JP2009150783A - 静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム - Google Patents

静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム Download PDF

Info

Publication number
JP2009150783A
JP2009150783A JP2007329257A JP2007329257A JP2009150783A JP 2009150783 A JP2009150783 A JP 2009150783A JP 2007329257 A JP2007329257 A JP 2007329257A JP 2007329257 A JP2007329257 A JP 2007329257A JP 2009150783 A JP2009150783 A JP 2009150783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
admittance
occupant
susceptance
seat
conductance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007329257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4428444B2 (ja
Inventor
Shoichi Yamanaka
山中  正一
Tsutomu Kamizono
勉 神園
Masahiro Ishikawa
正浩 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007329257A priority Critical patent/JP4428444B2/ja
Priority to US12/316,754 priority patent/US8078362B2/en
Priority to DE102008062653.8A priority patent/DE102008062653B4/de
Publication of JP2009150783A publication Critical patent/JP2009150783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4428444B2 publication Critical patent/JP4428444B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/01Electrical circuits for triggering passive safety arrangements, e.g. airbags, safety belt tighteners, in case of vehicle accidents or impending vehicle accidents
    • B60R21/015Electrical circuits for triggering passive safety arrangements, e.g. airbags, safety belt tighteners, in case of vehicle accidents or impending vehicle accidents including means for detecting the presence or position of passengers, passenger seats or child seats, and the related safety parameters therefor, e.g. speed or timing of airbag inflation in relation to occupant position or seat belt use
    • B60R21/01512Passenger detection systems
    • B60R21/0153Passenger detection systems using field detection presence sensors
    • B60R21/01532Passenger detection systems using field detection presence sensors using electric or capacitive field sensors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】被水した場合であっても正確な乗員判別を継続して行うことができる静電式乗員検知システムを提供する。
【解決手段】静電式乗員検知システム1は、乗員検知モードにおいて、メイン電極21と車両ボディ12との間のインピーダンスZaに基づく第一アドミタンスY1を算出し、被水検知モードにおいて、メイン電極21とサブ電極22との間のインピーダンスZbに基づく第二アドミタンスY2を算出するアドミタンス算出部5と、第一アドミタンスのコンダクタンスReおよびサセプタンスImを算出し、第二アドミタンスのコンダクタンスReおよびサセプタンスImを算出する実虚成分算出部6と、コンダクタンスReおよびサセプタンスImに基づいてシートの被液量Lを推定する被液量推定部7と、サセプタンスImおよび被液量Lに基づいてシートの乗員を判別する判別部8とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両等において、乗員のシートへの着席を検知する乗員検知システム、および、乗員保護システムに関するものである。
静電式乗員検知システムは、例えば、静電容量式センサと乗員検知ECUとを備えている。このうち、静電容量式センサは、例えば特開平11−271463号公報(特許文献1)に開示されているように、シート内部に配置されたメイン電極と車両ボディとの間に発生させた微弱電界の変化を、電流あるいは電圧として出力するものである。
静電式乗員検知システムでは、シートが被水すると、電界に影響が出てしまい正確な乗員検知ができなくなる虞があった。そこで、例えば特開2006−27591号公報(特許文献2)では、シートの被水を検出し、必要に応じて乗員への警告や異常時処理を実行できる乗員検知システムが公開されている。これにより、乗員は、乗員検知に異常が発生していることを知ることができる。また、システム側においても、異常時処理を適切に行うことができる。
特開平11−271463号公報 特開2006−27591号公報
しかしながら、上記システムでは、シートが被水したことを検知することで警告や異常時処理を行うことができるが、そのときの乗員を正確に判別することが困難であった。従って、上記システムでは、被水時にあっては、被水していないときと同様に継続して乗員を判別することができないという問題があった。
また、上記システムは、所定の電極間に発生する微弱電界の変化を、電流あるいは電圧として出力するものである。そして、その電流値あるいは電圧値(以下、「電流値等」と略称する)に基づいて、乗員等の判別を行っている。上記システムでは、電極間に人体等が介在されると電極間の比誘電率が変化し、それによる電流値等が変化を判別要素としている。
しかしながら、この電流値等は、所定の電極間の静電容量成分とともに、回路等の抵抗成分が関係した値として出力される。すなわち、静電容量式センサにおいて、所定の電極間の電流値等を検出する場合、その電流値等は、回路等の抵抗成分の影響を受けた値として検出される。この抵抗成分には、所定の電極間に介在する人(乗員)、水、および空気等による抵抗値が含まれている。これは、厳密には、人体、水、および、空気等は、等価回路で表すと、抵抗とコンデンサの並列回路に相当するからである。
従って、静電容量式センサにおいて、所定の電極間に流れる電流を検出し、その電流値の大小によって乗員、被水等を判別する場合、検出された電流値は、厳密には所定の電極間を構成する抵抗とコンデンサの並列回路を流れた電流を含む値となる。この電流値をそのまま判別要素とした故障等の判別では、その精度には限界がある。つまり、従来、判別に用いる電流値等は、純粋な電極間の静電容量(比誘電率の変化)を判別要素としていない。したがって、必ずしも的確な判別でない場合が現れる虞があり、故障等の判別の精度向上の面でも問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被水した場合であっても正確な乗員判別を継続して行うことができる静電式乗員検知システムを提供することを目的とする。また、その静電式乗員検知システムを用いることにより、精度よく乗員保護装置を制御できる乗員保護システムを提供することを目的とする。
本発明の静電式乗員検知システムは、車両のシートに配置されるメイン電極とメイン電極に近接して配置されるサブ電極とを有するアンテナ電極部と、アンテナ電極部に接続され交流電圧を発生する電源部と、乗員検知モードと被水検知モードとを切り替える切替部と、アドミタンス算出部と、実虚成分算出部と、被液量推定部と、判別部とを備えることを特徴とする。
乗員検知モードは、メイン電極と車両接地に導通する車両ボディとの間に電界を形成するモード(回路構成)である。被水検知モードは、メイン電極とサブ電極との間に電界を形成するモード(回路構成)である。切替部は、これらモードを切り替える。なお、車両ボディには、シートの一部であり車両接地に導通するシートフレームが含まれる。また、乗員検知モードでは、メイン電極に加え、サブ電極と車両ボディとの間で電界が形成されてもよい。
アドミタンス算出部は、乗員検知モードにおいて、メイン電極と車両ボディとの間のインピーダンスに基づく第一アドミタンスを算出し、被水検知モードにおいて、メイン電極とサブ電極との間のインピーダンスに基づく第二アドミタンスを算出する。アドミタンスYは、インピーダンスの逆数(Y=1/Z)であり、各モードで測定されるインピーダンスから算出される。
実虚成分算出部は、アドミタンス算出部で算出された第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを算出し、アドミタンス算出部で算出された第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを算出する。一般に、アドミタンスYは、Y=G+j・Bで表される。
被液量推定部は、実虚成分算出部で算出された第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスに基づいて、シートの被液量を推定する。判別部は、実虚成分算出部で算出された第一アドミタンスのサセプタンス、および、被液量推定部で推定された被液量に基づいて、シートの乗員を判別する。
本発明の静電式乗員検知システムによれば、乗員の判別(空席、子供、CRS、または、大人等)を、推定された被液量を考慮して行う。つまり、第一アドミタンスのサセプタンスに加えて、被液量も乗員の判別要素としている。被水検知モードにおける第二アドミタンスは、被水状況(被水の量、または、塩水であるか否か等)によって変化する。つまり、被液量は、被水状況(第二アドミタンス)に応じて変化する値であり、例えば、被水の量(ml)が多いほど大きくなり、少ないほど小さくなる。被水の量とは実際に被水した量(ml)であり、被液量は被液量推定部で推定された値である。
本発明の静電式乗員検知システムにおいて、シートに被水が生じないものと仮定すると、乗員の判別は、第一アドミタンスのサセプタンスを判別要素として行うことが可能である。しかし実際は、被水が生じる場合があり、被水時の当該サセプタンスは、シートが乾燥状態のときよりも大きくなる。つまり、同じサセプタンスであっても、シート状況(乗員や被水)が異なる場合がある。そこで、当該サセプタンスにおける被液量を推定することにより、被液量を判別要素に加えることができ、シート状況を的確に判別することができる。被液量を判別要素に加えることで、被水が生じた場合であっても、被水していないときと同様に継続して乗員判別することができる。
また、判別部は、乗員の判別要素に、第一アドミタンスのサセプタンスを用いている。サセプタンス(虚数部)はインピーダンスの静電容量成分に相当し、コンダクタンス(実数部)はインピーダンスの抵抗成分に相当する。つまり、判別部は、純粋な静電容量成分を判別要素としている。被液量にあっても、第二アドミタンスのコンダクタンスとサセプタンスに基づいて推定されている。これにより、従来よりも、より正確な乗員判別が可能となる。
ここで、被液量は、第二アドミタンスのコンダクタンスを第一軸とし第二アドミタンスのサセプタンスを第二軸とした直交平面座標において、シートが空席かつ乾燥状態において予め算出された第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを基準点(ReL0、ImL0)とし、実虚成分算出部で算出された第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスの直交平面座標上の点(Re、Im)と、直交座標平面上の当該基準点(ReL0、ImL0)との距離に相当する値であることが好ましい。例えば、第一軸は横軸(X軸)、第二軸は縦軸(Y軸)となる。
上記距離は、計算式{(Re−ReL0+(Im−ImL01/2で計算される値である。この距離の値または距離に相当する値(例えば、ルートを除いた値等)を被液量とすることで、被水による第二アドミタンスの変化を定量的且つ容易に表すことができる。そして、シート状況が何も変化していない(乾燥:空席)時において被液量は0となる。つまり、シート平常時(乾燥:空席)の被液量を0とでき、観念的に被液量を把握し易くなる。なお、乾燥状態とは、シートの被水の量が0mlの状態である。
一方、被液量は、第二アドミタンスの大きさであってもよい。これにより、被液量の計算はより容易となり、被水による第二アドミタンスの変化をさらに容易に表すことができる。なお、上記計算式を用いる場合は、基準点を原点(0、0)とすればよい。
ところで、アンテナ電極部は、車両接地に導通するシートフレームとメイン電極との間にメイン電極に離隔して対向配置され、乗員検知モードおよび被水検知モードにおいて、メイン電極と同電位に維持されるガード電極を備えることが好ましい。
ガード電極は、メイン電極と同電位とすることで、シートフレームとメイン電極との間の直接的な電界形成をキャンセルする。これにより、シート内のみでの電界形成が排除され、さらに正確な乗員検知が可能となる。
ここで、判別部は、第一アドミタンスのサセプタンスに応じて予め設定された2次元被液閾値を記憶し、被液量推定部で推定された被液量が、実虚成分算出部で算出された第一アドミタンスのサセプタンスにおける2次元被液閾値の値より小さい場合、シートの乗員が大人であると判別することが好ましい。2次元被液閾値は、予め試験や実測等により設定される。つまり、実際に算出されたサセプタンスにおける被液量と、当該サセプタンスにおける2次元被液閾値とを比較し、その大小により乗員を判別する。これにより、乗員を容易かつ明確に判別することができる。なお、被液量は、上記アドミタンスの大きさのように、被水の量が多いほど大きくなるように設定される。
また、判別部は、さらに、実虚成分算出部で算出された第一アドミタンスのコンダクタンスにも基づいて、シートの乗員を判別するようにしてもよい。第一アドミタンスのコンダクタンスは、シート状況によって多少の変動を見せる。従って、判別要素に第一アドミタンスのコンダクタンスをさらに加えることにより、より厳密な乗員検知が可能となる。判別要素は、第一アドミタンスのコンダクタンス、サセプタンス、および、被液量となり、シート状況を3次元直交座標上に表すことができる。
そして、この場合、判別部は、第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスに応じて予め設定された3次元被液閾値を記憶し、被液量推定部で推定された被液量が、実虚成分算出部で算出された第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスにおける3次元被液閾値の値より小さい場合、シートの乗員が大人であると判別することが好ましい。上記同様、実際に算出されたコンダクタンスおよびサセプタンスにおける被液量と、当該コンダクタンスおよびサセプタンスにおける3次元被液閾値とを比較し、その大小により乗員を判別する。これにより、乗員を容易かつ明確に判別することができる。
ここで、上記した乗員の判別結果は、乗員の保護を目的とする乗員保護システムに反映させることができる。すなわち、乗員保護システムは、上記した静電式乗員検知システムと、その静電式乗員検知システムの判別結果に基づいて乗員保護装置を制御する制御装置とを備える。ここで、乗員保護装置とは、事故等の発生時に、乗員を保護する装置であり、例えば、エアバッグ等である。
制御装置は、例えば、乗員の判別結果に基づいて、乗員保護装置の作動を許可する状態または禁止する状態に制御する。そして、制御装置は、乗員保護装置が作動許可状態において、乗員保護装置を作動させることができる。
例えば、乗員保護装置がエアバッグであり、制御装置がエアバッグECUである場合を考える。この場合、静電式乗員検知システムの判別結果に基づいて、エアバッグECUがエアバッグの展開許可/禁止状態を決定する。静電式乗員検知システムが例えば「乗員が大人」と判定した場合、エアバッグECUがエアバッグを展開許可状態とし、加速度センサ等により衝突等が検知されると、エアバッグECUがそれを受けエアバッグを展開させる。このように、本発明の乗員保護システムでは、制御装置が、精度のよい判別結果に基づいて乗員保護装置を制御できるため、精度よく乗員保護装置を制御できる。
本発明の静電式乗員検知システムによれば、シートが被水した場合であっても正確な乗員判別を継続して行うことができる。また、本発明の乗員保護システムによれば、精度よく乗員保護装置を制御できる。
以下、本発明の静電式乗員検知システムの好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、乗員保護システム100は、静電式乗員検知システム1と、エアバッグECU16(本発明における「制御装置」に相当する)と、エアバッグ17(本発明における「乗員保護装置」に相当する)とを備えている。つまり、本実施形態では、乗員保護システム100に適応される静電式乗員検知システム1について説明する。
(1)静電式乗員検知システム1の構成
静電式乗員検知システム1の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、静電式乗員検知システム1を含む乗員保護システム100の構成を示す図である。図2は、静電式乗員検知システム1の簡略化した回路構成を示す図である。
まず、本実施形態における車両のシートについて説明する。シート9は、乗員が着席する座面部91と、乗員が背中をもたれる背もたれ部92とを備えている。そして、座面部91の底部には、車両ボディ12に導通する座部シートフレーム91aが備えられている。また、背もたれ部92には、車両ボディ12に導通する背部シートフレーム92aが備えられている。
静電式乗員検知システム1は、アンテナ電極部2と、コネクタ配線部13と、乗員検知ECU14とを備えている。アンテナ電極部2は、シート9の座面部92の内部において、座部シートフレーム91aに離隔して対向配置されている。アンテナ電極部2は、図示しない座面部92上部の表皮とクッションの間に配置され、表皮側にメイン電極21とサブ電極22を備え、クッション側にガード電極23を備えている。
サブ電極22は、メイン電極21と離隔し、メイン電極21に隣り合うように配置されている。ガード電極23は、メイン電極21に離隔して対向配置され、且つ、メイン電極21と座部シートフレーム91aとの間に配置されている。なお、このアンテナ電極部2の詳細な構成については、後述する「(2)アンテナ電極部2の構成」の項目において説明する。コネクタ配線部13は、ワイヤハーネス等であり、アンテナ電極部2と乗員検知ECU14とを接続している。
乗員検知ECU14は、電源部3と、切替部4と、アドミタンス算出部5と、実虚成分算出部6と、被液量推定部7と、判別部8とを備えている。電源部3は、所定周波数の交流電圧を発生する。電源部3は、発信回路等であってもよい。
切替部4は、図2に示すように、切替部4は、スイッチ41の接続先(接点aまたはb)を切り替えることにより、モードを切り替える。接点aに接続した場合、電源部3に接続されるのは、メイン電極21およびサブ電極22となる。そして、交流電圧が印加されるメイン電極21およびサブ電極22は、各シートフレーム91a、92aを含む車両ボディ12(以下、車両ボディ12と略称する)との間に電界を形成する。この状態を乗員検知モードと称する。なお、乗員検知モードにおいて、図示しないガード電極23には、電源部3からオペアンプ等を介して(ボルテージホロワ)、メイン電極21と同電位となるように電圧が印加される。ガード電極23は、メイン電極21がシート9内のみで直接的に座部シートフレーム91aと電界形成することを防いでいる。
一方、接点bに接続した場合、電源部3に接続されるのはサブ電極22となり、メイン電極21は車両接地に導通する。そして、交流電圧が印加されるサブ電極22は、隣り合うメイン電極21との間に電界を形成する。この状態を被水検知モードと称する。なお、被水検知モードにおいて、ガード電極23は、メイン電極21同様、車両接地に導通するようになっている。このように、切替部4は、乗員検知モードと被水検知モードとを切り替える。
アドミタンス算出部5は、電源部3、切替部4、および、実虚成分算出部6に接続されている。アドミタンス算出部5は、電圧検出回路51と、電流検出回路52と、Z演算部53とを備えている。電圧検出回路51は、電源部3に接続されており、回路の交流電圧を検出する。電流検出回路52は、電源部3と切替部4の間に配置され、回路に流れる電流を検出する。
Z演算部53は、電圧検出回路51、電流検出回路52、および、実虚成分算出部6に接続されている。Z演算部53は、電圧検出回路51および電流検出回路52で検出された値に基づいて、回路のインピーダンスを算出する。そして、Z演算部53は、求められたインピーダンスの逆数を算出する。ここで、乗員検知モードにおけるインピーダンスの逆数を第一アドミタンスと称し、被水検知モードにおけるインピーダンスの逆数を第二アドミタンスと称する。
第一アドミタンスは、メイン電極21およびサブ電極22と車両ボディ12との間のインピーダンスの変化に応じて変化する。また、第二アドミタンスは、サブ電極22とメイン電極との間のインピーダンスの変化に応じて変化する。
実虚成分算出部6は、アドミタンス算出部5、被液量推定部7、および、判別部8に接続されている。実虚成分算出部6は、アドミタンス算出部5で算出されたアドミタンスのコンダクタンスとサセプタンスとを算出する。具体的には、実虚成分算出部6は、乗員検知モードにおける第一アドミタンスのコンダクタンスとサセプタンスとを算出し、被水検知モードにおける第二アドミタンスのコンダクタンスとサセプタンスとを算出する。
被液量推定部7は、実虚成分算出部6および判別部8に接続されている。被液量推定部7は、実虚成分算出部6で算出された第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスに基づいて、シートの被液量を推定する。被液量は、第二アドミタンス(Y2=1/Z2)の大きさで表される。被液量の計算について、具体的には、「(3)乗員判別について」で説明する。
判別部8は、実虚成分算出部6および被液量推定部7に接続されている。判別部7は、実虚成分算出部6で算出された第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスと、被液量推定部7で推定された被液量とに基づいて、乗員を判別する。乗員判別について、具体的には、「(3)乗員判別について」で説明する。
判別部8の判別結果は、通信インターフェイス(通信I/F)15を通じてエアバッグECU16に送信される。エアバッグECU16は、判別結果に基づいてエアバッグ17を制御する。つまり、エアバッグECU16は、エアバッグ17の展開許可/禁止状態を決定する。そして、展開許可状態(乗員が大人と判別された場合)において、加速度センサ(図示せず)により衝突等が検知されると、エアバッグECU16がそれを受けエアバッグ17を展開させる。また、展開禁止状態(空席、子供、または、CRSと判別された場合)において、衝突が検知されても、エアバッグ17の展開を禁止する。
このように、乗員検知ECU14は、シートの乗員を検知し、その結果をエアバッグECU16に送信する。そして、エアバッグECU16は、送信された情報に基づいてエアバッグ17を制御する。なお、Z演算部53、実虚成分算出部6、被液量推定部7、および、判別部8は、演算回路または演算プログラム等で構成されている。
(2)アンテナ電極部2の構成
次に、アンテナ電極部2の構成について、図3および図4を参照して説明する。図3は、アンテナ電極部2の模式上面図である。図4は、図3のS−S線断面図である。なお、説明の便宜上、図4においては、上下方向幅を誇張して示す。
図3および図4に示すように、アンテナ電極部2は、メイン電極21と、サブ電極22と、ガード電極23と、ベースフィルム24と、上層フィルム25と、下層フィルム26とを備えたシート形体のユニット部材である。図3に示すように、アンテナ電極部2は、全体として、長板を平行に並べてそれぞれ接続した形状となっている。以下、アンテナ電極部2の長板の内1つを例に説明する。
図4に示すように、ベースフィルム24、上層フィルム25、および、下層フィルム26は、それぞれ板状であり、電気的絶縁性材料であるPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる。なお、各フィルム24〜26同士は、粘着剤27により結合されている。
メイン電極21は、カーボン電極部210と銀電極部211とを備えている。メイン電極21は、ベースフィルム24と上層フィルム25との間に配置されている。また、メイン電極21は、ベースフィルム24の略中央に配置されている。カーボン電極210は、矩形状となっている。銀電極部211は、矩形枠状となっている。銀電極部211は、カーボン電極部210外縁の若干内周側に配線されている。
サブ電極22は、カーボン電極部220と銀電極部221とを備えている。サブ電極22は、ベースフィルム24と上層フィルム25との間に配置されている。また、サブ電極22は、メイン電極21の外周側に、メイン電極21と隔離して配置されている。すなわち、サブ電極22は、メイン電極21と離隔し、メイン電極21に隣り合うように配置されている。カーボン電極部220は、メイン電極21の外縁を囲む曲線状となっている。銀電極部221は、カーボン電極部220の幅方向略中央に配置されている。銀電極部221は、カーボン電極部220の長手方向に沿って配線されている。
ガード電極23は、カーボン電極部230と銀電極部231とを備えている。ガード電極23は、ベースフィルム24と下層フィルム26との間に、メイン電極21と対向するように配置されている。カーボン電極230は、矩形状となっている。銀電極部231は、矩形枠状となっている。銀電極部231は、カーボン電極部230外縁の若干内周側に配線されている。メイン電極21とガード電極23とは、ベースフィルム24によって離隔され、絶縁されている。
(3)乗員判別について
以下、静電式乗員検知システム1の乗員判別について具体的に説明する。まず、本実施形態におけるアドミタンスについて図5を参照して説明する。図5は、アドミタンスのIm−Re特性を示す図である。
インピーダンスは、実数部と虚数部に分解することができる。そして、インピーダンスZは、Z=1/(Re+j・Im)と表される。つまり、アドミタンスYは、Y=Re+j・Imと表され、Reがコンダクタンス、Imがサセプタンスとなる。なお、jは虚数単位である。
図5に示すように、本実施形態では、コンダクタンスRe[1/MΩ]を横軸、サセプタンスIm[1/MΩ]を縦軸とした直交平面座標で、アドミタンスのRe−Im特性を表している。そして、Reの値は抵抗成分(R成分)に関連し、当該抵抗成分が大きくなると、Reは小さくなる。Imの値は静電容量成分(C成分)に関連し、当該静電容量成分が大きくなると、Imは大きくなる。そして、アドミタンスYのReおよびImによって、直交平面座標(Re、Im)上の座標Xが決定される。
ここで、原点Oから座標Xまでのベクトルの長さは、アドミタンスYの大きさを表している。つまり、アドミタンスYの大きさは、Y=(Re+Im1/2となる。
次に、静電式乗員検知システム1の各処理について図6を参照して説明する。図6は、静電式乗員検知システム1の処理フローを表した図である。
(ステップ1:S101)
静電式乗員検知システム1は、乗員検知に際して、まずモードを乗員検知モードに切り替える(S101)。乗員検知モードは、切替部4で接点aに接続されることにより行われる。
(ステップ2:S102)
続いて、乗員検知モードでの処理が行われる(S102)。乗員検知モードでは、メイン電極21およびサブ電極22と車両ボディ12との間に電界を形成する。メイン電極21およびサブ電極22と車両ボディ12との間のインピーダンスZaは、シートの状況(乗員、被水)によって変化する。そして、まずインピーダンスZaを含んだインピーダンスがアドミタンス算出部5で算出され、その後、その逆数である第一アドミタンスY1がアドミタンス算出部5で算出される。そして、実虚成分算出部6は、この第一アドミタンスY1のコンダクタンス(Re)およびサセプタンス(Im)を算出する。
ここで、第一アドミタンスのRe−Im特性について図7を参照して説明する。図7は、第一アドミタンスのRe−Im特性を示す図である。図7は、横軸が第一アドミタンスのコンダクタンスRe[1/MΩ]であり、縦軸が第一アドミタンスのサセプタンスIm[1/MΩ]である。
まず、シートが乾燥状態(被水の量0ml)であるとき、乗員検知モードにおいて算出されたコンダクタンス(Re)およびサセプタンス(Im)について説明する。図7のP1に示すように、空席またはCRSのときの(Re、Im)は、およそ(6、16)付近となっている。そして、P2に示すように、大人が着席したときがおよそ(1、63)となっている。これより、シートに大人が着席すると、空席およびCRSに比べて、第一アドミタンスのサセプタンスが大きくなるのが分かる。
すなわち、シートが乾燥状態であれば、第一アドミタンスのサセプタンスに基づいて、大人(図7のP2)と空席およびCRS(図7のP1)とを判別できる。なお、図7の二点鎖線は、被水を考慮しない場合の閾値T1であり、Imが閾値T1以上であれば大人と判別し、閾値T1より小さければ空席またはCRSと判別できる境界である。閾値T1は、Reが0からおよそ70までの間はReが大きくなるにつれてImが大きくなり、Reが70以降ではImがおよそ60で一定となる。
一方、シートが被水した場合、第一アドミタンスの(Re、Im)は以下のようになる。ただし、被水は、塩水の場合と、塩水ではなく純水に近い液体(以下、「純水」と称する)の場合とで分けて示す。図7に示すように、被純水の場合、空席またはCRSのときがおよそ(15、30)付近となり、大人が着席したときがおよそ(13、90)付近となっている。
ここで、図7の矢印Aに示すように、空席またはCRSの値は、被純水がおよそ200mlを超えると、被純水の量が増えてもImはほぼ横ばいとなる。同様に、矢印Bに示すように、大人が着席したときの値は、被純水がおよそ200mlを超えると、被純水の量が増えてもImはほぼ横ばいとなる。
そして、被塩水200mlの場合、空席またはCRSのとき(図7のP3)がおよそ(5、50)付近となり、大人が着席したときがおよそ(7、107)となっている。図7の矢印CおよびDに示すように、被塩水の量が増えるほどImは大きくなっている。図7に示すように、被水の量(ml)が等しくても、純水と塩水とでは、算出される(Re、Im)が異なり、被水の量の変化に対する(Re、Im)のシフトの仕方も異なる。
これによれば、被塩水状態である場合、空席またはCRS時の値(P3)は、乾燥状態の大人の値(P2)に近くなり、さらに乗員判別閾値T1以上となる。つまり、被水を考慮しない乗員判別では、空席またはCRSであるにもかかわらず、大人と判別されてしまうことになる。そこで、本実施形態では、後述する被水検知モードで被液量Lを推定する。なお、図示しないが、被塩水100mlの場合、空席またはCRSのときがおよそ(5、45)付近となり、大人が着席したときがおよそ(10、100)付近となる。
乗員検知モードでは、上記のように、第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを算出し、その値(Re、Im)が判別部8に送信される。
(ステップ3:S103)
そして、被液量(被純水の量、被塩水の量)を考慮するために、切替部4により乗員検知モードから被水検知モードに切り替えられる(図6:S103)。つまり、切替部4は、接点をaからbに切り替える。
(ステップ4:S104)
そして、被水検知モードでの処理が行われる(図6:S104)。被水検知モードでの処理について図8を参照して説明する。図8は、第二アドミタンスのRe−Im特性を示す図である。図8は、横軸が第二アドミタンスのコンダクタンスReであり、縦軸が第二アドミタンスのサセプタンスImである。
被水検知モードでは、サブ電極22とメイン電極21との間に電界が形成される。サブ電極22とメイン電極21とで形成される電界には、主に座面部91の表皮等が介在しており、表皮等が被水すると、サブ電極22とメイン電極21の間のインピーダンスZbが変化する。アドミタンス算出部5は、ステップ2同様に、インピーダンスZbに基づく第二アドミタンスY2を算出する。実虚成分算出部6は、第二アドミタンスY2のコンダクタンス(Re)およびサセプタンス(Im)を算出する。
図8に示すように、シートが乾燥状態(被水の量0ml)にあっては、空席、CRS、および、大人の各値はおよそ(1、30)となっている。
被純水100mlの場合、各値は、空席時がおよそ(35、60)、CRS時がおよそ(110、125)、大人着席時がおよそ(130、125)となっている。被純水200mlの場合、各値は、空席時がおよそ(100、100)、CRS時がおよそ(195、140)、大人着席時がおよそ(235、130)となっている。
被塩水100mlの場合、各値は、空席時がおよそ(75、155)、CRS時がおよそ(125、190)、大人着席時がおよそ(150、185)となっている。被塩水200mlの場合、各値は、空席時がおよそ(110、175)、CRS時がおよそ(190、205)、大人着席時がおよそ(245、195)となっている。
これによれば、純水および塩水ともに、被水の量(ml)が増えるほど、(Re、Im)は右方にシフトしている。つまり、被水の量に比例するように、原点(0、0)と算出された(Re、Im)の位置との距離が大きくなっている。
ここで、被液量推定部7は、算出された(Re、Im)に基づいて、被液量Lを推定する。本実施形態において、被液量LはL=(Re +Im 1/2で算出される。つまり、被液量推定部8は、第二アドミタンスの大きさを算出し、その値を被液量Lとしている。換言すれば、被液量Lは、原点(0、0)から(Re、Im)へ向かうベクトルの大きさである。従って、図8より明らかなように、被水の量が増えるほど、被液量Lは増える。例えば、図7のP1における被液量Lはおよそ30、P2における被液量Lはおよそ30、P3における被液量Lはおよそ250となる。被水検知モードで推定された被液量Lは、判別部8へ送信される。
(ステップ5:S105)
そして、判別部8で乗員の判別処理が行われる(図6:S105)。判別部8の処理について図9〜図11を参照して説明する。図9は、Re−Im−L特性を示す図である。図10は、図9のE−E線で切断したIm−L特性を示す図である。図11は、図9のF−F線で切断したRe−L特性を示す図である。なお、図9では、第一軸が第一アドミタンスのコンダクタンスRe、第二軸が第一アドミタンスのサセプタンスIm、第三軸(高さ)が被液量Lとなっている。
判別部8は、受信した(Re、Im)および被液量Lに基づいて、乗員を判別する。受信した値は、図9に示すように、3次元直交座標(Re、Im、L)で表すことができる。ここで、Imが近い値となるP2(乾燥:大人)とP3(被塩水:空席またはCRS)の判別について図10を参照して説明する。図10に示すように、P3の被液量LがP2の被液量Lより大きくなっている。つまり、同じImであっても、そのImが被水によりどのくらい影響をうけた値なのかが分かる。換言すると、算出されたImが「シートの被水によってシフトしたもの」か、あるいは「大人の着席によってシフトしたもの」かが判別できる。
図10に示す点線は、各Imにおける被液量Lの閾値TILを表しており、Imが原点と所定点Gの間にあるときは閾値が0であり、Imが所定点Gから大きくなるにつれて閾値も大きくなる。所定点Gは、E−E線と閾値T1との交点のImである。
この閾値TILによって、算出された被液量Lが当該Imにおける閾値より小さい場合、そのImが「大人の着席によってシフトしたもの」と判別される。例えば、P2(乾燥:大人)において、被液量Lは、閾値TILよりも小さいため、乗員は「大人」と判別される。
逆に、P1(乾燥:空席またはCRS)において、被液量Lは、閾値TILよりも大きいため、乗員は「空席またはCRS」と判別される。同様に、P3(被塩水:空席またはCRS)において、被液量Lは、閾値TILよりも大きいため、乗員は「空席またはCRS」と判別される。すなわち、被液量Lが、閾値TIL以上の場合「空席またはCRS」、閾値TILより小さい場合「大人」と判別される。
また、シートの状況が(被塩水:大人)である場合、Imが大きくなるとともにLも大きくなる。しかし、上記のように、閾値TILはImが大きくなるにつれて大きくなるように設定されているため、Lが閾値TILより小さく、正確に「大人」と判別される。
ここで、図10は、あるコンダクタンス(E−E線)におけるIm−L特性であるが、本実施形態では、各コンダクタンスReにおいて上記閾値TILを設けている。従って、本実施形態の閾値は、閾値TILがRe毎に設定されるため、Re方向に連続した3次元の閾値(3次元被液閾値TRIL)となり、図9に示すように、3次元の曲面(または平面)で表される。
ここで、図11に示すように、あるサセプタンス(F−F線)における閾値TRLは、Reが大きくなるにつれて大きくなるように設定されている。図7および図9の矢印Bが示すように、シート状況が(被純水:大人)である場合、被純水の量(ml)が増えても、ある値からはImの値が大きくならずReの値が大きくなる。つまり、あるImでは、被純水の量が増えるにつれて、ReおよびLの値が大きくなる。本実施形態では、これが考慮されており、図11に示すように、(被純水:大人)の場合に被液量Lは閾値TRLよりも小さくなる。つまり、正確に「大人」と判別できる。
また、図11の左側の中抜棒P4は、(被塩水:空席またはCRS)の(Re、Im)が図9の矢印Cに沿ってシフトした場合の被液量Lを表している。つまり、矢印Cの延長線とF−F線との交点における(被塩水:空席またはCRS)の被液量Lを表している(図9において図示なし)。これによれば、P4の被液量Lは、閾値TRLよりも大きくなっており、確実に「空席またはCRS」と判別される。
まとめると、閾値TILはImに応じて予め設定された値(Re固定)であり、閾値TRLはReに応じて予め設定された値(Im固定)である。つまり、3次元被液閾値TRILは、(Re、Im)に応じて予め設定されたものである。
このように、3次元被液閾値TRILは、大人と判別する領域(大人領域)と、空席またはCRSと判別する領域(空席CRS領域)とを分ける境界となっている。大人領域はLがTRILより小さい領域であり、空席CRS領域はLがTRIL以上となる領域である。なお、図9では、大人領域にあるものを塗りつぶした棒で表し、空席CRS領域にあるものを中抜棒で表している。
判別部8は、受信した(Re、Im、L)がどちらの領域にあるのかで乗員を判別できる。被液量Lの大小関係に着目して換言すると、判別部8は、被液量推定部7で推定された被液量Lが、実虚成分算出部6で算出された第一アドミタンスの(Re、Im)における3次元被液閾値TRILの値より小さい場合、シートの乗員が「大人」であると判別する。本実施形態によれば、被液量Lを考慮することで、被水があった場合でも、正確な乗員検知を継続して行うことができる。
(ステップ6:S106)
判別部8で判別された判別結果は、通信I/Fを介してエアバッグECU16に送信される。そして、静電式乗員検知システム1では、上記ステップ(1→6)を繰り返し行うよう設定されている。
(4)エアバッグ17の制御について
エアバッグECU16は、乗員検知ECU14から受信した判別結果に基づいて、エアバッグ17の状態を制御する。判別結果が「大人」である場合、エアバッグECU16は、エアバッグ17を展開許可状態とする。展開許可状態とは、加速度センサにより衝突が検知された場合、エアバッグ17を展開する状態である。つまり、エアバッグECUは、乗員が大人である場合、衝突が検知されるとエアバッグ17が展開するように制御している。
一方、判別結果が「空席またはCRS」である場合、エアバッグECU16は、エアバッグ17を展開禁止状態とする。展開禁止状態とは、エアバッグ17の展開を禁止する状態であり、加速度センサが衝突を検知しても、エアバッグ17は展開しない。つまり、エアバッグECU16は、シートが空席またはCRSである場合、エアバッグ17が展開しないように制御している。
エアバッグECU16は、静電式乗員検知システムによる正確な判別結果に基づいてエアバッグ17を制御することができる。従って、乗員保護システム100によれば、エアバッグ17の誤作動を精度よく防止することができる。
以上の処理をまとめたフローチャートを図12に示す。まず、乗員検知モードでの(Re、Im)と、被水検知モードでの(Re、Im)とが求まる。続いて、被液量Lが算出される。そして、(Re、Im、L)が「大人領域」であるか否かを判定する(図9)。大人領域であれば、大人と判別され、大人領域でなければ空席またはCRS(CRS上の幼児)と判別される。そして、乗員が大人と判別された場合、エアバッグ展開許可状態となり、乗員が子供CRSと判別された場合、エアバッグ展開禁止状態となる。乗員保護システム100では、上記処理が繰り返されている。
(5)その他
判別部8は、Im−L特性(例えば図10)で乗員を判別してもよい。つまり、判別部8は、第一アドミタンスのImに応じて予め設定された2次元被液閾値(閾値TILに相当)を記憶し、被液量推定部7で推定された被液量Lが、実虚成分算出部6で算出された第一アドミタンスのImにおける2次元被液閾値の値より小さい場合、シートの乗員が大人であると判別する。被液量LのRe方向への推移はImに比べて小さく、例えば図10に示すように、第一アドミタンスのサセプタンスImおよび被液量Lに基づいて乗員を判別できる。ただし、Reを考慮したほうが判別精度は向上する。
また、被液量Lは、シート状況が(乾燥:空席)の場合を原点として算出されてもよい。つまり、被水の量が0ml且つ空席であるときの第二アドミタンスのコンダクタンスをReL0、サセプタンスをImL0とし、(ReL0、ImL0)を基準点として被液量Lを計算する。この場合、計算式は、L={(Re−ReL0+(Im−ImL01/2となる。これによれば、シート状況が何も変化していない(乾燥:空席)時において被液量Lは0となる(最小値を0とできる)。そして、被液量Lは、この(乾燥:空席)状況からの相対的な値として算出される。つまり、観念的に被液量を把握し易くなり、閾値等の設定も容易となる。これによっても、上記同様の効果を得ることができる。被液量Lは、第二アドミタンスのコンダクタンスReおよびサセプタンスImに基づいて推定されればよく、上記のように、絶対量(アドミタンス等)であっても相対量であってもよい。
また、乗員保護システム100は、警報装置(図示なし)を備えていてもよい。例えば、大量の被水により、電極間がショートしてしまった場合(検知不能の場合)に、警報装置は、乗員に異常であることを警告し、所定の異常処理(システム停止等)を行う。これにより、被水がシート表皮の保液量を大きく超えて電極間をショートされるなど、不測の事態が起きた場合でも対処可能となる。
静電式乗員検知システム1を含む乗員保護システム100の構成を示す図である。 静電式乗員検知システム1の簡略化した回路構成を示す図である。 アンテナ電極部2の模式上面図である。 図3のS−S線断面図である。 アドミタンスのIm−Re特性を示す図である。 静電式乗員検知システム1の処理フローを表した図である。 第一アドミタンスのRe−Im特性を示す図である。 第二アドミタンスのRe−Im特性を示す図である。 Re−Im−L特性を示す図である。 図9のE−E線で切断したIm−L特性を示す図である。 図9のF−F線で切断したRe−L特性を示す図である。 処理フローチャートを示す図である。
符号の説明
1:静電式乗員検知システム、100:乗員保護システム、
14:乗員検知ECU、
2:アンテナ電極部、21:メイン電極、22:サブ電極、23:ガード電極、
3:電源部、4:切替部、5:アドミタンス算出部、6:実虚成分算出部、
7:被液量推定部、8:判別部、
9:シート、12:車両ボディ、16:エアバッグECU、17:エアバッグ

Claims (8)

  1. 車両のシートに配置されるメイン電極と、前記メイン電極に近接して配置されるサブ電極とを有するアンテナ電極部と、
    前記アンテナ電極部に接続され、交流電圧を発生する電源部と、
    前記メイン電極と車両接地に導通する車両ボディとの間に電界を形成する乗員検知モードと、前記メイン電極と前記サブ電極との間に電界を形成する被水検知モードと、を切り替える切替部と、
    前記乗員検知モードにおいて、前記メイン電極と前記車両ボディとの間のインピーダンスに基づく第一アドミタンスを算出し、前記被水検知モードにおいて、前記メイン電極と前記サブ電極との間のインピーダンスに基づく第二アドミタンスを算出するアドミタンス算出部と、
    前記アドミタンス算出部で算出された前記第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを算出し、前記第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを算出する実虚成分算出部と、
    前記実虚成分算出部で算出された前記第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスに基づいて、前記シートの被液量を推定する被液量推定部と、
    前記実虚成分算出部で算出された前記第一アドミタンスのサセプタンス、および、前記被液量推定部で推定された前記被液量に基づいて、前記シートの乗員を判別する判別部と、
    を備えることを特徴とする静電式乗員検知システム。
  2. 前記被液量は、
    前記第二アドミタンスのコンダクタンスを第一軸とし前記第二アドミタンスのサセプタンスを第二軸とした直交平面座標において、
    前記シートが空席かつ乾燥状態において予め算出された前記第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを基準点とし、
    前記実虚成分算出部で算出された第二アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスの前記直交平面座標上の点と、前記直交座標平面上の前記基準点との距離に相当する値である請求項1に記載の静電式乗員検知システム。
  3. 前記被液量は、前記第二アドミタンスの大きさである請求項1に記載の静電式乗員検知システム。
  4. 前記アンテナ電極部は、
    車両接地に導通するシートフレームと前記メイン電極との間に前記メイン電極に離隔して対向配置され、前記乗員検知モードおよび前記被水検知モードにおいて、前記メイン電極と同電位に維持されるガード電極を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の静電式乗員検知システム。
  5. 前記判別部は、
    前記第一アドミタンスのサセプタンスに応じて予め設定された2次元被液閾値を記憶し、
    前記被液量推定部で推定された前記被液量が、前記実虚成分算出部で算出された前記第一アドミタンスのサセプタンスにおける前記2次元被液閾値の値より小さい場合、前記シートの乗員が大人であると判別する請求項1〜4の何れか一項に記載の静電式乗員検知システム。
  6. 前記判別部は、さらに、前記実虚成分算出部で算出された前記第一アドミタンスのコンダクタンスにも基づいて、前記シートの乗員を判別する請求項1〜4の何れか一項に記載の静電式乗員検知システム。
  7. 前記判別部は、
    前記第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスに応じて予め設定された3次元被液閾値を記憶し、
    前記被液量推定部で推定された前記被液量が、前記実虚成分算出部で算出された前記第一アドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスにおける前記3次元被液閾値の値より小さい場合、前記シートの乗員が大人であると判別する請求項6に記載の静電式乗員検知システム。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の静電式乗員検知システムと、
    前記静電式乗員検知システムの判別結果に基づいて乗員保護装置を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする乗員保護システム。
JP2007329257A 2007-12-20 2007-12-20 静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム Expired - Fee Related JP4428444B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007329257A JP4428444B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム
US12/316,754 US8078362B2 (en) 2007-12-20 2008-12-16 Electrostatic seat occupant detection system
DE102008062653.8A DE102008062653B4 (de) 2007-12-20 2008-12-17 Elektrostatisches Sitzbelegungs-Detektionssystem

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007329257A JP4428444B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009150783A true JP2009150783A (ja) 2009-07-09
JP4428444B2 JP4428444B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=40758620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007329257A Expired - Fee Related JP4428444B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8078362B2 (ja)
JP (1) JP4428444B2 (ja)
DE (1) DE102008062653B4 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011112541A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Denso Corp 乗員検知システム
JP2011122832A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Honda Elesys Co Ltd 乗員検知システム
US8143907B2 (en) 2009-06-12 2012-03-27 Denso Corporation Capacitive occupant sensor
JP2012107895A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Honda Elesys Co Ltd 乗員検知システム
JP2012127746A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Nippon Soken Inc 静電容量式乗員検知装置
JP2012131473A (ja) * 2010-11-30 2012-07-12 Nippon Soken Inc 静電容量式乗員検知装置
JP2012224171A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Honda Elesys Co Ltd 乗員検知装置、及び乗員検知方法
JP2014182111A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Denso Corp 静電容量式乗員検知センサ
US8937478B2 (en) 2010-05-11 2015-01-20 Denso Corporation Electrostatic occupant detection system
JP2015507177A (ja) * 2011-12-08 2015-03-05 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 物体のコンダクタンスを決定するためのシステム、制御器、および方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102300749A (zh) * 2009-02-06 2011-12-28 马斯普罗电工株式会社 乘坐状态检测设备以及用于移动体的乘坐者监控系统
JP4817027B2 (ja) * 2009-06-16 2011-11-16 株式会社デンソー 静電式乗員検知装置
JP4752956B2 (ja) * 2009-06-16 2011-08-17 株式会社デンソー 静電式乗員検知装置
EP2353946A1 (en) * 2010-02-04 2011-08-10 IEE International Electronics & Engineering S.A. Capacitive occupant detection system with interference detection
LU91843B1 (en) * 2011-07-20 2013-01-21 Iee Sarl Plural-frequency capacitive occupancy sensing system
LU91873B1 (en) * 2011-09-21 2013-03-22 Iee Sarl Combined heating and capacitive seat occupant sensing system
US9475438B2 (en) 2014-11-14 2016-10-25 Intelligent Technologies International, Inc. Wireless switches using human body as a conductor
WO2021195441A1 (en) * 2020-03-26 2021-09-30 Tactual Labs Co. Sensor arrangement with ground layer

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO180024C (no) * 1994-10-11 1997-01-29 Oerjan G Martinsen Måling av fuktighet i hud
JP3346464B2 (ja) 1998-03-25 2002-11-18 日本電気株式会社 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP4517289B2 (ja) * 2004-06-14 2010-08-04 株式会社デンソー 静電容量式センサおよび乗員検知システム
JP4529086B2 (ja) 2005-03-31 2010-08-25 株式会社デンソー 乗員検知システム
JP4564894B2 (ja) * 2005-06-15 2010-10-20 株式会社日本自動車部品総合研究所 乗員検知システム
JP4539614B2 (ja) * 2006-02-07 2010-09-08 株式会社デンソー 乗員検知システム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8143907B2 (en) 2009-06-12 2012-03-27 Denso Corporation Capacitive occupant sensor
JP2011112541A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Denso Corp 乗員検知システム
JP2011122832A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Honda Elesys Co Ltd 乗員検知システム
US8937478B2 (en) 2010-05-11 2015-01-20 Denso Corporation Electrostatic occupant detection system
JP2012107895A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Honda Elesys Co Ltd 乗員検知システム
JP2012131473A (ja) * 2010-11-30 2012-07-12 Nippon Soken Inc 静電容量式乗員検知装置
JP2012127746A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Nippon Soken Inc 静電容量式乗員検知装置
JP2012224171A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Honda Elesys Co Ltd 乗員検知装置、及び乗員検知方法
JP2015507177A (ja) * 2011-12-08 2015-03-05 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 物体のコンダクタンスを決定するためのシステム、制御器、および方法
JP2014182111A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Denso Corp 静電容量式乗員検知センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4428444B2 (ja) 2010-03-10
US20090164070A1 (en) 2009-06-25
DE102008062653B4 (de) 2016-07-14
US8078362B2 (en) 2011-12-13
DE102008062653A1 (de) 2009-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4428444B2 (ja) 静電式乗員検知システムおよび乗員保護システム
JP4609731B2 (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP4305526B2 (ja) 静電容量式乗員検知システムおよび乗員保護システム
JP4517289B2 (ja) 静電容量式センサおよび乗員検知システム
JP4539614B2 (ja) 乗員検知システム
JP4766166B2 (ja) 静電容量式乗員センサおよび静電容量式乗員センサ装置
JP5152318B2 (ja) 乗員検知装置、乗員検知方法および車両
JP5316527B2 (ja) 静電容量式乗員検知装置
JP5218863B2 (ja) 乗員検知システム
JP4780187B2 (ja) 静電容量式乗員検知システム
US20120299605A1 (en) Occupant detection sensor and manufacturing method of the same
JP4324877B2 (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP2014163885A (ja) 静電容量式乗員検知センサ
US9110112B2 (en) Occupant sensor device
US20140285223A1 (en) Capacitance type occupant detection sensor
JP2006347329A (ja) 乗員検知システム
JP2015152307A (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP6144641B2 (ja) 静電容量式乗員検知装置
JP4883140B2 (ja) 静電センサ及び静電式乗員検知装置
JP5186477B2 (ja) 乗員検知装置
JP5560030B2 (ja) 乗員検知システム
JP5560029B2 (ja) 乗員検知システム
Becker et al. TOR (total occupant recognition) system
JP2011136661A (ja) 乗員検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees