃料収容部81を備えている。燃料収容部81には液体燃料82が収容されている。液体燃料82としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。
燃料供給源2は、流路83及びポンプ84をさらに備えている。流路83は管状に形成され、燃料収容部81及び燃料注入口63に接続されている。このため、燃料供給部7には燃料収容部81から流路83を介して液体燃料82が導入される。
ポンプ84は、流路83の途中に配置されている。ポンプ84は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料供給源2から燃料供給部7に液体燃料82を送液する燃料供給ポンプである。このようなポンプ84で必要時に液体燃料82を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。
ポンプ84の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料82を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーポンプ(ロータリーベーンポンプ)、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。
ロータリーポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ、送液量を安定して実現する等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ84は、必要時動作させて燃料供給源2から燃料供給部7に液体燃料82を供給する。このように、ポンプ84で燃料供給源2から燃料供給部7まで液体燃料82を送液する場合においても、燃料供給部7は有効に機能するため、膜電極接合体3に対する燃料供給量を均一化することが可能となる。
また、燃料供給部7から膜電極接合体3への燃料供給が行われる構成であればポンプ84に代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
上記したように、燃料電池が形成されている。
次に、上記燃料電池による発電の仕組みについて説明する。
まず、ポンプ84を稼動させ、燃料収容部81から流路83を介して燃料供給部7に液体燃料82を導入させる。この液体燃料82は燃料排出部8の燃料排出口64から排出され、溝部66を伝って拡散される。溝部66によって均一に拡散された燃料は膜電極接合体3のアノード21に供給される。
膜電極接合体3内において、燃料はアノードガス拡散層23にて拡散してアノード触媒層22に供給される。液体燃料82としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層22で式(1)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層25で生成した水や電解質膜27中の水をメタノールと反応させて式(1)の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
この反応で生成した電子(e)はアノード集電体31に接続された端子(図示せず)から外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード集電体34に接続された端子(図示せず)からカソード24に導かれる。また、式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H)は電解質膜27を経てカソード24に導かれる。カソード24には酸化剤として空気が供給される。カソード24に到達した電子(e)とプロトン(H)は、カソード触媒層25で空気中の酸素と式(2)にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e+6H+(3/2)O → 3HO …(2)
上記したように、燃料電池による発電が行われる。
ここで、本願発明者は、この実施の形態の実施例1乃至8の燃料電池、並びに比較例1及び2の燃料電池を評価するため、各種燃料電池の4つの発電要素の電圧ばらつき及びセル全体の出力を測定した。そして、測定した電圧ばらつき及び出力を基に、各種燃料電池の電圧偏差及び出力相対値を算出した。
出力を測定する際、燃料として純メタノール燃料を用い、燃料収容部81に収容された純メタノール燃料をポンプ84を用いて燃料排出口64まで液送し、一定電圧で発電を行い、出力を測定した。また、燃料電池を、温度25℃、相対湿度50%の環境下に配置した。
なお、上記した4つの発電要素の電圧ばらつきは、燃料の不均一供給の指標となる数値の一つとして示した。燃料が不均一に供給された場合、ある発電要素では適当量の燃料が供給されているのに対し、他の発電要素では過剰量、または不足量の燃料が供給されることにより、個々の発電要素の維持できる電圧が変化することになる。上記したように燃料電池全体は一定電圧での発電試験を行うため、燃料の不均一供給によりバラツキが生じた電圧は一層バラツキが大きくなる。また、各発電要素は直列でつながれていることから、より電流が引けないことになり、出力が低下することになる。
(比較例2)
まず、比較例2の燃料電池について説明する。比較例2の燃料電池は、1個の燃料排出口64を有し、上述した溝部66を有していない。燃料排出口64は燃料排出面61Sの中央上部に位置している。すなわち、燃料排出口64は、燃料排出面61Sの一方の短辺の中央部近傍に位置している。燃料排出面61Sと燃料拡散シート10の面積比は95%であり、燃料拡散シート10は燃料排出面61Sより小さい。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
図9に示すように、電圧偏差は50mVであった。上記したことから、出力が不安定であることが分かる。そして、出力の高い燃料電池を実現することができなかった。なお、比較例2の燃料電池の出力相対値を100とした。
(実施例1)
次に、実施例1の燃料電池について説明する。図3及び図9に示すように、実施例1の燃料電池は、1個の燃料排出口64と、2個の溝部66を有し、上述した燃料拡散シート10を有していない。
燃料排出口64は燃料排出面61Sの中央上部に位置している。すなわち、燃料排出口64は、燃料排出面61Sの一方の短辺の中央部近傍に位置している。溝部66は、それぞれストライプ状に形成されている。溝部66は、燃料排出口64から燃料排出面61Sの他方の短辺側の角部に向って延出している。溝部66の深さDは、0.5mmである。溝部66の先端形状はR0.25である。溝部66の幅Wは0.65mmである。なお、実施例1のように、溝部66の長さが同一の場合、溝部66は、全て同一の寸法(深さD及びRが同一)であれば良い。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
図9に示すように、電圧偏差は40mVであった。上記したことから、実施例1の燃料電池は、比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は110であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例2)
次に、実施例2の燃料電池について説明する。図4及び図9に示すように、実施例2の燃料電池は、2個の燃料排出口64と、4個の溝部66を有し、上述した燃料拡散シート10を有していない。
燃料排出口64は燃料排出面61Sの中央上部と中央下部に位置している。すなわち、燃料排出口64は、燃料排出面61Sの一方の短辺の中央部近傍と、燃料排出面61Sの他方の短辺の中央部近傍に位置している。各燃料排出口64に2個の溝部66が繋がっている。溝部66は、それぞれストライプ状に形成されている。溝部66は、燃料排出口64から燃料排出面61Sの長辺の中央部近傍に向って延出している。溝部66の深さDは、0.5mmである。溝部66の先端形状はR0.25である。溝部66の幅Wは0.65mmである。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
図9に示すように、電圧偏差は35mVであった。上記したことから、実施例2の燃料電池は、比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は115であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例3)
次に、実施例3の燃料電池について説明する。図5及び図9に示すように、実施例3の燃料電池は、2個の燃料排出口64と、4個の溝部66を有し、上述した燃料拡散シート10を有していない。
燃料排出口64は燃料排出面61Sの中央部2個所に位置している。燃料排出口64は、燃料排出面61Sの一対の短辺の対向した方向に並んでいる。各燃料排出口64に2個の溝部66が繋がっている。溝部66は、それぞれストライプ状に形成されている。溝部66は、燃料排出口64からこの燃料排出口に近い燃料排出面61Sの短辺側の角部に向って延出している。溝部66の深さDは、0.5mmである。溝部66の先端形状はR0.25である。溝部66の幅Wは0.65mmである。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
図9に示すように、電圧偏差は35mVであった。上記したことから、実施例3の燃料電池は、比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は115であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例4)
次に、実施例4の燃料電池について説明する。図6及び図9に示すように、実施例4の燃料電池は、2個の燃料排出口64と、4個の溝部を有し、上述した燃料拡散シート10を有していない。より詳しくは、燃料電池は、2個の第1溝部66aと、第1溝部より短い2個の第2溝部66bとを有している。
燃料排出口64は燃料排出面61Sの左上角部と右下角部に位置している。すなわち、燃料排出口64は、燃料排出面61Sの対角線上に位置した2つの角部に設けられている。各燃料排出口64に1個の第1溝部66a及び1個の第2溝部66bが繋がっている。第1溝部66a及び第2溝部66bは、それぞれストライプ状に形成されている。
各第1溝部66aは、燃料排出口64から燃料排出面61Sの長辺に沿った方向に延出している。各第2溝部66bは、燃料排出口64から燃料排出面61Sの短辺に沿った方向に延出している。第1溝部66aの深さDaは、0.5mmである。第1溝部66aの先端形状はR0.25である。第1溝部66aの幅Wは0.65mmである。第2溝部66bの深さDbは、0.3mmである。第2溝部66bの先端形状はR0.25である。第2溝部66bの幅Wは0.65mmである。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
図9に示すように、電圧偏差は35mVであった。上記したことから、実施例4の燃料電池は、比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は115であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
ここで、第1溝部66a及び第2溝部66bの長さが異なる場合、第1溝部66a及び第2溝部66bの間に、次の関係が成り立つ。
(Db/Da)×0.8≦Da≦Db/Da
すなわち、上記関係を満たすことで、上記効果を得ることができる。
(実施例5)
次に、実施例5の燃料電池について説明する。図3及び図9に示すように、実施例5の燃料電池は、上述した燃料拡散シート10を有している。燃料排出面61Sと燃料拡散シート10の面積比は96%である。燃料拡散シート10は燃料排出面61Sより小さい。上記した以外、実施例5の燃料電池は、上述した実施例1の燃料電池と同様に形成されている。
図9に示すように、電圧偏差は25mVであった。上記したことから、実施例5の燃料電池は、比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は133であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例6)
次に、実施例6の燃料電池について説明する。図7及び図9に示すように、実施例6の燃料電池は、実施例1の燃料電池にさらに1個の溝部66を設けて形成されている。このため、実施例6の燃料電池は3個の溝部66を設けて形成されている。
溝部66は、それぞれストライプ状に形成されている。2個の溝部66は、燃料排出口64から燃料排出面61Sの他方の短辺側の角部に向って延出している。残り1個の溝部66は、燃料排出口64から燃料排出面61Sの他方の短辺の中央部近傍に位置している。
溝部66の深さDは、0.5mmである。溝部66の先端形状はR0.25である。溝部66の幅Wは0.65mmである。上記した以外、実施例6の燃料電池は、上述した実施例1の燃料電池と同様に形成されている。
電圧偏差は40mVであった。上記したことから、実施例6の燃料電池は比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は115であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例7)
次に、実施例7の燃料電池について説明する。図6及び図9に示すように、実施例7の燃料電池は、実施例4の燃料電池と同様に形成されている。但し、第1溝部66a及び第2溝部66bの深さの比率を(Db/Da)×0.8≦Da≦Db/Daの関係が成り立たないよう第1溝部66a及び第2溝部66bを形成した。
電圧偏差は40mVであった。上記したことから、実施例7の燃料電池は比較例2の燃料電池より出力が安定しているが、実施例4に燃料電池より若干出力が低下しでいるこが分かる。出力相対値は110であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例8)
次に、実施例8の燃料電池について説明する。図8及び図9に示すように、実施例8の燃料電池は、実施例2の燃料電池と同様に形成されている。但し、溝部66が互いに交差するように形成した。
電圧偏差は35mVであった。上記したことから、実施例8の燃料電池は比較例2の燃料電池より出力が安定していることが分かる。出力相対値は115であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(比較例1)
次に、比較例1の燃料電池について説明する。図9に示すように、比較例1の燃料電池は、上述した溝部66及び燃料拡散シート10を有していない。上記した以外、比較例1の燃料電池は、上述した実施例1の燃料電池と同様に形成されている。
電圧偏差は80mVであった。上記したことから、出力が不安定であることが分かる。出力相対値は85であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができなかった。
以上のように構成された燃料電池によれば、燃料電池セル1は、膜電極接合体3と、燃料排出部8とを備えている。燃料排出部8は、燃料排出口64及び溝部66(第1溝部66a、第2溝部66b)を有している。このため、液体燃料82の面方向への拡散は促進される。これにより、燃料はアノード21に均一に供給される。このため、膜電極接合体3における発電反応の均一性を高めることができる。上記したことから、燃料電池の出力を向上でき、出力の安定性を高めることができる。
さらに、燃料電池セル1に燃料拡散シート10を設けることにより、液体燃料82の面方向への拡散は促進される。これにより、燃料電池の出力をさらに向上でき、出力の安定性をさらに高めることができる。
上記したことから、出力特性に優れた燃料電池セル1及び燃料電池セル1を備えた燃料電池を得ることができる。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、燃料排出口64は1個又は2個設けられていれば良く、溝部66は、各燃料排出口64に1個又は2個繋げて設けられていれば良い。燃料排出口64を1個、溝部66を2個設ける場合、溝部66の長さが同一であれば、溝部66は、全て同一の寸法(深さD及びRが同一)であれば良い。
燃料排出口64を3つ以上設けた場合、又は、各燃料排出口64に3つ以上の溝部66を繋げた場合、アノードへの燃料の供給量が増大する恐れがある。燃料の供給量が増大した場合、アノード近傍で燃料濃度が高くなりすぎてしまう。すると、燃料が反応することなくカソードへ流れてしまう現象が発生する。上記現象は、クロスオーバーと呼ばれる。これにより、燃費の低下や、カソードでの燃料の直接反応に伴う電圧低下が生じることとなる。電圧低下は、出力低下の原因となる。上述したことから、燃料排出口64を1個又は2個設け、各燃料排出口64に1個又は2個の溝部を繋げて設ければ良く、これにより、上述した効果を得ることができる。
また、溝部66を互いに交差させずに設ければ良く、これにより、液体燃料82を面方向へ均一に拡散させることができる。溝部66が互いに交差した場合、溝部66の交差部で局所的に燃料が滞留する不具合が生じてしまい、燃料の拡散にばらつきが生じてしまう。
例えば、膜電極接合体3の特定個所により多くの燃料を供給するよう、図1及び図3等に示した燃料排出口64及び溝部66の個数や位置を工夫して設計しても良い。製品への燃料電池装着上の都合から燃料電池セル1の半分の部位の放熱がよくなってしまうような場合、従来では温度分布が生じてしまい、平均出力の低下が避けられない。これに対して、燃料排出口64及び管部65の形成パターンを調整し、予め放熱のよい部分に燃料排出口64を密に配置することによって、その部分での発電に伴う発熱を多くすることができる。これによって、面内の発電度合いを均一化することができ、出力低下を抑制することが可能となる。
溝部66は、ストライプ状に形成され、先端形状がR1以下であれば良い。又、溝部66は、ストライプ状に形成され、1mm以下の幅Wを有していれば良い。これにより、上述した効果を得ることができる。
液体燃料82を燃料収容部81から燃料供給部7まで送る機構は特に限定されるものではない。例えば、使用時の設置場所が固定される場合には、重力を利用して液体燃料82を燃料収容部81から燃料供給部7まで落下させて送液することができる。また、多孔体等を充填した流路83を用いることによって、毛細管現象で燃料収容部81から燃料供給部7まで送液することもできる。
集電体4は必要に応じて設けられていれば良い。
流路83は燃料供給部7や燃料供給源2と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料供給部7と燃料収容部81とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料82の流路であってもよい。燃料供給部7は流路83を介して燃料収容部81と接続されていれば良い。
膜電極接合体3は複数の発電素子20を有し、発電素子20が直列に接続されているが、これに限られるものではない。膜電極接合体3は、アノード21、カソード24及び電解質膜27が重なった発電領域R1に形成された1つの発電素子20を有していても良い。
図1に示した燃料供給源2は、ポンプ84を制御する制御部を有していても良い。燃料供給用(送液用)のポンプ84の制御は、例えば燃料電池の出力を参照して行うことが好ましい。燃料電池の出力は制御部で検出され、この検出結果に基づいてポンプ84に制御信号が送られる。ポンプ84は制御部から送られる制御信号に基づいてオン/オフが制御される。ポンプ84の動作は燃料電池の出力に加えて、温度情報や電力供給先である電子機器の運転状態情報等に基づいて制御することで、より安定した運転が達成できる。
ポンプ84の具体的な動作制御方法としては、例えば燃料電池からの出力が所定の規定値より高くなった場合にポンプ84を停止または送液量を低下させ、出力が規定値より低くなった場合にポンプ84の運転を再開または送液量を増加させる方法が挙げられる。別の動作制御方法としては、燃料電池からの出力の変化率がプラスの場合にポンプ84の運転を停止または送液量を低下させ、出力の変化率がマイナスになった場合にポンプ84の運転を再開または送液量を増加させる方法が挙げられる。
燃料電池としての安定性や信頼性を高めるため、図1に示した燃料供給源2は、燃料遮断バルブを有していても良い。燃料遮断バルブは、ポンプ84と直列に配置することが好ましい。燃料遮断バルブは、例えばポンプ84と燃料供給部7との間の流路83に挿入されている。燃料遮断バルブは、ポンプ84と燃料収容部81との間に設置しても機能上の支障はない。
ただし、燃料遮断バルブをポンプ84と燃料収容部81との間の流路83に設置した場合、例えば長期保管時にポンプ84の燃料が蒸発すると、燃料収容部81からの液体燃料82の吸出し機能に支障が生じる恐れがある。このようなことから、燃料遮断バルブはポンプ84と燃料供給部7との間の流路83に設置し、長期保管時等におけるポンプ84からの液体燃料82の蒸発を防止することが好ましい。
このように、燃料収容部81と燃料供給部7との間に燃料遮断バルブを挿入することによって、燃料電池の未使用時にも不可避的に発生する微量な燃料の消費や上述したポンプ再運転時の吸い込み不良等を回避することができる。これらは燃料電池の実用上の利便性の向上に大きく貢献するものである。
さらに、燃料遮断バルブは、図1に示したポンプ84に代えて配置していても有効である。例えば、燃料供給部7と燃料収容部81とを接続する流路83に燃料遮断バルブを挿入する。このような構成を適用することによって、膜電極接合体3に対する燃料の供給を制御し、燃料電池の出力制御性を高めることができる。この場合の燃料遮断バルブの動作制御は、上述したポンプ84の動作制御と同様に実施することができる。
図1に示した燃料電池において、燃料収容部81や流路83に、燃料収容部81内の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブを装着することが好ましい。バランスバルブは、例えば燃料収容部81に設置されている。図示しないが、バランスバルブは、バルブ可動片と、燃料収容部81内の圧力に応じてバルブ可動片を動作させるスプリングと、バルブ可動片をシールして閉状態とするシール部とを有している。
バランスバルブを燃料収容部81等に設置することによって、液体燃料82の供給に伴って発生する燃料収容部81の内圧低下に起因する送液量の変動を抑制することができる。すなわち、燃料収容部81内が減圧状態になると、ポンプ84による液体燃料82の吸い込みが不安定になり、送液量が変動しやすくなる。
このような送液量の変動をバランスバルブを設置することで解消することができる。従って、燃料電池の動作安定性を向上させることが可能となる。なお、バランスバルブを流路83に設置する場合には、バランスバルブを燃料収容部81とポンプ84との間に挿入することが好ましい。
この発明は、直接メタノール型の燃料電池に限定されるものではなく、他の燃料電池に適用可能である。そして、液体燃料82も、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料82は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。
液体燃料82は、膜電極接合体3に対応していれば良い。液体燃料82は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であっても良い。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が使用される。
また、膜電極接合体へ供給される液体燃料においても、全て液体燃料の蒸気を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。
この発明の実施の形態に係る燃料電池を示す断面図。 図1に示した膜電極接合体を示す平面図。 図1に示した燃料排出部を示す平面図。 上記実施の形態の実施例2の燃料電池の燃料排出部を示す平面図。 上記実施の形態の実施例3の燃料電池の燃料排出部を示す平面図。 上記実施の形態の実施例4の燃料電池の燃料排出部を示す平面図。 上記実施の形態の比較例3の燃料電池の燃料排出部を示す平面図。 上記実施の形態の比較例5の燃料電池の燃料排出部を示す平面図。 上記実施の形態の実施例1乃至8並びに比較例1及び2の(1)燃料排出口の位置、(2)溝部の位置、(3)溝部の形状、(4)燃料拡散シートの有無、(5)燃料排出面(タンク底面)と膜電極接合体の面積比、(6)燃料排出面(タンク底面)と燃料拡散シートの面積比、(7)電圧偏差及び(8)出力を表で示した図。
符号の説明
1…燃料電池セル、2…燃料供給源、3…膜電極接合体、4…集電体、6…燃料極支持板、7…燃料供給部、8…燃料排出部、10…燃料拡散シート、15…カバープレート、20…発電素子、21…アノード、22…アノード触媒層、23…アノードガス拡散層、24…カソード、25…カソード触媒層、26…カソードガス拡散層、27…電解質膜、31…アノード集電体、34…カソード集電体、338・・・アノードシール材,39…カソードシール材、55…燃料通過孔、61…燃料供給板、61S…燃料排出面、62…周壁、63…燃料注入口、64…燃料排出口、65…管部、66…溝部、66a…第1溝部、66b…第2溝部、81…燃料収容部、82…液体燃料、83…流路、84…ポンプ、R1…発電領域、R2…有効領域、R3…非有効領域。

Claims (6)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極及び前記空気極間に挟持された電解質膜と、を有した膜電極接合体と、
    前記燃料極に対して前記電解質膜の反対側に配置された燃料排出部と、を備え、
    前記燃料排出部は、前記燃料極と対向した側の表面に位置した燃料排出面と、前記燃料排出面の一部を開口して設けられ、燃料を排出する燃料排出口と、前記燃料排出口に繋がって前記燃料排出面に形成され、前記膜電極接合体に向って開放され、前記燃料排出口から排出される燃料を燃料排出面方向に導く溝部を有している、燃料電池。
  2. 前記燃料排出部は、前記燃料排出口に繋がって前記燃料排出面に形成され、前記膜電極接合体に向って開放され、前記燃料排出口から排出される燃料を燃料排出面方向に導く複数の溝部を有している請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記燃料排出部は、前記燃料排出面の一部を開口して設けられ、燃料を排出する他の燃料排出口と、前記他の燃料排出口に繋がって前記燃料排出面に形成され、前記膜電極接合体に向って開放され、前記他の燃料排出口から排出される燃料を燃料排出面方向に導く他の溝部と、を有している請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記溝部は、ストライプ状に形成され、先端形状がR1以下である請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記溝部は、ストライプ状に形成され、1mm以下の幅を有している請求項1に記載の燃料電池。
  6. 前記燃料極と対向した側の前記燃料排出面上に配置され、燃料を拡散して前記燃料極に供給する燃料拡散シートをさらに備えている請求項1に記載の燃料電池。
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