JP2009146465A - 再生専用型光ディスク媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報信号記録面内の情報信号領域が、変調された情報データに応じたピットとして形成され、金属合金反射膜によって被覆されている。また情報信号領域内に追加情報記録区間が設けられ、この追加情報記録区間上の金属合金反射膜が、情報データに応じて穴空きマークとして形成される。この場合に、nTに対応する穴空きマークの長さをLh(n)、幅をWh(n)、円錐台形状とされるピットの円錐台形底面の長さをLp1(n)、幅をWp1(n)、円錐台形上面の長さをLp2(n)、幅をWp2(n)とした場合に、Lh(n)>Lp1(n)及びWh(n)>(Wp1(n)+Wp2(n))/2を満たすようにする。
【選択図】図11
Description
例えばこれらの再生専用型光ディスク媒体は、その優れた量産性による低い生産コストにより多くのコンテンツホルダーがコンテンツの提供手段として利用している。
ディスク完成後は、この反射膜により、再生装置から照射されるレーザ光がピット/ランドの部分で反射されるようにしている。なお、ピット列におけるピットとピットの間のランド部分は「スペース」とも呼ばれる。
ところが近年では、所定の情報データを記録した再生専用型光ディスクの管理のために、製造される再生専用型光ディスクの1枚ごとにユニークな識別番号等の追加的な情報を記録する方法が要望されている。
すなわち情報データが既にピットとして存在している情報記録領域(コンテンツエリア等)への追加情報の記録は困難であった。
しかしながら、これらの方法で追加情報が記録された再生専用型光ディスクは、追加情報データが主信号とは異なる信号出力、あるいは変調方式であるなど、コンテンツエリア以外の領域の読み取りを前提としている。そのため、専用の読み取り機能を持った再生装置以外では読み出すことが出来ず、既存の再生装置では追加情報が読めないという状況を生じさせ、その点で互換性に乏しいという問題があった。
また上記特許文献1には、追加情報の記録にあたって情報記録領域以外の領域を選択することが記載されている。
また上記特許文献2においては、追加情報記録がなされた信号の読み取りには、既存の情報記録部との反射率の差を用いることが開示されている。この場合、専用の読み取り機能を備えた再生装置が必要である。
そして変調された情報データの基準クロック周期をTとし、情報データの長さをnT(nは自然数)としたときの上記nTに対応する上記マークの長さをLh(n)とし、上記nTに対応する、上記マークの幅をWh(n)とし、上記nTに対応する、上記ピットの円錐台形底面の長さをLp1(n)とし、上記nTに対応する、上記ピットの円錐台形底面の幅をWp1(n)とし、上記nTに対応する、上記ピットの円錐台形上面の長さを、上記Lp1(n)より長いLp2(n)とし、上記nTに対応する、円錐台形上面の幅を上記Wp1(n)より長いWp2(n)とした場合に、
Lh(n)>Lp1(n) ・・・(式1)
及び、
Wh(n)>(Wp1(n)+Wp2(n))/2 ・・・(式2)
を満たすものとされる。
或いは、上記追加情報記録区間は、少なくとも、上記半透過反射膜が被覆された情報記録面に設けられ、上記マークと上記ピットとの間で、上記(式1)及び上記(式2)の関係が満たされるようにする。
つまり追加情報は、情報記録領域(ピット/ランドによる第1の記録データ列で情報が記録された領域であって、コンテンツエリアやリードイン等の管理エリアを含む領域)における記録トラックの一部領域に記録されるものとなる。
なお、穴空きマークを有する第2の記録データ列として記録される追加情報をどのような情報とするかは多様に想定される。例えば再生専用型光ディスク媒体の1枚ごとにユニークな識別番号等であってもよいし、再生専用光ディスク媒体に記録する主データの一部などとしてもよい。
プリピット信号列から読み出されるプリピット信号は「位相差検出」に基づいて再生される。
ピット部とランド部とで反射光の位相が異なるため、再生レーザ光のスポット内にピットが入る場合の反射光は、ピット部とランド部との光の干渉によって光量が減少する。プリピット信号においてはピットの深さが位相差に関係し、再生光スポット内のピットの位置およびピットの占有面積が再生光スポット内におけるピット部とランド部の光量比に関係する。光の干渉は位相が180度異なると最も弱め合い、さらに同じ光量ならば干渉の結果ほぼ0となって大きな信号変調度が得られる。したがって、プリピット信号の信号変調度は、ピットの深さ、およびピットの面積に大きく影響される。
一方、穴空きマーク信号列から読み出される穴空きマーク信号は「反射率差検出」に基づいて再生される。これはランド部分からの反射率は不変であるのに対して、穴空きマーク部分からの反射率はほぼ0と変わるため、再生光スポット内に穴空きマークが入る場合の反射光はやはり減少するからである。
したがって穴空きマーク信号列においては、再生光スポット内の穴空きマークの位置および面積が反射光量に関係し、面積が再生光スポットに比して大きくなるほど反射光量が減少して大きな変調度が得られる。したがって、穴空きマーク信号の信号変調度は、穴空きマークの面積に大きく影響される。
そこで本発明では、ピットのサイズと穴空きマークのサイズを規定することにより、プリピット信号と穴空きマーク信号のそれぞれの信号レベルを略同等とする。即ち位相差検出と反射率差検出としての検出方式の違いや、ピットと穴空きマークの形状の違いに鑑みて、上記(式1)(式2)の関係を導き出した。
そして本発明の場合、ピットおよび穴空きマークの面積を決定するピットや穴空きマークの長さや幅についての相対的な大小関係を上述の(式1)(式2)のように規定する。これによりプリピット信号と穴空きマーク信号の信号変調度を同等程度とすることができ、その結果両者の入力信号レベルを略同一として特別な読み取り装置を必要とすることなく両信号を安定に読み出せるようになるという効果がある。
まず、実施の形態の再生専用型光ディスク90の製造工程を図1で説明する。
マスタリング工程は、マスターディスク91に記録された情報データに基づいて、光ディスク原盤92を製造する工程である。この工程では、記録変調信号生成部100とレーザビームレコーダ110を有するマスタリング装置が用いられる。
記録変調信号生成部100は、マスターディスク91を再生して、記録する情報データを読み込み、読み込んだ情報データの信号をEFM+(Eight to Fourteen Modulation plus)変調して生成したEFM+信号をレーザビームレコーダ110へ出力する。
後に図11で説明するが、形成されるピットは円錐台形状をしている。光ディスク原盤92の段階で言えば、光ディスク原盤92上に形成されるピットは、通常はガラス板側の面積が小さく、フォトレジストの露光面側の面積が大きくなる。
無変調信号のタイミング期間では、レーザビームレコーダ110におけるレーザ光はオフ期間となる。つまりEFM+信号において無変調信号が挿入されることで、光ディスク原盤92上で露光されない区間が形成される。この区間は全てランドとなって凹凸形状が形成されない区間となり、これが後述する追加情報記録区間となる。
光ディスク基板94の作製方法としては、圧縮成形、射出成形、光硬化法等が知られている。
スタンパ93からピットパターンが転写された光ディスク基板94に対しては、続いて成膜装置130で、反射膜等の被覆膜が被着されることによって、反射膜形成済み光ディスク基板95が形成される。
貼り合せ基板96としては、上記同様の工程で作製した反射膜形成済み光ディスク基板か、あるいは、半透過反射膜形成済み光ディスク基板か、反射膜を被覆していないダミー用光ディスク基板が用いられる。
基板貼り合せ装置140は、反射膜形成済光ディスク基板95に対して、上記いずれかの貼り合せ基板96を貼り合せ、貼り合せ済光ディスク97を製造する。
貼り合せの際の接着手法としては、紫外線硬化樹脂を用いる手法や、粘着剤付きシートによる手法等が知られている。
そこで貼り合せ済光ディスク97に対して追記工程が行われる。追記工程では、追加情報記録装置150が、上記貼り合せ済光ディスク97における追加情報記録区間に追加情報を書き込む。例えば光ディスク個体毎に異なる識別情報などを追加情報として書き込む。
追加情報記録装置150は、追記管理部160から追加情報記録区間の位置情報(アドレス)を指示され、また書き込む追加情報が提供されて、追加情報の書込を行う。
この場合、追加情報記録装置150は、追加情報をEFM+変調するとともに、そのEFM+信号に基づいて記録用の高出力レーザパルスを照射し、追加情報記録区間における反射膜を消失又は低減させることで穴空きマークを形成するという手法で書き込みを行う。穴空きマークの幅や長さは、記録用レーザの出力や発光時間を変更することで調整できる。
図2は、再生専用型光ディスク90の平面図である。再生専用型光ディスク90は直径12cmのディスクとされ、そのうちで矢印の半径範囲で示す領域が情報記録領域1である。この情報記録領域1とは、EFM+信号に基づいたピット/ランドによる記録データ列が、例えばスパイラル状の記録トラックとして形成されている領域であり、管理情報が記録されたリードインエリア、コンテンツデータが記録されたコンテンツエリア、及びリードアウトエリアなどを含む領域である。
ここで範囲AR1は通常のピット/ランドによる記録データ列としての記録トラックが生成された部分であり、範囲AR2は、穴空きピットが形成された追加情報記録区間を含む部分としている。
図3(a)には、ピット2及びランド3による記録データ列としてのパターンが形成されている様子を示している。
そして図3(b)からわかるように、この再生専用型光ディスク90は、それぞれが例えばポリカーボネートより成る厚さ0.6mmの反射膜形成済光ディスク基板95と貼り合わせ基板(ダミー用光ディスク基板)96が接着剤5(例えば紫外線硬化樹脂や接着シート)により張り合わされて、1.2mm厚とされる。
この場合、反射膜形成済光ディスク基板95の一主面が情報記録面L0とされ、この情報記録面L0は、ピット2およびランド3による凹凸パターンとして形成されている。また、このピット2およびランド3は、その表面に反射膜4が形成されている。
なお、ピット2とランド3の凹凸関係は逆である場合もある。
接着剤5は光透過性であるのが一般的であるが、構造によっては光透過性でなくてもよい。反射膜形成済み光ディスク基板95と接着され貼り合わせ基板96が、反射膜あるいは半透過反射膜を有している場合は、その接着面は反射膜あるいは半透過反射膜が形成されている面となる。
図4(a)に示すように、或る1周回トラックの一部区間が追加情報記録区間10とされており、この追加情報記録区間10には、上述の追記工程で形成された穴空きマーク6による記録データ列が形成されている。つまり追加情報が穴空きマーク6による記録データ列として記録されたものである。追加情報記録区間10の部分のトラック線方向の前後は、ピット2及びランド3による記録データ列となり、また追加情報記録区間10に隣接するトラックもピット2及びランド3による記録データ列となっている。
図4(b)に示すように、範囲AR2の基本的な層構造は図3(b)と同様となるが、情報記録面L0の一部に穴空きマーク6が形成されている。即ち穴空きマーク6は、金属合金反射膜4が消失又は低減されて、ほとんど存在しない状態となるようにして形成されたものである。
図5(a)に示すように、追加情報記録区間10は、無変調区間としてピット2、ランド3による凹凸パターンが形成されていない区間とされている。図5(b)からわかるように、この追加情報記録区間10は、ランド3と同一平面上に存在し、反射膜4が被覆されていわゆるミラー部となっている。
このような追加情報記録区間10に対して、追記工程において追加情報が記録される。
即ち、上述した追加情報記録装置150は、例えば高出力赤色半導体レーザを用いた専用の記録装置として用意され、例えばDPD(differential phase detection)を用いて情報記録領域1のピット列へトラッキングをかける機能と、所望の区間で記録用の高出力レーザパルスを発光させる機能とを有し、図5の状態の追加情報記録区間10に対して記録を行って、図4のように穴空きマーク6を形成する。その際の発光パターンの変調は、情報記録領域のピット列に対応した変調と同じ変調方式として、EFM+信号が用いられる。
SEM観察時には反射膜形成済光ディスク基板95と貼り合わせ基板96(ダミー用光ディスク基板)とを接着面で剥がし、反射膜4がむき出しになった部分へ電子線を入射して観察した。反射膜4としては、Alを基合金としてFeを約1原子%、Tiを約5原子%含有したAl合金を用いた。
この図6からわかるとおり、追加情報記録区間10に形成されている金属合金反射膜が追加情報の変調信号に応じて消失或いは減少されて楕円形状に穴が空き、ピットに対応した穴空きマーク6が綺麗に形成されていることがわかる。
2層構造の再生専用型光ディスク90の場合、反射膜形成済光ディスク基板95に対して、貼り合わせ基板96としては半透過反射膜形成済光ディスク基板が用いられる。半透過反射膜形成済光ディスク基板は、ピット/ランドによる所要の記録データ列が形成されたディスク基板上に半透過反射膜7が形成された光ディスク基板である。
情報記録面L0は反射膜形成済光ディスク基板95の一主面上に形成され、情報記録面L1は半透過反射膜形成済光ディスク基板の一主面上に形成される。
次に、一方の光ディスク基板94の情報記録面L0の表面に反射膜4を、また他方の光ディスク基板94の情報記録面L1の表面に半透過反射膜7を、それぞれ例えばスパッタすることによって形成する。
そして、この一方の光ディスク基板94の情報記録面L0上に例えば紫外線硬化樹脂を塗布し、他方の光ディスク基板94の情報記録面L1側と接着することで貼り合せ、紫外線を照射することで紫外線硬化樹脂を硬化させる。
図7(a)は、情報記録面L0側に追加情報記録区間10が設けられ、ここにレーザ照射をおこなって反射膜4(全反射膜)を消失又は減少させることで穴空きマーク6を形成した例である。
また図7(b)は、情報記録面L1側に追加情報記録区間10が設けられ、ここにレーザ照射をおこなって半透過反射膜7を消失又は減少させることで穴空きマーク6を形成した例である。
なお、ここではいずれかの情報記録面としたが、例えば情報記録面L0,L1の両方に追加情報記録区間10を設け、それぞれに穴空きマーク6による記録データ列を形成するようにしてもよい。
このためには穴空きマーク6による記録データ列部分において、少なくとも以下の条件を満たす必要がある。
・穴空きマーク6による記録データ列が、ランレングス制限を満たしていること。
・穴空きマーク6による記録データ列において反射率がDVD規格に適合すること。
・穴空きマーク6による記録データ列部分の再生信号の変調度がDVD規格に適合すること。
・穴空きマーク6による記録データ列部分の再生信号のアシンメトリがDVD規格に適合すること。
・穴空きマーク6による記録データ列部分のジッター値がDVD規格に適合すること。
穴空きマーク6部分の反射率と反射膜の膜厚の関係を図8に示した。ここでは反射膜として純Ag、純Alを採用した場合について、それぞれ波長650nmの光を屈折率約1.5の樹脂を通して照射した場合の反射率を計算機により算出したものを示している。
この図8から、膜厚が薄くなる程反射率が低くなることがわかる。反射膜が純Agの場合は、膜厚約30nmで反射率が約80%となり、膜厚50nm以上で反射率が90%を超えて横ばいとなる。また、反射膜が純Alの場合は、膜厚約10nmで反射率が約70%となり、膜厚約20nmで反射率が85%を超え、膜厚約35nm以上で横ばいとなる。
本実施の形態においては、追加情報データを穴空きマーク6として安定に形成するために、例えば純Alへ元素を添加したAl合金を反射膜として用いる。Al合金になると同じ膜厚で比較した場合の反射率は純Alの場合より低減するため、反射膜材料としては横ばいになったときの反射率が上記DVD規格を満たすように、例えば無偏光光学系で60%以上となるように、Al合金の組成と膜厚を制御すればよい。
ここで、穴空きマーク6の部分とは、反射膜が消失または減少されて形成された部分であり、穴空きマーク6と穴空きマーク6の間のスペース部分(ランド部分)が、反射膜が通常に残されている部分である。基本的には穴空きマーク6と穴空きマーク6の間のスペース部分は、ピット2及びランド3による記録データ列のランド3の部分と同様の膜厚となり、必要な反射率が得られる。
I14/I14H≧0.60
I3/I14≧0.15(単層ディスクの場合)
I3/I14≧0.20(2層ディスクの場合)
とされる。
またアシンメトリに関しては、DVD規格では、
−0.05≦{(I14H+I14L)/2−(I3H+I3L)/2}/I14≦0.15
とされる。
図9に再生信号のアイパターンの概略図を示している。I14は14Tパターンのピーク−ボトムの振幅レベル、I14Hは14Tパターンのピークレベル、I14Lは14Tパターンのボトムレベル、I3は3Tパターンのピーク−ボトムの振幅レベル、I3Hは3Tパターンのピークレベル、I3Lは3Tパターンのボトムレベルである。
図10に本実施の形態によるピット2及びランド3による記録データ列での再生信号振幅と、穴空きマーク6による記録データ列での再生信号振幅の概略を示す。図10のように、ピット2およびランド3による記録データ列からも、穴空きマーク6による記録データ列からも、I14H、I14L、I3H、I3Lとして、ほぼ同等のレベルを得ることが出来、上記変調度及びアシンメトリの規格を満たすことができる。
ジッター値(対チャネルビットクロック時間)に関しては、8.0%以下とされるように穴空きマーク6による記録データ列が形成されればよい。
一方、穴空きマーク6による記録データ列では、穴空きマーク6部分とスペース部分での反射率差によって検出される反射光量差が得られる。図8からわかるように、反射膜が殆ど消失された穴空きマーク6の部分は、反射率は低くなり、一方、反射膜が残されているスペース部分では高い反射率が得られる。
この結果、再生信号波形で見れば、図10にも示したようにピット列と穴空きマーク6による記録データ列では、ほぼ同等の再生信号波形が得られ、穴空きマーク6からはピット2と同一の論理性が得られる。
図11(a)(b)からわかるように、ピット2は円錐台形状の凹部となる。
このピット2として、nTに対応するピットの面積の小さい底面(円錐台形底面)の長さをLp1(n)、幅をWp1(n)とする。
またピット2の、面積の大きい面(円錐台形上面)の長さをLp2(n)、幅をWp2(n)とする。
この場合当然、Lp1(n)<Lp2(n)であり、Wp1(n)<Wp2(n)となる。
また穴空きマーク6については、nTに対応する穴空きマークの長さをLh(n)、幅をWh(n)とする。
Lh(n)>Lp1(n) ・・・(式1)
Wh(n)>(Wp1(n)+Wp2(n))/2 ・・・(式2)
の両方が満たされるようにすればよい。
即ちnTの穴空きマーク6の長さLh(n)は、nTのピット2の円錐台形底面の長さLp1(n)より長くなるようにする。
またnTの穴空きマーク6の幅Wh(n)は、nTのピット2の円錐台形底面の幅Wp1(n)と円錐台形上面の幅Wp2(n)の中間サイズより長くなるようにする。
このようなピット2及び穴空きマーク6のサイズ設定により、プリピット信号列と穴空きマーク信号列について、図10に示したようなほぼ同等の振幅が得られ、変調度やアシンメトリをほぼ同等とできる。
レーザビーム強度を調整することで、ピットの幅や長さの調整が可能となる。
また原盤露光時のレーザビームの発光時間(露光時間)によって、ピット長を微調整することが可能である。ピット長自体は、例えば3T〜14Tとして規定され、各Tに対応したレーザ発光時間が設定されるが、その各Tのレーザ発光時間を微調整することで、各Tのピット長を僅かに長くしたり短くすることができる。
穴空きマーク6を形成するための記録用レーザパワーと、穴空きマーク6の幅、長さの関係を調べたものが図12、図13である。
図12(a)は3Tマークについて、記録用レーザパワーと長さLh(3)の関係を示し、図12(b)は11Tマークについて、記録用レーザパワーと長さLh(11)の関係を示している。
また図13(a)は3Tマークについて、記録用レーザパワーと幅Wh(3)の関係を示し、図13(b)は11Tマークについて、記録用レーザパワーと幅Wh(11)の関係を示している。
なお本実験においてはパルス発光時間を固定し、記録用レーザパワーを変えることで穴空きマークの幅、長さの関係を図11,図12のように得たが、パルス発光時間を変えることによっても光エネルギー量が変わり、穴空きマークの幅、長さが制御できる。その場合においては図12,図13とは異なる関係グラフとなるが、記録用レーザパワーとパルス発光時間によって穴空きマーク6の幅と長さを制御できることが成り立つ。
追加情報記録区間10のトラック線方向の長さX(図4参照)は約40μmとした。
次に複数の追加情報記録区間10全てに対して、個々の追加情報記録区間10の前後のピット列の情報データを考慮して、再生信号検出後のEFM+信号が正しくデコードされるように、追加情報を穴空きマーク6によって形成した。穴空きマーク6の形成にもちいる追加情報記録装置150としては、波長650nm、対物レンズのNA0.60の光学系を有する高出力レーザライターを用いた。
そして市販の7社のメーカー製DVDプレイヤーを各1台ずつ用意し再生テストを行った。その結果、7機種全てにおいてデコードエラーが発生することなく追加情報を読み取ることが出来た。
図14は倍率1万倍での二次電子および反射電子の両方による観察像で、長さや幅を計測するのに適当な個所を抜粋したものである。
プリピット信号列と穴空きマーク信号列の中から、3T、5T、6T,10Tに相当するものの長さおよび幅を計測し、比較したものを図15に示す。3T、5T、6T、10Tのいずれにおいても、
Lh(n)>Lp1(n) ・・・ (式1)
Wh(n)>(Wp1(n)+Wp2(n))/2 ・・・ (式2)
の関係が満たされていることがわかった。
なお、実施の形態ではDVD方式の再生専用型光ディスク90として、本発明を実現した例を述べたが、他のディスク方式の再生専用型光ディスク媒体及び製造方法としても、本発明は適用できる。
Claims (3)
- 第1の変調信号に基づいて形成された凹凸形状を有する情報記録面と、前記情報記録面を被覆する反射膜とを有し、前記凹凸形状をピット及びランドから成る第1の記録データ列として記録トラックを形成する再生専用型光ディスク媒体において、
上記ピット及びランドから成る第1の記録データ列が形成された上記記録トラック中に上記記録層が平面形状となる追加情報記録区間が設けられ、
該追加情報記録区間において、第2の変調信号に基づいて反射膜を消失又は減少させたマークから成る第2の記録データ列が形成されており、
上記第1の記録データ列を形成する際の情報データの変調方式と上記第2の記録データ列を形成する際の情報データの変調方式とが同一であって、
変調された情報データの基準クロック周期をTとし、情報データの長さをnT(nは自然数)としたときの上記nTに対応する上記マークの長さをLh(n)とし、
上記nTに対応する、上記マークの幅をWh(n)とし、
上記nTに対応する、上記ピットの円錐台形底面の長さをLp1(n)とし、
上記nTに対応する、上記ピットの円錐台形底面の幅をWp1(n)とし、
上記nTに対応する、上記ピットの円錐台形上面の長さを、上記Lp1(n)より長いLp2(n)とし、
上記nTに対応する、円錐台形上面の幅を上記Wp1(n)より長いWp2(n)とした場合に、
Lh(n)>Lp1(n) ・・・(式1)
及び、
Wh(n)>(Wp1(n)+Wp2(n))/2 ・・・(式2)
を満たすことを特徴とする再生専用型光ディスク媒体。 - 上記情報記録面として複数の情報記録面を有し、1つの情報記録面は、上記反射膜として全反射膜が被覆され、かつ、他の情報記録面は上記反射膜として半透過反射膜が被覆されており、
上記追加情報記録区間は、少なくとも、上記全反射膜が被覆された情報記録面に設けられ、上記マークと上記ピットとの間で、上記(式1)及び上記(式2)の関係が満たされることを特徴とする請求項1に記載の再生専用型光ディスク媒体。 - 上記情報記録面として複数の情報記録面を有し、1つの情報記録面は、上記反射膜として全反射膜が被覆され、かつ、他の情報記録面は上記反射膜として半透過反射膜が被覆されており、
上記追加情報記録区間は、少なくとも、上記半透過反射膜が被覆された情報記録面に設けられ、上記マークと上記ピットとの間で、上記(式1)及び上記(式2)の関係が満たされることを特徴とする請求項1に記載の再生専用型光ディスク媒体。
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