JP2009148409A - 創傷用バッグ並びに同創傷用バッグを用いた排液管理用具または陰圧閉鎖療法用具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】患部を覆うための袋状のカバー10と、患部をカバー10内に挿入するための開口部20と、カバー10を身体に固着するために開口部20に設けられたシール手段30と、カバー10の内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部40と、を備える創傷用バッグ1において、シール手段30は、カバー10に接合され、開口部20は、シール手段30とカバー10とに跨って形成されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
かかる施術方法は、身体の凹凸などにより身体に対してフィルムを気密的に貼付することができない手足などの四肢の末端に対して、有効な方法である。
これは、袋状のカバーを用いる創傷用バッグにおいては患部以外の身体も覆ってしまうため、患部以外の身体の動きが制限されてしまい、その結果、関節等の硬化が起こるためである。
また、袋状のカバーを開口部の上から身体にかけて幾重にも粘着テープで被覆することによって固定する場合、袋状のカバーの開口部を腕又は足の太さにまで折り畳んでから粘着テープで固定しなければならないため、折り畳んだカバー同士の重なりから滲出液が漏れ出すといった問題もある。
そのため、滲出液が漏れ出さないように常に気を遣わなければならず、十分なリハビリを行えない虞がある。
また、前記シール手段は、第1領域、第2領域および第3領域に分けられた貼付材であって、前記第1領域は、中央に前記開口部を有するとともに、前記第2領域及び前記第3領域と隣接しており、前記第1領域と第2領域とを貼り合わせ、かつ、前記第2領域と第3領域とを貼り合わせることによって身体に前記カバーを固着させるように構成することが好ましい。
また、開口部を袋状カバーの上面および/または下面に設けることによって、別部材を設けることなく容易に液溜部を設けることができる。
さらに、開口部を袋状カバーの上面および/または下面に設けることにより、従来袋の周縁部に設けられていた開口部がなくなるため、いずれの周縁部にも連通口を設けることができる。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
なお、本実施形態では、図1(a)の状態を基準に上下前後左右の方向を定めて説明するものとする。
まず本発明の創傷用バッグの構成について説明する。
図1(a)に示すように、創傷用バッグ1は、主に、患部を覆うための袋状のカバー10と、患部をカバー10内に挿入するための開口部20と、カバー10を身体に固着するために開口部20に設けられたシール手段30と、カバー10の内部を吸引手段に接続するための連通部40と、を備えて構成されている。
本実施形態における袋状のカバー10は、患部を覆うためのものであって、例えば、前後38cm×左右30cmの平面視矩形状に形成された2枚のフィルムの周縁を溶着することによって構成されている。
また、図1(a)に示すように、本実施形態におけるカバー10は、上下面を有している。
これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を使用してもよい。特にポリオレフィンもしくはその塩素化物、オレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリエステル又はポリアミドを材料とするものがより好ましい。
本実施形態においては、フィルムの4周縁を熱溶着することで、袋状のカバー10を形成している。
開口部20は、図1(a)から(c)に示すように、患部を袋状のカバー10内に挿入するためのものであって、左右幅方向にわたって設けられている。本実施形態においては、袋状のカバー10の一方の面(図では上面)に、カバー10の内部に連通するように切り込みを設けることで開口部20が設けられている。より詳細には、この開口部20は、後記するシール手段30と、シール手段30が接合されたカバー10の上面とに跨って形成されている。また、本実施形態においては、切り込みの両端に円形の打ち抜きが設けられている。
なお、切り込みの長さは、使用する身体の個所によって適宜変更可能としてもよい。また、打ち抜き部の形状は円形に限られるものではなく、多角形状であってもよい。
本実施形態においては、図1(a)、(b)に示すように、開口部20をカバー10の上面に設けている。これにより、カバー10の後側、即ち患部挿入側の端部が閉じられることで中空端部が形成され、この中空端部が液溜部25として形成される。
なお、液溜部25の形状は、カバー10のフィルムの形状を変更することによって適宜変更可能である。また、液溜部25の容量は、カバー10に設ける開口部20の位置によっても、適宜変更可能である。
シール手段30は、カバー10を身体に固着するために開口部20に設けられたものである。本実施形態におけるシール手段30は、1枚の貼付材300で構成されおり、図1(c)に示すように、貼付材300の下面(後記する支持体側)が両面テープTによってカバー10に接合された構成を備える。
本実施形態にかかるシール手段30において、第1領域は、前後方向の長さがL2であって、左右幅方向にわたる領域である。また、第1領域は、貼付材30中央部に設けられている。第2領域は、第1領域の前側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL1であって、左右幅方向にわたる領域である。第3領域は、第1領域の後側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL3であって、左右幅方向にわたる領域である。
本実施形態においては、貼付材300としては、図1(c)に示すように、基材310と、基材310の一面に形成された粘着剤層320と、粘着剤層320の表面に設けられた剥離シート330と、基材310の他面に仮着され、基材310よりも剛性の高い支持体340と、から構成されている。
具体的には、本実施形態においては、貼付材300の前後方向L2の長さで左右幅方向にわたって支持体を剥がし、露出した基材310に両面テープTを貼付することで、カバー10と貼付材300とが接合されている。したがって、貼付材300は、前後の長さL1及びL3の長さにおいてカバー10と接合されておらず、可動させることができる。
また、L1の長さ=L2+L3の長さとなっており、折り畳んだ際に貼付材300の周縁部が略一致するようになっている。したがって、L1とL2の境目が、貼付材300の前後方向における中心線と一致する。
さらに、L1の長さとL2+L3の長さとの関係については、どちらか一方が他方よりも長くてもよいが、等しいことがより好ましい。また、L1とL3の長さを両方とも長くすることによって、身体に貼付される領域が増えるため、より気密性を確保できるが、長すぎる場合には張りにくくなる虞があるため、適宜選択することが好ましい。
本実施形態における基材310の形態としては、プラスチックフィルム、不織布、編布、織布等の繊維シート、フォームシート、紙等が挙げられ、これらの基材を単独で使用してもよいし、同一又は異なる種類の形態の基材をラミネートした積層構造の基材を使用してもよい。
より好ましくは、水蒸気透過性が良好で、不感蒸散等を妨げることが少ないポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド等が好ましい。
なお、これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。
これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混紡して使用してもよい。
本実施形態における粘着剤層320としては、種々の感圧性粘着剤が使用でき、例えばアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系、天然ゴム系、合成ゴム系等の感圧性粘着剤が挙げられる。なかでも、アクリル系、シリコーン系が好ましい。
ハイドロコロイド粘着剤を使用することにより、汗や創傷からの滲出液等を吸収することができ、蒸れによるカブレや掻痒感を軽減することができる。
粘着剤層320の厚さ、塗工重量がこの範囲内にあることにより、貼付時に適度な粘着力を示し、皮膚に対する密着性及び追従性にも優れ、良好な透湿度を得ることができる。
本発明に用いられる剥離シート330としては、公知の剥離紙、剥離フィルムが利用でき、紙やフィルムの表面にシリコーン樹脂処理やフッソ樹脂処理等を施したものを利用できる。
本実施形態にかかる支持体340としては、基材310を貼付するときに基材310のしわ発生を防止する程度の硬さを有するものであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル等のプラスチック材料、紙、不織布等が利用できる。
なお、支持体340を基材310に仮着する方法としては、接着、熱圧着、共押し出しによる仮着等、公知の方法を使用することができる。
連通部40は、カバー10の内部を吸引手段に接続するためのものであり、図1(a)に示すように、カバー10の右側長辺縁部の前側に設けられている。
また、本実施形態にかかる連通部40は、溶着されたカバー10の右側長辺縁部の一部を切り欠いた連通口41と、連通口41の開口径よりも大きい貼付材300aとで構成されている。
また、本実施形態においては、吸引手段に接続するためのチューブが挿通できれば、連通口41の形状、大きさ及び位置は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。さらに、本実施形態における貼付材300aは、前記した貼付材300と構造が同じであるため、説明は省略する。
気密性のファスナー50は、シール手段30によってカバー10を身体に固定した後であっても、ファスナー50を開口することにより患部の処置を行いやすくするためのものである。
なお、ファスナー50の位置としては、本実施形態に限られるものではなく、フィルムの前側短辺縁部や左右の長辺縁部に設けても良い。
また、ファスナー50としては、気密性、再封止可能であるものであれば、その構成は特に限定されるものではなく、例えば、突起と溝をスライドして係合させるもの、粘着テープ、面ファスナー等があげられる。
ファスナー開口保持部材60は、ファスナー50を開いた際にファスナー50の開口の形状を維持するための部材であって、例えば、上下1cm×左右16cmの細長い平面視矩形状をした部材である。
本実施形態においては、図1(a)に示すように、ファスナー50の直下であって、左右幅方向にわたって設けられている。また、図1(b)に示すように、ファスナー50の前側及び後側にそれぞれ1つずつ設けられている。
前者および後者共に、用途に応じて、断面形状,形状保持性,強度等に関して種々のタイプがあるので、開口部の開閉操作とその際の形状保持のために、好適に利用できる。
また、別の樹脂製材料として、無機充填材を含有した樹脂製の材料を使用できる。この材料は、ポリオレフィン(PE,PP)樹脂に無機充填材(タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等)を混合した溶融樹脂を、押し出し又は延伸することにより形成することができる。このように無機充填材を樹脂に混合することで、樹脂にある程度の腰をもたせながら、開口部の開閉状態を維持できる塑性変形性、即ち形状保持機能を付与することができる。
また、本実施形態におけるファスナー開口保持部材60は、粘着剤を介して着脱自在にファスナー50の周囲に設けられるように構成されているが、これに限られるものではなく、接着、粘着、溶着等の固定手段により設置してもよいし、ファスナー開口保持部材60の上から粘着テープで被覆して固定してもよい。
創傷用バッグ1の使用方法について、手に患部がある場合を例にとって説明する。
図2は、シール手段30によってカバー10を身体Bに固着するための方法を段階的に示した図である。
また、打ち抜きを設けず、スリットの両端部を他の粘着材(例えば、テープなど)で補強することで、カバー10が裂けてしまうことを防止してもよい。
なお、身体Bを挿入した後に、後側の剥離シート330を剥がしてもよい。このとき、剥離シート330にスリットを設けておくと、剥がしやすくすることができる。
このとき、カバー10またはシール手段30に、患部または身体Bの載置目印(図示せず)を設けておくことによって、患部を適正な位置に導くことができる。載置目印は、例えば、手の前後左右の適正位置範囲を表示するマーキングとし、マーキングの形態は、必要に応じて、単純な線状マークや図形状マークなど種々のものが採用できる。
また、図1(b)に示すように、貼付材300は前後の長さL3においてカバー10には固着されていないため、貼付材300を重ね合わせた際に、2枚の貼付材300を上下方向から扱きやすくなっている。これにより、貼付材300をより身体Bに密着させることができるので、開口部20を気密に保持することができる。
なお、ここで「密閉」とは、吸引ポンプにより吸引した際に、カバー10内を周囲よりも低い圧力に維持できる程度に十分な気密性があることを意味する。
その後、シール手段30の支持体340を剥がすことで、身体Bへの追従性を良好にさせることができる。
しかしながら、本実施形態のように、シール手段30によって身体Bにカバー10を固着することで、うっ血や痛みの発生を防止し、また早期治癒の妨げとなることもない。
これにより、ファスナー50の開口形状を保持することができるので、両手で傷の処置を行ったり、患部の観察を行いやすくしたりすることができる。
なお、ファスナー開口保持部材60の形状は、本実施形態のような矩形状に限られるものではなく、例えば線状や波線形状など適宜変更可能である。また、本実施形態にかかる左右幅方向の長さが短い部材を複数設けることによって、ファスナー50の開口形状を保持できるようにしてもよい。
ここで、吸収パッド70は公知の多孔質パッドであって、患部上に配置することにより、減圧時に発生するカバー10からの物理刺激を緩和するため適度なクッションとしての役割を果たす。また、滲出液を効率よく吸収するとともに、多孔質であることにより、均一な減圧を行うことができる。さらに、陰圧下では、カバー10のフィルム同士がくっついてしまう場合があり、カテーテルCにより効率よく吸引作業を行うことができないが、吸収パッド70を設けることにより空間を確保できるため、効率よく吸引作業を行うことができる。
また、カテーテルCとしては、複数の開口をカテーテルの側面に設けたものを用いても良い。
なお、本実施形態においては、ファスナー開口保持部材60をファスナー50の直下に設置したが、ファスナー50の開口形状を維持できるのであれば、これに限定されるものではなく適宜変更可能である。
本実施形態においては、カテーテルCの長さを十分に調節してから貼付材300aにより密着することができるので、カテーテルCの長さが足りなくなるという虞もない。また、カテーテルCの周囲を包むように密着させることができるので、気密性を確保することもできる。
このとき、貼付材300aよりもさらに大きい別の貼付材を設け、貼付材300aの上からさらに貼り合わせることによって、より気密性を確保できるようにしてもよい。
なお、陰圧閉鎖療法の施術方法については、適宜変更可能である。
また、滲出液が液溜部25に溜まることで、従来のように、腕の周りに常に滲出液が溜まるようなことがない。これにより、患者の不快感を取り除ける。
さらに、液溜部25に溜まった滲出液は、例えば、従来設置することができなかったカバー10の後側周縁部に排出口を設けることができる。これにより、リハビリを行いながら滲出液などを適宜排出することができる。
さらに、本実施形態にかかるファスナー開口保持部材60は着脱自在に構成されており、患者の滲出液などによっても汚染されることがないため、創傷用バッグ1を交換した場合にも繰り返し使え、経済的である。また、ファスナー開口保持部材60が金属製である場合には、創傷用バッグ1をゴミ処理する際に分別を行いやすくすることができる。
本発明においては、シール手段30aの形状を図4に示すようにしてもよい。
ここで、図4は、第2実施形態にかかる創傷用バッグ1を示す概略説明図であって、(a)は使用前の状態を示す斜視図であり、(b)は使用中の状態を示す斜視図である。
なお、第2実施形態では、図4(a)の状態を基準に上下前後左右の方向を定めて説明するものとする。
第2実施形態にかかるシール手段30において、第1領域は、前後方向の長さがL2であって、左右幅方向の長さがL4となっている領域である。第2領域は、第1領域の後側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL3であって、左右幅方向の長さがL4となっている領域である。第3領域は、第1領域及び第2領域の右側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL1であって、左右幅方向の長さがL5となっている領域である。
より詳しくは、シール手段30aは、両面テープTを介してカバー10(図では上面)と第1領域とが接合されている。一方、第2領域及び第3領域は、カバー10と接合されていないため可動させることができる。
なお、第2実施形態においては、図4(b)に示すように、前後方向におけるL2+L3の長さはL1の長さと等しくなっている。また、左右幅方向における長さL4はL5の長さと等しくなっている。
なお、使用方法については、患部をカバー10内に挿入するところまでは前記実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
さらに、第2実施形態においても第2領域がカバー10に接合されていないため、第3領域を貼りあわせた後であっても、可動させることができる。
本発明においては、図1(a)のように連通口41を2枚の貼付材300aによって挟み込むのではなく、例えば1枚の貼付材によってカテーテルを保持しても良い。
第3実施形態にかかる貼付材300bにおいて、第1領域は、左右幅方向の長さがL2a、前後方向の長さがt1となっている領域である。また、第1領域は、貼付材300bの中央部に設けられている。第2領域は、第1領域の右側に設けられた領域であり、左右幅方向の長さがL1a、前後方向の長さがt2となっている領域である。第3領域は、第1領域の左側に設けられた領域であり、左右幅方向の長さがL3a、前後方向の長さがt1となっている領域である。
なお、第3実施形態にかかる貼付材300bの基本的な構成は、前記したシール手段30と同じであるため、詳細な説明は省略する。
さらに、カテーテルCをカバー10内に導入するための平面視円形の連通口41が、貼付材300b上に設けられている。
また、t1とt2の幅の関係は、t2≧t1となっているのが好ましく、より好ましくは、t1の幅から前後及び左方向において、それぞれ5mm以上長いことが好ましい(図5(b)参照)。
より詳しくは、連通口41は両面テープによってカバー10に接合された領域(左右幅方向L2a×幅t1の領域)の中央に設けられている。そして、カバー10、カバー10と貼付材300bを接合している両面テープ(図示せず)及び貼付材300bに連通するように設けられている。
また、カバー10の縁部から突出した側(L1a側)の貼付材300b、カバー10側(L2a+L3a側)の貼付材300bと同じ大きさの粘着剤層を露出させることができるよう、剥離シートにスリットを設けてもよい(図示せず)。かかる構成にすることで、カテーテルCを接合したあとも、貼付材300bを動かすことができるので、カテーテルCが急に引っ張られた場合には、貼付材300bが動くことで衝撃を緩和し、カテーテルCがカバー10から外れることを防ぐことができる。
また、一つの連通口41に差し込まれたカテーテルCから、生理食塩水や薬剤等を流し込み、別の連通口41に設けられたカテーテルCから注入液を排出してもよい。
なお、連通口41を複数設けた場合には、貼付材300bを貼り合わせることによって連通口41を塞ぐか、再貼付・剥離可能な別部材の貼付材(図示せず)によって塞いでもよい。別部材で塞いだ場合には、次回使用する際に再度使用することができるため、経済的に好ましい。
さらに、本発明においては連通口41に排出口具42を設けてもよい。
ここで、排出口具42は、栓42aと口具本体42bとから構成されている。また、栓42aは口具本体42bから着脱自在となっている。
かかる構成とすることで、ドレナージチューブDを着脱自在に使用することができるため、本発明にかかる創傷用バッグ1は、滲出液や創傷の状況に応じて、陰圧閉鎖療法用具または排液管理用具として使い分けることができる。
なお、本実施形態においてはドレナージチューブDを用いた場合について説明しているが、これに限られるものではなく、他のカテーテルを用いても良い。
そこで、壊死組織を手術によって除去した後、傷用手当用具に患部を入れ、湿潤環境を維持することで治癒の促進を図ることができる。
これにより、排液量が多い場合には連通口41から排液を吸引し、患部が乾いている場合には、連通口41から生理食塩水等を加えて、湿潤環境を作り出すことも可能である。
さらに、生理食塩水等を流すことによって、壊死した組織を洗い流すことができるので、早期治癒を図ることができる。
なお、創傷用バッグ1に連通口41(図1(a)参照)を複数設ける以外にも、連通口41に複数本のカテーテルCを挿入することで、対応しても良い。
インターロイキン1β(IL1β)又はインターロイキン8(IL−8)などの精製された天然タンパク質又は組換え生成されたタンパク質サイトカイン、その他の生理活性剤、及びそれらを組み合わせたものを供給することができる。
マトリクスメタプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、好中球エラスターゼ、トロンボスポンジンまたはカリスタチンなどの新血管形成(血管形成)の阻害剤の阻害剤などの、創傷滲出物からの創傷治癒に有害なプロセスまたは物質を抑制または不活化する不適切なレベルの抗体または化学合成された分子;及び
それらを組み合わせたものを供給しても良い。
また、ドレナージチューブDと排出口具42を接続する間に逆流防止弁を設けることにより、吸引手段によって吸引した後に、吸引手段を取り外しても、カバー10内を陰圧に保つことができる。
さらに、逆流防止弁の向きを変えることによって、カバー10内を加圧した際に、カバー10内を加圧した状態で維持することができる。これにより、リハビリを行いやすくすることができる。
次に、第5実施形態の創傷用バッグ1の構成について、図7の斜視図により説明する。
図7の実施形態においては、開口部20がカバー10の上面に形成されている点で図1の実施形態と同じであるが、シール手段30が、開口部20に隣接する周囲部分を除いて、カバー10の上面に接合されている点で、図1の実施形態とは異なる。即ち、図7の実施形態のシール手段30は、開口部20の隣接する周囲部分に、窓が開けられた構成を有している。
第5実施形態によっても、粘着力の低下および滲出液の漏れを防止するとともに、患部以外の身体に滲出液が触れることによる不快感を軽減することができる。
このような構成とすることで、肘や膝などの関節部における創傷においても、患部以外の身体を拘束することなく陰圧閉鎖療法が実施できる。また、開口部をカバーの側面に設けることによって、スリーブ状の創傷用バッグにおいては液溜部が2箇所できる。これにより、どちらかの液溜部に滲出液が溜まるので、リハビリの体位によらず、用いることができる。
第3実施形態にかかる傷用手当用具は、患部を外気から遮断し、気密に保護することができるため、感染症の虞を低減させることができる。また、医療従事者が患部の状態や滲出液等の量を視認しやすく、適切な処置を行うことができる。
このとき、好ましい紐の位置としては、患部挿入の際に邪魔にならない位置であって、開口部周囲に設置することが好ましい。より好ましくは、カバーに接合されているシール手段の領域であって、開口部よりも患部挿入方向側(手の場合であれば指側)に設けられていることが好ましい。
かかる構成により、開口部を広げる際に、カバー内や粘着剤層が汚染されることがなく清潔に保つことができる。また、剥離シートを剥がすことで晒された粘着剤層が、予期せぬところでくっついてしまう虞もない。
なお、開口補助手段の数や位置は適宜変更可能である。
10 カバー
20 開口部
25 液溜部
30,30a シール手段
300,300a,300b 貼付材
310 基材
320 粘着剤層
330 剥離シート
340 支持体
40 連通部
41 連通口
42 排出口具
42a 栓
42b 口具本体
50 ファスナー
60 ファスナー開口保持部材
70 吸収パッド
B 身体
C カテーテル
D ドレナージチューブ
J コネクター
S スリット
T 両面テープ
Claims (14)
- 患部を覆うための袋状のカバーと、前記患部を前記カバー内に挿入するための開口部と、前記カバーを身体に固着するために前記開口部に設けられたシール手段と、前記カバーの内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部と、を備える創傷用バッグにおいて、
前記シール手段は、カバーに接合され、
前記開口部は、前記シール手段と前記カバーとに跨って形成されたことを特徴とする創傷用バッグ。 - 患部を覆うための袋状のカバーと、前記患部を前記カバー内に挿入するための開口部と、前記カバーを身体に固着するために前記開口部に設けられたシール手段と、前記カバーの内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部と、を備える創傷用バッグにおいて、
前記カバーは上下面を備えており、
前記開口部は、カバーの上面および/または下面に形成されており、
前記シール手段は、前記開口部に隣接する周囲部分を除いたカバーの上面および/または下面に接合されていることを特徴とする創傷用バッグ。 - 前記袋状のカバーは、前記患部挿入側の端部が閉じられることで中空端部が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の創傷用バッグ。
- 前記シール手段は、第1領域、第2領域および第3領域に分けられた貼付材であって、
前記第1領域は、中央に前記開口部を有するとともに、前記第2領域及び前記第3領域と隣接しており、
前記第1領域と第2領域とを貼り合わせ、かつ、前記第2領域と第3領域とを貼り合わせることによって身体に前記カバーを固着させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。 - 前記中空端部は、患部からの滲出液に対する液溜部として構成されたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の創傷用バッグ。
- 前記開口部を2つ以上設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 前記袋状のカバーに気密性のファスナーを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 前記創傷用バッグの少なくともいずれかの部材に患部の載置目印を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 前記開口部に開口補助手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 前記シール手段が、2枚以上の貼付材から構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 前記液溜部に排液口を設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 前記連通部は排出口具を備え、前記排出口具は、前記袋状のカバー内に設けたドレナージチューブと着脱自在に接続される機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
- 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の創傷用バッグを用いたことを特徴とする排液管理用具。
- 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の創傷用バッグを用いたことを特徴とする陰圧閉鎖療法用具。
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