JP2009150025A - ドラフトローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】処理するスライバの原料(糸種)に関わらず、ドラフト処理時のドラフトローラの溝ピッチに起因する周期斑の発生、及び溝への異物の堆積を防止する。
【解決手段】紡績機100を形成するドラフト装置2に設けられるドラフトローラ(サードローラ22A)であって、ドラフトローラ(サードローラ22A)のローラ面28に軸方向に対して傾きを有した溝部71を具備し、ドラフトローラ(サードローラ22A)の直径をR、ドラフトローラ(サードローラ22A)の溝部71の数をN、溝部71の軸方向に対する傾きをθ、ドラフト装置2により処理されるスライバ10の繊維幅をD、円周率をπとすると、πR/N<Dtanθの関係を有するドラフトローラである。
【選択図】図3

Description

紡績機を形成するドラフト装置に設けられるドラフトローラの技術に関する。
従来、高速紡績機に使用されるドラフト装置には、装置の上流側から下流側に向けて一対のバックローラ、サードローラ、ミドルローラ、及びフロントローラが順次配設されている。各ドラフトローラ対は、駆動源により回転する駆動ローラと、駆動ローラと接触して従動する従動ローラとから構成されている。当該駆動ローラは金属製のローラであり、従動ローラはゴム製のローラである。スライバは駆動ローラ、及び従動ローラにより上下方向から把持されながらドラフト処理される。
ドラフト装置は、ドラフトローラ間の速度差によりスライバを細くするものである。そのため、ドラフトローラの駆動ローラは、繊維を確実に把持するために、ローラ周面に溝が形成されている。
しかしながら、ローラ周面に溝を形成すると、溝の凸部により溝ピッチと同周期の周期斑がスライバに付与される。特に、サードローラの溝により付与される周期斑は、スライバの原料(例えば、綿、合成繊維)、サードローラの溝の数によっては、ミドルローラとフロントローラとの間でドラフト処理される際にスライバとともに引き延ばされる。これにより、処理後のスライバは、数cmピッチの周期斑を有する糸条となる。このような糸条を織物の緯糸に使用すると織物に木目のような模様が生じる等の問題があった。
上記問題は、ドラフトローラのローラ周面に等ピッチで設けられた溝の凸部でスライバが把持され、周期的に引き抜かれることにより、スライバに周期的な斑(周期斑)が付与され、その周期斑の付与されたスライバがドラフト処理によりさらに引き延ばされることで、周期斑も同様に引き延ばされることから起こる。そこで、ドラフトローラのローラ周面に形成させる溝のピッチを不均一とした不等ピッチの溝を形成して、スライバが溝により引き抜かれる周期を変えることで、スライバの周期的な太さ斑を生じさせず、周期斑のない紡績糸を得ることができるドラフトローラが発明されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1のドラフトローラは、溝のピッチを不均一にするため、溝が等ピッチであるドラフトローラと比べ加工に手間、及びコストがかかるという問題点があった。
上述したように、ドラフトローラの溝ピッチに起因する周期斑は、スライバが溝の凸部で把持され、周期的に引き抜かれることにより生じる。そのため、ローラ面に形成する溝の数を増やし、溝の凸部の面を小さくすることで、周期斑の発生を抑えることができる。しかし、溝の数を増やすと溝が細かくなり、溝の断面積が小さくなるため、綿糖・カス等の異物が堆積し易くなる。これにより、ローラへの繊維の巻き付き、把持力が低下し、糸物性の劣化を起こす。そのため、ローラ面に形成する溝の数を増やす一方で、溝の断面積を大きくする必要がある。また、スライバに付与される周期斑は、スライバの原料、サードローラの溝の数によって、発生の頻度に差が生じる。例えば、溝の数が少ない(例えば56個)サードローラを綿に使用した場合には周期斑が生じないが、合成繊維に使用した場合には、周期斑が生じる。さらに、溝への異物の堆積についても、スライバの原料、サードローラの溝の数によって、差が生じる。例えば、溝の数が多い(例えば120個)サードローラを合成繊維に使用した場合には、溝に異物が堆積しないが、綿に使用した場合には、溝に異物が堆積する。そこで、従来のドラフト装置では、周期斑の発生、及び溝への異物の堆積を防止するために、仕掛けるスライバの原料(糸種)に応じて、溝数の異なる数種のドラフトローラを使い分けていた。
しかしながら、上記ドラフト装置は、処理するスライバの原料を変更するごとにスライバに対応したドラフトローラを組替える必要があり、手間がかかるという問題点があった。
特開平3−124820号公報
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、処理するスライバの原料(糸種)に関わらず、ドラフト処理時の溝ピッチに起因する周期斑の発生、及び溝への異物の堆積を防止するドラフトローラを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
第1の発明に係るドラフトローラは、
紡績機を形成するドラフト装置に設けられるドラフトローラであって、
ローラ面に軸方向に対して傾きを有する溝部を具備し、
前記ドラフトローラの直径をR、前記溝部の数をN、前記溝部の軸方向に対する傾きをθ、ドラフト装置により処理されるスライバの繊維幅をD、円周率をπとすると、
πR/N<Dtanθ
の関係を有するものである。
第2の発明に係るドラフトローラは、第1の発明に係るドラフトローラにおいて、
前記溝部の断面積をA(mm)とすると、
0.15<A<0.30
の範囲のものである。
第3の発明に係るドラフトローラは、第1又は第2の発明に係るドラフトローラにおいて、
前記溝部の深さをF(mm)とすると、
0.3<F<0.45
の範囲のものである。
第4の発明に係るドラフトローラは、第1から第3のいずれかの発明に係るドラフトローラにおいて、
前記溝部の底面のローラ周方向の幅をT(mm)とすると、
0.25<T<0.45
の範囲のものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第1発明においては、ドラフトローラを所定の関係(πR/N<Dtanθ)を有するものにすると、スライバの原料(糸種)に関わらず、溝ピッチに起因する周期斑の発生が防止できる。また、スライバの原料(糸種)に関わらず、ドラフトローラの構成を統一することができる。このため、ドラフトローラの加工、及び組替えに手間、コストがかからない。
第2発明においては、ドラフトローラの溝部の断面積を所定の範囲(0.15<A<0.30)にすると、スライバの原料(糸種)に関わらず、溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積を防止できる。
第3発明においては、ドラフトローラの溝部の深さを所定の範囲(0.30<F<0.45)にすると、スライバの原料(糸種)に関わらず、溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積を防止できる。
第4発明においては、ドラフトローラの溝部の底面のローラ周方向の幅を所定の範囲(0.25<T<0.45)にすると、スライバの原料(糸種)に関わらず、溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積を防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る紡績機100について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る紡績機100についての側面断面図である。
紡績機100は、スライバ供給ユニット1と、ドラフト装置2と、空気式の紡績装置3と、糸送り装置4と、糸欠点検出装置5と、巻取装置6と、を具備する。
スライバ供給ユニット1は、原料となるスライバ10と、スライバ10を貯留するスライバケース11と、スライバ10をドラフト装置2へ案内するスライバガイド12と、からなる。
ドラフト装置2は、スライバ10を挟み込んで延伸するドラフトローラ対を四組備えるものである。前記四組のドラフトローラ対は、スライバ10の搬送方向に沿って上流側から下流側に順次配置されるバックローラ対21と、サードローラ対22と、ミドルローラ対23と、フロントローラ対24と、からなる。また、ミドルローラ対23には、皮又は合成ゴム製の無端帯であるエプロンバンド25が巻回されている。前記四組のドラフトローラ対のそれぞれは、図示せぬ駆動源により回転する駆動ローラ(21A、22A、23A、24A)と、駆動ローラと接触して従動する従動ローラ(21B、22B、23B、24B)とで構成されている。駆動ローラ(21A、22A、23A、24A)は、金属製のローラである。従動ローラ(21B、22B、23B、24B)はゴム製のローラである。
駆動ローラ(21A、22A、23A、24A)はそれぞれ異なる速度で回転しており、バックローラ対21、サードローラ対22、ミドルローラ対23、フロントローラ対24の順で駆動ローラの回転速度を速くすることで、各ドラフトローラ対間で速度差を設けている。この各ドラフトローラ対の速度差により、スライバ10を引き延ばす割合であるドラフト比が決まる。ミドルローラ対23、フロントローラ対24間のドラフト比は、バックローラ対21、サードローラ対22間のドラフト比より大きい。そのため、スライバ10は、バックローラ対21、サードローラ対22間で引き延ばされる割合より、ミドルローラ対23、フロントローラ対24間で引き延ばされる割合の方が大きくなる。
紡績装置3は、ドラフト装置2で延伸したスライバ10に旋回気流を作用させることで、糸(結束糸)40を製造する空気式の紡績装置である。
糸送り装置4は、紡績装置3で製造された糸40を巻取装置6へ送り出す装置であり、デリベリローラ41、及びニップローラユニット42を備えている。ニップローラユニット42は、レバー43の一端部にニップローラ44、他端部に回動支軸45を備えている。回動支軸45は、紡績機100のフレームに支持されている。そして、ニップローラ44がデリベリローラ41に対して、接近・離脱可能となるように、回動支軸45周りで回転自在に支持されている。
糸欠点検出装置5は、巻取装置6へ送られる途中の糸40の糸欠点を検出する装置である。糸欠点検出装置5での糸欠点検出情報に基づいて、糸欠点部位が除去され、不良な糸がパッケージ61への巻き取られることを防止する。また、糸欠点検出装置5には、糸欠点の検出に応じて、糸40を切断する図示せぬ切断装置や、糸欠点部位の切除のため一旦切断された糸40の両端を繋ぐ図示せぬ糸継装置が備えられている。
巻取装置6は、紡績装置3で製造された糸40を、ボビン62の軸方向にトラバースして巻き取ってパッケージ61を形成する装置である。パッケージ61あるいはボビン62は、駆動ドラム63の駆動力を受けて回転し、ボビン62に糸40が巻かれてパッケージ61となる。
次に、サードローラ対22の駆動ローラ22A(以下、サードローラ22Aとする)の構成について説明する。図2は、スライバ10とサードローラ22Aの溝29との関係を示す平面図である。図3は、サードローラ22Aの側面図である。図4aは、サードローラ22Aの図3におけるB−B断面図、図4bは、サードローラ22Aの溝29近傍の拡大断面図である。
上述したように、サードローラ22Aにより周期斑が付与されると、その後のドラフト処理により、付与された周期斑はさらに引き延ばされる。そこで、サードローラ22A起因の周期斑を防止する必要がある。図2aに示すように、周期斑は、サードローラ対22に把持されるスライバ10の先端10aがサードローラ22Aの溝29と平行になる状態でドラフト処理された場合に生じる。従って、図2bに示すように、サードローラ22Aの溝29をスライバ10の搬送方向に対して一定の角度θ傾けることで、サードローラ対22に把持されるスライバ10の先端10aがサードローラ22Aの溝29と平行の状態にならないため、サードローラ22A起因の周期斑を防止することができる。以上のことから、サードローラ22Aは以下のような構成となっている。
サードローラ22Aは、軸26と、軸26より大きな直径Rのローラ部27と、が一体的に形成される金属製のローラである。ローラ部27は、ローラ面28に、軸26方向に対して所定の傾きθを有する溝29・29・・・が、等間隔で形成されている。図4に示すように溝29は、凸部70・70と、溝部71と、から構成されている。凸部70は、凸面72と、斜面73・73と、から構成されている。
溝部71は、ローラ面28に等間隔でN個設けられている。溝部71は、軸26方向に対して所定の傾きθを有する。溝部71は、斜面73・73と、底面74と、から構成されている。溝部71は、断面積(図3のB−B断面に対する面積)、すなわち、斜面73・73と、底面74と、凸部70の凸面72から延長した仮想面上の仮想線75と、で囲まれた面積をAmmとする。当該断面の形状は略台形である。溝部71の深さ、すなわち、底面74から仮想線75までの高さをFmmとする。底面74のローラ周方向の幅をTmmとする。
次に、ドラフト装置2でのドラフト処理工程について説明する。図5はドラフト装置2の側面図である。
ドラフト装置2は、スライバ10をバックローラ対21とサードローラ対22との間を通すことで1段階目のドラフトを行う。この時、駆動ローラであるサードローラ22Aの回転速度が、駆動ローラであるバックローラ21Aの回転速度より高速であるため、スライバ10が引き伸ばされる。
ドラフト装置2は、スライバ10をサードローラ対22とミドルローラ対23との間を通すことで2段階目のドラフトを行う。この時、ミドルローラ対23の駆動ローラ23A(以下、ミドルローラ23Aとする)の回転速度が、サードローラ22Aの回転速度より高速であるため、スライバ10がさらに引き伸ばされる。
さらに、ドラフト装置2は、スライバ10をミドルローラ対23とフロントローラ対24との間を通すことで3段階目のドラフトを行う。この時、フロントローラ対24の駆動ローラ24A(以下、フロントローラ24Aとする)の回転速度が、ミドルローラ23Aの回転速度より高速であるため、スライバ10がさらに引き伸ばされる。
次に、従来のサードローラ200を具備したドラフト装置2と、本発明のサードローラ22Aの一実施例であるサードローラ22aを具備したドラフト装置2とで、実際に紡績糸を製造しその糸品質を比較した。図6は、従来のサードローラ200Aを具備したドラフト装置2で処理した際に糸むら試験機で測定したチャート図である。図7は、サードローラ22aを具備したドラフト装置2で処理した際に糸むら試験機で測定したチャート図である。
比較対象として、従来のサードローラ200Aには、直径が25mm、溝部の数が56個、溝部の軸方向に対する傾きθが5°、のローラを、サードローラ22aには、直径が25mm、溝部の数が72個、溝部の軸方向に対する傾きθが10°、のローラをそれぞれ用いた。処理するスライバ10の繊維幅は7.0mmである。ドラフト装置2の処理条件は、サードローラと、ミドルローラとの間のドラフト比(IDR)を1.715、ミドルローラと、フロントローラとの間のドラフト比(MDR)を35、デリベリローラ41の引張度を0.96とした。
スライバ10は溝29の凸部70で把持され引き抜かれる。このため、溝29の幅でスライバ10に付与される周期斑の周期が決まる。従来のサードローラ200Aが付与する周期斑は、直径が25mm、溝部の数が56個であるため、25mm×π/56=1.4mm(π≒3.14)となり、計算上1.4mmの周期性を有する。1.4mmの周期性の周期斑を有するスライバ10が、サードローラ対22とミドルローラ対23との間、及びミドルローラ対23とフロントローラ対24との間でそれぞれドラフト処理がなされることにより、周期斑の周期は長くなる。すなわち、従来のサードローラ200Aが付与する周期斑は、デリベリローラ41通過時には、1.4mm×1.715×35/0.96=87.54mmとなり、計算上約88mmの周期性を持つ。
図6に示すように、糸むら試験機で測定した結果、88mmの位置でピーク88が見られ、計算上の結果と一致した。
一方、サードローラ22aが付与する周期斑は、直径が25mm、溝部の数が72個であるため、25mm×π/72=1.09mm(π≒3.14)となり、計算上1.1mmの周期性を有する。1.1mmの周期性の周期斑を有するスライバ10は、ドラフト処理がなされることにより、デリベリローラ41通過時には、1.09mm×1.715×35/0.96=68mmとなり、計算上約68mmの周期性を持つ。
しかし、図7に示すように、糸むら試験機で測定した結果では、68mmの位置でピークは見られなかった。つまり、サードローラ22aを具備したドラフト装置2においては、スライバ10に周期斑が付与されていないことになる。
このように、一定の要件を満たすサードローラ22Aを使用すれば、溝ピッチに起因する周期斑が発生しない。つまり、サードローラ22Aは、溝29の軸方向に対する傾きを大きく取り、溝29がスライバ10の先端10aと平行にならないようにすれば、溝ピッチに起因する周期斑が発生しない。この周期斑が発生しないための一定の要件とは、サードローラ22Aの直径をR、サードローラ22Aの溝部71の数をN、溝部71の軸方向に対する傾きをθ、ドラフト装置2により処理されるスライバ10の繊維幅をD、円周率をπとすると、πR/N<Dtanθの関係である。サードローラ22Aを所定の関係(πR/N<Dtanθ)を有するものにすると、スライバ10の原料(糸種)に関わらず、溝ピッチに起因する周期斑の発生が防止できる。また、スライバ10の原料(糸種)に関わらず、サードローラ22Aの構成を統一することができる。このため、サードローラ22Aの加工、及び組替えに手間、コストがかからない。
次に、サードローラ22Aの溝29の形状、及びドラフトローラの溝ピッチに起因する周期斑について説明する。ドラフトローラの溝ピッチに起因する周期斑は、ローラ面に溝を形成することにより発生するため、ローラ面に形成する溝部の数を増やすことで周期斑の発生は防止できる。しかし、溝部の数を増やすと必然的に溝部の深さが浅くなるため、綿糖・カス等の異物が堆積し易くなる。これにより、ローラへの繊維の巻き付き、把持力が低下し、糸物性の劣化を起こす。そのため、ローラ面に形成する溝部の数を増やす一方で、溝部の深さを深くする必要がある。
そこで、従来のサードローラ200A、210A、220Aを具備したドラフト装置2と、本発明のサードローラ22Aの一実施例であるサードローラ22aを具備したドラフト装置2とで、実際に紡績糸を製造しサードローラへの異物の堆積度合いを比較した。図8は、従来のサードローラ200A、210A、220A、及びサードローラ22aの形状をまとめた表である。
各サードローラの直径をR(mm)、溝部の数をN(個)、溝部の軸方向に対する傾きをθ(°)、溝部の断面積、すなわち、斜面と、底面と、凸部の凸面から延長した仮想面上の仮想線と、で囲まれた面積をA(mm)、溝部の深さ、すなわち、底面から仮想線までの高さをF(mm)、溝部の底面のローラ周方向の幅をT(mm)、凸部の凸面のローラ周方向の幅をW(mm)とすると、比較対象となるサードローラは以下の値のローラを使用した。
従来のサードローラ200Aは、R=25mm、N=56個、θ=5°、A=0.28mm、F=0.43mm、T=0.40mmである。W=0.50mmである。なお、溝部の断面形状は略台形である。
従来のサードローラ210Aは、R=25mm、N=90個、θ=5°、A=0.07mm、F=0.20mm、T=0.24mmである。W=0.40mmである。なお、溝部の断面形状は略台形である。
従来のサードローラ220Aは、R=25mm、N=120個、θ=5°、A=0.07mm、F=0.21mm、T=0.21mmである。W=0.20mmである。なお、溝部の断面形状は略台形である。
本実施例のサードローラ22aは、R=25mm、N=72個、θ=10°、A=0.175mm、F=0.35mm、T=0.30mmである。W=0.40mmである。なお、溝部の断面形状は略台形である。
処理するスライバ10の繊維幅は7.0mmである。ドラフト装置2の処理条件は、サードローラと、ミドルローラとの間のドラフト比(IDR)を1.715、ミドルローラと、フロントローラとの間のドラフト比(MDR)を35、デリベリローラ41の引張度を0.96とした。
従来のサードローラ200A、210A、220Aを具備したドラフト装置2、及びサードローラ22aを具備したドラフト装置2でスライバ10を上記条件で処理を行うと、サードローラ210A(N=90個、A=0.07mm、F=0.20mm、T=0.24mm)、及びサードローラ220A(N=120個、A=0.07mm、F=0.21mm、T=0.21mm)で処理した場合には、溝部211、221に異物の堆積が見られた。
一方、サードローラ200A(N=56個、A=0.28mm、F=0.43mm、T=0.40mm)、及びサードローラ22a(N=72個、A=0.175mm、F=0.35mm、T=0.30mm)で処理した場合には、溝部201、溝部71に異物の堆積が見られなかった。
このように、一定の要件を満たすサードローラ(200A、22a)を使用すれば、溝部に異物の堆積が見られない。当該一定条件とは、溝部の断面積をA(mm)とすると、断面積Aが0.15<A<0.30の範囲であり、溝部の深さをF(mm)とすると、溝部の深さFが0.3<F<0.45の範囲であり、溝部の底面のローラ周方向の幅をT(mm)とすると、底面の幅Tが0.25<T<0.45の範囲にあることである。
サードローラの溝部の断面積、深さ、底面のローラ周方向の幅を所定の範囲にすることにより、スライバの原料(糸種)に関わらず、溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積を防止できる。また、溝部の断面が台形であることから、溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積を防止できる。
以上のように、サードローラの溝構造がπR/N<Dtanθ(式1)の関係を有する場合には、溝ピッチに起因する周期斑が発生しない。また、サードローラの溝構造が0.15<A<0.30(式2)、0.3<F<0.45(式3)、0.25<T<0.45(式4)の範囲にある場合には、溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積がない。従って、サードローラの溝構造が、式1から式4の関係を満たせば、溝ピッチに起因する周期斑の発生、及び溝部への異物(綿糖、カス等)の堆積を防止することができる。
本発明の実施形態に係る紡績機100についての側面断面図。 スライバ10とサードローラ22Aの溝29との関係を示す平面図。 サードローラ22Aの側面図。 (a)はサードローラ22Aの図3におけるB−B断面図、(b)はサードローラ22Aの溝29近傍の拡大断面図。 ドラフト装置2の側面図。 従来のサードローラ200Aを具備したドラフト装置2で処理した際に糸むら試験機で測定したチャート図。 サードローラ22aを具備したドラフト装置2で処理した際に糸むら試験機で測定したチャート図。 従来のサードローラ200A、210A、220A、及びサードローラ22aの形状を示す表。
符号の説明
2 ドラフト装置
10 スライバ
22A サードローラ
28 ローラ面
71 溝部
74 底面
100 紡績機

Claims (4)

  1. 紡績機を形成するドラフト装置に設けられるドラフトローラであって、
    ローラ面に軸方向に対して傾きを有する溝部を具備し、
    前記ドラフトローラの直径をR、前記溝部の数をN、前記溝部の軸方向に対する傾きをθ、ドラフト装置により処理されるスライバの繊維幅をD、円周率をπとすると、
    πR/N<Dtanθ
    の関係を有することを特徴とするドラフトローラ。
  2. 前記溝部の断面積をAmmとすると、
    0.15<A<0.30
    の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のドラフトローラ。
  3. 前記溝部の深さをFmmとすると、
    0.30<F<0.45
    の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドラフトローラ。
  4. 前記溝部の底面のローラ周方向の幅をTmmとすると、
    0.25<T<0.45
    の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドラフトローラ。
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