JP2009156257A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュが回転して押し込み方向に移動するのを防止する。
【解決手段】シリンダヘッド2の上面に開口した収容穴11に挿入される筒状のハウジング12と、そのハウジング12の内周に形成された雌ねじ13にねじ係合する雄ねじ14を外周に有するアジャストスクリュ15と、そのアジャストスクリュ15をハウジング12から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリング17とを有し、アジャストスクリュ15のハウジング12からの突出端19でアーム7を支持するラッシュアジャスタ1において、アジャストスクリュ15の突出端19の表面を、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、一端部を支点として揺動可能に支持されたアームの中央部をカムで押し下げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたものが知られている。
この動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じるおそれがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じるおそれがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、動弁装置にラッシュアジャスタを組み込み、そのラッシュアジャスタで動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収することが多い。
このようなラッシュアジャスタとして、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入される筒状のハウジングと、そのハウジングの内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ハウジングから上方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有するものが知られている(特許文献1,2)。
ここで、特許文献1では、ハウジングから突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュに付与する圧縮コイルばねがリターンスプリングとして用いられている。また、特許文献2では、ハウジングから突出する方向の回転力をアジャストスクリュに付与するねじりばねがリターンスプリングとして用いられている。
これらのラッシュアジャスタは、アジャストスクリュのハウジングからの突出端が、動弁装置のアームに形成された凹部に嵌合し、その突出端を中心としてアームを揺動可能に支持する。ここで、カムの回転に応じてアームが揺動するとき、アジャストスクリュには押し込み方向の力が作用するが、アジャストスクリュの雄ねじとハウジングの雌ねじの間の摩擦力と、アジャストスクリュの突出端とアームの凹部の間の摩擦力とによってアジャストスクリュの回転が防止され、その結果、アジャストスクリュの軸方向位置が固定される。
また、動弁装置の熱膨張などによって、アームとシリンダヘッドの相対位置が変化したときは、その位置変化に応じて、アジャストスクリュがハウジング内を回転しながら軸方向に移動し、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
特開2005−273510号公報 実開昭64−34407号公報
ところで、エンジンの摺動面を潤滑するエンジンオイルとして、有機モリブデン入りのエンジンオイル(以下、「FMオイル」と言う)が使用されることが多い。このFMオイルを使用すると、二硫化モリブデン(MoS)を含む潤滑皮膜が鉄系金属の摺動面に形成され、その潤滑皮膜によって摺動面の摩擦係数を低減することが可能となる。有機モリブデンとしては、モリブデンジチオカーバメイト(MoDTC)やモリブデンジチオフォスフェート(MoDTP)が挙げられる。
一方、上記ラッシュアジャスタのアジャストスクリュは、ねじの剛性を確保するために鉄で形成されている。そのため、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合、アジャストスクリュの表面に潤滑皮膜が形成され、その潤滑皮膜によってアジャストスクリュとアームの間の摩擦が低減する。その結果、カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュが回転して押し込み方向に移動し、バルブリフト量が小さくなるおそれや、バルブがバルブシートに衝撃的に着座して異音を生じるおそれがあった。
同様に、上記ラッシュアジャスタのアームを鉄で形成した場合も、アームの表面に形成される潤滑皮膜によって、アジャストスクリュとアームの間の摩擦が低減し、カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュが回転して押し込み方向に移動しやすくなる問題があった。
この発明が解決しようとする課題は、カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュが回転して押し込み方向に移動するのを防止することである。
上記の課題を解決するため、前記アジャストスクリュのハウジングからの突出端の表面を、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成した。
前記アジャストスクリュの突出端の表面をオイル添加剤と非反応の材料とするため、前記アジャストスクリュを、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の非鉄金属で形成することができる。この場合、オイル添加剤と非反応の非鉄金属として、チタンやアルミを挙げることができる。
また、前記アジャストスクリュを鉄で形成する場合、そのアジャストスクリュの突出端に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜をコーティングすることにより、アジャストスクリュの突出端の表面をオイル添加剤と非反応の材料とすることができる。
また、前記アジャストスクリュを鉄で形成する場合、アジャストスクリュの突出端の表面に窒化化合物層を形成しても、アジャストスクリュの突出端の表面をオイル添加剤と非反応の材料とすることができる。
また、前記アジャストスクリュを鉄で形成する場合、そのアジャストスクリュの突出端に、ニッケルリンめっきを施しても、アジャストスクリュの突出端の表面をオイル添加剤と非反応の材料とすることができる。この場合、前記ニッケルリンめっきは、硬質微粒子(例えば、SiCや、Si)をめっき層中に分散させる分散めっきを採用すると、アジャストスクリュの突出端の耐摩耗性を向上させることができる。また、ニッケルリンめっきとして、PTFEをめっき層中に分散させる分散めっきを採用してもよい。
また、動弁装置のアームが鉄からなる場合、上記課題は、そのアームの前記凹部の表面を、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成することによっても解決することができる。
この場合も、アームの凹部に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜をコーティングすることにより、アームの凹部の表面をオイル添加剤と非反応の材料とすることができる。
また、アームの凹部の表面に窒化化合物層を形成しても、アームの凹部の表面をオイル添加剤と非反応の材料とすることができる。
また、アームの凹部に、ニッケルリンめっきを施しても、アームの凹部の表面をオイル添加剤と非反応の材料とすることができる。この場合、前記ニッケルリンめっきは、硬質微粒子をめっき層中に分散させる分散めっきを採用すると、アームの凹部の耐摩耗性を向上させることができる。また、ニッケルリンめっきとして、PTFEをめっき層中に分散させる分散めっきを採用してもよい。
この発明は、ハウジングから突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュに付与する圧縮コイルばねを前記リターンスプリングとして用いたラッシュアジャスタに適用することができ、この場合、前記雄ねじと雌ねじは鋸歯ねじを採用することができる。
また、この発明は、ハウジングから突出する方向の回転力をアジャストスクリュに付与するねじりばねを前記リターンスプリングとして用いたラッシュアジャスタにも適用することができ、この場合、前記雄ねじと雌ねじは鋸歯ねじ、三角ねじ、または台形ねじを採用することができる。
前記リターンスプリングを構成するねじりばねとしては、例えば、ねじりコイルばね、ゼンマイばね、竹の子ばねが挙げられる。
前記アジャストスクリュは、前記ハウジング内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材と、そのピボット部材のハウジングへの挿入端を支持し、前記雄ねじを外周に有する雄ねじ部材と、前記ピボット部材と雄ねじ部材の間に挟まれた弾性部材とで構成することができる。
この発明のラッシュアジャスタは、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合にも、アジャストスクリュのハウジングからの突出端の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、アジャストスクリュとアームの間の摩擦が低減しにくい。そのため、カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュが回転して押し込み方向に移動するのを防止することができる。
また、前記アームの凹部の表面を、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成したこの発明のラッシュアジャスタも、前記アームの凹部の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、アジャストスクリュとアームの間の摩擦が低減しにくい。そのため、カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュが回転して押し込み方向に移動するのを防止することができる。
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5と、カム6の回転に応じて揺動するアーム7とを有する。
バルブステム5は、バルブ4から上方に延び、シリンダヘッド2を摺動可能に貫通している。バルブステム5の上部外周には、環状のスプリングリテーナ8が固定され、スプリングリテーナ8の下面とシリンダヘッド2の上面の間にバルブスプリング9が組み込まれている。バルブスプリング9は、スプリングリテーナ8を介してバルブステム5を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ4をバルブシート10に着座させている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ1は、シリンダヘッド2の上面に開口した収容穴11に挿入される筒状のハウジング12と、ハウジング12の内周に形成された雌ねじ13にねじ係合する雄ねじ14を下部外周に有するアジャストスクリュ15と、ハウジング12の下端に固定された底部材16と、アジャストスクリュ15と底部材16の間に組み込まれたリターンスプリング17とからなる。
雄ねじ14と雌ねじ13は、軸線に沿った断面形状が非対称形状の鋸歯状に形成されており、アジャストスクリュ15をハウジング12に押し込む方向の力が作用したときに圧力を受ける圧力側フランクのフランク角が、遊び側フランクのフランク角よりも大きくなっている。
リターンスプリング17は圧縮コイルばねである。リターンスプリング17は、下端が底部材16で支持され、上端がスプリングシート18を介してハウジング12から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ15に付与している。その軸方向力によって、アジャストスクリュ15は、ハウジング12から上方に突出する方向に付勢されている。
図1に示すように、アーム7は、一方の端部下面に、アジャストスクリュ15のハウジング12からの突出端19に嵌合する凹部20を有し、アジャストスクリュ15の突出端19を中心として揺動可能に支持されている。また、アーム7の他方の端部下面は、バルブステム5の上端に接触し、アーム7の中央部には、アーム7の上方に配置されたカム6に接触するローラ21が取り付けられている。
図2に示すように、アジャストスクリュ15の突出端19は、半球状に形成されている。また、アジャストスクリュ15は、FMオイルのオイル添加剤と非反応の非鉄金属(例えば、チタンやアルミ)で形成され、これにより、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合にも、アジャストスクリュ15の突出端19の表面に、二硫化モリブデン(MoS)を含む潤滑皮膜が形成されないようになっている。一方、アーム7は、アルミ合金で形成されている。
次に、ラッシュアジャスタ1の動作例を説明する。
エンジンの作動によりカム6が回転して、カム6のカム山部6aがアーム7を押し下げると、バルブ4がバルブシート10から離れて、吸気ポート3を開く。このとき、アジャストスクリュ15に押し込み方向の力が作用するが、アジャストスクリュ15の雄ねじ14とハウジング12の雌ねじ13の間の摩擦力と、アジャストスクリュ15の突出端19とアーム7の凹部20の間の摩擦力とによってアジャストスクリュ15の回転が防止され、その結果、アジャストスクリュ15の軸方向位置が固定される。
さらに、カム6が回転して、カム山部6aがローラ21の位置を過ぎると、バルブスプリング9の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート10に着座して、吸気ポート3を閉じる。
なお、厳密には、カム6のカム山部6aがアーム7を押し下げるとき、雄ねじ14の圧力側フランクと雌ねじ13の圧力側フランクとの間で微小な滑りが生じるが、カム山部6aがローラ21の位置を通り過ぎてから再びローラ21の位置に来るまでの間、アジャストスクリュ15に作用する押し込み方向の荷重が解除されるので、リターンスプリング17の付勢力によってアジャストスクリュ15の位置は元に戻る。
また、エンジン作動中に、シリンダヘッド2、バルブステム5、アーム7など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、カム6とアーム7の間の距離が大きくなったときは、リターンスプリング17の付勢力によってアジャストスクリュ15が回転しながら突出方向に移動するので、カム6のベースサークル6bとローラ21の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート10の接触面が摩耗したときは、カム6のベースサークル6bがローラ21の位置にあるときにも、バルブスプリング9の付勢力がアジャストスクリュ15に押し込み荷重としてかかり続けるため、カム山部6aがローラ21の位置を通過する時に生じる雄ねじ14と雌ねじ13の間で生じる微小な滑りが累積され、アジャストスクリュ15が押し込み方向に徐々に移動する。その結果、バルブステム5が上昇するので、バルブ4とバルブシート10の接触面間に隙間が生じない。
このラッシュアジャスタ1は、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合にも、アジャストスクリュ15のハウジング12からの突出端19の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、アジャストスクリュ15とアーム7の間の摩擦が低減しにくい。そのため、カム6の回転によりアジャストスクリュ15に押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュ15が回転して押し込み方向に移動するのを防止することができる。
上記実施形態では、アジャストスクリュ15の突出端19の表面を、FMオイルのオイル添加剤と非反応の材料とするために、アジャストスクリュ15をFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成したが、図3に示すように、アジャストスクリュ15を鉄で形成し、そのアジャストスクリュ15の突出端19に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜22をコーティングしてもよい。
この場合、非反応皮膜22は、アジャストスクリュ15の突出端19にのみコーティングしてもよいが、雄ねじ14を含むアジャストスクリュ15の表面全体にコーティングすると好ましい。このようにすると、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が雄ねじ14の表面に形成されるのを防止して、雄ねじ14と雌ねじ13の間の摩擦力を確保することができる。
また、アジャストスクリュ15の突出端19の表面をFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料とするために、アジャストスクリュ15に窒化処理を施し、アジャストスクリュ15の突出端19の表面に窒化化合物層を形成してもよい。
また、アジャストスクリュ15の突出端19の表面をFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料とするために、アジャストスクリュ15の突出端19にニッケルリンめっきを施してもよい。この場合、ニッケルリンめっきは、硬質微粒子(例えば、SiCや、Si)をめっき層中に分散させる分散めっきを採用すると、アジャストスクリュ15の突出端19の耐摩耗性を向上させることができる。また、ニッケルリンめっきとして、PTFEをめっき層中に分散させる分散めっきを採用してもよい。
上記実施形態では、アーム7をアルミ合金で形成したが、アーム7を鉄で形成する場合、図4に示すように、アーム7の凹部20に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜23をコーティングし、これにより、凹部20の表面を、FMオイルのオイル添加剤と非反応の材料とすると好ましい。このようにしても、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合に、凹部20の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、アジャストスクリュ15とアーム7の間の摩擦が低減しにくい。そのため、カム6の回転によりアジャストスクリュ15に押し込み方向の力が作用したときに、アジャストスクリュ15が回転して押し込み方向に移動するのを防止することができる。
また、アーム7の凹部20の表面をFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料とするために、アーム7に窒化処理を施し、アーム7の凹部20の表面に窒化化合物層を形成してもよい。
また、凹部20の表面をFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料とするために、凹部20にニッケルリンめっきを施してもよい。この場合、ニッケルリンめっきは、硬質微粒子(例えば、SiCや、Si)をめっき層中に分散させる分散めっきを採用すると、凹部20の耐摩耗性を向上させることができる。また、ニッケルリンめっきとして、PTFEをめっき層中に分散させる分散めっきを採用してもよい。
図5に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ31を示す。以下、第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
アジャストスクリュ15は、ハウジング12内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材15Aと、そのピボット部材15Aのハウジング12への挿入端を支持し、雄ねじ14を外周に有する雄ねじ部材15Bと、ピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bの間に挟まれたばね座金15Cとからなる。ばね座金15Cとしては、例えば、皿ばね座金や波形座金などを用いることができる。
ピボット部材15Aは、FMオイルのオイル添加剤と非反応の非鉄金属(例えば、チタンやアルミ)で形成されている。雄ねじ部材15Bも、FMオイルのオイル添加剤と非反応の非鉄金属で形成されている。
リターンスプリング17はねじりコイルばねである。リターンスプリング17は、その下端が、底部材16に形成された係止孔32に係止し、上端が、雄ねじ部材15Bに形成された係止孔33に係止しており、そのねじり変形によって、ピボット部材15Aがハウジング12から突出する方向の回転力を雄ねじ部材15Bに付与している。
このラッシュアジャスタ31は、第1実施形態と同様、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合にも、ピボット部材15Aのハウジング12からの突出端19の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、ピボット部材15Aとアーム7の間の摩擦を確保しやすい。そのため、カム6の回転によりピボット部材15Aに押し込み方向の力が作用したときに、ピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bが回転して押し込み方向に移動するのを防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ31は、雄ねじ部材15Bが、FMオイルのオイル添加剤と非反応の非鉄金属からなるので、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が雄ねじ14の表面に形成されにくく、雄ねじ14と雌ねじ13の間の摩擦を確保しやすい。そのため、カム6の回転によりピボット部材15Aに押し込み方向の力が作用したときに、ピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bが回転して押し込み方向に移動するのをより確実に防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ31は、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、雄ねじ部材15Bとピボット部材15Aの間のばね座金15Cが圧縮することにより、その収縮差が吸収される。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ4とバルブシート10の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
この実施形態では、ピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bの間に挟む弾性部材としてばね座金15Cを使用したが、ばね座金15Cにかえて他の弾性部材(例えば、圧縮コイルばね)を使用してもよい。
リターンスプリング17としてねじりコイルばねを用いる場合、リターンスプリング17は、図5に示すように、円筒状に巻いたものを用いてもよく、図6に示すように、円錐形に巻いたものを用いてもよい。
図7に、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタ41を示す。このラッシュアジャスタ41は、第2実施形態のリターンスプリング17をゼンマイばねとしたものである。以下、第2実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
雄ねじ部材15Bの外周の雄ねじ14と、ハウジング12の内周の雌ねじ13は、上下対称の三角ねじである。
リターンスプリング17は、薄板状の素材を螺旋状に巻いたゼンマイばねである。リターンスプリング17は、その大径端がハウジング12の底部材16に回り止めされ、小径端が、雄ねじ部材15Bのハウジング12内への挿入端の突起42に形成したスリットに差し込まれており、そのねじり変形によって、ピボット部材15Aがハウジング12から突出する方向の回転力を雄ねじ部材15Bに付与している。
このラッシュアジャスタ41は、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合にも、ピボット部材15Aのハウジング12からの突出端19の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、ピボット部材15Aとアーム7の間の摩擦を確保しやすい。
図8、図9に、この発明の第4実施形態のラッシュアジャスタ51を示す。このラッシュアジャスタ51は、第2実施形態のリターンスプリング17を竹の子ばねとしたものである。以下、第2実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
雄ねじ部材15Bの外周の雄ねじ14と、ハウジング12の内周の雌ねじ13は、上下対称の台形ねじである。
リターンスプリング17は、薄板状の素材を螺旋状に巻いた竹の子ばねである。リターンスプリング17は、その大径端がハウジング12の底部材16に回り止めされ、小径端が、雄ねじ部材15Bのハウジング12内への挿入端の突起52に形成されたスリットに差し込まれており、そのねじり変形によって、ピボット部材15Aがハウジング12から突出する方向の回転力を雄ねじ部材15Bに付与している。
このラッシュアジャスタ51は、エンジンオイルとしてFMオイルを用いた場合にも、ピボット部材15Aのハウジング12からの突出端19の表面に、二硫化モリブデンを含む潤滑皮膜が形成されにくく、ピボット部材15Aとアーム7の間の摩擦を確保しやすい。
上記第2〜第4実施形態では、ピボット部材15AをFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成したが、ピボット部材15Aを鉄で形成し、そのピボット部材15Aの突出端19に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜をコーティングしてもよい。このようにすると、ピボット部材15AをFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成する場合よりも、ピボット部材15Aの材料コストを低減することが可能となる。
同様に、ピボット部材15Aを鉄で形成する場合、そのピボット部材15Aの突出端19の表面に窒化化合物層を形成してもよく、ピボット部材15Aの突出端19にニッケルリンめっきを施してもよい。ニッケルリンめっきは、硬質微粒子をめっき層中に分散させる分散めっきを採用すると、ピボット部材15Aの突出端19の耐摩耗性を向上させることができる。
また、雄ねじ部材15Bも鉄で形成し、その雄ねじ部材15Bの表面に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜をコーティングしてもよい。このようにすると、雄ねじ部材15BをFMオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成する場合よりも、雄ねじ部材15Bの材料コストも低減することが可能となる。
この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図1のアジャストスクリュの突出端近傍の拡大断面図 図2に示すアジャストスクリュの変形例を示す拡大断面図 図3に示すアームの変形例を示す拡大断面図 この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 図5に示すラッシュアジャスタの変形例を示す拡大断面図 この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 この発明の第4実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 図8のIX−IX線に沿った断面図
符号の説明
1 ラッシュアジャスタ
2 シリンダヘッド
7 アーム
11 収容穴
12 ハウジング
13 雌ねじ
14 雄ねじ
15 アジャストスクリュ
15A ピボット部材
15B 雄ねじ部材
15C ばね座金
17 リターンスプリング
19 突出端
20 凹部
22 非反応皮膜
23 非反応皮膜
31 ラッシュアジャスタ
41 ラッシュアジャスタ
51 ラッシュアジャスタ

Claims (17)

  1. シリンダヘッド(2)の上面に開口した収容穴(11)に挿入される筒状のハウジング(12)と、そのハウジング(12)の内周に形成された雌ねじ(13)にねじ係合する雄ねじ(14)を外周に有するアジャストスクリュ(15)と、そのアジャストスクリュ(15)を前記ハウジング(12)から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリング(17)とを有し、前記アジャストスクリュ(15)のハウジング(12)からの突出端(19)で動弁装置のアーム(7)を支持するラッシュアジャスタにおいて、前記アジャストスクリュ(15)の突出端(19)の表面を、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成したことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記アジャストスクリュ(15)が、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の非鉄金属からなる請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記アジャストスクリュ(15)が鉄からなり、そのアジャストスクリュ(15)の突出端(19)に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜(22)がコーティングされた請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記アジャストスクリュ(15)が鉄からなり、そのアジャストスクリュ(15)の突出端(19)の表面に窒化化合物層が形成された請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記アジャストスクリュ(15)が鉄からなり、そのアジャストスクリュ(15)の突出端(19)に、ニッケルリンめっきが施された請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記ニッケルリンめっきが、硬質微粒子をめっき層中に分散させる分散めっきである請求項5に記載のラッシュアジャスタ。
  7. 前記ニッケルリンめっきが、PTFEをめっき層中に分散させる分散めっきである請求項5に記載のラッシュアジャスタ。
  8. シリンダヘッド(2)の上面に開口した収容穴(11)に挿入される筒状のハウジング(12)と、そのハウジング(12)の内周に形成された雌ねじ(13)にねじ係合する雄ねじ(14)を外周に有するアジャストスクリュ(15)と、そのアジャストスクリュ(15)を前記ハウジング(12)から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリング(17)と、前記アジャストスクリュ(15)のハウジング(12)からの突出端(19)に嵌合する凹部(20)をもつアーム(7)とを有し、前記アジャストスクリュ(15)の突出端(19)で前記アーム(7)を支持するラッシュアジャスタにおいて、前記アーム(7)が鉄からなり、そのアーム(7)の前記凹部(20)の表面を、有機モリブデン入りオイルのオイル添加剤と非反応の材料で形成したことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  9. 前記アーム(7)の凹部(20)に、セラミック皮膜、炭素皮膜、酸化物皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜のうちのいずれかの非反応皮膜(23)がコーティングされた請求項8に記載のラッシュアジャスタ。
  10. 前記アーム(7)の凹部(20)の表面に、窒化化合物層が形成された請求項8に記載のラッシュアジャスタ。
  11. 前記アーム(7)の凹部(20)に、ニッケルリンめっきが施された請求項8に記載のラッシュアジャスタ。
  12. 前記ニッケルリンめっきが、硬質微粒子をめっき層中に分散させる分散めっきである請求項11に記載のラッシュアジャスタ。
  13. 前記ニッケルリンめっきが、PTFEをめっき層中に分散させる分散めっきである請求項11に記載のラッシュアジャスタ。
  14. 前記リターンスプリング(17)は、前記ハウジング(12)から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ(15)に付与する圧縮コイルばねであり、前記雄ねじ(14)と雌ねじ(13)は鋸歯ねじである請求項1から13のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  15. 前記リターンスプリング(17)は、前記ハウジング(12)から突出する方向の回転力をアジャストスクリュ(15)に付与するねじりばねであり、前記雄ねじ(14)と雌ねじ(13)は鋸歯ねじ、三角ねじ、または台形ねじである請求項1から13のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  16. 前記ねじりばね(17)が、ねじりコイルばね、ゼンマイばね、竹の子ばねのいずれかである請求項15に記載のラッシュアジャスタ。
  17. 前記アジャストスクリュ(15)が、前記ハウジング(12)内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材(15A)と、そのピボット部材(15A)のハウジング(12)内への挿入端を支持し、前記雄ねじ(14)を外周に有する雄ねじ部材(15B)と、前記ピボット部材(15A)と雄ねじ部材(15B)の間に挟まれた弾性部材(15C)とからなる請求項1から16のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
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