JP2009150517A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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康行 内田
Takayoshi Ota
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Abstract

【課題】逆止弁が開き難くならないように、ボールシートに対するチェックボールの吸着を抑える。
【解決手段】油圧式オートテンショナの逆止弁61は、連通孔51の高圧油室46側の開口部の縁に設けられたボールシート62と、該ボールシート62に当接して連通孔51の開口部を閉塞するチェックボール63とを含み構成されている。その逆止弁61には、次の[1]〜[5]のいずれかが設けられている。
[1]ボールシート62の表面に設けられた複数本の微小スリット62s。
[2]チェックボール63の表面に設けられた複数本の微小スリット。
[3]ボールシート62の表面に設けられた粗部。
[4]チェックボール63の表面に設けられた粗部。
[5]ボールシート62の表面に設けられた硬化部。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種ベルト、各種チェーン等の各種伝動部材に適度なテンションを自動的に与える油圧式オートテンショナに関する。
この種の油圧式オートテンショナの中には、図6,図7に示す従来例(特許文献1)の油圧式オートテンショナ90のように、基端部で回動可能に軸支されたアーム7の長さ方向中間部を適度な力で支持することによって、該アーム7の先端部に取り付けられた滑車8に当接するVベルト6に適度なテンションを与えるものがある。
その油圧式オートテンショナ90は、低圧油室91及び高圧油室92と、オイルOを低圧油室91から高圧油室92へ流す連通孔93と、オイルOが該連通孔93を通って高圧油室92から低圧油室91へ流れるのを防止する逆止弁97とを含み構成されている。その逆止弁97は、連通孔93の高圧油室92側の開口部の縁に設けられたボールシート98と、該ボールシート98に当接して該開口部を閉塞するチェックボール99とを含み構成されている。ここで、チェックボール99は、粗さの少ない状態(平均算術粗さが0.02μm相当)で形成されている一方、ボールシート98は、該シートにチッェクボール99が油圧に押されて吸着することがないように、該チェックボール99に比べて比較的粗さの多い状態で形成されている。
特開平10−325448
ところが、上記構造では、次に示す問題が発生するおそれがある。すなわち、この油圧式オートテンショナ90を繰り返し使用すれば、ボールシート98の表面におけるチェックボール99との当接部Aが摩耗して鏡面化してしまい、それによって、該ボールシート98に該チェックボール99が吸着し易くなってしまう。そのため、該ボールシート98から該チェックボール99が離れ難くなり逆止弁97が開き難くなってしまう。それによって、Vベルト6のテンション減少時には、高圧油室92内が負圧化してしまい、該高圧油室92の内部に気泡が発生してしまう。その気泡の発生によって、Vベルト6のテンション上昇時には該気泡の破裂音が発生する等、各種弊害が発生する。
そこで、逆止弁が開き難くならないように、ボールシートに対するチェックボールの吸着を抑えることを目的とする。
上記目的を達成するため、第一の発明の油圧式オートテンショナは、低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、前記ボールシートの表面に、該表面に沿って該表面における前記チッェクボールとの当接部と該当接部以外の非当接部との間を跨いで延びる幅1〜10μm、深さ1〜10μmの複数本の微小スリットが設けられたことを特徴とする。
また、同目的を達成するため、第二の発明の油圧式オートテンショナは、低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、前記チェックボールの表面に、該表面に沿って該表面における前記ボールシートとの当接部と該当接部以外の非当接部との間を跨いで延びる幅1〜10μm、深さ1〜10μmの複数本の微小スリットが設けられたことを特徴とする。
第二の発明において、前記当接部及び前記非当接部並びに前記微小スリットは、特に限定されないが、次の(i)(ii)の場合が例として挙げられる。
(i)前記チェックボールが回転可能に設けられたことにより、前記当接部及び前記非当接部がシフト可能に構成され、該シフトした際にも複数本の微小スリットが前記当接部と前記非当接部との間を跨ぐように、前記チェックボールの表面全体に、互いに交差し合う2方向以上に延びる複数本の微小スリットが設けられた場合。
(ii)前記チェックボールが回転不能に設けられたことにより、前記当接部及び前記非当接部がシフト不能に構成され、該当接部及びその周辺の非当接部のみに前記複数本の微小スリットが設けられた場合。
第一の発明及び第二の発明において、前記微小スリットの幅は、特に限定されないが、1〜7μmであることがより好ましく、2〜5μmであることが最も好ましい。また、前記微小スリットの深さは、特に限定されないが、2〜9μmであることがより好ましく、2〜6μmであることが最も好ましい。
また、同目的を達成するため、第三の発明の油圧式オートテンショナは、低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、前記ボールシートの表面における前記チェックボールとの当接部に、平均算術粗さが0.1〜3μmの粗部が設けられたことを特徴とする。
また、同目的を達成するため、第四の発明の油圧式オートテンショナは、低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、前記チェックボールの表面における前記ボールシートとの当接部に、平均算術粗さが0.1〜3μmの粗部が設けられたことを特徴とする。
第四の発明において、前記当接部及び前記粗部は、特に限定されないが、次の(i)(ii)の場合が例として挙げられる。
(i)前記チェックボールが回転可能に設けられたことにより、前記当接部がシフト可能に構成され、該シフトした際にも該当接部に前記粗部がくるように、前記チェックボールの表面全体に前記粗部が設けられた場合。
(ii)前記チェックボールが回転不能に設けられたことにより、前記当接部がシフト不能に構成され、該当接部及びその周辺の非当接部のみに前記粗部が設けられた場合。
第三の発明及び第四の発明において、前記粗部の平均算術粗さは、特に限定されないが、0.3〜2.5μmであることがより好ましく、0.4〜2μmであることが最も好ましい。
また、同目的を達成するため、第五の発明の油圧式オートテンショナは、低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、前記ボールシートの表面における前記チェックボールとの当接部に、平均算術粗さが0.05〜0.1μmで硬度が700Hv以上の硬化部が設けられたことを特徴とする。
第五の発明において、前記硬化部の平均算術粗さは、特に限定されないが、0.06〜0.09μmであることがより好ましく、0.07〜0.08μmであることが最も好ましい。また、前記硬化部の硬度は、特に限定されないが、850Hv以上であることがより好ましく、900Hv以上であることが最も好ましい。
第一の発明又は第二の発明によれば、複数本の微小スリットを設けることによって、ボールシートとチェックボールとの間にオイルを介在させて、該ボールシートに対する該チェックボールの吸着を抑えることができる。また、第三の発明又は第四の発明によれば、粗部を設けることによって、ボールシートに対するチェックボールの接触面積を減らして、該ボールシートに対する該チェックボールの吸着を抑えることができる。また、第五の発明によれば、硬化部を設けることによって、ボールシートの摩耗による鏡面化を抑えて、該ボールシートに対するチェックボールの吸着を抑えることができる。
本発明の油圧式オートテンショナ9は、低圧油室41及び高圧油室46と、オイルOを低圧油室41から高圧油室46へ流す連通孔51と、オイルOが該連通孔51を通って高圧油室46から低圧油室41へ流れるのを防止する逆止弁61とを含み構成されている。
その逆止弁61は、連通孔51の高圧油室46側の開口部の縁に設けられたボールシート62と、該ボールシート62に当接して連通孔51の開口部を閉塞するチェックボール63とを含み構成されている。
その逆止弁61には、ボールシート62に対するチェックボール63の吸着を抑えるための次の[1]〜[5]のいずれかが設けられている。
[1]ボールシート62の表面に該表面に沿って設けられた、該表面におけるチッェクボール63との当接部Aと該当接部A以外の非当接部Xとの間を跨いで延びる幅1〜10μm、深さ1〜10μmの複数本の微小スリット62s。
[2]チェックボール63の表面に該表面に沿って設けられた、該表面におけるボールシート62との当接部Bと該当接部B以外の非当接部Yとの間を跨いで延びる幅1〜10μm、深さ1〜10μmの複数本の微小スリット63s。
[3]ボールシート62の表面におけるチェックボール63との当接部Aに設けられた、平均算術粗さが0.1〜3μmの粗部62d。
[4]チェックボール63の表面におけるボールシート62との当接部Bに設けられた、平均算術粗さが0.1〜3μmの粗部63d。
[5]ボールシート62の表面におけるチェックボール63との当接部Aに設けられた、平均算術粗さが0.05〜0.1μmで硬度が700Hv以上の硬化部62h。
本実施例1の図1及び図2(a)(b)に示す油圧式オートテンショナ9は、各種ベルト、各種チェーン等の各種伝動部材に適度なテンションを自動的に与えるための装置である。この油圧式オートテンショナ9と該伝動部材との間の構造は、特に限定されず、例えば、図6に示す従来例の油圧式オートテンショナ90に代えて、該油圧式オートテンショナ9を使用できる。
この油圧式オートテンショナ9は、有底筒状のケーシング10と、該ケーシング10の開口部から進入したプランジャ20と、該プランジャ20を退出方向に常時付勢するリターンスプリング30と、プランジャ20が進入方向へ変位してきた際に該プランジャ20を退出方向に付勢して該進入の勢いを減衰させる減衰機構40とを含み構成されている。
ケーシング10は、その内側にその内径よりも一回り小さい外径をもつ有底筒状のシリンダ11が挿入されており、該シリンダ11は、その外底部が、ケーシング10の内底部が縮径してなる被圧入部12に圧入され固定されている。このケーシング10の外底部には、突起状の取付部13が突設されており、該取付部13には、貫通孔状の取付孔14が該ケーシング10の長さ方向に直交する方向に貫設され、その孔の内側に環状のカラー15がドライベアリング16を介して回動可能に支持されている。そのカラー15が外部部材に支持されることによって、該油圧式オートテンショナ9の基端が該外部部材に回動可能に支持される。
プランジャ20は、その一端側に棒状のピストン部21を備え、そのピストン部21が、ケーシング10の内側に取り付られたシリンダ11の開口部からその内部に、その内周面との間に所定のクリアランスをもって上下摺動可能に進入している。また、該プランジャ20は、他端側に取付部23を備え、該取付部23には、貫通孔状の取付孔24が該プランジャ20の長さ方向に直交する方向に貫設され、その孔の内側に環状のカラー25がドライベアリング26を介して回動可能に支持されている。そのカラー25が、例えば、図6に示すアーム7の長さ方向中間部に連結されることによって、該油圧式オートテンショナ9は、その先端部でアーム7の長さ方向中間部を回動可能に支持する。
リターンスプリング30は、被圧入部12の開口部の周囲に取り付けられたスプリングシート31と、プランジャ20の長さ方向中間部に取り付けられたスプリングカバー32との間に、圧縮状態で装着されている。詳しくは、スプリングカバー32は、ケーシング10の内底面と向かい合う側の端に開口部を備えた有底筒状のカバーであって、その底壁(天壁)にピストン部21が挿通された形で、ケーシング10の開口部を内外に跨ぐ位置に設置されている。
減衰機構40は、ケーシング10の内周面とシリンダ11の外周面との間に形成された低圧油室41と、シリンダ11の内側に形成された高圧油室46と、オイルOを低圧油室41から高圧油室46に流す連通孔51と、オイルOが高圧油室46から低圧油室41に流れるのを防止する逆止弁61と、オイルOを高圧油室46から低圧油室41にリークさせるリーク通路71とを含み構成されている。
低圧油室41は、ケーシング10の開口部が、該開口部の内周面とスプリングカバー32の外周面とに当接するシールリング42によって閉塞されることにより該ケーシング10の内側に形成されている。そのシールリング42は、ケーシング10の開口部に対してはストッパリング43を介して変位不能に係合している一方、スプリングカバー32に対しては摺動可能に摺接しており、該摺動可能なことによって、プランジャ20がケーシング10に対する進入方向及び退出方向に変位可能となっている。そして、プランジャ20の長さ方向中間部には、ケーシング10の開口部をシールリング42よりも外側から覆う有底筒状のダストカバー44が取り付けられている。
高圧油室46は、シリンダ11の開口部が、挿入されたピストン部21によって閉塞されることにより該シリンダ11の内側に形成されている。
連通孔51は、一端がそれぞれ低圧油室41に連通し他端が合流部53で合流した4本の分流孔52と、一端が合流部53に連通し他端が高圧油室46に連通した1本の合流孔57とから構成されている。詳しくは、分流孔52は、被圧入部12の内底面の中心部に設けられた合流部53から該内底面に沿って4方向に放射線状に延びたのち、該被圧入部12の内側面に沿って該被圧入部12の開口部までそれぞれ延びた4本の油溝が、シリンダ11の外底面及び外側面によって該油溝の長さ方向側方から閉塞されることにより4本の孔状に形成されている。また、合流孔57は、シリンダ11の底壁の中心部に貫設された底孔である。
逆止弁61は、合流孔57の高圧油室46側の縁が丸取りされてなるボールシート62と、ボールシート62に当接するチェックボール63と、チェックボール63を囲むようにシリンダ11の内底壁に嵌着されたリテーナ68と、該チェックボール63と該リテーナ68との間に装着されたバネ69とを含み構成されている。そして、ボールシート62の表面には、該表面に沿って延びる幅2〜5μm、深さ2〜6μm、長さ0.5〜5mmの複数本の微小スリット62sが設けられている。詳しくは、これら複数本の微小スリット62sは、ボールシート62の表面におけるチッェクボール63との当接部Aと該当接部A以外の非当接部Xとの間を跨ぐように、ボールシート62の径方向に放射線状に延びている。この微小スリット62sは、ケガキやレーザー等によって加工される。
リーク通路71は、シリンダ11の内側面とピストン部21の外側面との間に形成されたクリアランスによって構成されている。
以上のように構成された油圧式オートテンショナ9の機能を、[1]伝達部材のテンション上昇時 と、[2]伝達部材のテンション減少時 とに分けて以下に説明する。
[1]伝達部材のテンション上昇時
このとき、プランジャ20のピストン部21がシリンダ11内に深く進入することによって、高圧油室46内のオイルOの油圧が上がり、該オイルOがリーク通路71を通って低圧油室41にリークする。そのリークする際の流動抵抗によって、該ピストン部21の進入に対する減衰力が発生し、プランジャ20の急激なケーシング10内への進入が阻止される。なお、このとき、逆止弁61は、高圧油室46の油圧に押されてチェックボール63がボールシート62に当接することによって閉じた状態となる。
[2]伝達部材のテンション減少時
このとき、リターンスプリング30の復元力によりプランジャ20が繰り出される。その際には、高圧油室46内のオイルOの油圧が下がり、連通孔51からの油圧に押されてチェックボール63がボールシート62から離れることによって逆止弁61が開き、低圧油室41内のオイルOが該連通孔51を通って高圧油室46内に流れ込む。
本実施例1によれば、ボールシート62に複数本の微小スリット62sを設けることによって、ボールシート62とチェックボール63との間にオイルOを介在させて、該ボールシート62に対する該チェックボール63の吸着を抑えることができる。そのため、逆止弁が開き易い。また、その微小スリット62sは、十分に小さいため、該微小スリット62sからオイルOが大量にリークしてオートテンショナ機能が低下するといった心配もない。
本実施例2の図3(a)(b)に示す油圧式オートテンショナは、実施例1と略同様であるが、ボールシート62に微小スリット62sが設けられておらず、代わりに、チェックボール63の表面に、該表面に沿って延びる幅2〜5μm、深さ2〜6μmの複数本の微小スリット63sが設けられている点で相違している。詳しくは、これら複数本の微小スリット63sは、チェックボール63が回転した際にもいずれか複数本が該表面におけるボールシート62との当接部Bと該当接部B以外の非当接部Yとの間を跨ぐように、チェックボール63の表面全体に、互いに交差し合う2方向に複数本ずつ延びるように設けられている。各微小スリット63sは、無端環状に設けられていても、有端状に設けられていてもよいが、有端状である場合、その長さは5mm以上であることが好ましい。この微小スリット62sは、実施例1と同様、ケガキやレーザー等によって加工される。
本実施例2によれば、チェックボール63に複数本の微小スリット63sを設けることによって、ボールシート62とチェックボール63との間にオイルOを介在させて、該ボールシート62に対する該チェックボール63の吸着を抑えることができる。そのため、逆止弁が開き易い。また、その微小スリット63sは、十分に小さいため、該微小スリット63sからオイルOが大量にリークしてオートテンショナ機能が低下するといった心配もない。
本実施例3の図4(a)に示す油圧式オートテンショナは、実施例1と略同様であるが、ボールシート62に微小スリット62sが設けられておらず、代わりに、ボールシート62の表面におけるチェックボール63との当接部Aを含む部分一帯に、平均算術粗さが0.4〜2μmの粗部62dが設けられている点で相違している。この粗部62dは、ブラスト加工等によって加工される。なお、図4(a)においては、分かり易いよう、粗部62dを実際よりも極端に粗く示している。
本実施例3によれば、ボールシート62に粗部62dを設けることによって、該ボールシート62に対するチェックボール63の接触面積を減らして、該ボールシート62に対するチェックボール63の吸着を抑えることができる。そのため、逆止弁が開き易い。
本実施例4の図4(b)に示す油圧式オートテンショナは、実施例1と略同様であるが、ボールシート62に微小スリット62sが設けられておらず、代わりに、チェックボール63の表面に、平均算術粗さが0.4〜2μmの粗部63dが設けられている点で相違している。詳しくは、この粗部63dは、チェックボール63が回転した際にも該チェックボール63の表面におけるボールシート62との当接部Bに、該粗部63dのいずれかの部分がくるように、チェックボール63の表面全体に設けられている。この粗部63dは、ブラスト加工等によって加工される。なお、図4(b)においては、分かり易いよう、粗部63dを実際よりも極端に粗く示している。
本実施例4によれば、チェックボール63に粗部63dを設けることによって、ボールシート62に対する該チェックボール63の接触面積を減らして、ボールシート62に対する該チェックボール63の吸着を抑えることができる。そのため、逆止弁が開き易い。
本実施例5の図5に示す油圧式オートテンショナは、実施例1と略同様であるが、ボールシート62に微小スリット62sが設けられておらず、代わりに、ボールシート62の表面におけるチェックボール63との当接部Aを含む部分一帯に、平均算術粗さが0.07〜0.08μmで硬度が900Hv以上の硬化部62hが設けられている点で相違している。この硬化部62hは、該ボールシート62の表面が真空浸炭又は浸炭窒化等によって硬化されることによって加工される。
本実施例5によれば、ボールシート62に硬化部62hを設けることによって、該ボールシート62の摩耗による鏡面化を抑えて、該ボールシート62に対するチェックボール63の吸着を抑えることができる。そのため、逆止弁が開き易い。
なお、本発明は上記実施例1〜5に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
第一の発明の実施例1の油圧式オートテンショナを示す正面断面図である。 同実施例1の油圧式オートテンショナを示す(a)は部分正面断面図、(b)は部分平面断面図である。 第二の発明の実施例2の油圧式オートテンショナを示す(a)は部分正面断面図、(b)は部分平面断面図である。 (a)は、第三の発明の実施例3の油圧式オートテンショナを示す部分正面断面図、(b)は、第四の発明の実施例4の油圧式オートテンショナを示す部分正面断面図である。 第五の発明の実施例5の油圧式オートテンショナを示す部分正面断面図である。 従来例の油圧式オートテンショナ及びその周辺を示す正面図である。 同従来例の油圧式オートテンショナを示す(a)は部分正面断面図、(b)は部分平面断面図である。
符号の説明
9 油圧式オートテンショナ
41 低圧油室
46 高圧油室
51 連通孔
61 逆止弁
62 ボールシート
62s 微小スリット
62d 粗部
62h 硬化部
63 チェックボール
63s 微小スリット
63d 粗部
O オイル
A ボールシートの表面におけるチェックボールとの当接部
X ボールシートの表面におけるチェックボールとの当接部以外の非当接部
B チェックボールの表面におけるボールシートとの当接部
Y チェックボールの表面におけるボールシートとの当接部以外の非当接部

Claims (5)

  1. 低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、
    前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、
    前記ボールシートの表面に、該表面に沿って該表面における前記チッェクボールとの当接部と該当接部以外の非当接部との間を跨いで延びる幅1〜10μm、深さ1〜10μmの複数本の微小スリットが設けられたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、
    前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、
    前記チェックボールの表面に、該表面に沿って該表面における前記ボールシートとの当接部と該当接部以外の非当接部との間を跨いで延びる幅1〜10μm、深さ1〜10μmの複数本の微小スリットが設けられたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  3. 低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、
    前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、
    前記ボールシートの表面における前記チェックボールとの当接部に、平均算術粗さが0.1〜3μmの粗部が設けられたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  4. 低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、
    前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、
    前記チェックボールの表面における前記ボールシートとの当接部に、平均算術粗さが0.1〜3μmの粗部が設けられたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  5. 低圧油室及び高圧油室と、オイルを前記低圧油室から前記高圧油室へ流す連通孔と、オイルが該連通孔を通って前記高圧油室から前記低圧油室へ流れるのを防止する逆止弁とを含み構成された油圧式オートテンショナにおいて、
    前記逆止弁は、前記連通孔の高圧油室側の開口部の縁に設けられたボールシートと、該ボールシートに当接して前記開口部を閉塞するチェックボールとを含み構成され、
    前記ボールシートの表面における前記チェックボールとの当接部に、平均算術粗さが0.05〜0.1μmで硬度が700Hv以上の硬化部が設けられたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
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