JP2009144213A - 酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸化亜鉛ケーキの含水率の影響を受け、ロータリーキルン内壁への付着物の成長抑制を可能とする操業方法の提供を課題とする。
【解決手段】 亜鉛を含有する鉄鋼ダストを還元剤とともに還元焙焼炉に装入して還元する工程と、該還元焙焼炉から回収された粗酸化亜鉛に湿式処理を施す工程と、得られる酸化亜鉛スラリーに脱水処理を行う工程と、得られる酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程とからなる酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法の、酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程において、酸化亜鉛ケーキを、スクリューコンベアを介してロータリーキルンに装入して酸化亜鉛を乾燥するに際して、ロータリーキルンに供給するスクリューコンベア内で酸化亜鉛ケーキに必要に応じて水を注水する。
【選択図】 図1
【解決手段】 亜鉛を含有する鉄鋼ダストを還元剤とともに還元焙焼炉に装入して還元する工程と、該還元焙焼炉から回収された粗酸化亜鉛に湿式処理を施す工程と、得られる酸化亜鉛スラリーに脱水処理を行う工程と、得られる酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程とからなる酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法の、酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程において、酸化亜鉛ケーキを、スクリューコンベアを介してロータリーキルンに装入して酸化亜鉛を乾燥するに際して、ロータリーキルンに供給するスクリューコンベア内で酸化亜鉛ケーキに必要に応じて水を注水する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法に関し、特に、鉄鋼業の高炉、電気炉等で発生する鉄鋼ダストから、還元焙焼炉内にて粗酸化亜鉛を回収し、湿式処理を施すことでハロゲン化物等の不純物を除去した後、乾燥加熱炉に装入することにより、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱を製造する方法において、湿式処理後の酸化亜鉛ケーキが装入された乾燥加熱炉の操業を安定化させる方法に関する。
鉄鋼業における高炉や電気炉から発生する鉄鋼ダストは、その主成分である酸化鉄以外に、亜鉛成分や鉛成分が相当量含有されており、従来からこの鉄鋼ダスト中における亜鉛成分および鉛成分を、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱として回収することが行われている。
この酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法において、還元焙焼炉から得られた粗酸化亜鉛に湿式処理を施すことでハロゲン化物を除去して、乾燥加熱炉にて焼成および造粒を行う方法がある。
還元焙焼炉から回収される粗酸化亜鉛は、8〜18質量%程度の塩素および0〜5質量%程度のフッ素等のハロゲンを、塩素化合物またはフッ素化合物等のハロゲン化物として含有している。従って、これらのハロゲン化物やその他の不純物は、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、あるいはその他の薬剤を用いる湿式処理を施すことで除去する。
ハロゲン化物等の不純物を除去した酸化亜鉛スラリーから、乾燥加熱炉にて焼成、造粒を行うことにより、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱を製造する。この際、乾燥加熱炉にて水分を蒸発させるための熱量を削減するため、酸化亜鉛スラリーに予め脱水処理を施し、得られる酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入する。
従来、この脱水処理においては、シックナーやカローコン等による固液分離と、脱水機にかけることとからなる「1段脱水」が行われていた。
さらに、前記固液分離の沈降速度を上昇させることでスラリー濃度を調整し、脱水機を通して得られる酸化亜鉛ケーキの水分含有率の低下を図っていた。
しかし、酸化亜鉛スラリー中の組成が変動すると、その沈降速度も多少変動する。また、固液分離の沈降時間を十分に得ることが難しい状況の生じることもあり、この際には、酸化亜鉛スラリーのスラリー濃度が低下し、脱水機を通して得られる酸化亜鉛ケーキの水分含有量が上昇するという問題がある。
また、スラリー濃度を調整するために、固液分離の沈降に長時間をかけると、一定の酸化亜鉛量を得ることが難しくなり、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の生産量が低下するという問題がある。
こうした問題を解決すべく(1)亜鉛を含有する鉄鋼ダストを還元剤とともに還元焙焼炉に装入して還元する工程と、(2)該還元焙焼炉から回収された粗酸化亜鉛に湿式処理を施す工程と、(3)得られる酸化亜鉛スラリーに脱水処理を行う工程と、(4)得られる酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程とからなる酸化亜鉛焼鉱の製造方法において、前記湿式処理工程中の脱水方法を、(A)1段目の脱水工程2と、(B)1段目の脱水工程2で得られた酸化亜鉛ケーキに、調整槽3において、スラリー濃度測定装置3aにより測定したスラリー濃度が一定となるように、水量調節装置3bにより添加量を調節して調整水を添加する工程と、(C)2段目の脱水工程4とから構成することが特許文献1に開示された。
特開2002−285254号公報
この結果、乾燥加熱炉に装入される酸化亜鉛ケーキの含水率は一定の幅に納められるようになった。しかしながら、乾燥加熱炉としてロータリーキルンを用いた場合、酸化亜鉛ケーキの含水率の押さえられ変動幅の範囲内であっても、含水率の影響を受け、ロータリーキルン内壁への付着物の成長抑制等の問題を解消しきれず安定操業の継続は困難となっていた。
本発明は、こうした問題のない操業方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは種々の検討を行った結果、ロータリーキルンへ装入する酸化亜鉛ケーキの含水率の変動幅を小さくすれば、前記課題を解決することを見出し本発明に至った。
即ち、前記課題を解決する本発明は、(1)亜鉛を含有する鉄鋼ダストを還元剤とともに還元焙焼炉に装入して還元する工程と、(2)該還元焙焼炉から回収された粗酸化亜鉛に湿式処理を施す工程と、(3)得られる酸化亜鉛スラリーに脱水処理を行う工程と、(4)得られる酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程とからなる酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法の、酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程において、酸化亜鉛ケーキを、スクリューコンベアを介してロータリーキルンに装入して酸化亜鉛を乾燥するに際して、ロータリーキルンに供給するスクリューコンベア内で酸化亜鉛ケーキに注水する量を調節し、スクリューコンベア出口での酸化亜鉛ケーキの含水率の変動幅を小さくし、もって付着物の成長速度を低減するものである。
そして、本発明の別の態様は、前記発明に加えてスクリューコンベアを駆動させている駆動モータに流れている電流値の変動によって、注水量を増減させるものである。
そして、本発明の別の態様は、前記発明に加えて予め酸化亜鉛ケーキ中の含水率と前記駆動モータに流れる電流値との関係を求めておき、流れる電流値が所望の値Aより増加した場合には注水量を開始し、あるいは注水量を増加させ、所望の値Bより低下した場合には注水量を減少させ、あるいは注水を停止しさせるものである。
本発明に従えば、スクリューコンベアからロータリーキルンへ装入される酸化亜鉛ケーキ中の含水率の変動幅を小さくできる。この結果、水分の変動に起因する装入物のロータリーキルン内壁への付着を緩和することができる。従って、本発明を適用すれば、ロータリーキルンによる酸化亜鉛ケーキの乾燥加熱操業を安定化することができる。
湿式処理で得られる酸化亜鉛ケーキの含水率は、湿式処理条件、例えばろ過器のろ布の目詰まりや気温変動による吸引ポンプの強さといった諸条件の変動により一定とならない。本発明では、ロータリーキルンへの装入設備であるスクリューコンベア内でロータリーキルンに供給される酸化亜鉛ケーキに注水することにより、注水された水と酸化亜鉛ケーキとを混練してロータリーキルン内に供給される酸化亜鉛ケーキの含水率の変動幅を小さくしようとするものである。
そして、具体的手段としてスクリューコンベアを駆動させるモータの電流値を目安として注水を制御するものである。これは、酸化亜鉛ケーキの水分が低くなると、ケーキがスクリューに付着しやすくなり、前記モータの負荷が上がり電流値が高くなる傾向が有ることを利用したものである。従って、モータの電流値が上昇したときには注水を開始し、電流値が低下した場合には注水量を減少、あるいは注水を停止する。このように電流値に応じて注水量を変更する手段を取れば、ロータリーキルン内に装入される酸化亜鉛ケーキの水分の変動幅を小さくすることができる。
また、ロータリーキルン内に装入される酸化亜鉛ケーキの含水率の変動幅が小さくなるため、ロータリーキルン内の温度変動を小さくでき、その結果、ロータリーキルン内壁への付着物の成長を抑制することが可能となる。
更に、図を用いて説明する。図1は本発明の実施例を示したものであり、1は酸化亜鉛ケーキ、2はロータリーキルン本体、3は炉尻フード、4は装入スクリューコンベア、5は注水である。酸化亜鉛ケーキ1はロータリーキルン本体2の炉尻フード3を貫通して設けられた装入スクリューコンベア4によりロータリーキルン本体2内に装入される。この際、装入スクリューコンベアの駆動モータの電流値と酸化亜鉛ケーキの含水率との関係を予め求めておき、この関係より注水を開始する電流値Aと注水を停止する電流値Bとを定める。なお、具体的な注水量を電流値と比例制御させるか、させないかは装置条件や酸化亜鉛ケーキの供給量により適宜定めればよい。注水された水は、スクリューコンベア内で酸化亜鉛ケーキと混練されてキルン内に装入される。従って、注水量の割合(単位時間あたりの注水量)を、注水された水が直接ロータリーキルン内に流入する割合未満とすることが好まし。この値も、用いる装置と酸化亜鉛ケーキの供給量により決まるので、一概に限定できない。
還元焙焼用の回転炉にて、鉄鋼ダストから粗酸化亜鉛を回収し、該粗酸化亜鉛に炭酸ナトリウムを用いて塩素等の不純物を除去して、酸化亜鉛スラリーを得た。得られた酸化亜鉛スラリーに、5〜10質量ppm程度の高分子系凝集剤を添加し、シックナーにて固液分離して酸化亜鉛スラリーを得、真空吸引型脱水機(住友重機社製、脱水機)を用いて1段目の脱水を施し、水分含有率は、31.6〜43.7質量%の酸化亜鉛ケーキを得た。
次に、この酸化亜鉛ケーキを攪拌機を設置した調整槽内に送り、調整槽内に淡水を添加し、スラリー濃度が570〜650g/lの酸化亜鉛スラリーを得た。これを真空吸引型脱水機を用いて固液分離して脱水を施して、水分含有率31.4〜34.4質量%の酸化亜鉛ケーキを得た。
次に内径3.3m、長さ31mで、炉尻部が図1に示された構成のロータリーキルンを用いて乾燥加熱した。このとき、予め含水率C質量%の酸化亜鉛ケーキをスクリューコンベアでキルン内に装入する際のスクリューコンベア駆動モータに流れる電流値Aと、含水率D質量%の酸化亜鉛ケーキをスクリューコンベアでキルン内に装入する際のスクリューコンベア駆動モータに流れる電流値Bとを求めておき、該駆動モータに流れる電流値がAを超えたときにスクリューコンベアのケーキ供給部近傍に注水を開始し、電流値がBを下回ったときに注水を停止することで1ヶ月の連続試験操業を行った。その結果、ロータリーキルン内壁面への付着物の成長は少なく、安定して連続試験操業を終えることができた。
次に、注水をすることなく1ヶ月の試験操業を行った。ロータリーキルン内壁面への付着物の成長は前記例よりも多く、付着物除去のために2回の操業停止を行わざるを得なかった。
1――――酸化亜鉛ケーキ
2――――ロータリーキルン本体
3――――炉尻フード
4――――装入スクリューコンベア
5――――注水
2――――ロータリーキルン本体
3――――炉尻フード
4――――装入スクリューコンベア
5――――注水
Claims (3)
- (1)亜鉛を含有する鉄鋼ダストを還元剤とともに還元焙焼炉に装入して還元する工程と、(2)該還元焙焼炉から回収された粗酸化亜鉛に湿式処理を施す工程と、(3)得られる酸化亜鉛スラリーに脱水処理を行う工程と、(4)得られる酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程とからなる酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法の、酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉に装入して焼成する工程において、酸化亜鉛ケーキを、スクリューコンベアを介してロータリーキルンに装入して酸化亜鉛を乾燥するに際して、スクリューコンベア内でロータリーキルンに供給する酸化亜鉛ケーキに注水する水量を調節し、スクリューコンベア出口での酸化亜鉛ケーキの含水率の変動幅を小さくし、もって付着物の成長速度を低減することを特徴とする酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法。
- スクリューコンベアを駆動している駆動モータに流れている電流値の変動によって、注水量を増減させる請求項1記載の製造方法。
- 予め酸化亜鉛ケーキ中の含水率と前記駆動モータに流れる電流値との関係を求めておき、流れる電流値が所望の値Aより増加した場合には注水量を開始し、あるいは注水量を増加させ、所望の値Bより低下した場合には注水量を減少させ、あるいは注水を停止しさせる請求項2記載の製造方法。
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JP2007324138A JP2009144213A (ja) | 2007-12-17 | 2007-12-17 | 酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造方法 |
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JP2012201901A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化亜鉛焼鉱の製造方法 |
RU2496895C1 (ru) * | 2012-03-22 | 2013-10-27 | Открытое Акционерное Общество "Челябинский цинковый завод" | Способ вельцевания цинковых кеков |
JP2014214360A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化亜鉛焼鉱の製造方法 |
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