JP2009153715A - 超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】組織等に対応する信号成分と、ノイズに対応する信号成分とのコントラストを改善させ視認性を上げることができる超音波診断装置等を提供すること。
【解決手段】信号成分をマクロで捉えるためのボケ画像データを生成し、これを用いて診断有効成分と診断非有効成分とを決定し、診断有効成分においては1、診断非有効成分においては0以上1未満となるように、画素毎に補正係数を決定する。また、元の画像データの各画素値に対して、対応する補正係数を積算し、診断有効成分と診断非有効成分との間のコントラストを大きくするための補正処理を実行する。すなわち、診断有効成分においては補正係数が1に設定されるため、当該領域の画質は維持される。一方、診断非有効成分においては補正係数が0以上1未満に設定されるため、画素値がさらに低くなるように補正される。
【選択図】図2

Description

本発明は、組織等からの信号成分とノイズ成分とのコントラストをより強調するフィルタ処理を行う超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラムに関する。
超音波診断は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。この他、システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便な診断手法であると言える。この超音波診断において用いられる超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、産科や在宅医療等においても使用することができる。
ところで、この様な超音波診断装置によって取得された超音波画像を用いて画像診断を行う際に、組織からの信号成分とノイズ成分との区別がつきにくい場合がある。係る場合には、所定のフィルタ処理等をノイズ成分を低減させるのが一般的である。
なお、本願に関連する公知文献としては、例えば次のようなものがある。
特願2006−17772
しかしながら、従来の手法によってノイズ成分を低減させる場合には、同時に組織や血流からの信号成分も低減され、組織等からの信号成分とノイズ成分とのコントラストが十分でないことがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、組織等に対応する信号成分と、ノイズに対応する信号成分とのコントラストを改善させ視認性を上げることができる超音波診断装置、超音波画像処理装置、超音波画像処理プログラムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
請求項1に記載の発明は、被検体の所定の領域に対して超音波を送信し、当該被検体からの反射波に基づいて第1の超音波画像データを発生するデータ発生手段と、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データに比して解像度を低下させた第2の超音波画像データを生成し、当該第2の超音波画像データに基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定する判定手段と、前記診断非有効成分の信号値又は画素値に比して、前記診断有効成分の信号値又は画素値が相対的に強調されるように、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分の補正係数を決定する係数決定手段と、前記各係数を、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分に積算することで、画像補正処理を実行する積算手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置である。
請求項7に記載の発明は、被検体の所定の領域に対して超音波を送信し、当該被検体からの反射波に基づいて生成された第1の超音波画像データを記憶する記憶手段と、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データに比して解像度を低下させた第2の超音波画像データを生成し、当該第2の超音波画像データに基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定する判定手段と、前記診断非有効成分の信号値又は画素値に比して、前記診断有効成分の信号値又は画素値が相対的に強調されるように、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分の補正係数を決定する係数決定手段と、前記各係数を、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分に積算することで、画像補正処理を実行する積算手段と、を具備することを特徴とする超音波画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、被検体の所定の領域に対して超音波を送信し、当該被検体からの反射波に基づいて生成された第1の超音波画像データを用いて、当該第1の超音波画像データに比して解像度を低下させた第2の超音波画像データを生成させる生成機能と、前記第2の超音波画像データに基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定させる判定機能と、前記診断非有効成分の信号値又は画素値に比して、前記診断有効成分の信号値又は画素値が相対的に強調されるように、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分の補正係数を決定させる係数決定機能と、前記各係数を、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分に積算することで、画像補正処理を実行させる積算機能と、を実現させることを特徴とする超音波画像処理プログラムである。
以上本発明によれば、組織等に対応する信号成分と、ノイズに対応する信号成分とのコントラストを改善させ視認性を上げることができる超音波診断装置、超音波画像処理装置、超音波画像処理プログラムを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、ドプラ処理ユニット24、スキャンコンバータ25、データ処理部26、制御プロセッサ(CPU)28、内部記憶部29、インタフェース部30を具備している。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
超音波プローブ12は、超音波送受信ユニット21からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分を依存して、周波数偏移を受ける。
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール13s、マウス13c、キーボード13d等を有している。例えば、操作者が入力装置13の終了ボタンやFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、当該超音波診断装置は一時停止状態となる。
モニター14は、スキャンコンバータ25からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、血流情報を画像として表示する。
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
なお、超音波送信ユニット21は、制御プロセッサ28の指示に従って所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に送信駆動電圧の変更については、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理ユニット23は、送受信ユニット21からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。このデータは、スキャンコンバータ25に送信され、反射波の強度を輝度にて表したBモード画像としてモニター14に表示される。
ドプラ処理ユニット24は、送受信ユニット21から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。得られた血流情報はスキャンコンバータ25に送られ、平均速度画像、分散画像、パワー画像、これらの組み合わせ画像としてモニター14にカラー表示される。
スキャンコンバータ25は、超音波スキャンの走査線信号列を、Bモード処理部23、ドプラ処理部24、データ処理部26から受け取ったデータを種々のパラメータの文字情報や目盛等と共に合成し、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、表示画像としての超音波診断画像を生成する。スキャンコンバータ25は、画像データを格納する記憶メモリを搭載しており、例えば診断の後に操作者が検査中に記録された画像を呼び出すことが可能となっている。なお、当該スキャンコンバータ25に入る以前のデータは、例えば空間的位置毎の振幅値或いは輝度値の集合であり、「生データ」と呼ばれる。
データ処理部26は、制御プロセッサ28からの制御に基づいて、スキャンコンバージョン前の生データ、或いはスキャンコンバージョン後の画像データを用いて、後述する診断非有効成分低減機能に従う処理(診断非有効成分低減処理)を実行する。
制御プロセッサ28は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する制御手段である。制御プロセッサ28は、内部記憶部29から画像生成・表示等を実行するための制御プログラムを読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する。
内部記憶部29は、後述のスキャンシーケンス、画像生成。表示処理を実行するための制御プログラムや、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送受信条件、CFAR処理制御プログラム、ボディマーク生成プログラムその他のデータ群が保管されている。また、必要に応じて、画像メモリ26中の画像の保管などにも使用される。内部記憶部29のデータは、インタフェース回路30を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
インタフェース部30は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインタフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インタフェース部30よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
(診断非有効成分低減機能)
次に、本超音波診断装置1が有する、診断非有効成分低減機能について説明する。この機能は、超音波画像において、診断に有効な情報として寄与する信号成分(例えば、組織や血流といった診断に有効な領域からの信号成分であり、「診断有効成分」と呼ぶ。)と、診断に有効な情報として寄与しない信号成分(例えば、ノイズ成分であり、「診断非有効成分」と呼ぶ。)とのコントラストがより強調されるように、エコー信号に含まれる診断非有効成分を低減させるものである。この機能により、表示画像上において、例えば診断に有効な情報として寄与する組織領域等に対応する輝度と、診断に有効な情報として寄与しないノイズ部分に対応する輝度のコントラストを強調することができ、超音波画像における視認性を改善することができる。
なお、本実施形態では、説明を具体的にするために、スキャンコンバージョン後のデータである画像データに対して、当該診断非有効成分低減機能を適用する場合を例とする。しかしながら、当該機能は、データ形式に拘泥されず、スキャンコンバージョン前のデータである生データに対しても適用可能である。
また、本実施形態では、超音波診断装置1によって診断非有効成分低減機能を実現する場合を例として説明する。しかしながら、本診断非有効成分低減機能を実現するために、超音波画像の撮像機能は必須ではない。例えば、専用プログラムを医用ワークステーション等の超音波画像処理装置にインストールし、予め取得された生データ超音波画像データに対して、本診断非有効成分低減処理を実行するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、説明を具体的にするために、Bモード撮像によって得られる超音波画像データに対して、当該診断非有効成分低減機能を適用する場合を例とする。しかしながら、当該機能は撮像様式に拘泥されず、ドプラモード等の他の撮像様式によって得られる超音波画像データに対しても適用可能である。
図2は、診断非有効成分低減処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。同フローチャートにおいて、ステップS3乃至ステップS6までが診断非有効成分低減処理に対応する。
[超音波走査(エコー信号の取得):ステップS1]
まず、制御プロセッサ28は、所定のスキャンシーケンスに従ってBモード撮像を実行し、エコー信号を取得する(ステップS1)。
[Bモード処理(画像データの生成):ステップS2]
次に、Bモード処理ユニット23は、取得されたエコー信号に対して対数増幅、包絡線検波処理などを施し、生データを生成する。スキャンコンバータ25は、Bモード処理ユニット23から受け取った生データを用いて、画像データを生成する(ステップS2)。
[ボケ画像データの生成:ステップS3]
次に、データ処理部26は、所定の手法により、ボケ画像データを生成する(ステップS3)。ここで、ボケ画像データとは、本来の画像より解像度を低下させるように、ステップS2において得られた画像データ用いて生成される画像データである。
このボケ画像データは、信号をマクロで捉えることで、組織成分と非組織成分とを区別するためのものである。その生成手法には限定はないが、典型例としては、例えば次のようなものがある。すなわち、まず、画像データ上に所定サイズの小領域(例えば、3×3=9画素の小領域)を設定し、所定の窓関数を用いて、当該小領域の平均値を計算し、この平均値を小領域の中心位置に対応する画素の値とするマッピング処理を行う。次に、小領域の中心を例えば隣の画素に移動させて同様のこのマッピング処理を行う。この様なマッピング処理を、画像データ上の全ての画素に対して実行することにより、ボケ画像データを生成することができる。また、他の手法として、スキャンコンバータ25より出力された画像データを所定の割合(例えば、1/2や1/3)に間引き、その後所定の補間処理により元のサイズに戻すことで、ボケ画像データを生成することができる。
[診断有効成分と診断非有効成分とを判定(量子化画像の生成):ステップS4]
次に、データ処理部26は、ボケ画像データを用いて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定し、例えば図3に示すように診断有効成分が1、診断非有効成分が0に設定された量子化画像を生成する(ステップS4)。この判定手法には、特に限定はない。典型例としては、所定の関数や係数の積算処理、ボケ画像データの画素値の分布に基づく閾値処理を用いた判定、ボケ画像データの画素値の変化率(微分係数)に基づく閾値処理を用いた判定等を挙げることができる。
[診断有効成分及び診断非有効成分の補正係数決定:ステップS5]
次に、データ処理部26は、ボケ画像データ及び診断有効成分と診断非有効成分との境界を用いて、画素毎に補正係数を決定する(ステップS5)。例えば、階調を128段階である場合にステップS4において画素値(階調)=80が診断有効成分と診断非有効成分との境界であると判定したときには、データ処理部26は、例えば図4に示すような予め設定された対応関係に基づいて、診断非有効成分に対応する画素(0以上80未満の値を持つ画素)については0以上1未満の係数を割り当て、一方、診断有効成分に対応する画素(80以上128未満の値を持つ画素)については係数1を割り当てるように、ボケ画像データの画素毎の補正係数を決定する。
なお、本ステップの係数決定の手法は、図4に示した例に拘泥されない。例えば、内部記憶装置29に予め記憶される所定の計算式、対応テーブル等によっても係数を決定することができる。
[位置後の信号値に対応する補正係数を積算:ステップS6]
次に、データ処理部26は、ステップS2において得られた元の画像データの各画素値に対して、対応する補正係数を積算し、診断有効成分と診断非有効成分との間のコントラストを大きくするための補正処理を実行する(ステップS6)。
[超音波画像の表示:ステップS7]
次に、モニター14は、データ処理部26からのビデオ信号に基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とのコントラストが強調された超音波画像を所定の形態で表示する(ステップS7)。
図5は、本診断非有効成分低減処理が施された超音波画像を示した図である。図6は、本診断非有効成分低減処理を行っていない、通常の超音波画像を示した図である。図5と図6とを比較すると、図5においては、本診断非有効成分低減処理により、図6に比して診断有効成分と診断非有効成分との間のコントラストがより強調されていることがわかる。
(データ量低減化機能)
次に、本超音波診断装置が有するデータ量低減化機能について説明する。この機能は、フレーム毎の超音波画像データを回転させ、メモリへの書き込みデータ総量/メモリからの読み出しデータ総量を低減化させるものである。当該機能に従う処理(データ量低減化処理)を例えば診断非有効成分低減処理前に実行することで、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
図7(a)、(b)、(c)は、本データ量低減化処理を説明するための一例を示した図である。セクタスキャンによる超音波走査が行われた場合には、スキャンコンバート後の画像データは、図7(a)に示すような扇型となる。係る扇形の画像データをメモリに書き込み/読み出しする場合、従来の装置では、図7(a)に示すような矩形状の領域に書き込み読み出している。従って、例えば領域S1、S2、S3の様な超音波画像データ以外の不要な領域についても書き込み/読み出しを行うこととなっていた。
本データ量低減化処理では、例えばデータ処理部26が、超音波走査領域の形状や大きさに基づいて、得られた超音波画像データを例えば図7(b)に示すように、画像データを含む矩形領域の面積が最小となる様に回転させ、当該画像データを書き込み/読み出しするためのメモリ領域を最小化する。この様に最小化されたメモリ領域に書き込まれた画像データに対して、既述の診断非有効成分低減処理を実行し、その後、図7(c)に示すように、画像データが元の向きとなるように回転させる。これにより、メモリへの書き込みデータ総量/メモリからの読み出しデータ総量を低減化させることができ、超音波画像表示までのスループットを向上させることができる。その結果、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
また、例えば図8(a)に示すように、超音波走査領域が超音波照射面に対して斜め方向である場合にも、図8(b)に示すように、画像データを含む矩形領域の面積が最小となる様に回転させ、当該画像データを書き込み/読み出しするためのメモリ領域を最小化する。そして、既述の診断非有効成分低減処理を実行した後、図8(c)に示すように、画像データが元の向きとなるように回転させる。これにより、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置では、信号成分をマクロで捉えるためのボケ画像データを生成し、これを用いて診断有効成分と診断非有効成分とを決定し、診断有効成分においては1、診断非有効成分においては0以上1未満となるように、画素毎に補正係数を決定する。また、元の画像データの各画素値に対して、対応する補正係数を積算し、診断有効成分と診断非有効成分との間のコントラストを大きくするための補正処理を実行する。すなわち、診断有効成分においては補正係数が1に設定されるため、当該領域の画質は維持される。一方、診断非有効成分においては補正係数が0以上1未満に設定されるため、画素値がさらに低くなるように補正される。従って、診断有効成分の画質を維持しつつ、診断有効成分と診断非有効成分とのコントラストをより強調することができる。その結果、組織等に対応する信号成分と、ノイズに対応する信号成分とのコントラストを改善させ視認性を上げることができ、画像診断における観察作業の負担軽減、画像診断の質の向上等に寄与することができる。
また、本超音波診断装置では、画像データをメモリに書き込む際、データの書き込み/読み出しのデータ量が最小になるように、超音波走査範囲を回転処理させ、処理対象となるデータ量を低減化させることができる。その結果、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
(1)本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
(2)上記実施形態においては、診断有効成分の画質を維持するために、当該領域対応する画素についての補正係数を1に設定した。しかしながら、本診断非有効成分低減処理の目的一つは、診断有効成分と診断非有効成分との間のコントラストを大きくすることである。従って、この目的が実現されるのであれば、診断有効成分の補正係数は必ずしも1である必要はなく、と診断非有効成分との間のコントラストを大きくするために、例えば1を超える所定の値に設定するようにしてもよい。
(3)上記実施形態においては、二次元の超音波画像データに対して診断非有効成分低減処理を実行する場合を例として説明した。しかしながら、本診断非有効成分低減処理は二次元画像データに拘泥されない。例えば、三次元画像データを二次元画像データに分割し、各二次元画像データに対して、既述の診断非有効成分低減処理を実行することで、三次元画像データに対しても診断非有効成分低減処理を実行することができる。また、例えばステップS3において、例えば小領域を3×3×3=27画素の領域として設定し、ボケ画像ボリュームデータを生成し、画像データ上に所定サイズの小領域(例えば、3×3=9画素の小領域)を設定し、以降ボリュームデータ単位で同様の処理を行うことによっても、実現することができる。
(4)超音波画像を観察する場合、一般に、ある最大輝度値に対して、ある指定した輝度値以上に変化がなければ、画像データを更新しても視覚的に変化を感じない。従って、上記実施形態において、例えば診断非有効成分低減処理前又は診断非有効成分低減処理後の隣接するフレーム間で位置の対応する画素値を比較し、その差が全ての画素において所定の値より小さい場合には、時刻の新しいフレームの画像データを後段の処理に送らないようにしてもよい。この様な構成によれば、データ処理量を減少させることができ、リアルタイム性の高い画像を提供することができる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、組織等に対応する信号成分と、ノイズに対応する信号成分とのコントラストを改善させ視認性を上げることができる超音波診断装置、超音波画像処理装置、超音波画像処理プログラムを実現することができる。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。 図2は、診断非有効成分低減処理の流れを示したフローチャートである。 図3は、診断有効成分と診断非有効成分との境界判定処理により得られる量子化画像の一例を示した図である。 図4は、診断有効成分及び診断非有効成分の補正係数決定処理の一例を説明するための図である。 図6は、診断非有効成分低減処理が施され、診断有効成分と診断非有効成分との間のコントラストが強調された超音波画像を示した図である。 図5は、診断非有効成分低減処理を行っていない、通常の超音波画像を示した図である。 図7(a)、(b)、(c)は、本データ量低減化処理を説明するための一例を示した図である。 図8(a)、(b)、(c)は、本データ量低減化処理を説明するための他の例を示した図である。
符号の説明
10…超音波診断装置、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニター、21…超音波送信ユニット、22…超音波受信ユニット、23…Bモード処理ユニット、24…ドプラ処理ユニット、25…スキャンコンバータ、26…データ処理部、28…制御プロセッサ、29…内部記憶部、30…インタフェース部

Claims (8)

  1. 被検体の所定の領域に対して超音波を送信し、当該被検体からの反射波に基づいて第1の超音波画像データを発生するデータ発生手段と、
    前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データに比して解像度を低下させた第2の超音波画像データを生成し、当該第2の超音波画像データに基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定する判定手段と、
    前記診断非有効成分の信号値又は画素値に比して、前記診断有効成分の信号値又は画素値が相対的に強調されるように、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分の補正係数を決定する係数決定手段と、
    前記各係数を、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分に積算することで、画像補正処理を実行する積算手段と、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記係数決定手段は、前記診断有効成分内の各位置における信号値又は画素値については、前記補正係数を1以上の値として決定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記係数決定手段は、前記診断非有効成分内の各位置における信号値又は画素値については、前記補正係数を1未満の値として決定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記係数決定手段は、所定の計算式又は予め記憶された対応表に基づいて、前記補正係数を決定することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  5. 超音波が送信される前記所定の領域の大きさ及び形状に基づいて、読み出しデータ量が最小になるように、メモリへ書き込む場合の前記第1の超音波画像データの向きを判定し、前記判定した向きに従って前記第1の超音波画像データをメモリに書き込む書き込み手段をさらに具備し、
    前記判定手段、前記係数決定手段、前記積算手段は、前記判定した向きに従ってメモリに書き込まれた前記第1の超音波画像データを用いて、前記各処理を実行すること、
    を特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  6. 前記第1及び第2の超音波画像データは、三次元画像データであることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  7. 被検体の所定の領域に対して超音波を送信し、当該被検体からの反射波に基づいて生成された第1の超音波画像データを記憶する記憶手段と、
    前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データに比して解像度を低下させた第2の超音波画像データを生成し、当該第2の超音波画像データに基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定する判定手段と、
    前記診断非有効成分の信号値又は画素値に比して、前記診断有効成分の信号値又は画素値が相対的に強調されるように、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分の補正係数を決定する係数決定手段と、
    前記各係数を、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分に積算することで、画像補正処理を実行する積算手段と、
    を具備することを特徴とする超音波画像処理装置。
  8. コンピュータに、
    被検体の所定の領域に対して超音波を送信し、当該被検体からの反射波に基づいて生成された第1の超音波画像データを用いて、当該第1の超音波画像データに比して解像度を低下させた第2の超音波画像データを生成させる生成機能と、
    前記第2の超音波画像データに基づいて、診断有効成分と診断非有効成分とを判定させる判定機能と、
    前記診断非有効成分の信号値又は画素値に比して、前記診断有効成分の信号値又は画素値が相対的に強調されるように、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分の補正係数を決定させる係数決定機能と、
    前記各係数を、前記第1の超音波画像データの前記各診断非有効成分及び前記各診断有効成分に積算することで、画像補正処理を実行させる積算機能と、
    を実現させることを特徴とする超音波画像処理プログラム。
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