JP2009144510A - 建設機械の騒音低減構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この発明は、建設機械の上部旋回体のブームフート部に設けられてブーム後方を覆って上部旋回体のカバーと連なるディスタンスプレートを有する建設機械の騒音低減構造であって、ディスタンスプレートの内側で旋回ユニットが配置された上部旋回体の底板に、外輪対応位置と内輪対応位置を避けた穴部形成領域内で1または複数の穴部を穿設し、機体前方へ放出された熱風や騒音を前記穴部から機体直下の地面に向かって逃がしてなることを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
一方、上部旋回体1Aの後方には、図4に示すようにラジエタ等の熱交換器11、冷却ファン12、エンジン13、油圧ポンプ14、マフラ15等の機器が上部旋回体1Aのカバーの内部に内蔵されている。
そのため、カバー内でファイヤーウォールWなどを通過する等して機体前方へ放出されるエンジン音や油圧音は、前記開口部6から漏れ出し、機体前方の騒音レベルが上昇するという問題点があった。
しかし、ファイヤーウォールなどを通過して前方へ放出される騒音に対しては有効な低減方法は採られていなかった。
しかし、この場合、ディスタンスプレート4’に開口部が形成されていないので、エンジンルームから排気された熱風の行き先が無くなり熱がこもると同時に、エンジン音などの騒音もこもってしまい、機体周囲の騒音レベルが上昇するという問題点があった。
しかし、この覆いは、エンジンオイルパンの形状に合わせて製作するので金型を必要とし、全体として高価となり、また製作に時間がかかるという問題点があった。
建設機械の上部旋回体のブームフート部に設けられてブーム後方を覆って上部旋回体のカバーと連なるディスタンスプレートを有する建設機械の騒音低減構造であって、
ディスタンスプレートの内側で旋回ユニットが配置された上部旋回体の底板に、外輪対応位置と内輪対応位置を避けた穴部形成領域内で1または複数の穴部を穿設し、機体前方へ放出された熱風や騒音を前記穴部から機体直下の地面に向かって逃がしてなることを特徴とする。
また、請求項2の発明では、
前記ディスタンスプレートの内側で、旋回ユニットが配置される区画を、前記ディスタンスプレートの後方上部に連なるシートメタルなどの被覆部材で覆ってなることを特徴とする。
請求項2の発明では、旋回ユニットが配置される区画は密閉されるが、前記穴部によって熱風の排気と騒音の低減を図ることができる。
図1に示すように、油圧ショベル1は上部旋回体1Aと、クローラ式足回り装置1Bとからなっており、上部旋回体1Aの機体後方はエンジンルームとなっており、その外側を覆うエンジンカバー2は、ラジエタ11等の熱交換器、冷却ファン12、エンジン13、油圧ポンプ14、マフラ15等の機器を覆っている(図4参照)。
また、前記エンジンルームのファイヤウォールWを介して、上部旋回体1Aの機体前方中央のブームフート部3では、中央にディスタンスプレート4が固設されている。
このディスタンスプレート4は、図3で明瞭なように左右一対のサイドプレート4aの上方にブーム20を枢着するブラケット4bを有し、下方にはブーム20の左右側方で一対に配置されるブームシリンダ21を枢着するブラケット4cをそれぞれ有し、ベースフレーム5に固定された底板5aから斜め上向きに立ち上がるベースプレート4dを有する構成からなっている。
そして、ディスタンスプレート4の下方中央には、ブームシリンダ21の油圧ホース22を通すための矩形の開口部6が穿設されている。
この開口部6は、ディスタンスプレート4の下方のブラケット4cに枢着されるブームシリンダ21の油圧ホース22を内側に通すためのもので、この油圧ホース22はファイヤウォールWの前方でディスタンスプレート4との間に配置された油圧制御バルブ24に接続される。
このディスタンスプレート4の内側であって開口部6と対峙し離間する位置の底板5a上には遮蔽板7が立設されている。
本実施例では、遮蔽板7は前記油圧制御バルブ24と開口部6の間に配置される。
この遮蔽板7は、機体正面側から見て前記開口部6を塞ぐことができる大きさの面を有するように設定される。
また、遮蔽板7は、その素材を吸音性の高い素材とし、あるいは遮蔽板7の裏面に公知の吸音材を取り付ける構造としてもよい。
図示例では、前記遮蔽板7の上端とディスタンスプレート4のベースプレート4dの傾斜する内壁面との間にはスペースSが形成されている。
また、遮蔽板7を乗り越えた騒音は、ディスタンスプレート4のベースプレート4dの内壁面とぶつかり、反射して減衰させることができる。
この場合、上記ベースプレート4dの内壁面に吸音材を取り付けてもよい。
これにより、エンジン音や油圧音などが機体前方へ放出されても、遮蔽板7によって開口部6から洩れる騒音は減衰され、機体前方の騒音レベルを上昇させることがない。
また、遮蔽板7は、実質的に開口部6を正面から見た場合に開口部を塞ぐ面を有していればよく、それ以上に上下または左右に大きく形成されたものであってもよい。
図10の従来例では、ディスタンスプレート4’に開口部6を設けず、また油圧制御バルブもディスタンスプレート4’で仕切られた内部空間には配置せず、例えば運転室と対向するブーム側方などに配置する(図示せず)。
そして、ディスタンスプレート4’の上端に連なる部分、即ち、旋回ユニットが配置される区画Aの上方をシートメタル8等で覆って密閉している。
本実施例では、上部旋回体1Aで旋回ユニットが設けられた所定の底壁面に下方へ貫通する穴部9を設けた点に特徴がある。
旋回ユニットは、図6、図7に示すように、上部旋回体1Aの底面に固定された環状のベアリング31と、該ベアリング31にスチールボールを介して回転自在に軸受けされて下部走行体1Bに連結された外輪32と、該外輪32の内周に形成された歯車32aと、該歯車32aと噛合する歯車33aを外周に有する内輪33と、該内輪33の回転軸上に設けられて上部旋回体1A内に固定されたスイングモータ34と、中心位置に設けられて各種油圧モータ等へ圧油を送るスイベルジョイント35との公知構成からなっている。
この旋回ユニットは、ディスタンスプレート4’の内側に配置されており、前述の通り、シートメタル8等で上部を覆って密閉されている。
そして、ディスタンスプレート4’とファイヤウォールWの間の区画Aの底板5a上には、スイングモータ34とスイベルジョイント35が立設されている。
なお、前記参考例と同一の構造には同一符号を付してその説明を省略する。
この場合に、前記区画Aには油圧制御バルブ24が設けられることになるが、該油圧制御バルブ24を除けた位置で、穴部9を設ければ、穴部9からも熱風や騒音を逃がすことができる。
なお、参考例1と共通する個所については、参考例1と同じであるのでその説明を省略する。
この実施例3では、覆い10は型を用いず薄板板金で受台形状に形成している。
図11、12に示す覆い10は、上面と一側を開放した箱型からなっており、エンジン13の下方のエンジンカバー2に着脱可能に取り付けたエンジンアンダーカバー17に一体に形成されている。
覆い10は上面だけでなく側面の一側を開放したので、エンジンオイルパン16の大きさが異なっても収納することができ、汎用性が高い。
そして、支持周壁17a間で、高さ方向の中途位置に支持底壁17bを水平に嵌め縁部を固着し、上記支持底壁17bから上の部分を覆い10としている。
ここで前記支持底壁17bの上面や、支持底壁17bより上方に立ち上がる支持周壁17aの内壁面には吸音材(図示省略)を貼付することが好ましい。
また、エンジンアンダーカバー17を取り外せば、同時に覆い10もエンジンオイルパン16から外れる。
本実施例では、覆い10の内壁面に、鉤状の連結凸部(図示せず)を設けておき、吸音ブロック10Bには、上記連結凸部と係止する連結受部31が設けられており、吸音ブロック10Bを容易に内壁面に貼り付けることができるようになっている。
そして、前記覆い10の側壁には、下方へ延出する取付片32を固着しておき、該延出片32の先端を左右の支持周壁17a’にネジ33で止めるなどして着脱可能に固定する。
この着脱可能に固定する構成は上記実施例の構成に限定されず、公知の係合手段や掛止手段を用いてもよい。
この場合も、前記実施例と同様に、エンジンアンダーカバー17の着脱で覆い10をエンジンオイルパン16を覆うように囲むことができる(図12参照)。
上記実施例では、エンジンアンダーカバー17の一部を切り起こして覆い10を形成し、あるいは覆い10を支持する壁面とする場合を例示したが、エンジンアンダーカバー17とは別体の支持片をエンジンアンダーカバー17上に立設して覆い10を支持するようにしてもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
1A 上部旋回体
1B 下部走行体
2 エンジンカバー
3 ブームフート部
4 ディスタンスプレート
5 ベースフレーム
6 開口部
7 遮蔽板
8 シートメタル
9 穴部
10 覆い
11 ラジエタ
12 冷却ファン
13 エンジン
14 油圧ポンプ
15 マフラ
16 エンジンオイルパン
17 エンジンアンダーカバー
20 ブーム
21 ブームシリンダ
22 油圧ホース
24 油圧制御装置
Claims (2)
- 建設機械の上部旋回体のブームフート部に設けられてブーム後方を覆って上部旋回体のカバーと連なるディスタンスプレートを有する建設機械の騒音低減構造であって、
ディスタンスプレートの内側で旋回ユニットが配置された上部旋回体の底板に、外輪対応位置と内輪対応位置を避けた穴部形成領域内で1または複数の穴部を穿設し、
機体前方へ放出された熱風や騒音を前記穴部から機体直下の地面に向かって逃がしてなることを特徴とする建設機械の騒音低減構造。 - ディスタンスプレートの内側で、旋回ユニットが配置される区画を、前記ディスタンスプレートの後方上部に連なるシートメタルなどの被覆部材で覆ってなることを特徴とする請求項1に記載の建設機械の騒音低減構造。
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JP2009083797A JP2009144510A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 建設機械の騒音低減構造 |
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JP2009083797A JP2009144510A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 建設機械の騒音低減構造 |
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JP2004315031A Division JP4486475B2 (ja) | 2004-10-29 | 2004-10-29 | 建設機械の騒音低減構造 |
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Citations (3)
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JPH11303141A (ja) * | 1998-04-20 | 1999-11-02 | Komatsu Ltd | 吸音材付き建設車両 |
JP2003082705A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-03-19 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 建設機械の旋回フレームおよびその製造方法 |
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