JP2009149465A - 定置型水素製造装置の起動方法 - Google Patents

定置型水素製造装置の起動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】定置型水素製造装置の起動時に過大な原料が改質器に流入することを防止し、コーキングなどによる改質触媒の劣化を防止することのできる定置型水素製造装置の起動方法を提供する。
【解決手段】炭化水素系燃料を脱硫する脱硫器3と、脱硫器3により脱硫された炭化水素系燃料を改質触媒の存在下で改質して水素ガスを発生させる改質器4と、を備える定置型水素製造装置1の起動方法であって、改質器4が運転温度に達し、改質器4と脱硫器3とを接続する際に、改質器4の圧力を脱硫器3の圧力よりも高くしておく。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素系燃料を脱硫する脱硫器と、脱硫器により脱硫された炭化水素系燃料から水素ガスを発生させる改質器と、を備える定置型水素製造装置の起動方法に関する。
近年、電気を使用する場所で需要にあわせて発電を行う分散型発電の普及に対する取り組みがなされている。分散型発電では、大規模な発電所で発電して家庭や工場等に送電する従来の集中型発電に比べて、送電ロスの低減、排熱の利用効率の向上等、エネルギーの有効利用が可能となる。そして、分散型発電において、小型であっても効率が落ちず、低コスト化が見込まれる燃料電池が注目されている。
家庭、オフィスビル、工場等に設置される定置型燃料電池システムには、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池などが提案されている。なかでも固体酸化物型燃料電池は比較的高い発電効率が期待されるが、運転温度が高く、耐久性の確保が課題となる。定置型燃料電池システムには耐久性が要求され、例えば、家庭用の燃料電池システムでは4万〜9万時間の累積運転時間に耐え得ることが要求されている。そこで、従来、耐久性を向上させるための提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
燃料電池で発電に用いられる水素は、一般に、炭化水素系燃料を原料として、これを水蒸気と混合して改質触媒の存在下で改質して製造される。ここで、原料に含まれる硫黄分により改質触媒が被毒して劣化するのを防止するため、改質器の前に脱硫器を配置して原料中の硫黄分を許容濃度以下に低下させている。特許文献1には、この種の定置型水素製造装置の起動方法が開示されており、水素製造装置の少なくとも起動時又は停止時に、脱硫器から改質器への原料の流入を防止している。
この方法によると、装置の起動時において、改質器の昇温が完了して改質触媒が機能を発揮できる状態になる前に、脱硫器内において一部蒸発した原料が改質器に流入するのを防止することができる。それにより、改質触媒上に原料が付着する問題、及び炭素析出(コーキング)が促進され触媒の性能が急激に劣化する問題を解消でき、耐久性の向上が図られる。
特開2004−51864号公報
上記特許文献1に開示された水素製造装置の起動方法では、改質器の昇温が完了し、改質器への原料の供給を開始する際の操作については言及されていない。その際の脱硫器の圧力は改質器の圧力に比べて高いと考えられ、特に特許文献1に開示された方法では脱硫器での原料の気化を抑制するため脱硫器内を加圧している。そのため、改質器への原料の供給を開始した際に過大な原料が改質器に流入し、コーキングなどの不具合を生じる可能性がある。その対策として、脱硫器を起動する際に低い圧力で起動して改質器に原料を少しずつ供給する方法も考えられるが、この場合、脱硫器で原料の一部が気化するため、原料の供給量が不安定になり、運転が安定しないなどの不具合が考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、定置型水素製造装置の起動時に過大な原料が改質器に流入することを防止し、コーキングなどによる改質触媒の劣化を防止することのできる定置型水素製造装置の起動方法を提供することにある。
上記の目的は、下記(1)〜(2)に記載の定置型水素製造装置の起動方法により達成される。
(1)炭化水素系燃料を脱硫する脱硫器と、前記脱硫器により脱硫された炭化水素系燃料を改質触媒の存在下で改質して水素ガスを発生させる改質器と、を備える定置型水素製造装置の起動方法であって、前記改質器が運転温度に達し、該改質器と前記脱硫器とを接続する際に、該改質器の圧力を該脱硫器の圧力よりも高くしておくことを特徴とする定置型水素製造装置の起動方法。
(2)前記改質器と前記脱硫器とを接続する際に、該改質器の圧力を該脱硫器の圧力よりも0.01〜0.05MPa高くしておくことを特徴とする(1)に記載の定置型水素製造装置の起動方法。
上記構成の定置型水素製造装置の起動方法によれば、装置の起動時において、改質器の昇温が完了し、脱硫器と改質器とを接続して改質器への炭化水素系燃料の供給を開始する際、改質器の圧力が脱硫器の圧力に比べて高くなっているため、改質器に炭化水素系燃料が過大に流入することがなく、その後、相対的に改質器の圧力を徐々に降圧させて、所定量の原料を供給することができる。それにより、改質触媒のコーキングを防止し、改質触媒の劣化を防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る起動方法が適用される定置型水素製造装置の概略構成を示す模式図、図2は図1の改質器の縦断面図、図3は図1の改質器の横断面図、図4は本発明に係る定置型水素製造装置の起動方法のフロー図である。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(水素製造装置の概要)
図1に示すように、水素製造装置1は、原料タンク2、脱硫器3、改質器4、シフト反応器5、PSA(Pressure Swing Adsorption)6を主な構成要素としている。
原料としては、たとえば、LPG、ナフサ,ガソリン,灯油,軽油などの炭化水素系燃料が使用可能である。
(脱硫器)
炭化水素系燃料を用いて水素を製造する場合、一般に改質触媒の存在下で水蒸気改質する方法が用いられる。改質触媒としては、例えば、Al,SiO,TiO及びZrOから選ばれる少なくとも1種以上の担体成分に、Ru,Rh,Pd,Pt及びNiから選ばれる少なくとも1種以上の活性金属が、担持もしくは共沈などの手法により調製された触媒を使用することができる。また、原料や反応条件によってはアルカリ金属であるLi,Na,K,Rb,Csの酸化物や、アルカリ土類金属であるBe,Mg,Ca,Sr,Baの酸化物が添加されていてもよい。
ところで、炭化水素系燃料には一般に硫黄分が含有されており、炭化水素系燃料中の硫黄分により改質触媒が被毒する。これは、改質触媒に用いられるNiやRuといった活性金属の硫黄に対する耐性が低いためである。
そこで、炭化水素系燃料に硫黄分が含有されている場合、あらかじめ炭化水素系燃料に脱硫処理を施し、硫黄分含有量を100質量ppb以下、好ましくは50質量ppb以下とする。脱硫器3は、炭化水素系燃料、とりわけ灯油などの重質炭化水素を、脱硫器入口圧力が0.3〜0.95MPa、脱硫床温度が190〜225℃の反応条件でNi‐Cu系脱硫剤や、Ni−Zn系脱硫剤を用いて脱硫するものである。反応温度を確保する方法としては、炭化水素系燃料を脱硫器3に入れる前に加熱する方法や、脱硫床を電気トレースなどで外部から加熱する方法や、それらの併用などが有効である。
(改質器)
本発明に係る定置型水素製造用改質器の一実施形態である改質器4は、炭化水素系燃料と水蒸気とを混合した原料ガスを改質触媒の存在下で改質する反応器である。炭化水素系燃料と水蒸気との混合は、水蒸気/炭素比(以下、S/C比と記す)で2.0〜6.0mol/molである。炭化水素の水蒸気改質反応において、改質触媒への炭素析出を抑制する有効な方法としては、水蒸気改質反応時のS/C比を高くする方法があるが、運転操作が煩雑になるほか、水蒸気原単位(製品単位量当たりの水蒸気使用量)が増加するため、好ましくは2.5〜4.0mol/molである。尚、原料ガスには、さらに酸素を添加してもよい。
図2および図3に示すように、本実施形態の改質器4は、原料ガスを流通させる複数の反応管11と、これらの反応管11を収容し、これらの反応管11を加熱する燃焼ガスを流通させるシェル12と、を備えている。
シェル12は、円筒状に成形されており、その内部空間は、隔壁13により燃焼ガスを流通させる燃焼室14と、原料ガスの導入・導出部であるチャンネル部15とに軸方向に2分されている。さらに、チャンネル部15は、隔壁16により入口側チャンネル部15aと、出口側チャンネル部15bとに径方向に2分されている。
各反応管11は、略U字型に成形されており、その両端部を隔壁13により保持されてシェル12の内部空間に収容されている。各反応管11は、一方の端部開口を入口側チャンネル部15aに、他方の端部開口を出口側チャンネル部15bにそれぞれ位置させ、そして、両端部開口に連なるストレート部11a,11bおよび両ストレート部11a,11bを繋ぐベント部11cを燃焼室14に位置させている。U字型で上記のように保持された反応管11は、熱膨張に対して自由であり、また、これを保持する部材(隔壁13)も1つで足りるためコストが安いという利点がある。
原料ガスは、原料ガス入口(以後、単に改質器入口と言う場合もある)17から入口側チャンネル部15aに導入され、各反応管11に分散して流入する。詳細は後述するが、各反応管11のストレート部11a,11bには改質触媒が充填されており、原料ガスは、各反応管11で改質され、改質ガスは出口側チャンネル部15bで合流して該出口側チャンネル部15bに設けられた改質ガス出口(以後、単に改質器出口と言う場合もある)18から導出され、次の工程に送られる。
燃焼ガスは、隔壁13の近傍で出口側チャンネル部15bと同一側に設けられている燃焼ガス入口19から燃焼室14に導入され、隔壁13の近傍で入口側チャンネル部15aと同一側に設けられている燃焼ガス出口20から排出される。燃焼室14には、隔壁13から軸方向に伸び、内部に収容されている反応管11のベント部11cの近傍に達する仕切り板21が設けられており、燃焼ガスは、この仕切り板21により、反応管11に沿って該反応管11の出口側から入口側に向けて燃焼室14を流通する。
燃焼ガスは、反応管11の出口側から入口側に向けて燃焼室14を流通する過程で反応管11およびその内部の改質触媒や原料ガスに熱を供給し、反応管11の入口側に向けて次第に温度が低くなる。典型的には、燃焼ガス入口19で略950℃であり、燃焼ガス出口20で略600℃である。他方、反応管11およびその内部の改質触媒や原料ガスの温度分布は、反応管11の出口側に向けて次第に高くなる。典型的には、反応管11の入口で400〜500℃であり、出口で750〜820℃である。そこで、反応管11には、活性温度の異なる複数種の改質触媒が、反応管11の入口側から出口側に向けて活性温度が順次高くなるように充填されている。このように、反応管11の各部に適した触媒を充填することで改質効率を高めることが可能となる。
本実施形態の改質器4では、高温活性触媒と低温活性触媒の2種の改質触媒を用い、反応管11の入口側に低温活性触媒を、出口側に高温活性触媒を充填している。高温活性触媒としては、例えば、アルミナ担体に活性金属としてRuを担持し、表面積が5〜10m/gである改質触媒が好ましい。かかる高温活性触媒は、650℃以上での改質活性に優れる。また、低温活性触媒としては、例えば、アルミナ担体に活性金属としてRuを担持し、表面積が30〜90m/gである改質触媒が好ましい。かかる低温活性触媒は、650℃以下での改質活性に優れる。なお、上記の表面積の値は窒素吸着によるBET法により測定される値とする。
高温活性触媒と低温活性触媒との充填比率は1/1〜3/1であり、好ましくは1/1〜2/1である。低温活性触媒の改質活性は高温活性触媒よりも高いが、充填比率を1/1より小さくすると、低温活性触媒の充填量が多くなり、その一部は高温域で使用されることになって劣化する。尚、この対応として、低温活性触媒を充填している範囲の温度を低温活性触媒の活性温度に合わせように触媒床温度を全体的に下げると、平衡反応のため改質ガス中のメタン濃度が増加し水素製造量が低下する。他方、充填比率を3/1より高くすると、高温活性触媒よりも改質活性の高い低温活性触媒の充填量が少なくなり、系全体での改質活性が低下して十分な改質反応ができなくなる。
本実施形態の改質器4では、反応管11のベント部11cに、不活性な(改質触媒としての機能がない)充填物、具体的にはセラミックボール、ラシヒリング、メタルスポンジ、メタルワイヤエレメントなどが充填している。装置の起動/停止に伴う温度変動によりU字型の反応管11は膨張/収縮を繰り返すが、膨張/収縮の影響を強く受けるベント部11cに改質触媒を充填した場合、その部分で改質触媒が圧壊して紛化し、差圧の発生、ひいては閉塞を招く恐れがあるためである。充填物として特に好ましいのは、金属性のワイヤーをループ状に結ったメタルワイヤエレメントである。改質触媒よりも硬いものを充填した場合、反応管11の変形につながる可能性があるが、このメタルワイヤエレメントは、空隙率が大きいため、柔軟性に富み、さらに圧力損失が小さく取り扱いも容易である。
(シフト反応器)
シフト反応器5は、改質器4から導出された改質ガス中に含まれる一酸化炭素をシフト反応触媒の存在下で水蒸気と反応させ、二酸化炭素と水素に変換する。反応温度は反応器入口が330〜350℃、反応器出口が380〜400℃、反応圧力は880kPa程度であり、シフト反応触媒には、一般にFe,Crの酸化物が使用される。このシフト反応により、改質ガス中の一酸化炭素濃度は2.5mol%程度まで低下する。
(PSA)
PSA装置6は、改質ガス中の不純物を吸着除去し、水素ガスを高純度に精製するものであって、吸着塔には通常、活性アルミナ、活性炭又はモリキュラーシーブなどの吸着剤が充填されている。PSA法は公知の方法であり、例えば4つの塔が交互に吸着(運転)/再生を繰り返し、すなわち、吸着→均圧→パージ→ブローダウン→パージ→均圧→昇圧→吸着を繰り返し、連続的にガスを分離精製する。
次に、図1および図4を参照して、上記のとおり構成された水素製造装置1の起動方法を説明する。尚、図中の破線は伝熱経路を示す。
(水素製造装置起動準備)
水素製造装置1の起動にあたり、脱硫器3で脱硫された炭化水素系燃料を原料タンク2に戻すバイパス配管のバルブAを開けるとともに、脱硫器3から改質器4へ向かう配管のバルブBを閉じ、脱硫器3と改質器4とを切り離した状態にしておく(ステップS1)。そして、脱硫器3に供給する炭化水素系燃料を予熱する予熱器7から脱硫器3に向う配管のバルブCも開け、炭化水素系燃料のルートを原料タンク2→予熱器7→脱硫器3→原料タンク2のルートに設定する。脱硫器3よりも下流の系では、PSA6の入口のバルブDを閉めるとともに、フレアーに向う配管のバルブEを開け、起動用に送り込まれる水素のルートを、改質器4→シフト反応器5→フレアーのルートに設定する。
(脱硫器起動)
電気トレースにより脱硫器3の入口温度を200〜250℃まで略10℃/minで昇温させる(ステップS2)。脱硫器3の入口温度が200℃になるまでは、バルブAおよびバルブCを閉め、予熱器7で予熱された炭化水素系燃料を、脱硫器3を経ずに原料タンク2に戻す(ステップS3)。尚、予熱器7の熱源としては改質器4の燃焼排ガスの熱を使用する。脱硫器3の入口温度が200〜250℃に達したら、バルブAおよびバルブCを開け、脱硫器3へ炭化水素系燃料を供給する(ステップS4)。脱硫器3と改質器4とを接続するまでは、脱硫器3で脱硫された炭化水素系燃料は原料タンク2へ戻す(ステップS5)。
(改質器起動)
改質器4に設置されているバーナーを点火し、高温の燃焼ガスで反応管11の触媒床を昇温させる。本実施形態では、反応管11の触媒床の昇温を、スタートアップ工程と、改質反応準備工程との2段階で行う。
(スタートアップ工程)
バーナー点火後、反応管11の出口温度が600〜650℃になるまで略5℃/minの速度で昇温させ、反応管11の出口温度が600〜650℃に達した後は、反応管11の入口温度が350〜380℃になるまで、バーナーを調節して出口温度を600〜650℃に維持する(ステップS6)。本実施形態の改質器4は、上述のとおり燃焼ガスを反応管11の出口側から入口側に向けて流通させており、入口側では燃焼ガスの温度が低下している。そのため、反応管11の入口側の昇温は出口側の昇温に比べて遅れる傾向にある。反応管11の入口側の昇温を早めるため、バーナー温度を上げて加熱した場合、低温活性触媒の耐熱温度を超える可能性がある。本発明では、反応管11の出口寄りの低温活性触媒が、その耐熱温度を超えた高温に晒されることを防止するため、出口温度で温度制御を行っている。
(改質反応準備工程)
反応管11の入口温度が350〜380℃に達した後、改質器4への水蒸気の供給を開始し(ステップS7)、さらなる昇温を行う(ステップS8)。水蒸気は、純水を蒸発器8で蒸発させて製造する。蒸発器8の熱源としては改質器4の燃焼排ガスの熱を使用する。改質器4への水蒸気の供給を開始したら、改質器4の圧力を0.4〜0.6MPaまで昇圧させる。この時点では脱硫器3の圧力と同等であっても良い。そして、反応管11の出口温度を700〜750℃になるまで10℃/minの速度で昇温させ、出口側の高温活性触媒の温度をその活性温度もしくはその近傍まで上げる。反応管11の出口温度が700〜750℃に達した後は、出口温度を700〜750℃に維持し、入口側の低温活性触媒の温度をその活性温度もしくはその近傍まで上げるように反応管11の入口温度を400〜450℃に昇温させる。尚、改質器4に炭化水素系燃料が供給されていない状態では改質反応による吸熱がないため、入口温度を450℃以上とすると低温活性触媒が耐熱温度を越えた高温に晒されることとなり、シンタリング等の問題が発生する可能性がある。
(脱硫器と改質器との接続)
反応管11の入口温度が400〜450℃、出口温度が700〜750℃に達したら、脱硫器3と改質器4とを接続する(ステップS10)。このとき、改質器4の入口圧力は、脱硫器3の出口圧力よりも0.01〜0.05MPa高くしておく(ステップS9)。尚、0.05MPaを超えて高くすると、改質器4の脱圧に比較的長時間を要するので好ましくない。このように改質器4の圧力を脱硫器3よりも高く設定することで、過大な量の炭化水素系燃料が改質器4に流れ込むことを確実に防止し、改質触媒のコーキングを防止することが可能となる。
(改質器への原料供給開始)
バルブEの開度を調整し、改質器4の圧力を徐々に下げ、脱硫器3から改質器4に炭化水素系燃料が流れるように圧力調整を行い(ステップS11)、改質器4に原料ガスを供給する(ステップS12)。脱硫された炭化水素系燃料が改質器4に供給されると、吸熱反応により触媒床の温度が低下するため、バーナーの燃焼量を調整して反応温度を保持する。
(改質器運転調整)
運転が安定した状態で、反応管11の入口温度を500℃、出口温度が750℃となるよう昇温を行う。その後、バルブEを閉めるとともに、PSA6へ向うバルブDを開け、PSA6へ改質ガスを供給する。
以上、説明したように、本実施形態の定置型水素製造装置の起動方法によれば、装置の起動時において、改質器4の昇温が完了し、脱硫器3と改質器4とを接続して改質器4への炭化水素系燃料の供給を開始する際、改質器4の圧力が脱硫器3の圧力に比べて高くなっているため、改質器4に炭化水素系燃料が過大に流入することがなく、その後、相対的に改質器4の圧力を徐々に降圧させて、所定量の原料を供給することができる。それにより、改質触媒のコーキングを防止し、改質触媒の劣化を防止することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る起動方法が適用される定置型水素製造装置の概略構成を示す模式図である。 図1の改質器の縦断面図である。 図1の改質器の横断面図である。 本発明に係る定置型水素製造装置の起動方法のフロー図である。
符号の説明
1 水素製造装置
2 原料タンク
3 脱硫器
4 改質器
5 シフト反応装置
6 PSA装置
7 予熱器
8 蒸発器
11 反応管
12 シェル
13 隔壁
14 燃焼室
15 チャンネル部
15a 入口側チャンネル部
15b 出口側チャンネル部
16 隔壁
17 原料ガス導入口
18 改質ガス導出口
19 燃焼ガス導入口
20 燃焼ガス排出口
21 仕切り板
A バルブ
B バルブ
C バルブ
D バルブ
E バルブ

Claims (2)

  1. 炭化水素系燃料を脱硫する脱硫器と、
    前記脱硫器により脱硫された炭化水素系燃料を改質触媒の存在下で改質して水素ガスを発生させる改質器と、
    を備える定置型水素製造装置の起動方法であって、
    前記改質器が運転温度に達し、該改質器と前記脱硫器とを接続する際に、該改質器の圧力を該脱硫器の圧力よりも高くしておくことを特徴とする定置型水素製造装置の起動方法。
  2. 前記改質器と前記脱硫器とを接続する際に、該改質器の圧力を該脱硫器の圧力よりも0.01〜0.05MPa高くしておくことを特徴とする請求項1に記載の定置型水素製造装置の起動方法。
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