本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1は、アクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の構成を示している。アクティブ型非接触情報記憶装置として、アクティブ型RF IDタグ202の代わりに、アクティブ型RF IDタグ202と同様の構成を有する非接触ICカードを用いてもよい。この場合、RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の間で送信データは暗号化され、受信データは暗号解読されて認証に用いられる。代替構成として、認証を行わなくてもよく、また、送信データを暗号化しなくてもよい。
アクティブ型RF IDタグ202は、制御部210と、メモリ214と、データ生成部222と、送信部(TX)230と、受信部(RX)250と、データ復号部242と、キャリア判定部246と、ウェイクアップ部270と、送信アンテナ(ANT)282と、受信アンテナ(ANT)284と、バッテリ290と、を具えている。
ウェイクアップ部270は、時間を測定し時刻を生成するタイマ274を含み、RF IDタグ202の電源投入後は常に活動状態になっていて、タイマ274の時刻およびメモリ214から読み出した予め設定された制御スケジュールおよび時間制御シーケンスに従って例えば2秒といった所定のキャリア・センス周期Tcsでウェイクアップ信号(Wakeup)を制御部210に供給する。
データ生成部222は、メモリ214に格納されている暗号鍵Keを用いて所定の暗号方式に従って送信データを暗号化する暗号化部224を含んでいる。データ復号部242は、受信データを所定の暗号方式に従って暗号鍵/復号鍵Keを用いて解読する解読部244を含んでいる。ここでは、所定の暗号方式を共通鍵暗号方式として説明するが、公開鍵暗号方式であってもよい。
データ生成部222は、メモリ214に格納されているタグID(ID_tag)等を含む所定のフォーマットのデータを生成し、所定の暗号化方式でそれを暗号化し、、所定の符号化方式に従ってその暗号データを符号化して符号化データを生成する。そのデータはアクセス記録を含んでいてもよい。送信部(TX)230は、データ生成部222から受け取ったベースバンドの符号化データでキャリアを変調して、周波数f2または相異なる周波数f2i(n=1、2、...n)のRF信号を送信する。
受信部(RX)250は、周波数f1のRF信号を受信して復調してベースバンド符号化データを生成し、受信RF信号のキャリア強度を表すデータを生成する。
データ復号部242は、受信した符号化データを所定の符号化方式に従って復号して、その復号データを所定の暗号化方式に従って暗号解読し、その解読データをデータ生成部222および制御部210に供給する。
キャリア判定部246は、受信部250から受信RF信号キャリアの電力の強度を表すデータを受け取って、受信キャリアの有無を判定して、その判定結果を制御部210に供給する。
送信アンテナ(ANT)282は、送信部230に結合される。受信アンテナ(ANT)284は、受信部250に結合される。代替構成として、アンテナ282と284は1つのアンテナであってもよい。
周波数f1およびf2は、例えばそれぞれ300MHzおよび301MHzである。周波数f2iは、例えば301MHz、302MHz、....305MHzである。送信部(TX)230の送信出力は、例えば1mWである。
制御部210は、乱数発生部211と、周波数切り換え部212と、タイミング調整部213とを含んでいる。乱数発生部211は、送信タイムスロットをランダムに選択するための乱数を発生する。周波数切り換え部212は、送信周波数f2iを切り換える。タイミング調整部213は、送信タイミングを調整する。
バッテリ290は、各構成要素210〜270等に電力を供給する。
制御部210は、電源投入後は常に活動状態になっていて、メモリ214と、データ生成部222と、送信部230と、受信部250と、データ復号部242と、キャリア判定部246と、ウェイクアップ部270とに、それぞれメモリ制御信号CTRL_M、データ生成制御信号CTRL_ENC、送信制御信号CTRL_TX、受信制御信号CTRL_RX、データ復号制御信号CTRL_DEC、キャリア判定制御信号CTRL_CSおよびウェイクアップ部制御信号を供給する。制御部210は、プログラムに従って動作するマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータであってもよい。
メモリ214は、RF IDタグ202のタグID(ID_tag)、認証用のシステムID(ID_system)および暗号鍵/復号鍵Ke、認証用の現在の時刻T、リーダ/ライタ装置302によるアクセスの記録、ウェイクアップ部270の制御スケジュールおよび時間制御シーケンス、バッテリ290の現在の電力残量、キャリア・センスの周期Tcs、受信処理持続時間、送信周期Tt、送信持続時間、等の情報を格納している。メモリ214は、現在の時刻T、システムIDおよび暗号鍵/復号鍵Keを、データ生成部222およびデータ復号部242に供給する。
これらの情報は、リーダ/ライタ装置302によって予めRF IDタグ202に送信され、制御部210によってメモリ214に予め書き込まれる。メモリ214におけるこれらの情報は、制御部210の制御の下で格納され、更新される。
制御部210は、メモリ214中の時刻Tに基づいてタイマ274の時刻を修正し、タイマ274によって生成された現在の時刻Tをメモリ214に書き込み更新する。
システムIDは、リーダ/ライタ装置302とRF IDタグ202等の複数のRF IDタグで構成される同じグループによって共有される共通のIDを表している。システムIDは、リーダ/ライタ装置302のIDであってもよい。
リーダ/ライタ装置302は、制御部310と、メモリ314と、データ生成部322と、送信部(TX)330と、受信部(RX)350と、データ復号部342と、タイマ374と、送信アンテナ(ANT)382と、受信アンテナ(ANT)384と、を具えている。
制御部310は、ホスト・コンピュータ(図示せず)との間でデータを送受信する。
データ生成部322は、メモリ314に格納されている所定の暗号方式に従って暗号鍵Keを用いて送信データを暗号化する暗号化部324を含んでいる。データ復号部342は、所定の暗号方式に従って暗号鍵/復号鍵Keを用いて受信データを解読する解読部344を含んでいる。
データ生成部322は、制御部310から受け取ったコマンド(CMD)等を含む所定のフォーマットのデータを生成してそのデータを暗号化しその暗号データを符号化して符号化データを生成する。
送信部(TX)330は、データ生成部322から受け取ったベースバンド符号化データでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。送信部(TX)330の送信出力は例えば100mWである。
受信部(RX)350は、周波数f2またはf21〜f2nのRF信号を受信する。データ復号部342は、受信部350から受け取った受信データを復号しその復号データを暗号解読してベースバンド解読データを生成し、その解読データを制御部310に供給する。
タイマ374は、時間を測定し時刻を生成する。
送信アンテナ(ANT)382は、送信部330に結合される。受信アンテナ(ANT)384は、受信部350に結合される。代替構成として、アンテナ382と384は1つのアンテナであってもよい。
制御部310は、ホスト・コンピュータからのタグIDまたはタグ情報の要求コマンド(以下、単にタグ情報要求コマンドという)等のコマンドを受け取った場合、そのようなコマンドを含むデータをデータ生成部322に供給する。そのデータは、RF IDタグ202の使用すべき送信周波数f2またはf2i、基準の現在の時刻T、新しいまたは更新された制御スケジュールおよび時間制御シーケンス等を含んでいてもよい。そのようなコマンドには、現在の時刻Tとともにタイマ274の時刻を修正または更新するよう命令するコマンドが含まれていてもよい。そのようなコマンドには、新しいまたは更新された制御スケジュールまたは時間制御シーケンスとともにメモリ214に格納されているスケジュールまたはシーケンスを修正または更新するよう命令するコマンドが含まれていてもよい。
図2Aは、リーダ/ライタ装置302のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図2Bは、リーダ/ライタ装置302の受信待ち状態46および受信RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図2Cは、アクティブ型RF IDタグ202のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54および55、および認証成功の場合における応答を搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。
図2Aを参照すると、リーダ/ライタ装置302のデータ生成部322は、制御部310から受け取ったRF IDタグに対するタグ情報要求コマンドを含むデータを生成しそれを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。送信部330は、送信処理42の連続する各タイムスロットにおいて、そのコマンドを搬送するRF信号を充分短い間隔で周期的に送信する。
図2Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ202において、受信部250およびキャリア判定部246は、ウェイクアップ部274のウェイクアップ信号に従って例えば2秒といった一定の周期Tcsで例えば約1ms〜10msの所定の持続時間で発生するキャリア・センス50および52の時間期間に制御部210によってイネーブル(活動化、enable)される。それによって、受信部250は受信待ち状態になり、キャリア判定部246は受信部250からの受信RF信号キャリア電力の強度を表すデータに従って受信キャリアの有無の判定を行う。RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近していない場合は、キャリア判定部246はキャリアを検知せず(ND)、キャリアが存在しないと判定する。
キャリア・センス50相互間の期間51において、RF IDタグ202は休止モードに入って、制御部210およびウェイクアップ部270だけがイネーブルまたはパワー・オン(付勢)されており、その他の構成要素214〜250はディセーブル(非活動化、disable)またはパワー・ダウン(消勢)されている。休止期間51の時間長は、キャリア・センス期間50の終了時点と次のキャリア・センス期間50の開始時点との間の時間長より短くてもよい。
RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近してRF IDタグ202の受信部250がRF信号を受信した場合、キャリア判定部246は、キャリア・センス52の時間期間にRF信号のキャリアを検知し(DT)、キャリアが存在すると判定する。
そのキャリアが存在するという判定に応答して、受信部250およびデータ復号部242は直後の受信処理54の時間期間において所定の持続時間(例えば100ms)の間イネーブルされる。
受信部250はそのRF信号を受信し復調してコマンドを含む符号化された暗号データを生成し、データ復号部242はそのデータを復号し暗号データを解読してコマンドを取り出して制御部210に供給する。
制御部210は、そのコマンドに含まれている時刻TおよびシステムIDを用いてリーダ/ライタ装置302を認証する。認証が成功した場合は、そのコマンドに応答して、制御部210は、所定期間内のランダムに選択された送信処理56の時間期間において所定の持続時間(例えば100ms)の間、データ生成部222および送信部230をイネーブルする。データ生成部222は、メモリ214から取り出したタグID(ID_tag)、時刻T、システムID(ID_system)等の所要の情報を含むデータを暗号化し、その暗号データを符号化する。その他の所要の情報には、例えば、パッケージ内の商品の内容、個数および状態、発送者、移動、経由地および宛先、等に関する情報が含まれていてもよい。送信部230はその暗号化されたタグIDを含む応答データでキャリアを変調してRF信号を送信する。
一方、認証が失敗した場合は、データを生成および送信することなく処理を終了する。
図2Bを参照すると、リーダ/ライタ装置302の受信部350は、常に受信待ち状態46にあり、RF IDタグ202が接近してRF信号を受信した場合に、受信処理48の時間期間において受信RF信号を復調して符号化された暗号データを生成する。
データ復号部342は符号化された暗号データを復号し、その復号された暗号データを解読してタグIDを含む応答データを再生し、その再生された応答を制御部310に供給する。
その受信再生された応答に応答して、制御部310は、その応答に含まれている時刻TおよびシステムIDを用いてRF IDタグ202を認証し、そのタグIDをホスト・コンピュータに供給する。
ホスト・コンピュータは、タグIDを処理して、商品の流通または人を監視し管理するために用いる。
通常、RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近していない状態にある時間は、接近した状態にある時間よりもはるかに長い。よって、アクティブ型RF IDタグ202は、上記構成により、大部分の時間期間が休止モードになる。
従って、アクティブ型RF IDタグ202の消費電力は大幅に低減され、バッテリ290の稼動時間は大幅に長くなる。
また、通常、リーダ/ライタ装置302およびRF IDタグ202が送信データを暗号化し、時刻TおよびシステムIDを用いて相互認証を行うことによって、リーダ/ライタ装置302およびRF IDタグ202によって送信されるデータが、第三者に傍受されても、そのデータを不正に使用される危険性がなくなる。従って、リーダ/ライタ装置302およびRF IDタグ202の安全性が高くなる。
図3は、リーダ/ライタ装置302によって実行される処理のフローチャートを示している。図4Aおよび4Bは、アクティブ型RF IDタグ202によって実行される処理のフローチャートを示している。
図3を参照すると、ステップ402において、リーダ/ライタ装置302の制御部310は、ホスト・コンピュータから受け取ったタグ情報要求があるかどうかを判定する。タグIDの要求があるまでステップ402は繰り返される。タグ情報要求があると判定された場合、手順は送信処理のステップ414および受信処理のステップ422に進む。
ステップ414において、制御部310はタグ情報要求コマンドおよび関連する情報をデータ生成部322に供給する。データ生成部322は、制御部310から受け取ったタグ情報要求コマンド、およびメモリ314から取り出した現在の時刻T、システムID(ID_system)およびリーダ/ライタ装置302のIDを含むデータを、例えばDES(Data Description Standard)、トリプルDESまたはAES(Advanced Encryption Standard)等の所定の暗号方式に従って、メモリ314から取り出した暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを、例えばNRZ(Non Return to Zero)符号化法またはマンチェスタ符号化法等の所定の符号化方式に従って符号化し、送信部330は、図2Aの送信処理42の時間期間にその符号化データでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。制御部310は、タグ情報要求コマンド中にそのコマンドに対する応答の送信周波数f2または可変送信周波数f2iを指定するデータ、その可変送信周波数f2iを使用すべき時刻またはタイムスロットを表すデータ、現在の時刻Tを表すデータ、制御スケジュールおよび時間制御シーケンスを含ませてもよい。
リーダ/ライタ装置302は、複数の送信周期tRW−CYにおける複数コマンド毎に(例えば、少なくとも1つのキャリア・センス周期分の数の送信周期tRW−CYにおける複数コマンド毎に)、その周波数f2iを変更するようにしてもよい。
それによって、複数のRF IDタグが同時に存在する場合でも、RF IDタグからの応答送信が衝突する確率が減り、リーダ/ライタ装置302で同時に識別できるRF IDタグの数を増大させることができる。
ステップ418において制御部210はデータ送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すると判定された場合は、手順はこのルーチンを出る。データ送信を継続すると判定された場合は、手順はステップ414に戻る。図2Aでは、データ送信は繰り返し継続される。
図4Aを参照すると、ステップ502において、RF IDタグ202が起動された場合に、制御部210およびウェイクアップ部270がイネーブルされる。RF IDタグ202がいったん起動されると、制御部210およびウェイクアップ部270は常にイネーブルされて活動状態にある。ウェイクアップ部270は、タイマ274および時間制御シーケンスに従って、所定の周期Tcsで受信RF信号のキャリア・センスを行うタイミングを表すウェイクアップ信号を制御部210に供給する。ステップ504において、制御部210は、ウェイクアップ部270から受け取ったウェイクアップ信号がオン状態(ON)を示しているかどうかを判定する。制御部210は、ウェイクアップ信号がオン状態になるまでステップ504を繰り返す。
ステップ504においてウェイクアップ信号がオン状態(ON)を示していると判定された場合、ステップ506において、制御部210は、例えば約1ms〜10msのような短い持続時間の期間だけ受信部250およびキャリア判定部246をイネーブルする。受信部250はRF信号の受信待ち状態となり、キャリア判定部246は受信部250から受け取った受信キャリア電力を表すデータに基づいて受信RF信号のキャリアの存在を判定して、その判定結果を制御部210に供給する。ステップ508において、制御部210は、その判定結果に従ってキャリアが検知されたかどうかを判定する。キャリアが検知されなかったと判定された場合は、ステップ509において制御部210は受信部250およびキャリア判定部246をディセーブル(非可動化)する。その後、手順はステップ530に進む。
ステップ508においてキャリアが検知されたと判定された場合は、ステップ510において、制御部210は、キャリア判定部246をディセーブルし、さらに例えば100ms〜200msといった所定の持続時間において受信部250をイネーブルしたまま、リーダ/ライタ装置302からコマンドを搬送する周波数f1のRF信号を受信して(図2C、受信54)、受信RF信号を復調する。ステップ512において、制御部210は、受信部250によるRF信号の受信が完了したかどうかを判定する。ステップ512はRF信号の受信が完了するまで繰り返される。
ステップ512においてRF信号の受信が完了したと判定された場合は、ステップ514において、制御部210はデータ復号部242をイネーブルする。データ復号部242は制御部210の制御の下で受信部250から受信データを受け取ってそれを所定の符号化方式に従って復号する。ステップ515において、制御部210は受信部250をディセーブルする。
図4Bを参照すると、ステップ516において、制御部210の制御の下で、データ復号部242は、メモリ214から取り出した暗号鍵/復号鍵Keを用いて復号データを所定の暗号方式に従って解読し、解読されたコマンド、タグID(ID_tag)、時刻T、システムID(ID_system)を含むデータを制御部210に供給する。そのデータは、制御スケジュールおよび時間制御シーケンスを含んでいてもよい。制御部210は、そのデータを受け取った後、暗号解読された時刻TおよびシステムIDとメモリ214に格納されている時刻TおよびシステムIDとを比較することによって、両者が一致するかどうかを判定し、それによってリーダ/ライタ装置302の認証を行う。
ステップ518において、制御部210は認証が成功したかどうかを判定する。認証が失敗したと判定された場合は、ステップ520において、制御部210はデータ復号部242をディセーブルする。その後、手順はステップ530に進む。
ステップ518において認証が成功したと判定された場合は、ステップ522において、制御部210は、データ復号部242からタグ情報要求コマンドを含む復号され暗号解読されたデータを受け取り、その解読データに含まれている解読された受信コマンドを処理し、リーダ/ライタ装置302によるアクセス記録をメモリ214に格納する。
受信データ中に時刻修正コマンドおよび現在の時刻Tが含まれていた場合は、制御部210は、ウェイクアップ部270のタイマ274の時刻をその時刻Tに修正または更新する。
ステップ526において、制御部210は、そのタグ情報要求コマンドに従って、所定の期間内の所定数のタイムスロットの中からランダムに選択された1つのタイムスロットにおいてデータ生成部222および送信部230をイネーブルする。その選択されたタイムスロットが図2Cの送信処理56の時間期間である。
データ生成部222は、メモリ214から読み出したRF IDタグ202のタグID(ID_tag)、時刻T、システムID(ID_system)およびリーダ/ライタ装置302のIDを含むデータを、所定の暗号方式に従って暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを所定の符号化方式に従って符号化して送信部230に供給する。
送信部230は、その符号化暗号データでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iのRF信号を、アンテナ284を介して送信する(図2C、送信56)。周波数f2iの切り換えは、制御部210の周波数切り換え部212によって行われる。タイミング調整部213は、複数のタイムスロットの周期を所定周期になるように調整する。
ステップ529において、制御部210は、データ生成部222および送信部230をディセーブルする。ステップ530において、制御部210は、RF IDタグ202を休止モードにする。休止モードにおいて、基本的に制御部210およびウェイクアップ部270だけがイネーブルされた状態を維持し、その他の構成要素214〜250はディセーブルされた状態になる。
再び図3を参照すると、ステップ422において、制御部310は受信部350をイネーブルして受信待ち状態にする。受信部350は周波数f2のRF信号の受信を待って(受信待ち46)、RF信号を受信する(受信処理48)。ステップ424において、制御部310は受信部350がRF信号の受信を完了したかどうかを判定する。受信が完了するまでステップ422〜424は繰り返される。受信が完了したと判定された場合は、手順はステップ428に進む。
ステップ428において、受信部350は受信データをデータ復号部342に供給する。データ復号部342は受信データを所定の符号化方式に従って復号し、その復号データを所定の暗号方式に従って暗号解読して、そのデータを受信したという判定およびその解読データを制御部310に供給する。制御部310は、暗号解読された時刻TおよびシステムIDとメモリ314に格納されている時刻TおよびシステムIDとを比較することによって、一致するかどうかを判定し、それによってRF IDタグ202の認証を行う。RF IDタグ202の制御部210およびリーダ/ライタ装置302の制御部310において、受信した時刻Tと格納されていた時刻Tとの間に所定の範囲内の誤差(例えば±0.5秒)があった場合にも、両者は一致すると判定してもよい。
ステップ430において、制御部310は認証が成功したかどうかを判定する。認証が失敗したと判定された場合は、手順はステップ422に戻る。認証が成功したと判定された場合は、手順はステップ432に進む。
ステップ432において、制御部310はその復号データをメモリ314に格納しホスト・コンピュータに送出する。ステップ436において制御部310はデータ受信待ちを終了するかどうかを判定する。終了すると判定された場合は、手順はこのルーチンを出る。データ受信待ちを継続すると判定された場合は、手順はステップ422に戻る。図2Bでは、データ受信待ちは繰り返し継続される。
このように、リーダ/ライタ装置302は充分短い間隔で周期的にRF信号を送信し常にRF信号受信待ち状態にあるので、RFIDタグ202のキャリア・センス時間を大幅に減らすことができる。例えば入出管理などにおけるように1日に数回しか送受信を行わず、動作時間のほとんどがキャリア・センスである場合は、RFIDタグ202全体の消費電力は、全体の消費電力を大幅に削減できる。
メモリ214に格納される制御スケジュールとして、休日および平日の夜間(例えば、6:00pm〜6:00am)の所定の時刻と所定の時刻の間の時間期間を指定し、平日の昼間(例えば、6:00am〜6:00pm)の所定の時刻と所定の時刻の間の時間期間を指定してもよい。この場合、ウェイクアップ部270は、その休日および夜間においてウェイクアップ信号を発生せず、従ってRFIDタグ202は休止モードになってキャリア・センスを全く行わず、一方、その平日の昼間において所定の周期(例えば1秒)で、キャリア・センスを行う。
ウェイクアップ部270は、制御部210の制御の下で、メモリ214に格納されたバッテリ290の電力の残量Pに従ってウェイクアップ信号を発生させてもよい。この場合、バッテリ電力残量Pが充分である場合は、比較的短い周期で(例えば1秒)キャリア・センスを行い、電力残量Pが閾値Pthより低くなった場合は、比較的長い周期で(例えば2秒)キャリア・センスを行うようにしてもよい。
上述のようにリーダ/ライタ装置によるアクセスの記録をメモリ214に格納するようにしたことによって、リーダ/ライタ装置302以外の別のリーダ/ライタ装置によって不正にアクセスされた場合にも、ログが記録されるので、リーダ/ライタ装置302によってそのアクセス記録を読み取り、ホスト・コンピュータによって解析することによって不正なアクセスを発見することができる。
アクティブ型RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の構成および動作は、特開2006−338489号公報(A)(US2006/276206−A1に対応)に開示されており、ここで、この文献全体を参照して組み込む。
周囲の環境に関する物理的値または状態を検出するセンサを有しその検出値を記録するアクティブ型RFIDタグを、リーダ/ライタ装置によって読み取ることによって、タグIDと共に物理的量または状態の検出値データを収集することができる。今回と前回の測定値の間の差が、閾値を超えない場合は、そのようなデータを記録しないように構成することによって、データ記録に要する電力を節減し、RF IDタグのバッテリの稼働時間を長くし、所要のメモリ容量を削減することができる。
図1〜4Bのアクティブ型RF IDタグ202に関連してセンサを設けて周期的にその検出値を記録する場合、ウェイクアップ部270が所定の周期でウェイクアップ信号を発生し、それに応じてセンサが一時的にイネーブルされて、検出値のデータを周期的にメモリ214に格納するよう構成することが想定される。
図5は、物理的量を検出して検出値データを蓄積するよう変形されたアクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ203の構成を示している。RF IDタグ203に対して図1のリーダ/ライタ装置302を用いることができる。
RF IDタグ203は、図1のRF IDタグ202の構成要素210〜214、222〜284および290に加えて、メモリ制御部276、センサ286、およびセンサ286における検出値を捕捉してそのデータを保持するセンサ・データ読取部288を具えている。RF IDタグ203のその他の構成は図1のRF IDタグ202と同様である。バッテリ290は、構成要素210〜276、286および288等に電力を供給する。
構成要素222〜246、270、276および288は別個の回路としてハードウェアの形態で実装されていても、制御部210の一部として実装されていてもよい。代替構成として、構成要素222〜246、270、276および288の少なくとも一部はソフトウェアの形態で、メモリ(214)に格納されたプログラムに従って動作する制御部210の機能として実装されていてもよい。
制御部210は、ウェイクアップ部270からのウェイクアップ信号に応答して、メモリ214、メモリ制御部276、センサ286およびデータ読取部288をイネーブルしまたはディセーブルするための制御信号EN_MEM_CTRL、EN_SNSDT_CTRL、EN_SNSおよびEN_SNS_CTRLを供給する。
制御部210は、リーダ/ライタ装置302からのタグ情報要求コマンドCMDに応答して、メモリ制御部276に、メモリ214から蓄積された検出値の格納データDATAを読み出させる。RF IDタグ203のその他の構成および動作は図1のRF IDタグ202と同様である。
RF IDタグ203において、ウェイクアップ部270からのウェイクアップ信号に従って、制御部210は、センサ286およびデータ読取部288、または受信部250およびキャリア判定部246、をイネーブルしまたはディセーブルする。
メモリ制御部276は、ウェイクアップ部270からのウェイクアップ信号に従って、センサ286の検出値DATAをデータ読取部288から取得して現在の日付および時刻(日時)とともにメモリ214に格納する。制御部210は、周期的にキャリア・センス50、53を行って、リーダ/ライタ装置302によるタグ情報要求コマンドに応答して、そのような日時および検出値のデータをタグIDとともに送信し返す。
RF IDタグ203において、制御部210は、センサ286に環境におけるまたは被検出対象の物理的量(例えば周囲温度)または状態の値を検出させてデータ読取部288に現在のデータを読み取らせ、その今回の検出値をメモリ214に書き込ませる。次いで、RF IDタグ203は、キャリア・センスを行う。メモリ制御部276は、メモリ214から、検出値の格納データを読み取って制御部210に供給する。
RF IDタグ206は、一例として、保冷コンテナの輸送経路および日付および時刻を管理し、コンテナ内の温度の変化を追跡するのに用いられる。この場合、センサ286は温度センサである。リーダ/ライタ装置302は、コンテナ内に配置されて、RF IDタグ206からの検出値データを蓄積してもよい。
図6A〜6Cは、図5のアクティブ型RF IDタグ203によって実行される処理のフローチャートを示している。但し、図を簡単にするために図4Aおよび4Bにおける認証のための処理は示されていない。
図6Aを参照すると、ステップ502〜504は図4Aのものと同様であり、再び説明することはしない。
ステップ504の後のステップ708において、制御部210は、センサ286およびデータ読取部288をイネーブルして、センサ286に温度を検出させてデータ読取部288にその検出値を読み取らせる。ステップ712において、制御部210は、センサ286およびデータ読取部288をディセーブルする。
ステップ720において、制御部210はメモリ制御部276およびメモリ214をイネーブルする。ステップ722において、制御部210はメモリ制御部276を一時的にイネーブルし、メモリ制御部276はデータ読取部288からの現在の検出温度値をメモリ214に格納する。ステップ724において、制御部210はメモリ制御部276およびメモリ214をディセーブルする。
図6Bを参照すると、ステップ506〜522は、図4Aおよび図4Bのものと同様であり、再び説明することはしない。
図6Cを参照すると、ステップ748において、コマンドに応答して、制御部210はメモリ制御部276およびメモリ214をイネーブルする。ステップ750において、メモリ制御部276は、メモリ214から、記録された検出温度値の格納データを読み取って制御部210に供給する(期間65)。ステップ752において、制御部210はメモリ制御部276およびメモリ214をディセーブルする。
ステップ526は図4Bのものと同様である。制御部210は、暗号化され符号化された検出温度値の格納データおよびタグIDを搬送するRF信号をリーダ/ライタ装置302に送信する。
ステップ760において、制御部210は、送信が完了したかどうかを判定する。送信が完了するまでステップ760は繰り返される。送信が完了したと判定された場合、手順はステップ529に進む。ステップ529は図4Bのものと同様である。
ステップ530において、制御部210は、RF IDタグ207を休止モードにする。休止モードにおいて、制御部210およびウェイクアップ部270だけがイネーブルまたはパワー・オンされており、その他の構成要素214、222〜250、276および286〜288は、ディセーブルまたはパワー・ダウンされる。その後、手順は図6Aのステップ504に戻る。
発明者たちは、RF IDタグ203が、ウェイクアップ信号に応答して物理的量の検出とキャリア・センスの双方を行って、リーダ/ライタ装置302からの要求コマンドに対して検出データを搬送する応答信号を送信しても、電磁波伝播の環境の状況しだいでは、リーダ/ライタ装置302がその検出データを搬送する応答信号を正常に受信しないことがある、と認識した。
発明者たちは、RF IDタグがリーダ/ライタ装置からの要求コマンドに応答して冗長性を有する検出データを送信すれば、リーダ/ライタ装置において欠落データを補償または補間することができる、と認識した。
図7は、本発明の実施形態による、アクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ204とリーダ/ライタ装置304の関連部分の構成のみを示している。
図7の左側を参照すると、RF IDタグ204において、メモリ214は検出データ・メモリ領域216を有する。検出データ・メモリ領域216は、並列の複数N個のデータ領域S0〜S(N−1)を有する。RF IDタグ204の他の構成は、図1および5のRF IDタグ202および203のものと同様である。
図7の右側を参照すると、リーダ/ライタ装置304は、メモリ制御部376およびデータ欠落判定部387を有する。データ欠落判定部387は制御部310の一部であってもよい。メモリ314は、一時格納領域317および蓄積領域319を有する。一時格納領域317は、並列のN個のデータ領域S0〜S(N−1)を有する。蓄積領域319は、所要の数p+1個のデータを蓄積するためのデータ領域Dt0〜Dtp(p>N)を有する。リーダ/ライタ装置304の他の構成は、図1のリーダ/ライタ装置302のものと同様である。
RF IDタグ204の制御部210は、ウェイクアップ部270からのウェイクアップ信号に従って制御信号EN_MEM_CTRLおよびEN_SNSDT_CTRLをメモリ214およびメモリ制御部276に供給して、検出データ・メモリ領域216中のデータ領域S0に最も新しい1つの検出データDATAを格納する。その際、データ領域S0〜S(N−2)中の前のN−1個の検出値データは、時間順に新しいもの(t(N−2))から古いものの順にデータ領域S1〜S(N−1)に物理的にまたは論理的にシフトされて格納される。最も古いデータ領域S(N−1)中のデータは削除されてもよい。
リーダ/ライタ装置304からの検出データ要求コマンドに応答して、制御部210は、メモリ制御部276にN個の検出値データD0〜D(N−1)をメモリ領域S0〜S(N−1)から読み出させて、最も新しいN個の検出データDt0〜Dt(N−1)を受け取る。制御部210は、タグIDとともにN個の検出値データD0〜D(N−1)を搬送する周波数f2またはf2iの応答信号をリーダ/ライタ装置304に送信する。
リーダ/ライタ装置304において、RF IDタグ204からのN個の検出値データD0〜D(N−1)の受信に応答して、制御部310は、メモリ制御部376に、そのN個の検出値データD0〜D(N−1)を一時格納領域317のN個の一時格納領域S0〜S(N−1)に書込ませる。制御部310は、その受信した検出値データをデータ欠落判定部387にも供給して、欠落データを検出させる。
データ欠落判定部387は、データ復号部342によって復号された検出データDATAを制御部310を介して受け取って、その復号された検出データDATA中にデータの欠落があるかどうかを判定する。
メモリ制御部376は、データ欠落判定部387の判定結果に従って、一時格納領域317に一時的に格納されたN個の検出値データS0〜S(N−1)を、データの日時(日付および時刻)またはシーケンス番号に従って、蓄積領域319のデータ領域Dt0〜Dtp中の日時またはシーケンス番号に対応するアドレスのデータ領域に格納する。それによって、データ領域Dt0〜Dtpに一連の所要の検出値データが形成されて、最終的にリーダ/ライタ装置304からホスト・コンピュータに供給される。
図8Aは、リーダ/ライタ装置304のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図8Bは、リーダ/ライタ装置304の受信待ち状態46および受信RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図8Cは、アクティブ型RF IDタグ204のキャリア・センス53、物理的量の検出、検出値データの読取り62およびメモリ214への書込み66、受信RF信号の受信処理54、メモリ214からの蓄積検出値データの読出し65、およびタグIDまたは応答データ等のタグ情報を含むデータを搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。図8Dは、リーダ/ライタ装置304において結合され補間または補償された一連の検出値データDt0〜Dt5を示している。
図8Aを参照すると、リーダ/ライタ装置304のデータ生成部322は、制御部310から受け取ったRF IDタグに対するタグ情報要求コマンドとしての検出値データ読み取り要求コマンドを含むデータを生成し、それを所定の暗号化方式に従って暗号化し、その暗号データを所定の符号化方式に従って符号化して、符号化された暗号データを生成する。送信部330は、送信処理42の連続する各タイムスロットにおいて、そのコマンドを搬送するRF信号を充分短い間隔で周期的に送信する。
図8Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ204において、制御部210は、ウェイクアップ部270からのウェイクアップ信号の所定の周期Tcs(例えば、3秒)で発生する例えば100msの長さの時間期間62において、センサ286およびデータ読取部288をイネーブルして、周期Tcsでセンサ286に物理的量または状態の検出を行わせて検出値データを捕捉し、後続の時間期間66においてメモリ制御部276およびメモリ214をイネーブルして、その検出値データをメモリ214の検出データ・メモリ領域216に蓄積する。メモリ制御部276は、検出データ・メモリ領域216を制御して、最も新しい所定個数N個(Nは2以上の整数)のデータ領域S0〜S(N−1)にN個の検出値データD0〜D(N−1)を保持させる。古いデータは破棄されまたはそれより古いデータの上により新しいデータが上書きされてもよい。
一方、制御部210は、そのウェイクアップ信号の周期Tcsで発生する時間期間53において、受信部250およびキャリア判定部246をイネーブルする。RF IDタグ204は、周期Tcsで時間期間54において受信部250およびキャリア判定部246に周波数f1の受信RF信号のキャリア・センスを行わせる。その周期長Tcsは、リーダ/ライタ装置304からの周期設定要求コマンドに従って設定または変更されてもよい。物理的量または状態の検出周期は、キャリア・センス周期Tcsと等しくなくてもよい。
RF IDタグ204がリーダ/ライタ装置304の近くその通信可能範囲に配置されると、リーダ/ライタ装置304からのRF信号のキャリアがRF IDタグ204によって繰り返し検出される。受信部250およびデータ復号部242は、後続の時間期間54に所定の持続時間においてイネーブルされ、受信部250はそのRF信号を受信し復調してコマンドを含む符号化された暗号データを生成し、データ復号部242はそのデータを所定の符号化方式に従って復号し暗号データを所定の暗号方式に従って解読して検出値データ読み取り要求コマンドを取り出して制御部210に供給する。
そのコマンドに応答して、制御部210は、後続の時間期間65においてメモリ214の検出データ・メモリ領域216からその蓄積された所定数N個(例えば3個)の検出値データのファイルを読み取り、その後のランダムに選択された所定時間期間内の時間期間またはタイムスロット56にその蓄積された最も新しいN個の検出値データDt0〜Dt(N−1)、Dt1〜DtN、Dt0〜Dt(N+1)、...(例えば、3個で1グループのデータDt0〜Dt2、Dt1〜Dt3、Dt2〜Dt4)を含む応答データをタグIDとともに所定の暗号化方式に従って暗号化し暗号データを符号化し、その符号化データを搬送する周波数f2のRF信号を送信し返す。従って、RF IDタグ204において、冗長性のある所定数N個の検出値データDt0〜Dt(N−1)、Dt1〜DtN、Dt0〜Dt(N+1)、...が送信され、即ち典型的には同じデータDtj(jは整数)がN回送信される。
時間期間56と62の間の休止期間51において、RF IDタグ204は休止モードに入って、制御部210およびウェイクアップ部270だけがイネーブルまたはパワー・オンされており、その他の構成要素はディセーブルまたはパワー・ダウンされる。
図8Bを参照すると、リーダ/ライタ装置302の受信部350は、常に受信待ち状態46にあり、RF IDタグ204がRF信号を受信した場合、受信処理48の時間期間において受信RF信号を復調して符号化された暗号データを生成し、データ復号部342は符号化された暗号データを所定の符号化方式に従って復号し、その復号された暗号データを、所定の暗号方式に従って解読してタグIDおよび検出値データを含む応答データを再生し、その再生された応答を制御部310に供給する。従って、リーダ/ライタ装置304において、所定数N個の検出値データDt0〜Dt(N−1)、Dt1〜DtN、Dt0〜Dt(N+1)、・・・が、即ち冗長性のある検出値データが毎回受信される。その受信再生された応答データに応答して、制御部310およびメモリ制御部376は、そのタグIDに関する検出値データを蓄積領域319に蓄積し、制御部310はそのタグIDに関する蓄積された一連の検出値データを、ホスト・コンピュータに供給する。ホスト・コンピュータは、タグIDおよび一連の検出値データを処理して、商品の流通または人を監視し管理するのに用いる。
電磁波伝播の環境によっては、或る確率で、図8Bに破線で示したように、送信した応答データDtj〜Dt(j+N−1)(例えば、Dt1〜Dt3、Dt2〜Dt4)がリーダ/ライタ装置304によってうまく受信または復号されずに欠落することがある。しかし、図8Dに示されているように、リーダ/ライタ装置304(メモリ制御部376)は、受信した冗長性のある複数の検出値データを蓄積して結合することによって、欠落した検出値データを補償または補間することができる。従って、検出値データが最大で連続してN−1回分欠落しても、うまく受信した冗長性のある複数の検出値データを結合することによって、受信したデータの日時tjのシーケンスに従って一連の元の検出値データを復元することができる。
図9は、リーダ/ライタ装置304の制御部310およびメモリ制御部376によって実行される、受信した一連の検出値データDtj〜Dt(j+N−1)をメモリ314の蓄積領域319に格納するための処理のフローチャートを示している。
図9を参照すると、ステップ602において、制御部310は、復号部242からの復号データに基づいて新しい検出値データをRF IDタグから受信したかどうかを判定する。それが受信されるまでステップ602が繰り返される。新しい検出値データが受信されたと判定された場合は、ステップ604において、制御部310は、メモリ制御部376に、N個の検出値データをメモリ314の一時格納領域317(データ領域S0〜S(N−1))に格納させる(図示せず)。ステップ604において、メモリ制御部376は、データ欠落判定部387からの判定結果に従って、その受信した検出値データが、データ欠落後の受信再開によって受信されたものかどうかを判定する。
データ欠落判定部387は、前回と今回の受信したそれぞれの各1つの最新の検出値データの日付および時刻に基づいて、両者の間にデータ欠落が存在するかどうかを判定する。代替構成として、データ欠落判定部387は、前回の最新の1つの検出値データの日付および時刻に基づいて、予定された周期の日付および時刻に最新のN個の検出値データを受信しなかった場合に、データ欠落があると判定してもよい。
ステップ604において検出値データが受信再開によって受信されたものでない、即ち前回のデータ欠落はなかった、と判定された場合は、ステップ606において、メモリ制御部376は、一時格納領域317に格納された最新の1つの検出データだけを有効にして、それを蓄積領域319中の対応する時刻tjのデータ領域Dtj(j=0〜pの整数)に書き込む。
ステップ604において検出値データが受信再開によって受信されたものである、即ち前回のデータ欠落があった、と判定された場合は、ステップ616において、メモリ制御部376は、一時格納領域317に格納された最新の1つの検出データ(データ領域S0)を有効にして、それを蓄積領域319中の対応する時刻tjのデータ領域Dtj(j=0〜p)に書き込み、ステップ618において、他のN−1個の検出値データ(データ領域S(j+1)〜S(j+N−1))を用いて蓄積領域319における欠落したデータの時刻に対応するデータ領域Dtj’(j=(j+1)〜(j+N−1))に書き込む。その後、手順はステップ602に戻る。
図10は、本発明の別の実施形態による、アクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ205とリーダ/ライタ装置304の関連部分の構成のみを示している。
図10の左側を参照すると、RF IDタグ205は受信電力/N変換部256を有する。受信電力/N変換部256は制御部210の一部であってもよい。受信電力/N変換部256は、受信部250から受信RF信号の電力強度またはレベルPRを受け取って、閾値処理して、それに対応する個数Nを決定し、個数Nをメモリ制御部276に供給する。メモリ制御部276は、その個数Nに従って、データ・メモリ領域216におけるデータ領域S0〜S(N−1)の個数Nを可変に設定する。RF IDタグ205の他の構成は、RF IDタグ204のものと同様である。
図10の右側を参照すると、リーダ/ライタ装置304においてメモリ制御部317は、受信した一連の検出値データの個数Nに応じてデータ領域S0〜S(N−1)の数Nを可変に設定する。リーダ/ライタ装置304のその他の構成は、図7のものと同様である。
図11Aは、リーダ/ライタ装置304のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図11Bは、リーダ/ライタ装置304の受信待ち状態46および受信RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図11Cは、アクティブ型RF IDタグ205のキャリア・センス53、物理的量の検出、検出値データの読取り62およびメモリ214への書込み66、受信RF信号の受信処理54、メモリ214からの蓄積検出値データの読出し65、およびタグIDまたは応答データ等のタグ情報を含むデータを搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。図11Dは、アクティブ型RF IDタグ205におけるRF信号の受信電力レベルPRを示している。
図11Aのタイムチャートは図8Aのものと同様である。
図11Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ205において、制御部210は、図8Cの場合と同様に、周期Tcsで期間62において、センサ286およびデータ読取部288をイネーブルして検出値データを捕捉し、後続の期間66においてメモリ制御部276およびメモリ214をイネーブルして、検出値データをメモリ214の検出データ・メモリ領域216に蓄積する。
メモリ制御部276は、受信電力/N変換部256からの個数Nに従って検出データ・メモリ領域216を制御して、検出データ・メモリ領域216における検出値データS0〜S(N−1)の個数Nを可変に設定し、その個数Nに従って、少なくとも最も新しい個数N個の検出値データS0〜S(N−1)を検出データ・メモリ領域216に送信のために保持する。
一方、制御部210は、図8Cの場合と同様に、時間期間53において、受信部250およびキャリア判定部246をイネーブルする。RF IDタグ205は、周期Tcsで期間53において受信部250およびキャリア判定部246に周波数f1の受信RF信号のキャリア・センスを行わせる。
受信部250およびデータ復号部242は、後続の時間期間54に所定の持続時間においてイネーブルされる。受信部250は、期間53および54において周波数f1のRF信号の受信電力レベルPRを検出して受信電力/N変換部256に供給する。
受信電力/N変換部256は、受信機250からの受信電力レベルPRが閾値PTHより大きい場合は個数Nを所定の小さい値Ns(例えば、3)に決定し、受信電力レベルPRが閾値より大きい場合は個数Nを所定の大きい値Nl(例えば、6)に決定する。受信電力/N変換部256は、異なる複数の閾値を用いて、受信電力レベルPRの値に応じて異なる個数N1、N2、...Nmの値を決定してもよい。メモリ制御部276は、受信電力/N変換部256からの個数Nに従って、検出データ・メモリ領域216における送信する検出値データの個数Nを決定する。
図11Cを参照すると、受信電力レベルPRは、最初は閾値PTHより高く、個数N=3と設定され、3個の検出値データDt2〜Dt4が送信される。その後、受信電力レベルPRは、閾値PTHより低くなり、N=6と設定され、6個の検出値データDt0〜Dt5とDt1〜Dt6が2回送信される。その後、受信電力レベルPRは閾値PTHより高くなり、N=3と設定され、3個の検出値データDt5〜Dt7が送信される。
このように、図10のRF IDタグ205は、受信RF信号の電磁波伝播の環境が悪いときは冗長性の高い検出値データを送信し、その電磁波伝播の環境が良好なときは冗長性の低い検出値データを送信する。図11Cに関するRF IDタグ205のその他の動作は、図8Cの場合と同様である。
図11Bは図8Bと同様である。リーダ/ライタ装置304のメモリ制御部314は、図8Bの場合と同様に動作して、欠落データを補間して、結合され補間または補償された一連の検出値データを形成する。
図10のRF IDタグ205は、電磁波伝播の環境状態に応じて、送信する検出データの個数Nを調整する。従って、電磁波伝播の環境の状態が悪く、データ欠落が生じやすい場合には、RF IDタグ205はより多くの個数の検出値データを送信することによって、リーダ/ライタ装置304はより多くの個数の検出値データに基づいて欠落データを補償しまたは補間することができる。それによって、電磁波伝播の環境の状態が良好な場合には、送信データの長さまたは送信時間を短くすることによって、RF IDタグ205のバッテリ290の電力消費を低減することができる。
図12Aは、RF IDタグ205によって実行される、受信電力レベルPRに応じた送信すべき一連の複数の検出値データS0〜S(N−1)の数Nを決定するためのフローチャートを示している。図12Bは、リーダ/ライタ装置304の制御部310および/またはメモリ制御部376によって実行される、受信した一連の検出値データDt0〜Dtpをメモリ314の蓄積領域319に格納するための処理のフローチャートを示している。
図12Aを参照すると、ステップ622において、RF IDタグ205の受信部250は、RF信号を受信しそのRF信号の受信電力レベルPRを検出する。ステップ624において、受信電力/N変換部256は受信電力レベルPRを閾値PTHと比較して、受信電力レベルPRが閾値PTHより大きいかどうかを判定する。電力レベルPRが閾値PTHより大きいと判定された場合は、ステップ632において、受信電力/N変換部256は送信する検出値データの個数Nを小さい値Ns(例えば3)に決定する。受信電力/N変換部256は、異なる複数の閾値を用いて、受信電力レベルPRの値に応じて異なる個数N1、N2、...Nmの値を決定してもよい。
ステップ624において電力レベルPRが閾値PTHより大きいと判定された場合は、ステップ634において、受信電力/N変換部256は送信する検出値データの個数Nを大きい値Nl(例えば6)に決定する。ステップ638において、メモリ制御部276は、その決定された個数Nの検出値データを検出データ領域216から読み出して、送信のために制御部210に供給する。その後、手順はステップ622に戻る。
図12Bのリーダ/ライタ装置304のフローチャートは図9のものと同様である。
図13は、本発明のさらに別の実施形態による、アクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ206とリーダ/ライタ装置305の関連部分の構成のみを示している。
図13の右側を参照すると、リーダ/ライタ装置305は、受信電力/N変換部356を有する。受信電力/N変換部356は制御部310の一部であってもよい。受信電力/N変換部356は、RF IDタグ206からの受信応答RF信号の電力強度またはレベルPRを受信部350から受け取って、閾値処理して、それを対応する個数Nを決定し、個数Nを制御部310に供給する。制御部310は、その個数Nを含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置305のその他の構成は、図7のリーダ/ライタ装置304のものと同様である。
図13の左側を参照すると、RF IDタグ206において、制御部210は、受信したコマンドの中から送信すべき検出値データの個数Nを取り出してメモリ制御部276に供給する。メモリ制御部276は、その個数Nに従って、一時格納領域317におけるデータ領域S0〜S(N−1)の数Nを可変に設定する。RF IDタグ206のその他の構成は、図7のRF IDタグ204または図10のRF IDタグ205のものと同様である。
図14Aは、リーダ/ライタ装置305のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図14Bは、リーダ/ライタ装置305におけるRF信号の受信電力レベルPRを示している。図14Cは、リーダ/ライタ装置305の受信待ち状態46および受信RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図14Dは、アクティブ型RF IDタグ206のキャリア・センス53、物理的量の検出、検出値データの読取り62およびメモリ214への書込み66、受信RF信号の受信処理54、メモリ214からの蓄積検出値データの読出し65、およびタグIDまたは応答データ等のタグ情報を含むデータを搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。
図14Aを参照すると、リーダ/ライタ装置306のデータ生成部322は、制御部310から受け取った送信すべきデータ検出値の個数Nを含む検出値データ読み取り要求コマンドを含むデータを生成しそれを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。図14Aに関するリーダ/ライタ装置306のその他の動作は図8Aのものと同様である。
図14Dを参照すると、RF IDタグ206のデータ復号部242は、受信したコマンドの中から送信すべきデータ検出値の個数Nを取り出して、メモリ制御部276に供給する。メモリ制御部276は、個数Nに従って検出データ・メモリ領域216を制御して、検出データ・メモリ領域216における検出値データS0〜S(N−1)の個数Nを可変に設定し、その個数Nに従って、最も新しい個数N個の検出値データS0〜S(N−1)だけを、送信のために取り出させる。
図14Cは図11Bと同様である。リーダ/ライタ装置304のメモリ制御部314は、図8Bの場合と同様に動作して、欠落データを補間して、結合され補間または補償された一連の検出値データを形成する。
図14Bを参照すると、リーダ/ライタ装置304において、受信部250は、時間期間48において周波数f2の応答RF信号の受信電力レベルPRを検出して受信電力/N変換部356に供給する。
受信電力/N変換部356は、受信機350からの受信電力レベルPRが閾値PTHより大きい場合は個数Nを所定の小さい値Ns(例えば、3)に決定し、受信電力レベルPRが閾値より大きい場合は個数Nを所定の大きい値Nl(例えば、6)に決定する。受信電力/N変換部356は、異なる複数の閾値を用いて、受信電力レベルPRの値に応じて異なる個数N1、N2、...Nmの値を決定してもよい。
制御部310は、受信電力/N変換部356からの個数Nを送信すべき検出値データの数として含むコマンドを生成してデータ生成部322に供給する。従って、図14Aで説明したように、データ生成部322は、個数Nを含む検出値データ読み取り要求コマンドを含むデータを生成し、送信部350がそのデータを搬送するRF信号を送信する。
図14Dを参照すると、最初は、受信したコマンドに従って送信すべき検出値データの個数がN=3と設定され、3個の検出値データDt2〜Dt4が送信される。その後、送信すべき検出値データの個数がN=6と設定され、6個の検出値データDt0〜Dt5、Dt1〜Dt6が2回送信される。その後、送信すべき検出値データの個数がN=3と設定される。
図13のリーダ/ライタ装置305は、電磁波伝播の環境状態に応じて、送信すべき検出データの個数Nを調整する。従って、電磁波伝播の環境の状態が悪く、データ欠落が生じやすい場合には、リーダ/ライタ装置305はRF IDタグ206により多くの個数の検出値データを送信させることによって、リーダ/ライタ装置305はより多くの個数の検出値データに基づいて欠落データを補償しまたは補間することができる。それによって、電磁波伝播の環境の状態が良好な場合には、送信データの長さまたは送信時間を短くすることによって、RF IDタグ206のバッテリ290の電力消費を低減することができる。
図15Aは、リーダ/ライタ装置305によって実行される、受信強度に応じた送信すべき一連の複数の検出値データS0〜S(N−1)の数Nを決定するためのフローチャートを示している。図15Bは、リーダ/ライタ装置305の制御部310および/またはメモリ制御部376によって実行される、受信した一連の検出値データDt0〜Dtpをメモリ314の蓄積領域319に格納するための処理のフローチャートを示している。
図15Aを参照すると、ステップ642において、リーダ/ライタ装置305の受信部350は、RF信号を受信し、さらにそのRF信号の受信電力レベルPRを検出する。ステップ644において、受信電力/N変換部356は受信電力レベルPRを閾値PTHと比較して、受信電力レベルPRが閾値PTHより大きいかどうかを判定する。電力レベルPRが閾値PTHより大きいと判定された場合は、ステップ652において、受信電力/N変換部356は送信する検出値データの個数Nを小さい値Ns(例えば3)に決定する。受信電力/N変換部356は、異なる複数の閾値を用いて、受信電力レベルPRの値に応じて異なる個数N1、N2、...Nmの値を決定してもよい。
ステップ644において電力レベルPRが閾値PTHより大きいと判定された場合は、ステップ654において、受信電力/N変換部256は送信する検出値データの個数Nを大きい値Nl(例えば6)に決定する。ステップ658において、制御部310は、その個数Nを含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。その後、手順はステップ642に戻る。
図15Bのリーダ/ライタ装置304のフローチャートは図9のものと同様である。
図16は、本発明のさらに別の実施形態による、アクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ206とリーダ/ライタ装置306の関連部分の構成のみを示している。
図16の右側を参照すると、リーダ/ライタ装置306は、欠落データ識別/N変換部323を有する。データ欠落判定部387および欠落データ識別/N変換部323は制御部310の一部であってもよい。データ欠落判定部387は、受信した検出値データの日時またはシーケンス番号からどの検出値データが欠落したかを判定し、欠落データの識別または位置を判定する。欠落データ識別/N変換部323は、累積的な欠落データ識別または欠落データ位置をデータ欠落判定部387から受け取って、それに対応する個数Nを決定し、個数Nを制御部310に供給する。欠落データ識別/N変換部323は、蓄積領域319における検出値データの欠落を検出して、それに対応する個数Nを決定してもよい。個数Nは、典型的には、定数1と欠落データ数nLの和(1+nL)である。制御部310は、その個数Nを含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置306のその他の構成は、図13のリーダ/ライタ装置305のものと同様である。
図16において、RF IDタグ206の構成は図13のものと同様である。
図17Aは、リーダ/ライタ装置306のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図17Bは、リーダ/ライタ装置306の受信待ち状態46および受信RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図17Cは、アクティブ型RF IDタグ206のキャリア・センス53、物理的量の検出、検出値データの読取り62およびメモリ214への書込み66、受信RF信号の受信処理54、メモリ214からの蓄積検出値データの読出し65、およびタグIDまたは応答データ等のタグ情報を含むデータを搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。
図17Aを参照すると、リーダ/ライタ装置306のデータ生成部322は、制御部310から受け取った送信すべきデータ検出値の個数Nを含む検出値データ読み取り要求コマンドを含むデータを生成しそれを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。図17Aに関するリーダ/ライタ装置306のその他の動作は図8Aのものと同様である。
図17Cを参照すると、RF IDタグ206のデータ復号部242は、受信したコマンドの中から送信すべきデータ検出値の個数Nを取り出して、メモリ制御部276に供給する。メモリ制御部276は、個数Nに従って検出データ・メモリ領域216を制御して、検出データ・メモリ領域216における検出値データS0〜S(N−1)の個数Nを可変に設定し、その個数Nに従って、最も新しい数N個の検出値データS0〜S(N−1)だけを、送信のために取り出させる。
図17Bは図8Bと同様である。リーダ/ライタ装置306のメモリ制御部314は、図8Bの場合と同様に動作して、欠落データを補間して、結合され補間または補償された一連の検出値データを形成する。
リーダ/ライタ装置306において、受信部250およびデータ復号部342は、最初、RF IDタグ206から受信したRF信号によって搬送された検出値データDt1を受信し再生する。データ欠落判定部387は、データDt1の日時t1から欠落なしと判定する。欠落データ識別/N変換部323は、データ欠落がないので個数N=1と決定する。従って、制御部310は、その個数N=1を含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置306は、個数N=1を含む検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ206は、そのコマンドの受信に応答して、1つの検出値データDt2を搬送する応答RF信号を送信する。
リーダ/ライタ装置306の受信部250およびデータ復号部342は、RF IDタグ206からRF信号を受信してデータを再生するのに失敗する。データ欠落判定部387は、予定の日時t2のデータの受信がないので1つの欠落データありと判定する。欠落データ識別/N変換部323は、nL=1および個数N=1+1=2と決定する。リーダ/ライタ装置306は、個数N=2を含む検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ206は、そのコマンドの受信に応答して、2つの検出値データDt2およびDt3を搬送する応答RF信号を送信する。
リーダ/ライタ装置306の受信部250およびデータ復号部342は、RF IDタグ206からRF信号を受信してデータを再生するのに失敗する。データ欠落判定部387は、予定の日時t2およびt3の検出値データの受信がないので累積的な2つの欠落データありと判定する。欠落データ識別/N変換部323は、nL=2および個数N=1+2=3と決定する。リーダ/ライタ装置306は、個数N=3を含む検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ206は、そのコマンドの受信に応答して、3つの検出値データDt2〜Dt4を搬送する応答RF信号を送信する。
リーダ/ライタ装置306において、受信部250およびデータ復号部342は、RF IDタグ206から受信したRF信号によって搬送された3つの検出値データDt2〜Dt4を受信し再生する。データ欠落判定部387は、データDt2〜Dt4の日時t2〜t4から累積的欠落データなしと判定する。欠落データ識別/N変換部323は、データ欠落がないので個数N=1と決定する。制御部310は、その個数N=1を含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置306は、個数N=1を含む検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ206は、そのコマンドの受信に応答して、1つの検出値データDt5を搬送する応答RF信号を送信する。
図16のリーダ/ライタ装置306は、電磁波伝播の環境状態を反映する欠落データの連続数に応じて、送信すべき検出値データの個数Nを調整する。従って、電磁波伝播の環境の状態が悪く、データ欠落が生じた場合には、リーダ/ライタ装置306はRF IDタグ206により欠落した検出値データを再送信させることによって、リーダ/ライタ装置306は欠落データを補償しまたは補間することができる。それによって、電磁波伝播の環境の状態が良好な場合には、送信データの長さまたは送信時間を短くすることによって、RF IDタグ206のバッテリ290の電力消費を低減することができる。
図18Aは、リーダ/ライタ装置306によって実行される、欠落データの連続数に応じた送信すべき一連の複数の検出値データS0〜S(N−1)の数Nを決定するためのフローチャートを示している。図18Bは、リーダ/ライタ装置306の制御部310および/またはメモリ制御部376によって実行される、受信した一連の検出値データDt0〜Dtpをメモリ314の蓄積領域319に格納するための処理のフローチャートを示している。
図18Aを参照すると、ステップ643において、RF IDタグ206の受信部250は、RF信号を受信する。ステップ646において、データ欠落判定部387は欠落データの識別または位置を判定し、欠落データ識別/N変換部323は累積的な欠落データ識別または欠落データ位置の連続的個数nLを決定する。ステップ648において、欠落データ識別/N変換部323は、個数nLに基づいて送信すべき検出値データの数N=1+nLを決定する。ステップ658において、制御部310は、その個数Nを含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。その後、手順はステップ643に戻る。
図18Bのリーダ/ライタ装置306のフローチャートは図9のものと同様である。
図19は、本発明のさらに別の実施形態による、アクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ207とリーダ/ライタ装置307の関連部分の構成のみを示している。
図19の右側を参照すると、リーダ/ライタ装置307は、再送データ識別決定部325を有する。データ欠落判定部387および再送データ識別決定部325は、制御部310の一部であってもよい。データ欠落判定部387は、受信した検出値データの日時またはシーケンス番号からどの検出値データが欠落したかを判定し、欠落データの識別、位置(シーケンス番号)または時刻(日時)を判定する。再送データ識別決定部325は、累積的な欠落データの識別、位置または時刻をデータ欠落判定部387から受け取って、それを再送すべき欠落データの識別、位置または時刻(TIME)を決定する。制御部310は、データの識別、位置または時刻(TIME)を含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置307のその他の構成は、図16のリーダ/ライタ装置306のものと同様である。
図19の左側を参照すると、RF IDタグ207は、識別、位置または時刻/アドレス変換部274(以下、単に、識別/アドレス変換部と称する)を有する。制御部210は、受信したコマンドの中から送信すべき検出値データの識別、位置または時刻(TIME)を取り出して、識別/アドレス変換部274に供給する。識別/アドレス変換部274は、識別、位置または時刻をメモリ214の検出データ・メモリ領域における対応するアドレスに変換し、最新の検出値データのアドレスおよび再送要求された検出値データのアドレスをメモリ制御部276に供給する。メモリ制御部276は、そのアドレスに従って、一時格納領域317におけるN個の最新のデータ領域S0および再送要求されたデータ領域S1〜S(N−1)のアドレスを選択する。RF IDタグ207のその他の構成は、図7のRF IDタグ204または図10のRF IDタグ205のものと同様である。
図20Aは、リーダ/ライタ装置307のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図20Bは、リーダ/ライタ装置307の受信待ち状態46および受信RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図20Cは、アクティブ型RF IDタグ207のキャリア・センス53、物理的量の検出、検出値データの読取り62およびメモリ214への書込み66、受信RF信号の受信処理54、メモリ214からの蓄積検出値データの読出し65、およびタグIDまたは応答データ等のタグ情報を含むデータを搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。
図20Aを参照すると、リーダ/ライタ装置307のデータ生成部322は、制御部310から受け取った送信すべき欠落データの識別、位置または時刻(TIME)を含む検出値データ読み取り要求コマンドを含むデータを生成しそれを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。図20Aに関するリーダ/ライタ装置307のその他の動作は図8Aのリーダ/ライタ装置304と同様である。
図20Cを参照すると、RF IDタグ207のデータ復号部242は、受信したコマンドの中から送信すべき検出値データの識別、位置または時刻(TIME)を取り出して、識別/アドレス変換部274に供給し、識別/アドレス変換部274は検出データ・メモリ領域216におけるその識別、位置または時刻に対応するアドレスおよび最も新しい検出値データのアドレスをメモリ制御部276に供給する。メモリ制御部276は、そのアドレスのデータ領域S0〜S(N−1)だけを、送信のために取り出す。
図20Bは図17Bと同様である。リーダ/ライタ装置307のメモリ制御部376は、図17Bの場合と同様に動作して、欠落データを補間して、結合され補間または補償された一連の検出値データを形成する。
リーダ/ライタ装置307において、受信部250およびデータ復号部342は、最初、RF IDタグ207から受信したRF信号によって搬送された検出値データDt1を受信し再生する。データ欠落判定部387は、データDt1の日時t1から欠落なしと判定する。再送データ識別決定部325は、データ欠落がないので再送データなしと決定する。制御部310は、再送データの識別、位置または時刻を含まない検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置307は、通常の検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ207は、そのコマンドの受信に応答して、1つの検出値データDt2を搬送する応答RF信号を送信する。
リーダ/ライタ装置307の受信部250およびデータ復号部342は、RF IDタグ207からRF信号を受信してデータを再生するのに失敗する。データ欠落判定部387は、予定の日時t2のデータの受信がないので1つの欠落データありと判定し、欠落した検出値データの識別、位置または時刻TIME(t2)を決定する。再送データ識別決定部325は、それに従って、再送すべき検出値データの識別、位置または時刻TIME(t2)を決定する。リーダ/ライタ装置307は、再送すべき検出値データの識別、位置または時刻TIME(t2)を含む検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ207は、そのコマンドの受信に応答して、2つの検出値データDt2およびDt3を搬送する応答RF信号を送信する。
リーダ/ライタ装置307の受信部250およびデータ復号部342は、RF IDタグ207からRF信号を受信してデータを再生するのに失敗する。データ欠落判定部387は、予定の日時t2およびt3のデータの受信がないので2つの累積的な欠落データありと判定し、欠落した検出値データの識別、位置または時刻TIME(t2、t3)を決定する。再送データ識別決定部325は、再送すべき検出値データの識別、位置または時刻TIME(t2、t3)を決定する。リーダ/ライタ装置307は、それに従って、再送すべき検出値データの識別、位置または時刻TIME(t2、t3)を含む検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ207は、そのコマンドの受信に応答して、3つの検出値データDt2、Dt3およびDt4を搬送する応答RF信号を送信する。
リーダ/ライタ装置307において、受信部250およびデータ復号部342は、RF IDタグ207から受信したRF信号によって搬送された3つの検出値データDt2〜Dt4を受信し再生する。データ欠落判定部387は、データDt4の時刻t4から欠落なしと判定する。再送データ識別決定部325は、データ欠落がないので再送データなしと決定する。制御部310は、再送データの識別、位置または時刻を含まない検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。リーダ/ライタ装置307は、通常の検出データ要求コマンドを搬送するRF信号を送信する。
RF IDタグ207は、そのコマンドの受信に応答して、1つの検出値データDt5を搬送する応答RF信号を送信する。
図19のリーダ/ライタ装置307は、電磁波伝播の環境状態を反映する欠落データの連続数に応じて、送信すべき検出値データの個数Nを決定する。従って、電磁波伝播の環境の状態が悪く、実際にデータ欠落が生じた場合には、リーダ/ライタ装置307はRF IDタグ207により欠落した検出値データを再送信させることによって、リーダ/ライタ装置307は欠落データを補償しまたは補間することができる。それによって、電磁波伝播の環境の状態が良好な場合には、送信データの長さまたは送信時間を短くすることによって、RF IDタグ207のバッテリ290の電力消費を低減することができる。
図21Aは、リーダ/ライタ装置307によって実行される、データの欠落位置に応じた再送すべき検出値データの識別、位置または時刻(TIME)を決定するためのフローチャートを示している。図21Bは、リーダ/ライタ装置307の制御部310および/またはメモリ制御部376によって実行される、受信した一連の検出値データDt0〜Dtpをメモリ314の蓄積領域319に格納するための処理のフローチャートを示している。
図21Aを参照すると、ステップ643において、RF IDタグ207の受信部250は、RF信号を受信する。ステップ647において、データ欠落判定部387は欠落データがあるかどうかを判定する。欠落データがない場合は、手順はステップ643に戻る。
ステップ647において欠落データがあると判定された場合は、データ欠落判定部387は累積的な欠落データの識別、位置または時刻(TIME)を決定し、再送データ識別決定部325はそれを再送すべき累積的な欠落データの識別、位置または時刻(TIME)として決定する。ステップ658において、制御部310は、その識別、位置または時刻(TIME)を含む検出データ要求コマンドを生成してデータ生成部322に供給する。その後、手順はステップ643に戻る。
以上の説明では、本発明をRF IDタグに関連して説明したが、これに限定されることなく、本発明が非接触ICカードにも適用できることは、この分野の専門家には理解されるであろう。
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、その変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。