JP2009146023A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】メダル投入口から不正器具を挿入してクレジットを瞬時に満杯状態にする不正行為を未然に防止する。
【解決手段】メダル投入口12のスリット39からメダルセレクタの入口に向けて鉛直下方に延びるメダル通路の周壁を前記メダル投入口と一体に形成すると共に、メダル通路を、ここを通過するメダルの直径よりやや広い通路幅を有して前記スリット39の長さ方向に沿い水平方向にオフセットしたクランク形状通路とすることで不正器具の挿入を困難にする。
【選択図】図2
【解決手段】メダル投入口12のスリット39からメダルセレクタの入口に向けて鉛直下方に延びるメダル通路の周壁を前記メダル投入口と一体に形成すると共に、メダル通路を、ここを通過するメダルの直径よりやや広い通路幅を有して前記スリット39の長さ方向に沿い水平方向にオフセットしたクランク形状通路とすることで不正器具の挿入を困難にする。
【選択図】図2
Description
本発明は、スロットマシンゲーム機に装備されるメダル投入口の改良に係り、特に、メダル投入口からメダルセレクタに対して不正器具を挿入することが困難なメダル投入口を備えたスロットマシンの構成に関する。
パチンコホールなどの遊技場に設置して遊技に使用されるスロットマシンは、一般的にメダル投入口から1〜3枚のメダルを投入して有効ライン設定を行った後、遊技が行われる。スロットマシン内には投入されたメダルの選別を行うメダルセレクタが設けられている。メダルセレクタでメダルの選別が行われると、例えば正規なメダルとは大きさが異なるメダルや不適切なタイミングで投入されたメダルはメダル受け皿に自動的に排出される。スロットマシンのホッパー装置は、メダルを貯留する貯留タンクを備えており、メダルセレクタは、貯留タンクにメダルを案内するメダル通路及びこのメダル通路をメダルが通過したことを検知する光電センサを備えている。
一般的に、前記メダル投入口からメダルセレクタの光電式メダル検知部に至るメダル通路は略L字状に屈曲しており、前記メダル投入口からメダル通路内に略鉛直方向に進入したメダルは略L字状のメダル通路に案内されて緩やかな下り傾斜方向に転向し、通過速度を緩めつつ光電センサによって検知され、ホッパー装置の貯留タンク内に収容される。前記メダル検知部によって検知されたメダルは枚数がカウントされ、所定枚数が遊技の賭けメダルとして設定されるとともに、遊技に必要な枚数をオーバーした投入メダルはスロットマシンの主基板メモリーに枚数が記憶されクレジットアップされる。
ところで、近年、パチンコホールなどの遊技場においてスロットマシンに対し、正規の方法とは異なるメダルの擬似投入によってクレジットアップを行う行為、いわゆる「クレマンゴト(クレジットを一瞬にして満タンにすることからの由来)」と称される不正行為が横向している。この不正行為を行う際に用いられる不正器具Cの代表的なものとしては、例えば、第17図に示すようにメダル投入口100のスリット101内に挿入することが可能な略L字形状の屈曲した平板に小型電池で作動する電子回路基板を装着すると共に、平板の先端部に複数のLED102を直列に配置することで、複数のLED102がそれぞれ異なるタイミングで点滅するように制御するものが知られている。
この不正器具Cを前記メダル投入口100のスリット101からメダルセレクタ104内の略L字型メダル通路105内に挿入してLED102を光電式メダル検知部106と対面させると、LED102の点滅によってメダル検知部106にあたかも正規のメダルが複数通過したかのように誤認識させることができ、これにより、実際にメダルの投入を行うことなく遊技メダルをクレジットアップすることができる。このように不正器具を用いて擬似メダル投入を行った者は、クレジットアップされたメダルをすぐに精算ボタンを操作することでスロットマシンから引き出して景品と交換したり、投入した大量の擬似メダルで遊技を行ったりするなどの行為によって不正に利益を得ることが行われる。
このような不正器具を用いた犯罪行為が行われると、遊技場が多大な損失を蒙るばかりでなく、善良な遊技者にまで疑いの目が向けられる恐れがあり、さらには遊技者に遊技への興味を失わせてしまう懸念もあるので、このような不正行為を防止する機能をスロットマシンに付加することは、遊技機メーカーにとって重要な課題の1つとなっている。
このため、従来のスロットマシンにおいては、不正器具Cの先端がメダル検知部まで届き難くするためメダル投入口からメダル検知部までの距離を長くしたメダルセレクタを使用するか、または図18に示すようにスロットマシンの操作部に固定したメダル投入口200とメダルセレクタ201の入口201aとの間にクランク形状に屈曲したメダル通路202を備えた通路部材203を介在させ、メダル投入口200のスリット204から挿入した不正器具Cの先端がメダルセレクタ201の入口201aに至るクランク形の前記メダル通路202に阻まれてメダル検知部205に到達できなくすることが行われている。(特許文献1参照)
一方、メダル投入口への不正器具投入を困難にするため、特許文献2および特許文献3に開示されるように、メダル投入口の上方を覆う庇状のカバーをメダル投入口の近傍に設置することも提案されている。
しかしながら、前述の如くメダル投入口からメダルセレクタのメダル検知部までのメダル通路長さが大きいメダルセレクタを使用したり、特許文献1の様にメダル投入口とメダルセレクタとの間にクランク形の通路部材を追加したりする方法では、スロットマシンの前扉の裏側におけるメダルセレクタの設置スペースが大きくなると共に、メダル通路内の汚れなどの原因で通路内にメダルが滞留し易くなりメダル詰まりの恐れが生じると共に、メダル投入タイミングとメダル検知部によるメダル検出タイミングとの間のタイムラグが大きくなるため、遊技開始の為のレバー操作時にメダル検知部にて検出する直前のメダルが受皿に返却されることなくホッパー装置の貯留タンク内に収容されてしまう現象、所謂、「飲み込み現象」が発生する問題がある。さらに、後者のようにメダル投入口とメダルセレクタとの間にクランク型の通路部材を追加した場合は、メダル投入口およびメダルセレクタを含む装置の縦方向の寸法が大きくなるため、スロットマシンの前扉設計の自由度が損なわれると共に、取付け構造が複雑になる問題を生じる。
一方、特許文献2および特許文献3のように、スロットマシンのメダル通路に改良を加えることなくメダル投入口の上方に庇状のカバーを新たに設置し、メダル投入口のスリットに対し外部から不正器具Cを挿入し難くする方法では、不正器具Cの挿入は困難になるものの、遊技時に遊技者の手が庇状のカバーに当接してメダル投入操作が困難になり、遊技者のスムースな遊技動作を妨げる問題が生じる。
この発明は上記の問題に着目してなされたもので、特に、メダル投入口のメダル投入スリットからメダルセレクタに向かって鉛直下方に延びるメダル通路の壁面を従来のメダル投入口より長くし、これを前記メダル投入口と一体に形成すると共に、メダル通路の途中において、ここを通過するメダルの直径よりやや広い通路幅を有して左右方向にオフセットしたクランク形状の屈曲通路とすることにより、不正器具の挿入を困難にし、防犯性能の高いメダル投入口を備えたスロットマシンを提供するものである。
本発明の請求項1においてスロットマシンの操作部に固定されるメダル投入口は、そのベース部の上面に断面略U字状のメダル誘導溝を有し、この誘導溝の終端に横長形状のメダル投入用スリットが開設されていると共に、前記スリットの奥側には背面板部が立設されてなるもので、前記スリットからメダルセレクタの入口に向けて鉛直下方に延びるメダル通路の周壁は前記ベース部および背面板部と一体に形成されていると共に、前記メダル通路はここを通過するメダルよりやや広い通路幅を有して前記スリットの長さ方向に沿い水平方向にオフセットしたクランク形状通路となっていることを特徴とする。
なお、メダル投入口と一体に形成されるクランク形状のメダル通路は、スリット内に上下方向から分割した中型を挿入することによりベース部や背板部と一体に型成形を行うことが可能であるが、これ以外にもメダル投入口をメダル通路を含む適当な箇所で分割した形態としクランク形状のメダル通路を型成形あるいは機械加工により形成した後、メダル通路がスリットと連通するように合体させて構成する方法や、メダルの直径より遥かに広幅のメダル通路を形成し、所定箇所にメダルが直線的に通過するのを防止する障害物を後付けすることで屈曲したメダル通路を形成するなど任意の方法で形成することが可能である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のスロットマシンのメダル投入口において、前記ベース部と背面板部とをスリットを含む平面を境に別体に形成し、前記スリットと連続するメダル通路の前壁を前記ベース部と一体に形成する一方、メダル通路の後壁を前記背面板部と一体に形成し、ベース部と背面板部とを互いに組み付けたとき、前記メダル通路の前壁と後壁との対向空隙によって前記クランク形状のメダル通路が画成されるようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は前記クランク形状のメダル通路が、メダルセレクタの入口からホッパー側に転向するメダルの移動方向とは反対の向きにオフセットしていることを特徴とする。
請求項4記載の発明においてはメダル通路のオフセット量Tをメダル通路幅Wの3分の1を超える大きさとした。
更に請求項5記載の発明においてはメダル投入口を、そのメダル投入用スリットの左側延長線がスロットマシンの正面パネルと所定の角度で交わる位置関係をなして操作部に固定した構成とした。
上記請求項1記載の発明によれば、スリットから不正器具を挿入しようとしても、スリットに連設したメダル通路がメダルの直径よりやや広い通路幅を有して前記スリットの長さ方向に沿い水平方向にオフセットしたクランク形状通路となっていることにより、不正器具をメダル通路に挿入した場合は、通路の途中にて角度変更が困難になりそれ以上奥への挿入が出来なくなる。また、メダル通路がメダル投入口と一体に形成されていることで、メダルセレクタとの間にクランク形状のメダル通路部材を追加したものに比べて遥かに設置スペースが少なくなると共に、スロットマシンの操作部への取付け座面の追加形成が不要であり、取付け作業が容易に行えると共に、メンテナンスが容易になる有利さもある。
前記請求項2記載の発明によれば、ベース部と背面板部とをスリットを含む平面を境に別体に形成し、各部材にメダル通路の壁を構成する部分を一体に形成しているので、メダル投入口をメダル通路部分にて半割りの状態で形成することが可能になり、複雑な形態に屈曲したクランク型のメダル通路をダイカスト鋳造法などにより容易に形成することが可能であり、特に機械加工やメッキ加工が容易に実施できる利点がある。また、ホール設置後においても、メダル通路内の清掃やメンテナンスが容易になる為、常にメダルの通過を円滑に維持することが可能になる。
前記請求項3の発明によれば、クランク形状のメダル通路を、メダルセレクタの入口からメダルホッパ側に転向するメダルの移動方向とは反対の方向にオフセットさせているため、L字型に屈曲した不正器具はメダルセレクタから遠ざかる方向に屈曲したクランク型メダル通路に阻まれ、挿入がより一層困難になる。
なお、請求項3記載の発明のクランク形状通路における屈曲部の高さ位置は、メダル投入口のスリット直下のメダル通路に適用するのが一般的であるが、例えば、メダル投入口の鉛直方向に空間的な余裕がある場合は、スリットから下方に遠ざかった位置のメダル通路にクランク形状通路を形成すれば、不正器具の挿入を阻止する上に更に効果的である。
前記請求項4の発明によれば、メダル通路のオフセット量Tがメダル通路幅Wの3分の1を超える大きさに設定されているため、不正器具の幅がメダル通路幅Wの3分の1を超える場合にはメダル通路に挿入しても傾き角度が制限されるので、不正器具の先端をメダルセレクタの検出センサに到達させることが困難になる。
さらに、前記請求項5記載の発明によれば、メダル投入口は、操作部上面の右端に配置されておりメダル投入用スリットの左側延長線がスロットマシンの正面パネルと所定の角度で交わる位置関係をなして固定されているので、L字型の不正器具をメダル投入口から差し入れようとしても、不正器具の末端がスロットマシンの正面パネルと干渉するので、不正器具の使用がさらに困難になる。また、メダル投入口は操作部の右端に配置されているにも拘らず、スリットが正面パネルとの傾きを有している為、遊技者は左右いずれの手でも遊技メダルをスリットへ容易に投入できる有利さがある。
図1は、この発明を適用したスロットマシンの一実施形態を示している。 スロットマシンSは、前面に開口を有する矩形の筐体1の内部に後述するリールやメダルホッパおよびこれらを駆動制御するための各種電装基板(図示せず)を収容すると共に、前記筐体1の左側開口縁に対し、前扉2の一側をヒンジ金具により回動自在に取付けることにより開閉可能な構成となっている。前記筐体1の上面には、筐体内部の電源基板やモータあるいは制御回路基板等で発生した熱を外部に放出するための3個の放熱孔1aが開設されていると共に、各放熱孔1aには、筐体1の内部への異物や塵埃等の進入を防ぐためのパンチングメタル1bが取付けられている。
前記前扉2の上部中央位置には、遊技の進行に応じてキャラクタ画像や背景画像あるいは記号や文字などといった各種図形画像を映し出し、当選役の報知等の各種表示演出を行う2重液晶画面からなる演出表示装置3が配置されている。前記演出表示装置3は、前方表示画面を構成する透過型カラー液晶表示装置と、後方表示画面を構成する透過型カラー液晶表示装置とを所定の間隔を置いて平行に配置した構成を有しており、各表示画面に互いに連係した画像を表示することで立体感のある映像表現を可能としている。上記演出表示装置3の両側には、左側上部スピーカ4aおよび右側上部スピーカ4bからなる一対のスピーカが設けられており、前記演出表示装置3で行われる画像演出と同期して、各種の楽曲や効果音による音響演出を行うようになっている。
また、前記演出表示装置3の上部には、透明なランプカバーの内部に複数のLEDまたは電飾ランプを内蔵した発光表示部5が配置されており、前記演出表示装置3や前記上部スピーカ4から発せられる演出と関連して点滅や順次点灯などの発光表示動作を行うようになっている。
一方、前記演出表示装置3の下部には、筐体1の内部に収容したリール6a〜6cを視認するためのリール窓7を備えた透明板材からなる正面パネル8が設けられている。各リール6a〜6cは、その外周面に回転方向に沿って21コマの図柄が等間隔に配置され、図示なきステッピングモータにより同一方向へ個別に回転されるようになっていると共に、停止状態において各リール6a〜6c上における21コマの図柄のうち、3個の図柄が前記正面パネル8のリール窓7から視認可能となっている。なお、正面パネル8の前面には、後述するメダル投入口12から投入されたメダルの枚数に応じて設定される有効ラインの位置および本数を点灯等により表示する有効ライン表示器(図示せず)が配されている。
前記正面パネル8の下方には、遊技時に遊技者が操作するスイッチ類を配置した横長の操作部9が設けられている。この操作部9は、前記正面パネル8に接する上側操作パネル面10と、遊技者と対向する前面操作パネル面11とを有している。前記上側操作パネル面10の右端には、本発明の要部を構成するメダル投入口12が設けられ、中央部には払出メダル数等に関する表示を行うメダル表示器13が設けられ、左端部には遊技に使用するメダルの数を設定するための賭けメダル数設定スイッチ14(1ベットスイッチ14a、MAXベットスイッチ14b)が設けられている。
前記1ベットスイッチ14aは、これを一回押下操作する毎に、1回の遊技に賭けるメダル枚数を1枚ずつ加算する押ボタンスイッチである。また、MAXベットスイッチ14bは、1回の遊技において賭けるメダル数として最大数を1回の押操作で設定可能とする押ボタンスイッチである。すなわち、MAXベットスイッチ14bを押操作した場合、クレジットにメダル残数が充分ある場合は、賭け枚数が最大賭け枚数、つまり3枚に設定される。また、クレジットにメダル残数が最大賭け枚数に満たない場合は、メダル残数の全てが賭け枚数に加算される。
前記操作部9の中央に配置されたメダル表示器13は、LEDセグメント表示装置等からなり、遊技中に払い出されるメダル枚数(払出枚数)や、投入されてメモリーに記憶されたメダル枚数(クレジット枚数)や、スロットマシンに隣接配置される台間メダル貸し出し機から貸し出しされるメダルの枚数や台間機に挿入されたカードの残度数を表示する。
一方、前記操作部9の前側操作パネル面11には、前記3個のリール6a〜6cの回転を開始させるためのレバー式の始動操作スイッチ15や、始動操作スイッチ15の操作により回転を開始したリール6a〜6cを任意のタイミングで停止させるために、各リールに対応させて設けた停止スイッチ16(16a〜16c)が設けられている。
また、前側操作パネル面11の右端には、メダル投入口12から投入されたメダルが、前扉2の裏側に設置されたメダルセレクタ17内に停留した場合にメダルを強制排除するための返却ボタン18が併設されており、前扉2の開放側端には、前扉2の施錠状態を切り替えるための施錠装置19が設けられている。
一方、前記前扉2の下半部には、遊技機のモチーフやキャラクタを意匠的に表現した下部パネル20が配置されており、下部パネル20はその背後に設けた蛍光灯や冷陰極管などのバックライト照明により発光するようになっている。下部パネル20のさらに下方には、役当選時の賞メダル、あるいは精算ボタン21の操作により前扉2の最下部に設けた受皿22内にメダルを送出するためのメダル払出口23が設けられている。
なお、メダル払出口23の開口形状は、上辺に対して下辺が短い逆台形状となっている。また、前記メダル払出口23を挟んで左右の位置には、左側下部スピーカ24aおよび右側下部スピーカ24bが設けられていると共に、前記受皿22の左端には灰皿25が設けられている。
次に、本発明の要部であるメダル投入口12の構成について詳述する。図2は本発明の一実施形態にかかるメダル投入口12を示す斜視図、図3は同メダル投入口の正面図、図4は平面図、図5は底面図、図6は右側面図、図7は左側面図、図8は背面図、図9は図3の正面図におけるA−A矢視側面図を夫々示している。なお、これら各図において共通する符号を付した箇所は夫々同一部材、同一部分を示している。これらの図に示すように、本発明のメダル投入口は、前記図1における操作部9の上側操作パネル面10の右端に固定されるベース部31と、ベース部31とは別体に形成された背面板部61とからなる一組の部品で構成されている。
これらベース部31および背面板部61は、例えば、アルミダイキャストにより精密鋳造され、バレル加工を施すことにより表面が滑らかに仕上げられていると共に、表面にはクロム等による硬質メッキ層を形成することで、遊技メダルとの摩擦計数が低く、かつ、装飾効果を高める工夫がなされている。勿論、両部品を他の材質、例えば、人口大理石の原料となるメタクリル樹脂などの硬質樹脂で成型したり、金属との摩擦計数が低いフッ素樹脂で一部または全部を成型したりすることなども可能である。
前記ベース部31は図3乃至図8に示すように、前記操作部9の上側操作パネル面10に取付ける部分が図4に示すように前記正面パネル8と平行に設置される長辺部32を最も長い辺とする略6角形状の底が丸みをおびた皿を伏せたような形状をしている。すなわち、ベース部31の平面形状は、前記長辺部32に対して直角をなす側辺部33および側辺部34と、遊技者の正面側に位置して前記長辺部32に対し角度θをなして傾斜した短辺部35と、前記側辺部33,34の末端と短辺部35の両端とを夫々曲率半径の極めて大きい円弧によって接続する斜辺部36,37とからなる略6角形をなしている。
前記長辺部32には、幅Lの直角台形状の窪み部38が形成されており、その最も奥まった直線部分が、前記長辺部32と角度θをなすスリット部39として形成されている。このスリット部39は、後述する背面板部61との対向間隙に遊技メダルを投入するためのメダル通路41を画成するもので、スリット部39は遊技メダルの入口となる。
前記ベース部31の上面には、前記正面の短辺部35からスリット部39に亘って、複数枚の遊技メダルを重ね合わせた状態で載置できるようにした断面略U字形のメダル誘導溝40が凹設されている。また、ベース部31の下面には、図9の右側断面図に示すように前記メダル誘導溝40の底面40aと略直交するように、メダル通路41の前壁面42を構成するフレーム部43が長さQに亘って鉛直下方に向い延設されている。
フレーム部43はその背面中央部が前記メダル通路41の前壁面42として滑らかな平面になっていると共に、前壁面42から左右方向に延設された部分において、前扉2の背面に固定する為の取付ネジ(図示せず)を貫通させるための取付孔44,4
5が穿設されている。
5が穿設されている。
前記ベース部31の上面に設けたメダル誘導溝40は、その底部40aが前記操作部9の上側操作パネル面10に取付けた際に、正面側から背面側に向かって僅かに上り傾斜となり、遊技メダルを起立状態で複数枚重ね合わせ載置することで、スリット部39からメダル通路41内に容易に連続投入できるようになっている。さらに、ベース部31の上面におけるメダル誘導溝40の左右の陵線部分は、図3に示すように正面左側の陵線部46よりも正面右側の陵線部47の方が高さhだけ低くなっており、右手での遊技メダル投入をし易くしている。
一方、前記ベース部31のスリット部39と対向配置された背面板部61は、図10の斜視図および図11の正面図にて図示するように、その上端に前記ベース部31の窪み部38に嵌合し、かつ、その前面がメダル誘導凹部40に載置したメダルと当接可能な半円形の頭部62を有するとともに、頭部62の下方には前記ベース部31の前壁面42と対向し、前面壁42との間にメダル通路41を画成する後壁面63を備えた垂壁部64を一体に有している。
また、背面板部61は前記垂壁部64の後壁面63の左右両側において、ここを通過する遊技メダルのガイドとなる突条65,66を有している。各突条65,66は遊技メダル1枚分の厚さより僅かに大きい高さを有している。したがって、背面板部61を前記ベース部31に組み付けて一体化した場合には、背面板部61の後壁面63とベース部31の前壁面42とが突条65,66の高さに相当する隙間を存して対向し、そこにベース部31の上面にてスリットとして開口する扁平なメダル通路41を画成する。
なお、メダル投入口12は前記メダル通路41の下部出口41aが、下方に配置されるメダルセレクタ17の入口17aと連通するように操作部9の上側操作パネル面10に固定される。図中、67および68は前記垂壁部64の背面に縦方向に平行して一体形成された補強リブであって、組み付け時にベース部31側の垂壁部64の剛性を高め、背面板部61側のフレーム部43との密着性を維持する。
前記メダル通路41の左右の突条65,66は、図11に示すように、その内側の間隔がメダルの直径より僅かに大きい幅W、例えば、25φの遊技メダルに対しては約26mmの通路幅を形成するように平行に配置されているとともに、前記メダル通路41の約3分の2下方の位置において、遊技者側から見て右側に約10mmオフセットさせることによりメダル通路41がクランク状に屈曲した形状としている。すなわち、メダル通路41をクランク形状に屈曲させる場合における垂直通路のオフセット量Tは、好ましくは前記メダル通路41の幅Wの3分の1を超える大きさに設定される。
ただし、このオフセット量Tはこの値を遥かに上回ってもよく、例えば、スロットマシンの前扉2の背面にメダルセレクタ用の大きな取付けスペースを確保することが出来、メダル投入口12の入口であるスリット部39から下方のメダルセレクタ17の入口部までの垂直距離を大きく取ることができる場合には、オフセット量Tをメダル通路41の幅Wと同等か、または、それ以上の大きさに設計することも技術的には可能である。
前記背面板部61は、前記頭部62の両側において前記ベース部31の長辺部32側に形成した凹陥部48,49と嵌合可能な肩部69,70を一体に有していると共に、前記ベース部31の下面に形成した取付座部のネジ孔(図示せず)に螺合する取付螺子71を貫通させるための取付孔72,73を有しており、背面板部61を2本の取付螺子71,71によってベース部31に結合し一体化させることにより使用される。
このようにして組み立てられたメダル投入口12は、そのフレーム部43および垂壁部64をスロットマシンSの前記操作部9の上側操作パネル面10に穿設した図示なき貫通孔に挿入し、前記ベース部31の長辺部32が正面パネル8と平行するようにフレーム部43を前扉2の背面に螺子止めすることによりスロットマシンSの操作部9の固定される。
なお、上記の実施形態では、背面板部61の後壁面63とベース部31の前壁面42と間隔をメダル投入のし易さやメダル通路41内でのメダル詰まり防止、あるいはスリット部39への異物の侵入や不正器具の挿入をし難くすることなどを考慮して、遊技メダル1枚の厚さ1.8ミリより僅かに大きい2.2mm前後の大きさとしたが、この大きさはこれに限定されるものではなく、例えば、遊技メダル1枚分の厚みよりも大きく遊技メダル2枚分の厚みよりも小さい大きさにすれば機能上は差し支えない。
次に、本発明のメダル投入口12を具備させたスロットマシンSの遊技時の作用につき、メダル投入口12およびメダルセレクタ17を前扉2の裏側から見た状態の図12を参照しつつ説明する。図中、前記図1乃至図11と同一符号を付した部分は同一部材、同一部分を示している。
遊技者が遊技を開始するには、まず、メダル投入口12のスリット部39から所定枚数の遊技メダルMを投入した後、始動操作スイッチ15を操作することが必要である。このとき、前記メダル投入口12から投入された遊技メダルは、クランク形のメダル通路41に誘導されて出口41aから下部のメダルセレクタ17の入口17aに導入される。
メダルセレクタ17内に進入した遊技メダルMは略L字型の案内通路81に沿って流下し、コーナー部82で方向転換して傾斜通路83内を進む。このとき、前記傾斜通路83に設けた振り分け装置84は、投入された遊技メダルMが正規の大きさの場合は通過を許容し、遊技メダルMが正規の大きさでない場合や遊技メダルMが貯留される最大枚数50枚を超えている場合には、前扉2の背面に沿って設けた図示なき返却シュートに落下させる。落下した遊技メダルMは、返却シュートから前記図1に示したメダル払出口23を通って受皿22に返却される。
前記振り分け装置84を無事通過して傾斜通路83をホッパー装置側に向かって進行する正規の遊技メダルMは、傾斜通路83の上側に遊技メダルMの通過方向に沿って並べて設けられた2個のメダル通過検知部85,86を通過する際、各メダル通過検知部85,86に設けた発光部と受光センサとの間の検出光を遮ることで通過が検出される。
なお、前記メダル投入口12のスリット部39から正規の遊技メダルの代りに不正器具Cを挿入しようとした場合は、スリット部39の左側の延長ラインが図4に示すように正面パネル8と角度θをなして交差している為、不正器具Cの先端をメダル投入口12のスリット部39に挿入した時点で末端部分が正面パネル8と干渉する。したがって、不正器具Cを正面パネル8との干渉を避けながらスリット部39内に深く挿入するには、不正器具C自体を厚さ方向に湾曲させるしかなく、その反力で不正器具Cの先端がメダル通路41の側面に押し付けられるので挿入操作が困難になる。
また、不正器具Cをメダル投入口12のスリット部39からメダル通路41に挿入しようとする際には、メダル通路41がメダルセレクタ17の側壁である背面板部61の突条65,66と干渉してその動きが制限される。すなわち、クランク形状のメダル通路41はメダルセレクタ17の入口17aからホッパー装置に向って流下するメダルの移動方向とは反対の向きにオフセットしているので、不正器具Cをスリット部39に挿入した後の傾き角度調整が制限され、不正器具Cをさらに奥深くに挿入することが不可能となってメダル通過検知部85,86メダル検知部に到達させることができなくなる。
本発明のスロットマシンはこのようなメダル投入口12の作用によって、不正器具を用いてスロットマシンのクレジット枚数を不正に増加させる行為を困難にするとともに、不正器具によるゴト行為を行うには、不正器具の形状を複雑にしなければならないため、不正器具の制作および改良が困難になり、不正行為の発生を低減させることができる。
前述のように遊技者がメダル投入口12に遊技メダルMを投入し、始動操作スイッチ15を操作すると遊技機内部では、始動操作スイッチ15の操作を契機に抽選が実行されるとともに、各リール6a〜6cの回転を開始させる。各リール6a〜6cが一定の回転速度に達した時点で、停止スイッチ16a〜16cの操作が有効となるので、遊技者が停止スイッチ16a〜16cを適当な順序で押操作すると、その操作タイミングと、前記遊技機内部の抽選結果とに基づいて、対応する各リールが所定の引込みコマ数で停止する。また、いずれかの入賞役に当選しているときに、停止スイッチ16a〜16cをタイミングよく操作すると、有効ライン上に当選役の図柄組み合わせが成立し、当選役に応じた所定枚数のメダルがメダル払出口23から受皿22に払出される。
スロットマシンSは、メダル投入口12から投入された遊技メダルの枚数を、所定枚数、例えば50枚を上限として、遊技機内部のメモリーに記憶し、メダル表示器13にてこの枚数を表示する機能を備えている。そして、1ベットスイッチ14aまたはMAXベットスイッチ14bを押下することにより、所定枚数ずつ上記メモリーから減算し、同時に次回遊技の賭け数として設定して遊技に供することが可能になる。
つぎに、本発明に係るメダル投入口の変形実施形態について説明する。図13は本発明のメダル投入口の第2実施形態を示す斜視図、図14は図13におけるX−X矢視断面図である。前記図2乃至図11に示した第1の実施形態と同一符号を付した箇所は同一部分を示している。
この第2実施形態は、前記第1実施形態が、メダル投入口12を操作部9の上側操作パネル面10の右端に固定されるベース部31と、背面板部61とを一組の別部品で構成し、ネジ止めにより合体させた構成であったのに対し、メダル投入口全体を1個のダイカスト製品で構成した場合を例示したもので、本実施形態のメダル投入口112は表面に嵌合部分の境目が露出していないこと以外は第1実施形態と外観が略同一である。
本実施形態のメダル投入口112は全体をアルミダイカストによって一体形成したもので、略6角形のベース部113の輪郭線を境にして分割された上下一対の鋳型により成型されている。メダル通路114は、上下の鋳型から突出させた中子により鋳抜かれており、クランク形状のメダル通路114を形成するための中型の形状は、例えば、図15に例示するようにメダル通路114の中央の垂線Rを境に中型115と中型116に2分割し、上型や下型に夫々取付けた形態とすれば、割型を容易に設計することができる。
すなわち、中型115はメダル通路114の入口となるスリット部117側から挿脱可能な先細り形状を有し、かつ、中型116はメダル通路114の出口118側から挿脱が可能な先細り形状を有していて、図15に示すように垂線Rで密接させることにより、メダル通路114のクランク形状空間を形成する中型として機能する。なお、第2実施形態に係るメダル投入口112の作用については前記第1実施例と同一の為、ここでは説明を割愛する。
図16は本発明に係るメダル投入口のさらに他の変形実施形態を示したものである。前記第1実施形態および第2実施形態におけるメダル通路41,114が、夫々鋳型により遊技メダルMの直径よりやや幅広のクランク形状通路に形成されていたのに対し、この第3の実施形態においては、他の方法でもメダル通路を不正器具が挿入し難い形状とすることが可能であることを例示している。
図16のメダル投入口212は第1実施形態と同様に操作部9の右端に固定されるベース部31と、背面板部61とを別部品で構成し、螺子止めにより合体させたものであるが、本実施形態ではメダル通路214の側面に位置する背面板部213の両側に設けた突条215,216を、入口のスリット部217においては遊技メダルMの直径Dより僅かに広い幅Wとしているが、これに続く部分においては突条215,216の配置間隔をW’まで平行に大きく拡大し、遊技メダルMの直径より遥かに広幅のメダル通路214を形成している。
図中、218a,218b,218cはそれぞれ前記メダル通路214を通過する遊技メダルMの厚み方向に貫通するように、前後のメダル通路壁を貫通させてネジ固定した複数の障害ピンであって、図示するように遊技メダルMの流下移動が可能な位置関係に配置している。この複数の障害ピン218a,218b,218cの作用によって、幅広のメダル通路214は略S字型に屈曲した複雑な形状の通路となり、遊技メダルMはここを自由に流下することが可能であるが、不正器具Cを挿入し先端を下方に配置される図示なきメダルセレクタのメダル検知部まで到達させようとした場合は、障害ピンピン218a,218b,218cの存在によってスリット部217から挿入した不正器具Cの傾き変更ならびにメダル検知部への到達が極めて困難になる。
なお、前記複数の障害ピン218a,218b,218cは、その配置や個数、あるいは障害ピン自体の断面形状を適宜変更可能とすれば、不正器具を使用して不正行為を行おうとするものは、外部からその配置や個数ならびに正確な通路形状を知りえないので、不正器具の形状をどのようにすれば良いかが特定出来ず、ゴト行為の発生を防止することが出来る。
なお、上記の各実施形態においてはリール駆動タイプのスロットマシンを例に挙げて説明したが、スロットマシンの構成は別段これに限定されるものではなく、例えば、液晶パネルなどに図柄変動形態を表示するスロットマシンなど、メダルを用いて遊技を行う他の遊技機にも等しく適用することができる。
8 正面パネル 9 操作部 12,112,212 メダル投入口 17 メダルセレクタ 31,113 ベース部 39,117 スリット 40 メダル誘導溝 41,114,214 メダル通路 61 背面板部 S スロットマシン M 遊技メダル C 不正器具
Claims (5)
- スロットマシンの操作部に固定されるベース部の上面に断面略U字状のメダル誘導溝を形成し、メダル誘導溝の終端に横長形状のメダル投入用スリットを開設すると共に、前記スリットの奥側に背面板部を立設してなるメダル投入口を備えたスロットマシンにおいて、前記スリットからメダルセレクタの入口に向けて鉛直下方に延びるメダル通路の周壁を前記メダル投入口のベース部および背面板部と一体に形成すると共に、前記メダル通路を、ここを通過する遊技メダルの直径よりやや広い通路幅を有して前記スリットの長さ方向に沿い水平方向にオフセットしたクランク形状通路としたことを特徴とするメダル投入口を備えたスロットマシン。
- 前記ベース部と背面板部とをスリットを含む平面を境に別体に形成し、前記スリットと連続するメダル通路の前壁を前記ベース部と一体に形成する一方、メダル通路の後壁を前記背面板部と一体に形成し、ベース部と背面板部とを互いに組み付けたとき、前記メダル通路の前壁と後壁との対向空隙によって前記クランク形状のメダル通路が画成されるようにした請求項1記載のスロットマシン。
- メダル投入口に設けたクランク形状のメダル通路が、メダルセレクタの入口からメダルホッパ側に向かう遊技メダルの移動方向とは反対の向きにオフセットしている請求項1または2に記載されたスロットマシン。
- メダル投入口に形成したメダル通路のオフセット量Tがメダル通路幅Wの3分の1を超える大きさに設定されている請求項1乃至3のいずれかに記載されたスロットマシン。
- メダル投入口が操作部上面の右端近傍に配置され、かつ、メダル投入用スリットの左側延長線がスロットマシンの正面パネルと所定の角度で交わる位置関係をなして操作部に固定されている請求項1乃至4のいずれかに記載されたスロットマシン。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013188399A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Universal Entertainment Corp | 遊技機 |
JP2015154893A (ja) * | 2014-02-21 | 2015-08-27 | Kpe株式会社 | 遊技機 |
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2007
- 2007-12-12 JP JP2007320600A patent/JP2009146023A/ja active Pending
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