JP2009154486A - 成形方法及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】射出成形温度の低い樹脂は勿論のこと、射出成形温度の高い樹脂を射出成形する場合であっても、射出成形時にコアが溶出したり、変形したりすることを防止でき、寸法安定性に優れた高精度な成形品を成形可能な成形方法、及びこの成形方法により製造された成形品を提供する。
【解決手段】コア50の外周面にメッキ処理により金属膜を形成する工程と、前記金属膜が形成されたコア50を、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形する工程と、前記射出成形後、コア50を溶融して除去する工程とを備えた成形方法、及びこの成形方法により製造された成形品である。
【選択図】図3
【解決手段】コア50の外周面にメッキ処理により金属膜を形成する工程と、前記金属膜が形成されたコア50を、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形する工程と、前記射出成形後、コア50を溶融して除去する工程とを備えた成形方法、及びこの成形方法により製造された成形品である。
【選択図】図3
Description
本発明は、低融点金属からなるコアを用いて樹脂製の成形品を成形する方法、及びこの成形方法により製造された成形品に関する。
従来から、複雑な三次元構造を有する樹脂製の成形品を製造する方法として、例えば、低融点金属からなるコアを、金型内に形成されるキャビティにセットし、通常の方法で射出成形して成形体を得た後、この成形体をキャビティから取り出し、コアを熱湯等により溶出させることにより、アンダーカット部等の複雑な構造を有する樹脂製の成形品を製造するロストコア成形が実施されている。(例えば、特許文献1参照)。
この方法に使用されるコアとしては、例えば、100℃、或いはそれ以下の温度の熱湯で溶ける低融点合金や、融点が138℃であるビスマス合金等が用いられているので、射出温度の比較的低い樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)等)を射出成形する場合は、射出成形時にコアが溶融したり、変形することは比較的少なく、精度の高い成形品を製造することができる。しかしながら、射出成形温度の高い樹脂(例えば、射出温度が280〜380℃であるポリカーボネート(PC)、ポリサルホン(PSF)等)を射出成形する場合は、射出成形時にコアが溶出したり、射出成形品が薄肉の場合等に射出圧力が高くなり、変形する虞があった。このため、所定の形状を有する精度の高い成形品を製造することが困難であり、何等かの対策が必要とされていた。
そこで、低融点合金製のコアを使用しても射出温度の高い樹脂の成形を行うことができる方法が紹介されている。この方法としては、例えば、弗素系或いはシリコーン樹脂系耐熱塗料(Aタイプ)、或いは溶剤に骨材としてけい砂、ジルコンサンド等の粉末を加えたBタイプの耐熱塗料を均一に塗布するか、或いはBタイプの耐熱塗料を塗布した後Aタイプの耐熱塗料を重ね塗りして耐熱被膜を形成したコアを、金型内に形成されるキャビティにセットして射出成形する方法がある。(例えば、特許文献2参照)。
また、金型内に形成されるキャビティに、外周面に離型剤が塗布された低融点合金製のコアをセットした状態で、当該キャビティ内に樹脂を射出することで合成樹脂製管状部材を製造する方法も紹介されている。この製造方法は、外周面に離型剤が塗布されたコアを使用するため、得られた合成樹脂製管状部材内に低融点合金が付着・残留することを防止することができる。(例えば、特許文献3参照)。
特開昭63−92419号公報
特公平6−20795号公報
特開平5−138680号公報
しかしながら、前述した引用文献2に記載された成形方法は、コアの外周面に耐熱塗料を塗布している。ここで、この塗布方法としては、通常、コアに耐熱塗料を直接刷毛塗りする、あるいはスプレーした後、乾燥させて被膜を形成することが挙げられるが、塗布時に耐熱塗料が液だれする虞があると共に、均一な被膜を形成することが困難である。さらにまた、特許文献2に記載されているBタイプの耐熱性塗料は、樹脂塗料部分は溶剤を用いて溶解させて除去することができるが、けい砂やジルコンサンド等は、溶解させることが困難であり、成形品の内壁に残留する可能性がある。
また、引用文献3に記載された成形方法は、得られた合成樹脂製管状部材内に低融点合金が付着・残留することを防止するための方法であり、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリサルホン(PSF)等のように射出成形温度の高い樹脂を射出成形するために、射出成形時にコアが溶出することを防止したり、変形することを防止することについては、何ら考慮がなされていない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、射出成形温度の低い樹脂は勿論のこと、射出成形温度の高い樹脂を射出成形する場合であっても、射出成形時にコアが溶出したり、変形したりすることを防止でき、寸法安定性に優れた高精度な成形品を成形可能な成形方法、及びこの成形方法により製造された成形品を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、低融点材料からなるコアを用いて樹脂製の成形品を成形する方法であって、前記コアの外周面にメッキ処理により金属膜を形成する工程と、前記金属膜が形成されたコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形する工程と、前記射出成形後、前記コアを溶融して除去する工程と、を備えた成形方法を提供するものである。
これらの工程を備えた成形方法は、メッキ処理により、コアの外周面に金属膜を形成するため、例えば、塗布法により金属膜を形成する場合に比べ、当該金属膜を均一且つ平滑に形成することができる。さらに、メッキ処理時間を制御することで、金属膜の膜厚を任意に決定することができる。また、メッキ処理は、液だれすることもない。そしてまた、前記金属膜が形成されたコアは、コア自身の表面耐熱性を向上させる(表面の耐熱温度を高くする)ことができるため、射出成形温度の低い樹脂は勿論のこと、射出成形温度の高い樹脂を射出成形する場合であっても、射出成形時にコアが溶出したり、変形したりすることを防止することができる。したがって、寸法安定性に優れた高精度な成形品を成形することができる。
また、本発明にかかる成形方法は、前記コアを溶融した後、前記金属膜を溶解して除去する工程をさらに備えることもできる。すなわち、本発明にかかる成形方法は、所望により、得られた成形品の内周面に前記金属膜を残した状態にしておくこともでき、当該金属膜を除去することもできる。ここで、成形品の内周面に前記金属膜を残す場合、当該金属膜は、前記コアを溶融して除去する際に溶解または溶融することがなく、且つメッキ処理によって形成されているため、成形品の内周面には、均一且つ平滑な金属膜が形成されることになる。また、前記金属膜を除去する際は、当該金属膜を溶解させる溶解液によって当該金属膜を全て溶かし出すことができ、且つこの溶解液は、前記成形品を構成している樹脂を溶解することがないため、当該成形品の内部に金属膜が残留することがなく、成形品の精度に支障を来すこともない。
そしてまた、本発明にかかる成形方法では、前記低融点材料としてビスマス合金を好適に使用することができる。
また、本発明は、低融点材料からなるコアを用いた成形方法により成形されてなる成形品であって、メッキ処理により外周面に金属膜が形成されたコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形し、得られた成形体から前記コアを除去することで、前記金属膜を内周面に形成してなる成形品を提供するものである。
この構成を備えた成形品は、内周面に形成された金属膜がメッキ処理により形成されているため、当該金属膜の均一性及び平滑性を向上することができる。また、前記コアは、前記金属膜によってコア自身の表面耐熱性が向上されており、射出成形時に当該コアが溶出したり、変形したりすることが防止されている。したがって、本発明にかかる成形品の精度を向上することができる。このため、例えば、本発明にかかる成形品が、前記金属膜が形成された内周面によって画定される空間が流体流路となる成形品である場合、流体の圧力損失を低減させることができる。また、成形品の内周面に金属膜、すなわち導電性の膜が形成されているため、当該成形品にEMC(Electro-Magnetic Compatibility:電磁両立性)を持たせることができると共に、前記成形品の機械的強度、熱伝導性及び難燃性を向上することもできる。そしてまた、前記金属膜をミラー或いはハーフミラーとして使用することもできる。
そしてまた、本発明は、低融点材料からなるコアを用いた成形方法により成形されてなる成形品であって、メッキ処理により外周面に金属膜が形成されたコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形し、得られた成形体から前記コア及び金属膜を除去してなる成形品を提供するものである。
この構成を備えた成形品は、前述したように、前記金属膜の均一性及び平滑性を向上することができ、コア自身の表面耐熱性が向上されており、さらに前記金属膜は、当該金属膜を溶解させる溶解液によって、全て溶かし出すことができ、且つこの溶解液は、成形品を構成している樹脂を溶解することがないため、当該成形品の内部に金属膜が残留することがない。したがって、成形品の精度を向上することができる。
また、本発明は、金属製のコアを用いて樹脂製の成形品を成形する方法であって、低融点材料からなるコア形成用部材の外周面にメッキ処理により金属膜を形成する工程と、前記金属膜が形成されたコア形成用部材から当該コア形成用部材を溶融して除去し、金属製のコアを形成する工程と、前記金属製のコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形する工程と、を備えた成形方法を提供するものである。
本発明にかかる成形方法によれば、メッキ処理により、コアの外周面に金属膜を形成するため、当該金属膜を均一且つ平滑に任意の膜厚で形成することができる。また、前記コアは、前記金属膜により、コア自身の表面耐熱性が向上される、射出成形温度の低い樹脂は勿論のこと、射出成形温度の高い樹脂を射出成形する場合であっても、射出成形時にコアが溶出したり、変形したりすることを防止することができる。そしてまた、射出圧力が高くなっても、メッキ処理により強度が増すため、コアが変形することを防止することができる。この結果、寸法安定性に優れた高精度な成形品を成形することができる。
また、本発明にかかる成形品は、メッキ処理により形成された均一で平滑な金属膜が外周面に設けられ、表面耐熱性が向上されたコアを用いて成形されてなり、且つ当該金属膜が、内周面に形成されることになる。この結果、成形品の精度を向上することができると共に、EMC、機械的強度、熱伝導性及び難燃性を向上することもできる。
そしてまた、本発明にかかる成形品は、メッキ処理により形成された均一で平滑な金属膜が外周面に設けられ、表面耐熱性が向上されたコアを用いて成形されてなり、且つ当該コア及び金属膜を除去する際に、悪影響を受けることがない。この結果、成形品の精度を向上することができる。
また、本発明にかかる成形方法によれば、メッキ処理により形成した金属膜からなる金属製のコアを用いて射出成形を行うため、コア自身の表面耐熱性及び強度を向上することができる。このため、射出成形温度の低い樹脂は勿論のこと、射出成形温度の高い樹脂を射出成形する場合であっても、射出成形時にコアが溶出したり、変形したりすることを防止することができる。そしてまた、射出圧力が高くなっても、メッキ処理により強度が増すため、コアが変形することを防止することができる。この結果、寸法安定性に優れた高精度な成形品を成形することができる。
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる成形品及びその成形方法について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
また、以下に示す実施の形態では、前記成形品の一例として、フローリングの床面等に使用する温水式床暖房装置において、暖房用の流体(例えば、温水等)を流して循環させる循環管に当該流体を供給する出入口として配設される接続ヘッダについて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる成形品である接続ヘッダの平面図、図2は、図1に示す接続ヘッダの内部構造を透視して示す図、図3は、図2に示すIII−III線に沿って切断した断面を拡大して示す断面図、図4は、図1に示す接続ヘッダを成形するためのコアの平面図、図5は、図3に示すコアを図3に示す矢印V方向から見た側面図、図6は、図3に示すコアの表面に金属膜をメッキ処理により形成した状態を示す一部拡大断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる成形品である接続ヘッダの平面図、図2は、図1に示す接続ヘッダの内部構造を透視して示す図、図3は、図2に示すIII−III線に沿って切断した断面を拡大して示す断面図、図4は、図1に示す接続ヘッダを成形するためのコアの平面図、図5は、図3に示すコアを図3に示す矢印V方向から見た側面図、図6は、図3に示すコアの表面に金属膜をメッキ処理により形成した状態を示す一部拡大断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図1〜図3に示すように、実施の形態1にかかる接続ヘッダ1は、略直方体形状のヘッダ本体10と、ヘッダ本体10の一側面13から延出するジョイント管11A及び11Bと、一側面13と隣接する側面14から延出するジョイント管12A及び12Bと、側面14と対向する側面15から延出するジョイント管12C及び12Dを備えている。
ジョイント管11A及び11Bは、各々同様の中空形状を有しており、各々の外周面には、先端側から基端側に向けて径が若干大きく構成されることにより形成される段部16が、ジョイント管11A及び11Bの長さ方向に沿って、互いに間隔をおいて複数形成されている。この段部16は、ジョイント管11A及び11Bに、配管やチューブ等が接続された際に、これらを外れないように係止させる役割を果たしている。
ジョイント管12A〜12Dは、各々同様の中空形状を有しており、各々の外周面には、段部16と同様の段部17が、ジョイント管12A〜12Dの長さ方向に沿って、互いに間隔をおいて複数形成されている。これらのジョイント管12A〜12Dは、ジョイント管11A及び11Bに比べ、外径及び内径共に小さく(細く)構成されている。
ジョイント管11A、ジョイント管12A及び12Cは、特に図2に示すように、ヘッダ本体10の内部において、各々の中空部分が三方向から合流して繋がる形状に形成されており、これらの合流して繋がった中空部分によって流体流路18を構成している。これと同様に、ジョイント管11B、ジョイント管12B及び12Dは、ヘッダ本体10の内部において、各々の中空部分が三方向から合流して繋がる形状に形成されており、これらの合流して繋がった中空部分によって流体流路19を構成している。
これらの流体流路18及び19は、図2及び図3に示すように、ヘッダ本体10の厚さ方向(図3に示す矢印方向)に互いに偏倚して配設されている。すなわち、ジョイント管11A、ジョイント管12A及び12Cの軸心は、ヘッダ本体10の厚さ方向において一致しており、一方、ジョイント管11B、ジョイント管12B及び12Dの軸心は、ヘッダ本体10の厚さ方向において一致しているが、ジョイント管11Aとジョイント管11Bの軸心、ジョイント管12A(ジョイント管12C)とジョイント管11B(ジョイント管12D)の軸心は、ヘッダ本体10の厚さ方向において一致していない。
ジョイント管11A、ジョイント管12A及び12Cの内壁(すなわち、流体流路18の内壁)、及びジョイント管11B、ジョイント管12B及び12Dの内壁(すなわち、流体流路19の内壁)には、図3に示すように、ニッケル膜30が各々形成されている。このニッケル膜30は、後に詳述するメッキ処理によって形成されたものであり、膜厚が約50μmの均一で平滑な金属膜である。
次に、実施の形態1にかかる接続ヘッダ1の形成方法について、図4〜図6を参照して説明する。
この形成方法に使用されるコア50は、図4及び図5に示すように、接続ヘッダ1に形成すべき流体流路18及び19に相補した形状を有し、ビスマス−錫合金から構成されている。先ず、このコア50の外周面に、例えば、電気ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキ、あるいは、銅をメッキした後、2層目にニッケルをメッキする等により、図6に示すように、膜厚が約50μmのニッケル膜30を形成する。このメッキ処理により形成されたニッケル膜30は、塗布法により形成されたニッケル膜と比べて、簡単に成膜できると共に、液だれすることがなく、膜厚の管理が容易であり、均一且つ平滑な膜となる。なお、ニッケル膜30の膜厚は、メッキ処理時間を制御することで任意に制御することができる。
ここで、仮に、塗布法によりニッケル膜(あるいは金属膜)を形成する場合は、例えば、樹脂粘結材にニッケル粉末(金属粉末)を混ぜたものを刷毛で直接塗布する、或いはスプレーする等の方法がとられるため、形成されるニッケル膜(あるいは金属膜)の均一性が低下し、粗雑な膜となる。
次に、このニッケル膜30が形成されたコア50を2つ用意し、接続ヘッダ1形成用の金型内に形成されるキャビティ(内部空間)の所定位置に、ニッケル膜30が形成されたコア50を各々位置させ、前記キャビティ内にポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を注入する。ここで、PPS樹脂は、射出成形温度が、約280〜340℃であり、コア50(すなわち、ビスマス−錫合金)の溶融温度(約138℃)よりも高温であるが、コア50の外周面には、ニッケル膜30が形成されているため、コア50自身の表面耐熱性を向上することができる。したがって、射出成形時に、コア50が溶融したり、変形することを防止し、高精度な成形を行うことができる。
次いで、このようにして得られた成形体を前記金型から取外した後、約180℃の雰囲気で、この成形体からコア50を溶融させて除去し、内部に流体流路18及び19を形成する。この時、ニッケル膜30は、溶融することがなく、コア50のみが溶融するため、成形体の内壁には、ニッケル膜30がメッキ処理で形成された際の状態で残留する。このようにして、流体流路18及び19の内周面にニッケル膜30が形成された接続ヘッダ1が製造された。
この接続ヘッダ1は、前述したように高精度で成形されているため、流体が流体流路18及び19を流通する際に生じる圧力損失を低下させることができる。また、流体流路18及び19の内周面に、ニッケル膜30(金属膜)が形成されているため、EMCを持たせることができると共に、接続ヘッダ1の機械的強度、熱伝導性及び難燃性を向上することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかる接続ヘッダ(成形品)について図面を参照して説明する。
次に、本発明の実施の形態2にかかる接続ヘッダ(成形品)について図面を参照して説明する。
図7は、本発明の実施の形態2にかかる成形品である接続ヘッダの平面図、図8は、図7に示す接続ヘッダの側面図、図9は、図7に示すIX−IX線に沿った断面図、図10は、図8に示すX−X線に沿った断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。また、実施の形態2では、実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7〜図10に示すように、実施の形態2にかかる接続ヘッダ2は、略直方体形状のヘッダ本体20と、ヘッダ本体20の一側面23から延出するジョイント管21A及び21Bと、一側面23と隣接する側面24から延出するジョイント管22A及び22Bと、側面24と対向する側面25から延出するジョイント管22C及び22Dを備えている。
ジョイント管21A及び21Bは、各々同様の中空形状を有しており、各々の外周面には、ジョイント管11A及び11Bと同様に、段部16が複数形成されている。一方、ジョイント管22A〜22Dは、各々同様の中空形状を有しており、各々の外周面には、ジョイント管12A〜12Dと同様に、段部17が複数形成されている。これらのジョイント管22A〜22Dは、ジョイント管21A及び21Bに比べ、外径及び内径共に小さく(細く)構成されている。
ジョイント管21A、ジョイント管22A及び22Cは、特に図9及び図10に示すように、ヘッダ本体20の内部において、各々の中空部分が三方向から合流して繋がる形状に形成されており、これらの合流して繋がった中空部分によって流体流路28を形成している。また、これと同様に、ジョイント管21B、ジョイント管22B及び22Dは、ヘッダ本体20の内部において、各々の中空部分が三方向から合流して繋がる形状に形成されており、これらの合流して繋がった中空部分によって流体流路29を形成している。
これら全てのジョイント管21A及び21B、ジョイント管22A〜22Dの軸心は、図8及び図9にジョイント管22B及び22Cを代表して示すように、ヘッダ本体20の厚さ方向において一致している。したがって、流体流路28及び29は、図9に示すように、ヘッダ本体20内において、ヘッダ本体20の厚さ方向となる長さ(深さ)を、ジョイント管21A及び21B、ジョイント管22A〜22Dのヘッダ本体20の厚さ方向となる長さ(深さ)よりも短く(浅く)構成されている。
次に、実施の形態2にかかる接続ヘッダ2の形成方法について説明する。実施の形態1で説明した形成方法と同様に、接続ヘッダ2に形成すべき流体流路28及び29に相補した形状を有するコアをビスマス−錫合金から構成し、このコアの外周面に、実施の形態1と同様のメッキ処理によりニッケル膜を形成する。
次に、このニッケル膜が形成されたコアを2つ用意し、接続ヘッダ2形成用の金型内に形成されるキャビティ(内部空間)の所定位置に、このニッケル膜が形成されたコアを各々位置させ、前記キャビティ内にポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を注入し、実施の形態1と同様の射出形成を行い成形体を得た後、実施の形態1と同様の方法で、この成形体からコアを溶融させて除去する。
次いで、メッキ処理により形成されたニッケル膜を、例えば、5%程度の硝酸等、薄い酸の溶液により溶解させる。この溶剤は、ニッケル膜を全て溶かし出すことはできるが、PPS樹脂は溶解あるいは溶融しないため、PPS樹脂で形成されている接続ヘッダ2には悪影響を及ぼすことがないため、ヘッダ本体20の厚さ方向に狭い流体流路28及び29が形成された構成の接続ヘッダ2であっても、高精度に成形することができ、流体が流体流路28及び29を流通する際に生じる圧力損失を低下させることができる。
なお、実施の形態2では、コア及びニッケル膜を除去した場合について説明したが、これに限らず、ニッケル膜は、実施の形態1と同様に、流体流路28及び29の内周面に形成した状態にしておいてもよい。また、同様に、実施の形態1において、ニッケル膜を除去してもよい。
また、実施の形態1及び2では、ビスマス−錫合金からなるコアを使用した場合について説明したが、これに限らず、本発明で使用されコアは、例えば、錫−鉛合金、ビスマス、カドミウム、インジウム、ガリウム等の合金、ポリアミド系、ポリエステル系等の低融点樹脂(例えば、融点が90℃〜130℃程度)、水溶性樹脂等、低融点材料から構成されており、ロストコア成形を行うことが可能であれば、その材料は特に限定されるものではない。
そしてまた、実施の形態1及び2では、コアの外周面にメッキ処理により形成する金属膜として、ニッケル膜を形成した場合について説明したが、これに限らず、金属膜は、例えば、亜鉛、銅、錫、クロム等の金属及び合金、複合メッキ(例えば、銅とニッケル等)等、ロストコア成形に支障を来すことなく、コア自身の表面耐熱性を向上させることができる金属であれば、特に限定されるものではない。
さらにまた、実施の形態1及び2では、成形品として、PPS樹脂を成形した接続ヘッダについて説明したが、これに限らず、成形品は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリサルホン(PSF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)等、射出成形に使用可能な樹脂を用いて成形することができる。また、成形品は、接続ヘッダに限らず、複雑な三次元構造を有し、ロストコア成形によって製造されるものであれば、好適に形成することができる。
そしてまた、本発明では、前述したような低融点材料からなるコア形成用部材の外周面にメッキ処理により金属膜を形成した後、このコア形成用部材を溶融して除去し、金属製のコアを形成し、この金属製のコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形することで、所望の成形品を得ることもできる。この場合、得られた成形品は、前記金属製のコアを残留させたままでもよく、除去してもよい。
そしてまた、上記実施の形態で溶融し除去された低融点材料は、再利用することもできる。
1、2 接続ヘッダ
10、20 ヘッダ本体
11A、11B、12A〜12D、21A、21B、22A〜22D ジョイント管
18、19、28、19 流体流路
30 ニッケル膜
50 コア
10、20 ヘッダ本体
11A、11B、12A〜12D、21A、21B、22A〜22D ジョイント管
18、19、28、19 流体流路
30 ニッケル膜
50 コア
Claims (6)
- 低融点材料からなるコアを用いて樹脂製の成形品を成形する方法であって、
前記コアの外周面にメッキ処理により金属膜を形成する工程と、
前記金属膜が形成されたコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形する工程と、
前記射出成形後、前記コアを溶融して除去する工程と、
を備えた成形方法。 - 前記コアを溶融した後、前記金属膜を溶解して除去する工程をさらに備えた請求項1記載の成形方法。
- 前記低融点材料がビスマス合金である請求項1または請求項2記載の成形方法。
- 低融点材料からなるコアを用いた成形方法により成形されてなる成形品であって、
メッキ処理により外周面に金属膜が形成されたコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形し、得られた成形体から前記コアを除去することで、前記金属膜を内周面に形成してなる成形品。 - 低融点材料からなるコア本体の外周面にメッキ処理により金属膜を形成したコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形し、得られた成形体から前記コア本体及び金属膜を除去してなる成形品。
- 金属製のコアを用いて樹脂製の成形品を成形する方法であって、
低融点材料からなるコア形成用部材の外周面にメッキ処理により金属膜を形成する工程と、
前記金属膜が形成されたコア形成用部材から当該コア形成用部材を溶融して除去し、金属製のコアを形成する工程と、
前記金属製のコアを、金型内に形成されたキャビティに収容して射出成形する工程と、
を備えた成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007337907A JP2009154486A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | 成形方法及び成形品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102166810A (zh) * | 2010-12-03 | 2011-08-31 | 徐承杰 | 一种鞋底模具及其使用方法 |
KR101542266B1 (ko) | 2007-10-11 | 2015-08-06 | 가부시키가이샤 메이지 | 가공 치즈류 및 그의 제조 방법 |
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2007
- 2007-12-27 JP JP2007337907A patent/JP2009154486A/ja active Pending
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