JP2009153947A - 神経再生誘導管 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維で編んだ管状体の外部表面にコラーゲン溶液を塗布し、管状体の内部にコラーゲンを充填した神経再生誘導管において、細胞増殖性、耐圧性、形状回復性、耐キンク性に優れた神経再生誘導管を提供する。特に、40mmを超える長さの神経ギャップの接続に適した分解速度の調節された神経再生誘導管を提供する。
【解決手段】本発明は、生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維を複数本束ねた繊維束で編んだ管状体の外表面にコラーゲンが被覆された神経再生誘導管であって、該管状体が主として生体分解吸収性の第1のポリマーと、生体分解吸収性が第1のポリマーよりも高い第2のポリマーとからなることを特徴とする神経再生誘導管である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、事故や手術などで切断あるいは切除された末梢神経を神経細胞の伸長を利用して繋ぎ直すための神経再生誘導管の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、神経再生誘導管を構成する生体分解吸収性ポリマーからなる管状体と、管状体の外部表面に塗布されるコラーゲンとの密着性を高め、神経再生誘導管全体の初期強度及び柔軟性などを向上させるための方法に関する。
事故などによる末梢神経の損傷は修復しきれない例が多い。また、一般的手術に伴って末梢神経を切除せざるを得ない臨床例も多い。末梢神経の損傷では、直接吻合以外に自家神経移植が唯一の対策であった。しかし、その成績は決して満足できるものではなく、知覚、運動能力の回復も悪く、過誤支配による後遺症もみられた。また、痛みや知覚の欠損などの後遺症ばかりでなく、患部の知覚異常、特に疼痛に悩まされている患者が多い。
人工的な材料による接合管を用いて末梢神経のギャップを連結して神経を再生させようという試みは1980年代初め頃から盛んに行われてきた。しかし、非吸収性の合成人工材料による接合チャンネルの研究は、ことごとく失敗に終わっている。その解決のためには、神経束の再生の間、外部からの結合組織の侵入を防ぐこと、チャンネル内外の物質交流あるいはチャンネル壁に毛細血管の新生が必要であること、チャンネル内の軸索やシュワン細胞の増殖に適した足場となる物質が必要であること、再生後、使用材料は分解吸収されることなどを考慮しなければならない。これらの条件を考慮してその後、生体内分解吸収性材料による人工神経接合管の研究が行われるようになった。
末梢神経の再生に関しては、1982年にシリコーン管モデルの発表以来、シリコーン管を用いて再生可能な断端間距離を延長するための試みがなされてきた。しかし、シリコーン管の壁は栄養分が透過することができないため、神経軸索に栄養分が充分に補給されない等の問題点があって、シリコーン内には毛細血管が生成することができず、シリコーン管を用いても満足のいく神経再生は得られていない。さらに、仮に神経が再生できたとしても、いずれは異物であるシリコーン管を再手術等により除かなくてはならないという問題点もあった。
これに対して、シリコーン管の代わりに生分解性ポリマーからなる管を用いた末梢神経の再生が試みられている。生分解性ポリマーからなる神経再生管を用いれば、神経が再生された後には生体内で加水分解又は酵素の働きにより徐々に神経再生管は分解、吸収されることから、改めて手術等の手段により取り出す必要もない。
このような生分解性ポリマーからなる神経再生管として、例えば、特許文献1には、ブレード状のポリエステル外筒管にラミニンとフィブロネクチンとをコーティングしたコラーゲン繊維の束を充填した神経再生補助材が開示されている。特許文献2には、ポリグリコール酸からなる管状体と、その内腔に該管状体の軸線にほぼ平行に沿って該管状体を貫通する空隙を有するコラーゲン体からなり、該空隙がコラーゲン、ラミニン等を含むマトリックスゲルで充填されている人工神経管が開示されている。特許文献3には、ポリグリコール酸からなる管状体と、その内腔に該管状体の軸線にほぼ平行にラミニンで被覆されたコラーゲン繊維束を挿入した人工神経管が開示されている。特許文献4には、コラーゲン製の管状体の内腔にコラーゲン繊維の束をコラーゲン溶液とともに同時に挿入して形成された生体組織または器官再生用器具が開示されている。さらに、特許文献5には、内層に乳酸/ε−カプロラクトン共重合体スポンジ、外層にポリ乳酸組紐からなる強化材を有する筒状体の内面とスポンジ部にコラーゲンを被覆、含浸させた神経再生管が開示されている。
これらの神経再生管は、単独の生分解性ポリマーからなる極細繊維を用いて作成された管状体の外部表面に生分解性ポリマーを塗布し、さらに管状体の内部に生分解性ポリマーを充填することにより製造されるが、管状体を構成する材料の生分解性ポリマーの分解速度が速すぎるか、または遅すぎるため、比較的長いギャップ(およそ40mm以上)の神経接続に使用できないとか、神経接続後も神経再生管が分解吸収されずに残存してしまう、あるいは使用時の強度や柔軟性などに問題があった。
特開平5−237139号公報 WO98/22155号公報 WO99/63908号公報 特開2002−320630号公報 特開2003−19196号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維で編まれた管状体の外部表面にコラーゲン溶液を塗布し、管状体の内部にコラーゲンを充填した神経再生誘導管において、細胞増殖性、耐圧性、形状回復性、耐キンク性、外組織侵入防止性に優れた神経再生誘導管を提供することにある。特に、40mmを超える神経ギャップの接続に適した分解速度の調整された神経再生管を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために生体分解吸収性ポリマー繊維から編成された管状体の分解速度を遅らせ、かつ取扱い性(形状回復性や耐キンク性、耐圧性)などに優れる神経再生管を得ることについて鋭意検討した結果、管状体を構成する極細繊維の材料を最適化することにより、制御された分解吸収性を有し、耐圧性、形状回復性、耐キンク性、外組織侵入防止性に優れた神経再生誘導管を見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の構成を有する。
生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維を複数本束ねた繊維束で編んだ管状体の外表面にコラーゲンが被覆された神経再生誘導管であって、該管状体が主として生体分解吸収性の第1のポリマーと、生体分解吸収性が第1のポリマーよりも高い第2のポリマーとからなることを特徴とする神経再生誘導管である。
また、生体分解吸収性ポリマーが、脂肪族ポリエステル、ポリ−ε−カプロラクトン、またはそれらの共重合体、ポリジオキサノン、ポリビニルアルコール、生体由来ポリマーからなる群から選ばれるポリマーである神経再生誘導管である。
また、脂肪族ポリエステルが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ラクチド−グリコリド共重合体からなる群から選ばれるポリマーである神経再生誘導管である。
また、生体由来ポリマーが、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、キチン、キトサンからなる群から選ばれるものである神経再生誘導管である。
また、第1のポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコリド共重合体からなる群より選ばれるポリマーである神経再生誘導管である。
また、第2のポリマーが、ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコリド共重合体からなる群より選ばれるポリマーである神経再生誘導管である。
また、管状体がさらに、第2のポリマーよりも生体分解吸収性の高い第3のポリマーを含む神経再生誘導管である。
また、第3のポリマーが生体由来ポリマーである神経再生誘導管である。
本発明の神経再生誘導管は、生体分解吸収性の異なる2種以上のポリマーを用いて管状体を形成しているので、神経ギャップの長さに合わせた生体分解吸収性を有し、かつ細胞増殖性、耐圧性、形状回復性、耐キンク性に優れた神経再生誘導管を提供することができる。
本発明において、神経再生誘導管は、生体分解吸収性の第1のポリマーと、生体分解吸収性が第1のポリマーよりも高い第2のポリマーとからなる複数本の極細繊維で編んだ管状体の外部表面をコラーゲンで被覆し、さらに管状体の内腔にコラーゲンを充填することによって製造される。
生体は本来、自己修復能力を持っているので、機能が回復した後は幾ら生体適合性に優れている材料であるとは言え、残存期間が長くなると生体の異物反応が惹起される。バイオマテリアルの最も重要な性質は生体に対する安全性であるが、生体分解吸収性材料の場合、材料そのものの生体適合性は言うまでもなく、分解産物の安全性が要求される。したがって、材料が生体内で酵素あるいは非酵素的に分解劣化を受け、その分解産物が体液に溶けて代謝あるいは排泄されなければならない。
管状体を構成する生体分解吸収性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル、ポリ−ε−カプロラクトン、またはそれらの共重合体、ポリジオキサノン、ポリビニルアルコール、生体由来ポリマーなどが挙げられる。脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ラクチド−グリコリド共重合体などが挙げられる。生体由来ポリマーとしては、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、キチン、キトサンなどが挙げられる。入手のし易さや取扱い性の面から、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ラクチド−グリコリド共重合体、ラクチド−カプロラクトン共重合体、コラーゲンを用いることが好ましい。
本発明において、生体分解吸収性の第1のポリマーは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコリド共重合体を用いるのが好ましい。また、第1のポリマーよりも生体分解吸収性の高い第2のポリマーは、ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコリド共重合体を用いるのが好ましい。ここで、本発明における第1のポリマーと第2のポリマーの組み合わせを例示すると、第1のポリマー/第2のポリマーがポリカプロラクトン/ポリグリコール酸、ポリ乳酸/ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体/ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体/ラクチド−グリコリド共重合体、ポリ乳酸/ラクチド−グリコリド共重合体が挙げられる。また、第1のポリマーがラクチド−グリコリド(3:97〜34:66)共重合体、第2のポリマーがラクチド−グリコリド(35:65〜65:35)共重合体である場合も本願発明の範囲内である。
なお、人工的に合成された生体分解吸収性のポリマーに含有される不純物として、人体内に一定量以上存在すると人体に悪影響を与える錫、リンなどの重金属がある。これは、脂肪族ポリエステルなどを合成する際に使用される触媒として用いられるものである。本発明の神経再生誘導管は生体内に留置するものであり、精製処理などして重金属含有量を原子吸光法により検出されない程度の範囲にした生体分解吸収性のポリマーを用いるのが好ましい。
また、本発明に係る管状体の材料としてポリ乳酸を用いる場合、人体内に自ずと存在するL−体の光学純度を99.5%以上としたポリ乳酸(PLA)を用いるのが好ましい。すなわち、本発明で用いるポリ乳酸、ラクチド−グリコリド共重合体、ラクチド−カプロラクトン共重合体は、L−体の光学異性体であるD−体をほとんど含まない(コ)ポリマーを用いるのが好ましい。PLAのL−体の光学異性体であるD−体は、人体内には存在しないものであるので、人体の安全を考慮すると、人体内に残留させないことが望ましい。そのため、管状体の材料としては、D−体を含まないポリ乳酸(コ)ポリマーが望ましい。しかし、L−体の光学純度を100%とするポリ乳酸を人工的に合成することは極めて困難である。L−体の光学純度を99.7%以上としたポリ乳酸(PLA)を用いるのがより好ましい。
本発明において、生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維を複数本束ねた繊維束で編んだ管状体は、第1のポリマーからなる極細繊維と第2のポリマーからなる極細繊維を特定の本数ずつ束ねた繊維束を用いて編んだものであっても良いし、第1のポリマーと第2のポリマーを共溶解して極細繊維を作成し、それらを複数本束ねた繊維束で編んだものであっても良い。前者であれば、生体分解吸収性の第2のポリマーからなる繊維が先に分解吸収されても生体分解吸収性のより遅い第1のポリマーが管状体の形状を保持するため、より長い神経ギャップの接合を助けることが可能となるため好ましい。また後者の場合、管状体としての物性や化学的特性を均一にすることができるという利点がある。
前記、第1のポリマーからなる極細繊維と第2のポリマーからなる極細繊維を特定の本数ずつ束ねた繊維束を用いて編んだ管状体において、第1のポリマーからなる極細繊維と第2のポリマーからなる極細繊維を束ねる割合は、用いる(コ)ポリマーの種類や、分子量(重合度)、結晶化度などの影響を受けるため一概には言えないが、一例を示すと、ポリ乳酸からなる極細繊維(以下、PLA繊維と称することがある)とポリグリコール酸からなる極細繊維(以下、PGA繊維と称することがある)を束ねて管状体を作成する場合、PLA繊維/PGA繊維:2/98〜70/30とするのが好ましい。PLA繊維のように比較的難分解性で剛性の高い繊維は、生体内留置中に周辺の組織に障害を与える可能性があるので、少なめにするのが好ましい。しかし、少なすぎると管状体の形状を維持できなくなり、神経ギャップの接合前に分解消失してしまう可能性ある。したがって、PLA繊維/PGA繊維:5/95〜60/40がより好ましく、10/90〜55/45がさらに好ましい。
他方、第1のポリマーと第2のポリマーを共通の溶媒に溶解して極細繊維を作成し、それらを複数本束ねた繊維束で管状体を作成する場合、第1のポリマーと第2のポリマーとの配合比は、それぞれのポリマーの組み合わせや分子量(重合度)、結晶化度などにより異なり、接合すべき神経ギャップの長さや適応部位により試行錯誤のうえ適宜設定すればよい。一例を示すと、PLAとPGAとをブレンドした繊維を用いる場合、PLA/PGA:10/90〜70/30の混合比とするのが好ましい。このような範囲でブレンドすることにより、200mm程度までの神経ギャップの接合が可能となる。
本発明の別の態様として、管状体がさらに、第2のポリマーよりも生体分解吸収性の高い第3のポリマーを含むことが好ましい。ここで、第3のポリマーとしては、生態由来ポリマーが好ましく、具体的にはコラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、キチン、キトサンなどを用いるのが好適である。これらの中で第3のポリマーとしてはコラーゲンが神経細胞再生の足場として優れている。なお、第3のポリマーを含め本発明の神経再生誘導管の製造に用いるコラーゲンは後述するような精製処理されたものを使用するのがより好ましい。
本発明において、第1のポリマー、第2のポリマーに加えて、第3のポリマーを配合する場合、第3のポリマーからなる極細繊維であっても良いし、第1〜第3のポリマーを共通に溶解する溶媒に溶解したものを繊維状に成型したものであっても良い。それらの配合比は第1のポリマー/第2のポリマー/第3のポリマー:1〜70/10〜90/0〜20であるのが好ましい。
第3のポリマーとして生体由来ポリマーを配合することにより、神経細胞の接着性が向上するだけでなく、血管新生も亢進し、神経成長に対して好ましい作用をもたらすことをできるという副次効果がある。
神経再生の足場として使用する従来のコラーゲンは一般に、食肉検査場にて採取凍結された豚皮を出発原料とし、これに中性プロテアーゼを添加・加温処理し、塩化ナトリウム溶液で繰り返し洗浄、脱水後、イソプロパノール、アセトンにて洗浄し、減圧乾燥して脱脂済みチップを作り、この脱脂済みチップを酢酸溶液中に添加し、塩酸でpHを調整し、ペプシン添加・分解し、水酸化ナトリウム溶液で高pHに調整し(ウィルス不活性化工程1)、塩酸で低pHに調整し(ウィルス不活性化工程2)、水酸化ナトリウムでpH2〜3に調整してろ過し、塩化ナトリウム溶液を加えて塩析し、遠心分離により濃縮し、この濃縮物を精製水に添加・溶解し、再び塩化ナトリウム溶液を加えて塩析し、遠心分離により濃縮し、凍結乾燥することによって製造される。
このように従来使用されているコラーゲンは、その製造工程において塩化ナトリウム溶液による洗浄や塩化ナトリウム溶液による塩析を含むため、使用されているコラーゲンの塩化ナトリウム濃度は、市販品を含め、4重量%以上であった。本発明者は、コラーゲン中の塩化ナトリウム含有濃度が神経細胞の生存・発育に影響し、この濃度が高すぎると浸透圧によって細胞膜を破壊すると考えた。そこで、塩化ナトリウム含有濃度を低減するように精製したコラーゲンを神経再生誘導管に使用したところ、この神経再生誘導管は従来のコラーゲンを使用したものより極めて優れた細胞増殖性を発揮することを見出した。本発明は、かかる知見に基いて、神経再生誘導管の足場として乾燥状態の塩化ナトリウム含有濃度を2.0重量%以下、好ましくは0.1〜1.5重量%に低減するように精製したコラーゲンを使用する。この塩化ナトリウム濃度は原子吸光光度法(灰化)により測定される。浸透圧を下げることによる細胞膜破壊防止のためには、塩化ナトリウム濃度は低い方がよいが、技術的な面やコラーゲンの安定性の面から0.1重量%程度が下限と思われる。
(塩化ナトリウム濃度の測定)
原子吸光光度法による塩化ナトリウム濃度の測定は、試料1〜4gを石英ビーカーにとり、電熱器上で徐々に温度を上げて炭化させた後、最終的にマッフル炉で6〜8時間かけて灰化する(500℃)。残渣を10wt.-%塩酸水溶液で再溶解後、終濃度1wt.-%になるように希釈し、アセチレン−空気によるフレーム原子吸光法にて測定する。なお、測定波長は589.6nmである。
本発明の神経再生誘導管で使用するコラーゲンは、従来公知のいかなる方法でも製造できるが、例えば上述の医療用に市販されている従来のコラーゲンを出発原料とし、2〜10℃冷却下、このコラーゲンを注射用蒸留水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8以上、9未満に調整して等電点沈殿を行い、遠心分離し、上清を破棄し、沈殿物を凍結乾燥することによって製造することができる。
pH8以上9未満の等電点を有するコラーゲンを神経再生の足場として用いることで、細胞の増殖性が向上する理由について、詳細な理由はわかっていないが、pH8未満9以上で沈殿する画分に細胞との親和性が低い因子が含まれている可能性が考えられるし、逆にpH8以上9未満で沈殿するコラーゲンが、特に細胞との親和性が高いことなどが考えられる。または、未精製のコラーゲンはI型コラーゲンとIII型コラーゲンがおおよそ7:3の比で構成されているが、このI型とIII型の構成比が変化することによる影響が考えられる。
以上説明した精製処理を施したコラーゲンを精製コラーゲン(IPコラーゲン)と称する。
本発明において、生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維の直径は1〜50μmであることが好ましい。繊維直径が小さすぎると、繊維間隙が密になるため、管状体の外表面にコラーゲンをコートする際コラーゲンが浸透しにくかったり、管状体の柔軟性が低下することがある。逆に、繊維直径が大きすぎると、コラーゲンの保持量が少なくなり、神経成長速度が上がらなかったり、管状体の強度が不足することがある。より好ましくは、極細繊維の直径は3〜40μmであり、さらに好ましくは6〜30μmである。
管状体を成形するには、前記繊維直径を有する生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維を5〜60本束ねて、経糸及び緯糸として交互に編むことが好ましい。極細繊維を束ねる本数が少なすぎると、管状体の強度が不足したり、十分なコラーゲンの保持量を確保できないことがある。逆に、極細繊維を束ねる本数が多すぎると、細径の管状体を作成できなかったり、管状体の柔軟性を確保できないことがある。より好ましくは、極細繊維は10〜50本であり、さらに好ましくは20〜40本である。
前記極細繊維束を交互に編んで管状体を成形する際、網目の孔径は、好ましくは約5〜300μm、より好ましくは10〜200μmである。網目の孔径が小さすぎると、毛細血管の侵入や水透過性の低下により細胞や組織の増殖が阻害されることがある。約300μmを越えると組織の進入が過剰となり、細胞や組織の増殖が阻害されることがある。
管状体の内径、外径は、接合する神経の太さに合わせて設定することが好ましいが、生産コストや時間の制約などを考慮すると、予め大きさを変更した多種類の管状体を準備しておくことが好ましい。管状体の大きさは、再生する神経の部位や必要な強度にもよるが、一般に、内径0.1〜20mm、外径0.11〜25mm、膜厚0.05〜5mm、長さ10〜150mmである。膜厚が厚すぎると生体組織の再生の障害となることがあり、逆に膜厚が薄すぎると管状体の分離吸収が早過ぎて、神経が再生し終わるまでその形状を維持できないことがある。また、接合する神経に対して内径が大きすぎると、神経の伸長が適切になされない可能性がある。
本発明では、管状体の外部表面は、当業者に公知の方法でコラーゲン溶液を複数回塗布することにより被覆され、管状体の内部(内腔)はコラーゲンを充填することにより満たされる。管状体の外部表面の塗布や内部の充填に用いるコラーゲンとしては、従来から神経再生の足場として使用されるコラーゲンを用いればよく、例えばI型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲンなどが挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、複数混合して用いてもよい。また、コラーゲンは、塩化ナトリウム含有濃度を乾燥状態で2.0重量%以下、好ましくは0.1〜1.5重量%に精製したものを使用することが好ましい。また、コラーゲンはラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクティン及び成長因子を含んでいても良い。成長因子としては、EGF(上皮増殖因子)、βFGF(線維芽細胞増殖因子)、NGF(神経成長因子)、PDGF(血小板由来増殖因子)、IGF−1(インスリン様増殖因子)、TGF−β(トランスフォーミング成長因子)などが挙げられる。また、コラーゲン溶液は、塩酸溶液の形で刷毛又は毛筆を用いて1回塗布するごとに完全に乾燥してから次回の塗布をするようにして複数回塗布することが好ましい。
本発明では、管状体の外部表面をコラーゲン溶液で塗布する際に、最初に塗布されるコラーゲン溶液として2〜800cps、好ましくは5〜200cpsの低粘度溶液を使用することが好ましい。この低粘度溶液を塗布する回数は1〜10回、好ましくは1〜5回が望ましい。最初にこの範囲の低粘度溶液を塗布することにより、管状体の生体分解吸収性ポリマーの極細繊維間にコラーゲン溶液が十分に浸透し、生体分解吸収性ポリマーとコラーゲンの接着性や一体感を格段に向上させることができる。最初に上記の粘度より高い高粘度溶液を塗布した場合、コラーゲン溶液が極細繊維間に浸透することができないため、乾燥後にコラーゲンが皮膜状態になり、管状体から剥離するおそれがある。このような神経再生誘導管を使用すると、管状体への血管侵入や神経細胞の成長を阻害することにつながる。
本発明では、最初に低粘度のコラーゲン溶液を複数回塗布して管状体の外部表面にコラーゲンを十分浸透させた後、それより高い200〜30000cpsの粘度のコラーゲン溶液をその上から塗布することが好ましい。低粘度溶液での塗布だけでは、一定の厚みのコラーゲン層を形成するために極めて多い回数の塗布が必要となり、作業効率が悪いからである。この高粘度溶液を塗布する回数は1〜50回、好ましくは1〜30回が望ましい。高粘度溶液を塗布する回数が多すぎると、神経再生誘導管の形状回復性が低下する原因となり、例えば術後に患部を物にぶつけた際に管に生じた歪みが回復せず、神経成長進路を塞いでしまうことがある。さらにコラーゲンは生分解速度が比較的速いため、過剰に塗布回数を増やしてもメリットは少ない。
実際には、コラーゲン溶液の粘度は最初の低粘度溶液の塗布後において2段階以上の多段階で高くすることが好ましい。例えば塗布されるコラーゲン溶液の粘度を2〜200cps、200〜3000cps、3000〜30000cpsのように3段階で上昇させることもあり得る。この場合、最初の低粘度溶液で管状体の極細繊維間へのコラーゲンの浸透と表面の薄膜の形成を行い、次の中粘度溶液でこの薄膜に接着して網目の目止めを行い、最後の高粘度溶液でこの目止めされたコラーゲン膜に接着して強度を高めることにより、初期強度が強い被覆を効率的に行なうことができる。また、このように段階的に塗布する粘度のギャップを少なくすることによって、塗布作業の操作性を向上させたり、塗りムラや塗り残しを低減させることができる。
コラーゲンを被覆および充填した管状体は、凍結、凍結乾燥、架橋処理を施してコラーゲンを架橋することが好ましい。凍結は好ましくは−10〜−196℃で3〜48時間の条件で行うのが好ましい。凍結することによって、コラーゲン分子の間に微細な氷が形成され、コラーゲン溶液が相分離を起こし、スポンジ化する。次に、前記凍結させたコラーゲン溶液を、真空下、好ましくは約−40〜−80℃で、好ましくは約12〜48時間凍結乾燥する。凍結乾燥することによって、コラーゲン分子間の微細な氷が気化するとともに、コラーゲンスポンジが微細化する。架橋方法としては、γ線架橋、紫外線架橋、電子線架橋、熱脱水架橋、グルタルアルデヒド架橋、エポキシ架橋、及び水溶性カルボジイミド架橋が挙げられるが、架橋の程度をコントロールしやすく、架橋処理を行っても生体に影響を及ぼさない熱脱水架橋が好ましい。熱脱水架橋処理は、真空下、例えば約105〜150℃、より好ましくは約120〜150℃、さらに好ましくは約140℃の温度で、例えば約6〜24時間、より好ましくは約6〜12時間、さらに好ましくは約12時間行う。架橋温度が高すぎると、生体内分解吸収性ポリマーの強度が低下する可能性がある。また、架橋温度が低すぎると十分な架橋反応が起きない可能性がある。
上記のようにして製造された神経再生誘導管は、生体分解吸収性ポリマーからなる管状体とコラーゲンが密に接着しているので、それぞれが有する強度の総和以上の初期強度や弾性を有する。具体的には、本発明の神経再生誘導管は、直径方向に側面から100N/mの負荷をかけて圧縮したときの管の歪み率(耐圧性)が15%以下、さらには0.1〜10%であり、50%の管の歪みが発生するように(管の直径が半分になるまで)同様に圧縮したときの歪んだ50%のうちの回復率(形状回復性)が60%以上である。耐圧性は、神経接続時の医療器具による作業や術後の処置による神経再生誘導管への負荷に対する抵抗性を想定したものであり、一般にコラーゲン層の厚みが大きいほど向上する。しかし、管状体とコラーゲンが密着せずに皮膜が分離している場合は耐圧性をあまり期待できない。また、形状回復性は、神経接続時の医療器具による作業(例えばピンセットによる必要以上に強いつまみ)や術後の患部への衝撃などによる歪みに対する形状の回復性を想定したものであり、この形状回復性が低ければ管に歪みが残ってしまい神経成長進路を阻害してしまう。
また、本発明の神経再生誘導管は、10%以上の限界湾曲率(耐キンク性)や高い耐膜剥がれ性を有する。限界湾曲率は、キンクを生ずることなく曲げられる範囲を表すものであり、神経接続の際の可動域に係わる指標である。10%未満の限界湾曲率では、湾曲した神経成長進路が必要な症例には使用できなくなり、仮に使用したとしても神経にテンションがかかり、神経の成長の阻害や外組織の圧迫による炎症を起こすおそれがある。また、耐膜剥がれ性は、被覆したコラーゲンの剥がれや割れに対する抵抗性である。コラーゲンを管状体の外側表面全体に被覆する理由は、神経成長進路への外組織の進入防止(外組織進入防止性)や管状体内部のコラーゲンスポンジの外部への漏れ防止(耐漏れ性)のためであるが、被覆したコラーゲンに剥がれや割れが生じるとこれらの性能を確保できないおそれがある。本発明の神経再生誘導管は、管状体とコラーゲンがしっかりと密着し、分離した皮膜がないため、高い耐キンク性を達成できるとともに、このような剥がれや割れを生じる可能性がない。
さらに、本発明の神経再生誘導管は、生体分解吸収の速度の調整にも大きな効果が期待できる。生体分解吸収性のポリマーからなる管状体とコラーゲンスポンジ及び被覆コラーゲンから構成される神経再生誘導管を体内に埋め込んだ場合、コラーゲンは非常に分解速度が速いため、被覆していたコラーゲン自体は1〜2週間で消失してしまう。しかし、本発明の管状体を用いれば、管状体繊維の分解吸収速度が制御されているので、長期的に管状体の形状および強度を持続させることができる。本発明の神経性再生誘導管は、40mmを超える神経ギャップの接合に好適に利用できることを目的としており、管形状が生体内で3ヶ月を超えて保持されるのが好ましい。より好ましくは5ヶ月以上、さらに好ましくは7ヶ月以上である。しかし、生体分解吸収性のポリマーを使用しているとは言え、生体にとっては異物であるのであまり長期にわたって残存すると炎症反応などが惹起されることがあり、1.5年以内に分解吸収されるのが好ましい。
また、管状体繊維の隙間にコラーゲンが浸透しているため長期間に渡って隙間を目止めできるため、神経細胞の成長を阻害する恐れのある外組織の進入を防ぐことができる。分解速度が遅くなる理由については、管状体繊維の隙間に接着しているコラーゲンの体液及び外組織と接触する面積が小さいためであると考えられる。
本発明の神経再生誘導管の効果を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で得られた神経再生誘導管の評価は以下の方法に従った。
(評価方法)
(1)耐圧性
下記測定条件で図1に示すように5mmの長さの試料の側面から直径方向に100N/mで負荷を与えた後の負荷方向の直径高さLを測定し、歪み率=(L/L)×100(但し、Lは負荷前の試料の負荷方向の直径の高さである)を計算した。なお、試料は、エージングなしの場合、生理食塩水にて1週間、2週間、3週間、4週間エージングの場合において測定を行なった。
測定条件
・温度200℃、湿度65.0%
・試験機:テンシロン(UTA−1t)
・試験速度:1mm/min
・ロードセル定格:5kgf
・試料数:N=3
(2)形状回復性
上記の(1)耐圧性と同じ測定条件で図2に示すように5mmの長さの試料の側面から直径方向に歪み率=50%になるまで圧縮した直後に加重を外して10分間静置したときの試料の負荷方向の直径の高さLを測定し、形状回復率=[(L−2/L)/(2/L)]×100(但し、Lは負荷前の試料の負荷方向の直径の高さである)を計算した。
(3)耐キンク性
温度20.0℃、湿度65.0%の下で図3に示すように50mmの長さの試料を1mm/秒程度の速度で手で折り曲げ、試料にキンクが発生したときの長さL(mm)を測定し、限界湾曲率[1−(L/50)]×100を計算した。なお、測定される試料数N=3とした。
(4)生体分解吸収性
生体分解吸収性を調べるため、日本白色種雄性ウサギ(20〜22週齢、体重2.5〜3.0kg)の背部皮下に直径2mm、長さ10mmの管状体(実施例1〜8、比較例1〜3の構成で作られた管状体計11種類)を埋植した。使用したウサギは計6羽で、1〜3羽目に実施例1〜4、比較例1、2の計6種類を3羽それぞれに埋植した。4〜6羽目に実施例5〜8、比較例3の計5種類を3羽それぞれに埋植した。埋植から3ヵ月後、1羽目と4羽目を犠牲死させ、管状体が分解しているかどうかを確認した。6ヵ月後には2羽目と5羽目、9ヶ月後には3羽目と6羽目を同様に確認した。分解しているかどうかの判断は目視で行った。筒状構造が保たれている場合は分解されていない、筒状構造が認められなければ分解されたと判断した。3ヶ月後で分解が認められた場合は「3ヶ月以下」、6ヵ月後で分解が認められた場合は「6ヶ月以下」、9ヵ月後で分解が認められた場合は「9ヶ月以下」、9ヵ月後でも分解が認められなかった場合は「9ヶ月超」とした。
(5)細胞増殖性
本発明の神経再生誘導管の細胞増殖性を評価するため、細胞培養実験を行った。
a)作成した管状体を1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノールに1重量%になるように溶解し、24ウェルアッセイプレート(IWAKI製)ウェルに300μlずつ加え、60℃の乾燥機内で完全に乾燥させて、コーティングした。
b)PC12細胞(大日本製薬ラボラトリープロダクツ製のラット副腎褐色細胞腫由来の細胞)をDMEM培地で予め継代数6まで培養しておき、遠心分離で細胞を回収後、DMEM培地15mlに1×10個となるように細胞数を調整して懸濁し、NGF(細胞増殖因子、R&D systems Inc.製、リン酸緩衝生理食塩水中の50μg/ml溶液)を15μl加えて培養液を調製した。
なお、DMEM培地とは、RPMI 1640液体培地(大日本製薬ラボラトリープロダクツ製、グルタミン酸不含有、重曹含有)500mlにウシ胎児血清(大日本製薬ラボラトリープロダクツ製)25ml、ウマ血清(大日本製薬ラボラトリープロダクツ製)50ml、200mMグルタミン液(大日本製薬ラボラトリープロダクツ製、29.23mg/ml)5mlを添加して混合したものである。
c)調製した培養液を予め作成したコーティング済みのウェルに300μlずつ滴下した。ウェルプレートをインキュベーター内(37℃、CO2濃度5.0%)で4日間培養した。
d)4日間の培養後、コラーゲンゲル内の細胞の様子を顕微鏡で観察し、代表例を写真撮影した。その結果を図4及び図5に示す。
e)4日間培養後の生存細胞数を測定するため、MTTアッセイ溶液を各ウェルに50μl加え、インキュベーター内で30分間静置した。30分間静置後、450nmでの吸光度を測定し、各ウェルでの吸光度の値を図6のグラフに表した。なお、図6のグラフでは本発明例の吸光度は比較例2の平均吸光度を100とした相対値として表している。また、吸光度は生存細胞数と正比例する。
(6)コラーゲン溶液の粘度の測定
コラーゲン濃度0.1,0.2,0.5,0.7,1.0,2.0重量%のコラーゲン溶液を、10℃の冷却水を循環させた恒温槽を使用して10℃の温度に安定させた後、B型粘度計(製品名:Visco Basic plus,FUNGILAB製、使用ロータ:L3スピンドル、測定回転数:20rpm、試験数:N=3)を作動させ、作動後3分後、4分後、5分後の測定値を読み取り、その平均値を測定粘度とした。その結果を表1に示す。
(実施例1〜8、比較例1〜3)
表1、2に示す極細繊維(直径約15μm)を28本束ねた繊維束を経糸及び緯糸として交互に編んで内径3mm、長さ50mmの円筒形の管状体(図7参照)を作製した。得られた管状体の外部表面にテフロン(登録商標)製の刷毛を用いて0.2%濃度のコラーゲン溶液を均一に1回塗布し、風乾させ、完全に乾燥していることを確認してから、再度前記コラーゲン溶液を塗付した。次に0.5%濃度のコラーゲン溶液を前記と同様にして3回塗布をした。さらに1.0%濃度のコラーゲン溶液を前記と同様にして20回塗布した。コラーゲン溶液の塗布完了後、コラーゲン分子に架橋を施すため、1Pa以下の減圧下で140℃、24時間の熱架橋を行い、これを実施例1〜8、比較例1〜3の試料とした。前記試料を用いて種々の評価を行った。結果を表1、2にまとめる。
表1、2の結果から本発明の神経再生誘導管は、従来のものに比べて耐圧性、形状回復性、耐キンク性、細胞増殖性の性能に優れていることが明らかである。
本発明の方法によって製造された神経再生誘導管は、上記の性能に優れているので、40mmを超えるような神経ギャップの接続、臨床使用時の取り扱い性や術後の安定性、安全性に優れ、神経再生医療において極めて有用である。
耐圧性の評価方法の説明図である。 形状回復性の評価方法の説明図である。 耐キンク性の評価方法の説明図である。 本願実施例4の管状体を用いた細胞増殖実験の結果を示す顕微鏡写真である。 本願比較例1の管状体を用いた細胞増殖実験の結果を示す顕微鏡写真である。 細胞増殖実験の結果を示すグラフである。 管状体のSEM像(50倍)である。

Claims (8)

  1. 生体分解吸収性ポリマーからなる極細繊維を複数本束ねた繊維束で編んだ管状体の外表面にコラーゲンが被覆された神経再生誘導管であって、該管状体が主として生体分解吸収性の第1のポリマーと、生体分解吸収性が第1のポリマーよりも高い第2のポリマーとからなることを特徴とする神経再生誘導管。
  2. 生体分解吸収性ポリマーが脂肪族ポリエステル、ポリ−ε−カプロラクトン、またはそれらの共重合体、ポリジオキサノン、ポリビニルアルコール、生体由来ポリマーからなる群から選ばれるポリマーである請求項1に記載の神経再生誘導管。
  3. 脂肪族ポリエステルがポリグリコール酸、ポリ乳酸、ラクチド−グリコリド共重合体からなる群から選ばれるポリマーである請求項2に記載の神経再生誘導管。
  4. 生体由来ポリマーがコラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、キチン、キトサンからなる群から選ばれるものである請求項2に記載の神経再生誘導管。
  5. 第1のポリマーがポリ乳酸、ポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコリド共重合体からなる群より選ばれるポリマーである請求項1に記載の神経再生誘導管。
  6. 第2のポリマーがポリグリコール酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコリド共重合体からなる群より選ばれるポリマーである請求項1に記載の神経再生誘導管。
  7. 管状体がさらに、第2のポリマーよりも生体分解吸収性の高い第3のポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の神経再生誘導管。
  8. 第3のポリマーが生体由来ポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の神経再生誘導管。
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