JP2009153522A - 結腸直腸癌の評価 - Google Patents

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Abstract

【課題】結腸直腸癌の存在又は不在、又は結腸直腸癌を有すると思われる個人の適切な状態の評価方法を提供する。
【解決手段】結腸直腸癌の存在又は不在、又は結腸直腸癌を有すると思われる個人の同様の状態を評価するための方法は、遺伝子群の発現を分析することによって行われる。種々の媒体、例えばマイクロアレイにおける遺伝子発現プロフィールは、それらを含むキットとして包含される。
【選択図】なし

Description

本発明は、生物学的サンプルの遺伝子発現に基づく結腸直腸癌についての診断及び予後に関する。
背景
結腸直腸癌は、次の3種の主要分子機構を通して出現すると思われる腫瘍から成る異種疾患である:1)染色体不安定性と組合される、腺腫様結腸ポリポーシス(APC)遺伝子、又はβ−カテニン遺伝子における突然変異、2)マイクロサテライト不安定性と連結される、DNAミスマッチ修復遺伝子、例えばMLH1, MSH2, PMS1, PMS2及びMSH6における突然変異、及び短い反復体を含む遺伝子における突然変異、及び3)腫瘍サプレッサー遺伝子のプロモーター領域の過メチル化により誘発される遺伝子サイレンシング。
個々の結腸直腸癌の遺伝的補充は、遺伝的不安定性、特定の突然変異及び遺伝子サイレンシングの異なった組み合わせをたぶん包含する。染色体不安定性(CIN)は、一般的に癌の通常の特徴である。それは、それらの安全な染色体又は大きな部分が失われているか又は得られている異数体表現型を包含する。ミクロソーム不安定化(MIN)は、短い反復体に高められた突然変異比率を有する二倍体腫瘍において見出される。両形の遺伝的不安定性は、結腸直腸癌において通常である。
従って、結腸直腸癌は、複雑な起源を有し、そして異なった生物学的経路において多くの相互作用を包含する。診断、予後又は治療モニターリング決定を助けるために従来使用されて来た、血清マーカー、組織学的及び細胞学的試験は、所望する信頼性をしばしば有さない。同様に、単一の遺伝子マーカー(例えば特定遺伝子の高められた発現)の使用は有益であるが、癌の多様性は、遺伝子マーカーのポートフォリオが最良のアプローチであることをより有望にする。
発現の要約
本発明は、結腸直腸癌の存在又は不在、又は結腸直腸癌を有すると思われる個人の適切な状態の評価方法に関する。この方法においては、患者サンプルの遺伝子発現プロフィールが、患者が結腸直腸癌を有するかどうか、患者が結腸直腸癌を有さないかどうか、患者が結腸直腸癌を得ようとしているかどうか、又は結腸直腸癌を処理される患者の処理に対する応答を決定するために分析される。
前記方法の実施に使用される製品はまた、本発明の観点である。そのような製品は、遺伝子発現プロフィール、及び機械読み取り可能媒体、例えばコンピューター読み取り可能媒体に固定されるそれらの代表を包含する。
遺伝子発現プロフィールを同定するために使用される製品はまた、遺伝子発現を捕獲し、そして/又はその存在、不在又は程度を示すための基質又は表面、例えばマイクロアレイを包含することができる。
特定の記載
組織サンプルにおける特定の核酸配列の単なる存在又は不在が、診断又は予後値を有することがまれに見出されて来た。他方では、種々のタンパク質、ペプチド又はmRNAの発現についての情報は、ますます重要なものに見えてきた。ゲノム内のタンパク質、ペプチド又はmRNA(そのような配列は、“遺伝子”として言及される)を単独で発現する可能性を有する核酸配列の単なる存在は、タンパク質、ペプチド又はmRNAが所定の細胞において発現されるかどうかの決定因子ではない。
タンパク質、ペプチド又はmRNAを発現できる所定の遺伝子が発現されるか又は否か、及びそのような発現がどれくらいの程度、存在するかは、種々の複雑な因子により決定される。それらの因子の理解及び評価における困難性とは関係なく、遺伝子発現のアッセイは、重要な現象、例えば腫瘍形成、転移、アポプトシス及び他の臨床的に適切な現象の発生についての有用な情報を提供する。遺伝子が活性的であるか又は不活性である程度の相対的表示は、遺伝子発現プロフィールにおいて見出され得る。本発明の遺伝子発現プロフィールは、結腸直腸癌について患者を診断し、そして処理するために使用される。
サンプル調製は、患者サンプルの収集を必要とする。本発明の方法に使用される患者サンプルは、疾病細胞、例えば結腸サンプル又は手術境界部から採取される上皮細胞を含むと思われるそれらのサンプルである。疑わしいサンプルを得るための1つの有用な技法は、Laser Capture Microdisection (LCM) である。LCM技法は、細胞型異種性により引き起こされる変動性を最小にする、研究されるべき細胞を選択する手段を提供する。従って、正常細胞と癌性細胞との間での遺伝子発現の適度な又は小さな変化は、容易に検出され得る。
好ましい方法においては、サンプルは、末梢血液から抽出される循環性上皮細胞を含んで成る。それらは、多くの方法に従って得られるが、しかし最も好ましい方法は、引用により本明細書に組み込まれるアメリカ特許第6,136,182号(Immunivest Corp.)に記載される磁気分離方法である。興味ある細胞を含むサンプルが得られると、RNAが抽出され、そして増幅され、そして遺伝子発現プロフィールが、好ましくは適切なポートフォリオにおける遺伝子について、マイクロアレイを通して得られる。
遺伝子発現プロフィールを確立するための好ましい方法は、タンパク質又はペプチドをコードすることができる遺伝子により生成されるRNAの量を決定することを包含する。これは、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、競争RT−PCR、同時RT−PCR、示差表示RT−PCR、ノザンブロット分析及び他の関連する試験により達成される。個々のPCR反応を用いて、それらの技法を行うことが可能であるが、mRNAから生成されるコピーDNA(cRNA)を増幅し、そしてマイクロアレイを通してそれを分析することが最良である。
多くの異なったアレイ配置及びそれらの生成方法は、当業者に知られており、そして次のアメリカ特許(それらは、引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている:アメリカ特許第5,445,934号;第5,532,128号;第5,556,752号;第5,242,974号;第5,384,261号;第5,405,783号;第5,412,087号;第5,424,186号;第5,429,807号;第5,436,327号;第5,472,672号;第5,527,681号;第5,529,756号;第5,545,531号;第5,554,501号;第5,561,071号;第5,571,639号;第5,593,839号;第5,599,695号;第5,624,711号;第5,658,734号及び第5,700,637号。
マイクロアレイ技法は、数千の遺伝子の定常状態mRNAレベルの同時測定を可能にし、それにより、制御されていない細胞増殖の開始、阻止又は調節のような効果を同定するための強力な手段を提供する。2種のマイクロアレイ技法が現在、広く使用されている。第1の技法はcDNAアレイであり、そして第2の技法はオリゴヌクレオチドアレイである。それらのチップの構成には、差異が存在するが、実質的にすべての下流のデータ分析及び出力は同じである。
それらの分析の結果は、典型的には、マイクロアレイに基づいて既知の位置での核酸配列に対してハイブリダイズする、サンプルからのcDNA配列を検出するために使用されるラベルされたプローブから受動するシグナルの強度の測定である。典型的には、シグナルの強度は、サンプル細胞において発現されるcDNA及び従って、mRNAの量に比例する。多数のそのような技法は入手でき且つ有用である。遺伝子発現を決定するための好ましい方法は、アメリカ特許第6,271,002号(Linsleyなど.); 第6,218,122号(Friendなど.);第6,218,114号(Peckなど.)及び第6,004,755号(Wandなど.)(それらの開示は引用により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
発現レベルの分析は、そのような強度の比較によって行われる。これは、試験サンプルにおける遺伝子の発現強度−対−対照サンプルにおけるそれらの強度の比率マトリックスを生成することによって最良に行われる。例えば、疾病組織からの遺伝子発現強度が、同じタイプの正常組織から生成される発現強度と比較され得る(例えば、疾病結腸組織サンプル−対−正常結腸組織サンプル)。それらの発現強度の比は、試験サンプルと対照サンプルとの間の遺伝子発現における倍率−変化を示す。
遺伝子発現プロフィールはまた、多くの手段で示され得る。最も通常の方法は、縦列が試験サンプルを示し、そして横列が遺伝子を示すグラフ樹状図中に、原蛍光強度を配置することである。データは、類似する発現プロフィールを有する遺伝子がお互い、隣接するよう配置される。個々の遺伝子についての発現比率は、色として可視化される。例えば、1未満の比率(ダウン−レギュレーションを示す)は、スペクトルの青色部分において出現し、そして1以上の比率(アップ−レギュレーションを示す)は、スペクトルの赤色部分における色として出現する。市販のコンピューターソフトウェアプログラム、例えばSilicon Genetics, Inc. からの“GENESPRINT”及びPartek, Inc. からの“DISCOVERY”及び“INFER”ソフトウェアが、そのようなデータを示すために利用できる。
本発明の方法に使用される変調された遺伝子は表1及び表2に示される。差発現される遺伝子は、疾病細胞においては、アップレギュレートされるか又はダウンレギュレートされるかのいずれかであるものとして示される。アップレギュレーション及びダウンレギュレーションとは、検出できる差異(ノイズを測定するための使用されるシステムにおけるノイズの寄与を越えて)が、基線に対する遺伝子の発現の量として見出されることを意味する相対的用語である。この場合、基線は正常細胞の測定された遺伝子発現である。次に、非正常細胞における興味ある遺伝子が、同じ測定方法を用いて、基線レベルに対してアップレギュレートされるか又はダウンレギュレートされる。
この情況下で、疾病とは、細胞の制御されていない増殖により生じるような、身体の機能の適切な性能を中断するか、又は妨げるか、又は妨げる可能性を有する身体の状態の変更を言及する。個人の遺伝子型又は表現型のいくらかの観点が疾病の存在と一致する場合、疾病の個人は診断される。しかしながら、診断又は予後を行う行為は、傾向疾病/状態論争、例えば治療モニターリングを包含する。治療モニターにおいては、臨床学的判断は、遺伝子発現プロフィールが変化したか又は正常組織とより一致するパターンに変化するかどうかを決定するために、一定時間にわたって遺伝子の発現を比較することによって、所定の治療経路の効果に関して行われる。
好ましくは、アップレギュレーション及びダウンレギュレーションのレベルは、ハイブリダイズされたマイクロアレイプローブの強度測定値の倍率変化に基づいて区別される。2.0倍の差異が、そのような識別を行うために、又は0.05未満のp−値のために好ましい。すなわち、遺伝子が疾病細胞−対−正常細胞において示差的に発現されるといわれる前、疾病細胞は、正常細胞よりも、少なくとも2倍以上、又は2倍以下の強度を生成することが見出される。倍率差異が大きいほど、診断としての遺伝子の使用は、より好ましい。本発明の遺伝子発現プロフィールのために選択された遺伝子は、臨床学的実験室計測を用いて、バックグラウンドを越える量により正常又は変調されていない遺伝子の発現レベルと区別できるシグナルの生成をもたらす発現レベルを有する。
統計学的値は、変調された遺伝子及びノイズと変調されていないそれらとを信頼をもって区別するために使用され得る。統計学的試験は、種々のグループ間で最も有意に異なった遺伝子を見出す。スチューデントのt−試験は、2種のグループ間での有意な差異を見出すために使用され得る強い統計学的試験の例である。p-値が低いほど、遺伝子が異なったグループ間での差異を示す証拠をより一層、強制する。
それもかかわらず、マイクロアレイは1つよりも多くの遺伝子を同時に測定するので、10,000の統計学的試験が1度に行われ得る。このために、偶然、低いp−値を見出す傾向があり、そしてSidak補正及びランダム化/過突然変異誘発実験を用いて、このための調製が行われ得る。t−試験による0.05以下のp−値は、遺伝子が有意に異なる証拠である。より強制証拠は、Sidak補正が計算に入れられた後の0.05以下のp−値である。個々のグループにおける多数のサンプルに関しては、ランダム化/過突然変異誘発試験の後の0.05以下のp−値は、有意な差異の最も強制証拠である。
変調されていない遺伝子又はノイズのシグナルよりも高いシグナルを生成する遺伝子を選択するために使用され得るもう1つのパラメーターは、絶対シグナル差異の測定の使用である。好ましくは、変調された遺伝子発現により生成されるシグナルは、正常又は変調されていない遺伝子のシグナルよりも少なくとも20%異なる(絶対基礎に基づいて)。そのような遺伝子は、正常又は変調されていない遺伝子の発現パターンよりも少なくとも30%異なる発現パターンを生成することが、さらにより好ましい。
グループにおける遺伝子組について得られる情報が臨床学的に適切な判断、例えば診断、予後又は処理選択を行うための正常な基礎を提供するよう遺伝子がグループ分けされ得る。それらの組の遺伝子が本発明のポートフォリオを構成する。この場合、ポートフォリオにより支持される判断は結腸直腸癌を包含する。遺伝子発現プロフィールのポートフォリオは、例3に記載される遺伝子の組合せから成ることができる。ほとんどの診断マーカーに関しては、正しい医学的判断を行うために十分な最少のマーカーを用いることがしばしば、所望される。これは、さらなる分析を継続する処理の遅延、及び時間及び供給源の不適切な使用を妨げる。この場合、そのような最少ポートフォリオは、例4からの遺伝子の組み合わせから成ることができる。
好ましくは、ポートフォリオは、そのポートフォリオにおける遺伝子の組合せが、個々の遺伝子又は遺伝子のランダムに選択された組み合わせに対して、改良された感受性及び特異性を示すよう確立される。本発明の情況下で、ポートフォリオの感受性は、正常状態に対する疾病状態における遺伝子の発現により示される倍率差異において影響され得る。特異性は、遺伝子発現のシグナル化と興味ある条件との相互関係の統計学的測定において影響され得る。例えば、標準偏差がそのような測定として使用され得る。ポートフォリオに包含されるグループを考慮する場合、発現測定値における小さな標準偏差は、より高い特異性と相互関係する。変動の他の測定値、例えば相関係数がまた、この能力において使用され得る。
遺伝子発現ポートフォリオを確立するための最も好ましい方法は、最適化アルゴリズム、例えば株式ポートフォリオの確立において広く使用される平均偏差アルゴリズムの使用を通してである。この方法は、Tim Jatkoe, などによる、“ポートフォリオ選択”と称する名称の同時継続出願に詳細に記載されている。実質的に、この方法は、リターンの変動性を最少にしながら、リターン(例えば、生成されるシグナル)を最適化するであろう1組の入力(財政適用における株式、本明細書における強度により測定されるような発現)の確立を必要とする。
多くの市販のソフトウェアプログラムが、そのような操作を行うために入手できる。本明細書を通して“Wagnerソフトウェア”として言及される“Wagner Associates Mean-Variance Optimization Application”が好ましい。このソフトウェアは、効果的境界を決定するために、“Wagner Associates Mean-Variance Optimization Library”からの機能を使用し、そしてMarkowitzセンスにおける最適ポートフォリオが好ましい。
このタイプのソフトウェアの使用は、マイクロアレイデータが、株式リターンの場合、入力として処理され、そしてソフトウェアがその意図された財政分析目的のために使用される場合、リスク測定値が、使用されるよう、変換され得ることを必要とする。たとえば、Wagnerソフトウェアが、マイクロアレイ強度測定値を共に使用される場合、次のデータ変換方法が使用される。
遺伝子はまず、その発現が少なくともいくらかの最少レベルの分化を示すそれらの遺伝子を同定することによって予備選択される。好ましい予備選択方法は、次に通りにして行われる。基線の種類が選択される。典型的には、これは、興味ある条件を有さない集団からの遺伝子を含んで成るであろう。例えば、乳癌についての診断である遺伝子のポートフォリオを選択することに興味がある場合、乳癌を有さない患者からのサンプルが基線の種類を製造するために使用され得る。
基線の種類が選択されると、算術平均及び標準偏差が基線の種類サンプルのための個々の遺伝子の遺伝子発現のインジケーターのために計算される。次に、コンピューター処理された統計学的データが、個々の遺伝子についての(X*標準偏差+平均)の基線値を計算するために使用される。これは、すべての他のサンプルが比較される遺伝子についての基線読み取りである。Xはポートフォリオを処方する個人により選択される緊縮変数である。Xの値が高いほど、より緊縮性になる。好ましくは、Xは0.5〜3の範囲であり、2〜3がより好ましく、そして3が最も好ましい。
個々の実験サンプル(興味ある状態を表示するそれら)−対−基線読み取りの間の比率が計算される。次に、その比率が、ソフトウェアによるデータ取り扱いの容易さのために底10の対数値に変換される。これは、Wagnerソフトウェアを用いて、Markman平均−分散アルゴリズムに従って最適化のために必要な負の値へのダウンレギュレートされた遺伝子の表示を可能にする。
それらの変換された比率を含んで成る予備処理されたデータは、それが財政分析目的のために使用される場合、Wagnerソフトウェアに通常使用されるリターン値の代わりに入力として使用される。
効果的境界が処方されると、最適化されたポートフォリオが、前記境界上の点に対応する所定の入力レベル(リターン)又は分散のために選択される。それらの入力又は分散は、ポートフォリオを処方する個人により設定される予定された標準である。換言すれば、最適なポートフォリオを探究する個人は、許容できる入力レベル(感染性の表示)又は所定レベルの分散(特異性の表示)を決定し、そしてその入力レベル又は分散に対応する効果的な境界にそって存在する遺伝子を選択する。Wagnerソフトウェアは、入力レベル又は分散が選択される場合、そのような遺伝子選択することができる。それはまた、それが株式ポートフォリオにおける株に関してであるように、ポートフォリオにおける個々の遺伝子に重量を割り当てることができる。
サンプルが、ポートフォリオが診断である条件を有するかどうかの決定は、患者サンプルについてのポートフォリオにおける遺伝子の発現と、ポートフォリオを確立するために使用される、示差的に発現された遺伝子の計算された値とを比較することによって行われ得る。好ましくは、ポートフォリオ値が、ポートフォリオにおける個々の遺伝子の、強度値のポートフォリオ選択工程におけるその遺伝子に割り当てられる重量による積を要約することによって、最初に生成される。次に、境界値が、(Y*標準偏差+基線グループについてのポートフォリオ値の平均)により計算され、ここでYは上記Xと同じ意味を有する緊縮値である。次に、基線の種類の境界値よりも高いポートフォリオ値を有するサンプルが、その条件を有するものとして分類される。所望には、この工程は、信頼レベルを改良するための良く知られている統計学的方法に従って、反復して行われ得る。
任意には、最良の予測正確度が得られるまで、この工程を反復することができる。未知のもののポートフォリオ選択及び特徴づけの工程は次の通りである:
1.基線の種類を選択し:
2.基線の種類のサンプルンついての個々の遺伝子の平均及び標準偏差を計算し;
3.個々の遺伝子について(X*標準偏差+平均)を計算する。これは、すべての他のサンプルが比較される基線読み取りである。Xは緊縮変数であり、高いX値は、低いX値よりも緊縮性である。
4.個々の実験サンプル−対−段階3で計算された基線読み取り間の比率を計算し;
5.1以下の比率が負であるように比率を変換し(例えば、対数底10を用いて)。(ダウンレギュレートされた遺伝子が現在、MV最適化のために必要な負の値を正確に有する);
6.それらの変換された比率が、ソフトフェアアプリケーションに通常使用される有用なリターンの変わりに入力として使用され;
7.前記ソフトウェアは、効果的な境界をプロットし、そしてその効果的な境界にそってのいずれかの点での最適化されたポートフォリオを戻し;
8.前記効果的な境界上の所望するリターン又は分散を選択し;
9.ポートフォリオ選択アルゴリズムにより生成される重量による、個々の遺伝子の強度値の積を要約することにより、個々のサンプルについてのポートフォリオ値を計算し;
10.(Y×基線のポートフォリオ値の標準差)+平均ポートフォリオ値により境界値を計算する。この境界値よりも大きな値は、実験種類として分類されるであろう;
11.任意には、最良の予測正確度が得られるまで、この工程を反復することができる。
他方では、遺伝子がまず、発現がいくらかの最少レベルの分化を示すそれらの遺伝子を同定することによって予備選択され得る。このもう1つの方法における予備選択は、好ましくは下記式:
Figure 2009153522
により与えられる限界に基づかれており、ここでμiは疾病又は病状を有することが知られているサブセットの平均であり、μnは正常サンプルのサブセットの平均であり、そしてσi+σnは組合わされた標準偏差を表す。シグナル:ノイズ カットオフはまた、1つの関係、例えば下記式:
Figure 2009153522
に従って、データを予備選択することによって使用され得る。これは、それらの差変調に基づいて予備選択される遺伝子が臨床学的に有意な手段で識別されることを確実にする。それは、診断パラメーターを測定する仕事に適切な計測のノイズレベル以上である。それらの基準に従っての予備選択された個々のマーカーに関しては、縦列がサンプルを表し、横列がマーカーを表し、そして個々の要素が、下記関係:
Figure 2009153522
(ここでIは強度測定値である)に従ってのマーカーの発現についての標準化された強度測定値であるマトリックスが確立される。
最適なポートフォリオを定義するために追加の境界条件を設定することがまた可能である。例えば、ポートフォリオサイズは、固定された範囲又は多くのマーカーに制限され得る。これは、データ予備選択基準をより厳重にすることにより(例えば、下記式:
Figure 2009153522
の代わりに、下記式:
Figure 2009153522
を用いて)、又は特徴のプログラミング、例えばポートフォリオサイズの制限を用いることにより行われ得る。例えば、効果的境界が最適な10の遺伝子のみから選択されるべき境界条件を定めることができる。また、効果的境界を決定するために予備選択されたすべての遺伝子を使用し、そして次に、選択された遺伝子の数を制限することができる(例えば、10以下)。
ポートフォリオの選択方法はまた、帰納的規則の適用を包含することができる。好ましくは、そのような規則は、生物学、及び臨床学的結果を生成するために使用される技術の理解に基づいて生成される。より好ましくは、それらは、最適化された方法からの出力に適用される。例えば、ポートフォリオ選択の平均分散方法は、乳癌を有する対象において示差的に発現される多くの遺伝子についてのマイクロアレイデータに適用され得る。
前記方法からの出力は、末梢血液、及び疾病の乳房組織において発現されるいくつかの遺伝子を包含する最適化された遺伝子組である。試験方法に使用されるサンプルが末梢血液から得られ、そして乳癌の場合に示差的に発現される一定の遺伝子がまた、末梢血液において示差的に発現される場合、ポートフォリオが、末梢血液において示差的に発現されるそれらの遺伝子を除いて、効果的に境界から選択される帰納的規則が適用され得る。勿論、前記規則は、データ予備選択の間、前記規則を適用することにより、効果的境界の形式の前、適用され得る。
問題の生物学に必ずしも関連しない他の帰納的規則が適用され得る。例えば、ポートフォリオの所定の百分率のみが特定の遺伝子により表され得る規則を適用することができる。市販のソフトウェア、例えばWagnerソフトウェアは、それらのタイプの帰納法を容易に適応する。これは、例えば、正確度及び精度以外の因子(例えば、予測される実施許諾料)が1又は複数の遺伝子の所望性に影響を及ぼす場合、有用であり得る。
本発明の1つの方法は、上記のようにして診断を行うために種々の遺伝子(又はポートフォリオ)について遺伝子発現プロフィールを比較することを包含する。ポートフォリオを含んで成る遺伝子の個々の遺伝子発現プロフィールが、媒体、例えばコンピューター読み取り媒体に固定される。これは、多くの形を取ることができる。例えば、疾病を示すシグナル(例えば、強度測定値)の範囲が入力である表が確立され得る。実際の患者のデータは、患者サンプルが正常であるか又は疾病であるかどうかを決定するために、表における値に比較され得る。より精巧な態様においては、発現シグナル(例えば、蛍光強度)のパターンがデジタル的に又はグラフ的に記録される。次に、患者サンプルと共に使用される遺伝子ポートフォリオからの遺伝子発現パターンが、前記発現パターンに比較される。
次に、パターン比較ソフトウェアが、患者サンプルが問題の疾病を示すパターンを有するかどうかを決定するために使用され得る。もちろん、それらの比較は、患者の結果が正常であるかどうかを決定するために使用され得る。次に、サンプルの発現プロフィールが、正常又は対照細胞のポートフォリオに比較される。サンプル発現パターンが結腸直腸癌のための発現パターンと一致する場合(対抗する医学的考慮の不在下で)、患者結腸直腸癌について陽性として診断される。サンプル発現パターンが正常/対照細胞からの発現パターンと一致する場合、患者は結腸直腸癌について陰性として診断される。
多くの良く知られたパターン認識方法が利用できる。次の参照は、いくつかの例を提供する:
加重された投票(Weighted voting):
Golub, TR., Slonim, DK., Tamaya, p., Huard, C., Gaasenbeek, M., Mesirov, JP., Coller, H., Loh, L., Downing, JR., Caligiuri, MA., Bloomfield, CD., Lander, ES. Molecular Classification of cancer class discovery and class Prendiction by gene ezpression monitoring. Science 286: 531-537, 1999;
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K−隣接(K-nearest Neighbors)
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相関係数:
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本発明の遺伝子発現プロフィールはまた、癌診断、予後又は処理モニターリングにおいて有用な他の非遺伝的診断方法と共に使用され得る。例えば、いくつかの環境下では、上記の遺伝子発現に基づく方法の診断力と、従来のマーカー、例えば血清タンパク質マーカー(例えば、癌胚性抗原)からのデータとを組合すことは有益である。広範囲のそのようなマーカー、例えばCA19-9, CA125, CK-BB及びグアニリルシクラーゼCのような分析物が存在する。
1つのそのような方法においては、血液が処理された患者から定期的に採血され、そして次に、上記血清マーカーの1つについて酵素イムノアッセイにゆだねられる。マーカーの濃度が腫瘍の再発又は治療の失敗を示す場合、遺伝子発現分析に敏感に反応するサンプル源が採取される。疑いのある塊状物が存在する場合、細い針状吸入物が採取され、そして次に、前記塊状物から採取された細胞の遺伝子発現プロフィールが、上記のようにして分析される。他方では、組織サンプルが、腫瘍が以前に除去されている組織に隣接する領域から採取され得る。このアプロ−トは、他の試験が不明瞭である場合、特に有用である。
遺伝子マーカーの使用と他の診断学との組み合わせは、他の診断学の信頼性が疑わしい場合、最も好ましい。例えば、CEAの血清レベルは、患者の癌状態とは無関係な因子により実質的に影響され得ることが知られている。結腸癌についての処理に続いてモニターされる患者が通常のCEAアッセイの高められたレベルを示す場合、組合せ遺伝子発現/CEAアッセイを行うことが有益である。
本発明の製品は、疾病を処理し、診断し、予後し、そして他方では、評価するために有用なポートフォリオを製造する遺伝子発現プロフィールの表示を包含する。それらの表示は、機械、例えばコンピューター読み取り可能媒体(磁気、光学及び同様のもの)により自動的に読み取られ得る媒体に変換される。製品はまた、そのような媒体において遺伝子発現プロフィールを評価するための使用説明書を包含することができる。例えば、製品は、上記遺伝子のポートフォリオの遺伝子発現プロフィールを比較するためのコンピューター使用説明書を有するCD ROMを包含することができる。
製品はまた、そこにおいてデジタル記録される遺伝子発現プロフィールを有することができ、その結果、それらは患者サンプルからの遺伝子発現データと比較され得る。他方では、前記プロフィールは異なった表示フォーマットで記録され得る。グラフの記録が1つのそのようなフォーマットである。クラスターリングアルゴリズム、例えば上記に言及される“GENSPRING”及び“DISCOVER”コンピュータープログラムに組み込まれるそれらは、そのようなデータの可視化において最良に助けることができる。
本発明の異なったタイプの製品は、遺伝子発現プロフィールを示すために使用され、媒体又はフォーマットされたアッセイである。それらは、例えば配列補体又はプローブが、興味ある遺伝子を示す配列が結合し、それらの存在を読み取ることができる決定因子を創造するマトリックスに付加されるマイクロアレイを包含することができる。他方では、本発明の製品は、結腸直腸癌を検出するための興味ある遺伝子の発現レベルを示す、ハイブリダイゼーション、増幅及びシグナル生成を実施するための試薬キットに形成され得る。
本発明に従って製造されるキットは、遺伝子発現プロフィールを決定するためのフォーマットされたアッセイを包含する。それらは、アッセイを行うために必要とされる材料、例えば試薬及び使用説明書のすべて又はいくつかを包含することができる。
本発明は、次の非制限的例によりさらに例示される。
例:本発明に従って分析される遺伝子は、GenBankデータベースにおける遺伝子識別番号により同定される。それらは典型的には、タンパク質又はペプチドの生成をコードする十分な長さの核酸配列に関連する。当業者は、十分な長さの配列の識別が分析観点から必要でないことを認識するであろう。すなわち、配列又はESTの一部は、プローブがその対応する遺伝子についての遺伝子発現を評価するために企画され得る、良く知られた原理に従って選択され得る。
例1:サンプル取り扱い及びLCM
27種の新鮮な凍結組織サンプルを、結腸直腸腫瘍についての手術を受けた患者から採取した。それらのサンプルの19種は結腸直腸悪性検体であり、そしてサンプルの8種は正常結腸粘膜の検体であった。組織を、収穫の20〜30分以内に液体窒素において凍結し、そしてその後、−80℃で貯蔵した。レーザー捕獲のために、サンプルを切断し(6μm)、そして1つの切片をガラススライド上に固定し、そしてガラススライド上に固定されている第2切片をフィルム(P.A.L.M.)上に固定した(Micro Slides Colorfrost, VWR Scientific, Media, PA)。
ガラススライド上に固定された切片を、その後、冷アセトンにおいて固定し、そしてMayer’s Haemotoxylin (Sigma, St. Louis, MO) により染色した。病理学者は、診断及び等級についてサンプルを分析した。臨床学的段階を、Dukes分類を用いて、付随する手術病理学及び臨床学的報告から評価した。フィルム上に固定された切片を、その後、100%エタノールにおいて5分間、固定し、エオシン/100%エタノール(脱水されたエタノール100ml中、エオシン100μg)において、1分間、対比染色し、100%エタノールにより1度、すばやくソーキングし、遊離染色物を除去し、そして10分間、空気乾燥した。
結腸直腸腺癌は、2種が等級1、10種が等級2、そして5種が等級3のものであった。1つの悪性サンプルは、盲腸のカルチノイド腫瘍であり、そして1つは転移性メラノーマ損傷であった。2種の腺癌サンプルがムチンサブタイプを表し、そして1つはシグネット細胞サブタイプを表した。腺癌のDuke段階はそれらを次の通りに分割した:Dukes A: 2, Dukes B: 5, Dukes C: 7, Dukes D: 3。6種の腺癌は手術前に照射された。
LCMにおける使用の前、膜(LPC-MEMBRANE PEN FOIL, 1.35μm No8100, P.A.L.M. GmbH Mikrolaser Technologies, Bernried, Germany) 及びスライドを、RNアーゼを破壊し、そしてフィルムへの組織サンプルの結合を増強するために前処理した。手短に言及すれば、スライドをDEP水により洗浄し、そしてフィルムを、RNase AWAY (Molecular Bioproducts, Inc., San Diego, CA) により洗浄し、そしてDEP水によりすすいだ。
ガラススライド上へのフィルムの結合の後、スライドを+120℃で8時間、焼き、TI−SAD(Diagnostic Products Corporation, Los Angleles, CA; DEP水中、1:50、綿羊毛を通して濾過されている)により処理し、そして+37℃で30分間インキュベートした。使用の直前、10μlのアリコートのRNアーゼインヒビター溶液(Rnasin Inhibitor 2500U=33U/μl N211A, Promega GmbH, Mannheim, Germany, 0.15モルのNaCl, 10mモルのトリス(pH8.0)、0.25mモルのジチオトレイトールを含む凍結溶液400μl中、0.5μl)を、組織サンプルが固定されるべきであるフィルム上に広げた。
フィルム上に固定された組織の切片を、LCMのために使用した。約2000の上皮細胞/サンプルを、PALM Robot-Microbeam技法(P.A.L.M. Mikrolaser Technologies, Carl Zeiss, Inc., Thornwood, NY)を用いて捕獲し、vert 135顕微鏡(Carl Zeiss Jena GmbH, Jena, Germany)に結合した。正常粘膜における周囲の支質、及び癌サンプルにおける時折の介在性支質成分を包含した。捕獲された細胞を、100%エタノールを含む管に入れ、そして-80℃で保存した。
例2:RNA抽出及び増幅
Zymo-Spinカラム(Zymo Research, Orange, CA 92867)を用いて、LCM捕獲されたサンプルから全RNAを抽出した。約2ngの全RNAを、10μlの水に再懸濁し、そして2回のT7 RNAポリメラーゼに基づく増幅を行い、約50μgの増幅されたRNAを生成した。
例3:cDNAマイクロアレイ ハイブリダイゼーション及び定量化
約20,000のヒトcDNAクローンから成るcDNAマイクロアレイ組を用いて、サンプルを試験した。約30種の植物遺伝子を、非特異的ハイブリダイゼーションについての対照としてマイクロアレイ上にプリントした。cy3−ラベルされたcDNAプローブを、LCM捕獲された細胞のcDNA5μgから合成した。プローブを、Qiagen’s Nucleotide Removal Columnsにより精製し、そして次に、14〜16時間、マイクロアレイにハイブリダイズした。スライドを、走査の前、洗浄し、そして空気乾燥した。cDNAマイクロアレイを、cy3蛍光について走査し、そしてImaGeneソフトウェア(Biodiscovery, Los Angeles, CA)を定量化のために使用した。個々のcDNAクローンに関して、4個の測定値を、二重スポットを用いて得、そして二重アレイ及びその強度を平均した。
cDNAを、Generation III Micro-array Spotter (Molecular Dynamics) により、アミノシラン−被覆されたスライド(Corning)上にプリントした。cDNAをPCR増幅し、精製し(Qiagen PCR精製キット)、そして10MのNaSCNプリント用緩衝液と共に1:1で混合した。ハイブリダイゼーションの前、マイクロアレイを、イソプロパノールにおいて室温で10分間インキュベートした。プローブを、95℃で2分間、室温で4分間インキュベートし、そして次に、3個の複製スライドに適用した。カバーカラスを、DPX(Fluka)によりスライド上に密封し、そして42℃で一晩インキュベートした。次に、スライドを、1×SSC/0.2%SDS及び0.1×SSC/0.2%SDSにより55℃で5分間、洗浄し、0.1×SSCに浸漬し、そして乾燥し、その後、Gen III Array Scanner (Molecular Dynamics) により走査した。個々のスポットについての蛍光強度を、AUTOGENEソフトウェア(Biodiscovery, Los Angeles)により分析した。
チップ強度を直線的に標準化し、個々のチップ上で100の値に等しい75%でその強度読み取りを行った。チップ上のあらゆる遺伝子を、すべてのサンプル上の遺伝子発現値読み取りのメジアンによりその遺伝子についての強度読み取りを割り算することによって、それ自体に標準化した。クラスター化の前、少なくとも1つのサンプルにおける100又はそれ以上の強度読み取りを有さなかった遺伝子を濾過し、類似性マトリックスに対するバックグラウンド影響を制限した。6,225個の遺伝子組を、クラスター化分析のために選択した。
段階的クラスター化を、負の変化についてのいずれの考慮を伴なわないで、同時に正の変化を遺伝子と共にサンプルを一緒に分類する類似性の尺度としての相互関係を用いて行った(Silicon Genitics, Sunnyville, CA)。次に樹状図における主要ノードの個々を、サンプルのサブグループとして考慮した。示差的に発現された遺伝子を、正常グループに個々の腫瘍サブグループを比較することによって同定した。選択は、下記式:
Figure 2009153522
により与えられるシグナル:ノイズ測定限界に基づかれ、ここでμiは腫瘍サブセットの平均であり、μnは正常サンプルのサブセットの平均であり、そしてσi+σnは組合された標準偏差を表す。遺伝子の強度読み取りの変動のグループ内係数は、対様比較に包含される遺伝子に関して、0.33未満であった。正常グループのメジアンに対する腫瘍グループのメジアンは、アップレギュレーションに関して、2以上か又は2に等しく、そしてダウン−レギュレーションに関しては、0.5未満か、又は0.5に等しかった。遺伝子が基準のすべてを満たす場合、それを選択した。すべての比較において選択された遺伝子は、結腸直腸癌において一貫して異常調節されるように思えた。統計学的有意性についてのp-値を、不均等分散を想定するT−試験を用いて計算した。
クラスター化のための遺伝子組をまた、ソフトウェアーパッケージ(Partek, St Louis, MO)を用いて、主成分分析(PCA)にゆだねた。次に、データを、縮小された3次元空間上に投影した。正常及び腫瘍結腸直腸サンプルを、その投影された発現レベルにより表した。
大きなアップ−レギュレートされた示差を有する遺伝子の列挙を創造し、腫瘍サンプルと正常サンプルとの間を区別した。123種の遺伝子を、シグナル:ノイズカットオフとして、下記式:
Figure 2009153522
を用いることによって予備選択した。1.5に等しいか又は1.5以上の比率は、アップーレギュレーションについての最少基準であった。遺伝子はまた、下記式:
Figure 2009153522
である場合、包含された。4種の遺伝子のポートフォリオを確立し、個々は腫瘍細胞と正常細胞との間に少なくとも3倍の発現示差を有した。
結腸直腸癌における示差的に発現された遺伝子。39種の遺伝子を、正常な結腸粘膜に比較して、すべての腫瘍サンプルにおいて示差的に発現した。それらのうち37種の遺伝子は、分離物を除くすべての腫瘍において、有意にダウン−レギュレートされた。それらのうち2種はアップ−レギュレートされた。遺伝子の識別を、マイクロアレイ上に配列されたcDNAクローンを配列決定することによって確証した。結果は表1及び表2に示される。
Figure 2009153522
Figure 2009153522
例4:結腸直腸についての最適化されたポートフォリオ
平均−分散最適化アルゴリズムを用いて、複数遺伝子に基づく特徴を生成し、ここで包含される遺伝子は正常サンプルと腫瘍サンプルとの間を区別するために組合して使用され得る。強度測定値を、例1−3に記載されるサンプル及びマイクロアレイを用いて処理した。分析されるべきデータをまず、腫瘍細胞と正常細胞との間での予備−特定された5倍の示差に基づいて予備選択した。次に、この基準に従って予備選択された遺伝子からの発現データーを次の通りに使用した。
個々の遺伝子についての強度測定値の平均及び標準偏差を、基線として非転移性サンプルを用いて計算した。次に、X*(標準偏差+平均)の識別値を、個々の基線遺伝子について計算した(ここでXは3の値を割り当てられた)。この値を用いて、得られるポートフォリオが緊縮であることを確証した。次に、識別値:基腺値の比率を、個々の転移サンプルについて計算した。次に、この比率を通常のアルゴリズムに変換した。次に、このデータを、4種の遺伝子のポートフォリオが選択される効果的境界を生成するWagnerソフトウェア中に導入した。
前記組は、未知の配列、I型プロコラーゲン、リボソームタンパク質L21の大きなサブユニット及びフィブロネクチンを包含した。それらの遺伝子は、配列番号42, 43, 44及び49として同定された(さらに下記に同定される)。他方では、ポートフォリオを製造するために使用される遺伝子の組み合わせを用いて、結腸直腸癌についての臨床学的決定を行うために有用である診断情報を生成することができる。これは、ポートフォリオから選択された遺伝子の組み合わせが追加のマーカー(遺伝子的であるか又はそうではない)と共に結合される場合、特に有益である。
最適化されたポートフォリオのために選択された遺伝子:
>gi|1264443|gb|N92134.1|N92134 za23F09.r1 Soares胎児 脾臓 1NFLS ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE: 293417 5’ gb|M87908|HUMALNE32ヒト癌細胞−由来のAlu RNA転写体に類似する、(rRNA); gb:X57025_rna1 インシュリン−様成長因子IA受容体(ヒト)、
>gi|2221047|gb|AA490172.1|AA490172 ab06b08.s1 Soares胎児 網膜 937202 ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE:83991 3’ gb:J03464 プロコラーゲンα2(I) 鎖受容体(ヒト)に類似する、
>gi|2188918|gb|AA464034.1|AA464034 zx86b09. R1 Soares卵巣 腫瘍 NbHOT ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE:810617 5’ SW:RL21_HUMAN P46778 60S リボソームタンパク質L21に類似する、
>gi|834491|gb|R62612.1|R62612 yi12d01.s1 Soares胎盤 Nb2HP ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE:139009 3’ gb:X02761_cds1 フィブロネクチン受容体(ヒト)に類似する。
同じ方法ではない、異なった組の基準を用いて、追加の4種の遺伝子ポートフォリオを、ソフトウェアにより選択した。それらは、配列番号46, 47, 48及び45である。2種の遺伝子は最初の4−遺伝子ポートフォリオとオーバーラップする。それらの2種の最適化されたポートフォリオはまた、6−遺伝子ポートフォリオを形成するために結合され得る。
最適化された遺伝子ポートフォリオ:
>gi|2114953|gb|AA431245.1|AA431245 zw78d06.r1 Soares_精巣_ NHT ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE:782315 5’ WP:F36H1.2 CE05814アンキリン様に類似する、
>gi|2156172|gb|AA443497.1|AA443497 zw34d03.s1 Soares卵巣 腫瘍 NbHOT ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE:771173 、
>gi|2221047|gb|2|AA490172.1|AA490172 ab06b08.s1 Soares胎児 網膜 937202 ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE:83991 3’ gb:J03464 プロコラーゲンα2(I) 鎖受容体(ヒト)に類似する、
>gi|1264443|gb|N92134.1|N92134 za23F09.r1 Soares胎児 脾臓 1NFLS ホモ・サピエンスcDNAクローン IMAGE: 293417 5’ gb|M87908|HUMALNE32ヒト癌細胞−由来のAlu RNA転写体に類似する、(rRNA); gb:X57025_rna1 インシュリン−様成長因子IA受容体(ヒト)。

Claims (10)

  1. 配列番号42〜49から成る群から選択された遺伝子の組み合わせ(但し、配列番号42、43、44及び49で示される遺伝子からなる組み合わせを除く)における単離された核酸配列、それらの相補体又はそれらの一部を含んで成る診断ポートフォリオ。
  2. そこに含まれる遺伝子の差発現を同定するために適切なマトリックスにおける請求項1記載の診断ポートフォリオ。
  3. 前記マトリックスが、マイクロアレイに使用される請求項2記載の診断ポートフォリオ。
  4. 前記マイクロアレイが、cDNAマイクロアレイである請求項3記載の診断ポートフォリオ。
  5. 前記マイクロアレイが、オリゴヌクレオチドマイクロアレイである請求項3記載の診断ポートフォリオ。
  6. 配列番号42〜49から成る群から選択された遺伝子の組み合わせ(但し、配列番号42、43、44及び49で示される遺伝子からなる組み合わせを除く)における単離された核酸配列、それらの相補体、又はそれらの一部を含んで成る、結腸直腸癌の診断のためのキット。
  7. マイクロアレイ分析を行うための試薬をさらに含んで成る請求項記載のキット。
  8. 媒体をさらに含んで成り、それを通して、前記核酸配列、そらの相補体又はそれらの一部がアッセイされる請求項記載のキット。
  9. 配列番号42〜49から成る群から選択された遺伝子の組み合わせ(但し、配列番号42、43、44及び49で示される遺伝子からなる組み合わせを除く)における単離された核酸配列、それらの相補体又はそれらの一部を含んで成る結腸直腸癌状態の評価のための製品。
  10. 配列番号42〜49から成る群から選択された遺伝子の組み合わせ(但し、配列番号42、43、44及び49で示される遺伝子からなる組み合わせを除く)における単離された核酸配列、それらの相補体又はそれらの一部の代表を含んで成る結腸直腸癌状態の評価のための製品。
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