JP2009155494A - コークス押し出し装置およびコークス押し出し方法 - Google Patents

コークス押し出し装置およびコークス押し出し方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出しラム先端のラムヘッドを押し当ててコークス塊を炭化室から押し出す際に、コークス塊に振動を加えながら押し出すことができるコークス押し出し装置であって、ラムヘッドの押し当て面の一部が振動可能な加振部からなるものを用いるコークス炉の操業において、加振部の変位を簡易に測定することで、コークス塊に振動を加えながら押し出す操業を円滑に行ない、トラブルの発生を防止できるコークス押し出し装置およびコークス押し出し方法を提供すること。
【解決手段】加振部3はバネ8および歪量測定用部材10を介してラムヘッド7に設置され、歪量測定用部材10に歪ゲージが取り付けられているコークス押し出し装置を用い、歪ゲージで測定した歪量から加振部3の変位量を求め、変位量が所定の範囲内の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうコークス押し出し方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炉体の下部に蓄熱室を有し、その上部に燃焼室と炭化室とが交互に配列された室炉式コークス炉において、炭化室で乾留して生成されたコークスを炭化室から押し出すためのコークス押し出し装置に関し、特に、押し出し負荷を低減して、炭化室の炉壁(側壁)の損傷を軽減し、炉壁の延命化を図ることができるコークス押し出し装置およびコークス押し出し方法に関するものである。
コークス炉において、炭化室内で石炭を乾留して生成されたコークス(コークス塊)を押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、炭化室内でコークスの押し詰まりを起こし、その結果、押し出し負荷が増大して、コークス炉炭化室の炉壁に大きな力が作用し、炉壁を損傷することがある。押し詰まりが甚だしい場合には、炉壁が破壊されたり、あるいは押し出し装置でコークスを押し出すことが不可能となり、炉の温度を下げてから、人力でコークスを掻き出したりしなければならない。このように押し詰まりが発生すると、炉壁の補修費が増大し、炉の停止による生産量の低減を余儀なくされる。
このような問題に対して、押し出し負荷を低減し、炉壁の損傷を防止するための技術として、以下のようなものが提案されている。
例えば、コークス炉の炭化室の炉底レンガを補修する際に、乾燥粉コークスを炭化室に入れ、乾燥粉コークスが炉底レンガ表面の凹部を埋めて平坦にすることによって、コークス押し出し時におけるコークス塊と炉底間の摩擦を低減する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、原料石炭を炭化室内へ装入するに先立ち、粒状(5mm以下)の耐火材料(グラファイトやSiなど)を傾斜付きの炉底に敷き詰めておき、コークス押し出し時におけるコークス塊と炉底間の摩擦を低減して、結果として炉壁損傷を防ぐという技術もある(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記の特許文献1、2に記載されている技術では、十分な押し出し負荷低減には結びつかないという問題がある。
すなわち、前記の特許文献1、2に記載されている技術は、いずれも、コークス塊と炭化室炉底との摩擦力低減を図ろうとするものであるが、コークスの押し詰まりの発生及び押し出し負荷の増大の主原因は、コークス塊と炭化室炉底との摩擦力ではなく、押し出し装置を用いてコークス塊の押し出しを行なう際に、押し出し装置のラムヘッドで押されたコークス塊が変形・崩壊して、押し出し方向と直交する水平方向にひろがることにより、コークス塊と炭化室側壁との摩擦力が増すことにあるからである。
このような問題を解決する技術として、コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出し装置のラムヘッドを押し当てて炭化室からコークス塊を押し出すに際し、コークス塊に振動を付与しながら押し出しを行なう、コークス押し出し方法及びコークス押し出し装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開昭59−187082号公報 特開平8−120278号公報 特開2006−206898号公報
特許文献3に記載の方法および装置を用いれば、コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出し装置のラムヘッドを押し当てて炭化室からコークス塊を押し出す際に、押し出し負荷を低減して、コークス炉壁の損傷を軽減することができる。
図4は、特許文献3において提案しているコークス押し出し装置の一例を示す側面図であり、図5は、そのコークス押し出し装置の斜視図である。
図4、図5中、30が特許文献3において一例として示したコークス押し出し装置であり、ラムロッド21とラムヘッド22からなる押し出しラム20と、押し出しラム駆動装置(図示せず)を備えているとともに、炭化室31内のコークス塊32に押し当てられるラムヘッド22の押し当て面が、上下方向に、上部押し当て面22a、中間押し当て面22b、下部押し当て面22cの3個の押し当て面に分割されていて、その内の中間押し当て面(加振板)22bを加振部として、該加振部を加振ロッド29を介して押し出し方向に振動させるための加振機(加振モータまたは油圧加振機等)28がラムロッド21に取り付けられている。
そして、上記のように構成されたコークス押し出し装置30を用いて、加振機28で中間押し当て面(加振板)22bを押し出し方向に振動させて、コークス塊32に振動を付与しながら、ラムヘッド22を図4中に白矢印で示す向きに前進させることによって、コークス塊32と炭化室31の炉壁との間の摩擦が静摩擦から動摩擦に変化して、摩擦係数が低下し、それによって押し出し負荷が低減する。その結果、炉壁の損傷を抑止することができるものである。
上記のように、コークス押出し装置は、加振部がラムヘッドに備えられ、炉の中に入った状態で機能するものである。炉の中は高温であり、炉の中に入った状態で、どのような振動状態になっているかを外部から観測することは困難である。
しかし、加振部が傾くなどして、必要な振動が加振機から伝わらなくなる場合や、伝わった振動がコークス塊に伝わらず、ラムヘッドに伝わるような場合に操業を継続することは望ましくなく、加振部の状態を外部からモニターする必要がある。このため、加振部の状態を測定する計測器を設置することが望ましい。
加振部の温度は、熱電対等の公知の手段を用いることでモニターすることが可能である。また、加速度についても高温での測定が可能であり、特許文献3には、コークス塊に与える振動の好ましい加速度レベルについても記載されている。加速度レベルの測定方法については特に規定されていないが、一例としてラムヘッドに取り付けた加速度ピックアップを用いる方法が挙げられている。
一方で加振部の変位(位置)についての情報を得ることができれば、加振部全体の押込まれ具合、加振部の傾きについての情報を得ることができるので好ましい。しかし、500〜600℃の高温に耐え、比較的安価に変位を測定できる計測装置は一般的ではないのが現状である。
加速度ピックアップで加速度を測定し、2回積分することで変位情報を得ることは原理的には可能であり、数Hz以上の振動変位(振幅)を得ることは比較的容易である。しかし、加振部がコークスに押し付けられることによる変位を得るためには、ゆっくりとした動きとなり、非常に低い周波数(たとえば1Hz以下)の加速度の測定が必要となり、現実的には困難である。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出しラム先端のラムヘッドを押し当ててコークス塊を炭化室から押し出す際に、コークス塊に振動を加えながら押し出すことができるコークス押し出し装置であって、ラムヘッドの押し当て面の少なくとも一部が振動可能な加振部からなるものを用いるコークス炉の操業において、加振部の変位を簡易に測定することで、コークス塊に振動を加えながら押し出す操業を円滑に行ない、トラブルの発生を防止できるコークス押し出し装置およびコークス押し出し方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)、コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出しラム先端のラムヘッドを押し当ててコークス塊を炭化室から押し出す際に、コークス塊に振動を加えながら押し出すことができるコークス押し出し装置であって、前記ラムヘッドの押し当て面の少なくとも一部が振動可能な加振部からなり、該加振部はバネおよび歪量測定用部材を介して前記ラムヘッドに設置され、前記歪量測定用部材に歪ゲージが取り付けられていることを特徴とするコークス押し出し装置。
(2)、少なくとも加振部の上下2ヶ所に歪量測定用部材を設置することを特徴とする請求項1に記載のコークス押し出し装置。
(3)、(1)または(2)に記載のコークス押し出し装置を用い、歪ゲージで測定した歪量から加振部の変位量を求め、該変位量が所定の範囲内の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうことを特徴とするコークス押し出し方法。
(4)、さらに加振部の加速度を測定し、該加速度が所定の範囲内の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうことを特徴とする(3)に記載のコークス押し出し方法。
(5)、さらに加振部近傍の温度を測定し、該温度が所定の値以下の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうことを特徴とする(3)または(4)に記載のコークス押し出し方法。
本発明によれば、コークス塊に振動を加えながら押し出す際に、安価な計測装置を用いながらラムヘッドの加振部の変位を測定できる。これにより振動がコークス塊に付与されない状態で押し出しを行なうことや、コークス塊の一部のみがラムヘッドと接触した状態で押し出しを行なうことが回避され、押し出し装置の損傷を回避するとともに、確実に押し出し負荷を低減させることができる。
その結果として、コークス炉の炉壁の損傷を抑止することができるとともに、押し詰まりによる操業遅延が回避され、コークスの生産性をよりいっそう向上させることが可能となる。
コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出し装置のラムヘッドを押し当てて炭化室からコークス塊を押し出すに際し、コークス塊に振動を付与しながら押し出しを行なうコークス押し出し装置として、例えば、図1に示すものを用いることができる。
図1はコークス押し出し装置の押し出し方向に平行な縦断面における概略図であり、図1において、コークス押し出し装置1は、押し出しラム2と加振部3と加振機4と加振ロッド5とからなり、押し出しラム2はラムロッド6とラムロッド6の先端に取り付けられたラムヘッド7とからなっている。
このコークス押し出し装置1では、炭化室内のコークス塊に押し当てられるラムヘッド7の押し当て面の一部が加振部3となっている。その加振部3を振動させるための加振機4がラムロッド6の後端部近傍に配置されている。加振部3には加振ロッド5を介して振動を伝えている。そして、加振部3はラムヘッド7内に所定個数配されたバネ8を介してラムヘッド7に連結されており、これにより加振部3に掛かる押し出し反力P2をラム2が受け止めるようになっている。ラム2には加振ロッド5を支持する所定個数のサポート軸受9が配されており、これによって、加振部と加振ロッドと加振機からなる加振機構の自重をラム2が支えるようになっている。
このようなコークス押し出し装置において、加速度は振動の状態を直接意味するため、加振部の加速度を測定することで、加振部が振動しているか否かを判定することが出来る。しかし、変位や傾きを測定することは困難である。
変位の測定は、接触式の変位センサ(たとえば作動トランス式接触変位センサ)、非接触式の変位センサ(超音波式変位センサ、渦電流式変位センサ、レーザー式変位センサなど)を使用して行なうことができる。しかし、加振部は環境温度が300℃から500℃になることがあり、これらのセンサの使用には耐熱面で課題がある。もちろん確実な冷却方法を取ることで測定が可能な場合もあるが、冷却トラブルが発生するとセンサの破損につながる可能性が高い。このため、高温でも動作が可能なセンサの利用が望ましい。
高温でも動作が可能なセンサとしては、歪ゲージが知られている。歪ゲージは600〜700℃程度の高温においても使用が可能であり、この歪ゲージを用いて加振部の変位を測定する方法について検討した。
歪ゲージを変位測定の用途に使用するためには、変位に応じた歪が発生する場所に貼り付ける必要がある。今回の装置では、そのような歪が得られる場所として、バネ8、ラムヘッド7のバネ8が当たる周辺の部材(バネ8が取り付けられているラムヘッド7の部材)が考えられる。しかし、バネ8に歪ゲージを取り付けることは容易ではない。また、取り付けた後、バネの動作次第でゲージとバネが接触する恐れがあり、破壊する可能性もある。また、ラムヘッド2のバネ8周辺の力を受ける部材は、押出し力を確実にラムロッド6に伝え、それ自体が壊れることが無いように高い強度を持つように設計するために、歪の発生が小さく、歪ゲージでの測定には不向きである。
そこで、本発明においては、歪ゲージを取り付けて歪量を測定するための専用の部材を別途用意し、この歪量測定用部材10における変位と歪との関係をあらかじめ測定しておき、この歪量測定用部材10を加振部とラムヘッドとの間に設置して、歪量測定用部材10の歪を測定することで変位信号を精度良く測定できるようにした。
具体的には曲部を有する金属板部材を用意し、加振部3とラムヘッド7の間にバネ8と並列に取り付け、この歪量測定用部材10の一部に歪ゲージを貼り付けた。図2、図3は歪量測定用部材の一実施形態であり、図2は断面図、図3は斜視図である。歪量測定用部材10は、加振部3とラムヘッド7が変位すると部材の曲がり部分の曲率が変化し、全体として変形を行なう。
図2、図3に示す歪量測定用部材について、有限要素法で解析したところ、図3の×印部分に歪が発生し、この部分に歪ゲージを取り付けることで測定が可能であることがわかった。
このとき、歪ゲージは1アクティブゲージ法でも良いが、2アクティブゲージ法(曲げ歪測定法)あるいは4アクティブゲージ法(曲げ歪測定法)を用いることで温度影響などの影響を極力低減し、曲げ歪を効率よく測定できるのでより好ましい。
以上のようにコークス押し出し装置に歪量測定用部材を設置して、歪量を測定することにより加振部の変位を測定し、加振部の状態を判定しながら加振動作の判定を行なうことにより、押し出し機、またはコークス炉への悪い影響を排除しながら確実に押し詰まりを回避する操業が出来る。
変位の測定は、2ヶ所以上で行なうことが好ましい。変位を2ヶ所以上測定することで、加振部全体の押し込まれ具合を判定することができる。上下に2ヶ所で測定することで、加振部の前後の傾き具合を、左右に2ヶ所測定することで、加振部の左右傾き具合を判定することが出来る。なお、左右はガイドを設けて傾きが一定以下になるようにすることができるので、上下2ヶ所以上で測定することを優先することが好ましい。
加振部の変位の測定に加えて、加速度の測定を行なうことが好ましい。
振動は加振機から加振ロッドを伝わって加振部に達するので、その伝達特性が明確になっていれば、加振機の振動状態を測定することで推定することが可能である。しかし、加振部が傾いたりすることで振動伝達特性が変わることもありえるため、加振部あるいはそれに極近いところで加速度を測定することが望ましい。
上記で得られる変位信号を2回微分して加速度の情報を得ることも可能である。ただし、加速度を直接測定するよりは誤差が大きくなるので、加速度を直接測定することが好ましい。このためには加速度センサ等を加振部のコークス塊を押し出す側とは反対の面に取り付けて測定を行なえばよい。
加振部の変位および/または加速度の測定に加えて、温度の測定を行なうことが好ましい。温度が所定以上になると、加振部をラムヘッドに接続しているバネの機能が低下するため、変位や加速度の測定と同時に温度もモニターすることが好ましい。この場合は、温度測定用の熱電対をバネの付近に設置する。
本実施形態においては、加振機4はラムロッド6の軸上に配置されている。加振機は高温の状態下にある炭化室内に進入すると熱損傷を受けてしまうことや、室炉式コークス炉では炉幅が400mm程度と狭いことを考慮して、加振機はラムロッド後方の炭化室内に入らない部分に取り付ければよく、ラムロッドの両側に加振機を配置して加振ロッドを2本用いる等、任意の方法で加振部の加振を行なえばよい。また、ラムヘッドに接続している、押し出し装置のラムロッド部分は通常断面が縦長の箱型で長い筒状の構造をしているが、加振ロッドはこれに沿って配置するのがもっとも構造が簡単であり、例えば、ラムロッドの左右両側にパイプを沿わせ、これを加振ロッドとして使用することもできる。
また、必要に応じて加振部と加振機の接続を解除して、加振機を押し出しラムから分離できるようにするための連結・分離機構を設けることが好ましい。
さらに、上記の実施形態においては、ラムヘッドの押し当て面の一部を加振部としたが、ラムヘッドの押し当て面の全面を加振部とすることもできる。
次に、上記のように構成されたコークスの押し出し装置を用いた場合の、コークス塊を炭化室から押し出すコークスの押し出し方法を、図1を用いて説明する。
まず、ラムロッド上面のラックとラム駆動装置ピニオンによるラック−ピニオン方式の駆動機構によって、ラムヘッドを炭化室内に向かって前進させる。次に、ラムヘッドを炭化室内のコークス塊に押し当て、加振機によって加振部を押し出し方向に振動させて、コークス塊に振動を加えながら、ラムヘッドを前進させる。それにより、コークス塊と炭化室炉壁との間の摩擦が静摩擦から動摩擦に変化して、摩擦係数が低下し、それによって押し出し負荷が低減する。通常、押し出し荷重が最大になるのは、ラムヘッドが炭化室の中央部に前進するまでの間であるので、加振機がラム駆動装置に到達するまでの間、コークス塊に振動を加えることで、押し出し荷重を効果的に低減することができる。ラムヘッドがコークス塊を炭化室から全て押し出す位置まで前進したら、そこで押し出しを終了する。これにより炭化室炉壁の損傷を抑止することができるとともに、押し詰まりによる操業遅延が回避され、生産性をあげることが可能となる。
上記において、加振機を作動する前に変位の情報から加振部の変位状態を判断する。押し出しラムが進み始めてコークスに当たったあと、加振部の変位が所定以上に大きい場合には、異常荷重がなんらかの理由で発生している可能性があり、加振を行なわずにコークスの押し出しを行なう。
加振部の変位が所定以下に小さい場合には、加振部とコークスの当たりが不完全である場合が考えられ、コークスへの加振力の伝達が望めないだけでなく、異常振動を起こす可能性があるので、この場合も加振を行なわない。
加振部の変位に位置によるばらつきがあり、加振部に傾きが発生していると考えられる場合には、特定のバネ10への集中的な負荷が起こっている可能性があり、振動が悪い影響を与える恐れがあり、この場合も加振を行なわない。
通常、振動がかかる部位に使用するバネとして皿バネを使用する場合には、バネの自然長に対して一定の範囲内の変位、たとえば自然長の15%〜80%の変位内に収まるように使用する。他の形式のバネについても、それぞれ使用範囲があり、同様に一定の範囲の変位内で使用する。複数のバネを使用する際には、個々のバネにかかる力のバランスで各々の変位量が変わり、しいては加振部の傾きになる。このため、2ヶ所以上で変位を測定し、加振部の変位の状態(変位量と全体の傾き)を算出し、それから各バネの変位量を算出し、各バネの変位が、上述の範囲を逸脱する場合には加振を行なわないことが望ましい。
上記のいずれにも当てはまらない場合には加振部への加振を開始する。加振の開始後についても、加振部の変位の信号を監視し、上記の状態が発生した際には加振を停止する。また、押出し動作の進展に伴い、上記の状態が解消されたら加振を再開しても良い。なお、加振している間は変位も振動するが、時間移動平均を取るなどして、平均的な位置で変位の算出を行なえばよい。
なお、加振部の傾きがあまりにも大きいときにはバネが損傷することも考えられる。このようなことの発生を防止するため、バネの変位が許容範囲を超えないようにストッパーを設けることが好ましい。ただし、加振部が振動しながらストッパーに接触すると機械的に損傷する可能性があるため、加振部がストッパーに接触する恐れがある範囲になる前に加振を止めるようにして、加振部が振動しない状態で変位が大きくなったときにストッパーがバネを保護するようにするとよい。このようにすると加振部の傾きが大きくなった場合であっても、押し出しを通常の(加振のない)押し出し動として継続することが可能となり、押出しを中断する必要がない。
また、上記の判定とともに、変位信号を2回微分して加速度を得て、下記に述べる加速度の情報の場合と同じ判定をしても良い。
加速度の情報については、加振機が作動し始めて、加振機に振動が発生した際に、加振部の加速度を参照し、あらかじめ計測しておいた所定範囲の加速度が得られているかを判定する。
加振部の加速度が小さい場合、例えば0.5G未満の場合には、振動が伝わっていない、減衰しているなどの可能性がある。加振部の加速度が大きい場合、例えば10Gを超える場合には、何らかの理由で共振を起こしている可能性があり、機械的なトラブルの原因となりえる。ラムヘッド側のトラブルはもとより、コークスの異常振動から炉壁を痛めるようなトラブルの発生が考えられる。
このため、上記のような場合には加振機の作動を停止し、振動を付与した押し出しを中止する。このとき、通常の(加振のない)押し出し動作自体を中断する必要はない。
加速度レベルの測定は、例えば、ラムヘッドの加振部分に取り付けた加速度ピックアップ(B&K社製 Piezoelectric Charge Accelerometer 型番Type 4383)の信号をチャージアンプ(B&K社製Charge Amplifier 型番Type 2635)で変換し、パソコンで記録して求めることができる。
温度の情報については、加振部またはバネの温度を測定し、設計温度以上になっている場合に作動を制限することで機械的な負荷を下げることが出来る。例えば、バネ10の温度が所定以上になった場合にバネの機能低下を防ぐために加振を停止する。温度設定値はたとえばバネ材としてSUP材を用いる場合には150℃から200℃の間にするなど、バネの材質により最適値を設定する。
以上のように、加振部の変位、加速度、温度の情報を用いてコークス押し出し装置の運転の判断をすることで、コークス塊に振動を加えながら押し出す操業を円滑に行ない、トラブルの発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るコークス押し出し装置の断面図である。 歪量測定用部材の一実施形態の断面図である。 歪量測定用部材の一実施形態の斜視図である。 従来技術のコークス押し出し装置の側面図である。 従来技術のコークス押し出し装置の斜視図である。
符号の説明
1 コークス押し出し装置
2 押し出しラム
3 加振部
4 加振機
5 加振ロッド
6 ラムロッド
7 ラムヘッド
8 バネ
9 サポート軸受
10 歪量測定用部材
20 押し出しラム
21 ラムロッド
22 ラムヘッド
22a 上部押し当て面
22b 中間押し当て面(加振板)
22c 下部押し当て面
28 加振機
29 加振ロッド
30 コークス押し出し装置
31 コークス炉の炭化室
32 コークス塊
P1 押し出し反力
P2 押し出し反力
P3 押し出し反力

Claims (5)

  1. コークス炉の炭化室内のコークス塊に押し出しラム先端のラムヘッドを押し当ててコークス塊を炭化室から押し出す際に、コークス塊に振動を加えながら押し出すことができるコークス押し出し装置であって、前記ラムヘッドの押し当て面の少なくとも一部が振動可能な加振部からなり、該加振部はバネおよび歪量測定用部材を介して前記ラムヘッドに設置され、前記歪量測定用部材に歪ゲージが取り付けられていることを特徴とするコークス押し出し装置。
  2. 少なくとも加振部の上下2ヶ所に歪量測定用部材を設置することを特徴とする請求項1に記載のコークス押し出し装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコークス押し出し装置を用い、歪ゲージで測定した歪量から加振部の変位量を求め、該変位量が所定の範囲内の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうことを特徴とするコークス押し出し方法。
  4. さらに加振部の加速度を測定し、該加速度が所定の範囲内の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうことを特徴とする請求項3に記載のコークス押し出し方法。
  5. さらに加振部近傍の温度を測定し、該温度が所定の値以下の場合にコークス塊に振動を加えながら押し出しを行なうことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のコークス押し出し方法。
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