以下、本発明に係る遊技機の好適な一実施形態を、スロットマシンを例に図面を参照して説明する。なお、図1はスロットマシン1の外観構造を示す正面図、図2は前扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を示す平面図、図3はスロットマシン1の制御システムを示すブロック図である。
図1において、スロットマシン1は、略矩形状の箱体である筐体2と、当該筐体2と蝶番機構により開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。前扉3の前面側は、上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダルを貯留する受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技者側に突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が一体的に形成されている。操作卓7は、前面に遊技者が操作するスタートレバー75やストップボタン76a、76b、76c等が配設されるフロントマスク7aを備えている。さらにフロントマスク7aは、ゲームに投資するメダル枚数を提示するベットボタン72、73、遊技媒体投入部であるメダル投入部71等が配設される操作パネル79を備えている。なお、上部パネル部4、操作卓7、下部パネル部5、及び受皿ユニット6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成される。
上部パネル部4の中央には、硬質プラスチック板等で形成されたパネル面41が設けられている。パネル面41のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓41aが形成され、この表示窓41aを通して筐体2内に設けられている可変表示装置を構成するリールユニット100の3個のリール101a、101b、101c(図2参照)が視認可能となっている。
上部パネル部4の上部には、レンズパネル46aの内部に高輝度LED等の光源を内蔵する照明演出装置46と、ゲームに係る効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部47a、47bがそれぞれ配置されている。
また、演出用放音部47a、47bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓48aに面して遊技機の演出装置としての液晶表示演出装置48が配置されている。なお、液晶表示演出装置48は、ゲームの演出に係る映像やゲーム(遊技)に関する情報を主に表示する。
上部パネル部4の側部には、蛍光灯や高輝度LEDで形成された演出用照明部49a、49bが設けられている。ゲームの進行に応じて上述した照明演出装置46、複数の演出用照明部49a、49b等が点灯又は点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるように形成されている。
操作卓7の操作パネル79の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口71aを有するメダル投入部71が設けられている。また、操作パネル79の上面左側には、押しボタンスイッチである2個のベットボタン72、73が設けられている。ベットボタン72、73はスロットマシン1の1ゲームに投資する(賭ける)メダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が1回押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられ、同様にベットボタン72が2回押圧操作されることで2枚のメダルが賭けられる。また、ベットボタン73が押圧操作されることで3枚のメダルが当該ゲームに賭けられる。なお、ベットボタン73は、1ゲームに投資できる最大枚数のメダルを賭けることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓7のフロントマスク7aの前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー75が設けられている。スタートレバー75は、先端に球形の操作ノブを有する上下左右に傾倒可能な操作旱を備え、この操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
また、フロントマスク7aの中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン76a、76b、76cが各リールの配列に対応して並設されている。
さらに、フロントマスク7aの前面の左隅には、ゲームに賭けられたメダルをキャンセルして払い出させることを指示するとともに、後述するホッパ装置21(図3参照)が内部貯留したメダルを精算して払い出させることを指示するための精算ボタン77が設けられている。
フロントマスク7aの前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴78が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴78に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの意匠等を表示するパネル51が設けられている。また、下部パネル部5の左側略中央には、第2の音響出力開口部となる開口部52a及び52bが穿設されている。また、下部パネル部5の下側には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する第1の音響出力開口部となる演出用放音部62a、62bと、受皿ユニット6がそれぞれ配置されている。なお、開口部52a及び52bには、後述するヘッドホン80が着脱可能に構成されている。
受皿ユニット6は、メダル払出口61から払い出されたメダルを貯留する受皿部6aが形成された受皿部材と、遊技者の喫煙の用に供するための灰皿部材65とを備えている。
次に、図2を参照して、筐体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。同図において、筐体2内の上部には、スロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備える可変表示装置を構成するリールユニット100が設けられている。リールユニット100は、前扉3が筐体2側に閉じられると前扉3のパネル面41の表示窓41aにリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取り付けられている。
リールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並置されて構成されており、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄や数字等による識別情報が描かれている。遊技者は、パネル面41の表示窓41aを通して3列のリール101a、101b、101cに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄等(識別情報)を目視できるようになっている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を出力する回胴装置基板130が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板130に回胴駆動(励磁)パルスデータを出力することで、各リール101a、101b、101cの回転と制動及び停止の制御を行っている。
リールユニット100の下方には、メダル貯留部21aを備えたホッパ装置21と、そのホッパ装置21のメダル貯留部21aから溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置24が設けられている。主電源装置24の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板23が設けられている。
次に、前扉3の裏面側上部には、上述の演出用放音部47a、47bに対向してスピーカ32a、32bが取り付けられている。また、スピーカ32a、32bの間には、液晶表示演出装置48が取り付けられている。更に、液晶表示演出装置48の裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板30が硬質プラスチックのケースに収納されて取り付けられている。
なお、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板30は、液晶表示演出装置48による演出映像の表示制御、照明演出装置46及び演出用照明部49a、49bを使った演出効果照明制御、並びに演出用放音部47a、47b、62a、62bを使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
サブ制御基板30の下方には、リール101a、101b、101cの各外周面を照明するためのリール照明部44が取り付けられている。また、リール照明部44の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓41aが形成されたパネル面41が配置されている。さらに、パネル面41の下方には、前面側のスタートレバー75及びストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取り付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号を主制御基板20へ出力する。
メダル選別装置34の装置本体の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(又は異物)をメダル払出口61へ案内するガイド部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21から排出されたメダルをメダル払出口61へ案内するガイド部材37が設けられている。更に、メダル払出口61に隣接して、上述した演出用放音部62a、62bに対向する位置に音響出力手段となるスピーカ38a、38bが取り付けられている。なお、スピーカ38a、38bから出力された音響は、後述する第1の音導管57a、57b並びに第2の音導管54a、54bによって放音部62a、62b並びに開口部52a、52bまでそれぞれ伝達される。
次に、図3のブロック図を参照して、スロットマシン1に設けられている制御システムについて説明する。
主制御基板20は、CPU200、ROM201、RAM202、乱数発生装置203、インターフェイス(I/F)回路204等を有するマイコンを中心として構成されている。主制御基板20では、CPU200は、ROM201に予め記憶されているシステムプログラム及びスロットマシンゲーム用のプログラムを読み出し、RAM202を用いるなどして実行し、回胴装置基板130、サブ制御基板30、中央表示基板33及び電源装置基板23にそれぞれ所定の命令を含む制御信号を供給してそれぞれに分散制御を行わせることにより、スロットマシン1全体を集中制御する。
また、主制御基板20のROM201には、入賞抽選テーブル(図示せず)が記憶されている。また、主制御基板20のRAM202には、内部抽選フラグ(図示せず)が記憶されている。主制御基板20には、乱数値のデータを発生する乱数発生装置203がCPU200に接続した状態で設けられている。例えばCPU200は、スタートレバー75の操作を検出した時点で乱数発生装置203から乱数値を取得し、入賞抽選テーブルを参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。そして、CPU200は、乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として抽選結果を当選にし、当該入賞役をRAM202の内部抽選フラグに記憶する。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。なお、主制御基板20で抽選される入賞役には、例えば特別遊技状態に移行して比較的メダルの払出枚数が多いビッグボーナス(BB)、特別遊技状態に移行してビッグボーナスよりもメダルの獲得枚数の少ないレギュラーボーナス(RB)、再遊技を行う「リプレイ」、所定枚数のみメダルの払出を行う「ベル」、「チェリー」及び「スイカ」、メダルの払出を行わないハズレなどがある。この時、主制御基板20では、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」及び「スイカ」などの小役抽選と同時にビッグボーナス及びレギュラーボーナスなどのボーナス抽選を同時に行う。
I/F回路204は、主制御基板20と、回胴装置基板130、サブ制御基板30、中央表示基板33及び電源装置基板23との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行う。但し、主制御基板20とサブ制御基板30との間では、主制御基板20からサブ制御基板30への信号の送信は行われるが、サブ制御基板30から主制御基板20への信号の送信は行われない。
中央表示基板33は、前扉3の操作卓7に取り付けられている、ベットボタン72、73、精算ボタン77、スタートレバー75、ストップボタン76a、76b及び76c等がそれぞれ操作されたことにより発生する各種信号を受信して主制御基板20へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示基板33は、メダル選別装置34から出力されるメダル受付信号等を受信して主制御基板20へ転送することにより、メダル投入口71aに投入されたメダルの枚数、異物の投入や目詰まりの発生等を報知する。
サブ制御基板30は、CPU300、ROM301、RAM302、乱数発生装置303、インターフェイス(I/F)回路304等を有するマイコンを中心として構成されている。サブ制御基板30は、ROM301に予め記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、特に遊技者に対する演出の制御を行う。ROM301には、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)に必要なプログラム及びデータ等が予め記憶されている。上記ROM301に予め記憶されているデータ等には、液晶表示演出装置48に表示されるキャラクタ、文字及び背景等の動画像データ及び静止画像データも含まれている。また、上記ROM301には、液晶表示演出装置48等にゲームの演出を実行させるための複数の演出パターンテーブルTABLE−A、TABLE−B、TABLE−C、・・・が予め記憶されている。上記演出パターンテーブルTABLE−A、TABLE−B、TABLE−C、・・・のそれぞれには、動画像データ及び静止画像データ等の所在を示す情報とともにこれらの再生時間・順序等を示すプログラムなどが記憶されている。一方、RAM302は、CPU300等が各種の制御を行ったり、画像を作成したりする時に用いられ、データ等が一時的に記憶される。上記RAM302に記憶されるデータ等には、ROM301から読み出したデータ等に基づき表示すべき画像データも含まれている。
サブ制御基板30は、主制御基板20から供給される遊技状態及び内部抽選結果に対応したコマンドデータに基づいて、乱数発生装置303から乱数値を取得し、演出パターンテーブルを参照することで、得られた乱数値に割り当てられた演出を抽選する。そして、サブ制御基板30は、演出パターンテーブルTABLE−A、TABLE−B、TABLE−C、・・・の中から1つを選択する。そして、その選択した演出パターンテーブルに基づいて、液晶表示演出装置48、照明演出装置46、演出用照明部49a、49b、スピーカ32a、32b、38a、38b等を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行う。
回胴装置基板130は、左リール101a、中リール101b及び右リール101cのそれぞれの回転と制動及び停止の制御を行うために、主制御基板20から供給される回胴駆動(励磁)パルスデータ等に基づいて、ステッピングモータ110a、110b及び110cへそれぞれ4相の駆動パルス信号を供給する。
電源装置基板23には、主電源装置24で発生される各種電源電圧をホッパ装置21その他の各部に配電する配電回路(図示せず)が形成されており、この配電回路からスロットマシン1の動作に必要な電源を供給する。また、電源装置基板23は、主制御基板20からメダルの払い出しをすべき旨の制御信号が供給された場合には、ホッパ装置21を制御してメダルの払い出しを行わせる。
次に、スロットマシン1におけるゲーム動作の概要を説明する。スロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの配当が完了した時、又は先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態においては、当該状態を遊技者に示唆するとともにゲーム操作を促す待機モードの演出が行われる。次に、遊技者がメダル投入部71にメダルを投入し、もしくは、何れかのベットボタン72、73を押圧操作することで、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数のメダルが賭けられてゲームを準備する。
ゲーム準備の状態でスタートレバー75が傾倒操作されゲームが開始されると、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始めるとともに、上述した内部抽選を実行する。内部抽選の結果は、内部抽選フラグに記憶される。
次に、遊技者により何れかのストップボタン76a、76b、76cが押圧操作されることで、リール101a、101b、101cが停止し、主制御基板20は、停止した各リール101a、101b、101cが表示する図柄と上述の内部抽選フラグに対応する入賞役に係る図柄の組合せとが一致しているかどうか判定する。
これら図柄の組合せが内部抽選の入賞役と一致し役への入賞が確定すると、スロットマシン1は、主制御基板20によりホッパ装置21の制御を行い、内部貯留しているメダルのクレジット数が所定の枚数になるまで、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダル枚数をクレジット数に加算する。さらに、スロットマシン1は、前記配当数と前記クレジット数の加算結果が前記所定の数(例えば、50枚)を超過すると、この超過した枚数のメダルを受皿部6aへ払い出す。
次に図4及び図5を参照して本発明に係る遊技機の一実施形態について、スピーカ38a、38b及びその周辺構造を例に説明する。図4は、スピーカ38a、39b及びその周辺構造を示す図である。図5は、スピーカ38a、第1の音導管57a、第2の音導管54a、放音部62a及び開口部52a等の内部構造を示す図である。
スピーカ38a及び38bから出力される音響は、後述するヘッドホン80が開口部52aに接続されたときは開口部52aを介してヘッドホン80の放音部83a及び83bから出力される。また、スピーカ38a及び38bから出力される音響は、後述するヘッドホン80が開口部52a及び52bに接続されていないときは放音部62a及び62bから出力される構成となっている。
スピーカ38a及び38bの前面に形成された放音部は、前扉3の裏面側に形成された略四角形状の収容部53a及び53bに収容されている(図2及び図4参照)。収容部53a及び53bの前面には、放音部62a及び62bまで音響を伝達する第1の音導管57a及び57bが一体的に形成されている。なお、スピーカ38a、38b及びその周辺構造はほぼ同一の構造を呈しているので、以下ではスピーカ38a及びスピーカ38bの周辺構造を例に説明する。
図5に示すように、第1の音導管57aは、内部が中空の管状体であるとともに、直線状を呈しており、例えば硬質プラスチックで形成されている。また、第1の音導管57aの上部には、スピーカ38aから出力された音響を分岐して開口部52aまで伝達する第2の音導管54aが一体的に形成されている。また、第1の音導管57aの上部であって、第2の音導管54aより遊技者側となる前面側には第1の音導管57aを開閉する第1の開閉手段58aが備えられている。
第1の開閉手段58aは、モータ(図示略)と、シャッター59aとから構成されている。シャッター59aは、モータ(図示略)によって上下移動可能に構成されている。第1の開閉手段58aは、後述する検知手段55の検出結果に基づいてサブ制御基板30により駆動制御される。なお、ヘッドホンが接続されていない通常の状態では、シャッター59aは、第1の音導管57a上部に格納されて、第1の音導管57aは開放状態となる。
第2の音導管54aは、内部が中空の管状体であるとともに、クランク状を呈しており、例えば硬質プラスチックで形成されている。すなわち、音導管54aは、水平管540aと、L字状の屈曲管541aと、垂直管542aと、L字状の屈曲管543aと、水平管544aと、L字状の屈曲管545aと、垂直管546aとが順につなぎ合わされて形成されている。また、第2の音導管54aは、それぞれの管の内径が同一となるように形成されている。
第2の音導管54aの開口部52a近傍には、ヘッドホン80の接続を検知する検知手段55及び第2の音導管54aを開閉する第2の開閉手段56が備えられている。検知手段55は、水平管540aの上方に設けられており、被接触部55aと、昇降部55bと、ガイド部(図示略)と、スイッチ55cとから構成されている。被接触部55aは、略切頭球形を呈している。また、被接触部55aの上面には略円筒状を呈した昇降部55bが一体に形成されている。また、被接触部55a及び昇降部55bは、ガイド部によって垂直方向に移動可能に支持されている。スイッチ55cは、接触型のオン・オフスイッチであり、昇降部55bが上方に移動した際に昇降部55bの上端が接触する位置に備えられている。スイッチ55cは、ヘッドホン80の着脱に関する信号を中央表示基板33を介して主制御基板20に供給する(図3参照)。
第2の開閉手段56は、屈曲管541aの下方近傍に設けられており、開閉部56aと、連結部56bと、ガイド部(図示略)とから構成されている。開閉部56aは、板状を呈している。また、開閉部56aは、連結部56bにより、昇降部55bと連結されている。また、開閉部56aは、ガイド部によって水平方向に移動可能に支持されている。被接触部55a及び昇降部55bが上方に移動した際に開閉部56aが開状態となり、被接触部55a及び昇降部55bが下方に移動した際に開閉部56aが閉状態となるように構成されている。なお、ヘッドホン80が接続されていない通常の状態では、被接触部55aと昇降部55bは自重により下方に下がるので、開閉部56aは閉じられた状態となる。
音響取出手段となるヘッドホン80は、開口部52a及び52bから出力される音響を両耳に伝達するためのものである。ヘッドホン80は、内部が中空の管状体を呈しており、例えば合成樹脂で形成されている。また、ヘッドホン80は、接続部81と、音伝達管82a及び82bと、放音部83a及び83bとから構成されている。ヘッドホン80は、開口部52a及び52bから出力される音響を遊技者の両耳に伝達するために左右一対となって左右の外耳道入口に挿入可能に構成されているとともに、放音部83a及び83bから音響を聴覚可能に構成されている。接続部81は、開口部52a及び52bに挿入可能に構成されている。
次に、スピーカ38aの周辺構造の動作を詳細に説明する。ヘッドホン80が開口部52aに挿入されていない状態においては、スイッチ55cはオフ状態となり、主制御基板20には、オフ信号が供給されている。このとき、サブ制御基板30には、主制御基板20を介してスイッチ55cのオフ信号が供給されている。そして、サブ制御基板30は、スピーカ32a、32b、38a、38bの音量を調整することなく駆動させている。ヘッドホン80が開口部52aに挿入されていない状態においては、開閉部56aが閉じられているので、開口部52aからの液体等の異物の混入を防ぐことが出来る。
次に、遊技者によってヘッドホン80が開口部52aに挿入されると、ヘッドホン80の接続部81が、被接触部55a及び昇降部55bを押し上げるので、スイッチ55cがオン状態となる。これにより、主制御基板20には、オン信号が供給される。このとき、サブ制御基板30には、主制御基板20を介してスイッチ55cのオン信号が供給される。そして、サブ制御基板30は、供給されたオン信号に基づいて、スピーカ32a、32b、38a、38bの音量を小さくした後、第1の開閉手段58aのモータを駆動させて第1の音導管57aを閉鎖させる。このとき、開閉部56aが開かれているので、第2の音導管54aに音響が伝達可能となり、放音部83a及び83bから音響を聴覚可能となる。
上記した動作により、ヘッドホン80が開口部52aに挿入された場合には、スイッチ55cのオン信号が主制御基板20を介してサブ制御基板30に供給される。このとき、サブ制御基板30が、スピーカ32a、32b、38a、38bの音響出力を抑えるとともに、開閉部56aが開かれているので、ヘッドホン80に音響が出力されることとなる。これにより、遊技場の静粛化が図れるとともに、電気的出力を伴わずに遊技者は自己の遊技音を楽しむことができる。また、スピーカ32a、32b、38a、38bの音響出力を抑えるため、無駄な電力消費を抑えることが出来る。また、シャッター59aが閉じられているので、放音部62a、62bからの液体等の異物の混入を防ぐ事が出来る。
一方、遊技者によってヘッドホン80が開口部52aから引き抜かれると、接続部81と被接触部55aとの接触が解かれる。これにより、昇降部55bと、スイッチ55cとの接触が解かれてオフ状態となる。これにより、主制御基板20には、オフ信号が供給される。スイッチ55cのオフ信号が供給された場合には、サブ制御基板30は、供給された所定の制御信号に基づいてスピーカ32a、32b、38a、38bの音響出力を大きくする。また、このとき、シャッター39aが第1の音導管57a内部に格納されて、第1の音導管57aは開放状態となる。
このとき、開閉部56aが閉じられているので、開口部52aからの液体等の異物の混入を防ぐことが出来る。
このように、本発明の実施の形態によれば、開口部52aの音導管54がクランク状に形成されるとともに、第1の音導管54には開閉手段56が設けられており、ヘッドホン80が挿入されていないときは、第1の音導管54を遮断している。従って、不正行為者が開口部52aから液体等の異物を混入しようとしても、容易には行うことが出来ず、開口部52aからの不正行為を防止することが出来る。
また、スピーカ38aは第1の音導管57a及び第2の音導管54の後方に設けられ、音響のみを出力する構成となっている。従って、開口部52aにおいて、ノイズによる電気的な不正行為を防止することが出来る。
また、ヘッドホン80が、音伝達管82a及び82bと、放音部83a及び83bとから構成されている。従って、ヘッドホン80に電気通信手段や小型スピーカを設ける必要がなく、非常に安価な構成となっている。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、スイッチ55cには、接触型のオン・オフスイッチの例を示したが、これに限定されない。例えば、機械式スイッチや電気式スイッチでもよい。要するに、ヘッドホン80の挿入が検知できる構成であればどのような構成でも良い。
また、上述の実施の形態では、音導管54がクランク状に形成された例を示したが、これに限定されず、S字状やU字状に形成されても良い。要するに、容易に異物や液体が混入されないような形状であればどのような形状でも良い。
また、上述の実施の形態では、スイッチ55cのオン・オフ信号を中央表示基板33を介して主制御基板20に供給する構成を示したが、これに限定されず、サブ制御基板30に供給する構成としてもよい。