JP2009155565A - 導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い剛性と導電性を有し、かつ優れた寸法特性、製品外観に優れる表面平滑性を発現した導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜99重量%に(B)(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を構成単位とするエポキシ基含有ビニル系共重合体を1〜40重量%((A)+(B)の合計を100重量%とする)配合してなる(A)+(B)100重量部に対し、(C)導電性カーボンブラックを1〜30重量部および(D)繊維状無機強化材を1〜100重量部配合してなる導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜99重量%に(B)(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を構成単位とするエポキシ基含有ビニル系共重合体を1〜40重量%((A)+(B)の合計を100重量%とする)配合してなる(A)+(B)100重量部に対し、(C)導電性カーボンブラックを1〜30重量部および(D)繊維状無機強化材を1〜100重量部配合してなる導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は高い剛性と導電性を有し、かつ優れた寸法精度、製品外観に優れる高い表面平滑性を発現した導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は優れた機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有しており、自動車や電気、ハウジング材料として広く使用されている。近年、軽量化、耐薬品性の向上、生産性の向上から、金属が使用されている分野での代替材料としてプラスチックの使用が増加しており、ポリブチレンテレフタレート樹脂も金属代替材料として期待されている。その中で、ポリブチレンテレフタレート樹脂に導電性や剛性を付与する目的から、炭素繊維を複合させた導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂が市場に展開されているが、炭素繊維は高価であるため製品のコストは高く、また補強を目的とした炭素繊維の高配合は流動性の低下をまねき、製品外観が悪くなることで表面平滑性は低下する。導電性樹脂製品の表面平滑性低下は製品の強度や導電性の指標である抵抗値に大きく影響を及ぼす。また、炭素繊維やガラス繊維などの繊維状無機充填材を配合した樹脂は、直角方向の収縮率が大きいため、寸法精度が求められる分野には適しておらず、また収縮異方性が大きいことから、製品の反りなどが発現し好ましくない。炭素繊維含有ポリブチレンテレフタレート樹脂の代替材として、導電性カーボンブラックとガラス繊維を複合したポリブチレンテレフタレート樹脂なども検討されているが、炭素繊維含有ポリブチレンテレフタレート樹脂同等の特性を付与するためには、ガラス繊維と導電性カーボンブラックの高配合が必要であり、結果、同様の問題を残したままである。
特許文献1では結晶性合成樹脂、導電性カーボン粒子、炭素繊維を含有する樹脂組成物が提案されているが、表面平滑性に関する記述はない。また、炭素繊維を配合しており、本発明とは目的も組成も異なると共に炭素繊維以外の繊維状強化材が含まれておらず、機械特性が低いという問題を有している。
特許文献2では芳香族ポリエステル樹脂および導電性充填材からなる樹脂組成物が提案されているが、繊維状強化材が含まれておらず、機械特性が低く、本発明とは目的も組成も異なる。
特許文献3ではゴム強化樹脂、芳香族ビニル化合物/その他の単量体からなる重合物、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂に導電性カーボンブラックを添加してなる樹脂組成物が提案されているが、機械特性及び流動性が低いという問題を有している。
特開平4−167304号公報
特開2003−211542号公報
特開平H03−263453号公報
本発明は従来技術の問題点を解決するためになされたもので、高い剛性と導電性を有し、かつ優れた寸法特性、製品外観に優れる表面平滑性を発現した導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することである。
上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜99重量部%に(B)(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を構成単位とするエポキシ基含有ビニル系共重合体を1〜40重量%((A)+(B)の合計を100重量%とする)配合してなる(A)+(B)100重量部に対し、(C)導電性カーボンブラックを1〜30重量部および(D)繊維状無機強化剤を1〜100重量部配合してなる導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(2)(B)エポキシ基含有ビニル系共重合体の各単量体が、(B)全体を100重量%として(b−1)シアン化ビニル単量体22〜25重量%、(b−2)芳香族ビニル単量体74〜77重量%、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体0.1〜0.5重量%である0.2%ジメチルホルムアミド溶液で測定した還元粘度(ηsp/C)が0.7〜0.9である(1)に記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(3)(C)導電性カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上であることを特徴とする(1)または(2)記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(4)(D)繊維状無機強化材がL/D=100〜500のガラス繊維であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(1)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜99重量部%に(B)(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を構成単位とするエポキシ基含有ビニル系共重合体を1〜40重量%((A)+(B)の合計を100重量%とする)配合してなる(A)+(B)100重量部に対し、(C)導電性カーボンブラックを1〜30重量部および(D)繊維状無機強化剤を1〜100重量部配合してなる導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(2)(B)エポキシ基含有ビニル系共重合体の各単量体が、(B)全体を100重量%として(b−1)シアン化ビニル単量体22〜25重量%、(b−2)芳香族ビニル単量体74〜77重量%、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体0.1〜0.5重量%である0.2%ジメチルホルムアミド溶液で測定した還元粘度(ηsp/C)が0.7〜0.9である(1)に記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(3)(C)導電性カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上であることを特徴とする(1)または(2)記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(4)(D)繊維状無機強化材がL/D=100〜500のガラス繊維であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
本発明の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、成形品としたときに高い剛性と導電性を有し、かつ優れた寸法特性、製品外観に優れる表面平滑性を持つ。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明を構成する(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主成分とし重縮合反応させる等の通常の重合方法によって得られる重合体であって、特性を損なわない範囲、例えば20重量部程度以下、他の共重合成分を含んでも良い。これら重合体および共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタレート/ナフタレート)、ポリ(ブチレン/エチレン)テレフタレート等が挙げられ、単独で用いても2種以上混合しても良い。
本発明で用いられる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が0.60〜1.60、特に0.80〜1.30の範囲にあるものが好適である。固有粘度が0.60未満では機械的特性が不良となり、一方、固有粘度が1.60を越えると成形性が不良になる傾向がある。
本発明で用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の重縮合法や開環重合法などにより製造することができ、バッチ重合および連続重合のいずれでもよく、また、エステル交換反応および直接重合による反応のいずれでも適用することができるが、カルボキシル末端基量を少なくすることができ、かつ、流動性向上効果が大きくなるという点で、連続重合が好ましく、コストの点で、直接重合が好ましい。なお、エステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応を効果的に進めるために、これらの反応時に重合反応触媒を添加することが好ましく、重合反応触媒の具体例としては、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソプロピルエステル、テトライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、トリルエステル、あるいはこれらの混合エステルなどの有機チタン化合物、ジブチルスズオキシド、メチルフェニルスズオキシド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキシド、シクロヘキサヘキシルジスズオキシド、ジドデシルスズオキシド、トリエチルスズハイドロオキシド、トリフェニルスズハイドロオキシド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイドおよびブチルヒドロキシスズオキシド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などのアルキルスタンノン酸などのスズ化合物、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドなどのジルコニア化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物などが挙げられるが、これらの内でも有機チタン化合物およびスズ化合物が好ましく、さらに、チタン酸のテトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステルおよびテトライソプロピルエステルが好ましく、チタン酸のテトラ−n−ブチルエステルが特に好ましい。これらの重合反応触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用することもできる。重合反応触媒の添加量は、機械特性、成形性および色調の点で、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、0.005〜0.5重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.2重量部の範囲がより好ましい。
本発明における(A)ポリブチレンテレフタレートの配合量は(A)+(B)の合計を100重量%としたとき、60〜99重量%である。(A)の配合量が60重量%未満であると、機械強度及び流動性の低下が生じ、99重量%を越えると寸法特性が低下しやすくなる傾向にあり、より好ましくは70〜95重量%である。
本発明で用いられる(B)エポキシ基含有ビニル系共重合体を用いることが必要である。エポキシ基含有ビニル系共重合体(B)を用いることによって寸法安定性を改良することができるからである。
(B)エポキシ基含有ビニル系共重合体の添加配合量は、(A)+(B)の合計を100重量%としたとき、1〜40重量%、特に5〜30重量%が好ましく、1重量%未満では寸法安定性の改良効果が乏しく、40重量%を越えると機械特性及び流動性が損なわれるため好ましくない。
本発明の(B)エポキシ基含有ビニル共重合体は、(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を主要成分として重合して得られる共重合体である。
本発明で用いられる(B)エポキシ基含有ビニル系共重合体における(b−1)シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリルなどが挙げられ、なかでもアクリロニトリルが好ましい。
また、(b−2)芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、なかでもスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
さらに、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルエタクリレートなどが挙げられ、なかでもグリシジルメタクリレートが好ましい。
また、(B)エポキシ基含有ビニル系共重合体は(B)全体を100重量%としてシアン化ビニル単量体(b−1)22〜25重量%、芳香族ビニル単量体(b−2)74〜77重量%、エポキシ基含有ビニル単量体(b−3)0.1〜0.5重量%にすることによって、機械的強度、そり性に好適である。
また、(B)エポキシ基含有ビニル共重合体の25℃の0.2%ジメチルホルムアミド溶液中で測定した還元粘度(ηsp/C)は0.7〜0.9が好ましい。還元粘度が0.7未満では粘度が低く、分散が悪化し、そりに悪影響をもたらす。また、還元粘度が0.9よりも高い場合、成形時に充填するのに必要な射出圧力が上昇し、残留応力が成形品に残り、そりが発生してしまうことがある。
本発明で用いられる(C)導電性カーボンブラックは一般に、天然ガスや液状炭化水素の不完全燃焼により製造される黒色微粉末のカーボンブラックである。本発明の導電性カーボンブラックとしては特に制限されるものではないが、アセチレンガスを完全燃焼して得られるアセチレンブラックや、原油を原料にファーネス式不完全燃焼により得られるケッチェンブラックが好ましい。カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、少量添加で導電性を付与する効果が高いため、250ml/100g以上が好ましく、さらに好ましくは300〜600ml/100gの範囲である。DBP吸油量が250ml/100g以上の導電性カーボンブラックを使用することで、組成物の流動性を良好にすることができ、成形品の外観を良好にすることができるので好ましい。なお、ここでいうDBP吸油量はASTM D2414に規定された測定法で測定した値である。
(C)導電性カーボンブラックの配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対し1〜30重量部であり、好ましくは3〜20重量部である。1重量部未満では導電性の効果は小さく、30重量部を超えると著しく生産性が低下し、表面平滑性も低下する。
本発明で用いられる(D)繊維状無機強化材は、機械強度の観点から、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカ−、マグネシウム系ウイスカ−、珪素系ウイスカ−、ウォラストナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維などから選ばれる1種以上のものが挙げられ、ガラス繊維がより好ましい。
ガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束されていてもよい。繊維状無機充填剤は平均繊維径が2〜50μmのものが好ましく使用でき、通常アミノシランやエポキシシランで表面処理したものがより効果を発現する。また、ガラス繊維のL/Dは、機械強度及び表面外観の観点から、100〜500が好ましい。
また、(D)の配合量は、機械強度及び流動性、表面外観の観点から(A)+(B)の合計100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、10〜80重量部がさらに好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂成分、エラストマ成分、難燃剤、離型剤、燐系抗酸化剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤などの通常の添加剤および少量の他種ポリマーを添加することができる。
樹脂成分としては、溶融成形可能な樹脂であればいずれでもよく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンナフタレンジカルボキシレート樹脂、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、水添または未水添SBS樹脂(スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体)および水添または未水添SIS樹脂(スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体)、SEBS樹脂(水添スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、環状オレフィン系樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられ、混合する樹脂は必ずしも1種である必要は無く、2種以上併用して使用してもよい。
エラストマ成分としては、衝撃強度などの靭性を改良する目的でエチレン(共)重合体やコアシェルゴムを配合することができ、かかるエチレン(共)重合体としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどのエチレン重合体および/またはエチレン共重合体が挙げられ、上記のエチレン共重合体とは、エチレンおよびそれと共重合可能なモノマーを共重合して得られるものであり、共重合可能なモノマーとしてはプロピレン、ブテン−1、酢酸ビニル、イソプレン、ブタジエンあるいはアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸類あるいはこれらのエステル酸類、マレイン酸、フマル酸あるいはイタコン酸等のジカルボン酸類等が挙げられる。エチレン共重合体は通常公知の方法で製造することが可能である。エチレン共重合体の具体例としては、エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン1、エチレン/酢酸ビニル、エチレン/エチルアクリレート、エチレン/メチルアクリレートおよびエチレン/メタクリル酸エチルアクリレートなどが挙げられる。また、上記のエチレン(共)重合体に酸無水物あるいはグリシジルメタクリレートをグラフトもしくは共重合された共重合体も好ましく用いられる。これらは一種または二種以上で使用され、上記のエチレン(共)重合体の一種以上と混合して用いても良い。また、エチレン(共)重合体のなかでもポリエチレンに酸無水物あるいはグリシジルメタクリレートがグラフトもしくは重合された共重合体がポリブチレンテレフタレート樹脂との相溶性が良く好ましく用いられる。
また、前記のコアシェルゴムとは、コア層にゴム成分、最外層のシェル層に熱可塑性樹脂成分からなる多層構造重合体である。例えば、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体であるもの、コア層がブタンジエン/スチレン重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体であるもの、およびコア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体であるものなどが挙げられる。さらに、ゴム層または最外層のいずれか一つもしくは両方の層がメタクリル酸グリシジル単位を含有する重合体などが挙げられる。
難燃剤としては、樹脂に難燃性を付与する目的で添加される物質であれば特に限定されるものではなく、具体的には、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤などが挙げることができ、これらは各々単独、あるいは混合物の形で用いることができ、好ましくは臭素系難燃剤と無機系難燃剤の混合物が挙げられる。
本発明で用いる臭素系難燃剤の具体例としては、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシなどのブロム化エポキシ樹脂、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、N,N‘−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドなどが挙げられる。なかでも、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマーが好ましい。
本発明で用いる無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム水和物、水酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、ホウ酸亜鉛などを挙げることができる。なかでも、三酸化アンチモンが好ましい。
離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、蜜ろう、ラノリン等の動物系ワックス、モンタンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の石油系ワックス、ひまし油及びその誘導体、脂肪酸及びその誘導体等の油脂系ワックスが挙げられる。
燐系抗酸化剤の例としては、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを含むベンゾトリアゾール系化合物、ならびに2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系化合物、モノまたはジステアリルホスフェート、トリメチルホスフェートなどのリン酸エステルなどを挙げることができる。
これらの各種添加剤は、2種以上を組み合わせることによって相乗的な効果が得られることがあるので、併用して使用してもよい。
なお、例えば酸化防止剤として例示した添加剤は、安定剤や紫外線吸収剤として作用することもある。また、安定剤として例示したものについても酸化防止作用や紫外線吸収作用のあるものがある。すなわち前記分類は便宜的なものであり、作用を限定したものではない。
紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、また2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
また、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができ、かかる光安定剤は上記紫外線吸収剤や各種酸化防止剤との併用において、耐候性などの点においてより良好な性能を発揮する。
着色剤は有機染料、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。その他蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、流動改質剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤などを挙げることができる。
本発明の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の調整方法は、ポリブチレンテレフタレートを単軸あるいは二軸押出機など公知の機器に供給して溶融混錬する方法などを挙げることができるが、押出機にて溶融混錬する方法が好ましい。
溶融混錬の方法については特に限定されないが、各原料を一括して押出機に供給する方法、供給口を2つ以上有する押出機を使用し、第一の(上流側の)供給口から任意の1ないし複数の成分を供給し、第二以降の(下流側の)供給口から残りの任意の1ないし複数の成分を供給する方法が挙げられるが、供給口2つ以上有する押出機を使用する方法が好ましい。本発明の導電性樹脂組成物においては、ポリブチレンテレフタレート樹脂成分を第一の(上流側の)供給口から供給し、繊維状無機強化材を第二の(下流側の)供給口から供給する方が、溶融混錬時剪断による繊維状無機強化材の折損を低減する意味で好ましく、導電性カーボンブラックについては第一、第二どちらから供給しても本発明の特性を損ねるものではなく制限されない。また、導電性カーボンブラックを公知の方法でマスターバッチ化した後、ポリブチレンテレフタレート樹脂と一緒に第一の(上流側の)供給口より供給し、繊維状無機強化材を第二の(下流側の)供給口から供給してもよい。
本発明の樹脂組成物は、通常公知の射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、紡糸などの任意の方法で成形することができ、各種成形品に加工し利用することができる。成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フィルム、シート、繊維などとして利用でき、フィルムとしては、未延伸、一軸延伸、二軸延伸などの各種フィルムとして、繊維としては、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維として利用することができる。特に、本発明においては、流動性に優れる点を活かして、厚み0.01〜1.0mmの薄肉部位を有する射出成形品に加工することが可能である。
本発明において、上記各種成形品は、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。
具体的な用途としては、エアフローメーター、エアポンプ、サーモスタットハウジング、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブースター部品、各種ケース、各種チューブ、各種タンク、各種ホース、各種クリップ、各種バルブ、各種パイプなどの自動車用アンダーフード部品、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジングなどの自動車用内装部品、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプベゼル、ドアハンドルなどの自動車用外装部品、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクターなど各種自動車用コネクター、電気用コネクター、リレーケース、コイルボビン、光ピックアップシャーシ、モーターケース、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジング、および内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、記録媒体(CD、DVD、PD、FDDなど)ドライブのハウジングおよび内部部品、コピー機のハウジングおよび内部部品、ファクシミリのハウジングおよび内部部品、パラボラアンテナなどに代表される電気・電子部品を挙げることができる。更に、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、ビデオカメラ、プロジェクターなどの映像機器部品、レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク(CD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、ブルーレイディスクなどの光記録媒体の基板、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、プリンター部品などに代表される家庭・事務電気製品部品を挙げることができる。また、電子楽器、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機などのハウジングや内部部品、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドホン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子部品、サッシ戸車、ブラインドカーテンパーツ、配管ジョイント、カーテンライナー、ブラインド部品、ガスメーター部品、水道メーター部品、湯沸かし器部品、ルーフパネル、断熱壁、アジャスター、プラ束、天井釣り具、階段、ドアー、床などの建築部材、釣り糸、漁網、海藻養殖網、釣り餌袋などの水産関連部材、植生ネット、植生マット、防草袋、防草ネット、養生シート、法面保護シート、飛灰押さえシート、ドレーンシート、保水シート、汚泥・ヘドロ脱水袋、コンクリート型枠などの土木関連部材、歯車、ねじ、バネ、軸受、レバー、キーステム、カム、ラチェット、ローラー、給水部品、玩具部品、ファン、テグス、パイプ、洗浄用治具、モーター部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの機械部品、マルチフィルム、トンネル用フィルム、防鳥シート、植生保護用不織布、育苗用ポット、植生杭、種紐テープ、発芽シート、ハウス内張シート、農ビの止め具、緩効性肥料、防根シート、園芸ネット、防虫ネット、幼齢木ネット、プリントラミネート、肥料袋、試料袋、土嚢、獣害防止ネット、誘因紐、防風網などの農業部材、紙おむつ、生理用品包材、綿棒、おしぼり、便座ふきなどの衛生用品、医療用不織布(縫合部補強材、癒着防止膜、人工器官補修材)、創傷被服材、キズテープ包帯、貼符材基布、手術用縫合糸、骨折補強材、医療用フィルムなどの医療用品、カレンダー、文具、衣料、食品等の包装用フィルム、トレイ、ブリスター、ナイフ、フォーク、スプーン、チューブ、プラスチック缶、パウチ、コンテナー、タンク、カゴなどの容器・食器類、ホットフィル容器類、電子レンジ調理用容器類化粧品容器、ラップ、発泡緩衝剤、紙ラミ、シャンプーボトル、飲料用ボトル、カップ、キャンディ包装、シュリンクラベル、蓋材料、窓付き封筒、果物かご、手切れテープ、イージーピール包装、卵パック、HDD用包装、コンポスト袋、記録メディア包装、ショッピングバック、電気・電子部品等のラッピングフィルムなどの容器・包装、天然繊維複合、ポロシャツ、Tシャツ、インナー、ユニホーム、セーター、靴下、ネクタイなどの各種衣料、カーテン、イス貼り地、カーペット、テーブルクロス、布団地、壁紙、ふろしきなどのインテリア用品、キャリアーテープ、プリントラミ、感熱孔版印刷用フィルム、離型フィルム、多孔性フィルム、コンテナバッグ、クレジットカード、キャッシュカード、IDカード、ICカード、紙、皮革、不織布等のホットメルトバインダー、磁性体、硫化亜鉛、電極材料等粉体のバインダー、光学素子、導電性エンボステープ、ICトレイ、ゴルフティー、ゴミ袋、レジ袋、各種ネット、歯ブラシ、文房具、水切りネット、ボディタオル、ハンドタオル、お茶パック、排水溝フィルター、クリアファイル、コート剤、接着剤、カバン、イス、テーブル、クーラーボックス、クマデ、ホースリール、プランター、ホースノズル、食卓、机の表面、家具パネル、台所キャビネット、ペンキャップ、ガスライターなどとして有用である。本発明の樹脂組成物は、流動性、機械特性、耐冷熱衝撃性を併せ持つことから、上記の中でもイグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチなどの自動車部品用途に特に有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例、比較例で使用する原料の略号および内容を以下に示す。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂
A−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂:固有粘度0.85(東レ(株)製″トレコン″1100T)。
A−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂:固有粘度0.85(東レ(株)製″トレコン″1100T)。
(B)(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を構成単位とするエポキシ基含有ビニル系共重合体。
B−1:
(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン/(b−3)グリシジルメタクリレート共重合体
容量が20リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、特公昭45−24151号公報の実施例1記載の水中でのラジカル重合方法で製造したアクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体0.05部を、イオン交換水165部に溶解した溶液を入れて400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、下記混合物質の反応系を攪拌しながら添加し、60℃の温度に昇温して重合を開始した。
・スチレン:75.8部
・アクリロニトリル:23.9部
・グリシジルメタクリレート:0.3部
・t−ドデシルメルカプタン:0.05部
・2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:0.4部
・脱イオン水:150部
具体的に、15分かけて反応温度を65℃まで昇温した後、50分かけて100℃の温度まで昇温した。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、および乾燥を行ない、B−1を得た。還元粘度は0.79である。
(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン/(b−3)グリシジルメタクリレート共重合体
容量が20リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、特公昭45−24151号公報の実施例1記載の水中でのラジカル重合方法で製造したアクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体0.05部を、イオン交換水165部に溶解した溶液を入れて400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、下記混合物質の反応系を攪拌しながら添加し、60℃の温度に昇温して重合を開始した。
・スチレン:75.8部
・アクリロニトリル:23.9部
・グリシジルメタクリレート:0.3部
・t−ドデシルメルカプタン:0.05部
・2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:0.4部
・脱イオン水:150部
具体的に、15分かけて反応温度を65℃まで昇温した後、50分かけて100℃の温度まで昇温した。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、および乾燥を行ない、B−1を得た。還元粘度は0.79である。
B−2:
(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン共重合体
B−1の製造法に従って、スチレンとアクリロニトリルを懸濁重合してビーズ状の変性ビニル系共重合体を調製した。(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン共重合体各成分の重量比は24/76重量部であり、還元粘度が0.79である。
(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン共重合体
B−1の製造法に従って、スチレンとアクリロニトリルを懸濁重合してビーズ状の変性ビニル系共重合体を調製した。(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン共重合体各成分の重量比は24/76重量部であり、還元粘度が0.79である。
B−3:
(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン/(b−3)グリシジルメタクリレート共重合体
B−1の製造法に従って、スチレンとアクリロニトリル、グリシジルメタクリレートを懸濁重合してビーズ状の変性ビニル系共重合体を調製した。(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン/(b−3)グリシジルメタクリレート共重合体各成分の重量比は23.9/75.8/0.3重量%であり、還元粘度が0.49である。
(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン/(b−3)グリシジルメタクリレート共重合体
B−1の製造法に従って、スチレンとアクリロニトリル、グリシジルメタクリレートを懸濁重合してビーズ状の変性ビニル系共重合体を調製した。(b−1)アクリロニトリル/(b−2)スチレン/(b−3)グリシジルメタクリレート共重合体各成分の重量比は23.9/75.8/0.3重量%であり、還元粘度が0.49である。
(C)導電性カーボンブラック
C−1:導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製“ケッチェンブラックEC600JD”)
(D)繊維状無機強化材
D−1:繊維径13μm 繊維長さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製“T−187”)
(E)エラストマ
α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体
E−1:エチレン/エチルアクリレート共重合体(三井デュポン(株)製“A709”)
α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体
E−2:エチレン/メタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製“BF7M”)
(F)難燃剤
F−1:テトラブロムビスフェノール−A−ポリカーボネートオリゴマー(帝人化成(株)製“FG−7500”)
F−2:三酸化アンチモン(日本精鉱(株)製“PATOX−MK”)
(G)非繊維状無機強化材
G−1:ガラスフレーク(日本板硝子社製“REFG−101“)
G−2:カオリン(林化成(株)製“ASP400”)
また、実施例および比較例の評価方法を以下にまとめて示す。
C−1:導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製“ケッチェンブラックEC600JD”)
(D)繊維状無機強化材
D−1:繊維径13μm 繊維長さ3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製“T−187”)
(E)エラストマ
α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体
E−1:エチレン/エチルアクリレート共重合体(三井デュポン(株)製“A709”)
α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体
E−2:エチレン/メタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製“BF7M”)
(F)難燃剤
F−1:テトラブロムビスフェノール−A−ポリカーボネートオリゴマー(帝人化成(株)製“FG−7500”)
F−2:三酸化アンチモン(日本精鉱(株)製“PATOX−MK”)
(G)非繊維状無機強化材
G−1:ガラスフレーク(日本板硝子社製“REFG−101“)
G−2:カオリン(林化成(株)製“ASP400”)
また、実施例および比較例の評価方法を以下にまとめて示す。
(1)流動性
メルトインデクサー(東洋精機社製)を使用し、予め130℃、3時間乾燥させたペレットを用い、ISO1133に従って試験温度250℃、荷重10kgの条件下、5分滞留時の測定を行なった。
メルトインデクサー(東洋精機社製)を使用し、予め130℃、3時間乾燥させたペレットを用い、ISO1133に従って試験温度250℃、荷重10kgの条件下、5分滞留時の測定を行なった。
(2)表面外観<中心線平均粗さRa>
シリンダー温度260℃、金型温度80℃、金型の鏡面の部分の面粗度0.03sの条件で射出成形した鏡面角板の鏡面部分の任意の10箇所をミツトヨ(株)製の表面粗さ測定器”SURFTEST−500”にて、JIS B0601に規定されている中心線平均粗さRaを測定し、平均をとった。数値が低いほど、表面外観が優れている。
シリンダー温度260℃、金型温度80℃、金型の鏡面の部分の面粗度0.03sの条件で射出成形した鏡面角板の鏡面部分の任意の10箇所をミツトヨ(株)製の表面粗さ測定器”SURFTEST−500”にて、JIS B0601に規定されている中心線平均粗さRaを測定し、平均をとった。数値が低いほど、表面外観が優れている。
(3)衝撃特性
ISO179に従い、ノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。
ISO179に従い、ノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。
(4)引張特性
ISO527−1,2に従い、引張強度、破断伸度を測定した。
ISO527−1,2に従い、引張強度、破断伸度を測定した。
(5)導電性(体積固有抵抗値)
東芝機械株式会社製IS80型射出成形機を用いてシリンダー温度:260℃、金型温度:80℃の条件で射出成形した80mm×80mm×3mmtの平板(フィルムゲート)を用い、IEC60093に従って測定した。
東芝機械株式会社製IS80型射出成形機を用いてシリンダー温度:260℃、金型温度:80℃の条件で射出成形した80mm×80mm×3mmtの平板(フィルムゲート)を用い、IEC60093に従って測定した。
(6)寸法安定性
幅30mm、高さ30mm、奥行き30mm、厚み1.5mmの箱型成形品を側面のピンゲートから成形し、23%、50%RH環境下で24時間放置後、その側面の反ゲート側の内側への面の倒れ量をMITUTOYO製3次元寸法測定機で5回測定し、その平均を内反り量とし、寸法安定性を評価した。箱型成形品は図1を参照。
幅30mm、高さ30mm、奥行き30mm、厚み1.5mmの箱型成形品を側面のピンゲートから成形し、23%、50%RH環境下で24時間放置後、その側面の反ゲート側の内側への面の倒れ量をMITUTOYO製3次元寸法測定機で5回測定し、その平均を内反り量とし、寸法安定性を評価した。箱型成形品は図1を参照。
[実施例1〜11]
表1、表2に示したように樹脂組成物の組成を変更し、(A)、(B)、(C)、(E)、(F)成分、並びにその他添加剤全てを2軸押出機の元込め部から供給し、(D)成分を主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から供給してシリンダー温度250℃に設定したスクリュー径57mmφの2軸押出機で溶融混練を行った。
表1、表2に示したように樹脂組成物の組成を変更し、(A)、(B)、(C)、(E)、(F)成分、並びにその他添加剤全てを2軸押出機の元込め部から供給し、(D)成分を主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から供給してシリンダー温度250℃に設定したスクリュー径57mmφの2軸押出機で溶融混練を行った。
ダイスから吐出されたストランドを冷却バス内で冷却した後、ストランドカッターにてペレット化した。得られた各ペレットは、130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、試験片を作製し、流動性、表面外観、衝撃特性、引張特性、導電性、寸法安定性の評価を行なった。その結果を表1に併記した。得られた組成物は何れも流動性、表面外観、衝撃特性、引張特性、導電性、寸法安定性に優れたものであった。
[比較例1〜9]
表2に示したように樹脂組成物の組成を変更し、(A)、(B)、(C)成分、並びにその他添加剤全てを2軸押出機の元込め部から供給し、(G)成分を主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から供給してシリンダー温度250℃に設定したスクリュー径57mmφの2軸押出機で溶融混練を行った。
表2に示したように樹脂組成物の組成を変更し、(A)、(B)、(C)成分、並びにその他添加剤全てを2軸押出機の元込め部から供給し、(G)成分を主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から供給してシリンダー温度250℃に設定したスクリュー径57mmφの2軸押出機で溶融混練を行った。
ダイスから吐出されたストランドを冷却バス内で冷却した後、ストランドカッターにてペレット化した。得られた各ペレットは、130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、前記評価方法記載の方法を用いて成形し、各種評価を行った。得られた組成物は、流動性、表面外観、衝撃特性、引張特性、導電性、寸法安定性の何れかが劣るものであった。
1:ゲート
2:反り量
2:反り量
Claims (4)
- (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜99重量%に(B)(b−1)シアン化ビニル単量体、(b−2)芳香族ビニル単量体、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体を構成単位とするエポキシ基含有ビニル系共重合体を1〜40重量%((A)+(B)の合計を100重量%とする)配合してなる(A)+(B)100重量部に対し、(C)導電性カーボンブラックを1〜30重量部および(D)繊維状無機強化材を1〜100重量部配合してなる導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- (B)エポキシ基含有ビニル系共重合体の各単量体が、(B)全体を100重量%として(b−1)シアン化ビニル単量体22〜25重量%、(b−2)芳香族ビニル単量体74〜77重量%、(b−3)エポキシ基含有ビニル単量体0.1〜0.5重量%である0.2%ジメチルホルムアミド溶液で測定した還元粘度(ηsp/C)が0.7〜0.9である請求項1に記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- (C)導電性カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- (D)繊維状無機強化材がL/D=100〜500のガラス繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007338001A JP2009155565A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | 導電性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101137442B1 (ko) * | 2010-01-22 | 2012-04-20 | 현대이피 주식회사 | 레이저 백색 마킹용 폴리부틸렌 테레프탈레이트 수지 조성물 |
CN108345237A (zh) * | 2016-01-26 | 2018-07-31 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 用于促进运载工具的清洁的系统和方法 |
-
2007
- 2007-12-27 JP JP2007338001A patent/JP2009155565A/ja active Pending
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