JP2009157073A - 画像表示システム、管理装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気泳動素子が並べられた表示面105全体に黒色の画像が表示された場合、白色不良画像PB3が点在して出現する。この白色不良画像PB3は、駆動することができない電気泳動素子(不良表示素子)に相当する画像である。このような不良表示素子は、表示面105における電気泳動素子全体の1〜5%程度含まれるものであるから、その位置や数は表示装置よって様々である。そこで、この不良表示素子に相当する画像の分布状況から各表示装置を識別することができる。このようにすれば、表示面105に表示される画像に、識別情報を含む視認性を妨げるような画像を付さなくても、表示装置を識別し、それに応じて処理を制限することができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、視認性を妨げるような画像を付することなく、各々の表示装置を識別し、識別した表示装置又はその表示装置に表示された画像に対する処理を必要に応じて制限することを目的とする。
本発明によれば、視認性を妨げるような画像を付することなく、各々の表示装置を識別し、識別した表示装置又はその表示装置に表示された画像に対する処理を必要に応じて制限することができる。
この態様によれば、不良表示素子を照合に充分な程度の割合で表示装置の表示面に点在させることができる。
この態様によれば、不良表示素子の分布状況を特定するための画像を表示した表示面を読み取った画像と、画像データに応じた画像を表示した表示面を読み取った画像とに基づいて特定した不良表示素子の分布状況を照合することができる。
この態様によれば、表示面における不良表示素子の分布状況を、さらに精度良く特定することができる。
この態様によれば、表示装置に表示された画像を複製した画像の印刷を必要に応じて制限することができる。
本発明によれば、視認性を妨げるような画像を付することなく、各々の表示装置を識別し、識別した表示装置又はその表示装置に表示された画像に対する処理を必要に応じて制限することができる。
この態様によれば、不良表示素子の分布状況を特定するための画像を表示した表示面を読み取った画像と、画像データに応じた画像を表示した表示面を読み取った画像とに基づいて特定した不良表示素子の分布状況を照合することができる。
この態様によれば、各々の表示装置及び表示装置に表示された画像を特定し、特定した画像に応じて、識別した表示装置又はその表示装置に表示された画像に対する処理を必要に応じて制限することができる。
この態様によれば、各々の表示装置を識別し、その表示装置に表示された画像の画像情報の出力を必要に応じて制限することができる。
本発明によれば、視認性を妨げるような画像を付することなく、各々の表示装置を識別し、識別した表示装置又はその表示装置に表示された画像に対する処理を必要に応じて制限することができる。
図1は、画像表示システム1の概観を示す図である。
図1に示すように、この画像表示システム1は、画像表示装置100A,100B及び100Cと、複写装置200と、管理装置300とを備えている。画像表示装置100A,100B及び100Cは、電子ペーパーなどと呼ばれる、薄型で可搬性の高い表示装置である。複写装置200は、原稿等の画像を光学的に読み取って、読み取った画像を用紙等の記録媒体に形成する複写処理(コピー処理)を実行する装置である。管理装置300は、本画像表示システム1を管理するコンピュータ装置である。この管理装置300の主な役割は、画像表示装置100A,100B及び100Cを識別し、識別した表示装置に対する処理を制限することであるが、具体的には、画像表示装置100A,100B及び100Cが表示する画像の画像データ(以下、「表示データ」という。)を記憶したり、その表示データを必要に応じて画像表示装置100A,100B及び100Cに提供したり、複写装置200から各種情報を取得して、取得した情報に基づいて複写装置200の動作を制御したりすることである。複写装置200と管理装置300とは、LAN(Local Area Network)400を介して通信可能に接続されている。また、画像表示装置100A,100B及び100Cと管理装置300とは、必要に応じてUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の通信ケーブルを介して接続されることにより、相互にデータの遣り取りを行うことができる。
図2は、画像表示装置100の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像表示装置100は、制御部101と、操作部102と、記憶部103と、駆動部104と、表示面105と、通信部106とを備える。制御部101は、例えばCPUや各種メモリからなり、そのメモリや記憶部103に記憶された制御プログラムに記述された手順に従って画像表示装置100の全体を制御する。制御部101は、制御プログラムに基づいて、画像表示装置100を操作するためのメニュー画面や、記憶部103に記憶されている表示データに応じた画像を表示面105に表示させるための駆動信号を出力したり、ユーザによって操作部102が操作されたときにその操作内容に応じた処理を行ったりする。通信部106は、通信ケーブル経由で通信を行うインタフェースである。制御部101は、通信部106に差し込まれた通信ケーブルを介して、管理装置300などの外部装置から送信されてくる表示データ等の各種情報を受信したり、その外部装置に対して表示データを送信したりする。
図3に示すように、表示面105は、第1基板1051、電気泳動素子P11,P21,P31・・・、バインダ1052、第2基板1053により構成されている。第1基板1051は、ガラス基板であり、その図中上方の表面側には画素電極PE11、PE21、PE31・・・が設けられている。第1基板1051に対向する第2基板1053は、透明なガラス基板であり、その図中下方の裏面側には共通電極CEが設けられている。画素電極P11,P21,P31・・・と共通電極CEとの間には、膨大数の電気泳動素子Pが並べられた状態でバインダ1052により固定されている。この電気泳動素子Pは、大きさおよび形状が完全に同一ではなく、いわば不規則に並べられた状態でバインダ1052により固定されているから、必ずしも画素電極PEと一対一の対応関係にない。例えば図3の構成例では、電気泳動素子P11には、画素電極PE11と共通電極CEとの電位差に応じた電界が与えられ、電気泳動素子P21には、画素電極PE21と共通電極CEとの電位差に応じた電界が与えられ、電気泳動素子P13には、画素電極PE31と共通電極CEとの電位差に応じた電界が与えられることになる。
電気泳動素子Pは、図4(a)、(b)に示すように、マイクロカプセル化されている。カプセル壁CWとしてのポリマー膜内には、2色に分けて着色された複数のマイナス(−)に帯電した黒色顔料粒子BGおよびプラス(+)に帯電した白色顔料粒子WGを分散させた液体(分散媒DM)が封入されている。黒色顔料粒子BGおよび白色顔料粒子WGの位置は、外部から与えられる電界により規定され、さらに分散媒DMにより安定的に維持される。
このように、電気泳動素子Pに対する電界の方向を変化させて、電気泳動素子Pに封入されている分散媒DM内の白色顔料粒子WG及び黒色顔料粒子BGを移動させることによって、画像を表示させることができる。
図5(a)上段に示すように、この電気泳動素子PB1においては電界E2が与えられており、この状態では、黒顔料粒子BGは裏面側にあり、白顔料粒子WGは表面側にある。すなわち、不良表示素子PB1は白を表示していることになる。ただし、これらの白顔料粒子WGのうちカプセル壁CWに接しているものがカプセル壁CWに固着しているものとする。この電気泳動素子PB1に対して、黒を表示させるための電界E1が与えられた場合、この電界E1の作用により、黒顔料粒子BGは表面側(矢印A方向)へ移動しようとする。しかしながら、前述したように、白顔料粒子WGがカプセル壁CWの表面側の固着しているため、これによって移動が遮られることになり、図5(a)下段に示すように、黒顔料粒子BGは表面側まで移動することができない。よって、黒を表示するための電界E1が与えられたとしても、電気泳動素子PB1は白を表示し続けることになる。
また、粒子どうしの固着と、粒子とカプセル壁CWとの固着との両方が起こってしまう、電気泳動素子もあるが、この場合も同様の現象が起こってしまう。また、これ以外にも、粒子の帯電不良等によっても、上記のような不良表示素子が発生してしまうことがある。
なお、以下では、「白色不良表示素子」及び「黒色不良表示素子」を特に区別する必要の無い場合には、これらを「不良表示素子」と総称する。不良表示素子においては、例えば黒を表示させたいのに黒顔料粒子BGが表面側に移動しなかったり、白を表示させたいのに白顔料粒子WGが表面側に移動しなかったりするから、表示面105を構成する電気泳動素子のうち、駆動部104によって駆動することができない電気泳動素子であると言える。
次に、図6は、複写装置200の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、複写装置200は、制御部201と、画像読取部202と、記憶部203と、印刷部204と、通信部205と、UI(User Interface)部206とを備える。制御部201は、例えばCPUや各種メモリからなり、そのメモリや記憶部203に記憶された制御プログラムに記述された手順に従って、複写装置200の全体を制御する。画像読取部202は、図示せぬプラテンガラス、光源、結像レンズ、ラインセンサ及び信号処理部を有し、複写用の画像を読み取る。ユーザによって画像表示装置100がこの画像読取部202のプラテンガラスに置かれて、読み取り開始が指示されると、光源がこの画像表示装置100(表示面105)に光を照射し、結像レンズが、画像表示装置100からの反射光をラインセンサの位置に結像する。ラインセンサは、結像された光を受光し、その光に応じた画像信号を生成する。そして、信号処理部は、ラインセンサによって生成された画像信号に対してA/D変換等の処理を施して画像情報を生成する。なお、画像読取部202においては、読み取った画像を表す画像情報に含まれる1画素のサイズが電気泳動素子Pに相当する画像のサイズに対して十分小さくなるような解像度で、画像情報が生成される。
次に、図7は、管理装置300の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、管理装置300は、制御部301と、記憶部302と、通信部303とを備える。制御部301は、例えばCPUや各種メモリからなり、そのメモリや記憶部302に記憶された制御プログラムに記述された手順に従って管理装置300の全体を制御する。記憶部302は、例えばハードディスク装置であり、制御部301によって使用される制御プログラムのほかに、ID管理テーブル3021や、不良表示素子分布パターンや、画像表示装置100に提供する表示データを記憶する。ここでの不良表示素子分布パターンは、画像表示装置100の表示面105を読み取った画像を表す画像情報であり、この表示面における不良表示素子の分布状況を表す画像情報である。この不良表示素子分布パターンには、白色不良表示素子に相当する画像領域(以下、「白色不良画像」という)が含まれるパターン(以下、「白色不良表示素子分布パターン」という)、黒色不良表示素子に相当する画像領域(以下、「黒色不良画像」という)が含まれるパターン(以下、「黒色不良表示素子分布パターン」という)とが含まれる。通信部303は、通信部106と同等の機能を有し、制御部301は、通信部303およびLAN400を介して接続された複写装置200から送信されてきた画像情報を受信したり、複写装置200から各種情報を送信したりする。
図8に示すように、このID管理テーブル3021においては、「装置ID」と、「不良表示素子分布パターン格納アドレス」と、「複写可否」とが対応付けられている。「装置ID」には、前述した画像表示装置100の各々に割り当てられ、各画像表示装置100を識別するための識別情報が書き込まれる。「不良表示素子分布パターン格納アドレス」には、画像表示装置100の表示面105における不良表示素子分布パターンが格納されている、記憶部302における格納アドレスが書き込まれる。「複写可否」には、画像表示装置100の表示面105を読み取った画像の複写の可否が書き込まれる。この複写可否は、画像表示装置100に対する処理の制限に関する制限情報である。図8に例示したID管理テーブル3021の第1行は、装置ID「MID−A」の割り当てられた画像表示装置100Aの不良表示素子分布パターンが、記憶部302における格納アドレス「ID10001」が割り当てられた記憶領域に格納されており、この画像表示装置100Aの表示面105を読み取った画像の複写を禁止すること(「×」)を示している。また、第2行は、「複写可否」のフィールドに「○」と書き込まれているので、装置ID「MID−B」が割り当てられた画像表示装置100Bが表示した画像の複写が許可されていることを示している。
次に、実施形態の動作について、適宜図面を参照しつつ説明する。
以下に説明する動作の開始時においては、ID管理テーブル3021の構成は、図8に示したとおりとする。
まず、本画像表示システム1を管理する管理者が、画像表示装置100Cを管理装置300に登録する際の、画像表示システム1の動作について説明する。すなわち、この登録動作によって、複写が制限される対象となる表示装置として、画像表示装置100Cが管理装置300に登録されることになる。例えば、管理者は、画像表示装置100Cのユーザに対して、この画像表示装置100Cを配布する以前の或るタイミングに、この登録を行う。
まず、管理者は画像表示装置100Cの操作部102を操作することにより、画像表示装置100Cの表示面105に「黒表示」をさせることを指示するための操作を行う。制御部101は、この操作を表す操作信号を操作部102から受信すると、駆動部104に対して、「黒表示」させることを指示する(ステップSA1)(第1の指示手段)。この「黒表示」とは、表示面105全体に黒色の画像を表示する処理のことをいう。
ステップSA1において、制御部101による制御の下、駆動部104は、表示面105を構成する電気泳動素子Pすべてが図4(a)に示した状態となるよう、黒表示を実行させるための駆動信号を出力する。しかしながら、前述したように、表示面105には不良表示素子が或る程度の個数含まれるから、実際に表示面105の全面に黒が表示されることはなく、白色不良表示素子の分布状況に応じた白色の画像領域が点在することになる。よって、本来は全体が同一の色(黒色)で表示されるはずの画像から、異なる色の画像(白色不良画像PB3)を抽出することによって、画像表示装置100Cの表示面105における白色不良表示素子の分布状況を特定することができるのである。つまり、黒表示によって表示面105に表示される画像は、表示面105における不良表示素子の分布状況を特定するための画像となるのである。なお、図10(a)及び後述する図10(b)においては、不良表示素子に相当する画像の分布状況を明確にするために比較的大きいサイズで示しているが、実際には、例えば電気泳動素子1個分に相当するサイズの画素群によって構成されるし、さらに多数の不良表示素子が含まれることもある。
ステップSA6においては、制御部301は、受信した画像情報そのものを不良表示素子分布パターンとして特定し(第1の特定手段)、これを記憶部203に記憶させるものとする。この白色不良表示素子分布パターンは、白色不良画像のみが白色画像で表され、表示面105のその他の位置が読み取られた画像領域が黒色画像で表された画像である。一方、黒色不良表示素子分布パターンは、黒色不良画像のみが黒色画像で表され、表示面105のその他の位置が読み取られた画像領域が白色画像で表された画像である。
同図の第3行に示すように、画像表示装置100Cに割り当てられた装置ID「MID−C」に対応付けて、不良表示素子分布パターン格納アドレス「ID10003」と、複写可否「×」(禁止)とが記憶される。
以上が、登録動作の説明である。
次に、ユーザが画像表示装置100の表示面105に表示されている画像の複写を試みたときの、画像表示システム1の動作について説明する。以下の動作説明においては、画像表示装置100Cの表示面105に表示されている画像の複写を試みるものとし、ID管理テーブル3021は、図11に示した内容であるものとする。
まず、ユーザは画像表示装置100Cの操作部102を操作することにより、画像表示装置100の表示面105に或る画像Aを表示させることを指示する。この操作を表す操作信号を受信した制御部101は、この画像Aの表示データを記憶部103から読み出し、その表示データに応じた画像を表示させることを駆動部104に指示して(第2の指示手段)、表示面105に画像Aを表示させる(ステップSB1)。
白色不良画像を抽出するに際しても、前述した登録動作において黒表示に対応する画像から白色不良表示素子の分布状況を把握した場合と同じで、この画像情報が表す画像領域のうち、黒で表現される画像領域から白色不良画像を抽出することになる。例えば、黒色で表される文字や図形、グラフィック画像等において、黒色の画像領域の中に微小なサイズの白色画像があったとしても、人間の眼には判別することは困難で、このような白色画像が意図的に元の画像に含まれることはほとんどない。したがって、制御部301は、画像情報が表す画像において黒の画像領域を参照し、その領域の中に孤立点として存在する白色の画像を、白色不良画像として抽出することができるのである。
ここでの黒色不良画像の抽出方法においても、白色不良表示素子の抽出方法とほぼ同じである。そして、制御部301は、抽出した黒色不良画像のみを黒色画像で表し、その他の画像領域を白色画像で表した画像である、「黒色不良表示素子分布パターン」を生成する。このようにして、制御部301は、黒色不良画像を抽出し、その位置に基づいて黒色不良表示素子の分布状況を特定するのである(第2の特定手段)。
なお、上記実施形態を次のように変形してもよい。具体的には、例えば以下のような変形が挙げられる。これらの変形は、各々を適宜に組み合わせることも可能である。
(C−1)変形例1
上述した実施形態では、管理装置300は、登録動作によって特定した不良表示素子分布パターンと、複写動作によって特定した不良表示素子分布パターンとを比較し、両者が一致するパターンに基づいて、複写が試みられている画像表示装置100の装置IDを識別していた。この変形例1では、管理装置300は表示面105に表示されている画像、すなわち複写が試みられている画像を特定し、特定した画像及び画像表示装置100に基づいて複写の制限を行う。
この態様について以下に詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、画像表示装置100が表示する画像の表示データは、管理装置300から取得されたものとし、これと同じ表示データが管理装置300の記憶部302に記憶されているとする。また、画像表示装置100の登録動作については、上述した実施形態と同じであるから、画像表示装置100の複写動作について説明する。
本変形例1に係る画像表示システムにおいては、実施形態と同様に処理ステップSB1〜SB7の処理を実行するが、図14においては図が煩雑になるのを防ぐため、図示を省略する。また、図12と同じ処理を表す処理ステップについては同一の符号を付しており、その説明を省略する。
この変形例1によれば、管理装置300は、画像表示装置100毎の処理の制限に加えて、表示面105に表示されている画像に応じた、処理の制限が可能となる。よって、例えば特定のユーザのみに対して機密性の高い情報を含む画像の複写を禁止して、その他の複写を許可することも可能となり、ユーザの利便性を低下させること無く、複写を制限することができる。
上述した実施形態では、ステップSB6の照合処理においては、管理装置300は、画像情報から生成した不良表示素子分布パターンと、予め登録されている不良表示素子分布パターンとをパターンマッチング法を用いて照合していたが、これ以外の手法を用いてもよい。例えば、管理装置300の制御部301は、各不良表示素子分布パターンの画像領域を微小領域ごとに分割し、各領域に含まれる不良画像の数を計数する。そして、制御部301は、両者の不良表示素子分布パターンの、対応する位置にある領域どうしで不良画像の数を比較し、この数が一致した微小領域と、数が一致しなかった微小領域との数に応じて、一致度を算出してもよい。また、不良表示素子分布パターンの画像領域全体について照合を行うのではなく、一部の画像領域のみについて照合を行ってもよい。要は、不良画像の分布状況を特徴量として照合するのであれば、照合の手法はこれらに限定されない。
上述した実施形態では、管理装置300は、装置IDに応じて複写を制限していたが、装置IDに応じて行う制限の内容はこれに限らない。要するに、画像表示装置100に対する処理又は当該画像表示装置100に表示された画像に対する処理の実行を制限するものであればよい。例えばこの制限の内容が、外部装置(プリンタやPC等)に対する画像情報の送信出力や、表示装置に対する画像情報の表示出力等を制限するものであってもよいし、画像情報の内容を変更させて(例えば、別の画像を重畳させて)出力するようにして画像に対する処理の実行を制限してもよい。このような場合、ID管理テーブル3021の「複写可否」のフィールドは、処理内容に応じて適宜、設計変更される。
例えば、複写装置200に代えてスキャナ等の画像読取装置を備える画像表示システムにおいて、管理装置300は、画像読取装置によって生成された画像情報に基づいて照合を行う。そして、管理装置300は装置IDを特定すると、ID管理テーブルに基づいて、画像読取装置に対して外部装置への画像情報の送信出力の可否を判断して、可である場合に画像情報を出力するよう通知する、という具合に処理を制限する。
上述した実施形態では、管理装置300は白色不良表示素子及び黒色不良表示素子の2種類について不良表示素子分布パターンを生成し、それぞれについて照合を行っていた。これに対し、白色不良表示素子のみ、又は黒色不良表示素子のみに基づいて処理を行ってもよい。例えば白色不良表示素子のみについて処理を行うのであれば、登録動作において、各装置は黒表示の画像情報から黒色不良表示素子分布パターンを求める処理を省略し、複写動作においても、管理装置300は黒色不良表示素子に関する処理を省略できるので、より迅速な処理が可能となる。いずれの態様で登録動作及び複写動作を行うかについては、複写装置200及び管理装置300が複数の動作モードを有する構成とし、管理者によって設定された動作モードに応じて各装置が切り替えてもよい。また、複写動作において、管理装置300が画像情報の内容を参照し、黒色の画像領域が多ければ白色不良表示素子分布パターンのみに基づいて処理を行い、白色の画像領域が多ければ黒色不良表示素子分布パターンのみに基づいて処理を行うという具合に、画像の内容に基づいて、管理装置300が適宜切り替えるようにしてもよい。
上述した実施形態では、管理装置300は不良表示素子分布パターンの照合によって装置IDを特定し、特定した装置IDに基づいて複写が試みられている画像表示装置100を把握するものであった。このように表示装置100に割り当てられた装置IDを用いずに、不良表示素子分布パターンそのものを表示装置100の識別情報として用いてもよい。不良表示素子分布パターンは、表示装置100毎に異なるから、各表示装置100の識別情報として利用することが可能だからである。
この態様によれば、登録動作において、管理装置300はステップSA8において装置IDを取得して書き込む処理を省略し、ID管理テーブルにおいて「不良素子分布パターン」と「複写可否」のみを対応付けておく。次いで、複写動作においては、管理装置300は、ステップSB8において装置IDを特定する処理を省略し、登録動作で特定した不良表示素子分布パターンと、複写動作で特定した不良表示素子分布パターンとの照合結果に応じて、複写を制限することになる。このような構成であっても、管理装置300は、各画像表示装置100に対して、実施形態と同じように複写を制限することができる。
上述した実施形態では、表示面105は、電気泳動素子が並べられることによって構成されていたが、これ以外の表示素子によって表示面が構成される表示体を用いてもよい。要するに、表示体が多数の表示素子によって構成され、かつ、或る程度の数の表示素子が不良表示素子となり得るのであれば、その不良表示素子の分布状況に基づいて、表示体や装置を識別することができる。電気泳動素子の場合は、不良表示素子の割合が1〜5%であり、これは、不良表示素子分布パターンの照合には充分な程度の割合である。
また、画像の輪郭部分においては、その画像を表示している正常な表示素子と、不良表示素子とを区別しづらいことがある。そこで、次のようにしてもよい。
図15は、表示面105を読み取った画像のうち、画像の輪郭部分の画像領域を拡大した図である。図15において、境界線Lは、記憶部103などに記憶された表示データに基づいて表示された画像の輪郭を意味している。この境界線Lを境にして、その左側には黒色の画像領域が、その右側には白色の画像領域がそれぞれある程度以上の大きさで存在している。
次に、図16は、この図15で示した画像領域のうち、破線で囲われた部分をさらに拡大した図である。図16に示すように、電気泳動素子P1およびP2は、黒色の画像領域に属しており、その表示素子の輪郭の内側全部が黒色である。一方、電気泳動素子P3,P5は、左側が黒色の画像領域に属し、右側が白色の画像領域に属しているから、境界線Lを境にしてそれぞれ属する領域に応じた色で表示されているが、電気泳動素子P4だけは、この境界線L上にあるにもかかわらず、その素子の輪郭の内側全部が黒色である。この電気泳動素子P4は不良表示素子であるから、画像領域の輪郭に相当する境界線Lとは異なる形状で表示されているのである。そこで、画像表示装置100の制御部101は、このような画像情報から、境界線Lと異なる形状部分を、周波数解析等の画像認識処理を用いて検出する。そして、制御部101は、検出した形状部分から電気泳動素子P4の輪郭を推測する。より具体的には、制御部101は、図17に示すような画像領域の輪郭、つまり黒色の画像領域と白色の画像領域との境界線Lとは異なる形状の部分l1を検出する。この境界線Lは、要するに、画素電極PEの形状の輪郭部分を連ねた線である。よって、記憶部103には、画素電極PEの形状を表すデータが記憶されており、制御部101は、境界線Lにおいて、このデータが表す形状と一致しない孤の部分l1を検出する。次に、制御部101は、電気泳動素子P4の輪郭がほぼ円形(その重心を1gとする)であることに鑑みて、部分l1の孤を延長した孤である部分l2を計算により求める。そして、制御部101は、孤の部分l1と孤の部分l2からなる円内の領域に黒色不良画像があると判定し、不良表示素子分布パターンの照合の対象とする。
図18は、この変形例における画素電極PEの形状の一例を示す図である。図18に示す例においては、画素電極PEは概ね正方形であるが、一部の辺において、欠けた部分を有している。このような場合であっても、予め画素電極PEの形状を記憶部103が記憶していることにより、上述と同様に、電気泳動素子Pとの形状の違いから不良表示素子を検出することができる。
以上のように、制御部101は、画像の輪郭部分からは、上記のような処理を行って不良表示素子を検出すればよいし、輪郭部分以外の領域(例えば1色で表示された画像の内側の領域)からは、実施形態と同様の手順で不良表示素子を検出すればよい。
上述の実施形態においては、管理装置300は複写動作において表示面105の全面に点在する不良表示素子の分布パターンを特定し、これを登録動作において特定したものと照合することで、画像表示装置100を特定していた。このような位置に基づく照合に加えて、各々の不良表示素子の大きさ又は形状に基づく照合を行ってもよい。
具体的には、制御部101は、不良表示素子分布パターンを記憶する際に、各不良表示素子の大きさ又は形状の少なくともいずれか一方を求め、それを表すデータを、不良素子分布パターンに含まれる各不良画像に対応付けてID管理テーブルに書き込む。そして、制御部101は、複写動作において取得した画像情報から、不良表示素子に相当する画像のほか、各画像の大きさ又は形状の少なくともいずれか一方を求める。そして、制御部101は、ID管理テーブルに記述された不良素子分布パターンと、上記大きさ又は形状と、複写動作において特定した不良表示素子分布パターンにおける不良表示素子と、大きさ又は形状とを照合して、一致するものを特定する。もちろんこの場合も、両者が完全一致しなくても、両者の差分が予め決められた閾値以内に収まる場合には、一致するとみなしてもよい。
この態様によれば、一致する不良表示素子をさらに精度良く照合することができる。
上述した実施形態においては、各電気泳動素子Pには、白色と黒色の2色に分けられた複数の顔料粒子を含む分散媒DMが封入されていたが、この顔料粒子の色は、1色のみでもよいし、白色や黒色以外であってもよい。例えば1色の場合、その顔料粒子を分散させる分散媒DMを当該顔料粒子の色と異なる光透過性の無い色に着色しておけばよい。このようにすると、画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧をかけることによって、顔料粒子が表面側に移動すれば、その色が表面に表示され、顔料粒子が裏面側に移動すれば、分散媒DMの色が表面に表示されるので、駆動電圧に応じた色で表示されるように、電気泳動素子Pを駆動させることができる。この場合、画像表示装置100がステップSA1、SA3で行う黒表示、白表示においては、顔料粒子の色に応じた色となるものの、表示面105全体が同一の色となるような画像を表示するため、実施形態と同じようにして不良表示素子分布パターンを特定することができる。
また、上述した実施形態では、画像表示装置100は薄型で可搬性の高い表示装置であったが、デスクトップコンピュータやモバイルコンピュータなどの表示装置であってもよい。また、実施形態では、画像表示システム1において、複写装置200と管理装置300とは別々の装置として設けられていたが、管理装置300が実現する機能を、複写装置200が実現する構成としてもよい。この場合、画像表示装置100と、管理装置及び複写装置が実現する機能の両方を実現可能な装置によって、画像表示システムが構成される。また、管理装置300が実現する機能と、複写装置200が実現する機能とをさらに分散して複数の装置に持たせても良い。
また、上述した管理装置300の制御部301や、複写装置200の制御部201が実行する制御プログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
Claims (10)
- 表示装置と、管理装置とを備え、
前記表示装置は、
複数の表示素子が並べられた表示面と、
前記表示素子を駆動して画像を表示する駆動手段とを備え、
前記管理装置は、
前記表示装置の前記表示面を読み取った画像を表す第1の画像情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段が取得した第1の画像情報の画像から、複数の前記表示素子のうち前記駆動手段によって駆動することができない不良表示素子に相当する画像領域を抽出し、抽出した画像領域の位置に基づいて、前記表示面における前記不良表示素子の分布状況を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段が特定した分布状況と、前記表示装置に対する処理の制限に関する制限情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって前記分布状況及び前記制限情報が記憶された後に、前記表示装置の前記表示面を読み取った画像を表す第2の画像情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段が取得した第2の画像情報の画像から、前記不良表示素子に相当する画像領域を抽出し、抽出した画像領域の位置に基づいて、前記表示面における前記不良表示素子の分布状況を特定する第2の特定手段と、
前記第2の特定手段によって特定された前記分布状況と、前記記憶手段に記憶されている前記分布状況とを照合し、その一致度が閾値以上であるか否かを判断する照合手段と、
前記照合手段によって前記一致度が閾値以上と判断された分布状況に対応付けて前記記憶手段に記憶されている制限情報による制限の範囲内で、前記表示装置に対する処理又は当該表示装置に表示された画像に対する処理を実行する処理手段とを備える
ことを特徴とする画像表示システム。 - 前記表示素子には、着色された複数の帯電粒子を分散させた液体が封入されており、
前記駆動手段は、前記表示素子に対する電界の方向を変化させて、当該表示素子に封入されている液体内の前記帯電粒子を移動させることにより、画像を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。 - 前記表示装置は、
複数の前記表示素子のうち前記不良表示素子の分布状況を特定するための画像を表示させるよう、前記駆動手段に指示する第1の指示手段と、
画像データに応じた画像を表示させるよう、前記駆動手段に指示する第2の指示手段と
を備え、
前記管理装置の前記第1の取得手段は、前記不良表示素子の分布状況を特定するための画像が表示されている前記表示面を読み取った画像を表す第1の画像情報を取得し、
前記管理装置の前記第2の取得手段は、前記画像データに応じた画像が表示されている前記表示面を読み取った画像を表す第2の画像情報を取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示システム。 - 前記第1の指示手段は、前記分布状況を特定するための画像として、前記表示面の全体が同一の色となる画像を表示させるよう、前記駆動手段に指示する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示システム。 - 前記表示装置の表示面を読み取り、読み取った画像を表す画像情報を生成する画像読取手段と、前記画像読取手段によって生成された画像情報に応じた内容の画像を印刷する印刷手段とを有する複写装置を備え、
前記記憶手段は、前記制限情報として、前記第2の取得手段が取得した第2の画像情報の印刷の可否を記憶しており、
前記第1の取得手段は、前記分布状況を特定するための画像が表示された前記表示装置の表示面を前記複写装置の前記画像読取手段が読み取った画像を表す第1の画像情報を取得し、
前記第2の取得手段は、前記画像データに応じた画像が表示された前記表示装置の表示面を前記複写装置の前記画像読取手段が読み取った画像を表す第2の画像情報を取得し、
前記処理手段は、
前記制限情報として、前記第2の画像情報の印刷が可であることが前記記憶手段に記憶されている場合に、前記複写装置の前記印刷手段に対して、前記第2の画像情報に応じた画像を印刷させることを許可する処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像表示システム。 - 表示装置における複数の表示素子が並べられた表示面を読み取った画像を表す第1の画像情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段が取得した第1の画像情報の画像から、複数の前記表示素子のうち前記駆動手段によって駆動することができない不良表示素子に相当する画像領域を抽出し、抽出した画像領域の位置に基づいて、前記表示面における前記不良表示素子の分布状況を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段が特定した分布状況と、前記表示装置に対する処理の制限に関する制限情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって前記分布状況及び前記制限情報が記憶された後に、前記表示装置の前記表示面を読み取った画像を表す第2の画像情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段が取得した第2の画像情報の画像から、前記不良表示素子に相当する画像領域を抽出し、抽出した画像領域の位置に基づいて、前記表示面における前記不良表示素子の分布状況を特定する第2の特定手段と、
前記第2の特定手段によって特定された前記分布状況と、前記記憶手段に記憶されている前記分布状況とを照合し、その一致度が閾値以上であるか否かを判断する照合手段と
前記照合手段によって前記一致度が閾値以上と判断された分布状況に対応付けて前記記憶手段に記憶されている制限情報による制限の範囲内で、前記表示装置に対する処理又は当該表示装置に表示された画像に対する処理を実行する処理手段と
を備えることを特徴とする管理装置。 - 前記第1の取得手段は、前記不良表示素子の分布状況を特定するための画像が表示されている前記表示面を読み取った画像を表す第1の画像情報を取得し、
前記第2の取得手段は、前記画像データに応じた画像が表示されている前記表示面を読み取った画像を表す第2の画像情報を取得する
ことを特徴とする請求項6に記載の管理装置。 - 前記記憶手段は、前記分布状況に対応付けて前記画像データを記憶すると共に、当該画像データに対する処理の制限に関する情報を前記制限情報として記憶しており、
前記第2の取得手段が取得した第2の画像情報と、前記記憶手段に記憶された画像データとを照合し、その一致度が閾値以上である画像データを特定する画像特定手段をさらに備え、
前記処理手段は、前記照合手段によって前記一致度が閾値以上と判断された分布状況及び前記画像特定手段によって特定された画像データに対応付けて前記記憶手段に記憶された制限情報による制限の範囲内で、前記表示装置に対する処理又は当該表示装置に表示された画像に対する処理を実行する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の管理装置。 - 前記記憶手段は、前記制限情報として、前記第2の取得手段が取得した第2の画像情報の出力の可否を記憶し、
前記処理手段は、当該制限情報として、前記第2の画像情報の出力が可であることが前記記憶手段に記憶されている場合に、前記第2の画像情報を出力する
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の管理装置。 - コンピュータを、
表示装置における複数の表示素子が並べられた表示面を読み取った画像を表す第1の画像情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段が取得した第1の画像情報の画像から、複数の前記表示素子のうち前記駆動手段によって駆動することができない不良表示素子に相当する画像領域を抽出し、抽出した画像領域の位置に基づいて、前記表示面における前記不良表示素子の分布状況を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段が特定した分布状況と、前記表示装置に対する処理の制限に関する制限情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって前記分布状況及び前記制限情報が記憶された後に、前記表示装置の前記表示面を読み取った画像を表す第2の画像情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段が取得した第2の画像情報の画像から、前記不良表示素子に相当する画像領域を抽出し、抽出した画像領域の位置に基づいて、前記表示面における前記不良表示素子の分布状況を特定する第2の特定手段と、
前記第2の特定手段によって特定された前記分布状況と、前記記憶手段に記憶されている前記分布状況とを照合し、その一致度が閾値以上であるか否かを判断する照合手段と
前記照合手段によって前記一致度が閾値以上と判断された分布状況に対応付けて前記記憶手段に記憶されている制限情報による制限の範囲内で、前記表示装置に対する処理又は当該表示装置に表示された画像に対する処理を実行する処理手段と
して機能させるためのプログラム。
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