JP2009155744A - 経編地およびテーブルクロス - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた寸法安定性、風合いおよび表面感を有するテーブルクロスに好適な経編地および該経編地を用いたテーブルクロスを提供する。
【解決手段】ポリエステル系捲縮発現性合成繊維と、非捲縮発現性合成繊維フィラメントを用いてなる経編地において、生地表面に露出する非捲縮発現性合成繊維フィラメントの占有率が5%以上80%以下であり、JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−5.0%の範囲を満たし、かつ該経編地のウエルとコースの密度の積Kが下記式(1)の範囲を満たすことを特徴とする経編地。 900<K<3000 ・・・(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、繰り返し洗濯に対し優れた寸法安定性有し、かつテーブルクロスに好適な風合いおよび表面感を有するテーブルクロス用に好適な経編地および該経編地を用いたテーブルクロスに関する。
テーブルクロスは、テーブルに掛けた時の美観性が重要であるが、使用頻度、汚れる頻度が高く、繰り返し洗濯かつ乾燥後、布帛の型くずれが発生しないこと、すなわち優れた寸法安定性が求められている。また、一般家庭で用いられる場合のみならず、ホテル、レストランなど、商業用に用いられる場合は、使用後、工業洗濯が実施される。これらの洗濯は、家庭洗濯に比べ、厳しい条件であり、特に商業用途では、繰り返し工業洗濯かつ乾燥に耐えうる、優れた寸法安定性が求められる。
しかしながら、編物は糸をループ状にして布帛とするため、織物対比、組織が粗く、寸法安定性が悪く、特に商業用のテーブルクロス用途には向いておらず、レースの柄物など、特殊な美観性を必要とする用途など、一部の特品分野にしか使用されていない(例えば、特許文献1、特許文献2、参照)。しかし、編物は、織物対比、容易に様々な柄を形成することができる、すなわち、美観性に優れている他、設備的に、織物対比、幅の広い生地を高速で生産できるため、生産性、コスト面でのメリットが大きく、レースなどの特品分野以外の汎用品のテーブルクロス用途への編物素材の要求が高まっている。
特開2003−41467号公報 特開2005−126883号公報
本発明の経編地は、上記のような問題を克服した、優れた寸法安定性、風合いおよび表面感を有するテーブルクロスに好適な経編地および該経編地を用いたテーブルクロスを提供することにある。
上記課題を克服するために、鋭意検討の結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)ポリエステル系捲縮発現性合成繊維と、非捲縮発現性合成繊維フィラメントを用いてなる経編地において、生地表面に露出する非捲縮発現性合成繊維フィラメントの占有率が5%以上80%以下であり、JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−5.0%の範囲を満たし、かつ該経編地のウエルとコースの密度の積Kが下記式(1)の範囲を満たすことを特徴とする経編地。
900<K<3000 ・・・(1)
(2)JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−7.0%の範囲を満たすことを特徴とする前記(1)記載の経編地。
(3)該非捲縮発現性合成繊維フィラメントがポリエステル系非捲縮発現性合成繊維フィラメントであることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載の経編地。
(4)JISL1018の剛軟度A法が、たて方向、よこ方向ともに15mm以上50mm以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の経編地。
(5)加工工程で、染色前に熱セットが施されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の経編地。
(6)テーブルクロス用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の経編地。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の経編地を用いてなることを特徴とするテーブルクロス。
ポリエステル系捲縮発現性合成繊維と非捲縮発現性合成繊維フィラメントを用いてなる経編地において、ポリエステル系捲縮発現性合繊繊維を使用することで、適度な風合いと寸法安定性を付与し、非捲縮発現性合成繊維フィラメントを生地表面に適度に露出させることで、適度な食器の滑りを実現し、かつ加工で、染色前にプレ熱セット工程を通すことで、さらに優れた寸法安定性を付与し、テーブルクロスに好適な、優れた風合い、表面感、および寸法安定性を有する経編地を提供することを可能とする。
本発明では、ポリエステル系捲縮発現性合成繊維と非捲縮発現性合成繊維フィラメントを使用することが重要である。ポリエステル系捲縮発現性合成繊維を用いると、布帛とした時に、テーブルクロスに適した膨らみ、風合いが得られ、また、ポリエステルの特性上、加工工程での熱セット性が良く、工業洗濯後、優れた寸法安定性が得られる他、シワが入りにくい。ただし、ポリエステル系捲縮発現性合成繊維のみで布帛とすると、生地にふかつきが発生し、風合いが損なわれる他、食器の移動時に、滑りが悪く、テーブルクロスがずれ動いてしまうという欠点がある。このため、非捲縮発現性合成繊維フィラメントを使用することが重要であり、本非捲縮発現性合成繊維フィラメントを布帛表面にある程度露出させることが重要となる。ここで、非捲縮発現性合成繊維フィラメントとしては、仮撚加工などを行っておらず、加工時などの熱水処理後も、捲縮を発現しない非捲縮の合成繊維フィラメントを用いることができる。
非捲縮発現性合成繊維フィラメントの生地表面の占有率は、5%以上80%以下であり、好ましくは、10%以上70%以下である。非捲縮発現性合成繊維フィラメントの占有率が低過ぎると、実質含まれていないことと同様となり、食器移動時の滑りが悪く、食器移動時にテーブルクロスが動き、弛みが出る原因となる。また非捲縮発現性合成繊維フィラメントの占有率が高過ぎると、滑りすぎるために、食器の倒れや、落下の原因となる。
本発明で使用されるポリエステル系捲縮発現性合成繊維の素材は、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメンチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維フィラメントに仮撚加工を施した仮撚加工糸が用いられる。さらに、種類の異なる例えば粘度の異なるポリマーからなるサイドバイサイド型の複合繊維フィラメント糸、およびこの複合繊維フィラメント糸に仮撚加工施した仮撚加工糸についても使用できる。
また、本発明で使用される非捲縮発現性合成繊維フィラメントの素材も、特に限定されるものではない。例えばナイロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメンチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、アクリル繊維、レーヨン、キュプラなどの再生セルロース繊維、生分解性繊維などが用いられる。ただし、寸法安定性、および洗濯後のシワ防止の面からは、ポリエステル系合成繊維フィラメントを用いることが好ましい。
さらに、前述のポリエステル系捲縮発現性合成繊維フィラメントおよび非捲縮発現性合成繊維フィラメントについて、酸化チタンなどの添加物を含んでいても良いし、機能性付与のためにポリマー改質したものも使用できる。また単繊維単位の断面形状も限定されるものではなく、丸形や、三角、八葉、扁平、Y型に代表される様々な異形断面糸も使用できる。
本発明の経編地は、JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−5.0%である。−5.0%未満であると、繰り返しての使用に耐えられなくなる。また、+1.0%より大きいと、生地の組織が崩れ、目面が変わってしまうため、使用出来ない品位となる。より好ましくは、0.0%〜−4.0%である。
さらに、JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−7.0%であることが好ましい。7.0%未満であると、ホテルやレストランなどの商業用途の洗濯条件によっては、用いることができない場合がある。また、+1.0%より大きいと、前述の如く、生地の組織が崩れ、目面が変わってしまう。より好ましくは、0.0%〜−5.0%である。
本発明の経編地は、JISL1018の剛軟度A法が、たて方向、よこ方向ともに、15mm以上50mm以下であることであることが好ましい。剛軟度が15mmを下回ると、テーブルクロスとして使用するには、生地風合いが柔らか過ぎるため、テーブルに掛けた時に、弛みや、シワが出易くなる。また、50mmを超えると、テーブルの端から出る部分のクロスが、綺麗に垂れ下がらず、美観性が損なわれる。より好ましくは、20mm以上45mm以下である。
本発明に用いるポリエステル系捲縮発現性合成繊維フィラメントおよび非捲縮発現性合成繊維フィラメントの繊度および単糸数は特に規定されるものでは無く、要求される、厚み、風合い、柄などにより、適宜好適なものを選定すれば良い。
また、使用する編機としては、トリコット編機、ラッセル編機にて編成可能であり、編機のゲージについては、特に限定されないものの、24〜40ゲージの編機を、要求される厚み、風合い、使用する繊維の太さによって、適宜選択すれば良い。さらに編成条件、組織についても、要求される、厚み、風合い、柄などにより適宜選定すれば良い。
ただし、これらの糸使い、編機、組織、編成条件は、前述の本発明の範囲を満たすよう、すなわち、生地表面に露出する非捲縮発現性合成繊維フィラメントの占有率、寸法安定性、剛軟度が記載範囲に入るように適宜選定する必要がある。
例えば、地組織となる組織は、寸法安定性を得るために、全通しとすることが好ましく、また閉じ目のルーピング組織とすることが好ましい。
また、編機、編成条件、組織、糸使いとして、例えば、密度の高い編機で、多くの筬を使用し、繊度の太い糸を全通し、かつ全ての筬を多針間の振り組織で編成すると、寸法安定性は得られるが、生地が厚くなり、剛軟度が高くなり過ぎる原因となる。逆に、密度の低い編機で、少ない枚数の筬を使用し、細繊度の糸を糸抜きで、かつ振りを少ない組織で編成すると、生地が粗くなり、寸法安定性を得られない原因となる。すなわち、これらの条件を満たすためには、本発明の経編地のウエルとコースの密度の積Kは下記式(1)の範囲を満たすことが重要である。
900<K<3000 ・・・(1)
900を下回ると、生地が粗くなり、寸法安定性を得られず、3000を超えると、寸法安定性は得られるが、生地が厚くなり、ふかつきが発生し、風合いが損なわれる他、剛軟度が高くなる原因となる。より好ましくは、1000以上2900以下である。
さらに、非捲縮発現性合成繊維フィラメントの使用量が少ない場合や、生地表面に非捲縮発現性合成繊維フィラメントが露出しない筬使いにした場合は、非捲縮発現性合成繊維フィラメントの生地表面の占有率が低くなり過ぎる原因となるし、逆に、非捲縮発現性合成繊維フィラメントの使用量を増やし、生地表面に露出する筬使いとした場合は、非捲縮発現性合成繊維フィラメントの生地表面の占有率が高くなり過ぎる原因となる。
本発明の経編地は、生機を製編した後、精練、熱セット、染色などの加工を行う。加工方法は、通常経編地の加工方法に準じて行えばよいが、染色工程前に、製品生地の寸法安定性を得、かつ洗濯後のシワを低減する目的で、熱セットを行うことが好ましい。本熱セットの温度は、ポリエステル系捲縮発現性合成繊維のセット効果が得られる150℃以上195℃以下でセットすることが好ましい。195℃を超えるとポリエステルの脆化が懸念され、品質が悪化する原因となり、150℃を下回ると十分な熱セット効果が得られず、十分な寸法安定性が得られない他、洗濯後シワが発生し易い。より好ましくは、155℃以上190℃以下である。
また、仕上げの熱セット条件としては、特に規定されるものでは無く、通常の仕上げセット条件150℃以上185℃以下で実施すれば良い。すなわち、温度が低過ぎたり、引っ張り過ぎると、シワの原因となったり、寸法安定性が得られなくなる他、温度が高すぎると染料が繊維間から浮き出ることによる色ブレ、堅牢度不良の原因となる。
さらに、染色段階での付帯加工として、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、吸水加工、吸湿加工、減量加工など、さらに、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、オパール加工など、最終的な要求特性に応じて適宜付与することが好ましい。
本発明の経編地は、優れた寸法安定性、テーブルクロスに好適な風合いと表面感を有するテーブルクロスに好適な経編地である。
以下、本発明を、実施例を用いて説明する。実施例における各評価は次のとおり行った。
(1)非捲縮発現性合成繊維フィラメントの表面占有率(%)
マイクロスコープで5625倍に拡大した生地の写真10cm×10cm四方(100cm)について、非捲縮発現性合成繊維フィラメントの露出面積Sを(株)内田洋行製デジタルプラニメーターで測定し、下記百分率の式で算出した
弾性繊維の表面占有率(%)=(S/100)×100
(2)JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率
本寸法変化率はJISL0217−103法の洗濯方法に準じて行った。試験片として、調温湿した約40cm×40cmの試験片を3枚採取し、たて、よこそれぞれに、両端部、中央部の3ヶ所に長さ25cmの印を付け、遠心式脱水装置付きの家庭用電気洗濯機に、水槽の標準水量を示す水位線まで40℃の水を入れ、これに標準使用量となる割合で花王株式会社製アタックを添加し、この洗濯液に、浴比が1対30になるように試料及び負荷布を投入して運転を開始する。5分間運転した後、試料および負荷布を脱水機で脱水し、次に洗濯液を30℃の新しい水に替えて、同一の浴比で2分間すすぎ洗いを行い、脱水し、直射日光の影響を受けない状態で吊り干しを行う。この工程を25回繰り返した後、試験片を平らな台の上に置き、不自然なしわや張力を除いて、たて、よこ各々の印間の長さをはかり(0.5mmまで読み取る)、たて、よこ別々に3個の平均値を求め、次式によって寸法変化率(%)を計算し、たて、よこそれぞれ3枚の平均値で表す(小数点以下1桁まで)。
寸法変化率(%)=(L−250)/250×100
ここでL:処理後のたてまたはよこの印間の長さの平均値(mm)
(3)ウエルとコースの密度
本ウエルとコースの密度はJISL1018の密度の測定方法に準じて行った。すなわち、試料を平らな台の上に置き、不自然なしわや張力を除いて、異なる5ヶ所について、2.54センチ間のウエル及びコースを数え、ウエル及びコースそれぞれの平均値を算出した。
(4)JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率
本寸法変化率はJISL1096のF−2法の洗濯方法に準じて行った。すなわち、調温湿した約40cm×40cmの試験片を3枚採取し、たて、よこそれぞれに、両端部、中央部の3ヶ所に長さ45cmの印を付け、シリンダー形洗濯機に十分な量の約60℃の水を入れ、試験片が1.36kgになるようにして、その中に投入し、同時に洗剤として花王株式会社製アタックを約0.1%溶液になるように加え、30分間運転する。続いて、新しい約40℃の水に替えて5分間運転し、再び、新しい40℃の水に替えて10分間運転する。排水後、試験片を取り出し、水分が約55%になるように遠心脱水する。本測定では、その後、直射日光の影響を受けない状態で吊り干しにより乾燥を行った。この工程を25回繰り返した後、試験片を平らな台の上に置き、不自然なしわや張力を除いて、たて、よこ各々の印間の長さをはかり(0.5mmまで読み取る)、たて、よこ別々に3個の平均値を求め、次式によって寸法変化率(%)を計算し、たて、よこそれぞれ3枚の平均値で表す(小数点以下1桁まで)。
寸法変化率(%)=(L−250)/250×100
ここでL:処理後のたてまたはよこの印間の長さの平均値(mm)
(5)剛軟度
剛軟度の試験方法はJISL1018「ニット生地試験方法」の剛軟性A法(45°カンチレバー法)の測定方法に準じて行った。すなわち、2cm×約15cmの試料片をたて方向及びよこ方向にそれぞれ5枚採取し、1端が45度の斜面を持つ表面の滑らかな水平台の上に置き、試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて試験片の一端の中央点が斜面Aと接したときの他端の位置をスケールによって読む。剛軟度は試験片が移動した長さ(mm)で示し、それぞれ5枚の表裏を測定し、たて方向およびよこ方向について、それぞれ平均値で表した。
[実施例1]
カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット編機を用い、ポリエステル系捲縮発現性合成繊維として167デシテックス72フィラメントの仮撚加工糸を1本抜きの配列でフロントの筬に、110デシッテクス36フィラメントの仮撚加工糸を全通しでバックの筬に、非捲縮発現性合成繊維フィラメントとして、ミドルの筬に167デシテックス48フィラメントのポリエステルフィラメントをフロントの167デシッテクスのポリエステル仮撚加工糸と交互配列になるように、1本抜きで配し、フロントとミドルの組織を0−1/1−0(図1のA参照)、該ランナーを145(cm/Rack)、バックの組織を3−4/1−0(図1のB参照)、該ランナーを250(cm/Rack)で編成し、生機を得た。
この生機を175℃で生機セットした後、通常のポリエステル経編地の染色加工仕上げに従い、精練、リラックス、染色、170℃で仕上げセットを実施し、製品目付215g/m、製品の密度30ウエル、44コースの製品生地を得た。
得られた製品生地のウエルとコースの密度の積Kは、1320であり、製品生地の表面とするシンカーループ面における非捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントの表面占有率は33%であった。JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率は、たて方向が−1.5%、よこ方向は−1.0%であり、また、JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率は、たて方向、よこ方向ともに−4.0%であった。さらに、JISL1018の剛軟度A法は、たて方向が28mm、よこ方向は25mmであった。
本経編地をテーブルクロスに用いたところ、適度な食器の滑りと、テーブルからの垂れ下がりなどの美観性も優れており、テーブルクロスに適した生地であった。
[比較例1]
ミドルの筬に167デシテックス72フィラメントの仮撚加工糸を配した以外は、実施例1と同じ条件で編成および加工を行い、同様の目付および密度の編地を得た。
得られた製品生地の表面とするシンカーループ面における非捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントの表面占有率は0%であった。JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率は、たて方向、よこ方向ともに、−2.0%であり、また、JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率は、たて方向が−5.5%、よこ方向が−5.0%であった。さらにJISL1018の剛軟度A法は、たて方向が30mm、よこ方向は32mmであった。
本経編地をテーブルクロスに用いたところ、テーブルからの垂れ下がりには問題ないものの、ふかつき感が強く、食器を滑らした時に、テーブルクロスも動き、弛みが発生した。
[比較例2]
カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット編機を用い、ポリエステル系捲縮発現性合成繊維として110デシテックス48フィラメントの仮撚加工糸をフロントとバックの筬に、非捲縮発現性合成繊維フィラメントとして、ミドルの筬に110デシテックス36フィラメントのポリエステルフィラメントを配し、実施例1と同様の組織、配列で編成した。編成条件は、フロントとミドルのランナーを145(cm/Rack)、バックのランナーを290(cm/Rack)で編成し、生機を得た。
この生機を実施例1と同条件で加工し、製品目付127g/m、製品の密度28ウエル、30コースの製品生地を得た。
得られた製品生地のウエルとコースの密度の積Kは、840であり、製品生地の表面とするシンカーループ面における非捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントの表面占有率は35%であった。
本経編地をテーブルクロスに用いたところ、適度な食器の滑りを有していたが、JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率は、たて方向が−5.5%、よこ方向は−3.0%であり、また、JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率は、たて方向が−8.5%、よこ方向が−6.0%であり、繰り返し使用に適さない生地であった。
(A)および(B)は、3枚筬を用いて得られた本発明経編地の編組織の一例を示す。

Claims (7)

  1. ポリエステル系捲縮発現性合成繊維と、非捲縮発現性合成繊維フィラメントを用いてなる経編地において、生地表面に露出する非捲縮発現性合成繊維フィラメントの占有率が5%以上80%以下であり、JISL0217−103法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−5.0%の範囲を満たし、かつ該経編地のウエルとコースの密度の積Kが下記式(1)の範囲を満たすことを特徴とする経編地。
    900<K<3000 ・・・(1)
  2. JISL1096のF−2法の洗濯かつ吊り干し25回繰り返し後の寸法変化率がたて方向、よこ方向ともに+1.0%〜−7.0%の範囲を満たすことを特徴とする請求項1記載の経編地。
  3. 該非捲縮発現性合成繊維フィラメントがポリエステル系非捲縮発現性合成繊維フィラメントであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の経編地。
  4. JISL1018の剛軟度A法が、たて方向、よこ方向ともに15mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の経編地。
  5. 加工工程で、染色前に熱セットが施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の経編地。
  6. テーブルクロス用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の経編地。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の経編地を用いてなることを特徴とするテーブルクロス。
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