JP2009156353A - 真空断熱材およびそれを用いた機器 - Google Patents

真空断熱材およびそれを用いた機器 Download PDF

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Abstract

【課題】
断熱特性の優れた真空断熱材およびそれを備えた機器を提供する。
【解決手段】
ガスバリア性を有する外包材と、外包材中に入れられた無機繊維の芯材とを有し、内部を減圧した真空断熱材において、前記ガスバリア性を有する外包材の表面に突起を形成し、真空断熱材を作製する。前記突起は内面側、外面側のいずれでもよく、また両方に設けることも可能である。前記突起は有機物でも無機物でもよく、その形状は柱状,錘状等が良い。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱影響を遮断する真空断熱材と、それを用いた機器に関する。
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品を含め種々の製品に対し消費電力等のエネルギー削減が望まれている。例えば、冷蔵庫の消費電力は庫内の負可量が一定であれば、冷却用圧縮機の効率を向上させたり、熱漏洩量に関与する断熱材の断熱性能を向上させることにより、消費するエネルギーが削減できる。これまで、熱伝導率を低減するための断熱材として真空断熱材が開発され、冷蔵庫や冷凍庫等に多く使用されてきた。発泡ウレタン等の断熱材に比べ、真空断熱材は熱伝導率が非常に小さい。
また、近年、冷蔵庫の内容積は増加の傾向を示している。断熱材すなわち壁の厚さを薄くすることで、冷蔵庫の内容積は外形寸法を同一とした場合、大きくできる。壁の厚さを薄くすると断熱性能が低くなってしまうため、この断熱性能の低下を補うため真空断熱材にはより低い熱伝導率が求められている。
特許文献1は、無機繊維からなる芯材をガスバリア性フィルムで覆い、内部を減圧密封した真空断熱材が記載されている。
特許文献2は、芯材と該芯材を収納し内部を減圧状態に維持できる外包材を備えた真空断熱材が記載されている。
特開2001−336691号公報 特開2006−153199号公報
真空断熱材では、低い熱伝導率を長期間保持するため、ガスバリア層としてアルミの蒸着層または薄箔を用いることが必要となる。しかしながら、アルミニウム金属は熱伝導率が非常に大きいため、熱がアルミニウム部分を伝わって移動するところでヒートブリッジが発生し、断熱性能の熱漏洩量に悪影響を及ぼす。
特許文献1には、芯材として無機繊維からなるシート状成形体を用い、ガスバリア性フィルムとして金属箔とプラスチックフィルムが積層されたラミネートフィルムまたは金属の蒸着が施されたプラスチックフィルムを用いた真空断熱材が記載されている。熱伝導率は0.0035〜0.0045(W/m・K)である。
また、特許文献2には、芯材としてシート状有機繊維集合体を用い、外包材としては、ナイロン,アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート,アルミ箔,高密度ポリエチレン等の積層物を用いる真空断熱材が記載されている。熱伝導率は最小でも0.003(W/m・K)である。
本発明は、冷蔵庫等の各種機器のさらなる高効率化,大容量化のため、これらの特許文献1,2に記載された真空断熱材の熱伝導率よりもさらに低い熱伝導率の真空断熱材を提供することにある。
上記本願の課題を解決する本発明の特徴は、ガスバリア性を有する外包材中に無機繊維の芯材をいれ、内部を減圧した真空断熱材において、前記ガスバリア性を有する外包材の表面に突起を有することを特徴とする真空断熱材にある。
外包材は、気体・液体を遮断するガスバリア層と、外包材を袋形状にするための溶着層を備える。さらに、強度向上等のためのオーバーコート層や、その他の有機・無機薄膜よりなるを付して多層膜としてもよい。外包材に突起を形成するためには、ガスバリア層やその他の表面を凹凸としてもよいし、溶着層に凹凸を形成してもよい。
真空断熱材中の伝熱は、断熱材中の固体および気体によりおこる。通常、真空断熱材中は減圧されており気体による伝熱は無視できる。従って、真空断熱材は、固体中を伝わる熱に大きな影響を受ける。特に、真空断熱材は内部を減圧して作製することから、大気による圧力を受けている。圧力を受けた状態では、芯材と外包材または真空断熱材を貼り付けた機器の面と外包材の接触面で、熱の伝達が起こる。
外包材表面に突起を形成することで、芯材と外包材、外包材と断熱対象の機器との接触を面での接触から点での接触とする。その結果、熱抵抗を増大させることが可能となる。突起形状部分の材質は特に問わないが、熱伝導率の小さい材質で構成するとさらに熱伝導率を小さくすることができる。
突起の形状としては四角柱,四角錐,円柱,円錐等が考えられるが、特に接触熱抵抗増大のためには錐形状の突起を用いることが望ましい。また、突起の長さは熱抵抗に大きな影響を与える。突起は長い(高い)ほうが好ましく、特に30μm以上の長さを有すると高い断熱性能を有する。
突起は、有機物でも無機物でもよい。例えば外包材が有機物−無機物−有機物の多層膜となっている場合には、表面の有機物に凹凸を形成することもできるし、内部の無機物膜を凹凸形状とし、表面に有機物をコートすることもよい。外包材は内面側に溶着層を有する場合が多いため、外包材と芯材との断熱性能の向上の際には、溶着層を突起形状とすることが好ましい。溶着層部分を熱可塑性樹脂で構成すると、突起を形成することが特に容易である。
また、上記課題を解決する本発明は、上記の真空断熱材を採用した断熱箱体もしくはそれを用いた機器である。上記の真空断熱材を採用することで、熱漏洩量を低減した機器を提供できる。対象となる機器は、例えば冷蔵庫,給湯器,電気温水器,保温浴槽,インバータモジュール,太陽集熱装置等であり、機器全体または機器の内部の発熱部の熱影響を断熱できる。また、その結果、消費電力量を低減することが可能となる。
上記構成によれば、接触熱抵抗の増大を図ることで、熱伝導率の小さい真空断熱材を提供できる。また、真空断熱材を機器に用いて、熱影響を遮断し、消費電力量を低減した省エネ機器を提供することができる。
従来の真空断熱材、及び本発明の真空断熱材の構成例について、図面を参照して説明する。図1は従来の真空断熱材の構成を示す図である。図1(a)に示すように、真空断熱材は、芯材と、水分や気体を除去するゲッター剤を、外包材で覆い、外包材の一部を溶着等で固着して袋形状とし、内部を減圧して封止した構成を有する。また、図1(b)に示すように、外包材としては、内面側より袋形状とするための溶着層,水や気体を遮断するガスバリア層,衝撃からガスバリア層を保護するオーバーコート層が形成されている。
一方、図2は本発明の真空断熱材の構成を示す図である。図2(b)に示すとおり、外包材の内面側、溶着層の表面を凹凸形状とした例である。真空断熱材の熱伝導は外包材内部の固体の熱伝導とガスの熱伝導の和であらわされる。真空断熱材内部は減圧されていることから、ガスの熱伝導はほぼ無視できる状態にあるため、固体の熱伝導が重要となる。従来の真空断熱材は外包材と芯材、もしくは外包材と保温される機器とが面で接触しているため、真空断熱材の熱伝導が大きくなっていた。本発明は外包材の表面に突起を設けて、接触面積を低減したことにより、熱伝導率を低減した。このように外包材の表面に形成した突起は、芯材と外包材との接触熱抵抗を増大させ、真空断熱材の熱伝導率を小さくできる。芯材は、グラスウール等、結合剤を含有しない無機繊維を用いることが好ましい。
外包材としては、現在用いられているようにガスバリア層の全面に有機フィルムを接着剤で接着したラミネート材がよい。例えば、ガスバリア層としてアルミ箔,アルミ蒸着,エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂フィルム,ポリエステルフィルム等を貼り合わせ、オーバーコート層にナイロンフィルムを貼り付けている。ガスバリア性の高い有機樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA),ポリエチレンビニルアルコール(EVOH),ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等があげられる。また、外包材の外層(オーバーコート層)には、ナイロン等が用いられる。
外包材の溶着層としては、高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,無延伸ポリプロピレン等が用いられる。また、高温(100℃以上)となる部分への真空材の適用も望まれており、高温部には2軸延伸ポリプロピレン(CPP)を溶着層とすることが望ましい。
芯材としては、無機繊維を用いることが好ましい。無機繊維の芯材は、グラスウールが好ましい。グラスウールの平均繊維径により熱伝導率やコストが大きく異なる。平均繊維径は3〜5μmを有するものが熱伝導率・コストの面より好ましい。この繊維径のものは、熱流路がジグザクとなり接触抵抗以外でも熱抵抗を増大させ、熱伝導率を低くさせることができる。また、バインダーの結合材を含まないものが好ましい。バインダーよりアウトガスが生じ、熱伝導率が高くなることを避けるためである。また、ポリエチレンテレフタレート繊維などの有機樹脂繊維を用いることもできる。
ゲッター剤は乾燥させて用いることにより、減圧封止した後に水分やガス成分を除去することができる。その結果、真空度を保持し、熱伝導率の低減に寄与する。モレキュラシーブ,シリカゲル,酸化カルシウム,合成ゼオライト,活性炭等が挙げられ、適宜これらを混合して使用してもよい。特に、外部からの水分等が再び吸着しにくい疎水性モレキュラシーブが好ましい。
外包材の表面に設けられた突起は、内面の芯材と接触する部分か、外面の断熱すべき発熱部または保温部との接触面に設けられる。有機物よりなるものとすると形成が容易で好ましい。また、特に内面側に突起を形成する場合は、溶着層と同一材質で突起を形成することが好ましい。断熱性能を向上させるため、長さ30μm以上であることが好ましい。
突起の形状としては接触面積を低下させることができる形状であれば、特に形状は問わないが、四角柱,四角錐,円柱,円錐等が挙げられる。形成した突起については、光学顕微鏡,走査型電子顕微鏡等で形状を確認することができる程度の大きさを有することが適当である。
外包材表面に形成される突起の数は、突起の素材や大きさに応じて任意に設定することが可能である。例えば、突起を形成しない場合に接触する面積を100とした場合、突起を形成した後の接触面積が1〜50となるように形成すると、充分な断熱性能の向上が見込まれる。
外包材表面の突起はどのように形成してもよく、外包材の表面を加工したり、凹凸を有する基材を用いて得られるものである。例えば有機物よりなる最外層に凹凸を形成するための加工方法としては、従来の外包材をラミネート等で作成した後、所定の形状に加工した型材を外包材表面に配置し、加熱圧着する方法で形成することが可能である。加熱圧着する際の温度は、加工する物質により変化する。他の加工方法としてはエンボス加工等が挙げられる。また、外包材表面に所定形状のマスクを形成後、印刷,スパッタ等を用い突起を形成した後、マスクを除去する方法等も挙げられる。
上記真空断熱材は、被保温部と、被保温部の温度状態を保つための断熱部材とを有する断熱箱体に使用される。上記断熱部材は、本発明の真空断熱材よりなる。特に、熱交換部を有し、断熱が必要となる機器全般に使用することが好ましい。真空断熱材を配置する場合には、真空断熱材の突起を被保温部の熱拡散方向に平行とすることが好ましい。
上記の断熱箱体は、例えば冷蔵庫,冷凍庫等の冷気を保持する機器や、給湯機・保温浴槽等の発熱体または高温部を保温する機器に用いられる。他にも、給湯器,電気温水器,保温浴槽等にも使用可能である。図3は、冷蔵庫の庫内スペースの周辺に使用した例、図4は、給湯器の庫内スペースの周辺に使用した例、図5は、電気温水器の庫内スペースの周辺に使用した例、図6は、保温浴槽の周辺に使用部した例である。
〔実施例〕
本実施例では、外包材の内面側に突起を形成し、芯材と外包材との断熱性能を向上させた例について説明する。外包材の内面側に突起を形成する場合、ガスバリア層等に凹凸を設けてもよいが、本実施例では、溶着層を凹凸形状とした。上述の通り、溶着層を熱可塑性樹脂とすると、溶着性能が高いとともに、突起の形成が比較的容易となる。
実施例・比較例に用いた真空断熱材について、以下詳細に説明する。本発明者らは、本発明の実施例1〜4の外包材と、比較例1,2の外包材を作成し、それぞれの性能を確認した。
本発明の外包材として、ナイロンフィルム(厚さ15μm),アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm),エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm),高密度ポリエチレンフィルム(厚さ100μm)をラミネートして作製した外包材の高密度ポリエチレン側に四角柱形状を形成した型を熱圧着し、表面に四角柱状の突起を有す外包材を作製した。形成した突起の長さを光学顕微鏡で観察したところ50μmであった。グラスウールとの接触面積は突起を形成しない場合を100として50となるように配置した。
真空断熱材は、上記外包材の3辺部をヒートシーラーで熱溶着後、平均繊維径3μmのグラスウール(サイズ:250mm×250mm×100mm)およびゲッター剤としてモレキュラシーブを挿入後、真空チャンバー内に設置してチャンバー内の圧力が1.3Paになるまで真空包装機のロータリーポンプ10分間、拡散ポンプで10分間排気させた。その後、端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、1.5mW/m・Kであり、比較例1に記載の突起を形成しない外包材を用いた場合と比較して小さな熱伝導率となった。
(真空断熱材実施例1を用いた冷蔵庫例)
冷蔵庫の箱体中に、真空断熱材実施例1を冷蔵庫の断熱部に挿入して使用した。真空断熱材を設けない場合と比して、消費電力量が約15%削減された。また、真空断熱材を用いることにより、従来の断熱材よりも断熱層を薄くでき、装置容積に対して庫内スペースを広くすることができた。
本発明の外包材として、ナイロンフィルム(厚さ15μm),アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm),エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm),高密度ポリエチレンフィルム(厚さ50μm)をラミネートして作製した外包材の高密度ポリエチレン側に四角錐形状を形成した型を熱圧着し、表面に四角錐状の突起を有す外包材を作製した。形成した突起の長さを光学顕微鏡で観察したところ30μmであった。グラスウールとの接触面積は突起を形成しない場合を100として10となるように配置した。
真空断熱材は、上記外包材の3辺部をヒートシーラーで熱溶着後、平均繊維径3μmのグラスウール(サイズ:250mm×250mm×100mm)およびゲッター剤としてモレキュラシーブを挿入後、真空チャンバー内に設置してチャンバー内の圧力が1.3Paになるまで真空包装機のロータリーポンプ10分間、拡散ポンプで10分間排気させた。その後、端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、1.4mW/m・Kであり、比較例1に記載の突起を形成しない外包材を用いた場合と比較して小さな熱伝導率となった。
(真空断熱材実施例2を用いた冷蔵庫例)
冷蔵庫の箱体中に、真空断熱材実施例2を冷蔵庫の断熱部に挿入して使用した。真空断熱材を設けない場合と比して、消費電力量が約15%削減された。また、真空断熱材を用いることにより、従来の断熱材よりも断熱層を薄くでき、装置容積に対して庫内スペースを広くすることができた。
本発明の外包材として、ナイロンフィルム(厚さ15μm),アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm),エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm),無延伸ポリプロピレン(厚さ100μm)をラミネートして作製した外包材の高密度ポリエチレン側に円柱形状を形成した型を熱圧着し、表面に円柱状の突起を有す外包材を作製した。形成した突起の長さを光学顕微鏡で観察したところ50μmであった。グラスウールとの接触面積は突起を形成しない場合を100として50となるように配置した。
真空断熱材は、上記外包材の3辺部をヒートシーラーで熱溶着後、平均繊維径5μmのグラスウール(サイズ:250mm×250mm×100mm)およびゲッター剤としてモレキュラシーブを挿入後、真空チャンバー内に設置してチャンバー内の圧力が1.3Paになるまで真空包装機のロータリーポンプ10分間、拡散ポンプで10分間排気させた。その後、端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、1.5mW/m・Kであり、比較例1に記載の突起を形成しない外包材を用いた場合と比較して小さな熱伝導率となった。
(真空断熱材実施例3を用いた給湯器,電気温水器例)
給湯器の貯湯タンク辺部に、実施例3で作製した真空断熱材を配置して使用した。
真空断熱材を設けない場合と比して、消費電力量が約5%削減された。また、真空断熱材を用いることにより、従来の断熱材よりも断熱層を薄くでき、装置容積に対して貯湯タンクの容量を大きくすることが可能となった。
更に、電気温水器の貯湯タンク辺部に、実施例3で作製した真空断熱材を配置して使用した。真空断熱材を設けない場合と比して、消費電力量が約5%削減された。また、真空断熱材を用いることにより、従来の断熱材よりも断熱層を薄くでき、装置容積に対して貯湯タンクの容量を大きくすることが可能となった。
本発明の外包材として、ナイロンフィルム(厚さ15μm),アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm),エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm),高密度ポリエチレンフィルム(厚さ100μm)をラミネートして作製した外包材の高密度ポリエチレン側に円錐形状を形成した型を熱圧着し、表面に円錐状の突起を有す外包材を作製した。形成した突起の長さを光学顕微鏡で観察したところ50μmであった。グラスウールとの接触面積は突起を形成しない場合を100として1となるように配置した。
真空断熱材は、上記外包材の3辺部をヒートシーラーで熱溶着後、平均繊維径3μmのグラスウール(サイズ:250mm×250mm×100mm)およびゲッター剤としてモレキュラシーブを挿入後、真空チャンバー内に設置してチャンバー内の圧力が1.3Paになるまで真空包装機のロータリーポンプ10分間、拡散ポンプで10分間排気させた。その後、端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、1.0mW/m・Kであり、比較例1に記載の突起を形成しない外包材を用いた場合と比較して小さな熱伝導率となった。
(真空断熱材実施例4を用いた冷蔵庫例)
冷蔵庫の箱体中に、真空断熱材実施例4を冷蔵庫の断熱部に挿入して使用した。真空断熱材を設けない場合と比して、消費電力量が約20%削減された。また、真空断熱材を用いることにより、従来の断熱材よりも断熱層を薄くでき、装置容積に対して庫内スペースを広くすることができた。
〔比較例1〕
比較例1の外包材として、ナイロンフィルム(厚さ15μm),アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm),エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm),高密度ポリエチレンフィルム(厚さ100μm)をラミネートして作製した外包材を用いた。
真空断熱材は、上記外包材の3辺部をヒートシーラーで熱溶着後、平均繊維径3μmのグラスウール(サイズ:250mm×250mm×100mm)およびゲッター剤としてモレキュラシーブを挿入後、真空チャンバー内に設置してチャンバー内の圧力が1.3Paになるまで真空包装機のロータリーポンプ10分間、拡散ポンプで10分間排気させた。その後、端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率を測定したところ、熱伝導率は2.5mW/m・Kであった。
〔比較例2〕
比較例2の外包材として、ナイロンフィルム(厚さ15μm),アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm),エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm),無延伸ポリプロピレン(厚さ100μm)をラミネートして作製した外包材を用いた。
真空断熱材は、上記外包材の3辺部をヒートシーラーで熱溶着後、平均繊維径5μmのグラスウール(サイズ:250mm×250mm×100mm)およびゲッター剤としてモレキュラシーブを挿入後、真空チャンバー内に設置してチャンバー内の圧力が1.3Paになるまで真空包装機のロータリーポンプ10分間、拡散ポンプで10分間排気させた。その後、端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率を測定したところ、熱伝導率は2.6mW/m・Kであった。
表1に実施例1ないし4、及び比較例1,2の真空断熱材の構成と、外包材表面に形成した突起形状,接触面積,初期熱伝導率を示す。
Figure 2009156353
実施例,比較例の真空断熱材の熱伝導率の測定は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて、20℃の条件で測定した。比較例1と実施例1,2,4,比較例2と実施例3を比較して明らかなとおり、突起を形成することによって熱伝導率を低くすることができた。
次に、外包材表面に形成する突起の形状および接触面積について検討を行った。実施例1と実施例4より明らかな通り、同じ高さの突起であっても、円錐形状として接触面積を小さくすることにより、熱伝導率を低くできた。また、接触面積よりも、突起の高さを変化させた場合に大きく熱伝導率が変化した。
また、上記の真空断熱材では、外包材の内面に突起を形成し、外包材と芯材との接触面を低減したが、外包材の外面側(断熱対象の機器等の側)に突起を形成してもよい。外面側に突起を形成しても熱伝導率は大きく低下するが、真空状態ではないため、内面側と比して熱伝導率が低くなる効果は小さい。
従来真空断熱材の断面模式図。 本発明真空断熱材の断面模式図。 本発明外包材の模式図。 本発明外包材の模式図。 本発明の真空断熱材を備えた冷蔵庫。 本発明の真空断熱材を備えた給湯機。 本発明の真空断熱材を備えた電気温水器。 本発明真空断熱材を備えた保温浴槽。
符号の説明
1 従来真空断熱材
2 従来外包材
3 グラスウール
4 ゲッター剤
5 溶着層
6 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム
7 エチレンビニル共重合フィルム
8 ナイロンフィルム
9 本発明真空断熱材
10 本発明外包材
11 円柱状突起
12 四角柱上突起
13 硬質ウレタンフォーム
14 箱体
15 冷蔵庫内箱
16 貯湯タンク
17 逃し弁
18 漏電遮断器
19 逃し弁操作バルブ
20 排水操作バルブ
21 排水管
22 元栓
23 給水管
24 止水バルブ
25 給湯配管
26 ヒートポンプユニット
27 貯湯タンクユニット
28 浴槽

Claims (10)

  1. ガスバリア性を有する外包材と、外包材に覆われた無機繊維よりなる芯材とを有し、外包材の内部を減圧した真空断熱材であって、
    前記外包材は表面に突起を有することを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1に記載された真空断熱材であって、前記突起は有機物よりなることを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1または2に記載された真空断熱材であって、前記突起は長さ30μm以上であることを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された真空断熱材であって、前記突起は、前記外包材の芯材との接触面に形成されていることを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された真空断熱材であって、前記突起は、前記外包材の芯材と反対側の面に形成されていることを特徴とする真空断熱材。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された真空断熱材であって、前記外包材は金属の薄膜と有機物の薄膜とのラミネート材よりなり、前記突起は、前記薄膜と同じ有機物よりなることを特徴とする真空断熱材。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載された真空断熱材であって、前記外包材は有機物よりなる溶着層を有し、前記突起は、前記溶着層と同一材質よりなることを特徴とする真空断熱材。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載された真空断熱材であって、
    前記芯材は平均繊維径3〜5μmのグラスウールであることを特徴とする真空断熱材。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載された真空断熱材であって、
    前記外包材はアルミ箔層またはアルミニウムを蒸着した有機膜層と、ポリエチレンよりなる溶着層を有し、前記ポリエチレン層は突起を有することを特徴とする真空断熱材。
  10. 被保温部と、前記被保温部の温度状態を保つ断熱部材とを有する断熱箱体であって、
    前記断熱部材は請求項1ないし9のいずれかに記載された真空断熱材であることを特徴とする断熱箱体。
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