JP2009147274A - 有機発光素子及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率が良好で高い耐久性を有する有機発光素子を提供する。
【解決手段】陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物からなる層と、から構成され、該有機化合物からなる層に下記一般式(1)で示されるテトラシアノ化合物が少なくとも一種類含まれることを特徴とする、有機発光素子。
Figure 2009147274

(式(1)において、R1乃至R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換の芳香族基、ニトロ基又はシアノ基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機発光素子及び表示装置に関する。
近年、発光効率、発光色の色純度、寿命等の有機発光素子の性能を向上させるために、数多くの材料開発や素子開発が行なわれている。
またこれまでに、電荷注入材料及び電荷輸送材料のいずれかとして多数のアクセプター性化合物が有機発光素子の構成材料として使用されてきた。
その中で、テトラシアノキノジメタン等のテトラシアノ構造を有するアクセプター化合物が提案され、有機発光素子への応用へ向けての検討が行われている。
ここで非特許文献1及び2においては、テトラフルオロ−テトラシアノキノジメタン化合物を有機発光素子の構成材料として使用する例が報告されている。
しかしながら、現状ではこれらのアクセプター化合物を有機発光素子の構成材料として使用した場合は、発光効率等の初期特性や長時間の発光による輝度劣化等の耐久特性が十分とは言えなかった。
一方、テトラシアノ構造を有するアクセプター化合物はアンモニウム塩とすることができる。非特許文献3には、このアクセプター化合物及びそのアンモニウム塩の製法等が述べられている。ただし、これらの化合物を有機発光素子に応用する例はまだ示されていない。
APPLIED PHYSICS LETTERS,2001,Vol.78,No.4,January ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS,2001,11,No.4,August J.Heterocyclic Chem.,43,1037(2006)
本発明の目的は、発光効率が良好で高い耐久性を有する有機発光素子を提供することにある。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物からなる層と、から構成され、該有機化合物からなる層に下記一般式(1)又は(2)で示されるテトラシアノ化合物が少なくとも一種類含まれることを特徴とする。
Figure 2009147274
(式(1)において、R1乃至R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換の芳香族基、ニトロ基又はシアノ基を表す。)
Figure 2009147274
(式(2)において、nは、1乃至2の整数を表す。Mn+は、金属イオン又はオニウムカチオンを表す。)
本発明によれば、発光効率が良好で高い耐久性を有する有機発光素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物からなる層と、から構成される。
以下、図面を参照しながら本発明の有機発光素子を詳細に説明する。
図1は、本発明の有機発光素子における第一の実施形態を示す断面図である。図1の有機発光素子10は、基板1上に陽極2、発光層3及び陰極4が順次設けられている。図1の有機発光素子10は、発光層3が、正孔輸送能、電子輸送能及び発光性の性能を全て有している有機化合物で構成されている場合に有用である。また、正孔輸送能、電子輸送能及び発光性の性能のいずれかの特性を有する有機化合物を混合して構成される場合にも有用である。
図2は、本発明の有機発光素子における第二の実施形態を示す断面図である。図2の有機発光素子20は、基板1上に陽極2、正孔輸送層5、電子輸送層6及び陰極4が順次設けられている。図2の有機発光素子20は、正孔輸送性及び電子輸送性のいずれかを備える発光性の有機化合物と電子輸送性のみ又は正孔輸送性のみを備える有機化合物とを組み合わせて使用する場合に有用である。また、有機発光素子20は、正孔輸送層5又は電子輸送層6が発光層を兼ねている。
図3は、本発明の有機発光素子における第三の実施形態を示す断面図である。図3の有機発光素子30は、図2の有機発光素子20において、正孔輸送層5と電子輸送層6との間に発光層3を設けたものである。図3の有機発光素子30は、キャリヤ輸送の機能と発光の機能とを分離したものであり、正孔輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した有機化合物を適宜組み合わせて使用することができる。このため、材料選択の自由度が極めて増すと共に、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるので、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて有機発光素子30の発光効率の向上を図ることも可能になる。
図4は、本発明の有機発光素子における第四の実施形態を示す断面図である。図4の有機発光素子40は、図3の有機発光素子30において、電子輸送層6と陰極4との間に電子注入層8を設けたものである。図4の有機発光素子40は、電子注入層8を設けることにより、陰極4と電子輸送層6との密着性又は電子注入性が改善されるので、低電圧化に効果的である。
図5は、本発明の有機発光素子における第五の実施形態を示す断面図である。図5の有機発光素子50は、図3の有機発光素子30において、発光層3と電子輸送層6との間に正孔/エキシトンブロッキング層9を設けたものである。図5の有機発光素子50は、正孔/エキシトンブロッキング層9を設けることにより、正孔又は励起子が発光層から陰極側に抜けることが抑制されるので、素子の発光効率を向上させるのに効果的な構成といえる。
図6は、本発明の有機発光素子における第六の実施形態を示す断面図である。図6の有機発光素子60は、図4の有機発光素子40において、陽極2と正孔輸送層5との間に正孔注入層7を設けたものである。図6の有機発光素子は、正孔注入層7を設けることにより、更なる低電圧化に効果的である。
図7は、本発明の有機発光素子における第7の実施形態を示す断面図である。図7の有機発光素子70は、基板1上に陽極2、正孔注入層7、発光層3、電子注入層8及び陰極4が順次設けられている。
ただし、図1乃至図7で示される素子構成は、基本的な素子の層構成を示した図であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層、接着層あるいは干渉層を設ける、正孔注入層又は正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成される等の多様な層構成をとることができる。
本発明の有機発光素子は、有機化合物からなる層(有機化合物層)に下記一般式(1)で示されるテトラシアノ化合物が少なくとも一種類含まれることを特徴とする。
Figure 2009147274
式(1)において、R1乃至R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換の芳香族基、ニトロ基又はシアノ基を表す。
1乃至R4で表されるハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1乃至R4で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
1乃至R4で表されるアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
1乃至R4で表されるアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
1乃至R4で表される芳香族基として、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
上記アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基及び芳香族基がさらに有してもよい置換基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基等の芳香族基、フルオレニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、フルオランテニル基、ピレニル基等の縮合多環芳香族基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子等が挙げられる。
また本発明の有機発光素子は、有機化合物層に、一般式(1)で示されるテトラシアノ化合物の代わりに、下記一般式(2)で示されるテトラシアノ化合物の塩が少なくとも一種類含まれていてもよい。
Figure 2009147274
式(2)において、R1乃至R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換の芳香族基、ニトロ基又はシアノ基を表す。
1乃至R4で表されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基及び芳香族基、並びにアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基及び芳香族基がさらに有してもよい置換基の具体例は、式(1)中のR1乃至R4の具体例と同様である。
式(2)において、nは、1乃至2の整数を表す。
式(2)において、Mn+は、金属イオン又はオニウムカチオンを表す。
n+で表される金属イオンとして、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン等のアルカリ土類金属イオンが挙げられる。
n+で表されるオニウムカチオンとして、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、フルオロニウムイオン、クロロニウムイオン、ブロモニウムイオン、ヨードニウムイオン、アンチボニウムイオン、セレノニウムイオン、オキソニウムイオン等が挙げられる。
ここで、Mn+で表される金属イオン又はオニウムカチオンが2価以上の場合、その金属イオン又はオニウムカチオン1個と、その金属イオン又はオニウムカチオンの価数に対応する個数のテトラシアノ化合物イオンと、を組み合わせてなる塩を使用してもよい。
上記の金属イオン及びオニウムカチオンのうち、好ましくは、アンモニウムイオンであり、より好ましくは、下記一般式(3)で示されるアンモニウムイオンである。
Figure 2009147274
式(3)において、R11乃至R13は、それぞれ置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基又は置換あるいは無置換の芳香族基を表す。
11乃至R13で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
11乃至R13で表されるアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
11乃至R13で表される芳香族基として、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
上記アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基及び芳香族基がさらに有してもよい置換基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基等の芳香族基、フルオレニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、フルオランテニル基、ピレニル基等の縮合多環芳香族基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子等が挙げられる。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物は、非特許文献3に記載されている方法で合成することができる。
具体的には、インダン−1,3−ジオン及びマロノニトリルを溶媒中に混合してなる反応溶液を、数時間加熱することにより反応を行う。この反応を行うことによって式(1)のテトラシアノ化合物が得られる。
またその際、反応溶媒と同時にアミン化合物等のオニウムカチオンを生成する化合物を共存させることにより、式(2)のテトラシアノ化合物が得られる。例えば、インダン−1,3−ジオン及びマロノニトリルと共に、下記式(4)に示されるアミン化合物を存在させた状態で数時間加熱すると、式(3)で表されるアンモニウムイオンをオニウムカチオン(M)とする式(2)のテトラシアノ化合物が得られる。
111213N (4)
(式(4)において、R11乃至R13は、式(3)のR11乃至R13と同様である。)
尚、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物は、昇華精製等を行うことにより精製が可能である。
式(1)のテトラシアノ化合物は、従来のアクセプター化合物と異なり、活性メチレン基を有する。このため、式(2)のテトラシアノ化合物のように種々の陽イオンと塩を形成することができる。特に、合成中にアミン類を存在させることで容易にアンモニウム塩を得ることができる。
次に、本発明のテトラシアノ化合物の代表的化合物例を以下に挙げる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009147274
Figure 2009147274
Figure 2009147274
Figure 2009147274
Figure 2009147274
Figure 2009147274
Figure 2009147274
ところで式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物は、有機化合物層に少なくとも一種類含まれるものである。このとき、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物は、単一の層のみに含まれていてもよいし複数の層に含まれていてもよい。
本発明の有機発光素子において、有機化合物層とは、具体的には、図1乃至図7に示されている発光層3、正孔輸送層5、電子輸送層6、正孔注入層7、電子注入層8及び正孔/エキシトンブロッキング層9のいずれかをいう。好ましくは、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物は、正孔輸送層5及び正孔注入層7のいずれかに含まれる。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を正孔輸送層5及び正孔注入層7のいずれかの構成材料として使用する場合は、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を単独で使用してもよい。また、芳香族アミン類等のドナー性化合物、導電性高分子等と混合して使用してもよい。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物をドナー性化合物、導電性高分子等と混合して使用する場合、このテトラシアノ化合物の含有率は、層を構成する材料の全体量を基準として、好ましくは、0.1質量%以上50質量%以下である。より好ましくは、0.5質量%以上30質量%以下である。
また本発明の有機発光素子において、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物が電子輸送層6及び電子注入層8のいずれかに含まれる場合も好ましい。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を有機発光素子の電子輸送層6及び電子注入層8の構成材料として使用する場合は、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を単独で使用してもよい。また、式(2)のテトラシアノ化合物のように金属塩又はオニウム塩の形で使用する場合は、他のアクセプター性化合物、導電性高分子、塩等と混合して使用してもよい。
式(2)のテトラシアノ化合物を他のアクセプター性化合物、導電性高分子、塩等と混合して使用する場合、このテトラシアノ化合物の含有率は、層を構成する材料の全体量を基準として、好ましくは、0.1質量%以上50質量%以下である。より好ましくは、0.5質量%以上30質量%以下である。
一方、本発明の有機発光素子において、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物が発光層3に含まれていてもよい。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を発光層3の構成材料として使用する場合、発光層3は、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物のみで構成されていてもよいし、ホストとゲストとで構成されていてもよい。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を発光層3のゲストとして使用する場合、対応するホストとして、フェナントレン、ピレン、フルオレン等の誘導体からなる縮合多環芳香族化合物、ジスチリルベンジジン誘導体化合物、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
また式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を発光層3のゲストとして使用する場合、このテトラシアノ化合物の含有率は、層を構成する材料の全体量を基準として、好ましくは、0.1質量%以上50質量%以下である。より好ましくは、0.5質量%以上30質量%以下である。
式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を発光層3のホストとして使用する場合、対応するゲストとして、アルミキノリノール錯体、イリジウム錯体、縮合多環芳香族化合物類等が挙げられる。
また式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物を発光層3のゲストとして使用する場合、このテトラシアノ化合物の含有率は、層を構成する材料の全体量を基準として、好ましくは、50質量%以上99.9質量%以下である。より好ましくは、70質量%以上99.5質量%以下である。
本発明の有機発光素子は、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物と共に、公知の正孔輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物等を構成材料として使用することができる。
正孔輸送性化合物として、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物の他に、トリフェニルアミン化合物、ベンジジン化合物、フタロシアニン化合物、ポリシラン化合物等が挙げられる。
発光性化合物として、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物の他に、フルオレン化合物、ピレン化合物、スチルベン化合物等が挙げられる。
電子輸送性化合物として、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物の他に、フェナントロリン化合物、オキサジアゾール化合物、アルミキノリノール化合物等が挙げられる。
陽極2を構成する材料としては、できるだけ仕事関数が大きなものがよい。例えば、金、銀、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体又は、これらの金属単体を組み合わせた合金が挙げられる。また、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化スズインジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の導電性金属酸化物を使用することもできる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用して使用してもよい。
一方、陰極4を構成する材料としては、仕事関数の小さなものがよい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいはこれらの金属単体を複数組み合わせた合金、これらの塩等を使用することができる。また、酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。また、陰極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
本発明の有機発光素子で使用される基板1としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、合成ポリマーシート等の透明性基板が使用される。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜等を用いて発色光をコントロールすることも可能である。
尚、作製した有機発光素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の高分子膜又は光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属等をカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
本発明の有機発光素子は、最終的に保護層で覆われていることが好ましい。保護層の素材としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In,Sn,Pb,Au,Cu,Ag,Al,Ti,Ni等の金属,MgO,SiO,SiO2,Al23,GeO,NiO,CaO,BaO,Fe23,Y23,TiO2等の金属酸化物,MgF2,LiF,AlF3,CaF2等の金属フッ化物,SiNx,SiOxy等の窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも一種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
次に、本発明の有機発光素子の製造方法について説明する。式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物が含まれる層及び他の有機化合物層は、真空蒸着法又は塗布法により成膜される。
塗布法を用いる場合は、具体的には、適当な溶剤に成膜する材料を溶解させて塗料組成物を調製し、この塗料組成物を目的部位に塗布することにより薄膜を形成する。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコーター法、印刷法、インクジェット法、デイスペンス法、スプレー法等が挙げられる。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することも可能である。
上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂より選択できる。たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。また、これらは単独又は共重合体ポリマーとして1種又は2種以上混合してもよい。
一方、保護層を形成する場合、当該保護層の形成方法についても特に限定はない。例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
本発明の有機発光素子において、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物が含まれる層の膜厚は、10μmより薄く、好ましくは、0.5μm以下であり、より好ましくは、5nm以上500nm以下である。
一方、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物が含まれない他の有機化合物層の膜厚は、5μmより薄く、好ましくは、1μm以下であり、より好ましくは、0.5nm以上500nm以下である。
次に、式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物が含まれている塗料組成物について説明する。
この塗料組成物は、少なくとも一種の式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物と溶媒とからなる。また必要に応じて上述した公知の正孔輸送性化合物、発光性化合物、電子輸送性化合物等をさらに加えてもよい。
この塗料組成物を使用すると、有機発光素子を構成する有機化合物層、特に、電荷注入層又は電荷輸送層を塗布法により形成することが可能となり、比較的安価で大面積の有機発光素子を容易に作製することができる。
この塗料組成物に使用される溶媒として、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、n−ドデシルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族基炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン類、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒が挙げられる。
この塗料組成物における式(1)及び(2)のテトラシアノ化合物の含有率は、塗料組成物全体を基準として、好ましくは、0.05質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは、0.1質量%以上5質量%である。
本発明の有機発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率や色純度を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
また、開口率を向上させる目的で陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式であってもよいし、光緩衝によって色純度を調整するキャビティー構造を使用してもよい。
本発明の有機発光素子は、省エネルギーや高輝度が必要な製品への応用が可能である。応用例としては画像表示装置、プリンターの光源、照明装置、液晶表示装置のバックライト等が考えられる。
画像表示装置としては、例えば、省エネルギーや高視認性・軽量なフラットパネルディスプレイが挙げられる。
また、プリンターの光源としては、例えば、現在広く用いられているレーザビームプリンタのレーザー光源部を、本発明の有機発光素子に置き換えることができる。置き換える方法として、例えば、独立にアドレスできる有機発光素子をアレイ上に配置する方法が挙げられる。レーザー光源部を本発明の有機発光素子に置き換えても、感光ドラムに所望の露光を行うことで、画像形成することについては従来と変わりがない。ここで本発明の有機発光素子を用いることで、装置体積を大幅に減少することができる。
照明装置やバックライトに関しては、本発明の有機発光素子を使用することで省エネルギー効果が期待できる。
次に、本発明の有機発光素子を使用した表示装置について説明する。以下、図面を参照して、アクティブマトリクス方式を例にとって、本発明の表示装置を詳細に説明する。
図8は、表示装置の一形態である、本発明の有機発光素子と駆動手段とを備えた表示装置の構成例を模式的に示す図である。図8の表示装置80は、走査信号ドライバー81、情報信号ドライバー82、電流供給源83が配置され、それぞれゲート選択線G、情報信号線I、電流供給線Cに接続される。ゲート選択線Gと情報信号線Iの交点には、画素回路84が配置される。走査信号ドライバー81は、ゲート選択線G1、G2、G3・・・Gnを順次選択し、これに同期して情報信号ドライバー82から画像信号が情報信号線I1、I2、I3・・・Inのいずれかを介して画素回路84に印加される。
次に、画素の動作について説明する。図9は、図8の表示装置に配置されている1つの画素を構成する回路を示す回路図である。図9の画素回路90においては、ゲート選択線Giに選択信号が印加されると、第一の薄膜トランジスタ(TFT1)91がONになり、コンデンサー(Cadd)92に画像信号Iiが供給され、第二の薄膜トランジスタ(TFT2)93のゲート電圧を決定する。有機発光素子94には第二の薄膜トランジスタ(TFT2)(93)のゲート電圧に応じて電流供給線Ciより電流が供給される。ここで、第二の薄膜トランジスタ(TFT2)93のゲート電位は、第一の薄膜トランジスタ(TFT1)91が次に走査選択されるまでコンデンサー(Cadd)92に保持される。このため、有機発光素子94には、次の走査が行われるまで電流が流れ続ける。これにより1フレーム期間中常に有機発光素子94を発光させることが可能となる。
図10は、図8の表示装置で用いられるTFT基板の断面構造の一例を示した模式図である。TFT基板の製造工程の一例を示しながら、構造の詳細を以下に説明する。図10の表示装置100を製造する際には、まずガラス等の基板101上に、上部に作られる部材(TFT又は有機化合物層)を保護するための防湿膜102がコートされる。防湿膜102を構成する材料として、酸化ケイ素又は酸化ケイ素と窒化ケイ素との複合体等が使用される。次に、スパッタリングによりCr等の金属を成膜することで、所定の回路形状にパターニングしてゲート電極103を形成する。続いて、酸化シリコン等をプラズマCVD法又は触媒化学気相成長法(cat−CVD法)等により成膜し、パターニングしてゲート絶縁膜104を形成する。次に、プラズマCVD法等により(場合によっては290℃以上の温度でアニールして)シリコン膜を成膜し、回路形状に従ってパターニングすることで半導体層45を形成する。
さらに、この半導体膜105にドレイン電極106とソース電極107とを設けることでTFT素子108を作製し、図9に示すような回路を形成する。次に、このTFT素子108の上部に絶縁膜109を形成する。次に、コンタクトホール(スルーホール)110を、金属からなる有機発光素子用の陽極111とソース電極107とが接続するように形成する。
この陽極111の上に、多層あるいは単層の有機層112と、陰極113とを順次積層することにより、表示装置100を得ることができる。このとき、有機発光素子の劣化を防ぐために第一の保護層114や第二の保護層115を設けてもよい。本発明の有機発光素子を使用した表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
尚、上記の表示装置は、スイッチング素子に特に限定はなく、単結晶シリコン基板やMIM素子、a−Si型等でも容易に応用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>例示化合物No.2−1の合成
Figure 2009147274
反応容器に以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
トリエチルアミン:2ml(14.3mmol)
インダン−1,3−ジオン:0.73g(5mmol)
マロノニトリル:0.66g(10mmol)
メタノール:15ml
次に、この反応溶液を還流させながら4時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して、反応溶液の量が半分になるまで減圧濃縮した。次に、濃縮した反応溶液を冷蔵庫で冷却して放置した。次に、生成した濃青色結晶を濾取した後、濾過器上においてメタノールで洗浄した後、真空乾燥することにより粗結晶を得た。次に、得られた粗結晶を150乃至160℃/1.8×10-2mbarの条件で昇華精製することにより、例示化合物No.2−1を310mg(収率 18.2%)得た。
後述する各実施例で使用される化合物(例示化合物No.1−1,1−9,2−11)も、上記と同様の方法で合成することが可能である。
<実施例1>
図4に示される構造の有機発光素子を作製した。
ガラス基板(基板1)上に、酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて成膜し、陽極2を形成した。このとき陽極2の膜厚を120nmとした。次に、このITOが成膜されている基板をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。次に、低圧水銀灯によるUV/オゾン洗浄を40分間実施した。以上のようにして処理した基板を透明導電性支持基板として使用した。
次に、正孔輸送層5を塗布法により成膜するために、以下の試薬、溶媒を混合して塗料組成物を作製した。
下記式(I)で示される芳香族ジアミン化合物(A):99質量部
Figure 2009147274
例示化合物No.1−1:1質量部
クロロホルム:49900質量部
次に、この塗料組成物を陽極2上に滴下し、スピンコートすることにより薄膜を形成した。このとき当該薄膜の膜厚は25nmであった。次に、80℃で10分間加熱乾燥して当該薄膜中に存在する溶媒を除去することにより正孔輸送層5を形成した。
次に、正孔輸送層5上に下記式(II)に示される発光性化合物を、真空蒸着法により成膜して発光層3を形成した。このとき発光層3の膜厚を30nmとした。
Figure 2009147274
次に、発光層3上に下記式(III)に示されるバソフェナントロリンを、真空蒸着法により成膜して電子輸送層6を形成した。このとき電子輸送層6の膜厚を25nmとした。
Figure 2009147274
次に、電子輸送層6上にフッ化リチウムを、真空蒸着法により成膜して電子注入層8を形成した。このとき電子注入層7の膜厚を0.5nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.1nm/secの条件とした。
次に、電子注入層8上にアルミニウムを、真空蒸着法により成膜して陰極4を形成した。このとき陰極4の膜厚を120nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を1.0nm/sec乃至1.2nm/secの条件とした。
次に、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。以上のようにして有機発光素子を得た。
得られた素子について、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして6Vの直流電圧を印加すると素子に電流が流れた。このとき素子に流れた電流の電流密度は30mA/cm2であり、輝度1240cd/m2の青色の発光が観測された。またこの素子の色度座標は、NTSC(X,Y)=(0.15,0.17)であった。
さらに、電流密度を20mA/cm2に保ちながら50時間電圧を印加し続けたところ、初期輝度が860cd/m2に対して50時間後の輝度が720cd/m2であったので輝度劣化は小さかった。
<実施例2>
実施例1において、塗料組成物の組成を以下のようにした他は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
式(I)の芳香族ジアミン化合物(A):96質量部
例示化合物No.1−1:4質量部
クロロホルム:49900質量部
得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.1−9を使用した他は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例2において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.1−9を使用した他は、実施例2と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−1を使用した他は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例2において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−1を使用した他は、実施例2と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−11を使用した他は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例2において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−11を使用した他は、実施例2と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、塗料組成物の組成を以下のようにした他は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
式(I)の芳香族ジアミン化合物(A):100質量部
クロロホルム:49900質量部
得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例2において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに下記式(IV)に示されるベンゾキノン誘導体を使用した他は、実施例2と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009147274
Figure 2009147274
<実施例9>
図6に示される構造の有機発光素子を作製した。
ガラス基板(基板1)上に、酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて成膜し、陽極2を形成した。このとき陽極2の膜厚を120nmとした。次に、このITOが成膜されている基板をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。次に、UV/オゾン洗浄を実施した。以上のようにして処理した基板を透明導電性支持基板として使用した。
次に、正孔注入層6を塗布法により成膜するために、以下の試薬、溶媒を混合して塗料組成物を作製した。
下記式(V)で示される芳香族ジアミン化合物(B):99質量部
Figure 2009147274
例示化合物No.1−1:1質量部
クロロホルム:99900質量部
次に、この塗料組成物を陽極2上に滴下し、スピンコートすることにより薄膜を形成した。このとき当該薄膜の膜厚は10nmであった。次に、80℃で10分間加熱乾燥して当該薄膜中に存在する溶媒を除去することにより正孔注入層7を形成した。
次に、正孔注入層7上に式(V)で示される芳香族ジアミン化合物(B)を、真空蒸着法により成膜し正孔輸送層5を形成した。このとき正孔注入層7の膜厚を20nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.2nm/sec乃至0.3nm/secの条件とした。
次に、正孔輸送層5上に下記式(VI)で示されるカルバゾール化合物と、下記式(VII)で示されるフルオレン化合物とを、真空蒸着法により、質量比が90:10となるように共蒸着し、発光層3を形成した。このとき発光層3の膜厚を24nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.2nm/sec乃至0.3nm/secの条件とした。
Figure 2009147274
次に、発光層3上に式(III)で示されるバソフェナントロリンを、真空蒸着法により成膜し電子輸送層6を形成した。このとき電子輸送層6の膜厚を40nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Pa、成膜速度を0.2nm/sec乃至0.3nm/secの条件とした。
次に、電子輸送層6上にフッ化リチウムを、真空蒸着法により成膜して電子注入層8を形成した。このとき電子注入層7の膜厚を0.5nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.1nm/secの条件とした。
次に、電子注入層8上にアルミニウムを、真空蒸着法により成膜して陰極4を形成した。このとき陰極4の膜厚を120nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を1.0nm/sec乃至1.2nm/secの条件とした。
次に、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。以上のようにして有機発光素子を得た。
得られた素子について、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして7Vの直流電圧を印加すると素子に電流が流れた。このとき素子に流れた電流の電流密度は60mA/cm2であり、輝度1850cd/m2の青色の発光が観測された。またこの素子の色度座標は、NTSC(X,Y)=(0.15,0.12)であった。
さらに、電流密度を30mA/cm2に保ちながら100時間電圧を印加し続けたところ、初期輝度が1010cd/m2に対して100時間後の輝度が760cd/m2であったので輝度劣化は小さかった。
<実施例10>
実施例9において、塗料組成物の組成を以下のようにした他は、実施例9と同様の方法により有機発光素子を作製した。
式(V)の芳香族ジアミン化合物(B):96質量部
例示化合物No.1−1:4質量部
クロロホルム:99900質量部
得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例11>
実施例9において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.1−9を使用した他は、実施例9と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例12>
実施例10において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.1−9を使用した他は、実施例10と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例13>
実施例9において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−1を使用した他は、実施例9と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例14>
実施例10において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−1を使用した他は、実施例10と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例15>
実施例9において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−11を使用した他は、実施例9と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例16>
実施例10において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに例示化合物No.2−11を使用した他は、実施例10と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<比較例3>
実施例9において、塗料組成物の組成を以下のようにした他は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
式(V)の芳香族ジアミン化合物(B):100質量部
クロロホルム:99900質量部
得られた素子について実施例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
<比較例4>
実施例10において、塗料組成物を調製する際に、例示化合物No.1−1の代わりに式(IV)に示されるベンゾキノン誘導体を使用した他は、実施例10と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例10と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2009147274
本発明の有機発光素子は、デイスプレイパネル、表示装置等の構成デバイスとして利用することができる。
本発明の有機発光素子における第一の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第二の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第三の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第四の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第五の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第六の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機発光素子における第七の実施形態を示す断面図である。 表示装置の一形態である、本発明の有機発光素子と駆動手段とを備えた表示装置の構成例を模式的に示す図である。 図8の表示装置に配置されている1つの画素を構成する回路を示す回路図である。 図8の表示装置で用いられるTFT基板の断面構造の一例を示した模式図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 正孔輸送層
6 電子輸送層
7 正孔注入層
8 電子注入層
9 正孔/エキシトンブロッキング層
10,20,30,40,50,60,70,94 有機発光素子
80,100 表示装置
81 走査信号ドライバー
82 情報信号ドライバー
83 電流供給源
84,90 画素回路
91 第一の薄膜トランジスタ(TFT1)
92 コンデンサー(Cadd
93 第二の薄膜トランジスタ(TFT2)
101 基板
102 防湿層
103 ゲート電極
104 ゲート絶縁膜
105 半導体膜
106 ドレイン電極
107 ソース電極
108 TFT素子
109 絶縁膜
110 コンタクトホール(スルーホール)
111 陽極
112 有機層
113 陰極
114 第一の保護層
115 第二の保護層

Claims (5)

  1. 陽極と陰極と、
    該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物からなる層と、から構成され、
    該有機化合物からなる層に下記一般式(1)又は(2)で示されるテトラシアノ化合物が少なくとも一種類含まれることを特徴とする、有機発光素子。
    Figure 2009147274
    (式(1)において、R1乃至R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換の芳香族基、ニトロ基又はシアノ基を表す。)
    Figure 2009147274
    (式(2)において、nは、1乃至2の整数を表す。Mn+は、金属イオン又はオニウムカチオンを表す。)
  2. 前記オニウムカチオンが、下記一般式(3)に示されるアンモニウムイオンであることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
    Figure 2009147274
    (式(3)において、R11乃至R13は、それぞれ置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基又は置換あるいは無置換の芳香族基を表す。)
  3. 前記テトラシアノ化合物が正孔注入層及び正孔輸送層のいずれかに含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光素子。
  4. 前記テトラシアノ化合物が電子注入層及び電子輸送層のいずれかに含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機発光素子を具備することを特徴とする、表示装置。
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