JP2009155879A - 電気融雪器用ヒータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細管からなるシース内に発熱体を通し無機材を封入してなるヒータ本体2を、ヒータ本体2の外径よりも薄肉な支持板3に形成されたスリット31に嵌め込んで固定し、この支持板3の表裏両面を熱拡散材である熱伝セメント4で被覆して定着一体化させる。
【選択図】図1
Description
これらの電気融雪器のヒータは、レールやその周辺部に取り付けられるため、列車走行の支障とならないように、薄く且つコンパクトな構成のものが用いられる。
例えば床板の上面に取り付けて使用される薄型のヒータとして、図1に示されるように、熱伝導率が良好な合成樹脂材からなる基材の中に発熱体を埋め込み、樹脂を硬化させて矩形板状に薄く形成した構成ものが知られている(例えば特許文献1参照)。
前記図示した従来のヒータは、その上部でレールを支持するものであるが、レールの下側で発熱体が左右のレールを横切るように配置してあるため、発熱体で左右のレールを電気的に短絡し、鉄道車両の運行に障害を引き起こす危険がある。図示したヒータは熱伝導が悪い材料で覆われているため、加熱パワーが小さく、実用性に乏しい。
従って、既存のヒータをレールやその周辺部に取り付けて使用するためには、ヒータを密閉ケーシングで覆って防水・防滴対策を完全にし、断線や発火、漏電などの障害が起きないように外装を強固にして機械的強度を高め、さらに前記技術的基準満たす手段を施して構成する必要がある。そして、その場合に前記技術的基準に基づく制約から、ヒータは全体として太く厚肉な構成とならざるを得ず、ポイント部に取り付けるヒータの薄肉化は困難であった。
既存のシースヒータを電気融雪器のヒータとして利用する場合、ヒータの加熱面積が大きく確保されるように加工し、併せて熱を効率的に拡散させる手段を講じる必要がある。
そこで、ヒータ本体を支持する部材として一枚の鋼板を用い、この鋼製支持板の面内にヒータ本体の外周が嵌る太さのスリットを形成し、このスリットの中にヒータ本体を嵌め込み支持することで、ヒータ本体が支持板のスリットに沿った形状に保持されるように構成した。
支持板に形成するスリットは、ヒータ本体の外周面が嵌合する幅、つまりヒータ本体の外径と略同じ太さの幅の開口であり、例えば支持板の一端を始点としてその板面に切り入り、支持板の周辺と中央付近を含む板面全体を通るように形成することができる。ヒータ本体の外径よりも薄肉な支持板を用いることにより、スリットに沿ってヒータ本体を嵌め入れた状態で、支持板の表裏両面側にヒータ本体の外周がそれぞれ突出する。
一本のヒータ本体を支持板に保持させる場合、スリットは支持板の板面に適宜に湾曲或いは屈曲させつつ板面全体に亘って張り巡らされた一筆書きの如きパターンに形成される。スリットは、例えばレーザ加工により形成することができ、ヒータ本体を嵌入固定させた状態で、支持板の全体にヒータ本体が張り巡らせるパターンに形成することが好ましい。支持板の板面に、その周辺と中央付近を通る複数本のスリットを形成し、それぞれのスリットにヒータ本体を嵌め込むことにより、一枚の支持板に複数のヒータ本体が固定されるように設けてもよい。
なお、支持板の板面に形成されるスリットの湾曲度合いや屈曲度合いは、電熱ボードなどの電熱ヒータが板材や躯体の中に面状に埋め込まれる電気設備に適用される技術基準、例えば電気設備技術基準などに従う。
ヒータ本体の取り付けは、支持板に形成されたスリットに沿ってヒータ本体を湾曲させながら嵌め込み、その後、スリットとヒータ本体外周との接合部をスポット溶接するなによって一体化することにより行うことができる。また、スリットに沿ってヒータ本体を嵌め込み、帯状の鋼板をスリットに交差させてヒータ本体に重ね合わせ、この帯状の鋼板と支持板を溶接一体化させて固定してもよい。
よって、ヒータ内部の熱を確実に消散させるため、前記ヒータの両側の面を伝熱材で接合し、断熱材で覆われた側の面の熱が伝熱材を介して、被加熱体と接触した他側の面側へと伝導するように構成することが好ましい。
前記伝熱材としては、例えば熱伝導率が大きな金属材や合成樹脂材からなる、熱伝導グリスやアルミ板、アルミ合金部材、或いは前記熱伝セメントなどを用いることができる。
図1は本発明の電気融雪器用ヒータの一実施形態の平面図、図2は図1中のII−II線に沿った拡大断面図である。なお、両図はヒータの構成のみを表し、電気融雪器及びこれと接続する配電ケーブル、コネクタ類、レールなどの被加熱体に固定するための支持具などは図示を省略してある。
ヒータ本体2は、外径が小さなマイクロヒータ、例えばシース31の外径(D)が4.8mm、発熱体22の外径(d)が0.95mm、シースの肉厚(t)が0.4mm程度の寸法のものが用いられる。なお、図3に示したヒータ本体2は、二芯の発熱体22、22により構成してあるが、一芯の発熱体により構成されていてもよい。
すなわち、この形態では支持板3のスリット31を、その一端3aを始点として他端3bに向けて長手一半面内を直線状に伸び、他端3bにおいて湾曲させて折り返し、一端3aに向けて長手他半面内を同様に直線状に延び、さらに一端3aにおいて湾曲させて折り返され、前記スリットよりも内側で他端3bに向けて直線状に延び、またさらに他端3bにおいて湾曲させて折り返し、前記スリットよりも内側で他端3bに向けて直線状に伸びた、同心円を一筆書きした如きパターンで形成してある。そして、前記と同様に、このスリット31にヒータ本体2を嵌め込み、スポット溶接により一体化した後、支持板3の表裏両面に熱伝セメント4を塗布し、定着一体化させてヒータ1が形成される。
なお、スリット31に嵌め入れたヒータ本体2の固定は、ヒータ本体2の外周と支持板3とをスポット溶接する他に、例えば図6に示されるように、帯状の鋼板5をスリット31と交差させてヒータ本体2に重ね合わせ、この鋼板5と支持板3とを溶接一体化し、支持板3に固着した鋼板5、5の間でスリット31に嵌め入れたヒータ本体3を挟み込むようにして固定してもよい。
図8はこのようなヒータ1内部の熱エネルギーを消散させるためのヒータ1の構成を示しており、これは、ヒータ1の外周縁に伝熱グリスなどの伝熱材8を定着させてヒータ1の断熱材7が重なる他側の面1bと被加熱体6と接する一側の面1aとを伝熱材8で接合し、ヒータ1の他側の面1bの熱が伝熱材8を介して一側の面1aへと伝導するように設けたものである。
図9に示したヒータ1のように、支持板3の面内の適宜箇所にその表裏を貫通する孔32を一つ又は複数設けるとともに、孔32の内周に伝熱材8を設けて、ヒータ1の一側の面1aの熱伝セメント4と他側の面1bの熱伝セメント4とを孔32内の伝熱材8で接合した構成とし、ヒータ1の外周縁の伝熱材8を伝う熱と、孔32内の伝熱材8を伝う熱とが、ヒータ1の被加熱体6と接する側の面1aへと、むらなく移動するように設けてもよい。
Claims (4)
- 細管からなるシース内に発熱体を通し且つ無機材を封入してなるヒータ本体を、当該ヒータ本体の外径よりも薄肉に設けられた支持板の板面に形成されたスリットに沿って嵌め込むとともにヒータ本体の外周を支持板の表裏両面側へそれぞれ突出させて固定し、ヒータ本体の外周を含む支持板の表裏要面を熱拡散材で被覆して一体化させた構成を有する電気融雪器用ヒータ。
- 一側の面を断熱材で覆い、他側の面を被加熱体に接触させて被加熱体に取り付けられる請求項1に記載の電気融雪器用ヒータにおいて、
前記ヒータの一側の面と他側の面とを伝熱材で接合し、断熱材で覆われたヒータの一側の面の熱が伝熱材を介して被加熱面と接触した他側の面側へと伝導させるように構成された電気融雪器用ヒータ。 - 支持板にその一端から切り入り、支持板の周辺と中央付近とを通る湾曲した一本のスリットを形成し、このスリットに線状ヒータ本体を嵌め込んで固定した構成を有する請求項1又は2に記載の電気融雪器用ヒータ。
- 熱拡散材として熱伝セメントを用いてなる請求項1〜3の何れかに記載の電気融雪器用ヒータ。
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JP2007334428A JP2009155879A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 電気融雪器用ヒータ |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0658685A (ja) * | 1992-08-10 | 1994-03-04 | Natl House Ind Co Ltd | 蓄熱パネル |
JPH09111561A (ja) * | 1995-10-09 | 1997-04-28 | Murata Mach Ltd | 合成繊維糸条の熱処理装置 |
JP2007327269A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Gentaro Yasunaga | 建築物用断熱パネル |
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2007
- 2007-12-26 JP JP2007334428A patent/JP2009155879A/ja not_active Ceased
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