JP2009149206A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009149206A
JP2009149206A JP2007328924A JP2007328924A JP2009149206A JP 2009149206 A JP2009149206 A JP 2009149206A JP 2007328924 A JP2007328924 A JP 2007328924A JP 2007328924 A JP2007328924 A JP 2007328924A JP 2009149206 A JP2009149206 A JP 2009149206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
conductive
tire
tread
rim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007328924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4571664B2 (ja
Inventor
Takeshi Kuroki
武 黒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007328924A priority Critical patent/JP4571664B2/ja
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to US12/742,404 priority patent/US20100258227A1/en
Priority to EP08852804A priority patent/EP2230105B1/en
Priority to PCT/JP2008/070679 priority patent/WO2009066605A1/ja
Priority to CN201210004875.XA priority patent/CN102514452B/zh
Priority to KR1020107011869A priority patent/KR101492670B1/ko
Priority to RU2010121232/11A priority patent/RU2471643C2/ru
Priority to BRPI0819368 priority patent/BRPI0819368A2/pt
Priority to CN2008801170159A priority patent/CN101868362B/zh
Publication of JP2009149206A publication Critical patent/JP2009149206A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4571664B2 publication Critical patent/JP4571664B2/ja
Priority to US13/863,788 priority patent/US9370909B2/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/52Unvulcanised treads, e.g. on used tyres; Retreading
    • B29D30/58Applying bands of rubber treads, i.e. applying camel backs
    • B29D30/60Applying bands of rubber treads, i.e. applying camel backs by winding narrow strips
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/52Unvulcanised treads, e.g. on used tyres; Retreading
    • B29D2030/526Unvulcanised treads, e.g. on used tyres; Retreading the tread comprising means for discharging the electrostatic charge, e.g. conductive elements or portions having conductivity higher than the tread rubber

Abstract

【課題】車両の静電気を路面に確実に放電させる。
【解決手段】トレッドゴム2Gの接地面2aに、加硫成形時に金型のベントホールに吸い上げられたスピュー13aを含む隆起物13を有する空気入りタイヤであって、前記トレッドゴム2Gは、前記接地面2aの主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部10と、導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面2aに露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される導通部11とを含むとともに、該導通部11が、前記隆起物13の少なくとも一部を構成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の静電気を路面に放電することが可能な空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
近年、多くのシリカが、空気入りタイヤのトレッドゴムに配合されている。シリカは、タイヤの転がり抵抗を小さくしかつウエットグリップ性を高めるという利点をもたらす。一方、シリカは導電性に劣るため、タイヤの電気抵抗を増加させる。電気抵抗が大きいタイヤは、静電気を車両に蓄積させ、ラジオノイズ等の電波障害を引き起こすおそれがある。
従来、このような静電気の車両への蓄積を防止するために、例えば、図13(a)に示されるようなトレッドゴムaが提案されている。該トレッドゴムaは、タイヤ半径方向内側のベース部bと、そのタイヤ半径方向外側のキャップ部cとを含む2層構造である。ベース部b及びキャップ部cは、タイヤの運動性能等を高めるために、シリカリッチ配合とした非導電性のゴムで構成される。また、ベース部b及びキャップ部cは、それぞれ左右に分断されており、それらの間には、例えばカーボンリッチ配合とした導電性のゴムからなる導通部dが設けられる。
前記導通部dは、例えばタイヤ周方向に連続してのびており、そのタイヤ半径方向の外面は接地面gの一部を構成している。また、導通部dのタイヤ半径方向の内面は、リム組み時にカーカス等を介してリム(いずれも図示省略)と電気的に導通しているトレッド補強コード層fなどに接続される。このようなトレッドゴムaは、車両に蓄積された静電気を、リム、カーカス、トレッド補強コード層f及び導通部dを経由して路面へ放電しうる。
関連する技術としては、次のものがある。
特開平9−71112号公報 特開2000−94542号公報
ところで、前記導通部dを構成するゴムは、キャップ部cのゴムに比べて、転がり抵抗やウエットグリップ性能といった運動性能が劣る傾向がある。このため、タイヤの運動性能を向上させるために、接地面gに表れる前記導通部dの幅wは極力小さいことが望ましい。
しかしながら。導通部dの幅wを小さくすると、図13(b)に拡大して示されるように、加硫成形の際、可塑化したキャップ部cのゴムによって導通部dの表面が覆われてしまい、接地面gに導通部を露出させることができない場合がある。このようなタイヤでは、上述の通電効果が著しく低下するおそれがある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、加硫成形時の金型のベントホールに吸い上げられたスピュー又は金型の分割面に吸い上げられたバリ等の隆起物の少なくとも一部を前記導通部で構成することを基本として、導通部を小型化しつつ通電効果を確実に発揮させ得る空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッドゴムの接地面に、加硫成形時に金型のベントホールに吸い上げられたスピュー、前記スピューを切除したスピュー切除痕及び金型の分割面に吸い上げられたバリのいずれかを含む隆起物を有する空気入りタイヤであって、前記トレッドゴムは、前記接地面の主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部と、導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面に露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される導通部とを含むとともに、該導通部が、前記隆起物の少なくとも一部を構成することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記導通部に含まれる隆起物は、スピュー又はスピュー切除痕であり、かつ、正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態のタイヤに正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させかつ転動させたときに、接地領域内に常時前記隆起物が2つ以上含まれる請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、トレッドゴムを有する空気入りタイヤを製造するための方法であって、前記トレッドゴムを成形するトレッドゴム成形工程と、前記トレッドゴムをトレッド部に具えた生タイヤをベントホールを有する金型を用いて加硫成形する加硫工程とを含み、かつ前記トレッドゴムは、接地面の主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部と、導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面に露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される位置に配された導通部とを含み、しかも前記加硫工程は、前記金型のベントホールに前記接地面に表れる導通部の少なくとも一部を向き合わせて加硫することにより前記導通部の一部を前記ベントホールに吸い上げることを特徴とする。
また請求項4記載の発明は、トレッドゴムを有する空気入りタイヤを製造するための方法であって、前記トレッドゴムを成形するトレッドゴム成形工程と、前記トレッドゴムをトレッド部に具えた生タイヤを分割面を有する金型を用いて加硫成形する加硫工程とを含み、かつ前記トレッドゴムは、接地面の主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部と、導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面に露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される位置に配された導通部とを含み、しかも前記加硫工程は、前記分割面に前記接地面に表れる導通部の少なくとも一部を向き合わせて加硫することにより前記導通部の一部を前記分割面の隙間に吸い上げることを特徴とする。
本明細書において、「導電性」とは、物質が実質的に電気を通す性質を意味し、具体的には体積固有電気抵抗値が1.0×10(Ω・cm)未満の材料が示す性質とする。逆に、「非導電性」とは、物質が実質的に電気を通さない性質を意味し、具体的には体積固有電気抵抗値が1.0×10(Ω・cm)以上の材料が示す性質とする。また、ゴムの体積固有電気抵抗値は、15cm四方かつ厚さ2mmのゴム試料に対し、印加電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件で電気抵抗測定器を用いて測定される。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、導電性のゴムからなる導通部の一部が、スピュー、前記スピューを切除したスピュー切除痕及びバリのいずれかを含む隆起物の少なくとも一部を構成する。これらの隆起物は、いずれも加硫成形時に金型のベントホール又は分割面によって、正規の接地面よりもタイヤ半径方向外側へと吸い上げられることにより形成される。従って、このような隆起物の一部を導通部で構成することにより、例えば幅の細い導通部であっても導電性のゴムを確実に接地面に露出させ得る。よって、本発明の空気入りタイヤは、高い静電気放出効果を発揮しうる。
また、請求項3に記載された本発明の空気入りタイヤの製造方法では、上述の空気入りタイヤを能率良く製造しうる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1の断面図が示される。該空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるトレッド補強コード層7とが設けられている。
前記カーカス6は、例えばラジアル構造の1枚のカーカスプライ6Aから形成される。前記カーカスプライ6Aは、例えば有機繊維コードのカーカスコードを具え、本実施形態ではビードコア5、5間を跨るトロイド状の本体部6aと、その両側に連なりビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返された一対の折返し部6bとを有する。またカーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配されている。
前記トレッド補強コード層7は、金属コードをタイヤ周方向に対して例えば15〜40度の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bを重ねて構成される。必要に応じ、トレッド補強コード層7は、ベルトプライ7Bのタイヤ半径方向外側にタイヤ周方向に実質的に平行に配列された有機繊維コードを具えるバンドプライ(図示省略)などを含むことができる。
前記各カーカスプライ6A及びベルトプライ7A、7Bは、いずれもコードと、これらを被覆するトッピングゴムとからなるタイヤ用プライで構成される。前記トッピングゴムは、充填剤としてカーボンブラックを豊富に含む。このため、各トッピングゴムは、体積固有電気抵抗値が1.0×10(Ω・cm)未満である導電性を有する。
また、カーカス6の外側には、サイドウォール領域でタイヤ外皮をなすサイドウォールゴム3Gが配される。該サイドウォールゴム3Gのタイヤ半径方向の外端は、前記カーカス6とトレッド補強コード層7との間にのびて終端している。またカーカス6の外側かつビード領域には、金属製(導電性)のリムJに装着されたときに該リムJと接触しうるクリンチゴム4Gが配されている。また、クリンチゴム4Gは、前記サイドウォールゴム3Gと接続されている。これらのサイドウォールゴム3G及びクリンチゴム4Gは、充填剤としてカーボンブラックが豊富に含まれているので、体積固有電気抵抗値が1.0×10(Ω・cm)未満である導電性を有する。なお、カーカス6の内側には、空気非透過性に優れたインナーライナゴム12が配されている。
また、前記トレッド補強コード層7のタイヤ半径方向外側には、トレッドゴム2Gが配される。本実施形態のトレッドゴム2Gは、タイヤ半径方向内側に配されかつ非導電性のゴムからなるベース部9と、このべース部9のタイヤ半径方向外側に配されて接地面2aの主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部10と、一端が接地面2aに露出しかつ他端がリム組時にリムJと電気的に導通する導通路に接続された導通部11とを含んで構成される。なお、前記導電路は、この実施形態では、サイドウォールゴム3G及びクリンチゴム4Gによって構成されるが、他の導電材料(カーカス6のトッピングゴムや、トレッド補強コード層7のトッピングゴムなど)を経由した通路でも良いのは言うまでもない。
また、前記トレッド部2の接地面2aとは、タイヤ1を正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態のタイヤに正規荷重を負荷してキャンバー角0度でトレッド部2を平面に接地させたときに該平面と接地する面とする。なお、この接地面の最もタイヤ軸方向外側の位置をトレッド端e1、e2とする。
ここで、前記正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。また、前記正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。さらに、前記正規荷重とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本実施形態において、前記ベース部9及びキャップ部10には、シリカを多く配合したシリカリッチ配合ゴムが用いられる。このようなシリカリッチ配合ゴムは、キャップ部10においてはウエットグリップ性能や耐摩耗性を高め、またベース部9においては発熱や転がり抵抗を低減するなど優れた実車走行性能を発揮しうる。一方、シリカが多量に配合されることにより、ベース部9及びキャップ部10は、いずれも非導電性を示す。
前記ベース部9及びキャップ部10を構成するゴムポリマーには、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)ポリイソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)又はクロロプレンゴム(CR)などを挙げることができ、これらの1種又は2種以上をブレンドして用いることができる。
また、ベース部9及びキャップ部10に配合されるシリカとしては、特に限定はされないが、ゴムへの補強効果及びゴム加工性を高めるために、窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m/gの範囲、かつフタル酸ジブチル(DBP)吸油量が180ml/100g以上のコロイダル特性を示すものが望ましい。
また、シランカップリング剤としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、α−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好適である。なお、低転がり抵抗性とウエットグリップ性とをより高いレベルで両立させるために、ベース部9及びキャップ部10へのシリカの配合量は、ゴムポリマー100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上が望ましく、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下が望ましい。
また、前記ベース部9及びキャップ部10には、シリカのみならず、カーボンブラックを補助的に配合しても良いのは言うまでもない。これは、他のゴム物性、例えばゴム弾性やゴム硬度等を調整するのに役立つ。この場合、カーボンブラックの配合量は、シリカの配合量より少なく、とりわけゴムポリマー100質量部に対して15質量部以下、さらには10質量部以下が望ましい。カーボンブラックの配合量が15質量部を超えると、シリカによる低転がり抵抗性が損なわれる他、ゴムが過度に硬くなる傾向があるため好ましくない。
本実施形態において、ベース部9は、トレッド補強コード層7に重ねて配されており、一方のトレッド端e1側から他方のトレッド端e2側まで途切れることなく連続してのびている。本実施形態のベース部9は、トレッド補強コード層7を完全に覆うように、それよりも大きいタイヤ軸方向の幅を有する。従って、ベース部9のタイヤ軸方向の外端9a、9bは、いずれもトレッド補強コード層7の端部よりもタイヤ軸方向外側にある。なお、ベース部9の各外端9a、9bは先細状をなし、例えばサイドウォールゴム3Gに接続されている。
前記キャップ部10は、本実施形態では、タイヤ軸方向で左右に分割された第1のキャップ部10Aと、第2のキャップ部10Bとから構成される。本実施形態において、第1のキャップ部10Aは、タイヤ赤道Cよりも一方のトレッド端e1側(図1において右側)に配され、第2のキャップ部10Bは、タイヤ赤道Cよりも他方のトレッド端e2側(図1において左側)に配されている。また、各キャップ部10A及び10Bのタイヤ軸方向の外端10Ao及び10Boは、それぞれの側のトレッド端e1又はe2よりもタイヤ軸方向外側、とりわけベース部9の外端9a又は9bよりも外側に設けられる。つまり、前記導通部11を除いて、接地面2aは、第1のキャップ部10A及び第2のキャップ部10Bのタイヤ半径方向の外面によって形成される。これにより、ウエットグリップ性能及び耐摩耗性が向上できる。
また、図2に拡大して示されるように、各キャップ部10A及び10Bは、それぞれのタイヤ軸方向の内端10Ai又は10Biに向かって厚さが漸減するテーパー部Tを具える。第1のキャップ部10Aは、そのタイヤ半径方向外側に傾斜するテーパー外面Taを具える。他方、第2のキャップ部10Bは、そのタイヤ半径方向内側に前記テーパー外面Taに向き合うテーパー内面Tbを具える。そして、これらのテーパー外面Taとテーパー内面Tbとの間には、前記導通部11が配されている。
導通部11は、導電性のゴムで構成される。このようなゴム組成物としては、例えばカーボンリッチ配合のゴム組成物が好適であるが、例えばカーボンに代えて又はカーボンとともに導電性粉体(例えば金属粉)などが配合されたものでも良い。
また、導通部11のタイヤ半径方向外側に位置する一端11aは、接地面2aに露出して設けられる。本実施形態において、導通部11の前記一端11aは、図6(a)及び(b)に示されるように、タイヤ周方向に連続して接地面2aに露出する。従って、導通部11は、タイヤの走行時に、路面と連続して接地できる。また、本実施形態の導通部11は、ほぼタイヤ赤道Cの近傍に設けられているため、直進時のみならず旋回時においても路面と接地することが可能である。
さらに、本実施形態の導通部11は、接地面2aで露出する前記一端11aから第1のキャップ部10Aと第2のキャップ部10Bとの間、即ち前記テーパー外面Taとテーパー内面Tbとの間をタイヤ半径方向内側に斜めにのびるとともに、それらの傾斜に沿って第2のキャップ部10Bとベース部9との間をタイヤ軸方向外側にのびる。そして、図1に示されるように、導通部11の他端11bは、ベース部9の他方の外端9bをさらに外側に超えてサイドウォールゴム3Gに接続されて終端している。従って、本実施形態の空気入りタイヤ1は、リムJに組み付けられたときに、該リムJと、導通部11とは、サイドウォールゴム3G及びクリンチゴム4Gからなる導電路を介して電気的に導通する。なお、導通部11の他端11bは、第2のキャップ部10Bで覆われる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、前記導通部11が、図1及び2に示されるようなスピュー13a、図3に示されるようなスピュー13aを切除したスピュー切除痕13b及び図4(b)に示されるようなバリ13cのいずれかを含む隆起物13の少なくとも一部を構成する。
図5(a)に部分的に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1を成形する金型Mのトレッド成形面Mtには、トレッドゴム2Gとの間に残留する空気を逃がすための小孔からなるベントホールVが複数設けられる。このベントホールVは、通常、外部から真空引きされるため及び/又はブラダーによるトレッドゴム2Gを金型に押し付ける圧力のため、図5(b)に示されるように、可塑化したトレッドゴム2Gの一部は前記ベントホールV内に進入して硬化する。これが、加硫済のトレッドゴム2Gの表面に残存してスピュー13aを形成する。なお、スピュー13aは、トレッドゴム2Gに設けられるトレッド溝以外の位置に設けられている。
そして、このスピュー13aの少なくとも一部を導通部11で構成することにより、例えば、タイヤ軸方向の幅R(図2に示す)が小さい導通部11であってもキャップ部10のゴムで覆われることなく確実に接地面2aに露出させることができる。よって、本実施形態の空気入りタイヤ1は、優れた静電気放出効果を発揮しうる。
また、外観上の理由により、スピュー13aの一部は、トリミング工程によって切除されることがある。このような場合でも、図4に示したように、スピュー切除痕13bは、正規の接地面2a(金型Mのトレッド成形面Mtで成形された部分)よりもタイヤ半径方向外方に僅かに突出するため、導通部11を該スピュー切除痕13bで確実に路面と接地させることができ、ひいては確実な放電効果を発揮しうる。
さらに、図4(b)に示されるように、金型Mは通常複数のセグメントから構成されるが、このセグメントが向き合わせて配された分割面Kには、微小な隙間が形成される。そして、この分割面Kの隙間にもトレッドゴム2Gの一部が進入しかつ硬化することにより同図(b)のようなバリ13cが形成される。従って、このようなバリ13cの一部を前記導通部11で構成することによっても、前記スピュー13aの場合と同様の効果が発揮できる。
なお、隆起物13として最も好ましいのはスピュー13aであるが、該スピュー13aの外径Dが小さすぎると、導電性のゴムを吸い上げる効果が不足するおそれがあり、逆に大きすぎるとタイヤの外観を著しく損ねるおそれがある。このような観点より、スピュー13aの外径Dは、好ましくは0.6mm以上、より好ましくは0.8mm以上が望ましく、また、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下が望ましい。
また、図2及び図6(a)に示されるように、隆起物13としてのスピュー13aは、その全てが導通部11で構成されても良いし、図6(b)に示されるように、スピュー13aの一部のみが導通部11で構成されても良い。後者の場合、スピュー13aによる放電効果をより確実に発揮させるために、下式(1)、より好ましくは下式(2)を満足するように配置することが望ましい。
x≦|R/2+D| …(1)
x<|R/2+D| …(2)
ここで、上記xは、導通部11の中心線CLからスピュー13aの最外側位置までのタイヤ軸方向距離、上記Rは導通部11のタイヤ軸方向の幅、上記Dはスピュー13aの最大外径とする。なお、スピュー13aを導通部11の中心からオフセットして設ける場合、本実施形態では導通部11がタイヤ内部で傾斜しているので、スピュー13aを該傾斜の側(図において左方)にオフセットすることが望ましい。これにより、より多くの導電性ゴムの吸い上げが可能となる点で望ましい。
また、少なくとも一部が導通部11で形成された隆起物13がスピュー13a又はスピュー切除痕13bの場合、前記正規状態のタイヤに正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させかつ転動させたときに、接地領域内に常時前記隆起物13を2つ以上、より好ましくは3つ以上含ませることが望ましい。これにより、さらに確実に車両の静電気を路面に放出させることができる。
以上のような空気入りタイヤでは、車両に蓄積された静電気は、リムJ、クリンチゴム4G、サイドウォールゴム3G及び導通部11を経由して確実に路面に放出される。よって、ラジオノイズ等の不具合が改善される。
また、上記放電効果を十分に発揮させるべく、図2に示されるように、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記導通部11の長手方向と直角な厚さteは、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上が望ましい。同様に、接地面2aで露出する導通部11の前記幅Rは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上が望ましい。他方、導通部11の厚さte又は前記幅Rが大きくなると、トレッドゴム2Gのウエット性能や転がり抵抗といった実車性能が低下するおそれがある。このような観点より、導通部11の厚さteは、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下が望ましい。同様に、導通部11の幅Rも、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、とりわけ2mm以下が望ましい。とりわけ、上記式(2)を満足する場合には、前記幅Rが小さくても十分な効果を発揮させないことができる(後述の実施例9等参照)。
また、前記導通部11は、第1及び第2のキャップ部10A及び10Bに比べて、シリカの配合量が少ないため、耐摩耗性に劣る傾向がある。従って、好ましくは、空気入りタイヤ1に車両への装着の向きを特定するとともに、接地面2aに露出する導通部11の前記一端11aは、図2に仮想線で示されるように、タイヤ赤道Cよりも車両内側寄りに設けられることが望ましい。これにより、旋回時に車両外側のトレッド接地面に発生する大きな横力から導通部11を極力遠ざけることができ、該導通部11の早期の摩耗などを抑制しうる。
また、前記導通部11は、前記一端11aからタイヤ半径方向内側に向かって車両内側へと傾斜してのびることが望ましい。これにより、摩耗につれて接地面に露出する導通部11の一端11aの位置ををさらに車両内側に移動させることができる。なお、車両への装着の向きの特定は、例えば一方のサイドウォール部3には車両内側となる旨の表示(例えば"INSIDE")が表示されるとともに、他方のサイドウォール部3には車両外側となる旨の表示(例えば"OUTSIDE")によって行われる。
また、前記導通部11は、図7に示されるように、小幅かつ小厚さのリボン状のゴムストリップ15を螺旋状に巻き付けられたストリップ積層体で形成されることが望ましい。これによって、前記幅Rの小さい導通部11を能率良く形成することができる。
好ましい実施形態では、トレッドゴム2Gを構成する全ての部材、即ち、ベース部9、キャップ部10及び導通部11が、図7に示した未加硫のゴムストリップ15を螺旋状に巻き付けることにより形成される。なお、前記「未加硫」とは、加硫が完全に終わっていないゴムの状態を指す。従って、予備加硫されているに過ぎないゴムは、未加硫のゴムに含まれる。
前記ゴムストリップ15は、厚さtに比して幅Wが大きい断面矩形のリボン状で形成される。ゴムストリップの幅W及び厚さtは、特に限定されないが、幅Wは5〜50mm及び厚さtは0.5〜3mm程度が望ましい。ゴムストリップの幅Wが5mm未満の場合又は厚さtが0.5mm未満の場合、螺旋状に巻き付ける際に破断し易くなる他、巻回数が著しく増加して生産性が低下するおそれがある。逆に、ゴムストリップの幅Wが50mmを超える場合又は厚さtが3mmを超える場合、螺旋状に巻き重ねて正確な断面形状を作るのが困難な傾向がある。
図8及び図9には、トレッドゴム2Gを成形するトレッドゴム成形工程の一例を時系列的に示す。
トレッドゴム成形工程では、先ず、図8(a)に示されるように、予めトレッド補強コード層7が巻き付けられた円筒状の成形フォーマFの外側に、シリカリッチ配合によって非導電性を示すゴムストリップ15Aを螺旋状に巻き付けることによりベース部9が形成される。具体的には、先ず、一方のトレッド端e1側において、ゴムストリップ15Aの巻き付け始端15Asをトレッド補強コード層7よりもタイヤ軸方向外側の位置で成形フォーマ上に固着した後、該成形フォーマFを回転させるとともにゴムストリップ15を所定の速度で他方のトレッド端e2側へと移動させる、これにより、ゴムストリップ15Aは、成形フォーマF上に螺旋状に巻き付けられる。この際、ゴムストリップ15Aの側縁は互いに重ねて巻き付けることが望ましい。しかる後、成形フォーマFを停止させ、ゴムストリップ15Aの巻付け終端15Aeは、トレッド補強コード層7をタイヤ軸方向外側に超えた位置で成形フォーマF上に固着される。これにより、ベース部9は、トレッド補強コード層7を完全に覆う幅で形成される。なお、ベース部9の厚さ及び/又は断面形状は、ゴムストリップ15の巻き重ね数を調整することで自在に設定できる。
次に、図8(b)に示されるように、べース部9のタイヤ半径方向外側かつ一方のトレッド端e1側に、前記第1のキャップ部10Aが形成される。この段階では、シリカリッチ配合によって非導電性を示すゴムストリップ15Bの巻付け始端15Bsは、ベース部9上でかつ第1のキャップ部10Aの外端10Ao及び内端10Aiのほぼ中間に固着される。そしてゴムストリップ15Bは、タイヤ軸方向外側に向けて螺旋状に巻付けられるとともに、外端10Aoで向きを変えてタイヤ軸方向内側に巻き付けられる。そして、前記巻付け始端15Bsをタイヤ軸方向内側に超えて前記内端10Aiで再度タイヤ軸方向外側へと巻付けの向きを変えて巻付けを終える。なお、ゴムストリップ15Bの巻付け終端15Beは、外端10Ao及び内端10Aiのほぼ中間に止着される。この間、ゴムストリップ15Bは連続している。このような第1のキャップ部10Aは、ゴムストリップ15Bの巻付け始端15Bs及び巻付け終端15Beが、いずれもその両端に表れないので、剥離等の起点となるのが防止される。ただし、ゴムストリップ15Bの巻付け態様は、このような態様に限定されることなく種々変更しうるのは言うまでもない。
次に、図9(a)に示されるように、ベース部9及び第1のキャップ部10のテーパー外面Taの外側に導電性のゴムからなるゴムストリップ15Cを螺旋状に巻き付けることにより、前記導通部11を形成することが行われる。この段階では、例えば第1のキャップ部10Aのテーパー外面Taの最外側に、ゴムストリップ15Cの巻付け始端15Csを固着して該ゴムストリップ15Cを他方のトレッド端e2側へと螺旋状に巻き付けるとともに、ベース部9を外側に超えたフォーマF上に巻付け終端15Ceを固着することにより行われる。なお、ゴムストリップ15Cの巻付けに際しては、好ましくは、本実施形態のようにゴムストリップ15Cの側縁が互いに重なるよう隙間無く巻付けることが望ましい。これにより、より確実な導電経路を形成できる。
しかる後、図9(b)に示されるように、導通部11のタイヤ半径方向外側に、前記第2のキャップ部10Bを形成する段階が行われる。この段階では、先ず、シリカリッチ配合により非導電性を示すゴムストリップ15D(第1のキャップ部10Aのゴムストリップ15Bと同じ配合でも良いのは言うまでもない。)の巻付け始端15Dsをベース部9上かつその外端10Bo及び内端10Biのほぼ中間に固着される。そしてゴムストリップ15Bは、タイヤ軸方向外側へ螺旋状に巻付けられるとともに、外端10Boで向きを変えてタイヤ軸方向内側に巻き付けられる。そして、前記巻付け始端15Dsをタイヤ軸方向内側に超えて前記内端10Biで再度タイヤ軸方向外側へと巻付けの向きを変えて巻付けを終える。ゴムストリップ15Dの巻付け終端15Deは、外端10Bo及び内端10Biのほぼ中間に止着される。
以上のようなトレッドゴム成形工程により、トレッド補強コード層7と一体に形成されたトレッドゴム2Gが形成される。そして、慣例に従い、該トレッドゴム2Gをトロイド状にシェーピングされるカーカス6のトレッド領域に外挿することにより生タイヤが成型される。そして、この生タイヤをベントホールVを有する金型Mを用いて加硫成形する加硫工程が行われる。
前記加硫工程では、図5(a)に示したように、金型MのベントホールVに接地面2aに表れる導通部11の少なくとも一部を向き合うよう位置決めして加硫することにより、この導通部11のゴムの少なくとも一部がスピュー13aを構成するように吸い上げられる。なお、このような位置決めは、予め既知である金型MのベントホールVの位置に基づいて生タイヤの導通部11の位置を定めることで容易に行うことができる。

また、前記加硫工程として、図4(a)に示したように、金型Mの分割面Kに接地面2aに表れる導通部11の少なくとも一部を向き合うよう位置決めして加硫することにより、この導通部11のゴムの少なくとも一部がバリ13cを構成するように吸い上げられる。金型Mの分割面Kの位置も既知であるため、この分割面Kが導通部11に向き合うように配置することにより、該分割面Kの隙間に導通部11のゴムを吸い上げるできる。
図10には、空気入りタイヤの製造方法の他の実施形態が示される。本実施形態では、導通部11が、前記他端11bから前記一端11aまで幅方向に連続するゴムシート17を少なくとも1周巻き付けかつそのタイヤ周方向の両端部をスプライスすることにより形成される態様を示す。ただし、タイヤのユニフォミティを高めるためには、導通部11に、ゴムストリップを用いた方が望ましいのは言うまでもない。なお、この後、導通部11の外側には、第2のキャップ部が配される(図示省略)。
図11には、さらにトレッドゴム2Gの他の実施形態が示される。この実施形態では、ベース部9及びキャップ部10は、ゴム押出機によって押し出しされた押出ゴム19をスプライスすることにより形成されたものを示す。この実施形態では、トレッド補強コード層7の外側にベース部9及び第1のキャップ部10Aの押出ゴム19をそれぞれ巻き付けた後、さらにその外側にリボン状をなす導電性のゴムからなるゴムストリップ15Cを螺旋状に巻き付けて導通部11が形成される。しかる後、第2のキャップ部10Bを構成する押出ゴム19が導通部11の外側に巻き付けてスプライスされる。
なお、上述の各実施形態では、ベース部9がタイヤ軸方向で左右に分断することなく形成されているため、仕上がりタイヤのユニフォミティの悪化を抑制するのにも役立つ。
以上、本発明の空気入りタイヤ及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。例えば、本実施形態では、トレッドゴム2Gが、ベース部9とキャップ部10との2層構造をなすが、1層で構成されても良いし、3層以上で構成されても良い。
表1に示す基本構造を有する空気入りタイヤ(サイズ:215/45R17)が試作され、各タイヤの電気抵抗及びユニフォミティが測定された。各例ともキャップ部及びベース部には非導電性のゴムが、導通部(貫通端子部)には導電性のゴムがそれぞれ用いられた。配合は各例とも同一である。また表1に示されたパラメータ以外は、各タイヤとも同一であり、トレッドゴムには、図9(b)のように、全ての部分がストリップ積層体で形成されたものが採用された。
テスト方法は、次の通りである。
<通電不良タイヤの発生率>
図12に示されるように、絶縁板20(電気抵抗値が1012Ω以上)の上に設置された表面が研磨された金属板21(電気抵抗値は10Ω以下)と、タイヤ・リム組立体を保持する導電性のタイヤ取付軸22と、電気抵抗測定器23とを含む測定装置を使用し、JATMA規定に準拠してテストタイヤとリムJとの組立体の電気抵抗値を測定した。なお各テストタイヤ1は、予め表面の離型剤や汚れが十分に除去されており、かつ、十分に乾燥した状態のものを用いた。また他の条件は、次の通りである。
リム材料:アルミニウム合金製
リムサイズ:17×7J
内圧:200kPa
荷重:5.3kN
試験環境温度(試験室温度):25℃
湿度:50%
電気抵抗測定器の測定範囲:10 〜1.6×1016Ω
試験電圧(印可電圧):1000V
試験の要領は、次の通りである。
(1)供試タイヤ1をリムに装着しタイヤ・リム組立体を準備する。この際、両者の接触部に潤滑剤として石けん水が用いられる。
(2)タイヤ・リム組立体を試験室内で2時間放置させた後、タイヤ取付軸22に取り付ける。
(3)タイヤ・リム組立体に前記荷重を0.5分間負荷し、解放後にさらに0.5分間、解放後にさらに2分間負荷する。
(4)試験電圧が印可され、5分経過した時点で、タイヤ取付軸22と金属板21との間の電気抵抗値を電気抵抗測定器23によって測定する。前記測定は、タイヤ周方向に90°間隔で4カ所で行われ、そのうちの最大値を当該タイヤTの電気抵抗値(測定値)とする。
供試タイヤは、表1に示した仕様で各200本製造され、上記試験方法に基づき新品状態で電気抵抗値が測定された。そして、各例について、電気抵抗値が1×10Ω以上を示すタイヤの本数を調べ、その比率を示した。数値が小さい程、良好である。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 2009149206
テストの結果、実施例のタイヤは、導通部の幅を小さく設定しても十分に電気抵抗値の小さいタイヤを得ることができることを確認できた。
本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 そのトレッド部の部分拡大図である。 スピュー切除痕を説明するトレッド部の部分拡大図である。 (a)及び(b)はバリを説明するトレッド部の部分拡大図である。 (a)及び(b)は、スピューによる作用を説明する断面図である。 (a)及び(b)は、トレッド部の部分平面図である。 ゴムストリップの一例を示す斜視図である。 (a)及び(b)は、トレッドゴム成形工程を説明するための断面図である。 (a)及び(b)は、トレッドゴム成形工程を説明するための断面図である。 導通部の成型工程の他の実施形態を説明するための断面図である。 トレッドゴム成形工程の他の実施形態を説明するための断面図である。 タイヤの電気抵抗測定装置を概念的に示す断面略図である。 (a)は従来のトレッドゴムの断面図、(b)はその部分拡大図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2a 接地面
2G トレッドゴム
3 サイドウォール部
3G サイドウォールゴム
4 ビード部
4G クリンチゴム
5 ビードコア
6 カーカス
7 トレッド補強コード層
9 ベース部
10 キャップ部
10A 第1のキャップ部
10B 第2のキャップ部
11 導通部
13 隆起部
13a スピュー
13b スピュー切除痕
13c バリ

Claims (4)

  1. トレッドゴムの接地面に、加硫成形時に金型のベントホールに吸い上げられたスピュー、前記スピューを切除したスピュー切除痕及び金型の分割面に吸い上げられたバリのいずれかを含む隆起物を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッドゴムは、前記接地面の主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部と、
    導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面に露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される導通部とを含むとともに、
    該導通部が、前記隆起物の少なくとも一部を構成することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記導通部に含まれる隆起物は、スピュー又はスピュー切除痕であり、かつ、
    正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態のタイヤに正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させかつ転動させたときに、接地領域内に常時前記隆起物が2つ以上含まれる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッドゴムを有する空気入りタイヤを製造するための方法であって、
    前記トレッドゴムを成形するトレッドゴム成形工程と、
    前記トレッドゴムをトレッド部に具えた生タイヤをベントホールを有する金型を用いて加硫成形する加硫工程とを含み、かつ
    前記トレッドゴムは、接地面の主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部と、導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面に露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される位置に配された導通部とを含み、しかも
    前記加硫工程は、前記金型のベントホールに前記接地面に表れる導通部の少なくとも一部を向き合わせて加硫することにより前記導通部の一部を前記ベントホールに吸い上げることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  4. トレッドゴムを有する空気入りタイヤを製造するための方法であって、
    前記トレッドゴムを成形するトレッドゴム成形工程と、
    前記トレッドゴムをトレッド部に具えた生タイヤを分割面を有する金型を用いて加硫成形する加硫工程とを含み、かつ
    前記トレッドゴムは、接地面の主要部を構成するとともに非導電性のゴムからなるキャップ部と、導電性のゴムからなりかつ一端が前記接地面に露出するとともに他端がリム組み時にリムと電気的に導通する導電路に接続される位置に配された導通部とを含み、しかも
    前記加硫工程は、前記分割面に前記接地面に表れる導通部の少なくとも一部を向き合わせて加硫することにより前記導通部の一部を前記分割面の隙間に吸い上げることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
JP2007328924A 2007-11-21 2007-12-20 空気入りタイヤ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4571664B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328924A JP4571664B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 空気入りタイヤ及びその製造方法
CN2008801170159A CN101868362B (zh) 2007-11-21 2008-11-13 充气轮胎及用于生产该充气轮胎的方法
PCT/JP2008/070679 WO2009066605A1 (ja) 2007-11-21 2008-11-13 空気入りタイヤ及びその製造方法
CN201210004875.XA CN102514452B (zh) 2007-11-21 2008-11-13 充气轮胎及用于生产该充气轮胎的方法
KR1020107011869A KR101492670B1 (ko) 2007-11-21 2008-11-13 공기 타이어 및 이의 제조 방법
RU2010121232/11A RU2471643C2 (ru) 2007-11-21 2008-11-13 Пневматическая шина и способ ее получения
US12/742,404 US20100258227A1 (en) 2007-11-21 2008-11-13 Pneumatic tire and production method therefor
EP08852804A EP2230105B1 (en) 2007-11-21 2008-11-13 Pneumatic tire being capable of discharging static electricity and production method therefor
BRPI0819368 BRPI0819368A2 (pt) 2007-11-21 2008-11-13 Pneus e métodos para as suas manufaturas
US13/863,788 US9370909B2 (en) 2007-11-21 2013-04-16 Pneumatic tire and production method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328924A JP4571664B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 空気入りタイヤ及びその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010127153A Division JP5624369B2 (ja) 2010-06-02 2010-06-02 空気入りタイヤ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009149206A true JP2009149206A (ja) 2009-07-09
JP4571664B2 JP4571664B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=40918902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007328924A Expired - Fee Related JP4571664B2 (ja) 2007-11-21 2007-12-20 空気入りタイヤ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4571664B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015205633A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 Ntn株式会社 パーキングブレーキ付き電動ブレーキ装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0971112A (ja) * 1994-12-21 1997-03-18 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH10175403A (ja) * 1996-10-17 1998-06-30 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000177319A (ja) * 1998-12-17 2000-06-27 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000343916A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤとその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0971112A (ja) * 1994-12-21 1997-03-18 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH10175403A (ja) * 1996-10-17 1998-06-30 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000177319A (ja) * 1998-12-17 2000-06-27 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000343916A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤとその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015205633A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 Ntn株式会社 パーキングブレーキ付き電動ブレーキ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4571664B2 (ja) 2010-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101492670B1 (ko) 공기 타이어 및 이의 제조 방법
JP4299811B2 (ja) 空気入りタイヤ、その製造方法及びゴムストリップ
JP4575979B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP4392444B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
KR101587310B1 (ko) 공기 타이어 및 그 제조 방법
KR101422836B1 (ko) 복합 고무 테이프 및 공기입 타이어를 제조하는 방법
JP4255435B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
EP1632367A1 (en) Pneumatic tire, producing method of pneumatic tire, and forming apparatus of rubber strip winding body
JP5624369B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
EP2487051B1 (en) Pneumatic tire
KR101693910B1 (ko) 공기 타이어
JP4820223B2 (ja) 空気入りタイヤ、及びその製造方法
JP2007176437A (ja) 空気入りタイヤ
JP4956070B2 (ja) 空気入りタイヤ、及びその製造方法
JP5970179B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP4571664B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4571664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees