JP2004267584A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズボクセル等を適切に処理する超音波診断装置を提供する。
【解決手段】輪郭強調ブロック16は、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、その注目ボクセルが心筋部内のボクセルか心腔部内のボクセルかを判定することによって、各ボクセルに対して輪郭強調処理を施す。ノイズ抽出ブロック30は輪郭強調処理が施された各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、その注目ボクセルがノイズに対応するか否かを判定することによって、各ボクセルに対してノイズ除去処理を施す。ノイズ領域抽出ブロック50は、ノイズ抽出ブロック30では除去しきれない、比較的大きなノイズボクセルの塊を抽出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特に三次元超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
対象組織を含む三次元空間に超音波を送受波し、得られた立体画像に対してボリュームレンダリング演算を行うことで、対象組織を透過表示した表示画像を形成する超音波診断装置が知られている。ボリュームレンダリング演算の詳細は、例えば特許文献1に示されている。その概要は次の通りである。
【0003】
超音波ビームを走査することで得られる複数のボクセルからなる三次元空間に対して複数のレイ(例えば超音波ビームに一致)が設定される。設定された各レイごとにレイに沿って各ボクセルのボクセル値が参照され、各ボクセル値ごとにレンダリング演算が逐次的に実行される。各レイごとにレンダリング演算が行われる場合において、それと並行して各ボクセルに対応するオパシティ(不透明度)の積算が行われ、積算値が終了条件を満たした場合に、当該レイについてのレンダリング演算を終了する。この時点でのレンダリング演算結果が当該レイに対応する表示画素値として決定される。各レイごとに表示画素値を決定することでその集合として対象組織を透過表示した表示画像が形成される。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−33538号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ボリュームレンダリング演算では、各レイごとにレイに沿って各ボクセルのボクセル値が参照され、各ボクセル値ごとにレンダリング演算が逐次的に実行される。その際、レイ上にノイズボクセル等(超音波探触子の分解能などに起因して本来のボクセル値が取得できなかったボクセル)が存在すると、ノイズボクセル等のボクセル値が演算に反映され、レンダリング演算に悪影響を及ぼしてしまう。このため、レンダリング演算の結果得られる表示画像において対象組織の画像を鮮明に表示することが困難であった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズボクセル等を適切に処理する超音波診断装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、対象組織及びそれに隣接する隣接組織を含む三次元空間に超音波を送受波して、前記三次元空間を構成する各ボクセルごとにボクセル値を取得する送受波手段と、前記各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、当該注目ボクセルが対象組織内のボクセルか隣接組織内のボクセルかを判定することによって、前記各ボクセルに対して組織輪郭強調処理を施す輪郭強調手段とを有し、前記輪郭強調手段は、前記三次元空間内の各ボクセルに対応するボクセル値集合から、当該ウィンドウ内の複数のボクセルに対応する複数のボクセル値を抽出する第一抽出部と、前記第一抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数に従って、当該ウィンドウ内の注目ボクセルが対象組織内のボクセルか隣接組織内のボクセルかを判定する組織判定部と、前記組織判定部において、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を対象組織に対応するボクセル値に設定し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を隣接組織に対応するボクセル値に設定するボクセル値第一設定部とを含むものとする。
【0008】
上記構成において、ボクセル値とは、超音波の送受波により得られる情報であり、例えばエコーレベルやドップラ情報などである。上記構成によれば、各ボクセルは、ウィンドウ内の他のボクセルを参照して対象組織内か隣接組織内かに分別される。このため、本来、対象組織に相当するのかあるいは隣接組織に相当するのかが分別困難なボクセル(例えば、送受波手段の分解能に起因して本来のボクセル値が取得できなかったボクセル)を適切に分別することができる。
【0009】
望ましくは、前記ウィンドウは、前記超音波の送受波方向に対して実質的に直交する平面内に設定されるものとする。さらに望ましくは、前記ウィンドウは、前記注目ボクセルとそれに隣接する周囲8個のボクセルとからなる矩形状ウィンドウとする。あるいは、前記ウィンドウは、前記注目ボクセルとそれに隣接する周囲26個のボクセルとからなる直方体形状ウィンドウとする。
【0010】
望ましくは、前記組織判定部は、前記第一抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数が、当該ウィンドウ内のボクセル総数の半数を基準に設定される閾個数以下の場合に、当該ウィンドウ内の注目ボクセルが隣接組織内のボクセルであると判定するものとする。あるいは、前記組織判定部は、前記第一抽出部によって抽出された前記ウィンドウ内の注目ボクセルのボクセル値が閾値未満であって、且つ、当該ウィンドウ内の複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数が、当該ウィンドウ内のボクセル総数の半数を基準に設定される閾個数以下の場合に、当該注目ボクセルが隣接組織内のボクセルであると判定するものとする。
【0011】
望ましくは、前記ボクセル値第一設定部は、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定するものとする。
【0012】
望ましくは、前記各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、当該注目ボクセルがノイズに対応するか否かを判定することによって、前記各ボクセルに対してノイズ除去処理を施すノイズ除去手段をさらに有し、前記ノイズ除去手段は、前記三次元空間内の各ボクセルに対応するボクセル値集合から、当該ウィンドウ内の複数のボクセルに対応する複数のボクセル値を抽出する第二抽出部と、前記第二抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数に従って、当該ウィンドウ内の注目ボクセルがノイズに対応するか否かを判定するノイズ判定部と、前記ノイズ判定部においてノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を所定値に設定するボクセル値第二設定部とを含むものとする。
【0013】
上記構成によれば、各ボクセルは、ウィンドウ内の他のボクセルを参照してノイズに対応するか否かに分別される。このため、ノイズに相当するボクセルなのか否かが分別困難なボクセルを適切に分別することができる。
【0014】
望ましくは、前記ノイズ判定部は、前記第二抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数が、当該ウィンドウ内のボクセル総数の半数を基準に設定される閾個数以下の場合に、当該ウィンドウ内の注目ボクセルがノイズに対応するものと判定するものとする。望ましくは、前記ボクセル値第二設定部は、ノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持するものとする。さらに望ましくは、前記ノイズ除去手段は、前記ノイズ除去処理が施された各ボクセルを新たな注目ボクセルとして再び前記ノイズ除去処理を施すことで、前記ノイズ除去処理を所定回数繰り返して実行するものとする。この構成において新たな注目ボクセルに対応するウィンドウ内の他のボクセルについても、注目ボクセルと同じ回数のノイズ除去処理が施されたものであることが好適である。望ましくは、前記ノイズ除去手段は、前記輪郭強調手段において組織輪郭強調処理が施された各ボクセルを注目ボクセルとする。この構成において新たな注目ボクセルに対応するウィンドウ内の他のボクセルについても、組織輪郭強調処理が施されたものであることが好適である。
【0015】
望ましくは、前記ボクセル値第一設定部は、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、前記ボクセル値第二設定部は、ノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、前記組織輪郭強調処理および前記ノイズ除去処理が施された複数のボクセルからなる三次元空間内において、視点方向となるボクセル列に沿って各ボクセルごとにオパシティを利用したボリュームレンダリング演算を施して表示画像を形成する表示画像形成手段をさらに有するものとする。
【0016】
上記構成によれば、隣接組織内のボクセルおよびノイズに対応するボクセルのボクセル値が実質的0に設定されるため、これらボクセルが実質的に無視されてボリュームレンダリング演算が行われる。このため、これらボクセルによるボリュームレンダリング演算への悪影響が抑えられ(好適には完全にキャンセルされ)、ボリュームレンダリング演算によって得られる表示画像において、対象組織の画像が鮮明になる。
【0017】
望ましくは、前記各ボクセルに対してノイズ領域除去処理を施すノイズ領域除去手段をさらに有し、前記ノイズ領域除去手段は、前記三次元空間内のボクセル集合から、閾値以上のボクセル値を有する複数の被処理ボクセルを選別し、その被処理ボクセルの塊からなる孤立ボクセル領域を抽出するボクセル領域抽出部と、前記孤立ボクセル領域内のボクセル数に基づいて、当該孤立ボクセル領域がノイズに対応するか否かを判定するノイズ領域判定部と、前記ノイズ領域判定部においてノイズに対応すると判定された当該孤立ボクセル領域内の各ボクセルのボクセル値を所定値に設定するボクセル値第三設定部とを含むものとする。上記構成によれば、ノイズ除去手段によって除去しきれない比較的大きなノイズボクセルの塊を処理することが可能になる。
【0018】
望ましくは、前記ノイズ領域判定部は、前記孤立ボクセル領域内のボクセル総数が所定個数以下の場合に、当該孤立ボクセル領域がノイズに対応するものと判定するものとする。あるいは、前記ノイズ領域判定部は、ユーザ指示に基づいて、当該孤立ボクセル領域がノイズに対応するか否かを判定するものとする。望ましくは、前記ノイズ除去手段は、前記輪郭強調手段において組織輪郭強調処理が施された各ボクセルを注目ボクセルし、前記ノイズ領域除去手段は、前記ノイズ除去手段においてノイズ除去処理が施された各ボクセルに対してノイズ領域除去処理を施すものとする。
【0019】
望ましくは、前記ボクセル値第一設定部は、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、前記ボクセル値第二設定部は、ノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、前記ボクセル値第三設定部は、ノイズに対応すると判定された当該孤立ボクセル領域内の各ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該孤立ボクセル領域内の各ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、前記組織輪郭強調処理、前記ノイズ除去処理および前記ノイズ領域除去処理が施された複数のボクセルからなる三次元空間内において、視点方向となるボクセル列に沿って各ボクセルごとにオパシティを利用したボリュームレンダリング演算を施して表示画像を形成する表示画像形成手段をさらに有するものとする。
【0020】
上記構成によれば、隣接組織内のボクセル、ノイズに対応するボクセル、および、ノイズに対応すると判定された孤立ボクセル領域内の各ボクセル、それぞれのボクセル値が実質的0に設定されるため、これらボクセルによるボリュームレンダリング演算への悪影響が抑えられる(好適には完全にキャンセルされる)。このため、ボリュームレンダリング演算によって得られる表示画像において、対象組織の画像がさらに鮮明になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。3Dプローブ10は三次元エコーデータ取得用の超音波探触子であり、この3Dプローブ10は患者体表に当接してあるいは体腔内に挿入して用いられる。3Dプローブ10は、電子走査により二次元平面内に超音波を送受波する1Dアレイ振動子を機械走査することで、三次元空間内に超音波を送受波する。また3Dプローブ10は、振動子が二次元配列された2Dアレイ振動子を電子走査することで三次元空間内に超音波を送受波するものでもよい。
【0023】
送受信部12は、3Dプローブ10を制御して、対象組織である心臓を含む三次元空間内に超音波を送受波する。つまり、送受信部12は送信ビームフォーマおよび受信ビームフォーマとして機能し、三次元空間を構成する複数のボクセルの各ボクセルごとのボクセル値を取得して三次元データメモリ(1)14へ出力する。
【0024】
本発明に係る超音波診断装置の診断対象は心臓に限定されるものではないが、以下においては心臓を対象組織として説明する。一般に心臓の超音波診断では、心腔部を大きく映し出し、心腔部の周囲を心筋部が取り囲むような超音波画像を取得する。つまり、形成される超音波画像内の大半は、心筋部と心腔部で占められている。そこで、以下の説明では、心筋部と心腔部とからなる三次元空間内に対して超音波が送受波されたものとする。
【0025】
三次元データメモリ(1)14内において、各ボクセル値は三次元空間内の座標値に対応したアドレスに記録されている。三次元空間内の座標は、超音波ビームのセクタ走査方式に適したrθφ極座標系の座標値でもよく、あるいは直方体形状に適したxyz直交座標系の座標値でもよい。
【0026】
輪郭強調ブロック16は、三次元空間内の各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、その注目ボクセルが心筋部内のボクセルか心腔部内のボクセルかを判定することによって、各ボクセルに対して輪郭強調処理を施すブロックである。輪郭強調ブロック16は、ボクセル群抽出部(1)18、二値化処理部(1)20、心筋判定部22およびボクセル値処理部(1)24で構成される。ここで、輪郭強調ブロック16による輪郭強調手法を、図2、図3および図4を併用して説明する。なお、図2、図3および図4の説明において、図1に記載した部分については図1の符号を付して説明する。
【0027】
図2は、超音波が送受波される三次元空間を示した図であり、三次元空間70は複数のボクセル72で構成されている(図2には説明に必要なボクセルのみを記載しているが、実際には複数のボクセルが三次元空間内を埋め尽くしている)。三次元空間70はxyz直交座標系で表現されている。つまり、各ボクセル72のボクセル値は、xyz直交座標系の座標値に対応するアドレスが付されて、三次元データメモリ(1)14に記録されている。図2のxyz直交座標系において、x軸方向は超音波の送受波方向に対応しており、xy平面は一枚の超音波フレームに対応している。超音波フレームがz軸方向に沿って次々に形成されることで三次元空間70が形成される。
【0028】
ボクセル群抽出部(1)18は、x軸方向つまり超音波の送受波方向に直交するyz平面内に設定される3×3ウィンドウ74内の各ボクセルのボクセル値を三次元データメモリ(1)18から取得する。3×3ウィンドウ74内の複数ボクセル(ボクセル群)は、中心に位置する一つの注目ボクセル74aとその周囲に位置する八つの近傍ボクセル74bとで構成される。なお、本実施の形態においては3×3ウィンドウ74がyz平面内、つまり、超音波の送受波方向に直交する平面内に形成されているが、3×3ウィンドウ74は超音波の送受波方向に対して厳密に直交する必要性はなく、例えば、直交(90°)から数度ずれた面内に形成されても本実施の形態と同様な効果が得られる。
【0029】
3×3ウィンドウ74は三次元空間70内を網羅すべく次々に移動設定される。ボクセル群抽出部(1)18は、まず三次元空間70の原点に位置するボクセルを含む3×3ウィンドウ74を設定し、この3×3ウィンドウ74をy軸方向に一ボクセルずつy軸端点まで移動させる。次に原点からz軸方向に一ボクセル分ずれたy軸方向に沿って、3×3ウィンドウ74が移動設定される。これをz軸方向に一ボクセル分ずつ移動しながら繰り返すことで、原点を含むyz平面内を網羅すべく3×3ウィンドウ74が移動設定される。
【0030】
ボクセル群抽出部(1)18は、さらに、x軸方向に一ボクセル分ずつ移動しながら次々にyz平面内を網羅するように3×3ウィンドウ74を移動設定する。その結果、三次元空間70全体を網羅すべく3×3ウィンドウ74が移動設定される。ボクセル群抽出部(1)18は、各移動位置における3×3ウィンドウ74内の9個のボクセルの各々に対応する9個のボクセル値を、二値化処理部(1)20およびボクセル値処理部(1)24に出力する。
【0031】
二値化処理部(1)20は、入力された各ボクセルを、ボクセル値に対して設定された閾値に基づいて、閾値以上のボクセルと閾値未満のボクセルとに分別する。ボクセル値とは、各ボクセルに対応するエコーレベルやドップラ情報などである。本実施の形態ではボクセル値としてエコーレベルを考える。一般的に心腔部は心筋部に比べてエコーレベルが小さい。このため、心筋部に相当するレベルよりも小さく、且つ、心腔部に相当するレベルよりも大きいレベルに閾値を設定することで、閾値に基づいて心筋部と心腔部を大別することができる。例えば、エコーレベル値が64階調の場合、心筋部と心腔部とを分別するレベルは7〜9レベル程度に存在する。そこで、本実施の形態ではボクセル値を64階調のエコーレベル値とし、閾値を8に設定した場合、つまり、ボクセル値が8以上のボクセル(心筋部に相当)とボクセル値が8未満のボクセル(心腔部に相当)に分別する場合について説明する。
【0032】
心筋部と心腔部との間のエコーレベルの差により、複数のボクセルからなる三次元空間内において、本来、心筋部と心腔部との境界部分でボクセル値が鋭く変化するはずである。ところが超音波診断装置では、超音波ビーム幅などに起因する探触子分解能の影響により、境界部分において心筋部と心腔部のエコーデータが混在して取得されてしまう。このため、境界付近におけるエコーレベルの変化がなだらかなものとなり、心筋部と心腔部との境界が不明瞭であった。そこで、心筋判定部22において心筋部と心腔部との境界を明瞭にする処理が施される。
【0033】
心筋判定部22は、3×3ウィンドウごとに、その中心に位置する注目ボクセルが、心筋部ボクセルか心腔部ボクセルかを判定する。3×3ウィンドウを構成する各ボクセルは、二値化処理部(1)20において、閾値以上のボクセルと閾値未満のボクセルとに分別されている。心筋判定部22は、二値化処理部(1)20による分別結果に基づいて、次の条件1から条件3により、注目ボクセルを再分別する。
「条件1」二値化処理部(1)20において注目ボクセルが閾値以上のボクセルと判定されている場合には、その注目ボクセルを心筋部ボクセルと判定する。
「条件2」二値化処理部(1)20において、注目ボクセルが閾値未満のボクセルと判定されており、且つ、その注目ボクセルの周囲8個のボクセルのうち閾値以上のボクセルと判定されているボクセル個数が所定個数以下の場合に、その注目ボクセルを心腔部ボクセルと判定する。
「条件3」二値化処理部(1)20において、注目ボクセルが閾値未満のボクセルと判定されており、且つ、その注目ボクセルの周囲8個のボクセルのうち閾値以上のボクセルと判定されているボクセル個数が条件2の所定個数より多い場合に、その注目ボクセルを心筋部ボクセルと判定する。
【0034】
条件2および条件3における所定個数は、周囲ボクセル個数の半数を目安に設定される。つまり、周囲ボクセルが8個であるため、所定個数としては3個、4個あるいは5個程度に設定されることが望ましい。所定個数を周囲ボクセル個数の半数を目安に設定する意味は、例えば、注目ボクセルが心筋部と心腔部の境界付近に存在する場合に、心筋部の領域に含まれると判定すべきか、あるいは、心腔部の領域に含まれると判定すべきかを、周囲ボクセルに基づいて決定するためである。
【0035】
心筋判定部22は、上記条件1から条件3に従って注目ボクセルを再分別し、その結果に基づいてボクセル値処理部(1)24を制御する。ボクセル値処理部(1)24には、三次元データメモリ(1)14内に記録されているボクセル値である原ボクセル値が、ボクセル群抽出部(1)18を経由して出力されている。心筋判定部22は、心筋部ボクセルと判定したボクセルについては、そのボクセル値として、ボクセル群抽出部(1)18を経由して出力される原ボクセル値を維持して三次元データメモリ(2)26に記録する。一方、心筋判定部22は、心腔部ボクセルと判定したボクセルについては、そのボクセル値を0に置き換えて三次元データメモリ(2)26に記録する。前述のように、3×3ウィンドウは、ボクセル群抽出部(1)18において三次元空間全体を網羅すべく次々に移動設定されている。心筋判定部22は、次々に移動設定される3×3ウィンドウごとに、その中心に位置する注目ボクセルのボクセル値を、心筋部ボクセルとして維持するか、あるいは、心腔部ボクセルとして0に置き換える処理を施して三次元データメモリ(2)26に記憶する。
【0036】
ここで、心筋判定部22によるボクセル値処理の具体例を図3に示す。図3の(1)から(3)は、それぞれ、心筋判定部22における条件1から条件3による判定の具体例を示している。各具体例は、矢印の左側に判定前の3×3ウィンドウを、矢印の右側に判定後の3×3ウィンドウを示している。各具体例において、3×3ウィンドウの中心に位置するボクセルが注目ボクセルであり、その周囲に位置する8個のボクセルが周囲ボクセルである。また、各ボクセル内に記載された数値は、各ボクセルのボクセル値を示している。なお、各具体例は、二値化処理部(1)20における閾値を8に設定し、条件2および条件3における所定個数を4個に設定した場合を示している。
【0037】
図3の(1)において、判定前の3×3ウィンドウの注目ボクセルはそのボクセル値が9(丸印で明記)、つまり閾値8以上のボクセルであり、従って、条件1により、注目ボクセルは心筋部ボクセルと判定される。これにより、矢印右側に示すように、注目ボクセルのボクセル値9は維持される。
【0038】
図3の(2)において、判定前の3×3ウィンドウの注目ボクセルはそのボクセル値が6、つまり閾値8未満のボクセルであり、また、周囲8個のボクセルのうち、閾値8以上のボクセルの個数が3個(丸印で明記)、つまり所定個数4個以下である。従って、条件2により、注目ボクセルは心腔部ボクセルと判定され、矢印右側に示すように、注目ボクセルのボクセル値が0(丸印で明記)に置き換えられる。
【0039】
図3の(3)において、判定前の3×3ウィンドウの注目ボクセルはそのボクセル値が6、つまり閾値8未満のボクセルであり、また、周囲8個のボクセルのうち、閾値8以上のボクセルの個数が5個(丸印で明記)、つまり所定個数4個より多い。従って、条件3により、注目ボクセルは心筋部ボクセルと判定され、矢印右側に示すように、注目ボクセルのボクセル値6(丸印で明記)は維持される。
【0040】
さらに、心筋判定部22によるボクセル値処理の具体例を図4に示す。図4は心筋部および心腔部を含む二次元画像を示すものであり、図2に示す三次元空間内のyz平面に相当する画像である。図4(A)には処理前の原画像が示されており、図4(B)には処理後の輪郭強調画像が示されている。各画像内の数値は各ボクセルのボクセル値に対応している。図4(A)の原画像において、比較的小さいボクセル値(0を含む)のボクセル、つまり心腔部に相当するボクセルは画像中心部に多く存在し、比較的大きいボクセル値のボクセル、つまり心筋部に相当するボクセルは画像外縁部に多く存在する。
【0041】
心筋判定部22は、図4(A)の原画像内の各ボクセルを注目ボクセルとして、上述の条件1から条件3に従って注目ボクセルを再分別し、その結果に基づいてボクセル値処理部(1)24を制御する。つまり、心筋判定部22は、3×3ウィンドウを図4(A)の原画像内を網羅するように移動設定し、各移動位置において、注目ボクセルのボクセル値を心筋部ボクセルとして維持するか、あるいは、心腔部ボクセルとして0に置き換える処理を施す。なお、3×3ウィンドウの各移動位置における、条件1から条件3を適用したボクセル値処理は、図3を利用して説明したとおりである。
【0042】
図4(B)に示される処理後の輪郭強調画像では、ボクセル値0に対応するボクセル(主に心腔部に対応)と、それ以外のボクセル(主に心筋部に対応)との境界80aが明確になっている。なお、図4(B)の輪郭強調画像において、ボクセル値0の領域内に孤立して存在するボクセル集合82aや、ボクセル値0の領域内に突出している突出領域84aは、本来心腔部に対応するボクセルである。ボクセル集合82aや突出部84aは、後に詳述するノイズ抽出ブロック30によって処理される。
【0043】
以上、具体例にも示したように、輪郭強調ブロック16、つまり、ボクセル群抽出部(1)18、二値化処理部(1)20、心筋判定部22およびボクセル値処理部(1)24は、各ボクセルに対して心筋部の輪郭強調処理を施したうえで、そのボクセル値を三次元データメモリ(2)26に記録する。なお、上記説明では、ボクセル群抽出部(1)18において、3×3ウィンドウを設定する例を示したが、例えば5×5ウィンドウや、他の平面ウィンドウを利用してもよい。また、平面ウィンドウはyz平面内に限定されず、例えば、xy平面やzx平面に形成してもよい。さらに、ウィンドウを立体ウィンドウとして、例えば3×3×3ウィンドウ、つまり、中心ボクセルとその周囲26個の周囲ボクセルとで構成される立体ウィンドウとしてもよい。このように、ウィンドウには様々な態様が考えられる。また、ウィンドウの態様に応じて、心筋判定部22における条件1から条件3を適宜変更することも可能である。
【0044】
図1に戻り、三次元データメモリ(2)26内のボクセル値は、セレクタ28を介してノイズ抽出ブロック30により読み出される。ノイズ抽出ブロック30は三次元空間内の各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、その注目ボクセルがノイズに対応するか否かを判定することによって、各ボクセルに対してノイズ除去処理を施すブロックである。ノイズ抽出ブロック30は、ボクセル群抽出部(2)32、二値化処理部(2)34、ノイズ判定部36およびボクセル値処理部(2)38で構成される。
【0045】
ボクセル群抽出部(2)32は、輪郭強調ブロック16のボクセル群抽出部(1)18と同様に機能する。つまり、ボクセル群抽出部(2)32は、複数のボクセルで構成された三次元空間内のyz平面内に設定される3×3ウィンドウ内の各ボクセル値を三次元データメモリ(2)26から、セレクタ28を介して読み込む。図2を利用して説明したように、3×3ウィンドウは、三次元空間内を網羅すべく次々に移動設定される。ボクセル群抽出部(2)32は、次々に移動設定される3×3ウィンドウごとに、3×3ウィンドウ内の9個のボクセルの各々に対応する9個のボクセル値を、二値化処理部(2)34およびボクセル値処理部(2)38に出力する。
【0046】
二値化処理部(2)34は、入力された各ボクセルを、心筋部ボクセルと心腔部ボクセルとに分別する。輪郭強調ブロック16において心腔部ボクセルと判定されたボクセルは、そのボクセル値が0に置き換えられて、三次元データメモリ(2)26に記録されている。したがって、二値化処理部(2)34は、閾値を1に設定し、ボクセル値が1以上であればそのボクセルを心筋部ボクセルと、ボクセル値が1より小さければそのボクセルを心腔部ボクセルと判断する。
【0047】
超音波診断装置により取得した超音波画像には、各種要因によりノイズが含まれる可能性がある。例えば、心臓の超音波画像を形成した際、心腔部の領域内に、ノイズの影響によるエコーレベルの高いノイズボクセルを検出することがある。この場合、エコーレベルによる閾値判定のみでは、ノイズボクセルと心筋部ボクセルとの区別が困難であり、その結果、超音波画像内にノイズボクセルが残ってしまうという問題があった。そこで、ノイズ判定部36において、エコーレベルの高いボクセルの中からノイズボクセルを抽出する処理が施される。
【0048】
ノイズ判定部36は、3×3ウィンドウごとに、その中心に位置する注目ボクセルが、ノイズボクセルか否かを判定する。3×3ウィンドウを構成する各ボクセルは、二値化処理部(2)34において、閾値に基づいて心筋部ボクセルと心腔部ボクセルとに分別されている。ノイズ判定部36は、二値化処理部(2)34による分別結果に基づいて、次の条件1および条件2により、ノイズボクセルを判定する。
「条件1」二値化処理部(2)34において、注目ボクセルの周囲8個のボクセルのうち心筋部ボクセルと判定されているボクセル個数が所定個数以下の場合に、その注目ボクセルを新たに心腔部ボクセルと判定する。
「条件2」条件1を満たさない場合、その注目ボクセルを新たに心筋部ボクセルと判定する。
【0049】
条件1によって、二値化処理部(2)34において心筋部ボクセルと判定された注目ボクセルは、その周囲に心筋部ボクセルが少なければ(所定個数以下であれば)、その注目ボクセルは心腔部領域内に存在するノイズボクセルと判断されることになる。条件1における所定個数は、本来の心筋部ボクセルを侵食(ノイズボクセルと誤認識)しないように、また、本来のノイズボクセルを的確に除去できるような値に設定される。周囲ボクセルが8個の場合、所定個数としては3個、4個あるいは5個程度に設定されることが望ましい。
【0050】
ノイズ判定部36は、上記条件1および条件2に従って、注目ボクセルに対してノイズボクセルか否かを判定、つまり、新たに心腔部ボクセルか心筋部ボクセルかを判定し、その結果に基づいてボクセル値処理部(2)38を制御する。ボクセル値処理部(2)38には、三次元データメモリ(2)26内に記録されているボクセル値が、セレクタ28およびボクセル群抽出部(2)32を経由して出力されている。ノイズ判定部36は、新たに心筋部ボクセルと判定したボクセルについては、そのボクセル値として、ボクセル群抽出部(2)32を経由して出力されるボクセル値を維持して三次元データメモリ(3)40に記録する。一方、ノイズ判定部36は、新たに心腔部ボクセルと判定したボクセルについては、そのボクセル値を0に置き換えて三次元データメモリ(3)40に記録する。前述のように、3×3ウィンドウは、ボクセル群抽出部(2)32において三次元空間全体を網羅すべく次々に移動設定されている。ノイズ判定部36は、次々に移動設定される3×3ウィンドウごとに、その中心に位置する注目ボクセルのボクセル値を、心筋部ボクセルとして維持するか、あるいは、心腔部ボクセルとして0に置き換える処理を施して三次元データメモリ(3)40に記憶する。
【0051】
ここで、ノイズ判定部36によるボクセル値処理の具体例を図5に示す。図5の(1)および(2)は、それぞれ、ノイズ判定部36における条件1および条件2による判定の具体例を示している。各具体例は、矢印の左側に判定前の3×3ウィンドウを、矢印の右側に判定後の3×3ウィンドウを示している。各具体例において、3×3ウィンドウの中心に位置するボクセルが注目ボクセルであり、その周囲に位置する8個のボクセルが周囲ボクセルである。また、各ボクセル内に記載された数値は、各ボクセルのボクセル値を示している。なお、各具体例は二値化処理部(2)34における閾値を1に設定し、条件1における所定個数を4個に設定した場合を示している。
【0052】
図5の(1)において、判定前の3×3ウィンドウの周囲8個のボクセルのうち、閾値1以上の心筋部ボクセルの個数が3個(丸印で明記)、つまり所定個数4個以下である。従って、条件1により、注目ボクセルは心腔部ボクセルと判定され、矢印右側に示すように、注目ボクセルのボクセル値が0(丸印で明記)に置き換えられる。一方、図5の(2)において、判定前の3×3ウィンドウの周囲8個のボクセルのうち、閾値1以上の心筋部ボクセルの個数が5個(丸印で明記)、つまり所定個数4個より多い。従って、条件2により、注目ボクセルは心筋部ボクセルと判定され、矢印右側に示すように、注目ボクセルのボクセル値4(丸印で明記)は維持される。
【0053】
以上のように、ノイズ抽出ブロック30、つまり、ボクセル群抽出部(2)32、二値化処理部(2)34、ノイズ判定部36およびボクセル値処理部(2)38は、各ボクセルに対してノイズの抽出処理を施したうえで、そのボクセル値を三次元データメモリ(3)40に記録する。なお、上記説明では、ボクセル群抽出部(2)32において、3×3ウィンドウを設定する例を示したが、例えば5×5ウィンドウや、他の平面ウィンドウを利用してもよい。また、平面ウィンドウはyz平面内に限定されず、例えば、xy平面やzx平面に形成してもよい。さらに、ウィンドウを立体ウィンドウとして、例えば3×3×3ウィンドウ、つまり、中心ボクセルとその周囲26個の周囲ボクセルとで構成される立体ウィンドウとしてもよい。このように、ウィンドウには様々な態様が考えられる。また、ウィンドウの態様に応じて、ノイズ判定部36における条件1および条件2を適宜変更することも可能である。
【0054】
図1に戻り、三次元データメモリ(3)40内のボクセル値は、セレクタ28を介して、再びノイズ抽出ブロック30が読み出し可能な構成になっている。つまり、ノイズ抽出ブロック30は、ノイズ除去処理を複数回繰り返すことが可能である。ノイズ除去処理を複数回繰り返すことで、比較的大きなノイズを除去することが可能になる。
【0055】
そこで、ノイズ抽出ブロック30による繰り返し処理の具体例を図6に示す。図6には、ノイズ除去される前のボクセル値を示す「原画」、原画に対してノイズ除去処理を一回だけ施した後のボクセル値を示す「ノイズ除去1回目」、および、ノイズ除去処理を複数回繰り返して施した後のボクセル値を示す「ノイズ除去n回目」(nは2から4)が示されている。各画像内の数値は各ボクセルのボクセル値に対応している。ノイズ抽出ブロック30は、1回分のノイズ除去処理ごとに、3×3ウィンドウを画像内全体を網羅するように移動設定する。3×3ウィンドウの各移動位置におけるボクセル値処理は、図5を利用して説明したとおりである。
【0056】
図6の「原画」において心筋部ボクセル(ボクセル値1以上のボクセル)と判定されていた突起部分86を見ると、ノイズ除去処理が重ねられるにつれて、徐々に心腔部ボクセル(ボクセル値0)に置換され、「ノイズ除去4回目」において完全にボクセル値0に置換されている。このように、ノイズ除去処理を重ねることで、比較的大きなノイズボクセル、例えば、突起状に心筋部から飛び出したノイズの塊を除去することが可能になる。ただし、本来の心筋部ボクセルを侵食(ノイズボクセルと誤認識)する可能性も考えられる。したがって、ノイズ除去処理の回数は、本来のノイズボクセルを的確に除去し、しかも、本来の心筋部ボクセルをできる限り侵食しない回数(例えば3、4回)に設定される。
【0057】
さらに、ノイズ判定部36によるボクセル値処理の具体例を図7に示す。図7は心筋部および心腔部を含む二次元画像を示すものであり、図2に示す三次元空間内のyz平面に相当する画像である。図7(A)は、図4(B)の輪郭強調画像に対してノイズ除去処理を1回施した画像が示されており、図7(B)には図4(B)の輪郭強調画像に対してノイズ除去処理を7回施した画像が示されている。各画像内の数値は各ボクセルのボクセル値に対応している。
【0058】
ノイズ判定部36は、図4(B)の輪郭強調画像内の各ボクセルを注目ボクセルとして、上述の条件1および条件2に従ってノイズ判定を行い、その結果に基づいてボクセル値処理部(2)38を制御する。つまり、注目ボクセルのボクセル値を、ノイズに対応しないボクセルとして維持するか、あるいは、ノイズに対応するボクセルとして0に置き換える処理を施す。なお、条件1および条件2を適用する際の3×3ウィンドウは、図4(B)の輪郭強調画像内を網羅するように移動設定される。3×3ウィンドウの各移動位置における注目ボクセルに対するボクセル値処理は、図5を利用して説明したとおりである。
【0059】
ノイズ判定部36による1回のノイズ除去処理の結果が図7(A)の画像である。図7(A)のボクセル集合82bは、図4(B)のボクセル集合82aに対応している。また、図7(A)の突出領域84bは、図4(B)の突出領域84aに対応している。1回のノイズ除去処理の結果、ボクセル集合および突出領域ともに小さく削られていることがわかる。ただし、図7(A)の境界80bは、突出領域84b以外の部分において、図4(B)の境界80aと同じである。つまり、境界が維持されている。
【0060】
そして、ノイズ判定部36においてノイズ除去処理を7回繰り返して実施すると、図7(B)に示されるように、ボクセル集合および突出領域ともに削られて除去されていることがわかる。また、図7(B)の境界80cは、突出領域以外の部分において、図4(B)の境界80aと同じである。つまり、ノイズ除去処理を7回繰り返しても、心筋部分が侵食されずに境界が維持されている。このように、輪郭強調処理およびノイズ除去処理により、心腔部と心筋部の境界が明確になり、且つ、心腔部内のノイズが除去される。
【0061】
なお、三次元画像に対して輪郭強調処理およびノイズ除去処理を実行する場合は、三次元画像を構成する複数の二次元画像に対して次々に上記処理を実施する。例えば、図2に示す三次元空間内の各yz平面において輪郭強調処理およびノイズ除去処理を実行し、処理対象となるyz平面をx軸方向に順次移動させていくことで、三次元画像全体に対して輪郭強調処理およびノイズ除去処理が実行される。
【0062】
図1に戻り、ノイズ抽出ブロック30において、繰り返しノイズ除去処理が施され、三次元データメモリ(3)40に記録されたボクセル値は、ノイズ領域抽出ブロック50により読み出される。ノイズ領域抽出ブロック50は、三次元空間内において、ノイズボクセルの集合であるノイズ領域を抽出するブロックである。つまり、ノイズ抽出ブロック30では除去しきれない、比較的大きなノイズボクセルの塊を抽出するためのブロックである。
【0063】
ノイズ領域抽出ブロック50は、ラベリング処理部52、ノイズ領域判定部54およびボクセル値処理部(3)56で構成される。ラベリング処理部52は、三次元データメモリ(3)40から、三次元空間内の全ボクセルのボクセル値を読み込み、ボクセル値が0以外のボクセル、つまりノイズ抽出ブロック30において心筋部ボクセルと判断されたボクセルを抽出する。さらに、ラベリング処理部52は、ボクセル値が0以外のボクセルの孤立集合である孤立領域を抽出し、抽出した孤立領域に番号付けを行いノイズ領域判定部54に出力する。そしてノイズ領域判定部54は番号付けされた孤立領域の中からノイズ領域を抽出する。
【0064】
ここで、ラベリング処理部52およびノイズ領域判定部54によるノイズ領域抽出処理の具体例を図8に示す。図8は、三次元データメモリ(3)40内のボクセル値に基づいて形成される三次元空間90を示しており、三次元空間90内には、ボクセル値が0に対応する部位、および、ボクセル値が0以外に対応する部位が含まれている。ラベリング処理部52は、ボクセル値が0以外のボクセルの孤立集合である孤立領域92を抽出して各領域に番号付けを行う。孤立領域92は互いに隣接する複数のボクセルの塊で形成される領域である。図8において、各孤立領域92には1から4の領域番号が付されている。
【0065】
ボクセル値が0以外に対応する部位には、本来の心筋部に対応するものの他、ノイズ抽出ブロック30では除去しきれない比較的大きなノイズの塊に対応するものが存在する。図8において、領域1は心筋部に相当し、領域2、領域3および領域4はノイズの塊に相当する。一般的に、心筋部に対してノイズの塊は極端に小さい。そこで、ノイズ領域判定部54は、領域1から領域4のそれぞれのボクセル数、つまり各領域の体積を計数して、体積値に対して設けられた閾値より小さい体積値の領域をノイズの塊(ノイズ領域)と判定する。閾値は、ノイズ領域の体積よりも大きく且つ心筋部の体積よりも小さい値に予め設定される。
【0066】
このように、ノイズ領域判定部54において、各孤立領域92に対してノイズ領域か否かの判定が行われる。ノイズ領域判定部54は、ディスプレイ64に表示される各孤立領域92の画像を見ながらユーザが指定する孤立領域92をノイズ領域と判定してもよい。
【0067】
図1に戻り、ノイズ領域判定部54は、ノイズ領域か否かの判定結果に基づいてボクセル値処理部(3)56を制御する。ボクセル値処理部(3)56には、三次元データメモリ(3)40内に記憶されているボクセル値が出力されている。ノイズ領域判定部54は、ノイズ領域ではないと判定した領域内のボクセルについては、そのボクセル値として、三次元データメモリ(3)40内に記憶されているボクセル値を維持して三次元データメモリ(4)60に記録する。一方、ノイズ領域判定部54は、ノイズ領域と判定した領域内のボクセルについては、そのボクセル値を0に置き換えて三次元データメモリ(4)60に記憶する。
【0068】
表示画像形成部62は、三次元データメモリ(4)60内のボクセル値に基づいて表示画像を形成し、形成した表示画像をディスプレイ64に表示する。表示画像の形成には、特開平10−33538号公報に詳述される画像形成手法(ボリュームレンダリング法)を利用する。ボリュームレンダリング法の概要は次のとおりである。
【0069】
三次元データメモリ(4)60には、心筋部に対する輪郭強調処理、ノイズ除去処理およびノイズ領域除去処理が施された各ボクセル値が、三次元空間内の座標に対応したアドレスが付されて記録されている。そこで、表示画像形成部62は、この三次元空間に対して複数のレイ(例えば超音波ビームに一致)を設定し、設定した各レイごとにレイに沿って各ボクセルのボクセル値(エコーレベル)を順番に参照し、各ボクセル値ごとにレンダリング演算を逐次的に実行する。
【0070】
レンダリング演算は数1(次式)のように実行される。数1において、あるレイに沿って参照されるi番目のボクセル値(エコーレベル値)をeとし、その際のオパシティ(不透明度)をα(但し、0≦α≦1.0)とし、COUTiをi番目のボクセル値についての演算結果(出力光量に相当)とし、CINiをi番目のボクセル値についての入力値((i−1)番目の演算結果と同じで、入力光量に相当)とする。
【数1】
Figure 2004267584
表示画像形成部62は、レイに沿って逐次的に上記レンダリング演算を行っていく場合において、それと並行して各オパシティを積算し、この値が1以上になった場合に当該レイについてのレンダリング演算を終了する。演算終了時点での出力光量が当該レイに対応する表示画素値として決定される。表示画素値は各レイごとに決定され、表示画素値の集合として表示画像が形成される。このようにして得られた表示画像は、各レイを視点方向にして組織を透過表示した表示画像になる。
【0071】
上述のように、各レイごとのレンダリング演算(数1参照)では、レイに沿って各ボクセルのボクセル値が順番に参照される。従って、レイ上にノイズボクセル等が存在するとレンダリング演算に悪影響を及ぼすことになり、レンダリング演算に基づいて得られる表示画像において、対象組織画像がぼやけてしまう等の問題が生じる。本実施の形態では輪郭強調ブロック16、ノイズ抽出ブロック30およびノイズ領域抽出ブロック50がこの問題を解消している。
【0072】
つまり、輪郭強調ブロック16において、心筋部ボクセルと心腔部ボクセルとが適切に分別されたうえ心腔部ボクセルのボクセル値のみを0としており、また、ノイズ抽出ブロック30およびノイズ領域抽出ブロック50において、ノイズボクセルおよびノイズボクセル領域が適切に抽出されたうえこれらノイズ対応ボクセルのボクセル値のみを0に設定している。従って、レンダリング演算において心腔部ボクセルおよびノイズ対応ボクセルが演算対象から除外され、心筋部ボクセルのみが演算対象となる結果、レンダリング演算に基づいて得られる表示画像において、心筋部画像が鮮明に表示される。
【0073】
図9は、図1の超音波診断装置を利用して得られた心筋部画像である。図9(A)は、輪郭強調処理、ノイズ除去処理およびノイズ領域除去処理を施さずに得られた処理前の表示画像であり、図9(B)は、輪郭強調処理、ノイズ除去処理およびノイズ領域除去処理を施して得られた処理後の表示画像である。図9(A)および図9(B)の各画像において白く示されている部分が心筋部である。また、各画像において上方に存在する空洞部分が左室であり下方に存在する空洞部分が左房である。図9(A)および図9(B)を比較すると、図9(A)では心筋部、特に左室内壁部分や左房内壁部分が不明瞭であるのに対し、図9(B)では左室内壁部分や左房内壁部分が明瞭に映し出されており、内壁の凹凸まで確認できる。このように、輪郭強調処理、ノイズ除去処理およびノイズ領域除去処理により表示画像が極めて明瞭になる。
【0074】
上記実施の形態では、輪郭強調ブロック16において輪郭強調処理を施した後、ノイズ抽出ブロック30においてノイズ除去処理が実行され、その後、ノイズ領域抽出ブロック50においてノイズ領域除去処理が実行されている。本発明において、これらの処理は上記実施の形態に示した順番に限定されるものではない。つまり、輪郭強調処理、ノイズ除去処理およびノイズ領域除去処理の順番は適宜変更可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波診断装置により、ノイズボクセル等を適切に処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】超音波が送受波される三次元空間を示す図である。
【図3】心筋判定部によるボクセル値処理の具体例を示す図である。
【図4】心筋判定部による二次元画像に対するボクセル値処理の具体例を示す図である。
【図5】ノイズ判定部によるボクセル値処理の具体例を示す図である。
【図6】ノイズ判定部による繰り返し処理の具体例を示す図である。
【図7】ノイズ判定部による二次元画像に対するボクセル値処理の具体例を示す図である。
【図8】ノイズ領域抽出処理の具体例を示す図である。
【図9】本実施の形態により得られる心筋部画像を示す図である。
【符号の説明】
16 輪郭強調ブロック、22 心筋判定部、30 ノイズ抽出ブロック、36 ノイズ判定部、50 ノイズ領域抽出ブロック、52 ラベリング処理部、54 ノイズ領域判定部、62 表示画像形成部、74 3×3ウィンドウ。

Claims (18)

  1. 対象組織及びそれに隣接する隣接組織を含む三次元空間に超音波を送受波して、前記三次元空間を構成する各ボクセルごとにボクセル値を取得する送受波手段と、
    前記各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、当該注目ボクセルが対象組織内のボクセルか隣接組織内のボクセルかを判定することによって、前記各ボクセルに対して組織輪郭強調処理を施す輪郭強調手段と、
    を有し、
    前記輪郭強調手段は、
    前記三次元空間内の各ボクセルに対応するボクセル値集合から、当該ウィンドウ内の複数のボクセルに対応する複数のボクセル値を抽出する第一抽出部と、
    前記第一抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数に従って、当該ウィンドウ内の注目ボクセルが対象組織内のボクセルか隣接組織内のボクセルかを判定する組織判定部と、
    前記組織判定部において、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を対象組織に対応するボクセル値に設定し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を隣接組織に対応するボクセル値に設定するボクセル値第一設定部と、
    を含む超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
    前記ウィンドウは、前記超音波の送受波方向に対して実質的に直交する平面内に設定されることを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2に記載の超音波診断装置であって、
    前記ウィンドウは、前記注目ボクセルとそれに隣接する周囲8個のボクセルとからなる矩形状ウィンドウであることを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
    前記ウィンドウは、前記注目ボクセルとそれに隣接する周囲26個のボクセルとからなる直方体形状ウィンドウであることを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
    前記組織判定部は、前記第一抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数が、当該ウィンドウ内のボクセル総数の半数を基準に設定される閾個数以下の場合に、当該ウィンドウ内の注目ボクセルが隣接組織内のボクセルであると判定することを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
    前記組織判定部は、前記第一抽出部によって抽出された前記ウィンドウ内の注目ボクセルのボクセル値が閾値未満であって、且つ、当該ウィンドウ内の複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数が、当該ウィンドウ内のボクセル総数の半数を基準に設定される閾個数以下の場合に、当該注目ボクセルが隣接組織内のボクセルであると判定することを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
    前記ボクセル値第一設定部は、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定することを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
    前記各ボクセルを注目ボクセルとして、注目ボクセルを中心としたウィンドウ内の複数のボクセルのボクセル値に基づいて、当該注目ボクセルがノイズに対応するか否かを判定することによって、前記各ボクセルに対してノイズ除去処理を施すノイズ除去手段をさらに有し、
    前記ノイズ除去手段は、
    前記三次元空間内の各ボクセルに対応するボクセル値集合から、当該ウィンドウ内の複数のボクセルに対応する複数のボクセル値を抽出する第二抽出部と、
    前記第二抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数に従って、当該ウィンドウ内の注目ボクセルがノイズに対応するか否かを判定するノイズ判定部と、
    前記ノイズ判定部においてノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を所定値に設定するボクセル値第二設定部と、
    を含む超音波診断装置。
  9. 請求項8に記載の超音波診断装置であって、
    前記ノイズ判定部は、前記第二抽出部によって抽出された複数のボクセル値の中の閾値以上のボクセル値の個数が、当該ウィンドウ内のボクセル総数の半数を基準に設定される閾個数以下の場合に、当該ウィンドウ内の注目ボクセルがノイズに対応するものと判定することを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項8に記載の超音波診断装置であって、
    前記ボクセル値第二設定部は、ノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持することを特徴とする超音波診断装置。
  11. 請求項10に記載の超音波診断装置であって、
    前記ノイズ除去手段は、前記ノイズ除去処理が施された各ボクセルを新たな注目ボクセルとして再び前記ノイズ除去処理を施すことで、前記ノイズ除去処理を所定回数繰り返して実行することを特徴とする超音波診断装置。
  12. 請求項8に記載の超音波診断装置であって、
    前記ノイズ除去手段は、前記輪郭強調手段において組織輪郭強調処理が施された各ボクセルを注目ボクセルとすることを特徴とする超音波診断装置。
  13. 請求項12に記載の超音波診断装置であって、
    前記ボクセル値第一設定部は、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、
    前記ボクセル値第二設定部は、ノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、
    前記組織輪郭強調処理および前記ノイズ除去処理が施された複数のボクセルからなる三次元空間内において、視点方向となるボクセル列に沿って各ボクセルごとにオパシティを利用したボリュームレンダリング演算を施して表示画像を形成する表示画像形成手段をさらに有することを特徴とする超音波診断装置。
  14. 請求項8に記載の超音波診断装置であって、
    前記各ボクセルに対してノイズ領域除去処理を施すノイズ領域除去手段をさらに有し、
    前記ノイズ領域除去手段は、
    前記三次元空間内のボクセル集合から、閾値以上のボクセル値を有する複数の被処理ボクセルを選別し、その被処理ボクセルの塊からなる孤立ボクセル領域を抽出するボクセル領域抽出部と、
    前記孤立ボクセル領域内のボクセル数に基づいて、当該孤立ボクセル領域がノイズに対応するか否かを判定するノイズ領域判定部と、
    前記ノイズ領域判定部においてノイズに対応すると判定された当該孤立ボクセル領域内の各ボクセルのボクセル値を所定値に設定するボクセル値第三設定部と、
    を含む超音波診断装置。
  15. 請求項14に記載の超音波診断装置であって、
    前記ノイズ領域判定部は、前記孤立ボクセル領域内のボクセル総数が所定個数以下の場合に、当該孤立ボクセル領域がノイズに対応するものと判定することを特徴とする超音波診断装置。
  16. 請求項14に記載の超音波診断装置であって、
    前記ノイズ領域判定部は、ユーザ指示に基づいて、当該孤立ボクセル領域がノイズに対応するか否かを判定することを特徴とする超音波診断装置。
  17. 請求項14に記載の超音波診断装置であって、
    前記ノイズ除去手段は、前記輪郭強調手段において組織輪郭強調処理が施された各ボクセルを注目ボクセルし、
    前記ノイズ領域除去手段は、前記ノイズ除去手段においてノイズ除去処理が施された各ボクセルに対してノイズ領域除去処理を施すことを特徴とする超音波診断装置。
  18. 請求項17に記載の超音波診断装置であって、
    前記ボクセル値第一設定部は、対象組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、隣接組織内のボクセルと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、
    前記ボクセル値第二設定部は、ノイズに対応すると判定された当該注目ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該注目ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、
    前記ボクセル値第三設定部は、ノイズに対応すると判定された当該孤立ボクセル領域内の各ボクセルのボクセル値を実質的0に設定し、ノイズに対応しないと判定された当該孤立ボクセル領域内の各ボクセルのボクセル値を現状値に維持し、
    前記組織輪郭強調処理、前記ノイズ除去処理および前記ノイズ領域除去処理が施された複数のボクセルからなる三次元空間内において、視点方向となるボクセル列に沿って各ボクセルごとにオパシティを利用したボリュームレンダリング演算を施して表示画像を形成する表示画像形成手段をさらに有することを特徴とする超音波診断装置。
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