JP2009150378A - 点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリレス時に盗難防止機能を正常に動作させることができる点火装置を提供する。
【解決手段】点火装置4は、イグニッションスイッチ3に接続される+B端子7およびAT端子8と、AT端子8とグランド電位との間に直列接続される第1抵抗14および第2抵抗15と、イグニッションコイル5を駆動する点火用トランジスタ20と、盗難防止閾値を有し、第1抵抗14と第2抵抗15との接続点Aの電位を入力し、レギュレータ2とAT端子8との間の配線22が切断され、接続点Aの電位が盗難防止閾値を超えない場合、点火用トランジスタ20をオフさせてイグニッションコイル5によってエンジン点火させないようにするマイコン18とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、レギュレータの出力に基づく電圧をイグニッションコイルに印加してエンジン点火を行う点火装置に関する。
従来より、盗難防止機能を備えた点火装置が知られている。この点火装置は、キーシリンダを介してレギュレータから一定のバッテリ電圧を入力する+B端子と、キーシリンダを介して上記バッテリ電圧を入力する盗難防止端子と、盗難防止判定を行うマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)とを備えている。このような点火装置では、マイコンにて+B端子の電位と盗難防止端子の電位との電位差に基づいて盗難の有無が判定されることで盗難防止が図られている。
なお、例えば特許文献1では、レギュレータの整流出力が出力されるごとに基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、基準電圧と整流出力と車両エンジンの回転に伴ってパルサコイルで発生するパルサ信号とに基づき車両エンジンの点火を制御する点火制御装置とを有する点火制御システムが提案されている。このようなシステムにおいても、基準電圧、整流出力、パルサ信号の各電位の比較により、盗難防止を図っている。
特開平10−148172号公報
しかしながら、上記従来の技術では、バッテリレス時の+B端子の電位と盗難防止端子の電位との電圧差が大きくなってしまい、マイコンに盗難状態と判定されてしまう可能性がある。これにより、エンジン始動ができなくなってしまうという問題がある。
バッテリレスとは、点火装置にバッテリ電圧が印加されない状態を指す。例えば、バッテリが盗難にあい、車両から取り外された状態や、バッテリが車両から取り外されていないが、ヒューズが切れて点火装置にバッテリ電圧が印加されない状態等がバッテリレスに相当する。
本発明は、上記点に鑑み、バッテリレス時に盗難防止機能を正常に動作させることができる点火装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、盗難防止端子(8)とグランド電位との間に直列接続される第1抵抗(14)および第2抵抗(15)と、イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、盗難防止閾値を有し、第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位を入力し、イグニッションスイッチ(3)がオンされて電位が盗難防止閾値を超える場合、点火用トランジスタ(20)をオンさせてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる一方、レギュレータ(2)と盗難防止端子(8)との間の配線(22)が切断され、接続点の電位が盗難防止閾値を超えない場合、点火用トランジスタ(20)をオフさせてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)とを備えていることを特徴とする。
これによると、配線(22)が切断されてオープンにされた際、制御手段(18)によって、盗難防止端子(8)の電位、つまり第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位のみに基づいて盗難の判定が行われる。すなわち、点火装置にバッテリが接続されている状態であっても、バッテリが接続されていないバッテリレスの状態であっても、バッテリ電圧の影響を受けることなく盗難の判定を行うことができる。したがって、特に、バッテリレス時に盗難防止機能を正常に動作させ、盗難防止の判定を精度良く行うことができる。
請求項2に記載の発明では、イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、イグニッションスイッチ(3)がオンされると、点火用トランジスタ(20)を駆動させてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる制御手段(18)と、点火用トランジスタ(20)の駆動を制御する盗難防止用トランジスタ(25)と、盗難防止用トランジスタ(25)のベースと盗難防止端子(8)との間に接続され、盗難防止用トランジスタ(25)をオフさせて点火用トランジスタ(20)によるエンジン点火を可能とするものであり、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせることで点火用トランジスタ(20)をオフさせてイグニッションコイル(5)によるエンジン点火をさせないツェナーダイオード(26)とを備えていることを特徴とする。
これによると、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結された際、盗難防止端子(8)の電位のみによって、点火用トランジスタ(20)がオフされてエンジン点火が行われないようにしている。したがって、バッテリレスによるバッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)との電圧差の影響は無く、バッテリレス時であっても、盗難防止機能を正常に動作させることができる。
請求項3に記載の発明のように、上記請求項1に記載の発明と請求項2に記載の発明とを組み合わせた点火装置とすることができる。すなわち、制御手段(18)を用いてソフト的に盗難防止機能を動作させる一方、ツェナーダイオード(26)および盗難防止用トランジスタ(25)を用いてハード的に盗難防止機能を動作させる点火装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明では、イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、盗難防止のために用いられる盗難防止用トランジスタ(25)と、盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタに接続される電流検出用抵抗(27)と、盗難防止用トランジスタ(25)のベースと盗難防止端子(8)との間に接続され、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせるツェナーダイオード(26)と、イグニッションスイッチ(3)がオンされると、点火用トランジスタ(20)を駆動させてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させるものであり、盗難防止閾値を有し、電流検出用抵抗(27)と盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位を入力し、接続点の電位が盗難防止閾値を超えない場合、点火用トランジスタ(20)をオフさせてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)とを備えていることを特徴とする。
これによると、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結され、盗難防止端子(8)の電位がツェナーダイオード(26)の降伏電圧付近の値になって盗難防止用トランジスタ(25)が断続的にオン/オフを繰り返したとしても、電流検出用抵抗(27)と盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位をモニタしているため、ツェナーダイオード(26)が動作して盗難防止用トランジスタ(25)に電流が流れたか否かを判定することができる。すなわち、点火装置にバッテリが接続されていても、バッテリレスであっても、バッテリ電圧の影響を受けることなく盗難の判定を行うことができる。
この判定結果に基づいて、制御手段(18)によって点火用トランジスタ(20)をオフすることができるので、ツェナーダイオード(26)によって盗難防止用トランジスタ(25)の動作が不安定になっても、エンジンで早期点火が発生しないようにすることができ、ひいてはエンジンにダメージが起こらないようにすることができる。
請求項5に記載の発明では、イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、盗難防止端子(8)とグランド電位との間に直列接続される第1抵抗(14)および第2抵抗(15)と、イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、盗難防止のために用いられる盗難防止用トランジスタ(25)と、盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタに接続される電流検出用抵抗(27)と、盗難防止用トランジスタ(25)のベースと盗難防止端子(8)との間に接続され、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせるツェナーダイオード(26)と、第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位に対する第1盗難防止閾値と、電流検出用抵抗(27)と盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位に対する第2盗難防止閾値とを有し、第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位を入力し、イグニッションスイッチ(3)がオンされて第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位が第1盗難防止閾値を超える場合、点火用トランジスタ(20)をオンさせてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させるものであり、レギュレータ(2)と盗難防止端子(8)との間の配線(22)が切断されることで、第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位が第1盗難防止閾値を超えない場合、点火用トランジスタ(20)をオフさせてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにするか、または、電流検出用抵抗(27)と盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位を入力し、電流検出用抵抗(27)と盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位が第2盗難防止閾値を超えない場合、点火用トランジスタ(20)をオフさせてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)とを備えていることを特徴とする。
これによると、上述のように、制御手段(18)を用いたソフト的な盗難防止機能と、ツェナーダイオード(26)および盗難防止用トランジスタ(25)を用いたハード的な盗難防止機能とを備えた点火装置において、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結され、盗難防止端子(8)の電位がツェナーダイオード(26)の降伏電圧付近の値になる場合でも、盗難防止用トランジスタ(25)に電流が流れたことを判定でき、制御手段(18)によって点火用トランジスタ(20)をオフすることができる。このようにソフト的およびハード的な点火装置においても、点火装置にバッテリが接続されているか否かに関わらず、盗難防止機能を正常に動作させることができ、さらにエンジンで早期点火が発生しないようにすることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、第2抵抗(15)とグランド電位との間にダイオード(23)を接続し、第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位をダイオード(23)の順方向電圧分上昇させることができる。
これにより、車両の電気負荷が低下し、瞬間的なレギュレータ(2)の出力低下が起きた場合でも、ダイオード(23)の順方向電圧分によって第2抵抗(15)に生じる電圧降下を補うことができる。したがって、第1抵抗(14)と第2抵抗(15)との接続点の電位を確保することができ、制御手段(18)の誤判定を防止することができる。
請求項7に記載の発明では、イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、イグニッションスイッチ(3)に接続され、該イグニッションスイッチ(3)がオンされるとバッテリ(28)に基づく電圧が印加されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、イグニッションスイッチ(3)がオンされると、点火用トランジスタ(20)を駆動させてイグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる制御手段(18)と、点火用トランジスタ(20)の駆動を制御する盗難防止用トランジスタ(25)と、盗難防止用トランジスタ(25)のベースと盗難防止端子(8)との間に接続され、盗難防止用トランジスタ(25)をオフさせて点火用トランジスタ(20)によるエンジン点火を可能とするものであり、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結されてバッテリ端子(7)に印加されたバッテリ(28)に基づく電圧が盗難防止端子(8)にも印加されることでバッテリ(28)から盗難防止端子(8)に降伏電圧が入力されると盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせることで点火用トランジスタ(20)をオフさせてイグニッションコイル(5)によるエンジン点火をさせないツェナーダイオード(26)とを備えていることを特徴とする。
これによると、バッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結された際、盗難防止端子(8)にバッテリ(28)に基づく電圧を印加することができる。このため、該バッテリ(28)に基づく電圧によってツェナーダイオード(26)を機能させることができる。したがって、バッテリレスの状態でバッテリ端子(7)と盗難防止端子(8)とが直結される場合よりも短時間で盗難防止を図ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される点火装置は、例えば内燃機関に設置された点火コイルへの通電を制御するイグナイタとして用いられ、車載バッテリの有無に関わらず盗難防止機能を発揮できるものである。また、点火装置は、例えば二輪用として用いられる。
図1は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。この図に示されるように、点火制御システムは、ACG端子1と、レギュレータ2と、イグニッションスイッチ3と、点火装置4と、イグニッションコイル5と、点火プラグ6とを備え、イグニッションスイッチ3がオン/オフされることで、レギュレータ2の出力に基づく電圧をイグニッションコイル5に印加して点火プラグ6にてエンジン点火を行う構成となっている。
ACG端子1は、図示しない発電機に接続される端子である。発電機として、例えば単相(8極)のものや三相(12極)のものが採用され、発電機にて発生させられた単相や三相の電圧がACG端子1に入力されるようになっている。
レギュレータ2は、ACG端子1を経て入力される電圧や図示しない車載バッテリから入力される電圧をこれらの電圧よりも低い一定電圧に変換する定電圧回路である。レギュレータ2から出力される一定電圧は、電源電圧として、イグニッションスイッチ3を介して点火装置4に供給される。
通常、図1に示される点火制御システムにおいて、車載バッテリは、例えばレギュレータ2とイグニッションスイッチ3との間に接続されている。図1では、車載バッテリが取り除かれた状態が示されている。
イグニッションスイッチ3は、ユーザによってキーシリンダにエンジンキーが差し込まれて回されることにより、点火装置4にエンジン始動またはエンジン停止を行わせるものである。イグニッションスイッチ3は、レギュレータ2と点火装置4の+B端子7との間に接続される第1スイッチ3aと、レギュレータ2と点火装置4のAT端子8との間に直列に接続される第2スイッチ3bおよび抵抗3cとを備えている。
なお、+B端子7は本発明のバッテリ端子に相当し、AT端子8は本発明の盗難防止端子に相当する。
このような構成を有するイグニッションスイッチ3では、エンジンキーが回転させられると、第1スイッチ3aおよび第2スイッチ3bがオンし、レギュレータ2の出力が+B端子7およびAT端子8に入力されるようになっている。
点火装置4は、イグニッションコイル5に電流を流すことによって点火プラグ6を点火させるものである。点火装置4は、+B端子7、AT端子8、IG+端子9、第1ダイオード10、第2ダイオード11、第1コンデンサ12、第2コンデンサ13、第1抵抗14、第2抵抗15、第3抵抗16、定電圧IC17、マイコン18、駆動用トランジスタ19、点火用トランジスタ20、IG端子21を備えている。
+B端子7は、イグニッションスイッチ3を介してレギュレータ2から一定電圧を入力する端子である。また、AT端子8は、盗難の有無を判定するために用いられる端子である。
AT端子8とグランド電位との間には第1ダイオード10、第1抵抗14、および第2抵抗15が直列に接続されている。第1ダイオード10のアノードはAT端子8に接続され、カソードは第1抵抗14に接続されている。第2抵抗15は、マイコン18に高電圧が印加されないようにするための分圧用の抵抗である。
AT端子8と第1ダイオード10との間とグランド電位との間に第1コンデンサ12が接続されている。第1コンデンサ12は、AT端子8の電位を安定させる役割を果たすものである。ACG端子1に単相の電圧が入力される場合、第1コンデンサ12は例えば200μF以上であることが好ましい。ACG端子1に三相の電圧が入力される場合、第1コンデンサ12は例えば100μF以上であることが好ましい。
また、第1抵抗14と第2抵抗15との接続点をAとしたとき、接続点Aの電位がマイコン18に入力される。
+B端子7とマイコン18との間には、第2ダイオード11と定電圧IC17とが接続されている。定電圧IC17は、+B端子7の電位を、当該+B端子7の電位よりも低い一定電圧に変換してマイコン18に入力する。
第2ダイオード11と定電圧IC17との間とグランド電位との間に第2コンデンサ13が接続されている。第2コンデンサ13は、車載バッテリに代わる電圧を生成する役割を果たすものである。ACG端子1に単相の電圧が入力される場合、第2コンデンサ13は例えば1000μF以上であることが好ましい。ACG端子1に三相の電圧が入力される場合、第2コンデンサ13は例えば800μF以上であることが好ましい。
また、第2ダイオード11と定電圧IC17との間とIG+端子9とは同電位とされている。IG+端子9は、第2コンデンサ13にて生成された電圧をイグニッションコイル5に印加する端子である。
マイコン18は、駆動用トランジスタ19を駆動して点火用トランジスタ20を駆動することで、イグニッションコイル5に電流を流し、点火プラグ6を点火させる機能を有するものである。駆動用トランジスタ19は点火用トランジスタ20を駆動するスイッチング素子であり、点火用トランジスタ20はイグニッションコイル5を駆動するスイッチング素子である。これら駆動用トランジスタ19や点火用トランジスタ20として、例えばバイポーラ型トランジスタが採用される。
具体的には、マイコン18に駆動用トランジスタ19のベースが接続され、当該ベースに駆動信号が入力されるようになっている。駆動用トランジスタ19のエミッタは、第3抵抗16を介してIG+端子9に接続されている。また、駆動用トランジスタ19のエミッタに点火用トランジスタ20のベースが接続され、点火用トランジスタ20のエミッタがIG端子21に接続されている。IG端子21にはイグニッションコイルが接続されている。
このような回路構成によると、マイコン18から駆動用トランジスタ19に点火信号が入力されて駆動用トランジスタ19がオンされると、点火用トランジスタ20はオフされ、イグニッションコイル5に電流は流れずに点火プラグ6は点火しない。他方、マイコン18によって駆動用トランジスタ19がオフされると、点火用トランジスタ20がオンされ、イグニッションコイル5に電流が流れて点火プラグ6が点火する。
また、マイコン18は、盗難の有無を判定し、盗難に遭っている場合、エンジン始動させない盗難防止機能を備えている。このため、マイコン18は、盗難の有無を判定するための盗難防止閾値Vthを有し、盗難防止閾値Vthと第1抵抗14と第2抵抗15との接続点Aの電位とを比較して盗難の有無を判定する。
そして、イグニッションスイッチ3がオンされて接続点Aの電位が盗難防止閾値Vthを超える場合、マイコン18は駆動用トランジスタ19をオフすることで点火用トランジスタ20をオンさせてイグニッションコイル5によってエンジン点火させる。他方、レギュレータ2とAT端子8との間が開放され、より詳しくはレギュレータ2と抵抗3cとの間の配線22が切断され、接続点Aの電位が低下して盗難防止閾値Vthを超えない場合、マイコン18は駆動用トランジスタ19をオンすることで点火用トランジスタ20をオフさせてエンジン点火させないようにする。
このようなマイコン18は、図示しないCPU、ROM、EEPROMから構成されるものである。マイコン18のROMには、盗難防止閾値Vthや点火プラグ6を点火させるためのプログラム等が記憶されている。なお、マイコン18は本発明の制御手段に相当する。
イグニッションコイル5は、点火プラグ6に当該点火プラグ6を点火させる電流を流すものであり、一次側コイル5aと二次側コイル5bとで構成されている。一次側コイル5aの一端が点火装置4のIG+端子9に接続され、他端がIG端子21に接続されている。点火用トランジスタ20がオンされてIG+端子9とIG端子21との間に電流が流れると、一次側コイル5aに一次電流が流れ、当該一次電流に基づいて二次側コイル5bに二次電流が流れる。この二次電流によって点火プラグ6にて放電が起こる。
点火プラグ6は、上記イグニッションコイル5によって点火させられることで、エンジンの燃焼室内に燃焼を起こさせる周知のものである。以上が、本実施形態に係る点火制御システムの全体構成である。上記点火装置4は、半導体プロセスにより半導体チップとして形成されたものが端子等を備えた部品として構成される場合や、複数の部品が組み合わされて一つの点火装置4として構成される。
次に、図1に示される点火制御システムから車載バッテリが取り外された状態での盗難防止の作動について、図2を参照して説明する。図2は、配線22がオープンにされる前後の点火装置4の作動を示したタイミングチャートである。
まず、点火装置4の通常動作について説明する。ユーザによってエンジンキーがキーシリンダに差し込まれて回されることで、イグニッションスイッチ3がオンされる。これにより、第1、第2スイッチ3a、3bがオンされるため、レギュレータ2の出力が点火装置4の+B端子7およびAT端子8にそれぞれ入力される。IG+端子9には、第2コンデンサ13によって安定化された電圧が印加される。
また、第1コンデンサ12によって安定化されたAT端子8の電位は、当該AT端子8とグランド電位との間に直列接続された第1、第2抵抗14、15によって分圧され、第1抵抗14と第2抵抗15との接続点Aの電位がマイコン18に入力される。マイコン18では、接続点Aの電位と盗難防止閾値Vthとが比較され、接続点Aの電位が盗難防止閾値Vthよりも大きい場合、車両は盗難に遭っていないと判定される。
これにより、マイコン18では、定電圧IC17から一定電圧が入力され、ROMに記憶されたプログラムが実行されることにより、駆動用トランジスタ19の駆動が行われる。すなわち、図1に示されるように、マイコン18によって駆動用トランジスタ19がオン/オフされると、点火用トランジスタ20が駆動用トランジスタ19とは反転してオン/オフされる。そして、点火用トランジスタ20がオンされた際にIG+端子9とIG端子21との間に接続されたイグニッションコイル5に電流が流れて点火プラグ6にて点火が起こる。
上記のように通常動作が行われる中、図2に示される時点T1にて、レギュレータ2とイグニッションコイル5との間の配線22が切断されてオープンにされると、AT端子8の電位はレギュレータ2の出力を維持できなくなるため、AT端子8の電位が低下する。これにより、接続点Aの電位も低下し、盗難防止閾値Vthよりも小さくなる。
したがって、マイコン18にて盗難に遭っていると判定され、エンジン点火が行われないようにされる。すなわち、図2に示されるように、時点T1後、駆動用トランジスタ19がオンされ続けることで、点火用トランジスタ20がオフされ続けるため、点火プラグ6にて点火が行われないようになる。こうして、盗難防止が図られる。
上記では車載バッテリが取り外された状態での盗難防止機能について説明したが、上記のように、マイコン18ではAT端子8の電位に基づいて盗難の判定が行われている。したがって、点火装置4では、図1に示される点火制御システムに車載バッテリが接続されている状態、もしくは車載バッテリレスの状態のいずれであっても、盗難の判定が行われる。
以上説明したように、本実施形態では、配線22が切断されてオープンにされた際、マイコン18は、+B端子7とAT端子8との電圧差をモニタするのではなく、AT端子8の電位、つまり第1抵抗14と第2抵抗15との接続点Aの電位のみに基づいて盗難の判定および点火用トランジスタ20をオフさせることが特徴となっている。
これにより、車載バッテリの電圧の影響を受けることなく盗難の判定が行われるようにすることができる。すなわち、点火制御システムに車載バッテリが接続されている状態であっても、バッテリレスの状態であっても、点火装置4が正常に盗難防止を機能するようにすることができる。つまり、バッテリレス時に盗難防止機能を正常に動作させることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図1に示される点火制御システムにおいて、点火装置4が消費電流が微少になった際に、レギュレータ2が無負荷状態となり、レギュレータ2の出力を抑える制御になり、AT端子8から第1ダイオード10、第1、第2抵抗14、15を介してグランド電位に流れる電流が0に近くなると、接続点Aの電位が盗難防止閾値Vthよりも小さくなって盗難に遭っていると判定される可能性がある。本実施形態では、このようなレギュレータ2の無負荷状態において盗難防止の判定の精度を向上させることが特徴となっている。
図3は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。この図に示されるように、第2抵抗15とグランド電位との間に第3ダイオード23が接続されている。この第3ダイオード23は、第1抵抗14と第2抵抗15との接続点Aの電位を第3ダイオード23の順方向電圧分上昇させる役割を果たすものである。
このように、第2抵抗15に第3ダイオード23を接続することで、レギュレータ2が無負荷状態となり、AT端子8の電位が低下したとしても、接続点Aの電位を第3ダイオード23の順方向電圧VFだけかさ上げすることができ、点火装置4が正常動作している際に接続点Aの電位が盗難防止閾値Vthよりも小さくなることを防止することができる。したがって、マイコン18の誤判定を防止することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1、第2実施形態では、レギュレータ2とイグニッションスイッチ3との間の配線22がオープンにされた場合について説明したが、本実施形態では+B端子7とAT端子8とが直結、すなわち短絡された場合に盗難防止を図るものについて説明する。
図4は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。図4に示される点火制御システムの点火装置4は、図1に示される+B端子7、AT端子8、IG+端子9、第1ダイオード10、第2ダイオード11、第1コンデンサ12、第2コンデンサ13、第3抵抗16、定電圧IC17、マイコン18、駆動用トランジスタ19、点火用トランジスタ20、IG端子21に加え、第4抵抗24、盗難防止用トランジスタ25、ツェナーダイオード26を備えている。
AT端子8とIG端子21との間に第1ダイオード10、ツェナーダイオード26、盗難防止用トランジスタ25、点火用トランジスタ20が接続されている。ツェナーダイオード26のアノードは盗難防止用トランジスタ25のベースに接続され、ツェナーダイオード26のカソードは第1ダイオード10のカソードに接続されている。また、盗難防止用トランジスタ25のエミッタに、点火用トランジスタ20のベースが接続されている。
第1ダイオード10との間とグランド電位との間には第4抵抗24が接続されている。この第4抵抗24は、ツェナーダイオード26が降伏電圧によってオンしないように、イグニッションスイッチ3の抵抗3cとの分圧を図る役割を果たすものである。
盗難防止用トランジスタ25は、点火用トランジスタ20の駆動を制御するものである。盗難防止用トランジスタ25がオフされると、盗難防止用トランジスタ25と点火用トランジスタ20との間には電流は流れないため、点火用トランジスタ20は駆動用トランジスタ19のオン/オフに従って駆動される。また、盗難防止用トランジスタ25がオンされると、点火用トランジスタ20がオフされるため、エンジン点火が行われないようになっている。
ツェナーダイオード26は、盗難防止用トランジスタ25をオフさせて点火用トランジスタ20によるエンジン点火を可能とするものである。具体的には、イグニッションスイッチ3がオンされてAT端子8にレギュレータ2の出力が印加されたとしても、レギュレータ2の出力がツェナーダイオード26の降伏電圧を超えないならば、ツェナーダイオード26には電流はほとんど流れないため盗難防止用トランジスタ25はオフされる。これにより、点火用トランジスタ20は駆動用トランジスタ19のオン/オフに従って駆動され、イグニッションコイル5によるエンジン点火が行われる。
他方、+B端子7とAT端子8とが直結されてAT端子8の電位が低下し、ツェナーダイオード26に降伏電圧が入力されると、ツェナーダイオード26に電流が流れて盗難防止用トランジスタ25がオンされる。これにより、駆動用トランジスタ19のオン/オフにかかわらず、点火用トランジスタ20がオフされ、イグニッションコイル5によるエンジン点火が行われない。
+B端子7に接続される第2ダイオード11や定電圧IC17等の回路形態については、図1に示されるものと同様である。
次に、図4に示される点火制御システムの点火装置4における盗難防止の作動について、図5を参照して説明する。図5は、+B端子7とAT端子8とが直結される前後の点火装置4の作動を示したタイミングチャートである。
まず、点火装置4の通常動作について説明する。第1実施形態と同様に、イグニッションスイッチ3がオンされる。これにより、レギュレータ2の出力が点火装置4の+B端子7およびAT端子8にそれぞれ入力される。
AT端子8の電位は、ツェナーダイオード26の降伏電圧よりも小さいため、図5に示されるように、ツェナーダイオード26には電流は流れない。このため、盗難防止用トランジスタ25はオフされる。
また、マイコン18では、第1実施形態と同様に、駆動用トランジスタ19の駆動が行われ、点火用トランジスタ20が駆動される。これにより、点火プラグ6にてエンジン点火が行われる。
上記のように通常動作が行われる中、図5に示される時点T2にて、+B端子7とAT端子8とが直結されると、AT端子8の電位が低下するため、ツェナーダイオード26に降伏電圧が印加されてツェナーダイオード26に電流が流れる。これにより、盗難防止用トランジスタ25のベース電位が上昇し、盗難防止用トランジスタ25がオンされる。これに伴い、マイコン18によって駆動用トランジスタ19が駆動されていたとしても、盗難防止用トランジスタ25によって点火用トランジスタ20が強制的にオフされる。したがって、イグニッションコイル5によるエンジン点火は行われず、盗難防止が正常に機能する。
上記の盗難防止の作動は、図4に示される点火制御システムに車載バッテリが接続されている状態であっても、バッテリレスの状態であっても、いずれの場合にも行われる。
以上説明したように、本実施形態では、ツェナーダイオード26および盗難防止用トランジスタ25を用いて、+B端子7とAT端子8とが直結された際にツェナーダイオード26に電流を流して盗難防止用トランジスタ25をオンすることで、点火用トランジスタ20を強制的にオフすることが特徴となっている。
このように、本実施形態においても、AT端子の電位のみに基づいて、点火用トランジスタ20をオフさせることができるため、バッテリレス時であっても、盗難防止機能を正常に動作させることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、マイコン18を用いたソフト的な盗難防止について説明し、第3実施形態ではツェナーダイオード26および盗難防止用トランジスタ25を用いたハード的な盗難防止について説明したが、第1実施形態で示された点火装置4と第3実施形態で示された点火装置4とを組み合わせることも可能である。
図6は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。この図に示されるように、第1ダイオード10と第1抵抗14との間にツェナーダイオード26のカソードが接続される。また、ツェナーダイオード26のアノードに盗難防止用トランジスタ25のベースが接続され、盗難防止用トランジスタ25のエミッタが点火用トランジスタ20のベースに接続される。
このような構成によると、レギュレータ2とイグニッションスイッチ3との間の配線22がオープンにされた場合、+B端子7とAT端子8とが直結された場合のいずれの場合についても盗難防止を図ることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図7は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。本実施形態では、図6に示される点火装置4に第2実施形態で示された第3ダイオード23を採用したことが特徴となっている。これにより、接続点Aの電位を第3ダイオード23の順方向電圧分だけかさ上げすることができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第3実施形態では、述べたように、+B端子7とAT端子8とが直結され、AT端子8の電位が低下して降伏電圧を超えると、ツェナーダイオード26が動作して盗難防止用トランジスタ25がオンされる。
しかし、AT端子8の電位がツェナーダイオード26の降伏電圧付近の値である場合、ツェナーダイオード26に電流が断続的に流れる。このようなツェナーダイオード26の動作に伴って、盗難防止用トランジスタ25はツェナーダイオード26の動作に同期して断続的にオン/オフを繰り返す。これにより、エンジンにて早期点火が発生し、点火時期のハンチング状態(過進角状態)となり、エンジンにダメージを起こす可能性がある。
そこで、本実施形態では、盗難防止用トランジスタ25に流れる電流をモニタすることで、盗難防止用トランジスタ25の断続的な動作を防止することにより、エンジンにて早期点火を防止することが特徴となっている。
図8は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。図8に示される点火制御システムの点火装置4は、図4に示される+B端子7、AT端子8、IG+端子9、第1ダイオード10、第2ダイオード11、第1コンデンサ12、第2コンデンサ13、第3抵抗16、定電圧IC17、マイコン18、駆動用トランジスタ19、点火用トランジスタ20、IG端子21、第4抵抗24、盗難防止用トランジスタ25、ツェナーダイオード26に電流検出用抵抗27を加えた構成になっている。
電流検出用抵抗27は、定電圧IC17と盗難防止用トランジスタ25のコレクタとの間に接続されている。そして、電流検出用抵抗27と盗難防止用トランジスタ25のコレクタとの接続点をBとすると、当該接続点Bの電位がマイコン18に入力される。
マイコン18は、電流検出用抵抗27と盗難防止用トランジスタ25のコレクタとの接続点Bの電位に対する盗難防止閾値Vth’を有しており、接続点Bと盗難防止閾値Vth’とを比較して盗難の有無を判定する。接続点Bの電位が盗難防止閾値Vth’よりも高い場合、マイコン18は通常の点火動作を行う一方、接続点Bの電位が盗難防止閾値Vth’よりも低い場合、マイコン18は盗難に遭っていると判定して、エンジン始動させない盗難防止動作を行う。
また、本実施形態では、第3実施形態と異なり、盗難防止用トランジスタ25のコレクタと点火用トランジスタ20のゲートとは接続されていない。他の接続形態については、図4に示されるものと同じになっている。
次に、図8に示される点火制御システムの点火装置4における盗難防止の作動について、図9を参照して説明する。図9は、+B端子7とAT端子8とが直結される前後の点火装置4の作動を示したタイミングチャートである。
まず、第3実施形態と同様に、イグニッションスイッチ3がオンされると、レギュレータ2の出力が点火装置4の+B端子7およびAT端子8にそれぞれ入力される。AT端子8の電位は、ツェナーダイオード26の降伏電圧を超えないため、ツェナーダイオード26に電流は流れない。したがって、盗難防止用トランジスタ25はオフされる。
盗難防止用トランジスタ25がオフになっているので、電流検出用抵抗27に電流は流れない。したがって、接続点Bの電位は、図5に示されるように、盗難防止閾値Vth’よりも大きい一定電圧になっている。これにより、マイコン18では盗難に遭っていないと判定される。そして、マイコン18によって駆動用トランジスタ19の駆動が行われると共に、点火用トランジスタ20が駆動され、点火プラグ6にて通常のエンジン点火が行われる。
上記のように通常動作が行われる中、図9に示される時点T3にて、+B端子7とAT端子8とが直結されると、AT端子8の電位が低下するため、AT端子8の電位がツェナーダイオード26に降伏電圧を超えるとツェナーダイオード26に電流が流れる。これにより、盗難防止用トランジスタ25のベース電位が上昇し、盗難防止用トランジスタ25がオンされる。
ここで、AT端子8の電位がツェナーダイオード26の降伏電圧付近の値であり、ツェナーダイオード26に電流が断続的に流れたとしても、盗難防止用トランジスタ25はツェナーダイオード26の動作に同期して断続的ではあるがオン/オフを繰り返す。すなわち、盗難防止用トランジスタ25がオンになれば、電流検出用抵抗27に電流が流れるため、図9に示されるように、接続点Bの電位が盗難防止閾値Vth’よりも低くなる。
これにより、マイコン18では、盗難に遭っていると判定される。そして、図9に示されるように、時点T3の後、マイコン18によって駆動用トランジスタ19がオンされ続けることで、点火用トランジスタ20がオフされ続ける。したがって、点火プラグ6にて点火が行われず、盗難防止が図られる。
以上説明したように、+B端子7とAT端子8とが直結された場合に、AT端子8の電位がツェナーダイオード26の降伏電圧付近の値になって盗難防止用トランジスタ25が断続的にオン/オフを繰り返すことになっても、電流検出用抵抗27に流れる電流を接続点Bの電位でモニタすることで、盗難防止用トランジスタ25がオンになったことを確実に判定することができる。これにより、点火用トランジスタ20をオフすることができるので、エンジンで早期点火が発生しないようにすることができ、ひいてはエンジンにダメージが起こらないようにすることができる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第4、第6実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、マイコン18を用いたソフト的な盗難防止機能と、ツェナーダイオード26および盗難防止用トランジスタ25を用いたハード的な盗難防止機能とを備えたものに、第6実施形態で示されたエンジンの早期点火を防止する機能を追加した形態になっている。
図10は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。図10に示される回路形態は、図6に示される回路形態に対して、定電圧IC17と盗難防止用トランジスタ25のコレクタとの間に電流検出用抵抗27が接続され、電流検出用抵抗27と盗難防止用トランジスタ25のコレクタとの接続点Bの電位がマイコン18に入力されるようになっている。また、盗難防止用トランジスタ25のコレクタと点火用トランジスタ20のゲートとは接続されていない。
このような構成により、レギュレータ2とイグニッションスイッチ3との間の配線22がオープンにされた場合、+B端子7とAT端子8とが直結された場合のいずれの場合についても盗難防止を図ることができる。さらに、+B端子7とAT端子8とが直結された場合については、AT端子8の電位がツェナーダイオード26の降伏電圧付近の値になって盗難防止用トランジスタ25が断続的にオン/オフを繰り返すことになっても、接続点Bの電位と盗難防止閾値Vth’との比較によって点火用トランジスタ20をオフすることができる。これにより、エンジンでの早期点火の発生を防止し、エンジンへのダメージを回避することができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、第7実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図11は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。本実施形態では、図10に示される点火装置4に第2、第5実施形態で示された第3ダイオード23を採用したことが特徴となっている。これにより、接続点Aの電位を第3ダイオード23の順方向電圧分だけかさ上げすることができる。
(第9実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図12は、本実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。図12に示される回路形態は、図4に示される回路形態に対して、レギュレータ2とイグニッションスイッチ3との間とグランドとの間にバッテリ28が接続されたものになっている。バッテリ28に基づく電圧は、ツェナーダイオード26の降伏電圧よりも高くなっている。
このように、点火制御システムにバッテリ28が備えられた状態では、イグニッションスイッチ3がオンされると、+B端子7およびAT端子8にはレギュレータ2やバッテリ28に基づく電圧が印加される。
次に、図12に示される点火制御システムの点火装置4における盗難防止の作動について、図13を参照して説明する。図13は、+B端子7とAT端子8とが直結される前後のツェナーダイオード26のカソード側電位およびアノード側電位のタイミングチャートである。図13では、点火制御システムにバッテリ28が接続された場合と接続されていない場合とについてそれぞれ示されている。
まず、本実施形態に係る点火装置4の通常動作については、第3実施形態と同様である。すなわち、イグニッションスイッチ3がオンされることで、レギュレータ2の出力が点火装置4の+B端子7およびAT端子8にそれぞれ入力される。
このため、AT端子8の電位はレギュレータ2の出力に基づく電位となり、ツェナーダイオード26の降伏電圧よりも小さくなることはない。したがって、ツェナーダイオード26に電流は流れず、盗難防止用トランジスタ25はオフになる。
また、マイコン18により駆動用トランジスタ19の駆動が行われることで、点火用トランジスタ20が駆動される。こうして、点火プラグ6にてエンジン点火が行われる。
ここで、図13に示される時点T4にて、イグニッションスイッチ3がオンされ、+B端子7とAT端子8とが直結されたとする。この場合、イグニッションスイッチ3の第1スイッチ3aがオンしているので、+B端子にバッテリ28の電圧が印加され、直結によって+B端子7に印加されたバッテリ28に基づく電圧がAT端子8にも印加される。このため、図13に示されるように、ツェナーダイオード26のカソード側電位およびアノード側電位は、+B端子7とAT端子8とが直結された時点T4から上昇する。
なお、点火制御システムにバッテリ28が備えられていない場合には、バッテリ28が備えられている場合よりも遅れてツェナーダイオード26のカソード側電位およびアノード側電位が上昇する。また、時点T4より前では、ツェナーダイオード26のアノード側電位はバッテリ28が備えられている場合もいない場合も点線で示された波形となる。
そして、時点T5でツェナーダイオード26のアノード側電位が降伏電圧を超える。すなわち、バッテリ28からAT端子8にツェナーダイオード26の降伏電圧が入力される。これにより、ツェナーダイオード26に電流が流れ、盗難防止用トランジスタ25がオンされる。したがって、上述のように駆動用トランジスタ19のオン/オフに関わらず点火用トランジスタ20がオフし、イグニションコイル5によるエンジン点火は行われない。
一方、点火制御システムにバッテリ28が備えられていない場合では、ACG端子1に接続された発電機の発電によりレギュレータ2から電圧が印加されることとなる。このため、図13に示されるように、時点T5よりも遅れた時点T6でツェナーダイオード26が機能し、盗難防止が図られる。したがって、点火制御システムにバッテリ28が備えられている場合では、バッテリ28が備えられていない場合よりも短時間で盗難防止を図ることが可能となる。
上記では、バッテリ28の電圧がツェナーダイオード26の降伏電圧よりも大きい場合について説明したが、バッテリ28の機能低下などによってバッテリ28の電圧がツェナーダイオード26の降伏電圧以下になっていても盗難防止が可能である。
すなわち、エンジンが始動することにより発電機が発電を行い、レギュレータ2の出力によってバッテリ28が充電される。このため、+B端子7およびAT端子8の電位は上昇し、ツェナーダイオード26のアノード側電位が降伏電圧以上になったとき、ツェナーダイオード26に電流が流れて盗難防止用トランジスタ25がオンする。
これにより、上述のように、駆動用トランジスタ19のオン/オフに関わらず点火用トランジスタ20がオフし、イグニションコイル5によるエンジン点火は行われない。
以上説明したように、本実施形態では、点火制御システムに備えられたバッテリ28に基づく電圧を積極的に点火装置4に取り入れることで、該バッテリ28に基づく電圧を利用して盗難防止を図ることが特徴となっている。これにより、点火制御システムにバッテリ28が備えられていない場合よりもツェナーダイオード26による盗難判定を短時間で行うことができる。
(他の実施形態)
上記第1、第2、第4、第5、第7、第8実施形態では、AT端子8とグランド電位との間に第1抵抗14および第2抵抗15が直列に接続されているが、第1抵抗14を用いない構成とすることも可能である。つまり、第2抵抗15のハイサイドの電位がマイコン18に入力されない形態であれば良い。しかしながら、第2抵抗15とAT端子8との間の配線抵抗等が存在するため、実質的には第1抵抗14は存在するものとして考えることが妥当である。マイコン18の保護という観点では、第1抵抗14を用いることが好ましい。
上記各実施形態では、マイコン18にて駆動用トランジスタ19を介して点火用トランジスタ20を駆動しているが、マイコン18にて点火用トランジスタ20を直接駆動しても良い。
上記各実施形態では、駆動用トランジスタ19等として、バイポーラ型トランジスタを例に説明したが、他のタイプのトランジスタを採用しても良い。例えば、駆動用トランジスタ19等として、IGBTを採用しても良い。この場合、駆動用トランジスタ19等のベース、コレクタ、エミッタがIGBTのゲート、ドレイン、ソースにそれぞれ相当し、各端子の役割は同じである。
本発明の第1実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 第1実施形態において、配線がオープンにされる前後の点火装置の作動を示したタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 本発明の第3実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 第3実施形態において、+B端子とAT端子とが直結される前後の点火装置の作動を示したタイミングチャートである。 本発明の第4実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 本発明の第5実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 本発明の第6実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 第6実施形態において、+B端子とAT端子とが直結される前後の点火装置の作動を示したタイミングチャートである。 本発明の第7実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 本発明の第8実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 本発明の第9実施形態に係る点火装置を備えた点火制御システムの全体回路図である。 第9実施形態において、+B端子とAT端子とが直結される前後のツェナーダイオードのカソード側電位およびアノード側電位のタイミングチャートである。
符号の説明
2 レギュレータ
3 イグニッションスイッチ
5 イグニッションコイル
7 +B端子
8 AT端子
14 第1抵抗
15 第2抵抗
18 マイコン
20 点火用トランジスタ
22 配線
23 第3ダイオード
25 盗難防止用トランジスタ
26 ツェナーダイオード
27 電流検出用抵抗
28 バッテリ

Claims (7)

  1. イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、
    前記イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、
    前記盗難防止端子(8)とグランド電位との間に直列接続される第1抵抗(14)および第2抵抗(15)と、
    前記イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、
    盗難防止閾値を有し、前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位を入力し、前記イグニッションスイッチ(3)がオンされて前記接続点の電位が前記盗難防止閾値を超える場合、前記点火用トランジスタ(20)をオンさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる一方、前記レギュレータ(2)と前記盗難防止端子(8)との間の配線(22)が切断され、前記接続点の電位が前記盗難防止閾値を超えない場合、前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)とを備えていることを特徴とする点火装置。
  2. イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、
    前記イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、
    前記イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、
    前記イグニッションスイッチ(3)がオンされると、前記点火用トランジスタ(20)を駆動させて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる制御手段(18)と、
    前記点火用トランジスタ(20)の駆動を制御する盗難防止用トランジスタ(25)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のベースと前記盗難防止端子(8)との間に接続され、前記盗難防止用トランジスタ(25)をオフさせて前記点火用トランジスタ(20)によるエンジン点火を可能とするものであり、前記バッテリ端子(7)と前記盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると前記盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせることで前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によるエンジン点火をさせないツェナーダイオード(26)とを備えていることを特徴とする点火装置。
  3. イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、
    前記イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、
    前記盗難防止端子(8)とグランド電位との間に直列接続される第1抵抗(14)および第2抵抗(15)と、
    前記イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、
    盗難防止閾値を有し、前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位を入力し、前記イグニッションスイッチ(3)がオンされて前記接続点の電位が前記盗難防止閾値を超える場合、前記点火用トランジスタ(20)をオンさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる一方、前記レギュレータ(2)と前記盗難防止端子(8)との間の配線(22)が切断され、前記接続点の電位が前記盗難防止閾値を超えない場合、前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)と、
    前記点火用トランジスタ(20)の駆動を制御する盗難防止用トランジスタ(25)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のベースと前記盗難防止端子(8)との間に接続され、前記盗難防止用トランジスタ(25)をオフさせて前記点火用トランジスタ(20)によるエンジン点火を可能とするものであり、前記バッテリ端子(7)と前記盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると前記盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせることで前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によるエンジン点火をさせないツェナーダイオード(26)とを備えていることを特徴とする点火装置。
  4. イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であっ
    て、
    前記イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、
    前記イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、
    盗難防止のために用いられる盗難防止用トランジスタ(25)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタに接続される電流検出用抵抗(27)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のベースと前記盗難防止端子(8)との間に接続され、前記バッテリ端子(7)と前記盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると前記盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせるツェナーダイオード(26)と、
    前記イグニッションスイッチ(3)がオンされると、前記点火用トランジスタ(20)を駆動させて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させるものであり、盗難防止閾値を有し、前記電流検出用抵抗(27)と前記盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位を入力し、前記接続点の電位が前記盗難防止閾値を超えない場合、前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)とを備えていることを特徴とする点火装置。
  5. イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、
    前記イグニッションスイッチ(3)に接続されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、
    前記盗難防止端子(8)とグランド電位との間に直列接続される第1抵抗(14)および第2抵抗(15)と、
    前記イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、
    盗難防止のために用いられる盗難防止用トランジスタ(25)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタに接続される電流検出用抵抗(27)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のベースと前記盗難防止端子(8)との間に接続され、前記バッテリ端子(7)と前記盗難防止端子(8)とが直結されて降伏電圧が入力されると前記盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせるツェナーダイオード(26)と、
    前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位に対する第1盗難防止閾値と、前記電流検出用抵抗(27)と前記盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位に対する第2盗難防止閾値とを有し、前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位を入力し、前記イグニッションスイッチ(3)がオンされて前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位が前記第1盗難防止閾値を超える場合、前記点火用トランジスタ(20)をオンさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させるものであり、前記レギュレータ(2)と前記盗難防止端子(8)との間の配線(22)が切断されることで、前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位が前記第1盗難防止閾値を超えない場合、前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにするか、または、前記電流検出用抵抗(27)と前記盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位を入力し、前記電流検出用抵抗(27)と前記盗難防止用トランジスタ(25)のコレクタとの接続点の電位が前記第2盗難防止閾値を超えない場合、前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させないようにする制御手段(18)とを備えていることを特徴とする点火装置。
  6. 前記第2抵抗(15)と前記グランド電位との間にダイオード(23が接続されており、前記第1抵抗(14)と前記第2抵抗(15)との接続点の電位が前記ダイオード(23)の順方向電圧分上昇させられていることを特徴とする請求項1、3、5のいずれか1つに記載の点火装置。
  7. イグニッションスイッチ(3)がオン/オフされることで、レギュレータ(2)の出力に基づく電圧をイグニッションコイル(5)に印加してエンジン点火を行う点火装置であって、
    前記イグニッションスイッチ(3)に接続され、該イグニッションスイッチ(3)がオンされるとバッテリ(28)に基づく電圧が印加されるバッテリ端子(7)および盗難防止端子(8)と、
    前記イグニッションコイル(5)を駆動する点火用トランジスタ(20)と、
    前記イグニッションスイッチ(3)がオンされると、前記点火用トランジスタ(20)を駆動させて前記イグニッションコイル(5)によってエンジン点火させる制御手段(18)と、
    前記点火用トランジスタ(20)の駆動を制御する盗難防止用トランジスタ(25)と、
    前記盗難防止用トランジスタ(25)のベースと前記盗難防止端子(8)との間に接続され、前記盗難防止用トランジスタ(25)をオフさせて前記点火用トランジスタ(20)によるエンジン点火を可能とするものであり、前記バッテリ端子(7)と前記盗難防止端子(8)とが直結されて前記バッテリ端子(7)に印加された前記バッテリ(28)に基づく電圧が前記盗難防止端子(8)にも印加されることで前記バッテリ(28)から前記盗難防止端子(8)に降伏電圧が入力されると前記盗難防止用トランジスタ(25)をオンさせることで前記点火用トランジスタ(20)をオフさせて前記イグニッションコイル(5)によるエンジン点火をさせないツェナーダイオード(26)とを備えていることを特徴とする点火装置。
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