JP2009145124A - 回転角検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速に補正処理を行なうことによって、検出対象である回転機の高回転時にも補正処理時間に起因した角度検出誤差の発生を防止する。
【解決手段】R/Dコンバータ部14は、誤差補正回路110と、カウンタ130と、レゾルバ12からの出力信号に基づいて、モータジェネレータ4の回転角に対応させて、カウンタ130のカウント値を増減させる演算部120とを含む。誤差補正回路110は、マイコン部40のROMに格納された補正値テーブル52aからの補正値CBに基づいて、R/Dコンバータ部14内のデジタル/アナログ変換部における抵抗誤差を解消するような抵抗値の微調整をハードウェア機構により実行するように構成される。
【選択図】図1
【解決手段】R/Dコンバータ部14は、誤差補正回路110と、カウンタ130と、レゾルバ12からの出力信号に基づいて、モータジェネレータ4の回転角に対応させて、カウンタ130のカウント値を増減させる演算部120とを含む。誤差補正回路110は、マイコン部40のROMに格納された補正値テーブル52aからの補正値CBに基づいて、R/Dコンバータ部14内のデジタル/アナログ変換部における抵抗誤差を解消するような抵抗値の微調整をハードウェア機構により実行するように構成される。
【選択図】図1
Description
この発明は、回転角検出装置に関し、より特定的にはレゾルバを用いる回転角検出装置に関する。
回転機のロータ回転角を検出するセンサとしてレゾルバが知られている。レゾルバで検出された回転角は、当該回転機の電流制御などに用いられる。一般的に、レゾルバは、検出対象である回転機のロータと機械的に連結されたロータと、複数のコイル巻線を内蔵したステータとにより構成される。
レゾルバのロータを楕円形で構成することにより、ロータの回転に伴ってステータおよびロータ間のギャップ長が変化するので、ステータに内蔵された複数のコイル巻線のうちの一次巻線に参照信号として正弦波sinωtの信号を入力すると、電気角で90°の位相差を持って配置された2つの二次巻線間に、それぞれロータ回転角θに応じて変調された出力信号sinωtsinθ,sinωtcosθが得られる。
たとえば、特開2004−325166号公報(特許文献1)にも記載されるように、R/D(レゾルバ/デジタル)変換IC(以下、単にR/Dコンバータとも称する)は、アップ/ダウンカウンタによって検出される基準回転角φに応じた信号sinφ,cosφと、ロータ回転角θとを含んだレゾルバ出力信号とから、sin(θ−φ)を算出し、その位相差(θ−φ)を0とするようにφに相当するカウント値を増減するように構成される。そして、フィードバック制御が収束した(θ−φ)=0の状態でのφをロータ回転角θの値として検出する構成が開示されている。
このようなレゾルバ出力信号から算出された回転角を補正処理する構成として、特開2006−343318号公報(特許文献2)には、角速度の演算に基づいて、導出された回転角に応じて補間する処理と、サーボロジック部で生じた回転角の実測値に対する角度遅延を補正するための遅れ補正処理とを施して回転角の検出精度を向上させる回転位置検出装置の構成が開示されている。あるいは、補正処理の他の構成として、特開2004−205345号公報(特許文献3)には、一旦補正した後のレゾルバ誤差データを、補正用ROMに加算して、補正値の更新により出力レゾルバ信号の高精度化を行なうレゾルバの補正方法が記載されている。
特開2004−325166号公報
特開2006−343318号公報
特開2004−205345号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたR/Dコンバータに、特許文献2に記載された回転角の補正処理を適用すれば、複雑な制御演算によって回転角を補正する構成となるため、演算処理に伴う遅延によって検出誤差が発生するおそれがある。すなわち、R/Dコンバータでは、アナログ/デジタル変換の所要時間や上記補正処理演算の所要時間によって固定的な遅れ時間が発生するため、モータ高回転時にこの遅れ時間が回転角の変化に対して無視できなくなると、補正処理の実行によって却って角度検出誤差が悪化する可能性がある。
また、特許文献3に記載されたレゾルバの補正方法は、補正演算処理に用いる補正値を補正実行毎に更新することで、演算精度を向上させるものであるが、補正処理の内容について言及しておらず、モータ高回転時に遅延を発生させないような補正処理の高速化のための手法を開示するものではない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、高速に補正処理を行なうことによって、検出対象である回転機の高回転時にも補正処理時間に起因した角度検出誤差の発生を防止することである。
この発明による回転角検出装置は、回転機の回転角に応じて参照信号が振幅変調されたアナログ信号を出力するレゾルバからの出力信号に基づいて回転角を検出する回転角検出装置であって、変換部と、制御部とを備える。変換部は、レゾルバからの出力信号である回転角信号に基づいて、回転角に対応させて複数ビットのカウント値が増減するように構成されたカウンタを含む。制御部は、変換部での誤差の補正に用いるデジタルデータを記憶する補正値記憶部を含む。さらに、変換部および制御部の一方は、補正値記憶部からのデジタルデータに応じて、カウント値を補正するように構成されたハードウェア機構である誤差補正回路を含む。そして、制御部は、誤差補正回路によって補正されたカウント値に基づいて、回転機の電気角を求める。
上記回転角検出装置によれば、変換部(R/Dコンバータ部)のカウンタによるカウント値の補正処理を、ソフトウェアによる演算処理ではなくハードウェア機構によって高速に実行できる。したがって、回転機の高回転時であっても、遅れ時間の影響なく適切な補正処理を実行できるので、高精度に回転角の検出を実行することができる。
好ましくは、変換部は、カウント値に基づく変調デジタル信号をアナログ変換した電圧と、回転角信号との間でのアナログ演算に基づいて、カウント値の増減を制御するように構成された演算部をさらに含む。演算部は、変調デジタル信号の各ビット値に応じて、第1のノードから第2のノードへ伝達される電流量が変化するように構成されたデジタル/アナログ変換部を有する。そして、誤差補正回路は、デジタルデータに応じて、第1および第2のノード間の経路へ選択的に接続される調整抵抗を含む。
さらに好ましくは、演算部は、カウント値に応じて変調デジタル信号を出力するテーブル部と、乗算型デジタル/アナログコンバータとをさらに有する。乗算型デジタル/アナログコンバータは、デジタル/アナログ変換部を含んで構成されて、テーブル部からの変調デジタル信号と、回転角信号との乗算に従うアナログ電圧を出力する。
このように構成すると、変換部(R/Dコンバータ部)でのデジタル/アナログ変換時の各ビットの抵抗誤差に対処して、高速に補正処理を実行することができる。
あるいは好ましくは、補正値記憶部は、カウンタによるカウント値に応じて、カウント値のnビット値の組み合わせ毎に予め設定された補正値に従ったデジタルデータを出力するように構成された補正値テーブルを有する。そして、誤差補正回路は、加算回路を有する。加算回路は、カウンタによるカウント値および補正値テーブルからのデジタルデータの加算演算に従うnビットのデジタル信号を出力するハードウェア機構により構成される。
このようにすると、変換部(R/Dコンバータ)によるカウント値のそれぞれに対応して予め設定されたデジタルデータである補正値と、当該カウント値との直接加算演算をハードウェアで実行することにより高速に補正処理を実行できる。
また好ましくは、補正値記憶部へのデジタルデータの書込は、制御部および変換部のパッケージ後に実行される。
このようにすると、パッケージ後に実行される最終テストの結果を反映して、補正値(デジタルデータ)を決定することができるので、補正値をより適切に設定することができ、回転角検出を高精度化することができる。
好ましくは、変換部および制御部は、同一チップ上に構成される。
このように構成すると、変換部(R/Dコンバータ)と、制御部(CPU)との間で同一チップ上に形成された記憶部(たとえばフラッシュメモリ)を有効に活用して、補正値(デジタルデータ)を記憶することができる。また、変換部(R/Dコンバータ)および制御部(CPU)の間でのデータ伝搬時間の短縮、その際の耐ノイズ性向上により、回転角検出をさらに高精度化することができる。
このように構成すると、変換部(R/Dコンバータ)と、制御部(CPU)との間で同一チップ上に形成された記憶部(たとえばフラッシュメモリ)を有効に活用して、補正値(デジタルデータ)を記憶することができる。また、変換部(R/Dコンバータ)および制御部(CPU)の間でのデータ伝搬時間の短縮、その際の耐ノイズ性向上により、回転角検出をさらに高精度化することができる。
本発明による回転角検出装置によれば、高速に補正処理を実行できるので、検出対象である回転機の高回転時にも、補正処理時間に起因した角度検出誤差の発生を防止できる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には、同一符号を付してその説明は原則的には繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1による回転角検出装置が適用されるモータ駆動システム100の構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1による回転角検出装置が適用されるモータ駆動システム100の構成を示すブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動システム100は、インバータ装置2と、「回転機」であるモータジェネレータ4と、モータジェネレータ4のロータシャフトに機械的に連結されたレゾルバ12とを含む。
モータ駆動システム100は、代表的には、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等に搭載され、モータジェネレータ4は、車輪を駆動するために使用される。なお、他の用途にモータジェネレータ4を使用しても良い。
レゾルバ12は、楕円等の偏心形状をしたロータシャフト(図示せず)と、ステータ(図示せず)に設けられた一次巻線15と、90°の位相差をもってステータに配置された二つの2次巻線16,17とを含む。ロータシャフトの外形は、ステータとのギャップが角度によって正弦波状に変化するような形状である。
インバータ装置2は、モータ制御回路6と、IPM(Intelligent Power Module)7と、電流センサ8,9とを含む。IPM7は、モータジェネレータ4のステータコイル(図示せず)に流す電流を制御するためのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワースイッチング素子を含む。モータジェネレータ4のステータコイルはU相、V相、W相のコイルを含む。U相、V相、W相のコイルはY結線されているので、V相、W相の電流を電流センサ8,9によって測定すればU相の電流は演算で求めることができる。
モータ制御回路6は、マイコン部40とR/Dコンバータ部14が1チップに集積された制御IC10と、電流センサ8,9の出力をそれぞれ増幅するアンプA1,A2と、制御IC10からの励磁用参照信号Refに基づいてレゾルバ12の一次巻線15を励磁するアンプA3とをさらに含む。本発明の実施の形態による回転角検出装置は、図1では制御IC10によって構成される。
R/Dコンバータ部14は、誤差補正回路110と、演算部120と、ロータ回転角θに対応してカウント値を増減するように構成されたR/D変換カウンタ(以下、単にカウウンタとも称する)130とを含む。マイコン部40は、電気角カウンタ150と、補正値テーブル52aとを含む。誤差補正回路110は、補正値テーブル52aに記憶された複数ビットの補正値CBに応じて、カウンタ130によるカウント値の補正処理を実行するように構成される。マイコン部(CPU)40およびR/Dコンバータ部14の構成については、後ほど詳細に説明する。
モータジェネレータ4にはレゾルバ12のロータシャフトが機械的に連結され、レゾルバ12の一次巻線15には、マイコン部40内のD/Aコンバータにより生成された、たとえば10kHzの励磁正弦波信号(sinωt)である参照信号Refを電流増幅アンプA3で増幅した信号が印加される。
レゾルバ12は、回転トランスであり、二次巻線16(Sin巻線)および二次巻線17(Cos巻線)には、モータジェネレータ4の回転に伴い、変調された10kHz正弦波が誘導される。この結果、90°の位相差をもって配置された二つの2次巻線16,17には、それぞれ回転角θに応じて変調されたSin信号(sinωtsinθ),およびCos信号(sinωtcosθ)が得られる。これらSin信号およびCos信号は、レゾルバ12の「回転角信号」に対応する。
SIN巻線16、COS巻線17からR/Dコンバータ部14に与えられたSin信号およびCos信号は、R/Dコンバータ部14での演算によってデジタル角度データに変換される。このデジタル角度データはカウンタ130のカウント値に相当する。なお、カウンタ130のカウント値には、誤差補正回路110による、補正値CBに応じた補正処理が施されている。
補正処理されたカウンタ130のカウント値は、データバス等を介して、マイコン部40の電気角カウンタ150へ入力される。なお、実施の形態1では、カウンタ130と電気角カウンタ150とは、共通のカウンタによって構成されてもよい。マイコン部40は、電気角カウンタ150のカウント値に基づいて、モータジェネレータ4の回転角(電気角)を検知する。
さらに、IPM7のV相、W相電流値は電流センサ8,9で検出され、バッファアンプA1,A2を介しマイコン部40のA/D変換入力に印加される。
マイコン部40は、上位のECU(たとえば、ハイブリッド車両では、ハイブリッドECU)より通信で送られてきたトルク指令と、電流センサ8,9による検出値から求められる電流値と、上記カウント値から求められる電気角とに基づいて、IPM7のパワースイッチング素子をオンオフ制御するためのU,V,W相の三相PWM信号を出力する。たとえば、トルク指令と、電流値と、電気角とを用いたdq軸演算を実行して、その演算結果とPWMタイマとの比較によって、U,V,W相の通電デューティー比が決定される。
IPM7のパワースイッチング素子が、マイコン部40からの三相PWM信号に従ってオンオフ制御されることによって、モータジェネレータ4がトルク指令に従って動作するように、モータジェネレータ4の通電は制御される。
図2は、図1に示したマイコン部(CPU部)40およびR/Dコンバータ部14の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、制御IC10は、同一チップ上に形成されたR/Dコンバータ部14およびマイコン部40を含む。R/Dコンバータ部14は、カウンタ130と、レゾルバからの回転角信号を受け、カウンタ130のカウント値を回転角信号に対応するように増減させる演算部120とを含む。カウンタ130は、データバス56にカウント値を出力可能に構成される。
マイコン部40は、カウンタ130のカウント値に基づいて、モータジェネレータ4の電気角を求めるとともに、この電気角を用いてモータジェネレータ4の電流(単に、モータ電流とも称する)を制御する。すなわち、マイコン部40は、R/Dコンバータ部14によって検出されたロータ回転角θを用いて、モータジェネレータ4の動作を制御する。
マイコン部40は、中央処理装置(CPU)42と、CPU42にデータを転送するためのデータバス56とを含む。CPU42は、乗算器82と、算術・論理演算ユニット(ALU)84と、プログラムカウンタ(PC)86と、シフタ88と、システムレジスタ90と、汎用レジスタ92とを含む。
マイコン部40は、さらに、タイマ回路44と、バスコントロールユニット(BCU)46と、メモリコントローラ(MEMC)48と、DMAC(Direct Memory Access Controller)50と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)54とを含む。タイマ回路44は、タイマTM0〜TM4を含む。
ROM52は、誤差補正回路110で用いる補正値CBを記憶する記憶領域に相当する補正値テーブル52aと、CPU42で用いるプログラムや定数を記憶する記憶領域52bとを含む。
BCU46は、CPU42で得られた物理アドレスに基づいて必要な外部バスサイクルを起動する。MEMC48は、外部拡張時にメモリや各種入出力の制御を行なう。DMAC50は、CPU42の代わりにメモリ、I/O間でのデータ転送を行なう。
マイコン部40は、さらに、割込コントローラ(INTC)58と、非同期シリアルインタフェース(UART0〜UART2)60,62,64と、クロック同期シリアルインタフェース(CSI)66と、CAN(Controller Area Network)通信ユニット68と、汎用ポート70と、D/A変換器(DAC)71と、A/D変換器(ADC)72と、クロックジェネレータ(CKG)74と、システムコントローラ76とを含む。
演算部120は、減算器18と、同期検波部20と、積分器22と、電圧制御発振器(VCO)24と、コサインROMテーブル27と、乗算型D/Aコンバータ28,29と、サインROMテーブル30とを含む。
R/Dコンバータ部14は、図1のレゾルバ12の二次巻線16(Sin側)の両端が接続される差動アンプ32と、二次巻線17(Cos側)の両端が接続される差動アンプ34と、差動アンプ32および34の出力に基づいて位相を検出して同期検波部20に検波用の参照信号sinωtを送信する位相検出部36とをさらに含む。
差動アンプ32には、回転角θにより参照信号Refが変調されたアナログ信号である電圧sinωtsinθが回転角信号(図1に示したSin信号)として入力される。また差動アンプ34には、回転角θにより参照信号Refが変調されたアナログ信号である電圧sinωtcosθが回転角信号(図1に示したCos信号)として入力される。
演算部120は、回転角信号の示す値とカウンタ130のカウント値との差を検出するとともに、電圧制御発振器(VCO)24によって、検出された誤差に基づいてカウンタ130のカウントアップとカウントダウンの動作切換を行なうアップダウン切換信号U/Dをカウンタに対して出力するとともにカウントアップまたはカウントダウンのためのクロック信号CLKを出力する。
R/Dコンバータ部14は、レゾルバ出力に基づき得られる回転角θに対応するデジタル値に、カウンタ130のカウント値φを一致させる。カウント値φは、nビット(n:2以上の整数)のデジタル信号である。実施の形態1では、一例としてn=12とする。
これにより、カウンタ130のカウント値φは、回転角θに相当することとなる。上述のように、カウンタ130は、CPU42からの指令に応答して、カウント値φをデータバス56に出力可能に構成されることにより、マイコン部40と共用される態様で電気角カウンタ150(図1)としても機能することができる。
なお、実施の形態1では、n=12ビットのうちの最上位の2ビットは、回転角θの1回転を4分割した4象限(1象限〜4象限)のいずれであるかを示すためのビットであり、残りの下位側10ビットにより、各象限内での角度値(0°〜90°)が10ビットの分解能で示されるものとする。
次に、演算部120の動作を説明する。コサインROMテーブル27は、カウント値φをcosφに変換したmビットのデジタル信号を出力する。本実施の形態では、一例としてm=10とする。乗算型D/Aコンバータ28は、mビットのデジタル信号で与えたれたcosφをアナログ値に変換するとともにに、アンプ32の出力sinωtsinθをさらに乗算したアナログ電圧sinωtsinθcosφを出力する。
同様に、サインROMテーブル30は、カウント値φをsinφに変換したmビットのデジタル信号を出力する。乗算型D/Aコンバータ29は、mビットのデジタル信号で与えられたsinφをアナログ値に変換すると共に、アンプ34の出力sinωtcosθをさらに乗算したアナログ電圧sinωtcosθsinφを出力する。
減算器18は、乗算型D/Aコンバータ28,29の出力電圧間の差を演算する。両出力電圧の差は、sinωtsinθcosφ−sinωtcosθsinφ=sinωt(sinθcosφ−cosθsinφ)と変形でき、結局、減算器18は、sinωtsin(θ−φ)に対応するアナログ電圧を出力する。
減算器18の出力電圧と、位相検出部36で再生された参照信号sinωtとが同期検波部20に入力され、同期検波部20は、変調成分sin(θ−φ)のみを出力する。積分器22は、同期検波部20の出力sin(θ−φ)を積分する。積分器22の積分値が正の所定値より高いと、VCO24はカウント値φを増加させる指示を行なう。すなわち、カウンタ130がアップダウンカウンタであれば、VCO24はアップ信号UとクロックCLKとをカウンタ130に出力する。
また、積分器22の出力が、正の所定値と絶対値が等しい負の所定値より低いと、VCO24はカウント値φを減少させる指示を行なう。すなわちカウンタ130がアップダウンカウンタであれば、VCO24はダウン信号DとクロックCLKとをカウンタ130に出力する。
VCO24による増加、減少指示(U/D)により、nビット(12ビット)アップダウンカウンタ130のカウント値φが増加、減少する。このカウント値φと回転角θの差を小さくするように、演算部120による前述の演算が行われる。すなわち、サインROMテーブル30、コサインROMテーブル27、乗算型D/Aコンバータ28,29、減算器18、同期検波部20、積分器22、VCO24およびカウンタ130によってフィードバック回路が形成されて、位相(θ−φ)がほぼ0(所定値以下)となるまで、すなわち回転角θとカウンタ130のカウント値φがほぼ一致するまで、演算部120は、は演算を繰返す。したがって、セットリングタイムが経過してフィードバックが収束した後は、カウンタ130のカウント値φは、回転角θを表わすものとなる。
なお、乗算型D/Aコンバータ28,29には、後ほど詳細に説明する誤差補正回路110が付加されている。誤差補正回路110には、補正値テーブル52aから補正値CBが入力される。補正値CBは、複数ビットデジタルデータで構成される。したがって、このデジタルデータの各ビットについては、以下補正値ビットとも称する。
図3は、誤差補正回路110の第1の構成例を説明する回路図である。
図1にも示したように、誤差補正回路110は、乗算型D/Aコンバータ28,29の各々に付加される。このため、図3には、乗算型D/Aコンバータ28,29と誤差補正回路110とを組合せた回路構成が記載されている。乗算型D/Aコンバータ28に誤差補正回路110を付加した回路構成は、乗算型D/Aコンバータ29に誤差補正回路110を付加したものと共通なので、以下では、前者の構成を代表的に例示する。
図1にも示したように、誤差補正回路110は、乗算型D/Aコンバータ28,29の各々に付加される。このため、図3には、乗算型D/Aコンバータ28,29と誤差補正回路110とを組合せた回路構成が記載されている。乗算型D/Aコンバータ28に誤差補正回路110を付加した回路構成は、乗算型D/Aコンバータ29に誤差補正回路110を付加したものと共通なので、以下では、前者の構成を代表的に例示する。
図3を参照して、乗算型D/Aコンバータ28は、ボルテージフォロア回路を構成するオペアンプ200と、変換抵抗230a,230b〜239a,239bと、変換トランジスタ210〜219と、反転増幅器を構成するためのオペアンプ220および帰還抵抗222とを含む。
オペアンプ200によって構成されるボルテージフォロア回路は、入力電圧INをインピーダンス変換してノードN1に出力する。なお、入力電圧INは、乗算型D/Aコンバータ28においては、アンプ32の出力sinωtsinθに相当し、乗算型D/Aコンバータ29においては、アンプ34の出力sinωtcosθに相当する。
変換抵抗230a,230bおよび変換トランジスタ210は、mビット信号の最下位ビットB0に対応して設けられる。変換抵抗230aおよび230bは、ノードN1およびN2間に接続される。さらに、変換抵抗230aおよび230bの接続点は、変換トランジスタ210を介して、接地ノードと接続される。
以下、残りのビットB1〜B9のそれぞれに対応して、変換抵抗および変換トランジスタの組がビットB0と同様に構成されて、ノードN1およびN2間に並列に接続される。そして、変換トランジスタ210〜219のゲートには、デジタル/アナログ変換されるデジタル信号のビットB0〜B9を反転した、/B0〜/B9がそれぞれ入力される。さらに、各変換抵抗230a,230b〜239a,239bの抵抗値は、図3に例示するように、2の累乗に従って段階的に設定される。
このようにすると、ビットB0〜B9の値に基づいて、ノードN1からN2へ伝達される電流量が変化することによって、変換抵抗230a,230b〜239a,239bによるノードN1およびN2間の抵抗値が変化する。したがって、この抵抗値の変化に応じて、ビットB0〜B9で構成されるデジタル信号のアナログ変換値を得ることができる。すなわち、変換抵抗230a,230b〜239a,239bおよび変換トランジスタ210〜219は、cosφを示すコサインROMテーブル27からのmビットのデジタル信号(ビットB0〜B9)の「デジタル/アナログ変換部」を構成する。
この結果、乗算型D/Aコンバータ28,29では、ノードN1に出力された入力電圧INと、ビットB0〜B9で表されるcosφまたはsinφ(0〜1.0)との乗算結果に従うアナログ電圧である出力電圧OUTが、オペアンプ220により出力ノードNoに出力される。出力電圧OUTは、アナログ電圧sinωtsinθcosφまたはsinωtcosθsinφに相当し、減算器18(図2)へ入力される。
ここで、製造ばらつき等によって、各変換抵抗の抵抗値が2の累乗に従った設計値と異なると、デジタル/アナログ変換誤差要因となる。一般的に、R/Dコンバータ部14では、このようなデジタル/アナログ変換部での抵抗誤差が、誤差の主要因となる。
誤差補正回路110は、上記のような抵抗誤差を解消するようにノードN1,N2間の抵抗値を微調整するための調整抵抗と、当該調整抵抗をノードN1,N2間の経路に接続するか否かを選択するための調整トランジスタとの組を含む。
図3の構成例によれば、ビットB6に対応して、変換トランジスタ216と並列に、調整抵抗266aおよび調整トランジスタ256aの組が接続される。そして、調整トランジスタ256aのゲートには、補正値ビットCB6が入力される。同様に、ビットB7に対応して、調整抵抗267aおよび調整トランジスタ257aの組と、調整抵抗267bと調整トランジスタ257bとの組が配置され、これらの組は、変換トランジスタ217と並列に接続される。調整トランジスタ257a,257bのゲートには、補正値ビットCB7a,CB7bがそれぞれ入力される。すなわち、補正値ビットCB7a,CB7bに応じて、ビットB7に対応する抵抗値の微調整を4段階に実行できる。
同様に、ビットB8に対しては、調整抵抗268a〜268cおよび調整トランジスタ258a〜258cによって構成された、調整抵抗および調整トランジスタの3個の組が、変換トランジスタ218と並列に接続される。調整トランジスタ258a〜258cのゲートには、補正値ビットCB8a〜CB8cがそれぞれ入力される。これにより、補正値ビットCB8a〜CB8cに応じて、ビットB8に対応する抵抗の微調整を8段階に実行できる。
また、最上位ビット(MSB)B9に対しては、調整抵抗269a〜269dおよび調整トランジスタ259a〜259dによって構成された、調整抵抗および調整トランジスタの4個の組が、変換トランジスタ219と並列に接続される。調整トランジスタ259a〜259dのゲートには、補正値ビットCB9a〜CB9dがそれぞれ入力される。これにより、補正値ビットCB9a〜CB9dに応じて、ビットB9に対応する抵抗値の微調整を16段階に実行できる。
これにより、誤差補正回路110は、補正値テーブル52aからの補正値CBを構成する各補正値ビットに対応して、デジタル/アナログ変換部の抵抗誤差を解消するような抵抗値の微調整を実行できる。特に、ハードウェア機構により誤差補正回路110による補正処理を実行できるので、R/Dコンバータ部14の出力(カウント値φ)に基づく複雑な補正処理を実行する場合と比較して、補正処理を高速化できる。
図4は、図2に示した誤差補正回路の第2の構成例を説明する回路図である。
図4では、図3に示した乗算型D/Aコンバータ28,29とは異なる回路構成によって、同様の演算を実行する乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯および、乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯に対応した誤差補正回路110♯の回路構成が示される。
図4では、図3に示した乗算型D/Aコンバータ28,29とは異なる回路構成によって、同様の演算を実行する乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯および、乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯に対応した誤差補正回路110♯の回路構成が示される。
図4には、乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯のうち、乗算型D/Aコンバータ28♯に誤差補正回路110♯を付加した回路構成が、例示される。
図4を参照して、乗算型D/Aコンバータ28♯は、入力電圧INをインピーダンス変換するための第1のボルテージフォロア回路を形成するオペアンプ300と、各ビットに対応して設けられた第2のボルテージフォロア回路を構成するためのオペアンプ310〜319と、出力電圧OUTを生成する第3のボルテージフォロア回路を形成するオペアンプ320とを含む。
オペアンプ310〜319の反転入力端子(−端子)の各々は、オペアンプ300の出力ノードに相当するノードNiと電気的に接続される。オペアンプ310〜319の非反転入力端子(+端子)と接地ノードとの間には、変換トランジスタ210〜219がそれぞれ接続される。変換トランジスタ210〜219のゲートには、コサインROMテーブル27からのmビットのデジタル信号の各ビットの反転値/B0〜B9がそれぞれ入力される。
オペアンプ310〜319の出力ノードN0b〜N9aは、同一抵抗(2R)の抵抗素子224を介して、ノードN0b〜N9bとそれぞれ接続される。さらに、ノードN9b〜N0bの各ノード間には、それぞれ同一抵抗値(R)の抵抗素子225が接続される。また、ノードN0bおよび接地ノード間にも、抵抗素子225が接続される。
このようにすると、ビットB0〜B9の値に基づいて、ノードNiからノードN0b〜N9bへ伝達される電流値の合計が変化するので、ビットB0〜B9で構成されるデジタル信号のアナログ変換値に応じた電圧が、ノードN9bに現れる。すなわち、オペアンプ310〜319および抵抗素子224,225により、cosφを示すコサインROMテーブル27からのmビットのデジタル信号(ビットB0〜B9)の「デジタル/アナログ変換部」が構成される。
この結果、乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯では、乗算型D/Aコンバータ28,29と同様に、ノードNiに出力されたアナログ電圧である入力電圧INと、ビットB0〜B9で表されるcosφまたはsinφ(0〜1.0)との乗算結果に従うアナログ電圧である出力電圧OUTが、オペアンプ320により出力ノードNoに出力される。出力電圧OUTは、減算器18(図2)に入力される。出力電圧OUTは、アナログ電圧sinωtsinθcosφまたはsinωtcosθsinφに相当し、減算器18(図2)へ入力される。
なお、乗算型D/Aコンバータ28♯,29♯では、製造ばらつき等によって、各ビット間で抵抗素子224の抵抗値差、あるいは、抵抗素子255の抵抗値差が生じると、この抵抗誤差が、デジタル/アナログ変換誤差要因、および、R/Dコンバータ部14での誤差の主要因となる。
誤差補正回路110♯は、上記のような抵抗誤差を解消するようの、調整抵抗および当該調整抵抗を電流経路に接続するか否かを選択するための調整トランジスタとの組を含む。
図4の構成例によれば、ビットB6に対応して、ノードN6aおよびN6b間に、調整抵抗366および調整ゲート356の組が接続される。そして、調整ゲート356は、補正値ビットCB6に応じてオンオフする。同様に、ビットB7に対応して、ノードN7aおよびN7b間に、調整抵抗367aおよび調整ゲート357aの組と、調整抵抗367bおよび調整ゲート357bの組とが並列に接続される。調整ゲート357aは、補正値ビットCB7aに応じてオンオフし、調整ゲート357bは、補正値ビットCB7bに応じてオンオフする。これにより、補正値ビットCB7a,CB7bに応じて、ビットB7に対応する抵抗値の微調整を4段階に実行できる。
同様に、ビットB8に対しては、調整抵抗368a〜368cおよび調整ゲート358a〜358cによって構成された、調整抵抗および調整ゲートの3個の組が、ノードN8aおよびN8b間に並列に接続される。調整ゲート358a〜358cは、補正値ビットCB8a〜CB8cにそれぞれ応じてオンオフされる。これにより、補正値ビットCB8a〜CB8cに応じて、ビットB8に対応する抵抗値の微調整を8段階に実行できる。
また、最上位ビット(MSB)B9に対しては、調整抵抗369a〜369dおよび調整ゲート359a〜359dによって構成された、調整抵抗および調整ゲートの4個の組が、ノードN9aおよびN9b間に並列に接続される。調整ゲート359a〜359dは、補正値ビットCB9a〜CB9dにそれぞれ応じてオンオフされる。これにより、補正値ビットCB9a〜CB9dに応じて、ビットB9に対応する抵抗値の微調整を16段階に実行できる。
これにより、誤差補正回路110♯は、誤差補正回路110と同様に、補正値テーブル52aからの補正値CBを構成する各補正値ビットに対応して、デジタル/アナログ変換部の各ビット間の抵抗誤差を解消するような抵抗値の微調整を、ハードウェア機構により実行できる。
なお、図3および図4では、デジタル/アナログ変換の上位ビット側であるビットB6〜B9に対応する抵抗値のみを誤差補正回路110,110♯によって調整する構成を例示したが、抵抗誤差の調整を行なうビットについては適宜設計変更することができる。
以上説明したように、実施の形態1に従う回転角検出装置によれば、デジタル/アナログ変換時の抵抗誤差に着目して、当該抵抗誤差を解消するための、予め記憶されたデジタルデータ(補正値)に基づいた補正処理を、ハードウェア機構により高速に実行できる。したがって、検出対象であるモータジェネレータ4の高回転時であっても、遅れ時間の影響なく適切な補正処理を実行して、高精度にロータ回転角を検出できる。
特に、マイコン部40とR/Dコンバータ部14とが同一チップ上に形成された構成では、同一チップ上に形成されたROM52(たとえばフラッシュメモリ)を有効に活用して、補正値(デジタルデータ)を記憶することができる。また、バス等のチップ外への取出し等によるノイズ輻射を発生させることなく、補正処理を伴う高速な回転角検出を行なうことが可能となる。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2による回転角検出装置が適用されるモータ駆動システムの構成を示すブロック図である。
図5は、本発明の実施の形態2による回転角検出装置が適用されるモータ駆動システムの構成を示すブロック図である。
図5を図1と比較すると、実施の形態2による構成では、図1に示した誤差補正回路110に代えて、誤差補正回路400が設けられる点が異なる。誤差補正回路400は、R/Dコンバータ部14のカウンタ130から出力されたカウント値に対して、ハードウェア機構による補正演算を実行する。その他の部分の構成は、実施の形態1(図1)と同様であるので、説明は繰り返さない。
なお、実施の形態2において、マイコン部40およびR/Dコンバータ部14の構成は、以下の点を除いて、図2と基本的には同様である。まず、実施の形態2では、R/Dコンバータ部14において誤差補正回路110の配置が省略される。そして、マイコン部40では、後程図6で説明する誤差補正回路400が新たに設けられる。さらに、R/Dコンバータ部14のカウンタ130とは別個に、誤差補正回路400によって補正されたカウント値を格納する電気角カウンタ150が設けられる。
図6は、実施の形態2による誤差補正回路400の構成を説明するブロック図である。なお、実施の形態2では、カウント値φがB0〜B9の10ビットにより構成されるものとして説明する。
図6を参照して、補正値テーブル52aは、カウンタ130によるカウント値φのビットB0〜B9をアドレス信号とし、アドレス信号ごとに対応するデータとして、ビットE0〜E9により構成されるデジタル信号である補正値φ♯を予め記憶するように構成される。そして、補正値テーブル52aは、カウント値φのビットB0〜B9の組み合わせによって示されるアドレスに対応する補正値φ♯を出力する。
誤差補正回路400は、補正値φ♯の各ビットE0〜E9に対応してそれぞれ設けられたインバータ420〜429と、全加算器410〜419を有する。全加算器410〜419の一方の入力ノードAA0〜AA9には、カウント値φのビットB0〜B9がそれぞれ入力される。そして、全加算器410〜419の他方の入力ノードBB0〜BB9には、インバータ420〜429の出力、すなわち各角補正値ビットの反転値/E0〜/E9がそれぞれ入力される。また、全加算器412〜419には、下位ビットの全加算器410〜418からのキャリービットC0〜C8がそれぞれ入力される。
これにより、全加算器410〜419によって、カウンタ130のカウント値φ(B0〜B9)および、補正値テーブル52aに予め記憶された補正値φ♯(E0〜E9)の反転値(−φ♯)との加算演算結果(φ−φ♯)を示す、10ビットの補正カウント値(AD0〜AD9)が得られる。
このようにして、全加算器410〜419を用いたハードウェア処理によって、補正値テーブル52aに予め記憶された補正値φ♯を用いた、カウンタ130のカウント値φの補正処理を高速に実行できる。したがって、検出対象であるモータジェネレータ4の高回転時であっても、遅れ時間の影響なく適切な補正処理を実行して、高精度にロータ回転角を検出できる。
また、補正値φ♯は、カウント値φの各ビットの組み合わせ、すなわち、回転角毎に設定できるので、レゾルバ構造による周期的な誤差等を反映するように、実験結果等に基づいて適切に設定することができる。
次に、本発明の実施の形態1,2による回転角検出装置における補正値テーブル52aの書込時期について、図7のフローチャートを用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態1,2による回転角検出装置の製造工程の概要を説明するフローチャートである。
図7を参照して、工程P100は、同一チップ上に、マイコン部40およびR/Dコンバータ部14が作製される製造工程である。工程P100が終了すると、工程P110により、ウェハ(チップ)状態でのテストが行なわれる。工程P110では、テスト結果に基づき、必要に応じてレーザトリミング等の微調整のための処理が併せて実行されてもよい。
工程P110による検査および調整が終了したチップは、工程P120により、ダイシングおよびパッケージングされて、パッケージ状態とされる。さらに、工程P130では、パッケージに設けられた入出力ピン等を介して、パッケージ外部から電気的にコンタクトすることによって、パッケージ状態での最終テストが実行される。
実施の形態1,2による回転角検出装置では、パッケージ後の状態においても、入出力ピン等を用いて、ROM52へ補正値を書込むことができる。したがって、工程P140では、最終テストの結果に基づいて決定された補正値(CB0〜CB9,E0〜E9)が、ROM52に書込まれる。これにより、最終テストの結果を反映して、補正値をより適切に設定できるので、補正処理の効果を高めて、回転角検出精度を向上させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 インバータ装置、4 モータジェネレータ、6 モータ制御回路、8,9 電流センサ、10 制御IC、12 レゾルバ、14 R/Dコンバータ部、15 一次巻線、16 二次巻線(Sin側)、17 二次巻線(Cos側)、18 減算器、20 同期検波部、22 積分器、27 ROMテーブル(コサイン)、28,28♯,29,29♯ 乗算型D/Aコンバータ、30 ROMテーブル(サイン)テーブル、32,34 差動アンプ、36 位相検出部、40 マイコン部、42 CPU、44 タイマ回路、52 ROM、52a 補正値テーブル、52b 記憶領域(プログラム、定数)、56 データバス、68 CAN通信ユニット、70 汎用ポート、71 D/A変換器、72 A/D変換器、76 システムコントローラ、82 乗算器、88 シフタ、90 システムレジスタ、92 汎用レジスタ、100 モータ駆動システム、110,110♯,400 誤差補正回路、120 演算部、130 カウンタ、150 電気角カウンタ、200,220,310〜320 オペアンプ、210〜219 変換トランジスタ、224,225 抵抗素子、230a,230b〜239a,239b 変換抵抗、256a,257a,257b,258a〜258c,259a〜259d 調整トランジスタ、266a,267a,267b,268a〜268c,269a〜269d,366,367a,367b,368a〜368c,369a〜369d 調整抵抗、356,357a,357b,358a〜358c,359a〜359d 調整ゲート、410〜419 全加算器、420〜429 インバータ、400 誤差補正回路、A1,A2,A3 アンプ、B0〜B9 ビット、AA0〜AA9,BB0〜BB9 入力ノード、CB,φ♯ 補正値、CB0〜CB9,E0〜E9 補正値ビット、C0〜C9 キャリービット、Ref 励磁用参照信号、TM0〜TM4 タイマ、U/D アップダウン切換信号、θ ロータ回転角、φ カウント値。
Claims (6)
- 回転機の回転角に応じて参照信号が振幅変調されたアナログ信号を出力するレゾルバからの出力信号に基づいて前記回転角を検出する回転角検出装置であって、
前記レゾルバからの前記出力信号である回転角信号に基づいて、前記回転角に対応させて複数ビットのカウント値が増減するように構成されたカウンタを含む変換部と、
前記変換部での誤差の補正に用いるデジタルデータを記憶する補正値記憶部を含む制御部とを備え、
前記変換部および前記制御部の一方は、
前記補正値記憶部からの前記デジタルデータに応じて、前記カウント値を補正するように構成されたハードウェア機構である誤差補正回路を含み、
前記制御部は、前記誤差補正回路によって補正された前記カウント値に基づいて、前記回転機の電気角を求める、回転角検出装置。 - 前記変換部は、前記カウント値に基づく変調デジタル信号をアナログ変換した電圧と、前記回転角信号との間でのアナログ演算に基づいて、前記カウント値の増減を制御するように構成された演算部をさらに含み、
前記演算部は、
前記変調デジタル信号の各ビット値に応じて、第1のノードから第2のノードへ伝達される電流量が変化するように構成されたデジタル/アナログ変換部を有し、
前記誤差補正回路は、前記デジタルデータに応じて、前記第1および前記第2のノード間の経路へ選択的に接続される調整抵抗を含む、請求項1記載の回転角検出装置。 - 前記演算部は、
前記カウント値に応じて前記変調デジタル信号を出力するテーブル部と、
前記デジタル/アナログ変換部を含んで構成されて、前記テーブル部からの前記変調デジタル信号と、前記回転角信号との乗算に従うアナログ電圧を出力する乗算型デジタル/アナログコンバータとをさらに有する、請求項2記載の回転角検出装置。 - 前記補正値記憶部は、
前記カウンタによる前記カウント値に応じて、前記カウント値のnビット値の組み合わせ毎に予め設定された補正値に従った前記デジタルデータを出力するように構成された補正値テーブルを有し、
前記誤差補正回路は、
前記カウンタによる前記カウント値および前記補正値テーブルからの前記デジタルデータの加算演算に従うnビットのデジタル信号を出力するハードウェア機構により構成された加算回路を有する、請求項1記載の回転角検出装置。 - 前記補正値記憶部への前記デジタルデータの書込は、前記制御部および前記変換部のパッケージ後に実行される、請求項1記載の回転角検出装置。
- 前記変換部および前記制御部は、同一チップ上に構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転角検出装置。
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JP2007321117A JP2009145124A (ja) | 2007-12-12 | 2007-12-12 | 回転角検出装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018064340A (ja) * | 2016-10-12 | 2018-04-19 | ソフトロニクス株式会社 | モータ制御装置 |
-
2007
- 2007-12-12 JP JP2007321117A patent/JP2009145124A/ja not_active Withdrawn
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