JP2009155226A - 抗シトルリン化gfapモノクローナル抗体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】シトルリン化されたGFAPのみを特異的に検出できる手段を提供すること。
【解決手段】シトルリン化されたGFAP(グリア繊維性酸性タンパク質)を対応抗原とし、シトルリン化されていないGFAPとは実質的に反応しない、抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を提供した。また、該抗体又はその抗原結合性断片を用いた免疫測定によるシトルリン化GFAPの測定方法、及び該測定方法により測定した被検試料中のシトルリン化GFAPの存在量を指標とする神経変性疾患の検出方法を提供した。
【選択図】図4

Description

本発明は、抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、並びにこれを用いたシトルリン化GFAPの測定方法及び神経変性疾患の検出方法に関する。
タンパク質のシトルリン化反応は、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)という酵素により構成アミノ酸のアルギニンがシトルリンに変換される反応である。PADには5種類のアイソフォームが存在し、生体内における組織分布や基質特異性等がそれぞれ異なっている。そのうち、2型PAD(PAD2)は、海馬、扁桃体、視床下部、大脳皮質など、脳全体に広く分布しており、脳においては他型のPADは検出されない。
脳神経の変性疾患の1種であるアルツハイマー病では、脳においてPAD2の増加が認められ、シトルリン化されたタンパク質が多く蓄積していること、シトルリン化を受けているタンパク質はミエリン塩基性タンパク質(MBP)、ビメンチン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)であることが報告されている(非特許文献1)。
ビメンチンやMBPが生体内に広く分布するタンパク質である一方、GFAPは脳及び脊髄組織に特異的に多く存在するタンパク質である。従って、シトルリン化GFAPを特異的に検出できれば、アルツハイマー病など多くの神経変性疾患におけるGFAPのシトルリン化の役割の解明に貢献でき、ひいてはアルツハイマー病などの治療薬の開発に寄与できる。
シトルリン化タンパク質を検出する手段としては、非特許文献2に記載される方法が知られている。しかしながら、該方法で用いられている抗体は、タンパク質のシトルリン化部位をジアセチルモノオキシム及びアンチピリンを用いて化学的に誘導体化し、その誘導体化した部位を認識する抗体である。従って、該方法によりシトルリン化タンパク質を検出する場合には、測定対象のシトルリン化タンパク質についてシトルリンの誘導体化を行なう必要があり、操作が極めて煩雑である。また、かかる方法でシトルリン化GFAPのみを特異的に検出することはできない。
J Neurosci Res (2005) 80(1):120-128 Anal Biochem (1992) 203:94-100
従って、本発明の目的は、シトルリン化されたGFAPのみを特異的に検出できる手段を提供することにある。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、組換えPAD2酵素によりインビトロでシトルリン化したGFAP組換えタンパク質を免疫原として用いることにより、シトルリン化GFAPと特異的に結合するモノクローナル抗体を作製することに成功し、さらに、該モノクローナル抗体を用いてシトルリン化GFAPを特異的に検出できる免疫測定方法を開発することに成功し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、シトルリン化されたGFAP(グリア繊維性酸性タンパク質)を対応抗原とし、シトルリン化されていないGFAPとは実質的に反応しない、抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を提供する。また、本発明は、上記本発明の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片と、被検試料中のシトルリン化GFAPとの抗原抗体反応を利用した免疫測定により、被検試料中のシトルリン化GFAPを測定することを含む、シトルリン化GFAPの測定方法を提供する。さらに、本発明は、身体から得た被検試料に対して上記本発明の測定方法を行なうことにより測定される、前記被検試料中のシトルリン化GFAPの存在量を指標とする、神経変性疾患の検出方法を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の測定方法を実施するためのキットであって、上記本発明の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含むシトルリン化GFAPの測定キットを提供する。さらに、本発明は、上記本発明の検出方法を実施するためのキットであって、上記本発明の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む神経変性疾患の検出キットを提供する。
本発明により、誘導体化等の煩雑な工程を経ることなく、シトルリン化タンパク質のうちシトルリン化GFAPを特異的に検出可能なモノクローナル抗体が初めて提供された。シトルリン化GFAPのみを検出できる手段は従来存在せず、アルツハイマー病等の神経変性疾患におけるGFAPのシトルリン化の役割の解明は困難であった。本発明は、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患におけるGFAPのシトルリン化の役割の解明、ひいてはアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療薬の開発に貢献し得る。例えば、シトルリン化GFAPの蓄積を防止することで神経変性疾患を治療又は予防できる場合には、本発明のモノクローナル抗体は、神経変性疾患の治療又は予防剤として有用となり得る。
本発明のモノクローナル抗体は、シトルリン化されたGFAP(シトルリン化GFAP)を対応抗原とし、シトルリン化されていないGFAPとは実質的に反応しない抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体である。ここで、「対応抗原とし」とは、シトルリン化GFAPを免疫原として用いた動物に由来するという意味である。もっとも、シトルリン化GFAPを対応抗原とするモノクローナル抗体と同一のモノクローナル抗体であれば、他の方法、例えば、遺伝子工学的手法により生産されるモノクローナル抗体も本発明のモノクローナル抗体に該当し、本発明の範囲に包含される。また、「実質的に反応しない」とは、非シトルリン化GFAPに対する反応性が、シトルリン化GFAPに対する反応性よりも識別可能な程度に低いことを意味する。従って、非シトルリン化GFAPに対して交差反応性を有する場合であっても、その免疫学的反応性が、シトルリン化GFAPに対する免疫学的反応性よりも識別可能な程度に低い場合には、本明細書で言う「非シトルリン化GFAPとは実質的に反応しない」場合に含まれ、本発明の範囲に含まれる。言うまでもなく、非シトルリン化GFAPと交差反応性を有さないモノクローナル抗体、すなわち、シトルリン化GFAPと反応するが、非シトルリン化GFAPとは反応しないモノクローナル抗体が好ましい。
本発明のモノクローナル抗体は、好ましくは、シトルリン化タンパク質の中でもシトルリン化GFAPのみと抗原抗体反応し、他のシトルリン化タンパク質とは実質的に反応しない。ここでいう「実質的に反応しない」という語も上記と同様の意味である。
GFAPは、生体内において、脳及び脊髄組織に特異的に多く存在するタンパク質である。従って、シトルリン化GFAPもまた、脳や脊髄組織に多く存在すると考えられる。また、シトルリン化反応を担うPADのうち、脳に存在するのはPAD2のみである。よって、生体内に存在するシトルリン化GFAPとは、主にPAD2によりシトルリン化されたものであると考えられる。本発明のモノクローナル抗体は、好ましくは、PAD2によりシトルリン化されたGFAPと抗原抗体反応する。
非特許文献1に記載される通り、アルツハイマー病患者の脳ではPAD2が高発現しており、且つ、シトルリン化GFAP等のシトルリン化タンパク質が蓄積していることが知られている。好ましくは、本発明の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体は、アルツハイマー病患者の脳中に存在するシトルリン化GFAPと抗原抗体反応する。例えば、下記実施例に記載される抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体は、アルツハイマー病患者の脳抽出液及び脳組織切片中に多量に存在するシトルリン化GFAPを高感度に検出することができる(実施例3、4)。また、アルツハイマー病以外の神経変性疾患、具体的にはDLB(レビー小体型痴呆)、PSP (進行性核上性麻痺)、CBD(皮質基底核変性症)、Pick(ピック病)、CJD(クロイツフェルトヤコブ病)、MSA(多系統萎縮症)、FTLDU(ユビキチン陽性封入体を伴う前頭葉型認知症)、血管性の痴呆などの脳中に存在するシトルリン化GFAPとも抗原抗体反応する。
シトルリン化の対象となるGFAP中のアルギニン残基は、配列番号1に示されるアミノ酸配列中のaa36, aa49, aa66, aa88, aa141, aa152, aa162, aa173, aa209, aa217, aa270, aa276, aa319, aa330, aa367, aa376, aa406及びaa416の部位(以下「シトルリン化部位」という)に存在する(図5参照)。タンパク質シトルリン化反応は、陽電荷が消失するため、タンパク質の高次構造に著しい変化をもたらす。また、アルギニンの分子量は174.20、シトルリンの分子量は175.19であるため、1箇所のシトルリン化につきタンパク質としておよそ1Daの質量変化が起こる。本発明のモノクローナル抗体は、シトルリン化により高次構造が変化したシトルリン化GFAPを認識するものであるため、上記シトルリン化部位のいずれかを含む領域をエピトープとして認識するものと考えられる。例えば、下記実施例に記載されるモノクローナル抗体CTGF-1221は、(1)aa36を含むaa31〜40、(2)aa270及びaa276を含むaa261〜276、(2)aa416を含むaa412〜432の各領域からなる各断片と特異的に結合するので(下記実施例1(6)参照)、これらの領域をエピトープとして認識する抗体である。エピトープが一次構造中の複数領域に分断して存在しているのは、該モノクローナル抗体CTGF-1221がシトルリン化GFAPの高次構造上の一部を認識しており、該高次構造上の一部がこれら3つの領域により形成されているためであると考えられる。なお、抗体の認識部位の同定は、例えば、シトルリン化GFAPをトリプシン等のようなタンパク質分解酵素により部分消化し、認識部位を調べるべき抗体を結合させたアフィニティーカラムに部分消化物溶液を通じて消化物を結合させ、次いで結合した消化物を溶出させて常法の質量分析を行なうことにより、同定を行なうことができる。
本発明は、上記した本発明のモノクローナル抗体の抗原結合性断片をも提供する。ここで、「抗原結合性断片」とは、例えば免疫グロブリンのFab断片やF(ab')2断片のような、当該抗体の対応抗原に対する結合性(抗原抗体反応性)を維持している抗体断片を意味する。このような抗原結合性断片も免疫測定に利用可能であることは周知である。Fab断片やF(ab')2断片は、周知の通り、モノクローナル抗体をパパインやペプシンのようなタンパク分解酵素で処理することにより得ることができる。なお、抗原結合性断片は、Fab断片やF(ab')2断片に限定されるものではなく、対応抗原との結合性を維持しているいかなる断片であってもよく、遺伝子工学的手法により調製されたものであってもよい。また、例えば、遺伝子工学的手法により、一本鎖可変領域 (scFv : single chain fragment of variable region) を大腸菌内で発現させた抗体を用いることもできる。scFvの作製方法も周知であり、上記の通りに作製したハイブリドーマのmRNAを抽出し、一本鎖cDNAを調製し、免疫グロブリンH鎖及びL鎖に特異的なプライマーを用いてPCRを行なって免疫グロブリンH鎖遺伝子及びL鎖遺伝子を増幅し、これらをリンカーで連結し、適切な制限酵素部位を付与してプラスミドベクターに導入し、それで大腸菌を形質転換し、大腸菌からscFvを回収することによりscFvを作製することができる。このようなscFvも本発明で言う「抗原結合性断片」に包含される。
上記本発明のモノクローナル抗体は、例えば、シトルリン化GFAPを免疫原として用いて、周知のハイブリドーマ法により調製することができる。すなわち、シトルリン化GFAPを調製し、これを免疫原として用いて動物(ヒトを除く)を免疫し、該動物から抗体産生細胞を得てミエローマ細胞等の不死化細胞と融合させることによりハイブリドーマを作製し、該ハイブリドーマから、所望の反応性(シトルリン化GFAPに対する特異的な反応性)を有する抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングし、スクリーニングしたハイブリドーマから抗体を回収することにより、本発明のモノクローナル抗体を得ることができる。
免疫原とするシトルリン化GFAPは、例えば、下記実施例に詳述されるように、周知の遺伝子工学的手法によりGFAP組み換えタンパク質及びPAD組み換えタンパク質を調製し、両者を混合して、10mM〜30mM程度のカルシウムイオンの存在下、37℃程度で12時間〜48時間程度シトルリン化反応させることにより得ることができる。この際用いるPADとしては、特に限定されないが、生体内でシトルリン化GFAPの生成に中心的に寄与していると考えられるPAD2が好ましい。調製したPAD組み換えタンパク質の酵素活性は、例えば、下記実施例に詳述されるように、ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステル(BAEE)を基質として用いて、10mM〜30mM程度のカルシウムイオンの存在下、37℃〜55℃程度で所定の時間(例えば1時間程度)酵素反応を行ない、公知の比色定量用試薬を用いて吸光度を測定することにより確認することができる。特に限定されないが、通常、0.01U/ml程度以上の活性が確認できれば、シトルリン化GFAPの調製に好ましく用いることができる。GFAPの遺伝子配列及びアミノ酸配列は配列表の配列番号1及び2に、PAD2の遺伝子配列及びアミノ酸配列は配列番号3及び4にそれぞれ示される通りであり、当業者であればこれらの配列情報を用いて容易に組み換えタンパク質を調製することができる。また、PAD2以外のPADも、遺伝子配列及びアミノ酸配列は公知であり、NCBIのGenBank等のデータベースから容易に配列情報を取得できるので、組み換えタンパク質の調製は容易である。なお、配列番号1及び2に記載のGFAP配列はアクセッション番号NM_002055として、配列番号3及び4に記載のPAD2配列はアクセッション番号AB030176として、GenBankに登録されている。
ハイブリドーマのスクリーニング自体は、周知の方法により行なうことができる。例えば、免疫原として用いたシトルリン化GFAPを結合させた固相を用いて、ハイブリドーマ培養上清についてELISA等の周知の免疫測定を行なうことにより、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングすることができる。この際、シトルリン化されていないGFAPを結合させた固相を用いた免疫測定も併せて行ない、シトルリン化GFAPに対する反応性が非シトルリン化GFAPに対する反応性よりも高いものを選択することにより、非シトルリン化GFAPへの交差反応性が低いモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択することができ、好ましい。
本発明により、シトルリン化GFAPへの特異性が高い抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体及びその抗原結合性断片が提供されるため、該モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いた免疫測定により、被検試料中のシトルリン化GFAPを測定することが可能になる。すなわち、本発明は、上記した本発明の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片と、被検試料中のシトルリン化GFAPとの抗原抗体反応を利用した免疫測定により、被検試料中のシトルリン化GFAPを測定することを含む、シトルリン化GFAPの測定方法をも提供する。なお、本発明において、「測定」という語には、検出、定量、半定量が包含されるものとする。
免疫測定方法自体はこの分野において周知であり、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、周知のいずれの免疫測定方法にも利用することができる。すなわち、反応形式に基づき分類すると、サンドイッチ法、競合法、凝集法等があり、標識に基づき分類すると、酵素免疫分析、放射免疫分析、蛍光免疫分析等があるが、これらのいずれもが本発明で言う「免疫測定」に包含され、本発明の測定方法に採用することができる。また、各免疫測定に必要な試薬類も周知であり、用いるモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に特徴があること以外は、通常の免疫測定用キットを用いて免疫測定を行うことができる。すなわち、本発明は、上記した本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む、本発明の測定方法を実施するための測定キットも提供するものである。
サンドイッチ法の第2抗体として本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いる場合、それらはしばしば標識される。標識としては、フルオレセイン、FITC、カルモジュリンのような蛍光標識、β-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリフォスファダーゼ、ペルオキシダーゼのような酵素標識、フェロセンまたはその誘導体、キノンまたはその誘導体、コバルト化合物等の標識を例示することができる。
好ましくは、本発明の測定方法は、固相化抗体と標識抗体とを用いたサンドイッチ法による免疫測定により行なわれる。固相化抗体及び標識抗体の双方に本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を採用してもよいし、いずれか一方に採用してもよい。双方に採用する場合には、本発明のモノクローナル抗体の中でも、異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体を用いる。いずれか一方に採用する場合には、他方として、例えばシトルリン化GFAPと非シトルリン化GFAPとの両者に抗原抗体反応できるモノクローナル抗体を採用することができる。この場合、両者を認識する該モノクローナル抗体は、必然的に、非シトルリン化GFAPへの交差反応性が低い本発明のモノクローナル抗体とは異なるエピトープを認識すると考えられる。そのため、この場合には、本発明の測定方法に採用すべきモノクローナル抗体の選択に際し、各抗体の認識部位を同定する必要がなく、本発明の測定方法を実施するための測定系の確立をより簡便に行なうことができる。シトルリン化GFAPと非シトルリン化GFAPとの両者に抗原抗体反応できるモノクローナル抗体は、上記した本発明のモノクローナル抗体を作製する方法中の、ハイブリドーマのスクリーニング工程において、シトルリン化GFAPと非シトルリン化GFAPとの両者に結合する抗体を産生するハイブリドーマを選択することにより得ることができる。なお、抗体認識部位の同定方法は上述した通りである。
抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体を用いた免疫測定によれば、アルツハイマー患者由来の試料から健常者由来試料よりも有意に多くのシトルリン化GFAPが検出される。シトルリン化GFAPは、アルツハイマー病以外の神経変性疾患、具体的にはDLB(レビー小体型痴呆)、PSP (進行性核上性麻痺)、CBD(皮質基底核変性症)、Pick(ピック病)、CJD(クロイツフェルトヤコブ病)、MSA(多系統萎縮症)、FTLDU(ユビキチン陽性封入体を伴う前頭葉型認知症)、血管性の痴呆などの脳中にも蓄積するので、本発明のモノクローナル抗体を用いれば、これらの神経変性疾患を検出することも可能である。すなわち、本発明は、身体から得た被検試料に対して上記した本発明のシトルリン化GFAP測定方法を行なうことにより測定される、上記被検試料中のシトルリン化GFAPの存在量を指標とする、神経変性疾患の検出方法をも提供する。
本発明の神経変性疾患の検出方法では、シトルリン化GFAPが多く検出される場合に、上記身体が神経変性疾患であると判断される。検出精度を高める観点からは、1ないし複数の健常者試料についてシトルリン化GFAPを測定して健常者基準値を取得し、対象身体の測定値を該健常者基準値と比較することが好ましい。さらに検出精度を高めたい場合には、神経変性疾患を罹患していることが分かっている多数の患者から得た試料についてシトルリン化GFAPを測定して患者基準値を取得し、対象身体の測定値を健常者基準値及び患者基準値の双方と比較してもよい。上記基準値は、例えば、各試料におけるシトルリン化GFAP量を数値化し、その平均値を算出することによって定めることができる。なお、健常者基準値と患者基準値は、あらかじめ多数の健常者及び患者についてシトルリン化GFAP量を調べて定めておくことができる。そのため、本発明の神経変性疾患検出方法で基準値との比較を行なう場合には、あらかじめ定めた基準値を用いてもよい。
検出対象の神経変性疾患は、アルツハイマー病、DLB(レビー小体型痴呆)、PSP (進行性核上性麻痺)、CBD(皮質基底核変性症)、Pick(ピック病)、CJD(クロイツフェルトヤコブ病)、MSA(多系統萎縮症)、FTLDU(ユビキチン陽性封入体を伴う前頭葉型認知症)、血管性の痴呆などの脳神経変性疾患が好ましく、中でもアルツハイマー病が好ましい。被検試料としては、脳組織、脳脊髄液、血清、血漿等が挙げられる。
上記したシトルリン化GFAP測定キットは、神経変性疾患の検出キットとして用いることもできる。神経変性疾患の検出キットは、上記本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含み、その他公知の免疫測定試薬類等を含み得る。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体の作製
(1) ヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)組換えタンパク質の作製
GFAP遺伝子(配列番号1)は、ヒト脳RNA(クローンテック社)からRT-PCR法により単離した。すなわち、上記ヒト脳RNAからoligo-dTプライマーによりcDNAを合成し、該cDNAを鋳型として、pENTR-hGFAP-Fプライマー5'-CACCATGGAGAGGAGACGCATCACCTCCG-3' (29 mer)(配列番号5)とpENTR-hGFAP-Rプライマー5'-GAGCAACTATCCTGCTTCTGCTC-3' (23 mer)(配列番号6)をプライマーとして用いてPCRを行ない(94℃−1分、55℃−1分、72℃−2分を30サイクル、Taqポリメラーゼ(インビトロジェン社)及び添付のバッファーを使用)、GFAP cDNAを増幅した。得られたGFAP cDNAをGateway Technology(インビトロジェン社)を用いてpENRT/D-TOPO ベクター(インビトロジェン社)に挿入した。次に、GFAP組換えタンパク質を作製するため、GFAP遺伝子をN末端に6個のヒスチジン(6×His)配列を持つpDEST17ベクター(インビトロジェン社)に組み換え、大腸菌BL21-AIを用いて6×His-GFAPとして組換えタンパク質を作製した。6×His-GFAP組換えタンパク質は不溶性のため、8 M 尿素存在下でNi-NTA アガロースビーズ(Qiagen)を用いて電気泳動による単一のバンド(分子量約50 kDa)が得られるレベルまで精製した(図1)。また、精製したGFAP組換えタンパク質は50 mM Tris-HCl (pH 7.6), 300 mM NaCl, 0.05% Tween20, 20 mM 2メルカプトエタノール(2-ME), 1 mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF), 4 M 尿素で透析を行い、尿素濃度を最終4 Mにした。
(2) ヒト2型ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(hPAD2)組換えタンパク質の作製
hPAD2遺伝子(配列番号3)は、ヒト表皮有棘癌細胞HSC-1から抽出した全RNAからRT-PCR法により単離した。すなわち、上記全RNAからoligo-dTプライマーによりcDNAを合成し、該cDNAを鋳型として、pENTR-hPAD2-F 5'-CACCATGCTGCGCGAGCGGACCGTGCGGCTG-3' (31 mer)(配列番号7)とpENTR-hPAD2-R 5'-CCGGAATTCGCGGCCGCTCTGGGCGTGTGAGGGAGGGTCTGGAG-3' (44 mer)(配列番号8)をプライマーとして用いてPCRを行ない(94℃−1分、55℃−2分、72℃−2分を30サイクル、Taqポリメラーゼ(インビトロジェン社)及び添付のバッファーを使用)、hPAD2 cDNAを増幅して得た。得られたhPAD2 cDNAをGateway Technology(インビトロジェン社)を用いてpENRT/D-TOPO ベクター(インビトロジェン社)に挿入した。次に、hPAD2組換えタンパク質を作製するため、hPAD2遺伝子をN末端に6個のヒスチジン(6×His)配列を持つpDEST17ベクター(インビトロジェン社)に組み換え、大腸菌BL21-AIを用いて6×His-hPAD2として組換えタンパク質を作製した。6×His-hPAD2組換えタンパク質は、Ni-NTA アガロースビーズ(Qiagen)を用いて、電気泳動による単一のバンド(分子量約75 kDa)が得られるレベルにまで精製した(図2)。また、hPAD2組換えタンパク質の酵素活性は、benzoyl-L-arginine ethyl ester (BAEE)を基質にして測定した。即ち、hPAD2組換えタンパク質と200 mM Tris-HCl (pH 7.6), 20 mM CaCl2, 10 mM DTT, 20 mM BAEEを25 μlずつ混合し、50℃で1時間反応させた。1時間後、5 M過塩素酸を12.5 μl加えて反応を停止し、氷上に20分間放置した。反応液50μlに比色定量用試薬(0.0416% FeCl3・6H2O:H2SO4:H2PO4(50:25:20)と0.5% ジアセチルモノオキシム, 0.01% チオセミルバジドを2 : 1で混合)950 μlを加え、煮沸水浴で5分間反応後、530 nmで吸光度を測定した。hPAD2活性は、約70 U/mlであった。
(3) シトルリン化GFAP(Cit-GFAP)の作製
シトルリン化GFAP(Cit-GFAP)は(1)で作製したGFAP組換えタンパク質を、(2)で作製したhPAD2組換えタンパク質により、試験管内で酵素的にシトルリン化反応を起こさせて作製した。即ち、4 M尿素の溶けたGFAP (10 mg/ml) 2 mlと200 mM Tris-HCl (pH 7.6), 20 mM CaCl2, 10 mM DTT, 800 mU hPAD2組換えタンパク質 2 mlを混合し、37℃で反応させた。0分から1440分(24時間)まで経時的に反応液を回収し、GFAPがhPAD2によりどの程度シトルリン化されたかを、電気泳動したタンパク質のクマシー染色、そして化学修飾シトルリン化抗体(非特許文献2)を用いたウエスタン法により確認した。図3に示すように、Cit-GFAPはウエスタン法により反応10分後から確認できた。また、反応時間が長くなるにつれ、GFAP組換えタンパク質の電気泳動による移動度は遅くなり、バンドが2本になった。これは、GFAPがシトルリン化したため、タンパク質の電荷に変化が生じたためと考えられる。このように、GFAPは確かにシトルリン化したことが確認できた。以後、24時間反応後のCit-GFAPを抗体作製の抗原として用いることにした。
(4) 抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体の樹立
抗シトルリン化GFAP(Cit-GFAP)モノクローナル抗体は、上記(3)で作製したCit-GFAPをBALB/Cマウスのフットパットに免疫し、所属リンパ節リンパ球とミエローマ細胞を融合することにより作製した。即ち、フロイント完全アジュバントでエマルジョン化したCit-GFAP(25〜50μg/マウス)を用いてBALB/Cマウスのフットパットに免疫した。3週間後、Cit-GFAP(25〜50μg/マウス)のみで追加免疫を行い、3日後、マウス後ろ肢リンパ節からリンパ球を取り出し、前もってRPMI-1640培地で培養していたマウスミエローマ細胞(P3U1)と3:1の比率で混合し、PEG(ベーリンガー社製)を用い細胞融合を行った。融合した細胞はHAT培地に浮遊した後、96 well培養プレートに分注し37℃、CO2インキュベータで培養した。
Cit-GFAP特異抗体産生細胞のスクリーニングは抗原固相ELISA法にて行った。即ち、上記(3)で作製したCit-GFAPを96 well ELISAプレート(ファルマシア社製)に1μg/mlの濃度で50 μl/well分注し、4℃で一晩放置することにより吸着させた。1%スキムミルクでブロッキングした後、洗浄Buffer(0.05% Tween20を含むPBS)で3回洗浄し、細胞融合を行ったプレートの培養上清50μlを加え、37℃で1時間反応させた。同様に洗浄Bufferで3回洗浄後、POD標識抗マウスイムノグロブリン抗体(DACO社製)を加え、さらに37℃で1時間反応させた。洗浄Bufferで4 回洗浄後、基質ABTSを加え、発色の見られるwellを選択した。この際、Cit-GFAPの代わりにGFAPのみを吸着させたプレートでも同様に測定を行い、Cit-GFAP>GFAPを示すwellを選択した。この様にして最終的にCit-GFAP≫GFAPを示すCTGF-1221を確立した。また、同時にCit-GFAPとGFAPにほぼ同じ発色を示すCTGF-1224Rも確立した。
(5) 抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体の反応特異性の確認
CTGF-1221、CTGF-1224Rの反応特異性は固相抗原ELISA、及びウエスタンブロットにて確認した。固相抗原ELISAはCit-GFAP、GFAP、Cit-HSA、HSA(ヒト血清アルブミン)をELISAプレートに吸着させた後、スキムミルクでブロッキングしたプレートを用いて行った。上記抗原固相プレートの各wellにそれぞれのモノクローナル抗体を反応させた後、上記(4)と同様にPOD標識抗マウスイムノグロブリン抗体、基質ABTSを加え発色を確認することによって行った。ウエスタンブロットは常法に従い、Cit-GFAPとGFAPをそれぞれ電気泳動後、PVDF膜(ミリポア社)に転写し、HRP標識抗マウスイムノグロブリン抗体、ECL化学発光(アマシャムファルマシア社)の順で反応させバンドの存在を確認した。下記表1及び図4に示すように、得られた抗体はいずれもシトルリン化HSAとは反応せず、また、CTGF-1221はCit-GFAPのみに、CTGF-1224RはCit-GFAP、GFAPの両者に反応することが確認できた。
(6) 抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体CTGF-1221の認識部位同定
CTGF-1221抗体がCit-GFAP中のどのシトルリン残基を認識しているか明らかにするため、Cit-GFAPをタンパク質分解酵素のひとつであるトリプシンにより部分消化し、CTGF-1221抗体を結合させたアフィニティーカラムにCit-GFAP消化物を結合させた。結合物を60%アセトニトリル、またはグリシン塩酸バッファー(pH 4.0)でCTGF-1221抗体アフィニティーカラムから溶出し、二次元電気泳動及びマススペクトロメトリーによりシトルリンを含むペプチド断片を同定した。その結果、図5に示すように、hPAD2組み換えタンパク質によるシトルリン化を受けたhGFAP中のシトルリン化部位、及びCTGF-1221抗体が認識する領域(図5中の(1)〜(3)、すなわち配列番号1中のaa31〜aa40、aa261〜aa276及びaa412〜aa432)が同定された。CTGF-1221抗体が複数の断片を認識しているのは、Cit-GFAPのシトルリンを含む高次構造を認識しているためであると考えられる。
実施例2 Cit-GFAPサンドイッチELISAの確立
実施例1で確立したCTGF-1221とCTGF-1224Rを用いてCit-GFAPサンドイッチELISAを確立した。即ち、NUNC社製ELISAプレート(POLYSORB)にCit-GFAPに特異的なCTGF-1221抗体を10μg/mlの濃度にPBS (pH 7.4)で希釈し、100μl/1wellづつ入れ、4 ℃で一晩放置し、吸着させた。次に5%スキムミルク(Difco社製)含有トリス緩衝液 (pH 7.4)を200μl/well入れ、37℃で5時間放置しMaskingを行った。洗浄緩衝液(0.05%Tween20含有PBS pH 7.4)で3回洗浄後、Cit-GFAPを1% BSA-PBSで2n希釈し、100μl/well入れ、37℃で1時間反応させた。特異性を確認するため、GFAPを同様に2n希釈し37℃で1時間反応させた。洗浄緩衝液で3回洗浄、アルカリフォスファターゼ(ALP)標識CTGF-1224R抗体を入れ、37℃で1時間反応させた。洗浄緩衝液で充分洗浄し、基質PNPPを100μl /well入れ室温で一晩放置した後、405nmの波長を測定した。図6にスタンダード、図7にGFAPとの交差反応を示す。本Cit-GFAP測定系はGFAPへの交差性が低く(0.1%程度)Cit-GFAPを特異的に測定していることが確認された。
実施例3 Cit-GFAP ELISAによるアルツハイマー病(AD)患者脳抽出液中Cit-GFAPの測定
実施例1で確立したCit-GFAP測定系(ALP-CTGF-1221 / CTGF-1224R)を用いてAD患者とコントロール脳抽出液中のCit-GFAPを測定した。脳抽出液は0.1M M Tris-HCl (pH7.6), 0.1% NP40, 1 mM フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)で脳をホモジナイズして調製した。BSA-PBSで3n希釈したAD患者、及びコントロール脳抽出液(同年齢の脳より抽出)を実施例2のCit-GFAPの代わりに用いてELISAを行った。図8に示すように本測定系は脳抽出液中に存在するNative Cit-GFAPを検出することができた。ADとコントロール脳を比較するとAD患者で数倍量存在することが確認された。
実施例4 アルツハイマー病(AD)患者脳におけるCit-GFAPの免疫染色
実施例1で作製したCit-GFAPに特異的なCTGF-1221抗体を用いてAD患者とコントロール脳の大脳皮質領域での免疫染色を行った。即ち、AD脳及びコントロール脳をパラフィン包埋して薄切した切片を染色に使用した。切片を脱パラフィン後、一次抗体としてCTGF-1221を用い、次にVECTASTAIN Elite ABC kit (VECTOR社)、そして発色基質にジアミノベンチジン(DAB)を用いて発色させた。図9に示すようにCTGF-1221抗体はAD患者脳で特異的に濃く染色された。コントロール脳ではほとんど染色は認められなかった。従って、CTGF-1221はアルツハイマー病脳に存在するCit-GFAPを特異的に高感度で検出できることが確認できた。
実施例で作製し精製したヒトGFAP組換えタンパク質の泳動像である。 実施例で作製し精製したヒトPAD2組換えタンパク質の泳動像である。 PAD2組換えタンパク質によるGFAP組換えタンパク質のシトルリン化を経時的に解析した結果を示す図である。上段は電気泳動像(クマシー染色)、下段は化学修飾シトルリン化タンパク質抗体を用いたウエスタンブロットの結果を示す。 非シトルリン化GFAP(hGFAP)及びシトルリン化GFAP(Cit-hGFAP)に対し、一次抗体として実施例で作製したモノクローナル抗体(CTGF-1221及びCTGF-1214R)を用いてウエスタンブロットを行なった結果を示す図である。 実施例で作製したシトルリン化GFAPにおいて、シトルリン化の有無が確認された部位と、モノクローナル抗体CTGF-1221が認識する領域とを示す図である。 実施例で確立したCit-GFAP測定系を用いて作成した検量線である。 実施例で確立したCit-GFAP測定系を用いて、シトルリン化GFAPと非シトルリン化GFAPとを測定した結果を示す図である。 実施例で確立したCit-GFAP測定系を用いて、アルツハイマー病患者脳抽出液中のシトルリン化GFAPを測定した結果を示す図である。 実施例で作製したモノクローナル抗体CTGF-1221を用いて、アルツハイマー病患者の大脳皮質領域組織切片を免疫染色した結果を示す図である。

Claims (13)

  1. シトルリン化されたGFAP(グリア繊維性酸性タンパク質)を対応抗原とし、シトルリン化されていないGFAPとは実質的に反応しない、抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  2. シトルリン化されたGFAP以外のシトルリン化されたタンパク質とは実質的に反応しない請求項1記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  3. PAD2(2型ペプチジルアルギニンデイミナーゼ)によりシトルリン化されたGFAPと抗原抗体反応する請求項1又は2記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  4. シトルリン化されたGFAPの断片であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列中のaa31〜40、aa261〜276及びaa412〜432の領域から成る各断片の少なくとも1つと特異的に結合する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  5. 前記各断片の全てと特異的に結合する請求項4記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  6. アルツハイマー病患者の脳中に存在するシトルリン化されたGFAPと抗原抗体反応する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片と、被検試料中のシトルリン化GFAPとの抗原抗体反応を利用した免疫測定により、被検試料中のシトルリン化GFAPを測定することを含む、シトルリン化GFAPの測定方法。
  8. 前記免疫測定は固相化抗体及び標識抗体を用いたサンドイッチ法により行なわれ、固相化抗体及び標識抗体のいずれか一方に前記抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用い、他方にシトルリン化GFAP及び非シトルリン化GFAPの双方と抗原抗体反応する抗体又はその抗原結合性断片を用いる請求項7記載の測定方法。
  9. 身体から得た被検試料に対して請求項7又は8記載の測定方法を行なうことにより測定される、前記被検試料中のシトルリン化GFAPの存在量を指標とする、神経変性疾患の検出方法。
  10. 前記被検試料が、脳組織、脳脊髄液、血清又は血漿である請求項9記載の検出方法。
  11. 前記神経変性疾患がアルツハイマー病である請求項9又は10記載の検出方法。
  12. 請求項7又は8記載の測定方法を実施するためのキットであって、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含むシトルリン化GFAPの測定キット。
  13. 請求項9ないし11のいずれか1項に記載の検出方法を実施するためのキットであって、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の抗シトルリン化GFAPモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む神経変性疾患の検出キット。
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